JP3883052B2 - 電池用セパレータの製造方法及び電池 - Google Patents

電池用セパレータの製造方法及び電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子多孔質膜からなる電池用セパレータを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型コンピューター、小型携帯器、あるいは自動車のクリーンなエネルギー源として種々の電池開発が盛んである。その中で、自動車用電池には高エネルギー密度・高寿命性能であることはもちろん、高出力密度であることが必要とされている。高出力密度を実現するには、電池の内部抵抗を低減する必要がある。電池の内部抵抗低減を実現する方法としては種々の方法が考えられるが、セパレータのイオン透過性を向上することが一つの方法として例示できる。
【0003】
電池の正負極を電気的に絶縁するために用いられる高分子多孔質膜からなるセパレ−タは、その性質を変化させることにより、内部抵抗等の電池性能に大きな影響を与えることができる。
【0004】
本発明者らは生産性に優れるセパレータの製法として、高分子を常温あるいは高温化で溶剤に溶解し、電極等の基材表面に塗布(溶剤キャスティング)した後、その高分子を難溶性液体等に浸漬させたり高分子溶液を難溶性液体に接触、冷却する等して樹脂を析出、乾燥後高分子多孔質膜を得る溶剤キャスト法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した溶剤キャスト法では、高分子多孔質膜の基材側との界面に孔の少ない緻密なスキン層が生成し易かった。このスキン層はセパレータのイオン透過性を減少させる結果、電池の内部抵抗を増大させる原因となり、自動車用電池等に要求される高出力性能が満足されるには至っていない。
【0006】
そこで、本発明ではスキン層の少ない低抵抗な高分子多孔質膜からなる電池用セパレータを製造する方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する目的で本発明者らは鋭意研究した結果、高分子材料が溶解された高分子溶液を基材表面に塗布する高分子塗布工程と、該高分子溶液が塗布された該基材を高分子材料の難溶性液体に晒すことにより該高分子材料を該基材表面に析出させる高分子析出工程と、からなる電池用セパレータの製造方法において、スキン層の発生するメカニズムとして、高分子多孔質膜をその表面に形成する基材と難溶性液体との濡れ性が悪いと基材側にまで難溶性液体が容易に進入できず、その付近の高分子の析出が遅延することで高分子多孔質膜の構造が粗大化し孔の少ないスキン層が生成することがわかった。
【0008】
本発明者等は、本知見に基づき基材と難溶性液体との濡れ性を最適化することでスキン層の少ない電池用セパレータを得ることができた。すなわち、前述の電池用セパレータの製造方法において、難溶性液体と基材との接触角が80度以下であることを特徴とする電池用セパレータの製造方法を発明した。
【0009】
本発明により製造された電池用セパレータは、基材側の界面に孔の少ないスキン層の発生が少なくなり、それゆえ、このセパレ−タを用いた電池は内部抵抗が低下する。その結果、その電池は優れた出力特性が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔電池用セパレータの製造方法〕
本発明の電池用セパレータの製造方法は、高分子塗布工程と高分子析出工程とからなる。
【0011】
(高分子塗布工程)
高分子塗布工程は高分子材料が溶解された高分子溶液を基材表面に塗布する工程である。基材表面に形成される高分子溶液の量は最終的に形成される電池用セパレータが必要な厚みを得られるように調整される。
【0012】
高分子溶液を基材表面に塗布する方法は特に限定されないが、たとえば、ブレードコーター、ロールコーター、ナイフコーター及びダイコーター等の塗布方法から基材の形状等に応じて選択することができる。後述するように、基材として電極を用いる場合には、高分子溶液が電極のポア内の空気と置換しないようにするため、高分子溶液は粘度の高い溶液であることが好ましい。その他に高分子溶液を基材上に塗布する方法としては、基材を高分子溶液に浸漬して塗布することもできる。この塗布方法では、基材が高分子溶液から引き上げられたときの液切れを良くするために、粘度の低い高分子溶液を用いることが好ましい。
【0013】
基材としては、本電池用セパレータが適用される電極そのものを使用することもできるし、PETやPPS等からなる平滑なフィルム等を用いることもできる。基材は、後述する難溶性液体に対して、接触角が80度以下であることが必要であり、好ましくは45度以下とする。接触角の測定は、実際に高分子溶液を塗布する表面状態で行う。基材の接触角を好適な値とするには、基材を構成する材料及び難溶性液体をそれぞれ親和性の高いものとしたり、その接触角が90度以下で好適な値に到達していない場合には基材表面に微少な凹凸を形成する等の方法で達成できる。
【0014】
高分子溶液は高分子材料とその他必要に応じて添加される添加剤とを高分子材料の良溶性液体に溶解させた溶液である。添加剤としては高分子材料を改質する改質剤、高分子材料中の分子間を架橋する架橋剤、電池用セパレータのイオン伝導性を向上するリチウムイミド塩等のリチウム塩、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール等の増粘剤、界面活性剤、消泡剤あるいは表面調整剤等である。
【0015】
高分子材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンエーテル(ポリフェニレンオキサイド)、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリビニリデンフロライドやこれらを変性させた高分子等があげられる。
【0016】
これらの中で特に望ましいのは、後加工の容易さの点で分子中のH基が引き抜かれてラジカルが生成しやすいポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリビニリデンフロライドやこれらを変性させた高分子である。
【0017】
良溶性液体は用いる高分子材料に応じて適正に選択する。たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、アセトン、キシレン、トルエン、デカリン、パラフィン等が挙げられる。さらに加温することで高分子材料の溶解性が向上する。溶媒の添加量は、高分子材料1質量部に対して、2〜20質量部程度が望ましい。
【0018】
改質剤は、高分子材料の分子の側鎖あるいは末端を置換し、改質前の高分子材料に比べ分子量を増加させたり、溶解度パラメータを変えることで、耐電解液性が向上すると考えられる。たとえば、モノアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルビリジン、トリアリルフタレート、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、アクリルシリコーン等のように一つ以上の不飽和二重結合を有する官能性モノマーが挙げられる。
【0019】
架橋剤は、高分子材料の分子間を架橋することで、耐電解液性が向上させる。たとえば、ジアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルビリジン、トリアリルフタレート等の二つ以上の不飽和二重結合あるいはビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン等のように1つ以上の不飽和二重結合と1つ以上の反応性官能基を有する官能性モノマーが望ましい。改質剤及び架橋剤を加える場合には、高分子材料の1質量部に対し、0.05〜1質量部である。
【0020】
本工程により、基材の表面に高分子材料等の電池用セパレータを構成する材料を含んだ高分子溶液の薄膜が形成される。
【0021】
(高分子析出工程)
高分子析出工程は、高分子溶液が塗布されたその基材を高分子材料の難溶性液体に晒すことによりその高分子材料からなる高分子多孔質膜をその基材表面に析出させる工程である。
【0022】
高分子溶液が塗布された基材(以下「塗布基材」と略称する)を難溶性液体に晒す方法としては、塗布基材を難溶性液体中に浸漬したり、塗布基材に難溶性液体を噴霧したりすることで達成できる。なお、塗布基材表面の高分子溶液から良溶性液体が完全に蒸発する前に塗布基材を難溶性液体に曝す必要がある。
【0023】
難溶性液体に塗布基材を曝すと、塗布基材中の良溶性液体が難溶性液体中に混合されるので、連続的に塗布基材を難溶性液体に曝す場合には何らかの方法で難溶性液体中の良溶性液体を取り除いて難溶性液体を再生したり、新たな難溶性液体と交換することが望ましい。
【0024】
難溶性液体とは前述の高分子塗布工程にて基材表面に塗布した高分子溶液中に溶解された高分子材料に対して難溶性の液体であり、好ましくは良溶性液体と混合可能な液体である。したがって、用いる高分子材料により好ましい難溶性液体は異なってくるが、水、アルコール及びケトンの少なくとも一種であることが好ましい。特に基材との接触角を考慮すると、アルコール系の液体が好ましい。
【0025】
本工程により、基材表面に形成された高分子溶液の薄膜中に存在する良溶性液体が難溶性液体と順次置換されて、高分子溶液に溶解していた高分子材料が析出してくる。このときに難溶性液体と基材との接触角が小さい(すなわち、親和性が高い)ので、基材との界面近くまで速やかに良溶性液体が難溶性液体に置換できるので、界面近くの高分子材料も速やかに析出する。したがって、従来技術で問題となった基材界面近くの難溶性液体による良溶性液体の低置換速度に起因する膜の緻密化(スキン層の形成)が抑制できる。
【0026】
(その他の工程)
高分子析出工程により基材表面に形成された高分子多孔質膜は、その後、難溶性液体が乾燥等により除去される。そして、前述の高分子溶液中に添加剤として架橋剤や改質剤等を添加している場合にはその後の加熱による改質若しくは架橋等の後加工を行うことが好ましい。また、形成された高分子多孔質膜表面に再度改質剤や架橋剤等を再度塗布して改質や架橋を進行させても良い。
【0027】
改質や架橋を進行させるためには、加熱の他にも電子線、ガンマ線、X線、紫外線等の高エネルギー線を照射することでも行うことができる。
【0028】
さらに、改質若しくは架橋等の後加工を円滑に進行させるために前述の高分子溶液中に有機過酸化物等のラジカル発生剤を含有させたり、高分子多孔質膜を乾燥させた後に有機過酸化物等を含む溶液を表面に塗布したりできる。
【0029】
また、基材が最終的に適用される電池の電極である場合には、そのまま基材表面で高分子多孔質膜を乾燥させて電池用セパレータとすることができるが、基材が電極ではない場合には基材表面に形成された高分子多孔質膜を剥離する剥離工程を設ける必要がある。
【0030】
〔電池〕
本発明の電池は高分子多孔質膜からなる電池用セパレータを用いる電池であれば特に限定されないが、リチウム二次電池に好適に適用できる。以下の説明はリチウム二次電池について説明する。なお、本発明の電池は、活性炭を活物質として含む電極合材を集電体の表面に層状に形成させた電極を有する電気二重層キャパシタ等に対しても適用可能であるため、本明細書において「電池」とは「キャパシタ」の意味をも含むものとする。
【0031】
本発明の電池は、正負電極と、その正負電極に狭持された前述の製造方法で製造された電池用セパレータと、電解液とその他の必要な要素とを有する。
【0032】
電池用セパレータは前述の製造方法で製造されたものであるので、スキン層の発生が少なく、イオン透過性に優れたものとなっている。詳しくは前述の電池用セパレータの製造方法欄で説明したのでここでの更なる説明は省略する。また、前述の基材として以下に説明する正極もしくは負極を適用することもできる。
【0033】
本発明の電池では、コイン型電池、ボタン型電池、円筒型電池及び角型電池等の公知の電池構造をとることができる。
【0034】
正負極は集電体上に活物質、結着剤等を溶媒と混合したペーストを塗布、乾燥して合材層としたものが例示できる。本リチウム二次電池は、これら正極と負極とを電池用セパレータを重ね合わせてなる電極体を有する。
【0035】
正極の活物質にはLiMn24等の公知の正極活物質を用いることができる。また、負極の活物質には公知の炭素材を用いることができる。中でも結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛等からなるものを用いることが好ましい。このような結晶性の高い炭素材を用いることにより、負極のリチウムイオンの受け渡し効率を向上させることができる。また、炭素材以外に酸化物及び硫黄化物等を活物質として用いてもよい。正極および負極のいずれも、活物質を集電体上に設けた電極を用いることが好ましい。
【0036】
電解液は電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液を用いる。電解質、有機溶媒共ににも公知のものを用いることができる。特に、LiPF6等のリチウム塩をエチレンカーボネート等の有機溶媒に溶解した非水電解液を用いることが好ましい。
【0037】
その他の要素については特に限定されず、公知の構成を用いることができる。
【0038】
【実施例】
〔電池の製造〕
負極は人造黒鉛98質量部、SBR1質量部及びカルボキシメチルセルロース1質量部を水と混合しペーストとしたものを合材層としてCu箔上に塗布した後に乾燥、圧延して形成される。
【0039】
正極はニッケル酸リチウム87質量部、カーボンブラック10質量部、ポリテトラフルオロエチレン2質量部及びカルボキシメチルセルロース1質量部を水と混合しペーストとしたものを合材層としてAl箔上に塗布した後に乾燥、圧延して形成される。
【0040】
電解液は、エチレンカーボネート3体積部、ジエチルカーボネート7体積部からなる溶媒1L当たり1molのLiPF6 を溶解して調製した。
【0041】
電池用セパレータは以下に記載する方法で製造し、これらの要素を組み立てて18650型の電池を製造した。
【0042】
〔電池用セパレータの製造〕
(実施例1)
高分子材料としての飽和ポリエステル(東洋紡績製、パイロンKS021)30質量部及び改質剤若しくは架橋剤としてのトリアリルイソシアネート(日本化成製、TAIC)6質量部を良溶性液体としてのNメチルピロリドン70質量部に125℃で溶解し高分子溶液を得た。
【0043】
この高分子溶液を基材(きもと製、X1B:カーボン+顔料)に、ブレードコーターにて塗布した(高分子塗布工程)後、難溶性液体としての水中に5分間浸漬(高分子析出工程)、乾燥して基材表面から剥離する(剥離工程)ことで高分子多孔質膜を得ることができた。
【0044】
この高分子多孔質膜を有機過酸化物としてのジクミルパーオキサイド(日本油脂、パークミルD)1質量部をエタノール99質量部の溶液に10秒間浸漬した後、乾燥しエタノールを除去した。密閉容器中にこの高分子多孔質膜を入れ、Arパージした後に密閉し150℃で2時間熱処理し反応させて電池用セパレータとした。この電池用セパレータと正負極とを組み合わせた電池を作製した。
【0045】
(実施例2)
高分子溶液を基材(きもと製、X1B)に、ブレードコーターにて塗布した後、難溶性液体としてエタノール中に5分間浸漬させた以外は実施例1と同様にして電池用セパレータを調製し、電池を製造した。
【0046】
(実施例3)
基材(リンテック製、P75T023−2:アルキド樹脂)以外は実施例1と同様にして電池用セパレータを調製し、電池を製造した。
【0047】
(実施例4)
高分子溶液を基材(中興化成製、チュウコウフロウ:フッ素樹脂)に、ブレードコーターにて塗布した後、難溶性液体としてエタノール中に5分間浸漬させた以外は実施例1と同様にして電池用セパレータを調製し、電池を製造した。
【0048】
(実施例5)
高分子溶液を基材(リンテック製、P75T023−2)に、ブレードコーターにて塗布した後、難溶性液体としてエタノール中に5分間浸漬させた以外は実施例1と同様にして電池用セパレータを調製し、電池を製造した。
【0049】
(実施例6)
高分子溶液を基材(テフロンフィルム:PTFE)に、ブレードコーターにて塗布した後、難溶性液体としてエタノール中に5分間浸漬させた以外は実施例1と同様にして電池用セパレータを調製し、電池を製造した。
【0050】
(比較例1)
高分子溶液を基材(テフロンフィルム)に、ブレードコーターにて塗布した以外は実施例1と同様にして電池用セパレータを調製し、電池を製造した。
【0051】
(比較例2)
高分子溶液を基材(中興化成製、チュウコウフロウ)に、ブレードコーターにて塗布した以外は実施例1と同様にして電池用セパレータを調製し、電池を製造した。
【0052】
〔電池の内部抵抗測定〕
電池の内部抵抗は、20℃にて1kHz時のインピーダンス抵抗をデジタルミリオームメータ(ナショナル製、VP−2811A)にて測定した。
【0053】
〔基材の接触角測定〕
20℃の雰囲気において水平に置かれた各基材の上に難溶性液体を2.5mLのディスポーザブルシリンジから1滴滴下し、基材と液滴の接触角を測定した。
【0054】
〔結果〕
各基材の接触角及び内部抵抗を表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0003883052
【0056】
表1から明らかなように、基材の難溶性液体との接触角の値と内部抵抗の値とに良い正の相関が認められ、接触角が大きくなると内部抵抗も大きくなった。特に、接触角が80度の実施例1の電池の内部抵抗を1とすると、それよりも接触角を小さい0度としても内部抵抗の値は0.7とほぼ定常化していることから、基材の難溶性液体に対する接触角の値としては80度以下とすることが好ましいことが明らかとなった。さらに、難溶性液体をエタノールとすることで、すべての基材の接触角の値を80度以下とすることが可能となった。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電池用セパレータの製造方法によると、高分子溶液を塗布する基材と難溶性液体との接触角を制御することで、製造される電池用セパレータに発生するスキン層を少なくすることが可能となり、電池用セパレータのイオン透過性を向上することができた。その結果、本製造方法で製造された電池用セパレータを用いた電池は内部抵抗を低くすることが可能となり、出力特性に優れる電池となった。

Claims (3)

  1. 高分子材料が溶解された高分子溶液を基材表面に塗布する高分子塗布工程と、該高分子溶液が塗布された該基材を高分子材料の難溶性液体に晒すことにより該高分子材料を該基材表面に析出させる高分子析出工程と、からなる電池用セパレータの製造方法において、
    該難溶性液体と該基材との接触角が80度以下であることを特徴とする電池用セパレータの製造方法。
  2. 前記難溶性液体がアルコ−ルである請求項1に記載の電池用セパレータの製造方法。
  3. 正負電極と、該正負電極に狭持された請求項1又は2に記載の製造方法で製造された電池用セパレータとを有することを特徴とする電池。
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