JP4723384B2 - 動物血中の白血球の分類方法及び試薬 - Google Patents

動物血中の白血球の分類方法及び試薬 Download PDF

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Description

本発明は、動物血とくに、イヌ科及び/又はネコ科の血液試料中の白血球の分類方法及び試薬に関する。
少子高齢化や核家族化、複雑な社会生活から来るストレスなどを背景に現在ペット産業は、堅調な成長を続けている。とりわけ、ペットの97%を占めるイヌやネコの治療や予防接種などの需要は高く、毎年約300施設の動物病院が新設されている。
折からのペットブームにより、ペットに関する健康管理に注目が集まってきている。中でもイヌとネコに関しては、日本人のライフスタイルの変化に伴い、「コンパニオンアニマル」として飼い主との関係が密接になってきており、家族の一員として健康を気遣うようになってきている。
イヌやネコの疾患の治療や診断においても、血液検査はもはや不可欠の検査である。中でも白血球の検査では、白血病、感染症やアレルギー疾患等の治療や診断に、またヘモグロビンの検査では貧血症等の治療や診断に有用な情報が得られる。
ヒトの白血球の測定方法はすでに確立されている。血液試料に溶血剤を加えて、赤血球を溶解し、残った白血球を血球計数装置で計数する。溶血剤の成分を工夫することにより、全白血球数を計数するだけでなく、複数の亜集団に分類したり、特定の白血球の亜集団(例えば、好塩基球、好酸球など)のみを計数することができる(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。さらに、血液試料から複数のアリコートを準備し、各アリコートに対してそれぞれ異なる溶血剤を加えて、特定の白血球の亜集団をそれぞれ測定し、得られた結果から白血球を5つの亜集団に分類することも可能である。
ヘモグロビンの測定については、シアンメトヘモグロビン法が国際標準法として採用されているが、有毒なシアン化合物を使用するため、廃液処理が必要になる。そこで近年では、シアン化合物を使用しない方法(例えばSLSヘモグロビン法、メトヘモグロビン法など)でも測定されている(例えば、特許文献6、特許文献7参照)。
動物血用の血球計数装置もすでに市販されている。これらの血球計数装置では、試薬はヒト血用のものを使用し、測定する動物種に合わせて解析用のプログラムを変更して使用している(例えば、特許文献8参照)。
ところで、ヒト血用の溶血剤を使用して電気抵抗検出法でイヌやネコの血液試料を測定した場合、白血球の粒度分布は単峰になり、白血球を複数の亜集団に分類できないことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。これは、イヌやネコの白血球が、ヒトの白血球と比べて、溶血剤に対して脆弱で敏感だからである。
これに対して、特許文献9には、特定の動物血用の溶血剤を使用して、イヌやネコの白血球を3つの亜集団に分類する方法が記載されている。具体的には、四級アンモニウム塩としてドデシルトリメチルアンモニウム臭化物を、測定用試料における最終濃度が4.0gとなるような溶血剤を用いて、イヌやネコの白血球を、リンパ球、主に単球からなる「混合細胞集団」、及び顆粒球、の3つの亜集団に分類する方法である。しかし、この方法から得られた白血球の粒度分布では、出現した3つのピークのうち、真ん中に出現した小さなピークのほとんどの領域が、他の2つのピークに重なっており、分離精度は高くない。さらに、特許文献9に記載されている方法では、好酸球を他の白血球を区別して、亜集団に分類することはできない。白血球の検査の中でも、好酸球数はアレルギー疾患や寄生虫症の診断において有用な情報である。特に、ペット業界において、イヌやネコの寄生虫症はよく知られているし、イヌやネコのアレルギー疾患は近年急増している。ゆえに、イヌやネコについては、アレルギー疾患や寄生虫症の診断のために、血液検査において、好酸球を他の白血球と区別して、分類することは重要である。
米国特許第4,346,018号明細書 米国特許第4,485,175号明細書 日本特許第2619900号明細書 日本特許第2654811号明細書 日本特許第2778745号明細書 日本特許第2836865号明細書 特開平10-293131号明細書 特開2000-310642号 国際公開WO2002/014861 J Anim Clin Med, 10(3) 129-134, 2001
本発明は、イヌ科やネコ科の血液試料に含まれる白血球を、好酸球と他の白血球を区別して、3つの集団に分類する方法及び試薬を提供することを目的とする。
上記の課題に鑑み本発明は、イヌ科又はネコ科の血液試料と、溶血剤を混合して前記血液試料中の赤血球を溶解し、白血球を収縮させて測定用試料を調製する工程、前記測定試料中の白血球の大きさに関係する情報を測定する工程、測定された情報に基づいて、前記白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団に分類する工程、を含み、前記溶血剤が、炭素数10〜12のアルキル基を有する第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、炭素数16〜18のアルキル基を有する第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、アルキルジメチルエチルアンモニウム塩と、を含有することを特徴とする、動物血中の白血球の分類方法を提供する。
また、本発明は、イヌ科又はネコ科の血液試料中の白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団に分類するための試薬であって、炭素数10〜12のアルキル基を有する第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、炭素数16〜18のアルキル基を有する第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、
アルキルジメチルエチルアンモニウム塩と、アンモニウム塩を溶解する水系溶媒と、を含ことを特徴とする動物血中の白血球の分類試薬を提供する。

本発明によれば、イヌ科やネコ科の白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団、好酸球を含む第3の集団、の3つの亜集団に分類することができる。
まず本発明者らは、ヒト血液用の溶血剤を使用してヒト、イヌ科及びネコ科の血液試料を測定し、白血球の分類結果を比較した。なおこの測定では、イヌ科の血液試料としてはイヌの血液試料を用い、ネコ科の血液試料としてはネコの血液試料を用いた。
本発明者らは、前記特許文献7の記載に基づいて、ヒトの白血球をリンパ球、好中球、その他の白血球の3つの亜集団に分類できる溶血剤(溶血剤1)を調製した。溶血剤1の組成は以下の通りである。
溶血剤1
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド 7.9g/L(30mM)
ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 0.84g/L(2,4mM)
塩化ナトリウム 4.13g
コハク酸 3.0g
EDTA-2K 2.5g
水酸化ナトリウム 1.55g
精製水 1L
pH5.3
溶血剤1を用いてヒト、イヌ及びネコの血液試料を自動血球計数装置 pocH-100iV装置(シスメックス株式会社)で測定した。この装置では、血液試料が希釈液 pocH-pack D(シスメックス株式会社)で希釈されて500倍希釈試料が調製される。そして、2容量の希釈試料に対して1容量の溶血剤1が添加されて測定用試料が調製される。溶血剤添加後13秒後から6秒間、電気抵抗式の検出部で白血球が計数される。本実験例においては、測定された信号は、検出部からRS-232Cケーブルを通じてパーソナルコンピュータに転送され、取り込まれた信号から計数値及び粒度分布を解析した。また、測定に用いた血液試料について塗抹標本を作製し、メイグリュンワルド・ギムザ染色を行い、目視により白血球を分類・計数した。
図1は、ヒトの血液試料を測定して得られた粒度分布である。図2は、イヌの血液試料を測定して得られた粒度分布である。図3は、ネコの血液試料を測定して得られた粒度分布である。なお、粒度分布上の各亜集団と白血球の各亜集団との対応の対応は、目視法により分類したデータと、上述の溶血剤を用いた方法で測定したデータを比較することによって、確認することができる。
図1の粒度分布には、前記特許文献7と同様に、一番左から、溶血した赤血球の集団、リンパ球を含む集団、好中球を含む集団、その他の白血球を含む集団、が出現した。一方、図2及び3の粒度分布には、一番左から、溶血した赤血球の集団、白血球を含む集団、が出現した。図1〜3より、溶血剤1は、ヒトの白血球を3つの亜集団に分類することは可能であるが、イヌやネコの白血球を亜集団に分類することはできないことが分かった。これより、ヒト用の溶血剤をイヌ科やネコ科の白血球の分類に使用しても、ヒトの場合と同じようにイヌ科やネコ科の白血球を分類することは困難であることがわかった。
また、図1では、好酸球は、他の白血球と区別された独立した亜集団として分類されていない。しかし、上述したように、ペット、とりわけイヌやネコの血液検査において、好酸球を他の白血球と区別して分類することは、アレルギー疾患や寄生虫症を診断する上で非常に重要である。
以上のことから、発明者らは、イヌ科やネコ科の白血球を分類するための溶血剤について、特に、好酸球を他の白血球と区別された独立した亜集団として分類できる溶血剤を検討した。検討を進める上で、発明者らは、溶血剤に含まれる四級アンモニウム塩に着目した。その結果、イヌ科やネコ科の白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団、好酸球を含む第3の集団、の3つの亜集団に分類することができる溶血剤を見いだした。
その溶血剤は、血液試料中の赤血球を溶解し、白血球を収縮させる四級アンモニウム塩、及び、前記四級アンモニウム塩を溶解する水系溶媒を含む。前記四級アンモニウム塩の濃度は、以下の条件を満たす範囲の濃度である。
(1) 測定用試料中の赤血球を十分に溶解する濃度。
(2) 大きさに基づいて、白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団、の3つの亜集団に分類可能とするように白血球を収縮させる濃度。
具体的に、四級アンモニウム塩の濃度としては、赤血球を十分に溶解するために1.5mM以上にすることが好ましい。また、白血球を上述したように分類するために20mM以下にすることが好ましく、14.5mM以下にすることがより好ましい。
四級アンモニウム塩としては、例えば、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩が使用される。そして、好ましくは、炭素数12〜18のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩である。アルキル基としては、デカン基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等が挙げられる。なお、アルキルトリメチルアンモニウム塩は、アルキル基の炭素数が大きくなるに従い、赤血球を溶解する力及び白血球を収縮させる力(以降は、これを溶血力と略す)が大きくなる傾向がある。また、アルキルトリメチルアンモニウム塩は、アルキル基の炭素数が大きくなるに従い、曇点が低くなる傾向がある。ゆえに、一種類のアルキルトリメチルアンモニウム塩を使用すると、赤血球の溶血不良を起こしたり、逆に白血球までをも過度に収縮させたり、また沈殿を生じたりするおそれがある。そこで、白血球の亜集団をより明瞭に分類するためには、複数のアルキルトリメチルアンモニウム塩を組み合わせて、溶血剤全体の溶血力を制御することが好ましい。そのような組み合わせとしては、アルキル基の炭素数が小さいアルキルトリメチルアンモニウム塩(第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩)と大きいアルキルトリメチルアンモニウム塩(第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩)を組み合わせることが好ましい。具体的には、第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、デカントリメチルアンモニウム塩やラウリルトリメチルアンモニウム塩が挙げられ、第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、セチルトリメチルアンモニウム塩やステアリルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。そして、より好ましい組み合わせとしては、第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩がラウリルトリメチルアンモニウム塩であり、第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩がステアリルトリメチルアンモニウム塩である組み合わせが挙げられる。
また、組み合わせる場合、第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩の濃度よりも第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩の濃度が低いことが好ましい。具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウム塩の濃度は、20mM以下が好ましく、8〜20mMがより好ましい。ステアリルトリメチルアンモニウム塩の濃度は、2mM以下が好ましく、0.4〜2mMがより好ましく、1〜2mMが最も好ましい。
なお、第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩として、ステアリルトリメチルアンモニウム塩の代わりにセチルトリメチルアンモニウム塩を使用することができる。アルキルトリメチルアンモニウム塩は、アルキル基の炭素数が大きくなるに従って溶血力が大きくなることから、ステアリルトリメチルアンモニウム塩に比べてセチルトリメチルアンモニウム塩の溶血力は小さい。これより、セチルトリメチルアンモニウム塩を使用する場合の濃度は、3mM以下が好ましく、1.5〜3mMがより好ましい。
上述した組み合わせに、さらに少量のミリスチルトリメチルアンモニウム塩を組み合わせてもよい。これにより、様々な検体に対してもより安定した溶血力を溶血剤として発揮させることができる。ミリスチルトリメチルアンモニウム塩の濃度は、0.5〜1.3mMが好ましく、0.6〜0.8mMがより好ましい。
また、少量のアルキルジメチルエチルアンモニウム塩を溶血剤に添加しても良い。これにより、より効果的に溶血した赤血球を収縮させることができる。アルキルジメチルエチルアンモニウム塩としては、例えば、セチルジメチルエチルアンモニウム塩が挙げられ、その濃度は0.4〜1.1mMが好ましく、0.5〜0.8mMがより好ましい。
さらに、溶血剤に、Hydrophilic-Lipophilic-Balance(HLB)17〜20の非イオン性界面活性剤を添加すると、溶血した赤血球を収縮させたり、収縮した白血球を安定化して精度の高い粒度分布を得るのに効果的である。非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルまたはポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが挙げられ、ポリオキシエチレン鎖の数は20以上100以下が好ましい。非イオン性界面活性剤の好適な濃度は0.05〜0.5w/v%であり、より好ましくは0.1〜0.2w/v%である。
また、ヘモグロビン安定化剤として、5〜30mMの亜硝酸塩あるいは硝酸塩、または、5〜50mMの炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩やテトラアルキルアンモニウム塩を溶血剤に添加してもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基を挙げることができる。アルキルトリメチルアンモニウム塩やテトラアルキルアンモニウム塩の例としては、エチルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
上述した四級アンモニウム塩を溶解する水系溶媒としては、水や緩衝液が挙げられる。
溶血剤の浸透圧は、200mmol/kg〜350mmol/kgに保つことが好ましい。浸透圧は、塩化ナトリウムや塩化カリウムのようなアルカリ金属塩で調整することができる。
また、溶血剤のpHは4〜9に維持することが好ましい。pHの調整は、公知の緩衝剤を用いることができる。
上述した溶血剤を用いることにより、イヌ科やネコ科の白血球を分類・計数することができる。その方法では、まず、イヌ科又はネコ科の血液試料と溶血剤を混合して測定用試料を調製する。この工程で、試料中の赤血球は溶解される。一方、白血球は収縮して残る。赤血球の溶解と白血球の収縮は、使用する溶血剤に含まれる四級アンモニウム塩の種類や濃度を調整することで、同時に起こすこともできるし、赤血球を溶解させた後で白血球を収縮させる、というように時間をずらして別々に起こすこともできる。なお、白血球がどのように収縮するかは明らかではないが、おそらく、血液試料と溶血剤の混合により、試料中の白血球の細胞膜が損傷を受け、細胞質の流出や裸核化などが生じることにより、最終的に白血球が収縮すると考えられる。そして、収縮した白血球の大きさが亜集団ごとに異なることから、その大きさに基づいて、白血球を亜集団に分類し計数することが可能となる。具体的には、収縮後の大きさがリンパ球、好中球及び単球、好酸球、で異なるように白血球を収縮させるような溶血剤を使用することにより、最終的に白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団、好酸球を含む第3の集団、の3つの亜集団に分類することができる。
なお、血液試料を希釈液で希釈して、その希釈血液試料に溶血剤を添加して、所定時間反応させ(例えば、11秒〜15秒)、測定用試料を調製してもよい。希釈液としては、生理食塩水あるいは、pH4〜9、浸透圧200mmol/kg〜350mmol/kgの緩衝液を使用することができる。
このようにして測定用試料が調製されると、次に、測定用試料中の白血球の大きさ(size)に関係する情報を測定する。そして、測定された情報に基づいて、白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団に分類する。例えば、測定に電気抵抗法を利用する場合、白血球の大きさに関係する情報としては電気抵抗が挙げられる。具体的には、まず、調製された測定用試料を測定装置の電気抵抗式の検出部に送る。電気抵抗法では、検出部に細孔が設けられ、細孔の両側には電極が設けられている。この電極間には、直流電流が印加されており、細孔に血球が通過すると、血球の容積に比例して電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化をパルス信号として検出し、所定のパルス高以上の信号を白血球として計数する。また、パルス高を容積に変換し、それぞれのパルス高が検出された頻度を計数することによって粒度分布を作成することができる。作成された粒度分布には、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団が出現する。
また、測定に光学的な方法を利用することもできる。この場合、白血球の大きさに関係する情報としては前方散乱光が挙げられる。具体的には、まず、調製された測定用試料を測定装置の検出部に送る。光学的な方法では、検出部に光が照射されており、血球が検出部を通過すると、血球の大きさに応じた前方散乱光が検出される。そして、この前方散乱光の強度に基づいて粒度分布を作成して、白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団に分類することができる。
粒度分布上に出現する各亜集団と、白血球の各亜集団との対応は、血液試料から各亜集団のみを分離した試料(例えばリンパ球分離試料)を測定し、粒度分布上の出現位置から確認することができる。
あるいは、血液試料の塗抹標本を作製して、白血球を目視法により分類したデータと、上述した溶血剤を用いた方法で測定したデータを比較することによって、粒度分布上の各亜集団と白血球の各亜集団との対応を確認することができる。さらに、両者のデータの差が最も小さくなる位置に、粒度分布上の各亜集団を分けるための閾値を設定することができる。また、閾値は、検体ごとに粒度分布の谷を検出し、谷の位置を閾値とする、といったように可変に設定することができる。
上述した溶血剤を用いた白血球分類方法により、大きさに基づいて、イヌ科やネコ科の白血球を小型白血球、中型白血球、大型白血球に分類することができる。小型白血球はリンパ球を含み、中型白血球は好中球と単球を含み、大型白血球は好酸球を含む。好塩基球は血中での出現頻度が非常に低いため、どの集団に属するかを特定することは困難であるが、おそらく中型白血球に属するものと推定される。
ヘモグロビン濃度は、上記で調製された測定用試料の555nm付近の吸光度を検出することによって測定することができる。
以下に、上述した溶血剤を用いてイヌやネコの血液試料を測定した測定例(実施例1及び2)を示した。なお、なお実施例1及び2において、イヌ科の血液試料としてはイヌの血液試料を用い、ネコ科の血液試料としてはネコの血液試料を用いた。
実施例1:
前記溶血剤1の組成について、四級アンモニウム塩の濃度や組み合わせやが異なる溶血剤2〜6を調製し、各溶血剤を用いてイヌやネコの白血球を測定した。使用した四級アンモニウム塩は以下の通りである。
アルキルトリメチルアンモニウム塩
・デカントリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB):アルキル基の炭素数は10
・ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(LTAC):アルキル基の炭素数は12
・ミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド(MTAB):アルキル基の炭素数は14
・ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(STAC):アルキル基の炭素数は18
アルキルジメチルエチルアンモニウム塩
・セチルジメチルエチルアンモニウムブロマイド(CDMEB):アルキル基の炭素数は16
そして、溶血剤2〜6における四級アンモニウム塩の濃度及び組み合わせは、表1の通りである。
表1
Figure 0004723384
表1に記載の溶血剤2〜6を用いて、イヌの血液試料を自動血球計数装置 pocH-100iV(シスメックス株式会社製)で測定した。測定方法は前記溶血剤1の場合と同様である。また、前記溶血剤1の場合と同様に、測定に用いた血液試料について塗抹標本を作製し、メイグリュンワルド・ギムザ染色を行い、目視により白血球を分類・計数した。
図4は、溶血剤2を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布である。図5は、溶血剤3を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布である。図6は、溶血剤4を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布である。図7は、溶血剤5を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布である。図8は、溶血剤6を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布である。
図4〜8の粒度分布には、いずれも、3つの白血球の亜集団(X、Y、Z)が出現した。そして、目視法により分類したデータと比較したところ、図中のXの集団はリンパ球を含む集団であり、Yの集団は好中球及び単球を含む集団であり、Zの集団は好酸球を含む集団であることが分かった。また、粒度分布上の各亜集団のデータと目視法により得られた各亜集団のデータとを比較したところ、特に、図7及び図8において高い相関が得られた。
以上のことから、溶血剤2〜6を使用すれば、イヌ科の白血球を、リンパ球を含む集団、好中球及び単球を含む集団及び好酸球を含む集団、の3つの亜集団に分類できることが分かった。また、溶血剤5及び溶血剤6を使用すれば、より高い精度で白血球を分類できることが分かった。
次に、溶血剤5及び6を用いて、イヌの血液試料と同様の方法で、ネコの血液試料を測定した。図9は、溶血剤5を用いてネコの血液試料を測定して得られた粒度分布である。図10は、溶血剤6を用いてネコの血液試料を測定して得られた粒度分布である。
図9及び10の粒度分布には、いずれも、3つの白血球の亜集団(X、Y、Z)が出現した。そして、目視法により分類したデータと比較したところ、図中のXの集団はリンパ球を含む集団であり、Yの集団は好中球及び単球を含む集団であり、Zの集団は好酸球を含む集団であることが分かった。
以上のことから、イヌ科の場合と同様に、溶血剤5及び溶血剤6を使用すれば、ネコ科の白血球を、リンパ球を含む集団、好中球及び単球を含む集団及び好酸球を含む集団、の3つの亜集団に分類できることが分かった。
実施例2:
非イオン性界面活性剤を添加した以下の組成の溶血剤7を用いて、イヌ及びネコの血液試料を測定した。溶血剤7には、非イオン性界面活性剤としてエマルジット9(第一工業製薬(株))が含有されている。エマルジット9は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル型の非イオン性界面活性剤であり、HLB17〜20の非イオン性界面活性剤に該当する。
溶血剤7
カチオン-AB 2.16g
(日本油脂(株)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド23%含有)
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.39g
セチルジメチルアンモニウムブロマイド 0.2g
ミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド 0.2g
エマルジット9 1.0g
(第一工業製薬(株)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)
塩化ナトリウム 4.13g
コハク酸 3.0g
EDTA-2K・2H2O 2.5g
水酸化ナトリウム 1.55g
亜硝酸ナトリウム 0.69g
精製水 1L
pH5.3、浸透圧280mmol/kg
上述した溶血剤7には、四級アンモニウムエントして、1.43mMのステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、9mMのラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、0.53mMのセチルジメチルエチルアンモニウムブロマイド及び0.6mMのミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイドを含有する。溶血剤7を用いて、イヌの血液試料111検体、ネコの血液試料37検体を自動血球計数装置pocH-100iV(シスメックス株式会社)で測定した。測定方法は、前記溶血剤1の場合と同様である。また、前記溶血剤1の場合と同様に、測定に用いた血液試料の塗抹標本を作製し、メイグリュンワルド・ギムザ染色を行い、目視により白血球を分類・計数した。
<イヌの血液試料の場合>
イヌの血液試料を測定した場合の粒度分布の一例を図11に示す。図11において、一番左の集団は溶血した赤血球の集団である。次いで、大きさの小さい方から第1の集団(小型白血球)、第2の集団(中型白血球)、第3の集団(大型白血球)である。
各集団の閾値は、得られる粒度分布の状態により若干の違いはあるが、溶血した赤血球の集団と第1の集団との閾値は48fl付近、第1と第2の集団との閾値90fl付近、第2と第3の集団との閾値162fl付近、上限値は300flに設定した。
図12及び図13は、測定したイヌの検体のうち2検体(イヌ1及びイヌ2)の粒度分布である。いずれの粒度分布も、図11と同様に、一番左に溶血した赤血球の集団が出現し、次いで、大きさの小さい方から第1の集団(小型白血球)、第2の集団(中型白血球)、第3の集団(大型白血球)が出現した。
次に、図12及び図13の粒度分布に出現した小型白血球、中型白血球、大型白血球のデータと、目視法によるより白血球の分類・計数により得られたデータ結果とを比較した。その結果を表2に示した。
表2
Figure 0004723384
表2において、SCR(%)、MCR(%)及びLCR(%)は、図12及び図13の粒度分布に出現した小型白血球、中型白血球、大型白血球のデータに基づいて算出された値である。SCR(%)は、全白血球数に対する小型白血球数の比率(small cell ratio ; SCR)である。MCR(%)は、全白血球数に対する中型白血球数の比率(middle cell ratio ; MCR)である。LCR(%)は、全白血球数に対する大型白血球数の比率(large cell ratio ; LCR)である。一方、リンパ球比率(%)、好中球比率(%)、単球比率(%)及び好酸球比率(%)は、目視法による白血球の分類・計数により得られたデータに基づいて算出された値である。リンパ球比率(%)は、全白血球数に対するリンパ球数の比率である。好中球比率(%)は、全白血球数に対する好中球数の比率である。単球比率(%)は、全白血球数に対する単球数の比率である。好酸球比率(%)は、全白血球数に対する好酸球数の比率である。
表2より、SCRの値とリンパ球比率の値が近似していることがわかった。同様に、MCRの値と単球比率(%)及び好中球比率(%)の合計値が近似していることがわかった。さらに、LCRの値と好酸球比率の値が近似していることがわかった。
そこで、イヌの血液試料(111検体)について、SCRと目視法により得られたリンパ球比率との相関を調べたところ、両者の相関は良好であった(図14)。ゆえに、小型白血球集団は、リンパ球を含むことがわかる。また、小型白血球数(SCC ; small cell count)と目視法により得られたリンパ球数との相関も良好であった(図15)。
次に、MCRと目視法により得られた好中球比率との相関を調べた(図16)。また、MCRと目視法により得られた好中球比率+単球比率との相関を調べた(図17)。図16に比べて、図17の方が相関は良好であった。また、中型白血球数(MCC ; middle cell count)と目視法により得られた好中球数+単球数との相関も良好であった(図18)。
さらに、LCRと目視法により得られた好酸球比率との相関を調べた(図19)。また、LCRと目視法により得られた好酸球比率+単球比率との相関を調べた(図20)。図20に比べて、図19の方が相関は良好であった。また、大型白血球数(LCC ; large cell count)と目視法により得られた好酸球数との相関も良好であった(図21)。
なお、本実施例においては、目視法で好塩基球の出現した検体は見つからなかった。
以上のことから、中型白血球集団は、好中球と単球を含み、大型白血球集団は、好酸球を含むことがわかる。
<ネコの血液試料の場合>
ネコの血液試料を測定した場合の粒度分布の一例を図22に示す。図22において、一番左の集団は溶血した赤血球の集団である。次いで、大きさの小さい方から第1の集団(小型白血球)、第2の集団(中型白血球)、第3の集団(大型白血球)である。
各集団の閾値は、得られる粒度分布の状態により若干の違いはあるが、溶血した赤血球の集団と第1の集団との閾値は48fl付近、第1と第2の集団との閾値96fl付近、第2と第3の集団との閾値174fl付近、上限値は300flに設定した。
図23及び図24は、測定したネコの検体のうち2検体(ネコ1及びネコ2)の粒度分布である。いずれの粒度分布も、図22と同様に、一番左に溶血した赤血球の集団が出現し、次いで、大きさの小さい方から第1の集団(小型白血球)、第2の集団(中型白血球)、第3の集団(大型白血球)が出現した。
次に、図23及び図24の粒度分布に出現した小型白血球、中型白血球、大型白血球のデータと、目視法によるより白血球の分類・計数により得られたデータ結果とを比較した。その結果を表3に示した。
表3
Figure 0004723384
表3において、SCR(%)、MCR(%)及びLCR(%)は、図23及び図24の粒度分布に出現した小型白血球、中型白血球、大型白血球のデータに基づいて算出された値である。SCR(%)は、全白血球数に対する小型白血球数の比率(small cell ratio ; SCR)である。MCR(%)は、全白血球数に対する中型白血球数の比率(middle cell ratio ; MCR)である。LCR(%)は、全白血球数に対する大型白血球数の比率(large cell ratio ; LCR)である。一方、リンパ球比率(%)、好中球比率(%)、単球比率(%)及び好酸球比率(%)は、目視法による白血球の分類・計数により得られたデータに基づいて算出された値である。リンパ球比率(%)は、全白血球数に対するリンパ球数の比率である。好中球比率(%)は、全白血球数に対する好中球数の比率である。単球比率(%)は、全白血球数に対する単球数の比率である。好酸球比率(%)は、全白血球数に対する好酸球数の比率である。
表3より、SCRの値とリンパ球数の値が近似していることがわかった。同様に、MCRの値と単球比率(%)及び好中球比率(%)の合計値が近似していることがわかった。さらに、LCRの値と好酸球比率の値が近似していることがわかった。
そこで、ネコの血液試料(37検体)について、SCRと目視法により得られたリンパ球比率との相関を調べたところ、両者の相関は良好であった(図25)。ゆえに、小型白血球集団は、リンパ球を含むことがわかる。また、小型白血球数(SCC)と目視法により得られたリンパ球数との相関も良好であった(図26)。
次に、MCRと目視法により得られた好中球比率との相関を調べた(図27)。また、MCRと目視法により得られた好中球比率+単球比率との相関を調べた(図28)。図27に比べて、図28の方が相関は良好であった。また、中型白血球数(MCC)と目視法により得られた好中球数+単球数との相関も良好であった(図29)。
さらに、LCRと目視法により得られた好中球比率との相関を調べた(図30)。また、LCRと目視法により得られた好酸球比率+単球比率との相関を調べた(図31)。図31に比べて、図30の方が相関は良好であった。また、大型白血球数(LCC)と目視法により得られた好酸球数との相関も良好であった(図32)。
なお、本実施例においては、目視法で好塩基球の出現した検体は見つからなかった。
以上のことから、中型白血球集団は、好中球と単球を含み、大型白血球集団は、好酸球を含むことがわかる。
<ヘモグロビン濃度>
イヌの血液試料及びネコの血液試料について、溶血剤7と、従来品であるストマトライザ-WH(シスメックス株式会社)とを用いて、pocH-100iVでヘモグロビン濃度の測定を行って比較したところ、相関は良好であった。これより、溶血剤7でヘモグロビン濃度の測定が可能であることが確認できた。
上述したイヌ科やネコ科の白血球の分類方法及び試薬によれば、従来よりも詳細で正確な血液検査の結果が得られるため、寄生虫症やアレルギー疾患を含むイヌ科やネコ科の疾患に対してより適切な診断や、治療のモニタリングが可能となる。
溶血剤1を用いてヒトの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 溶血剤1を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 溶血剤1を用いてネコの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例1において、溶血剤2を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例1において、溶血剤3を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例1において、溶血剤4を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例1において、溶血剤5を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例1において、溶血剤6を用いてイヌの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例1において、溶血剤5を用いてネコの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例1において、溶血剤6を用いてネコの血液試料を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例2において、溶血剤7を用いてイヌの血液試料を測定して得られる粒度分布の一例を示す。 実施例2において、溶血剤7を用いてイヌの血液試料(イヌ1)を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例2において、溶血剤7を用いてイヌの血液試料(イヌ2)を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた小型白血球比率(SCR)と目視法で得られたリンパ球比率との相関を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた小型白血球数(SCC)と目視法で得られたリンパ球数との相関を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた中型白血球比率(MCR)と目視法で得られた好中球比率との相関を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた中型白血球数(MCR)と目視法で得られた好中球比率+単球比率との相関を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた中型白血球数(MCC)と目視法で得られた好中球数+単球数との相関を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた大型白血球比率(LCR)と目視法で得られた好酸球比率との相関を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた大型白血球比率(LCR)と目視法で得られた好酸球比率+単球比率との相関を示す。 実施例2において、イヌの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた大型白血球数(LCC)と目視法で得られた好酸球数との相関を示す。 実施例2において、溶血剤7を用いてネコの血液試料を測定して得られる粒度分布の一例を示す。 実施例2において、溶血剤7を用いてネコの血液試料(ネコ1)を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例2において、溶血剤7を用いてネコの血液試料(ネコ2)を測定して得られた粒度分布を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた小型白血球比率(SCR)と目視法で得られたリンパ球比率との相関を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた小型白血球数(SCC)と目視法で得られたリンパ球数との相関を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた中型白血球比率(MCR)と目視法で得られた好中球比率との相関を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた中型白血球比率(MCR)と目視法で得られた好中球比率+単球比率との相関を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた中型白血球数(MCC)と目視法で得られた好中球数+単球数との相関を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた大型白血球比率(LCR)と目視法で得られた好酸球比率との相関を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた大型白血球比率(LCR)と目視法で得られた好酸球比率+単球比率との相関を示す。 実施例2において、ネコの血液試料について、溶血剤7を用いて得られた大型白血球数(LCC)と目視法で得られた好酸球数との相関を示す。

Claims (17)

  1. イヌ科又はネコ科の血液試料と、溶血剤を混合して前記血液試料中の赤血球を溶解し、白血球を収縮させて測定用試料を調製する工程、
    前記測定試料中の白血球の大きさに関係する情報を測定する工程、
    測定された情報に基づいて、前記白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団に分類する工程、を含
    前記溶血剤が、
    炭素数10〜12のアルキル基を有する第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、
    炭素数16〜18のアルキル基を有する第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、
    アルキルジメチルエチルアンモニウム塩と、
    を含有することを特徴とする、動物血中の白血球の分類方法。
  2. 測定試料中の白血球の大きさに関係する情報を測定する工程において、電気抵抗法により、測定用試料中の白血球の大きさに関係する情報を測定する請求項1に記載の方法。
  3. 測定用試料を調製する工程において、白血球を、収縮後の大きさが、小さい方からリンパ球、好中球及び単球、好酸球、となるように収縮させる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記の集団は、白血球の大きさに関係する情報の小さい方から、第1の集団、第2の集団、第3の集団である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記溶血剤に含まれるアンモニウム塩の濃度が、
    (1)赤血球を十分に溶解する、
    (2)大きさに基づいて、白血球を前記第1の集団、前記第2の集団、前記第3の集団に分類可能とするように白血球を収縮させる、
    という条件を満たす濃度である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 記アンモニウム塩の濃度が1.5mM〜20mMである請求項5に記載の方法。
  7. 記第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩は、ラウリルトリメチルアンモニウム塩から選択され、前記第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩は、ステアリルトリメチルアンモニウム塩及びセチルトリメチルアンモニウム塩からなる群より選択される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ラウリルトリメチルアンモニウム塩の濃度が、8〜20mMであり、前記ステアリルトリメチルアンモニウム塩の濃度が、0.4〜2mMであり、前記セチルトリメチルアンモニウム塩の濃度が、1.5〜3mMである請求項に記載の方法。
  9. 前記溶血剤が、さらにミリスチルトリメチルアンモニウム塩を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記溶血剤が、さらにHydrophilic-Lipophilic-Balance(HBL)17〜20の非イオン性界面活性剤を含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記溶血剤のpHが4〜9である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. イヌ科又はネコ科の血液試料中の白血球を、リンパ球を含む第1の集団、好中球及び単球を含む第2の集団及び好酸球を含む第3の集団に分類するための試薬であって、
    炭素数10〜12のアルキル基を有する第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、
    炭素数16〜18のアルキル基を有する第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩と、
    アルキルジメチルエチルアンモニウム塩と、
    アンモニウム塩を溶解する水系溶媒
    を含ことを特徴とする動物血中の白血球の分類試薬。
  13. 記アンモニウム塩の濃度が1.5mM〜20mMである請求項12に記載の試薬。
  14. 記第1のアルキルトリメチルアンモニウム塩は、ラウリルトリメチルアンモニウム塩から選択され、前記第2のアルキルトリメチルアンモニウム塩は、ステアリルトリメチルアンモニウム塩及びセチルトリメチルアンモニウム塩からなる群より選択される請求項12又は13に記載の試薬。
  15. 前記ラウリルトリメチルアンモニウム塩の濃度が、8〜20mMであり、前記ステアリルトリメチルアンモニウム塩の濃度が、0.4〜2mMであり、前記セチルトリメチルアンモニウム塩の濃度が、1.5〜3mMである請求項14に記載の試薬。
  16. さらにHydrophilic-Lipophilic-Balance(HLB)17〜20の非イオン性界面活性剤を含む請求項1215のいずれか一項に記載の試薬。
  17. 前記水系溶媒が、pHを4〜9に維持する緩衝液である請求項1216のいずれか一項に記載の試薬。
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