JP3880721B2 - コンクリート構造物補強用繊維シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート構造物の柱や梁などの補強のために巻き付け或いは貼着して使用される繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記の補強には、コンクリートよりも引張強度の大きい芳香族ポリアミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの補強用繊維の縦糸と、引張強度のあまり大きくないナイロン繊維やポリエステル繊維などの熱溶融性繊維の横糸をテープ状や布帛状に編織したものが一般的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のテープ状の繊維シートの構成の1例は図1に示す如くであり、縦糸aには2840〜7200デニールの芳香族ポリアミド繊維の束を幅方向に8〜15本/cm程度使用し、横糸bには200〜500デニールのナイロン繊維を使用して平織により作成される。そして図2のようなコンクリート柱cを補強する場合、周面を補修した該柱cに接着剤を塗布して繊維シートdを巻き付け貼着し、該繊維シートdに樹脂を含浸させたのち含浸樹脂を硬化させることにより両者を一体化して補強する。通常、繊維シートdを柱cの周面に何層にも巻き付けて必要な補強強度を得ている。
【0004】
繊維シートdは一様な幅であるから、柱cの高さによっては巻終わりの部分にそのシート幅よりも狭い隙間が残ることがある。繊維シートdは柱全体に貼着しなければ補強の意味がなくなるので、このような残った隙間には、図3のように使用した繊維シートdを巻重ね部分eを広くして貼着するか、或いは図4のように使用した繊維シートdの幅をカットして貼着している。しかし、図3の場合は巻重ね部分eが広いため、何層も貼着すると瘤のように補強面が隆起して仕上げしにくく外観が悪くなる欠点があった。また、図4の場合は繊維シートdのカット面において繊維がほつれ、施工しにくいという不都合を伴う。
【0005】
このような隙間を埋めるために多数種の幅の繊維シートdを製作すればよいのであるが、繊維シートdの種類が多くなると製作コストが高くなり在庫管理が煩わしくなる。
本発明は、このような欠点、不都合を解消することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、コンクリートよりも引張強度の大きい芳香族ポリアミド繊維等の補強用繊維の縦糸と熱溶融性繊維の横糸とを編織したコンクリート構造物に貼着して該構造物を補強する繊維シートに於いて、前記シートに対し熱溶融性の繊維の縦糸をシート幅方向に所定間隔で配置した態様で、前記縦糸の間に該熱溶融性の繊維を混在させたことにより、上記の目的を達成するようにした。該横糸及び熱溶融性の繊維にナイロン繊維又はポリエステル繊維を使用し、該縦糸に混入する熱溶融性の繊維は数百デニールの繊維束として補強用繊維間にほぼ等間隔で混入させ、その色を補強用繊維や横糸と異ならせると有利である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図5に基づき説明すると、同図に於いて符号1は平織、模紗織などで縦糸2と横糸3をテープ状に織ったコンクリート構造物補強用の繊維シートを示し、縦糸2にはコンクリートよりも引張強度の大きい芳香族ポリアミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維等からなる補強用繊維4が使用され、繊維シート1の形状を維持するための横糸3にはナイロン繊維、ポリエステル繊維等の比較的低温で溶融する熱溶融性の合成樹脂繊維が使用される。
【0008】
こうした構成は従来のものと特に異ならないが、本発明のものでは縦糸2に熱溶融性の繊維5を混在させるようにし、該繊維5に沿ってヒートカッターなどの熱切断装置を進めると、該補強用繊維4を切断せずに該熱溶融性の繊維5及び横糸3が切断でき、繊維シート1の幅を適当に狭められ、このとき該繊維5が溶融して横糸3に融着するとともに付近の補強用繊維4間に浸透しそのほつれが抑えられる。
【0009】
該補強用繊維4に芳香族ポリアミド繊維を使用し、熱溶融性の繊維5にナイロン繊維を使用する場合、このポリアミド繊維の2840〜7200デニールを繊維シート1の幅方向で8〜15本/cmの割合とし、ナイロン繊維はその幅方向に例えば5cm間隔、その1箇所当たり200〜500デニールを6〜12本使用する。また、この場合、横糸3としてナイロン又はポリエステル繊維等の200〜500デニールの糸を10〜15本/インチ間隔で入れる。
【0010】
本発明の繊維シート1は、コンクリート構造物にリング状に巻き付け貼着し、前記した従来のものと同様に使用され、図2のような巻残り部分が生じた場合、繊維シート1を熱溶融性の繊維5に沿って必要サイズにカットしてその部分に貼着することができ、前記の従来品の不都合欠点を解消できる。該繊維シート1として、例えば幅が10cm、30cm、50cmの3種類を用意すれば、どれか1種類の繊維シート1をヒートカットして適切な寸法のシートが得られ、例えば補強するコンクリート柱の長さが3m40cmであるとき、幅50cmの繊維シート1を適当長さに切って7枚用意し、そのうちの1枚を幅40cmに該繊維5に沿ってカットしておけば、柱の周面全体に重なりを生じずに貼着できる。
【0011】
該熱溶融性の繊維5は熱で溶ける繊維であるなら何でも良いが、250〜400℃程度に発熱するヒートカッターでカットできるように比較的低温で溶ければ好都合である。芳香族ポリアミド繊維は、約500℃で炭化し熱融解せず、この繊維を補強用繊維4に使用したときにヒートカットの熱が作用しても、熱が作用する時間は瞬時にすぎないから強度劣化はない。熱溶融性の繊維5に他の繊維と異なる色を着色しておけば、該繊維5を物差しの目盛りとして利用でき、ヒートカットしやすくなる。尚、該繊維シート1はテープ状に限らず布帛状であってもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によるときは、コンクリート構造物補強用繊維シートの補強用繊維からなる縦糸に熱溶融性の繊維を混在させたので、ヒートカッター等で適当な幅寸法に補強用繊維をほつれさせることなくヒートカットすることができ、多種類の幅の繊維テープを用意する必要がなくなり、製作コストが減少し在庫管理が容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコンクリート構造物補強用繊維シートの模式図
【図2】該繊維シートの貼着状態の説明図
【図3】従来の重ね貼り部分の拡大断面図
【図4】従来の切り貼り状態の拡大断面図
【図5】本発明のコンクリート構造物補強用繊維シートの模式図
【符号の説明】
1 コンクリート構造物補強用繊維シート、2 縦糸、3 横糸、4 補強用繊維、5 熱溶融性の繊維、
Claims (3)
- コンクリートよりも引張強度の大きい芳香族ポリアミド繊維等の補強用繊維の縦糸と熱溶融性繊維の横糸とを編織したコンクリート構造物に貼着して該構造物を補強する繊維シートに於いて、前記シートに対し熱溶融性の繊維の縦糸をシート幅方向に所定間隔で配置した態様で、前記縦糸の間に該熱溶融性の繊維を混在させたことを特徴とするコンクリート構造物補強用繊維シート。
- 上記補強用繊維に芳香族ポリアミド繊維を使用し、上記横糸及び熱溶融性の繊維にナイロン繊維又はポリエステル繊維を使用したことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物補強用繊維シート。
- 上記熱溶融性の繊維の色をコンクリート構造物補強用繊維シートを構成する他の繊維の色と異ならせたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート構造物補強用繊維シート。
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1998
- 1998-04-03 JP JP09161998A patent/JP3880721B2/ja not_active Expired - Fee Related
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