JP3882464B2 - 沈殿槽 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は沈殿槽に係り、特に沈降性の懸濁物質を含む原水を槽内に供給し、前記懸濁物質を沈殿分離した処理水を溢流堰から槽外へ排出するようにした沈殿槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の沈殿槽としては図6に示した円形型のものがよく知られている。沈殿槽10は円筒状の側壁12と、中心に向かって下り勾配とされた底面部14とを含む。側壁12の上端は溢流堰16とされ、この溢流堰16から溢流した処理水は側壁12の上部に設けられたリング状の排水樋18から槽外に排出される。槽中央には円筒状のセンタウェル20が設けられており、このセンタウェル20内に沈降性の懸濁物質を含む原水が供給される。槽中心にはモーター22によって緩慢に回転される掻寄機24が配置されている。掻寄機24は前記底面部14に沿って移動する掻寄板26を備え、この掻寄板26によって沈殿物を底面部14中央の集積部28に集めた後、沈殿物を槽外に排出する。
【0003】
ところで、この種の沈殿槽では、原水中にスカムと称される浮上性の滓状物質が含まれることが多く、通常これらの水面に浮上したスカムを除去するための手段が沈殿槽に付設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記原水が汚水を生物学的に処理した活性汚泥を含む原水である場合にスカムが多量に発生する。特に汚水が畜産場から排泄される屎尿系の汚水の場合、高濃度の有機物に対応するべく前段の曝気槽で過度の曝気が行われる。この過度の曝気によって汚泥に微細な気泡が付着し、これらの汚泥が沈殿槽で沈降し難く、スカムとして多量に浮上する。このため、通常のスカム除去手段では対応が困難となり、スカムが処理水とともに前記溢流堰16から溢流して、処理水の水質を悪化させるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、多量のスカムが発生するような原水を供給した場合においても、処理水中にスカムが同伴せず、清澄な処理水のみを溢流させることができる沈殿槽を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る沈殿槽は沈降性の懸濁物質を含む原水を槽内に供給し、前記懸濁物質を沈殿分離した処理水を溢流堰から槽外へ排出するようにした沈殿槽において、水面下に設けられて鉛直方向に開口し、かつ、下側が上側に比べて外側に張り出している流入口を備え、前記処理水を、前記流入口から取り入れた後に、前記溢流堰に導くようにしたことを特徴とする。なお、本発明において鉛直方向とは水平方向に対して概略直角の方向であることを意味し、具体的には30度以内の傾きを許容する範囲で解釈し得るものとする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態を示す要部断面図である。溢流部30は沈殿槽の側壁12に沿って設けられており、槽内の水面Aを遮断する仕切板32と溢流堰34とこの溢流堰34の下方に一体化して設けられた排水樋36とからなる。排水樋36下方の側壁12には、側壁12に沿って断面が三角形状の整流部材38が設けられている。前記仕切板32の下端と整流部材38の先端が鉛直方向の開口を形成しており、この水面下の開口が処理水の流入口40とされる。また、排水樋36の外面、仕切板32の内面及び整流部材38の上面に囲われた領域が前記溢流部30と流入口40との連通路42を形成している。
【0010】
上記の構成において、処理水は流入口40から連通路42を経て溢流部30に至り、溢流堰34を溢流して排水樋36に排出される。処理水の流入口40が鉛直方向の開口であるため、浮上するスカムが流入口40から流入する可能性が低い。
【0011】
図2は前記流入口40の好ましい位置関係を示したものである。前記仕切板32の下端と整流部材38の先端38Bによって形成される流入口40は整流部材38の先端38Bが所定の寸法Lだけ外側に張り出ていることが好ましい。整流部材38の下方から浮上するスカムSは整流部材38の下面38Aに沿って上昇しつつ整流部材38の先端38Bに至る。ここでスカムSの上昇速度をV1、処理水の流入口40における水平方向の流入速度をV2とすると、スカムSはV3の方向に斜行して上昇し、仕切板32の下端に到達する。その後、スカムSは仕切板32の外面32Aに沿って上昇し、図1に示した水面Aに浮上する。このため、スカムSが流入口40から処理水の連通路42側に流入する可能性が低い。したがって、この実施形態によれば多量のスカムが発生するような原水を供給した場合においても、処理水中にスカムが同伴せず、清澄な処理水のみを溢流堰34から溢流させることができる。
【0012】
前記寸法Lが過小であると、スカムSはV3の方向に斜行して上昇した際に流入口40から処理水の連通路42側に流入し易くなる。また、寸法Lが過大であると、スカムSが連通路42側に流入する可能性はより一層減少するが、整流部材38の上面38Cに沈殿物Cが沈降、堆積する機会が増大するので好ましくない。整流部材38の上面38Cに沈降した沈殿物Cが上面38Cの傾斜に沿って滑り落ち易いように上面38Cの傾斜角度をなるべく大きくすることが好ましい。流入口40における水平方向の流入速度V2が大きいと、流入口40に流入する処理水にスカムや懸濁物質が同伴し易くなる。したがって、流入速度V2を小さくするために流入口40の開口面積が極力大きくなるように設計する。
【0013】
流入口40の水面Aからの深さは、水面Aと沈殿物の界面との中間部位であることが好ましい。水面Aから沈殿物の界面までの深さを予め経験的に把握しておけば、流入口40の深さを容易に求めることができる。
【0014】
図3は本発明の第2の実施形態を示す要部断面図である。溢流部44は沈殿槽の側壁12に沿って設けられており、槽内の水面Aを遮断する仕切板46と溢流堰48とこの溢流堰48の外側に設けられた排水樋50とからなる。前記仕切板46の底面52には連通管54の一端が接続されている。また、連通管54の他端は鉛直方向の開口を形成しており、この水面下の開口が処理水の流入口56とされる。このような連通管54が所定の間隔で仕切板46の底面52に多数本接続されている。
【0015】
この実施形態においても、処理水の流入口56が水面下に、かつ鉛直方向に開口しているので、スカムや懸濁物質が流入口56から処理水とともに連通管54内に流入する可能性が低い。したがって、多量のスカムが発生するような原水を供給した場合においても、処理水中にスカムが同伴せず、清澄な処理水のみを前記連通管54を経由して溢流堰48から溢流させることができる。
【0016】
この実施形態において、前記連通管54端部を図4に示すようにラッパ状に拡大させた流入口58とし、この流入口58の下側が上側に比べて外側に張り出た構造にすることが好ましい。このような構造によれば流入口58での処理水の流入速度が小さくなるので、スカムが処理水の流入速度に抗して上方に浮上し易い。このため、スカムや懸濁物質が流入口56から処理水とともに連通管54内に流入する可能性がより一層低くなる。
【0017】
図5は本発明の第3の実施形態を示す要部断面図である。溢流部60は沈殿槽の任意の位置に設けられており、槽内の水面Aを遮断する仕切板62と溢流堰64とこの溢流堰64の外側に設けられた排水樋66とからなる。前記仕切板62の底面68には連通管70の一端が接続されている。また、連通管70の他端は処理水の流入部72とされる。この流入部72は円錐状の上部部材74と、この上部部材72の下方にギャップGを空けて設けた逆円錐状の下部部材76とからなる。下部部材76の下端には開孔78が設けられている。
【0018】
上記の構成においては、前記ギャップGの部分が鉛直方向に開口した処理水の流入口80となる。流入口80から流入した処理水は連通管70内を上昇し、溢流部60で溢流堰64を溢流して排水樋66から槽外に排出される。
【0019】
この実施形態においても、処理水の流入口80が水面下に、かつ鉛直方向に開口しているので、スカムや懸濁物質が流入口80から処理水とともに連通管70内に流入する可能性が低い。したがって、多量のスカムが発生するような原水を供給した場合においても、処理水中にスカムが同伴せず、清澄な処理水のみを前記連通管70を経由して溢流堰64から溢流させることができる。
【0020】
なお、この実施形態では流入部72の内部が懐の広いそろばん球の形状とされているので、処理水に同伴して流入した懸濁物質Cはこの流入部72の内部で沈降し、下部部材76の傾斜面に沿って移動しつつ、開孔78から落下する。したがって、清澄な処理水を得やすく、かつ、流入部72や連通管70に懸濁物質が堆積して閉塞するといった運転操作上のトラブルを未然に防止できる。
【0021】
前記の各実施形態は主に円形型沈殿槽を想定して説明したが、本発明は方形型の沈殿槽にも適用できる。また、本発明に係る沈殿槽とは常識的な範囲で広義に解釈し得るものとし、いわゆる沈殿池をも含む。
【0022】
【発明の効果】
上述のとおり、本発明に係る沈殿槽によれば多量のスカムが発生するような原水を供給した場合においても、処理水中にスカムが同伴せず、清澄な処理水のみを溢流させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す要部断面図である。
【図2】第1の実施形態の流入口における好ましい位置関係を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す要部断面図である。
【図4】第2の実施形態の変形例を示す要部断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す要部断面図である。
【図6】円形型沈殿槽の一般的な構造を示す断面図である。
【符号の説明】
12……側壁 30、44、60……溢流部 32、42、62……仕切板
34、48、64……溢流堰 36、50、66……排水樋
40、56、58、80……流入口 42……連通路 54、70……連通管
Claims (1)
- 沈降性の懸濁物質を含む原水を槽内に供給し、前記懸濁物質を沈殿分離した処理水を溢流堰から槽外へ排出するようにした沈殿槽において、
水面下に設けられて鉛直方向に開口し、かつ、下側が上側に比べて外側に張り出している流入口を備え、
前記処理水を、前記流入口から取り入れた後に、前記溢流堰に導くようにしたことを特徴とする沈殿槽。
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