JP3883012B2 - 血液中の白血球の分別測定のための試薬及び方法 - Google Patents
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Description
本発明は、細胞溶解試薬及び安定剤並びに適当な電子装置により単一血液試料中の白血球の少なくとも3種類の集団の測定を可能にする方法に関する。さらに、本発明は血液中の全ヘモグロビンの測定のために有用な試薬及び方法に関し、この試薬はシアニドを含有しない。
発明の背景
全血試料からの白血球集団の分析は種々の病理に関する診断法の一体的且つ必須の部分である。自動化された方法で白血球の主たる亜集団(subpopulation)を分析する可能性は単一血液サンプルの迅速診断のため及び多数の試料を一度に迅速に処理するために必須である。
血液試料の伝統的な診断は顕微鏡スライド上に血液試料を付着せしめ、そして個々のスライドを手動で視覚分析することを含む。このアプローチは、明らかに非常に時間がかかり、またスライドを分析する個人の解釈に依存する。これらの因子は、フローサイトメトリーを用いる自動化された白血球分析の開発を導いた。血液学的装置を用いての自動化された白血球分析を用いる場合の必須の段階は赤血球細胞の溶解である。
米国特許No. 4,286,963(Ledisら)は全血中の赤血球の迅速な溶血を達成するための溶解剤及び方法、並びに白血球のリンパ系亜集団及び骨髄系亜集団の自動化された分析、及びヘモグロビンの定量を記載している。溶解剤は、緩衝化水性媒体(pH3.5〜5.0)中少なくとも1種の四級アンモニウム界面活性剤及びアリール置換短鎖アルカノールの混合物から成る。しかしながら、この試薬はその能力において白血球を2つの主たる亜集団、すなわちリンパ系画分及び骨髄系画分に分別することに限定される。
米国特許No. 4,485,175(Ledisら)は、自動化された細胞計数装置を用いて白血球を3つの亜集団に分別測定する試薬系及び方法を記載している。この試薬系は血液希釈剤及び四級アンモニウム界面活性剤の混合物を含んで成る溶解剤を含有する。しかしながら、この試薬系は、その用途を、白血球を3つの亜集団、すなわちリンパ球、単球及び顆粒球に分別することに限定している。
四級アンモニウム界面活性剤は強く溶血性であり、そして前記の両特許の方法は白血球の溶解を惹起する。従って、分別は白血球亜集団の核の体積に基礎を置いている。これらの方法の適用は、単独で又は他の手段と組合わせて、細胞膜の表面マーカーの免疫化学的応答の相違に基づく種々の疾患の診断過程のさらなる精密化を害する。
米国特許No. 5,155,044(Ledisら)は、全血試料からの白血球の迅速な単離及び分析のための方法及び試薬系を開示し、そして自動化された血液分析機を用いての5種類の亜集団への自動化された分別を可能にする。この試薬系は、蟻酸(又は蟻酸/酢酸混合物)又は蟻酸とサポニンとの混合物を含んで成る水性細胞溶解剤、並びに水性塩クエンチ(quench)溶液から成る。しかしながら、この試薬系に使用されるサポニンは天然産物である。天然産物である結果として、サポニンの供給源が限定される可能性がある。さらに、サポニンの性質はその供給源により異る可能性がある。
さらに、酸細胞溶解が文献中で知られており、そしてその性質は米国特許No. 5,155,044、No. 5,196,346及びNo. 5,389,549に検討されているごとく、自動化された血液分析機において知られている。しかしながら、酸のみを用いての赤血球の溶解は長時間を要し、DC及びRF検出技法により白血球の計数が行われる場合に、白血球の分別を妨害しないサイズまで、赤血球ゴースト及び破片を破壊又は溶解することは困難である。
他の細胞溶解剤系は、米国特許No. 5,116,539、No. 5,389,549及びNo. 5,196,346に検討されているように、非イオン性又は陰イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤を有する。
米国特許第No. 5,196,346(Lefevreら)は、ポリオキシエチレンエーテル界面活性剤を含む酸細胞溶解系を記載している。しかしながら、この試薬系は、好塩基球集団以外の白血球の溶解の後の好塩基球集団の限定された分析のために製剤化された。
米国特許No. 5,116,539(Hamaguchiら)は、赤血球の溶解のための非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤を含有する試薬系を記載している。しかしながら、この系は全白血球計数及び好酸球計数のみを許容する。他の白血球集団の分別及び測定はこの細胞溶解試薬系を用いて行うことができない。
米国特許No. 5,384,549(Hamaguchiら)はまた、非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤を含有する細胞溶解剤系を記載している。この特許において提供される細胞溶解試薬系は酸溶解技法よりも白血球集団の一体性を維持するようであるが、5種類の主たる白血球亜集団の十分な分析を行うのはなお困難である。白血球亜集団の十分な分析は白血球と赤血球との分別溶解、並びにリンパ球集団及び単球集団に加えて、好酸球、好中球及び好塩基球集団の同定のための3つの別々の測定を必要とする。さらに、この系は、細胞に非常なショックを与える低張細胞溶解環境を必要とし、そして生来的状態で細胞を維持することを困難にする。
ポリオキシエチレンを基礎とする非イオン性又は陰イオン性界面活性剤を用いる従来の細胞溶解剤は、それらの用途において、単一の白血球集団に限定され、又は複数の白血球亜集団の測定のために使用される場合は、その測定は複雑な3段階フローサイトメトリー分析法により行わなければならない。非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤にはまた、それらが赤血球細胞を効果的に溶解するために非常に高張又は非常に低張環境を使用し、このことが非常に傷つきやすい細胞に外傷的浸透圧ショックを与え、そして細胞を自然に近い状態で分析する可能性に悪影響を与える場合がある。
さらに、血液試料中のヘモグロビンの測定は、血液分析を行う際の他の診断的道具である。歴史的には、ヘモグロビンの測定は、シアナイドヘモグロビン(Hb)を形成しそして測定することにより行われている。しかしながら、この方法からの試薬廃棄物は非常な環境的懸念を伴う。赤血球を溶解しそしてヘモグロビン(Hb)を測定するためのシアナイドを使用しない幾つかの方法が開発されている。米国特許No. 5,250,437(Todaら)及び米国特許No. 5,242,832(Sakata)のいずれもが、赤血球を溶解しそしてヘモグロビンを酸化するために四級アンモニウム塩細胞溶解系を用いる。しかしながら、四級アンモニウムイオンに基礎を置く系が白血球に対して有害であるため、特に自然に近い状態での白血球の分別が望まれる場合、前記の系は3種の亜集団より多くの白血球亜集団の分別とヘモグロビンの測定との組合せに使用することができない。
EPO No. 0,325,710(Hamaguchiら)は、赤血球の溶血のためにポリエチレンを基礎とする非イオン性界面活性剤を使用する。しかしながら、Hamaguchiらにより提案された系は白血球亜集団の分析について限定された可能性を有し、そして単一測定において、ヘモグロビンの測定に加えて3種類の亜集団が分別できるに過ぎない。
さらに、米国特許No. 4,853,338(Benezraら)は、血液試料中の全ヘモグロビンを測定するための方法及び試薬を記載している。試薬組成物は両性イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤を使用する。陰イオン界面活性剤がアルキルサルフェートである場合、これは約11.3〜約13.7pHにおいて約603nmでの吸光を測定することによりヘモグロビン濃度の測定のために使用される。
さらに、Oshiraら、Clin.Biochem. 15(1)83-88(1982)は、ヘモグロビン測定のための方法におけるラウリル硫酸ナトリウムの使用を検討している。後で説明するように、米国特許No. 5,242,832(Sakata)においては、Oshiraらの方法及び試薬では、白血球の亜集団の分別と一緒にヘモグロビン濃度を測定することは不可能である。
発明の要約
第一の態様において、本発明は、次の一般式:
R1−R2−(CH2CH2O)n−H
(式中、R1は10〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、R2は−O−又は−COO−であり、そしてnは20〜35である)
により表わされる、血液中の少なくとも4種類の白血球亜集団を測定するためのポリエチレンを基礎とする界面活性剤、及び細胞溶解試薬組成物のpHを2.0〜4.0の範囲内に調整するための酸を含んでなる細胞溶解試薬組成物に関する。
第二の態様において、本発明は、10〜18個の炭素原子を有するアルキル鎖を有するアルキル硫酸のアルカリ金属塩の陰イオン界面活性剤、並びに次に一般式:
R1−R2−(CH2CH2O)n−H
(式中、R1は10〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、R2は−O−又は−COO−であり、そしてnは20〜35である)
により表わされる、血液試料中の少なくとも3種類の白血球亜集団の測定のためのポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤及び細胞溶解組成物のpHを2.0〜4.0の範囲内に調整するための酸、を含んで成る細胞溶解試薬組成物に向けられる。
本発明はまた、前記第1又は第2の態様により定義される細胞溶解試薬及び高張アルカリ安定化試薬組成物を含んで成る細胞溶解試薬系に関する。
さらに、本発明は、血液試料中の赤血球細胞の選択的間質溶解及び残った白血球の亜集団の分析のための方法に関し、この方法は、血液試料を前記第1又は第2の態様により定義した細胞溶解試薬組成物に、10秒間より短時間にわたり暴露し;この暴露された血液試薬に高張アルカリ安定化試薬組成物を添加し、ここで該安定化試薬組成物は更なる細胞溶解作用を阻害し、そして溶血された血液試料の白血球を安定化し;そして自動分析機を用いて、リンパ球、単球、好塩基球、好中球及び好酸球から成る群から選択された白血球亜集団を分別する;ことを含んで成る。第1の態様を使用する場合、少なくとも4種類の亜集団が分別される。好ましい第2の態様を使用する場合、少なくとも3種類の亜集団が分別される。
本発明の方法はまた、異常な細胞を含有する血液試料及びヒト以外の動物からの血液試料の白血球の分別を可能にする。
本発明の試薬及び方法はまた、前記第1又は第2の態様により定義される細胞溶解試薬を用いて、血球試料の単一アリコートの単一段階の分析において、ヘモグロビン濃度の測定及び白血球の亜集団の分別を可能にする。分析の方法は、DC体積、RF、コールター・オパシティー(Coulter Opacity)(DC及びRFの機能)(「Opacity」)、光スキャナー、蛍光及びこれらの組合せ、から成る群からの2つの方法から選択される。
【図面の簡単な説明】
図1〜4,7〜10及び12は、実施例III,VI,VII及びVIIIに記載されている本発明の実施に従って得られた結果のスキャターグラムである。
図5は、ポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤及び酸を含んで成る細胞溶解試薬を使用したスキャターグラムである。
図6A及び図6Bは、ドデシル硫酸ナトリウムを含んで成る細胞溶解試薬のスキャターグラムである。
図11は、色原体の吸光度とヘモグロビン濃度の参考値との間のヘモグロビン換算曲線のグラフである。
発明の詳細な説明
1)細胞溶解試薬組成物
第1の態様において、本発明は、ポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤及び組成物のpHを調整するための酸を含んで成る細胞溶解試薬組成物に向けられる。
本発明のポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤は親脂性尾部と、親水性極性頭基を有し、そして次の式:
R1−R2−(CH2CH2O)n−H
(式中、R1は10〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、R2は−O−又は−COO−であり、そしてnは20〜35である)
により表わされる。好ましくはR1は12〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。好ましくはR2は−O−である。
ポリエチレンを基礎とする式(I)の界面活性剤は当業界において知られている方法により合成することができる。
本発明の細胞溶解試薬組成物において使用されるポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤の細胞溶解能において、親水性/親脂性バランスが役割を演ずることが見出される。一般に、親水性ポリエチレン頭基のサイズが減少するに従って細胞溶解能が上昇し、そして該頭基のサイズが減少するに従って細胞溶解能が低下する。
ポリオキシエチレンユニットが35を超える場合、本明細書に開示する好ましい条件を用いて赤血球を溶解させることができない。20未満のオキシエチレン基を含有するポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤は細胞溶解性が強すぎて白血球の損傷を惹起する。この損傷のために白血球の4種類の、そして好ましくは5種類の亜集団を得ることができない。適当な親水性/親脂性バランスを有することにより、ポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤は白血球を損傷することなく赤血球細胞を選択的に溶解することができ、これにより白血球の少なくとも4種類の亜集団の分別測定が可能になる。
細胞溶解試薬組成物中のポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤の濃度は、白血球を実質的に無傷のままに残しながら全血試料中の赤血球細胞を選択的に溶血するのに十分な量でなければならない。細胞溶解試薬組成物中のポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤の濃度は、約5g/L〜約120g/L、好ましくは10g/L〜50g/Lと、広範囲で有効であることが見出された。
細胞溶解試薬組成物の機能は2様である。第一に、これは血液と細胞溶解組成物との混合物中に酸性媒体を形成することにより赤血球の溶解を助ける。本発明の条件のもとで、細胞溶解反応は、赤血球細胞を十分に溶解し、そして赤血球ゴースト及び破片を白血球の検出と分別を妨げないレベルまで破壊するために、10秒間未満で済み、そして好ましくは7秒間未満で済む。この選択的且つ迅速な細胞溶解活性は、細胞溶解剤への長期の暴露を回避することにより白血球を自然に近い状態に保持する。この開示のため、自然に近い状態とは、細胞表面マーカーの組織化学的又は蛍光的レベル化を用いて細胞亜集団の分析が行われ得るように細胞形態が保存されていることを意味する。
酸の第2の機能は、DC対光散乱スキャターグラム及びDC対RFスキャターグラムにおいて、白血球亜集団間の適切な分離を許容するように、白血球にわずかな修飾のみを生じさせることである。
酸は、細胞溶解試薬組成物のpHを約2.0〜4.0の範囲に調整するのに十分な量で使用される。酸は通常、有機酸の有効量であろう。好ましくは、蟻酸、蓚酸、又は蟻酸と他の有機酸もしくは無機酸との有効な混合物が使用される。蟻酸と混合して使用される有機酸は、例えば酢酸、クエン酸、蓚酸もしくはプロピオン酸、又はこれらの酸の2以上の混合物であることができる。蟻酸と混合して使用することができる無機酸には塩酸及びリン酸が含まれるが、これらに限定されない。
酸と共にポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を用いることにより(図5)、有意な量の赤血球細胞破片がしばしば残留することが見出された。赤血球破片は細胞の流れを詰まらせ、そして白血球の分別を困難にする。
ポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤、酸及びアルキルサルフェートの組合せが、赤血球細胞を選択的に溶解し、そして白血球を損傷から保護することができる細胞溶解試薬を生成することが見出された。本発明の好ましい第2の態様においては、細胞溶解試薬組成物は、前記第1の態様及びアルキルサルフェートの添加を含んで成る。アルキルサルフェートはそれ自体は選択的細胞溶解を提供しない。これは、血球の選択的溶解を可能にし、そしてさらに少なくとも3種類、好ましくは少なくとも4種類、そして最も好ましくは少なくとも5種類の白血球亜集団の分別を可能にする2者の組合せであると信じられる。
ポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤及び酸とアルキルサルフェートとの組合せの予想外の結果は、アルキルサルフェートを含む細胞溶解試薬組成物から得られた図1,2及び3に明瞭に示され、これはアルキルサルフェートを含有しない細胞溶解試薬組成物から得られた図5の結果と比較される。これらの図は、図5に示される破片が除去されたことを示している。
他方、アルキルサルフェートのみが細胞溶解試薬として使用される(図6A及び図6Bに示す)か、又はアルキルサルフェートと酸が細胞溶解試薬として使用される場合、細胞溶解試薬は赤血球細胞を破壊するが、実質的な量の細胞破片が残り、そしてさらに白血球、特に単球亜集団は深刻な損傷を与える。この結果は、0.8g/Lのドデシルサルフェートの濃度において生ずる。
これに対して、同じ濃度のドデシルサルフェートと、20g/Lのポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤及び酸を用いることにより図1,2及び3が得られた。従って、ポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤及び酸と共にアルキルサルフェートを用いることにより、赤血球細胞の選択的溶解における劇的な改良がもたらされることが明瞭に証明される。
アルキルサルフェートは、陰イオン性界面活性剤、例えばC10〜C18アルキルサルフェートのアルカリ金属塩である。例えば、このような界面活性剤には、ドデシル硫酸ナトリウムもしくはドデシル硫酸リチウム、又はテトラデシル硫酸ナトリウムもしくはテトラデシル硫酸リチウムが含まれる。好ましくは、界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム及びテトラデシル硫酸ナトリウムである。
赤血球細胞を溶解するのにアルキルサルフェートの濃度が重要であることが見出された。アルキルサルフェートの濃度が不十分であれば、細胞破片が白血球亜集団の自動分別の実施を不可能にする。濃度が高過ぎると、白血球が損傷を受け、その自然に近い状態での分別が困難となる。
アルキルサルフェートは、血液試料中の赤血球を10秒間未満で溶解するのに十分な量で使用される。好ましくは、アルキルサルフェートの濃度は本発明の細胞溶解試薬組成物中で約0.2〜1.4g/L、より好ましくは0.4〜1.0g/Lの範囲である。
細胞溶解試薬組成物が赤血球及び白血球画分と選択的に反応するメカニズムは完全には明らかでない。
細胞溶解試薬組成物中に任意の添加物を、その存在が細胞溶解試薬組成物の主たる機能成分と適合する濃度で含めることができる。これらの添加物の内、組成物の寿命を伸ばすための抗酸化性を有する保存剤及び抗菌性を有する保存剤が挙げられる。抗酸化性を有する保存剤にはEDTA及びブチルメチルフェノールが含まれるがこれらに限定されない。抗菌活性を有する保存剤にはジメチロールジメチルヒダントイン、ヨードプロピニルブチルカルバメート及びイソチオゾロン誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
2)安定化試薬組成物
本発明はまた、細胞溶解試薬組成物と高張アルカリ安定化試薬を含んで成る細胞溶解試薬組成物にも向けられる。
安定化試薬組成物は、赤血球の溶解の後に、更なる細胞溶解活性を阻害するために添加される。さらに詳しくは、安定化試薬組成物の機能は血液混合物中の酸を中和しそして白血球の膨潤を防止することにより、白血球が分別を含めての自動分析のために保存されるようにすることである。
安定化試薬組成物は、単純な生理的塩を含んでなる緩衝化された塩水溶液である。安定化試薬組成物中に使用される1又は複数の塩は、塩酸塩と硫酸塩との混合物であることができる。塩酸塩は、安定化試薬組成物の全重量に対して約0.2〜4%の濃度での塩化ナトリウム又は塩化カリウムであることができるが、これらに限定されない。硫酸塩は、安定化試薬組成物の全重量に対して約0.3〜8%の濃度での硫酸ナトリウム又は硫酸カリウムであることができるが、これらに限定されない。安定化試薬組成物は高張(すなわち高浸透圧)であり、そして約800〜1400mOsmの浸透圧を有することができる。安定化試薬組成物の浸透圧に影響を与える塩濃度は種々であることができる。なぜなら、血液試料混合物の最終浸透圧が約350〜650mOsmの間にあるように、細胞溶解試薬組成物に対する安定化試薬組成物の体積を調整することができるためである。
緩衝剤は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、Tris,HEPES、四ホウ酸ナトリウム又は四ホウ酸カリウムを含む生理的緩衝剤であることができるが、これらに限定されない。安定化試薬組成物のpHは約7〜13であり、好ましくは10〜12.5である。
3)特異的RBC溶解及び白血球分別のための完全な細胞溶解試薬系の記載
本発明はまた、赤血球細胞を溶解するための細胞溶解試薬組成物、及び白血球の自動分別分析において赤血球細胞の溶解後に血液試料に添加されるべき高張アルカリ安定化試薬組成物を含んで成る細胞溶解試薬系に向けられる。
細胞溶解試薬系は、処理された全血の分析に使用することができ、そして少なくとも3種類の亜集団、好ましくは少なくとも4種類の亜集団、そして最も好ましくは好中球、リンパ球、単球、好酸球及び好塩基球を含む少なくとも5種類の亜集団の分別を可能にする。
安定化試薬組成物は、血液試料と細胞溶解試薬組成物とを含有する血液試料混合物と混合された後、試験試料の最終浸透圧が約350〜650mOsm、好ましくは450〜550mOsmとなるように、高張媒体をもたらす。
血液試料混合物について、白血球亜集団間の最良の分離のために、生理的等張環境ではなくわずかな高張条件が必要である。安定化試薬組成物によりその高い生理的塩含量によって作られた高張環境は、細胞溶解試薬組成物に暴露することにより生ずるかも知れない白血球の膨潤を防止し、そしてそのような膨潤による細胞の損傷を防止する。事実、安定化試薬との数秒間の相互作用によりわずかな細胞の縮みが生じ、これにより白血球亜集団間のより限定された細胞分布が生ずる。
細胞の、少なくとも3種類、好ましくは少なくとも4種類、そして最も好ましくは5種類の区別された亜集団の発生が、RF,DC及び細胞の光散乱プロフィールに基く一段階分析系におけるそれらの亜集団の分析を可能にする。従来の細胞溶解試薬系は、所与の分析段階においてDS対RFの最も多くてわずか2種類のパラメーター、又は唯一のDC分析のみを可能にした。従って、5種類の白血球亜集団のプロフィールを十分に得るためには、DC及びRFを用いての3種類の個々の測定、及びそれに続く測定値の混合した解析という複雑な方法が必要であった。
さらに、本発明の細胞溶解試薬系は細胞形態を保存するので、細胞表面マーカーによる白血球細胞の組織化学的ラベル化又は蛍光ラベル化を用いて、細胞亜集団の更なる分析を行うことができる。
古くなった血液試料及び異常な血液試料は一般に、細胞溶解剤に対して感受性であり又はもろく、そして自動血液分析機により分析するのが困難である。ほとんどの細胞溶解試薬系、特に酸を基礎とする細胞溶解系の厳しさのため、細胞が古くなるともろくなりすぎるので、新鮮な血液試料の分析以外には使用できなくなる。
白血球の損傷を回避する本発明の系の利点のため、新しく集めた血液試料の分別分析のみならず、試料の集収の後数時間たった血液試料及び異常な血液試料の分析のために、本発明の試薬系を使用することが許容される。本発明においては厳しい浸透圧ショック及び酸ショックが無いので、数時間経た血液の分析が可能である。さらに具体的には、本発明は、数時間(6時間以上)経た血液試料に対して使用することができる。
本発明の細胞溶解試薬系は、室温において、およそ18〜28℃において全て操作するという追加の利点を提供する。従来の試薬系は、好酸球と好塩基球との適切な分離のために30℃以上の上昇させた温度で操作された。この上昇した温度の要求は、反応が温度制御されなければならないので、有意に一層複雑な分析装置を必要とした。本発明は、室温にて最適に操作することによって温度制御の必要性を克服する。
本発明の他の有利な特徴は、細胞溶解試薬系が、全血試料の脂質含量に対して感受性でないことであり、これにより高脂質血液試料のための自動化された分別分析の精度が改良され、そして血清中の脂質含量を差引くために通常要求される試料の予備希釈が省略される。
さらに、細胞溶解試薬組成物が血液試料の脂質含量に対して感受性でないため、本発明の細胞溶解試薬系は、異る脂質含量を有するヒト以外の動物の分別分析にも使用することができる。これは、獣医環境における、少なくとも4種類の、好ましくは5種類の亜集団の白血球分析を行うための便利な方法を提供する。
さらにまた、細胞溶解試薬系が脂質含量に対して非感受性であるため、細胞溶解試薬系は、劇的に異る脂質含量を有する他の流体試料、例えば骨髄、の分別分析のためにも使用できると期待される。
細胞溶解試薬系はキットとして販売することができ、この場合、細胞溶解試薬組成物は、容器、例えば、プラスチック容器に詰められ、そして高張アルカリ安定化試薬組成物は別の容器、例えばプラスチック容器に詰められる。これら2つの容器は一緒に第三の容器、例えば箱に詰められる。好ましくは、本発明に従って試薬を使用する方法の指示書が第三の容器の内側かもしくはその上に、又はそれと一緒にして含められ、あるいは2つの試薬容器の一方又は両方に含められる。
4)赤血球細胞の間質溶解並びに白血球亜集団の分別及び分析の方法
白血球の特定の亜集団の変化は特定の疾患状態を示すものである。HIV感染から完全なAIDSへの変化の証拠の1つはリンパ球レベルの顕著な低下である。Fauciら、Ann.Intr.Med. 114, 678(1991)。リンパ球の異常レベル及び形態は白血病にも見ることができる。単球及びリンパ球の両者のレベルの上昇は急性炎症として同定され、そして結核、肉芽腫及びらい病のごとき疾患と関連付けられていた。Gallinら、Inflammation:Basic Principles and Clinical Correlations(1992)。自己免疫溶血性貧血及び狼瘡を含めて多くの自己免疫状態は好中球のレベルの上昇を示す。Malech及びGallin, N., Engl.J.Med. 317 687(1987)。さらに、多くの寄生感染、例えば寄生虫により惹起されるものは好酸球症(eosinophilia)と関連付けられている。Nolbeら、Parasitology, The Biology of Animal Parasites(1989)。本発明は、限定的ではないが上記のごとき病気と関連する1又は複数の白血球亜集団の変化を同定することを含む分析的及び診断的方法のために有用であろう。
血液試料は、常用の放血により患者から得ることができる。集めた後、血液試料は上記の細胞溶解試薬組成物と短時間撹拌される。
安定化試薬組成物の添加に先立って血液試料を細胞溶解試薬に暴露する時間は、本発明により提供される白血球亜集団の分別方法のために重要である。この暴露時間は好ましくは10秒間を超えるべきでなく、そして好ましくは7秒間未満である。これらの暴露時間は、周囲温度(18〜28℃)のために特定される。細胞溶解が行われる温度の上昇は対応して暴露時間を短縮せしめる。同様に、温度の低下は暴露時間を延長する。
細胞溶解試薬組成物への短時間の暴露の後、適当な量の安定化試薬組成物が添加され、そして細胞が、安定化試薬組成物の添加の後約15秒間以内に分析される。
上記の方法で処理された全血試料の白血球画分は、白血球の少なくとも3種類の亜集団に容易に分別することができる。好ましくは、少なくとも4種類の亜集団、そしてさらに好ましくは少なくとも5種類の亜集団が分別され、これらは好中球、リンパ球、単球、好酸球及び好塩基球を含む。
本発明においては、DCと、光散乱、RF、不透明度(opacity)及びこれらの組合せから成る群から選択された1つの方法とを含む1段階測定を用いて、白血球の少なくとも4種類、そして好ましくは少なくとも5種類の亜集団を得るために、第1の態様が使用される。第1の態様を用いての4種類の亜集団の測定は図4及び12に示され、この場合、DC対RLS及びDC対不透明度を用い、LS,DC及びRFの三次元解析により、白血球の合計5種類の亜集団を得るための好塩基球亜集団の測定が可能になる。
DC、光散乱、RF、不透明度及びこれらの組合せを含む1段階測定法を用いて、白血球の少なくとも3種類、好ましくは少なくとも4種類、そして最も好ましくは少なくとも5種類の亜集団を得るために第2の好ましい態様が使用される。第2の態様を用いての、白血球の少なくとも3種類、そして好ましくは少なくとも4種類の亜集団の測定が図1及び2に示され、この場合、DC対LS及びDC対不透明度が用いられる。LS,DS及びRFの三次元解析を用いることにより、白血病の合計4種類の亜集団を得るために好塩基球亜集団の測定が可能になる。
本発明の目的のため、単一段階測定とは、好酸球、好塩基球及び好中球から成る白血球の少なくとも1つの他の亜集団と共に白血球亜集団の分別を得るために、同一の細胞溶解試薬組成物と共に1つの血液試料を使用することができることを意味する。好ましくは、分別は、細胞溶解試薬組成物の添加の後30秒間未満で、そして好ましくは20秒未満で測定される。
血液分析機による白血球の分別のために使用される検出方法は米国特許No. 5,125,737に一般的に記載されており、この記載を全体として引用により本明細書に組み入れる。この参照文献は、電界のインピーダンスのシフト(このシフトは細胞体積(DC)に比例する)を生じさせる亜集団のそれぞれの能力、ラジオ・フリチンシー・カレント(radio frequency current)(RF)を妨害する能力;及び光を散乱する能力(LS)に基く分別分析を説明している。
ポリオキシエチレンを基礎とする陰イオン又は非イオン界面活性剤を用いる従来の細胞溶解試薬系は所与の分析段階においてわずか2種類のパラメーターの分析を許容する。従って、白血球の5種類の亜集団のプロフィールを十分に得るためには、同一試料に対する3種類の個々の測定、及びそれに続く測定の組合せ解析の複雑な方法が要求された。
本発明を、DC,RF及びLS測定を組合わせて行う分析を用いて記載するが、DC,RF,LS、不透明度、蛍光及びこれらの組合せから成る群から選択された分析法における細胞溶解試薬系の使用も本発明の範囲内である。このような分析方法の結果は、図2に示すDC対RF、及び図1に示すDC対LSから見ることができる。
5)ヘモグロビンの測定方法
300以上の異常なヘモグロビンが、臨床症状及び臨床的に正常な集団の電気泳動的観察による患者の試験に基いて発見されている。これらの異常の多くが、変化したヘモグロビンレベル又は酸素と結合する変化した能力を有するヘモグロビンを有する臨床的病因をもたらす。これらの疾患の内、鎌形赤血球貧血、α−及びβ−サラセミアの両者、並びにヘモグロビンMが挙げられる。Stamatoyannopoulos G.ら、(編),Molecular Basis of Blood Bisorhers(1986)。
血液試料中のヘモグロビンを測定する可能性は診断分析の必須部分であり、そしてまたヘモグロビンに影響を与える疾患に向けられた療法及びヘモグロビンレベルに不都合な副作用を有するであろう他の疾患に向けられた療法の応答性をモニターするためにも重要である。理想的には、単一の自動化された段階で多数の診断分析を行うことができる。
本発明はヘモグロビンの測定と組合わせて、白血球の少なくとも3種類、好ましくは4種類、そしてさらに好ましくは5種類の亜集団の分析を許容する。安定化試薬組成物の添加は、約540nmでの最大吸光及び570nmの肩を有する安定な色原体の形成をもたらす。
この系は、従来技術のヘモグロビン測定法と比較して幾つかの利点を有する。従来の方法とは異り、本発明は、ヘモグロビンの濃度の測定と共に、自然に近い状態での白血球亜集団の分別及び分析を可能にする。安定化試薬組成物は、ヘモグロビンを10秒間未満で色原体に変化する。色原体は一旦生成すれば約30分間安定である。
実施例I 細胞溶解試薬組成物
a)式Iのポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を含む細胞溶解試薬組成物を次の組成により製剤化した。
次の式:
C18H37O(CH2CH2O)nH
(式中nは30である)
で示されるポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を脱イオン水に20g/Lの濃度で溶解した。0.8g/Lの濃度のドデシル硫酸ナトリウム(SDS,Aldrich)を添加した。pHを2.8に調整するために蟻酸を使用した。さらに、次の保存剤を加えた:0.3g/LのEDTA、0.5g/LのPloclin 300(Rohm & Haas Co.)、及び0.05g/Lの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(エタノールに前溶解したもの);
b)式Iのポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を含んで成る細胞溶解試薬組成物を次の組成で製剤化した:
次の式:
C16H35O(CH2CH2O)nH
(式中、nは25である)
を有するポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を脱イオン水に20g/Lの濃度で溶解した。1.2mL/Lの蟻酸を加えてpHを2.8に調製した;
c)式Iのポリエチレングリコールを基礎とする界面活性剤を含んで成る細胞溶解試薬組成物を次の組成により製剤化した:
次の式:
C18H37O(CH2CH2O)nH
(式中nは30である)
を有するポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤化合物を脱イオン水に20g/Lの濃度で溶解した。0.8g/Lのドデシル硫酸ナトリウムを添加した。1:1の蟻酸/リン酸混合物を用いて組成物のpHを2.5に調整した。さらに、次の保存剤を添加した:0.3g/LのEDTA、0.2g/LのProclin 300、及び0.05g/Lの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(エタノールに前溶解)。
d)式Iのポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を含む細胞溶解試薬組成物を次の組成で製剤化した:
次の式:
C18H37O(CH2CH2O)nH
(式中、nは30である)
を有するポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を、脱イオン水に20g/Lの濃度で溶解した。Stapanからの2.1g/LのPolystep B-25(38%)を添加した。Polystep B-25はデシル硫酸ナトリウム製品の商品名である。1.2mL/Lの蟻酸を用いてpHを2.8に調整した。さらに、次の保存剤を添加した:0.3g/LのEDTA、0.2g/LのProclin 300、及び0.05g/Lの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(エタノールに前溶解)。
e)式Iのポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤を含む細胞溶解試薬組成物を次の組成で製剤化した。
次の式:
C18H37O(CH2CH2O)nH
(式中、nは30である)
を有するポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤化合物を脱イオン水に20g/Lの濃度で溶解した。Henkel Canada Ltd.からの0.9g/LのLanette E(90%)を添加した。Lanette Eはステアリル硫酸ナトリウム製品の商品名である。蟻酸を添加してpHを2.8に調整した。
実施例II 安定化試薬組成物
a)炭酸塩緩衝剤を基礎とする安定化試薬
14.5g/LのNaCl、31.0g/LのNa2SO4及び7.0g/LのNa2CO3を脱イオン水に溶解することにより安定化試薬を調製した。50%NaOH水溶液によりpHを12.0に調整した。この試薬の浸透圧は約1160mOsmであった。
b)リン酸緩衝剤を基礎とする安定化剤
6.4g/LのNa2HPO4、9.6g/LのNa3PO4、14.5g/LのNaCl及び31.0g/LのNa2SO4を含有する安定化剤を上記のようにして製剤化した。pHを12に調整。この試薬の浸透圧は約1173mOsmであった。
実施例III 全血試料中のRBCの溶解及びヒト白血球集団の分別
本発明の細胞溶解試薬系を、試薬名柄の化学物質及び工業純度のポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤化合物から脱イオン水中に調製した。
a)実施例Ia)に記載したポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤20g及び0.8gのドデシル硫酸ナトリウムを1Lの水に溶解した。0.3gのEDTA及び0.5gのProclin 300をそれぞれ抗酸化剤及び抗菌剤として添加した。34mlの全血試料に、618mlの細胞溶解試薬組成物を添加し、そして混合物を穏やかに5秒間室温(約21℃)にて渦流混合した。
14.5g/LのNaCl、31g/LのNa2SO4及び7.0g/LのNa2CO3(pH12.0)を含有する安定化試薬組成物323mlの添加により溶解反応を停止させた。血液混合物を穏やかに混合し、そして安定化試薬の添加の後13秒間に分別分析をするために用意した。最終血液混合物は中性pH(約7)にて、且つ約506mOsmの浸透圧の高張条件下で保持した。焦点流れ技法及びさや流体としてのISOTON(登録商標)III希釈剤を用いて、DC,RF及び光散乱測定により、COULTER(登録商標)STKS血液分析機上で三次元分別分析を行った。得られたスキャッターグラムを図1及び図2に示す。DC対回転光散乱(RLS)スキャッターグラム(図1)において白血球の4種類の別々の亜集団を同定しそして定量した。図2は、DC対不透明度のスキャッターグラムにおける分離された白血球亜集団を示す。白血球の第5番目の亜集団である好酸球を、DC対不透明度スキャッターグラムでの他のオバーラップする亜集団をゲートアウト(gate out)することにより単離する。単離された好塩基球集団は図3に例示するスキャッターグラムに示される。
b)実施例Ib)の細胞溶解試薬組成物と共に前記の方法を用いて、赤血球細胞の選択的溶解及び白血球亜集団の分別分析を行った。図4及び図12は、この分析から得られたDC対光散乱及びDC対不透明度のスキャッターグラムにより見られる4種類の白血球亜集団を示す。上記のようにして得たデーターをゲート(gate)することにより、第5の白血球亜集団である好塩基球を得ることができる。
c)実施例Ic)の細胞溶液試薬組成物と共に前記の方法を用いて、赤血球細胞の選択的溶解及び白血球亜集団の分別分析を行った。得られたDC対光散乱スキャッターグラムは、リンパ球、単球、好中球及び好酸球を含む4種類の明確に分離された白血球亜集団を有する。上記のようにして得られたデーターをゲート(gate)することにより、好塩基球を得ることができる。
実施例IV アルキルサルフェートを含まない細胞溶解試薬組成物を用いてのRBC溶解及び白血球分別
SDSを添加しない点を除き実施例Ia)の組成を有する細胞溶解試薬を前記のようにして調製した。全血試料の白血球分別のために、上記細胞溶解試薬及び実施例IIIに記載した安定化試薬を用いて、実施例IIIの方法を反復した。図5は得られたDC対光散乱スキャッターグラムを示す。SDSの非存在下で類似の白血球亜集団分離が得られたが、スキャッターグラムの底部に示されるように、分別測定の間に有意量の希釈赤血球破片が計数された。この溶解されなかった破片は、頻繁な細胞流のつまりを生じさせ、そして白血球の計数に影響を与える。
実施例V アルキルサルフェートのみを含有する細胞溶解試薬組成物によるRBC溶解及び白血球分別
0.8g/LのSDSのみを含有する細胞溶解流を調製した。この組成物は、ポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤も酸も含まなかった。全血試料の白血球分別のために、細胞溶解試薬としての上記溶液及び実施例IIIに記載の安定化試薬を用いて実施例IIIの方法を反復した。
図6A及び図6Bは、得られたDC対RLS及びDS対OPのスキャッターグラムを示す。示されるように、有意な白血球細胞の損傷、特に単球亜集団のほとんど完全な破壊が存在する。
実施例VI ヒト以外の動物のRBC溶解及び白血球集団の分別
幾つかの獣医科全血試料を、実施例IIIに記載したのと同じ細胞溶解試薬組成物及び安定化試薬組成物を用いて分析したが、溶解反応時間を異る種間で、2〜7秒間と変化させ、そして安定化試薬組成物の反応時間を6〜20秒間と変化させた。細胞溶解反応時間及び安定化試薬組成物反応時間は、所与の種に対して行われた異る実験間で同一とした。図5並びに図6A及び6Bは、それぞれイヌの全血試料及びサルの全血試料の得られたDC対光散乱スキャッターグラムを示す。
スキャッターグラムにより示されるように、それぞれの種は、それぞれの亜集団分布についてそれ自身の特性を有するが、1つの種内のリンパ球、単球、好中球及び好酸球を含む白血球亜集団は相互に明らかに異っていた。異る種間では、最良の分別結果を得るために細胞溶解反応時間及び試薬の体積を変えることができるが、しかしこのような変化は、自動化された血液分析機により容易に達成することができる。
本発明は、自動化された方法を用いて獣医科全血試料につき、白血球の少なくとも4種類の亜集団、すなわちリンパ球、単球、好中球及び好酸球の分別を行うことを可能にする。
実施例VII 古くなった血液試料からのRBC溶解及びヒト白血球集団の分別
新鮮な血液試料の分別と直接比較するために、集収後数時間の全血試料の白血球分別について、実施例IIIと同じ細胞溶解試薬及び安定化試薬を用いて、実施例IIIの方法を反復した。試料は約21℃の室温で保存した。新鮮な血液試料(集収後10分間)(図9A)及び16時間経過後の血液試料(図9B)について類似の白血球亜集団プロフィールが得られ、本発明は、血液試料集収後数時間での白血球分別及び分析に使用することができることが証明された。
実施例VIII 異常なヒト白血球集団のRBC溶解及び分別
21才の手術後の肝移植患者からの血液試料の白血球分別のために実施例IIIの方法を反復した。図10に見られるように、本発明の細胞溶解試薬系及び自動化された血液分析機を用いての血液試料の分析は成熟した顆粒球の存在を示し、極めて異常な白血球分別による病原を示した。
実施例IX 全血試料のヘモグロビンの測定
実施例IIIの細胞溶解試薬系を用いて全血試料中のヘモグロビンの測定を行った。10mlの全血を540mlの細胞溶解試薬組成物と混合し、そして穏やかに4秒間混合した。208mlの安定化試薬組成物を添加し、そして15秒後に得られた色原体の吸収プロフィールをBeckman DU 7500分光光度計で測定した。色原体は540nmに最大吸収ピークを有し、570nmの肩を有する。安定化試薬の添加の後10秒間で色原性が形成され、そして30分間以上安定であった。上記のようにして、一連のヘモグロビン参照試料を分析した。参照試料は、既知量の洗浄した赤血球細胞を生物学的緩衝媒体中に懸濁し、そしてそのヘモグロビン濃度を標準Drabkin試薬及び方法を用いて測定することにより調製した。これらの試料は冷蔵下で3ケ月間安定である。これらの試料から得られた吸光度をDrabkin法により測定したそれらのヘモグロビン濃度に対してブロットした。得られた換算曲線を図11に示す。ヘモグロビン濃度に対する吸光度の直線応答は、0.999の相関係数をもって、白血球分別と組合わせた自動化ヘモグロビン分析のための本発明の細胞溶解試薬系を使用することの信頼性を示した。
実施例X 蛍光による全血白血球分別
細胞表面マーカーによる蛍光標識と組合わせて、実施例IIIの細胞溶解試薬系を用いた。血液試料を色素水溶液により10:1の比率で数分間染色する。28mlの染色された血液試料を、実施例IIIに記載したのと同じ試薬体積及び通常の5部分分別分析への反応時間をもって、血液分析機に吸引する。試料混合物を蛍光及びDCにより分析する。主たる集団、すなわちリンパ球、単球、好中球及び好酸球を明瞭に分離することができる。これは、細胞溶解試薬系による細胞表面形態の保存を示すのみならず、分別同定され得る白血球の5種類の亜集団のいずれか1つ上の細胞表面マーカーの変化に基くさらなる診断の可能性を許容する。
Claims (17)
- 細胞溶解試薬系において、
(a)0.4g/L〜1.0g/Lの濃度の、10〜18個の炭素原子のアルキル鎖を有するアルキルサルフェート陰イオン界面活性剤のアルカリ金属塩;次の一般式:
R−R2−(CH2CH2O)n−H
(式中、R1は10〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、R2は-O-又は-COO-であり、そしてnは20〜35である)により表わされるポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤;並びに細胞溶解試薬組成物のpHを2.0〜4.0の範囲に調整するための酸であって蟻酸、酢酸、クエン酸、蓚酸、プロピオン酸、塩酸及びリン酸並びにこれらの酸の混合物から成る群から選択されたもの、を含んで成る細胞溶解試薬組成物;並びに
(b)高張アルカリ性安定化剤組成物;
を含んで成る細胞溶解試薬系。 - 前記アルカリ安定化試薬組成物が、塩酸塩、硫酸塩及び緩衝剤を含んで成る、請求項1に記載の細胞溶解試薬系。
- 前記高張アルカリ性安定化試薬組成物が、
(a)安定化試薬組成物の全重量に対して0.2重量%〜4重量%の量の、塩化ナトリウム及び塩化カリウムから成る群から選択された塩酸塩;及び
(b)安定化試薬組成物の全重量に対して0.3重量%〜8重量%の量の、硫酸ナトリウム及び硫酸カリウムから成る群から選択された硫酸塩;
を含んで成る、請求項2に記載の細胞溶解試薬系。 - 前記安定化試薬組成物のpHを7〜13に調整するための緩衝剤をさらに含んで成る、請求項1に記載の細胞溶解試薬系。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の試薬系を含んで成る、白血球の亜集団の測定のためのキット。
- 前記アルカリ安定化試薬組成物が、塩酸塩、硫酸塩及び緩衝剤を含んで成る、請求項5に記載のキット。
- 血液細胞試料中の赤血球細胞の選択的間質溶解及び残った白血球の亜集団の分析のための方法であって、
(a)血液試料を、10〜18個の炭素原子のアルキル鎖を有するアルキルサルフェート陰イオン界面活性剤のアルカリ金属イオン;次の一般式:
R−R2−(CH2CH2O)n−H
(式中、R1は10〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、R2は-O-又は-COO-であり、そしてnは20〜35である)により表わされるポリオキシエチレンを基礎とする界面活性剤;及び細胞溶解試薬組成物のpHを2.0〜4.0の範囲に調整するための酸であって蟻酸、酢酸、クエン酸、蓚酸、プロピオン酸、塩酸及びリン酸並びにこれらの酸の混合物から成る群から選択されたもの、を含んで成る細胞溶解試薬組成物に、赤血球細胞を溶解するのに十分な時間にわたり暴露し;
(b)高張アルカリ安定化試薬組成物を、前記暴露された血液試料に添加し、ここで前記安定化試薬組成物がさらなる細胞溶解作用を阻害し、そして溶血された血液試料の白血球を安定化し;そして
(c)自動化された分析機を用いて、リンパ球、単球、好塩基球、好中球及び好酸球から成る群から選択された少なくとも3種類の白血球亜集団を分別する;
ことを含んで成る方法。 - 前記少なくとも3種類の白血球亜集団の分別を単一段階の測定により行う、請求項7に記載の方法。
- 少なくとも4種類の白血球亜集団を得る、請求項7に記載の方法。
- 少なくとも5種類の白血球亜集団を得る、請求項7に記載の方法。
- 前記暴露された血液試料中のヘモグロビン濃度を所定の波長でフォトメーターにより測定することをさらに含んで成る、請求項7に記載の方法。
- 前記血液試料が細胞の病理的に異常な集団を含んで成る、請求項7に記載の方法。
- 前記安定化剤試薬組成物が、中性pHにおいて、そして350〜650mOsmの浸透圧の高張媒体中で白血球亜集団を安定化する、請求項7に記載の方法。
- 血液試料中の白血球の少なくとも4種類の亜集団を分別する方法において、
(a)請求項10に記載の方法により処理された血液試料を、機械により単一段階測定により分析し、ここで前記単一段階の測定を、白血球の少なくとも4種類の亜集団を得るために同一の細胞溶解試薬組成物により血液試料の単一のアリコートについて行い、この分析は、
(1)DC体積、
(2)RF、
(3)不透明性、
(4)光散乱、及び
(5)蛍光
から成る群の2つの方法から選択され、
(b)前記血液試料の前記分析の結果をレポートする、
ことを含んで成る方法。 - 分析方法の1つがDC体積である、請求項14に記載の方法。
- 白血球の4種類の亜集団の1つが好塩基球である、請求項14に記載の方法。
- 白血球の4種類の亜集団の1つが好酸球である、請求項14に記載の方法。
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