JP3881293B2 - 瞬時応答増幅回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光パケット信号等の間欠的に受信される光信号に瞬時に応答し、歪みの少ない良好な増幅信号を差動出力する瞬時応答増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光パケット信号などを取り扱う光ネットワークでは、パケット毎に異なる光強度の信号が受信されるため、受信器には信号を等化増幅する増幅回路が必要になる。光信号を受光するフォトダイオードなどの受光素子は、一般に1チャネルにつき1つしか使用されないので、フォトダイオードの出力する電流信号を電圧信号に変換するインピーダンス変換増幅回路には、入出力が単一のシングルエンド型増幅回路が用いられている。しかしながら増幅回路の動作安定性の向上、論理回路とのインターフェイスの整合性向上などを目的として、インピーダンス変換増幅回路よりも後段の増幅段には差動型の回路構成が使用されるようになった。
【0003】
差動増幅回路が正常に動作するには、インピーダンス変換増幅回路の出力が接続されていない側の入力端子に、入力される信号の中間レベルの参照電位を与える必要があり、この参照電位が中間レベルからずれた場合には、出力信号の振幅低下やデューティ変動などの歪みが発生し、信号の品質が低下してしまう。すなわち、瞬時応答増幅回路は受信した光強度の異なるパケット信号から、瞬時に最適な参照電位を抽出し、良好な差動信号を出力する機能を有する必要がある。
【0004】
図13に、従来の典型的な瞬時応答増幅回路の例を示す。図13において、1は入力端子、2は差動増幅回路、3は最高電位保持回路、4は最低電位保持回路、5、5’は同値の抵抗、6,7は差動増幅回路の入力端子、8,9は差動増幅回路の出力端子、10,11はリセット信号入力端子を示す。
【0005】
インピーダンス変換増幅回路の出力信号は、入力端子1から差動増幅回路2の入力端子6に入力される。一方、入力端子1で分岐された信号は、最高電位保持回路3と最低電位保持回路4に入力され、瞬時に信号の最高電位と最低電位が抽出、保持される。保持された最高電位と最低電位から2個の抵抗5、5’による分割によって中間電位を作り出し、差動増幅回路2の入力端子7に入力することにより、良好な差動出力を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の瞬時応答増幅回路は、前述したように高速な電位保持回路を必要とするが、一般に電位保持回路は容量への電荷蓄積により電位を保持する構成をとるので、高速な応答性能を持たせる場合には非常に小さな容量で構成することになり、保持力の低下が生じるという課題があった。また電位保持回路を用いる構成では、次のパケット信号が入力されるまでに保持電位をリセットする必要があり、システムの構成が複雑になるという課題があった。
【0007】
さらに、従来の瞬時応答増幅回路は、その動作原理から、インピーダンス変換増幅回路の出力端子と瞬時応答増幅回路の入力端子1を直流結合する必要がある。これは、結合容量を用いて接続した場合、結合容量の過渡現象によって信号の中間レベルが時間とともに大きく変動してしまうためである。このため増幅器の直流利得が増加し、動作の安定性が失われたり、低周波雑音が増加したりするという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、電位保持回路を不要にして上記した課題を解決した瞬時応答増幅回路を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、入力信号のビット幅数ビット分から数十ビット分程度の時定数を有し、信号の入力開始から前記時定数程度の時間で瞬時に入力信号の平均値を検出して電位を保持することなく出力する平均値検出回路と、差動型振幅制限増幅回路とを有し、前記平均値検出回路の出力端子を前記差動型振幅制限増幅回路の差動入力端子の一方の入力端子に接続し、前記平均値検出回路の入力端子と前記差動型振幅制限増幅回路の他方の入力端子を入力端子対とし、前記差動型振幅制限増幅回路の差動出力端子を出力端子対とする基本増幅段を構成し、該基本増幅段を2段縦続接続し、1段目の基本増幅段の入力端子対に信号を同相入力することを特徴とする瞬時応答増幅回路とした。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の瞬時応答増幅回路において、前記差動型振幅制限増幅回路の信号入力経路に電圧振幅を調整する電圧振幅調整回路を挿入したことを特徴とする瞬時応答増幅回路とした。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の瞬時応答増幅回路において、前記電圧振幅調整回路は、前記差動型振幅制限増幅回路の前記平均値検出回路が接続された側と反対側の入力端子に入力する信号の振幅を低減させる回路であることを特徴とする瞬時応答増幅回路とした。
【0012】
請求項4にかかる発明は、請求項2に記載の瞬時応答増幅回路において、前記電圧振幅調整回路は、前記差動型振幅制限増幅回路の前記平均値検出回路が接続された側の入力端子に入力する信号の最低電位を引き上げる回路であることを特徴とする瞬時応答増幅回路とした。
【0013】
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の瞬時応答増幅回路において、瞬時応答増幅回路の入力部又は前記基本増幅段間のいずれか一方もしくは両方を結合容量を用いて接続したことを特徴とする瞬時応答増幅回路とした。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、差動型振幅制限増幅回路の差動入力端子の一方に入力信号のビット幅数ビット分から数十ビット分程度の時定数を有する平均値検出回路を接続した基本増幅段を構成し、その基本増幅段を2段縦続接続することで、平均値検出回路の高速動作による波形歪みを補償し、適正な差動出力信号が得られるようにするものである。
【0015】
この結果、本発明では従来に比べて電位保持回路を必要としないので、高速な電位保持回路構成上の問題を回避でき、かつシステム構成上リセットを必要としない瞬時応答増幅回路を実現することができる。また、本発明は瞬時応答増幅回路の入力部もしくは基本増幅段間を容量結合しても有効であるため、直流結合による回路動作の不安定性や雑音の増加のない瞬時応答増幅回路を実現することができる。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態の瞬時応答増幅回路を示すブロック図である。図1において、1は入力端子、12A,12Bは差動型振幅制限増幅回路、13A,13Bは時定数が信号のビット幅数ビット分から数十ビット分程度に設定された平均値検出回路、14,15は1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力端子、16,17は1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの出力端子、18,19は2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの入力端子、20,21は2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの出力端子、22,23は差動出力端子、24,25は電源もしくは電気的接地、26は第1の基本増幅段、27は第2の基本増幅段を示す。
【0017】
図2に図1で示した平均値検出回路13A,13Bの具体例を示す。図2において、28は抵抗、29は容量、30は入力端子、31は出力端子を示す。
【0018】
図3に図1に示した第1の実施形態の瞬時応答増幅回路の動作波形を示す。図3において、(a)は1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力信号波形図、(b)は2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの入力信号波形図、(c)は差動出力端子22,23の差動出力信号波形図、(d)は差動出力信号波形のパケット先頭部分拡大図、(e)は差動出力信号波形のパケット信号中央部分拡大図、(f)は差動出力信号波形の連続符号後の交番信号部分拡大図、14’、15’、18’、19’、22’、23’は図1の14、15,18,19,22,23で示した端子の電圧波形を示す。
【0019】
入力端子1から入力された電圧信号14’は、1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力端子14に入力されると同時に平均値検出回路13Aに入力され、その出力電圧信号15’は1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力端子15に入力される。ここで、平均値検出回路13Aの時定数は信号のビット幅数ビット分から数十ビット分程度に設定されており、信号入力開始からその時定数程度の時間で瞬時に平均値を検出することができる。
【0020】
しかしながら、図3の1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力端子15の電圧波形15’からも明らかなように、高速に応答する平均値検出回路13Aは信号の符号にある程度反応してしまう。これは特に連続符号が入力された場合に顕著であり、平均値検出回路13Aの出力電位は”1”連続の場合は高電位側に、”0”連続の場合は低電位側に引き寄せられてしまう。この平均値検出回路13Aの高速動作は、差動型振幅制限増幅回路12Aの参照電位に必要以上の変動を与えてしまうしまうため、振幅制隈増幅回路12Aの出力波形に歪みやデューティ変動を生じさせてしまう。
【0021】
そこで、本発明では2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bと平均値検出回路13Bを用いて、この歪みやデューティ変動を補償している。以下に2段目の基本増幅段27での動作を説明する。1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの出力端子16,17から出力された信号は、上記に示した歪みやデューティ変動が生じた波形となってはいるが、差動型振幅制限増幅回路12Aの振幅制限機能が有効な入力信号振幅範囲の信号であれば、出力波形の振幅は一定値に制限されて出力される。このため出力端子17の出力信号を2段目の平均値検出回路13Bに入力した場合、1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力端子15に入力された参照電位波形の電圧15’を上下反転させた波形とほぼ等しい波形の電圧19’が出力される。この波形の電圧19’を2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの入力端子19に入力し、2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの入力電圧18’に対する参照電位として差動増幅動作をさせると、1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aで生じた歪みやデューティ変動のほぼ逆の歪みやデューティ変動を生じさせることができるため、2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの差動出力電圧22’,23’は歪みやデューティ変動の少ない良好な波形となる。
【0022】
図3の(d)〜(f)に差動出力電圧22’,23’の波形を拡大して示す。パケット先頭部分(d)、パケット信号中央部分(e)、連続符号後の交番連続符号部分(f)などにおいても、歪みやデューティ変動の少ない良好な波形が得られることがわかる。
【0023】
[第2の実施形態]
図4に第2の実施形態の瞬時応答増幅回路を示す。図1と同じものには同じ符号を付けた。この実施形態では、2段目の平均値検出回路13Bを1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの出力端子16と2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの入力端子18の間に挿入したものを示している。出力端子16の出力信号を2段目の平均値検出回路13Bに入力すると、その出力は1段目の平均値検出回路13Aの出力信号とほぼ等しい波形となる。この波形を2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの入力端子18に入力し、もう一方の入力端子19には1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの出力端子17から出力される反転出力信号を入力することにより、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0024】
このように、本発明の瞬時応答増幅回路では、差動端子対の一方であればどちら側に平均値検出回路が挿入されていても有効であり、全ての基本増幅段で任意に選択できる。
【0025】
[第3の実施形態]
図5に第3の実施形態の瞬時応答増幅回路を示す。図5において、図1におけるものと同じものには同じ符号を付けた。32A,32Bは電圧振幅調整回路を示す。図6にこの電圧振幅調整回路32A,32Bの具体例を示す。図6において、33は抵抗、34は入力端子、35は出力端子を示す。
【0026】
本発明の瞬時応答増幅回路ではその動作原理から明らかなように、平均値検出回路の出力する参照電位の変動幅が、平均値検出回路の出力端子が接続されていない側の差動型振幅制限増幅回路の入力端子に入力される信号の振幅内に入っていなければならない。平均値検出回路の出力電位幅は、平均値検出回路の入出力間インピーダンスと差動型振幅制限増幅回路の入力インピーダンスの比で決まり、平均値検出回路の入出力間インピーダンスが差動型振幅制限増幅回路の入力インピーダンスに対して無視できないほど大きい場合には、出力電位幅が低下するとともに、差動型振幅制限増幅回路の入力端子の直流電位に応じて、出力する参照電位全体が上下にシフトする。このシフトにより平均値検出回路の出力最低電位が、平均値検出回路の出力端子が接続されていない側の差動型振幅制限増幅回路の入力端子に入力される信号の最低電位を下回った場合には、正常動作ができなくなる。
【0027】
図6に示した電圧振幅調整回路32A,32Bは抵抗33からなり、抵抗値は図2に示した平均値検出回路13A,13Bの抵抗28と同じ値とする。これを図5に示すように、平均値検出回路13A,13Bが接続されていない側に接続することにより、差動型振幅制限増幅回路12A,12Bに入力される信号の振幅を平均値検出回路13A,13Bの出力する参照電位変動幅に合わせることができる。
【0028】
[第4の実施形態]
図7に第4の実施形態の瞬時応答増幅回路を示す。図7において、図1と同じものには同じ符号を付けた。36A,36Bはもう一つの電圧振幅調整回路、37,38は電源もしくは電気的接地を示す。図8に、もう一つの電圧振幅調整回路36A,36Bの具体例を示す。図8において、39,40は抵抗、41は入力端子、42は出力端子を示す。
【0029】
本実施形態では、電圧振幅調整回路36A,36Bの電源もしくは電気的接地37,38に信号の最低電位レベルより高い電位を与えることで、平均値検出回路13A,13Bに入力される信号の最低電位を引き上げ、出力する参照電位の最低電位を上げることができる。また、電圧振幅調整回路36A,36B内の抵抗39により、電圧振幅調整回路36A,36Bの出力信号は電位幅が低下するため、差動型振幅制限増幅回路の入力端子14,18に入力される信号の振幅内に入れることが容易となる。ただし、平均値検出回路13A,13Bによる出力電位幅の低下が充分な場合には、抵抗39は短絡としても良い。
【0030】
[第5の実施形態]
図9に第5の実施形態の瞬時応答増幅回路を示す。図9において、図5、図7と同じものには同じ符号を付けた。43,44は電源もしくは電気的接地を示す。図5における電圧振幅調整回路32A,32Bと図7で説明したのと同じもう一つの電圧振幅調整回路36A、36A’、36B、36B’を共存させた例で、回路設計の自由度を高めることができる。
【0031】
図5と図7では、電圧振幅調整回路32A,32Bやもう一つの電圧振幅調整回路36A,36Bを全ての基本増幅段に使用した例を示したが、必ずしも全ての基本増幅段に使用する必要はなく、少なくとも1つの基本増幅段に使用すれば効果が得られる。図7におけるもう一つの電圧振幅調整回路36A,36Bは図9のように基本増幅段の入力端子対の両方に使用しても良い。
【0032】
また図7と図9では、もう一つの電圧振幅調整回路36A,36A’,36B,36B’を平均値検出回路13A,13Bや電圧振幅調整回路32A,32Bの入力端子側に接続した例を示したが、平均値検出回路13A,13Bや電圧振幅調整回路32A,32Bと差動型振幅制限増幅回路12A,12Bの間に挿入しても同じ効果が得られる。
【0033】
さらに図9では、もう一つの電圧振幅調整回路36A,36A’,36B,36B’を全ての基本増幅段の差動入力端子対部分に挿入した例を示したが、必ずしも全ての入力端子に対して使用する必要はなく、少なくとも電圧振幅調整回路36A,36Bのどちらか一方が挿入されていれば同じ効果が得られる。
【0034】
[第6の実施形態]
図10に第6の実施形態の瞬時応答増幅回路を示す。図10において、図1と同じものには同じ符号を付けた。45A,45A’,45B,45B’は結合容量、46A,46A’,46B,46B’はバイアス回路、47〜50は電源もしくは電気的接地を示す。図11にバイアス回路46A,46A’,46B,46B’の具体例を示す。図11において、51はインダクタ、52は入力端子、53は出力端子を示す。
【0035】
図12に図10に示した瞬時応答増幅回路の動作波形を示す。図中の記号は図3と同様のものを示し、14’,15’18’,19’,22’,23’は図10の14,15,18,19,22,23で示した端子の電圧波形を示す。結合容量45A,45A’,45B,45B’と基本増幅段26,27の入力インピーダンスによる時定数を平均値検出回路13A,13Bの時定数より十分大きく設計すれば、平均値検出回路13A,13Bは結合容量45A,45A’,45B,45B’の過渡現象による信号の中間電位の変動に対して追随できるので、1段目の基本増幅段26の平均値検出回路13Aは正常に参照電位を発生し、問題なく動作する。
【0036】
ここで、1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力端子14,15にバイアス回路46A,46A’を通じて同じ電位が与えられている場合には、待機時(無信号状態)や平均値検出回路13Aの時定数以上の長さの連続符号が入力された際などに、1段目の基本増幅段26の出力電位は差動型振幅制限増幅回路12Aの中間電位に引き寄せられる。この動作により、パケットの先頭部分や連続符号後のデータ入力に対し、1段目の基本増幅段26の出力は振幅が半分程度となってしまう(図12(b))。1段目の基本増幅段26の出力信号は差動信号であるので、基本増幅段間の容量結合は2段目の基本増幅段27の差動入力信号の中間電位間を大きく引き離すことになるが、先頭部分の振幅が小さいことからこの効果が補償(緩和)されることとなり、若干パケット先頭部分や連続符号後に歪みやデューティ変動が残るものの、基本的には直流結合時と同様に動作させることができる(図12(d)〜(f))。
【0037】
図10では便宜上、瞬時応答増幅回路の入力部と基本増幅段間の両方を容量結合した例を示したが、どちらか一方でも良い。差動型振幅制限増幅回路12A,12Bの平均値検出回路13A,13Bが接続されていない側の入力端子には、本発明の第3の実施形態(図5)と同様に電圧振幅調整回路32A,32Bを使用しても良い。また、バイアス回路46A,46A’,46B,46B’は図9におけるもう一つの電圧振幅調整回路36A,36A’,36B,36B’と同様に平均値検出回路13A,13Bや電圧振幅調整回路32A,32Bと差動型振幅制限増幅回路12A,12Bの間に挿入しても良い。さらに、バイアス回路46A,46A’,46B,46B’は抵抗やもう一つの電圧振幅調整回路36A,36A’,36B,36B’で代用しても良く、回路の入出力間でインピーダンス整合が必要な場合には、インピーダンス整合回路を用いてバイアスを供給しても良い。差動型振幅制限増幅回路12A,12Bの内部にインピーダンス整合回路が内蔵されている場合や、部分的に直流結合されている場合は、バイアス回路46A,46A’,46B,46B’が必ずしも全ての入力部に接続されている必要はない。
【0038】
[その他の実施形態]
以上説明した第1〜第6の実施形態の瞬時応答増幅回路において、入力端子1は便宜上入力端子対として2個に分けて表現されているが、入力端子対間を短絡し、1つの入力端子としても良い。また、第1〜第6の実施形態において、瞬時応答増幅回路の入力部、もしくは基本増幅段26,27間でインピーダンス整合を必要とするときは、インピーダンス整合回路を使用してよい。
【0039】
第3〜第6の実施形態の瞬時応答増幅回路では、便宜上全ての基本増幅段で差動型振幅制限増幅回路12A,12Bの入力端子15,19側に平均値検出回路13A,13Bを接続した例を示したが、図4に示した第2の実施形態と同様の理由で差動端子対の一方であればどちら側に平均値検出回路13A,13Bが挿入されていても有効であり、全ての基本増幅段で任意に選択できる。
【0040】
さらに、図2に示した平均値検出回路13A,13B、図6で示した電圧振幅調整回路32A,32B、図8で示したもう一つの電圧振幅調整回路36A,36B、図11で示したバイアス回路46A,46A’,46B,46B’は同様の機能を提供するかぎり任意の回路構成で有効である。また全ての回路図内で複数箇所使用されている添字A,B,A’,B’で区別された同一数字の回路ブロックは、同様の機能を提供するかぎり厳密に同じ回路構成である必要はない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の瞬時応答増幅回路は従来に比べて電位保持回路を必要としないので、高速な電位保持回路構成上の問題を回避でき、かつシステム構成上リセットを必要としない。また、本発明は基本増幅段間を容量結合しても有効であるため、直流結合による回路動作の不安定性や雑音の増加のない瞬時応答増幅回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の瞬時応答増幅回路のブロック図である。
【図2】 図1における平均値検出回路の具体例の回路図である。
【図3】 図1の瞬時応答増幅回路の動作波形を示す図で、(a)は1段目の差動型振幅制限増幅回路の入力信号波形図、(b)は2段目の差動型振幅制限増幅回路の入力信号波形図、(c)は差動出力信号波形図、(d)は差動出力信号波形のパケット先頭部分拡大図、(e)は差動出力信号波形のパケット信号中央部分拡大図、(f)は差動出力信号波形の連続符号後の交番信号部分拡大図である。
【図4】 第2の実施形態の瞬時応答増幅回路のブロック図である。
【図5】 第3の実施形態の瞬時応答増幅回路のブロック図である。
【図6】 図5における電圧振幅調整回路の具体例の回路図である。
【図7】 第4の実施形態の瞬時応答増幅回路のブロック図である。
【図8】 図7における電圧振幅調整回路の具体例の回路図である。
【図9】 第5の実施形態の瞬時応答増幅回路のブロック図である。
【図10】 第6の実施形態の瞬時応答増幅回路のブロック図である。
【図11】 図10におけるバイアス回路の具体例の回路図である。
【図12】 図10の瞬時応答増幅回路の動作波形を示す図で、(a)は1段目の差動型振幅制限増幅回路の入力信号波形図、(b)は2段目の差動型振幅制限増幅回路の入力信号波形図、(c)は差動出力信号波形図、(d)は差動出力信号波形のパケット先頭部分拡大図、(e)は差動出力信号波形のパケット信号中央部分拡大図、(f)は差動出力信号波形の連続符号後の交番信号部分拡大図である。
【図13】 従来の瞬時応答増幅回路のブロック図である。
【符号の説明】
1:入力端子
2:差動増幅回路
3:最高電位保持回路
4:最低電位保持回路
5、5’:抵抗
6,7:差動増幅回路の入力端子
8,9:差動増幅回路の出力端子
10,11:リセット信号入力端子
12A,12B:差動型振幅制限増幅回路
13A,13B:平均値検出回路
14,15:1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの入力端子
14’,15’:端子14,15の電圧波形
16,17:1段目の差動型振幅制限増幅回路12Aの出力端子
18,19:2段目の差動型振幅制限増幅回路12Bの入力端子
18’,19’:端子18,19の電圧波形
20,21:2段目の差動型振幅制増幅幅回路12Bの出力端子
22,23:差動出力端子
22’,23’:端子22,23の電圧波形
24,25:電源もしくは電気的接地
26:第1の基本増幅段
27:第2の基本増幅段
28:抵抗
29:容量
30:平均値検出回路の入力端子
31:平均値検出回路の出力端子
32A,32B:電圧振幅調整回路
33:抵抗
34:電圧振幅調整回路の入力端子
35:電圧振幅調整回路の出力端子
36A,36A’,36B,36B’:もう一つの電圧振幅調整回路
37,38:電源もしくは電気的接地
39,40:抵抗
41:もう一つの電圧振幅調整回路の入力端子
42:もう一つの電圧振幅調整回路の出力端子
43,44:電源もしくは電気的接地
45A,45A’,45B,45B’:結合容量
46A,46A’,46B,46B’:バイアス回路
47〜50:電源もしくは電気的接地
51:インダクタ
52:バイアス回路の入力端子
53:バイアス回路の出力端子
Claims (5)
- 入力信号のビット幅数ビット分から数十ビット分程度の時定数を有し、信号の入力開始から前記時定数程度の時間で瞬時に入力信号の平均値を検出して電位を保持することなく出力する平均値検出回路と、差動型振幅制限増幅回路とを有し、
前記平均値検出回路の出力端子を前記差動型振幅制限増幅回路の差動入力端子の一方の入力端子に接続し、前記平均値検出回路の入力端子と前記差動型振幅制限増幅回路の他方の入力端子を入力端子対とし、前記差動型振幅制限増幅回路の差動出力端子を出力端子対とする基本増幅段を構成し、
該基本増幅段を2段縦続接続し、1段目の基本増幅段の入力端子対に信号を同相入力することを特徴とする瞬時応答増幅回路。 - 請求項1に記載の瞬時応答増幅回路において、
前記差動型振幅制限増幅回路の信号入力経路に電圧振幅を調整する電圧振幅調整回路を挿入したことを特徴とする瞬時応答増幅回路。 - 請求項2に記載の瞬時応答増幅回路において、
前記電圧振幅調整回路は、前記差動型振幅制限増幅回路の前記平均値検出回路が接続された側と反対側の入力端子に入力する信号の振幅を低減させる回路であることを特徴とする瞬時応答増幅回路。 - 請求項2に記載の瞬時応答増幅回路において、
前記電圧振幅調整回路は、前記差動型振幅制限増幅回路の前記平均値検出回路が接続された側の入力端子に入力する信号の最低電位を引き上げる回路であることを特徴とする瞬時応答増幅回路。 - 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の瞬時応答増幅回路において、
瞬時応答増幅回路の入力部又は前記基本増幅段間のいずれか一方もしくは両方を結合容量を用いて接続したことを特徴とする瞬時応答増幅回路。
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