JP3880716B2 - ノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザー - Google Patents

ノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車内装用のレザー類、建築物内装用のレザー類、シートとして有用なノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーに関し、さらに詳しくは、Tダイ押出しやカレンダー加工により成形されるレザー類、シート用に有用なノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の内装や建築物の内装用に用いられるレザー類や、成型用のシート素材として、ポリ塩化ビニルが主として用いられ、長年に渡ってゆるぎない地位を保っている。
【0003】
レザーやシート類は薄層シートとして加工される。従って、加工性がよいことはもちろん、物性面でも厳しい要求がある。例えば、自動車内装用に使用される素材では、柔軟性を有し耐熱性があること、また、レザー表面に擦過傷などがつきにくく、耐候性に優れていることなど、多項目に渡っている。自動車内装材は、特に耐熱性、耐候性が重要である。
【0004】
これは、季節によっても場所によっても異なるが、夏などの外気温が高い日中にあって直射日光が当たる状態で自動車が放置された時など、車中の温度はもとより日光に照射されている内装材などの表面温度は、90℃を簡単に超えてしまう。それ故、当然紫外線も強くレザー表面は劣化するという問題点がある。ポリ塩化ビニルは、まさにこのような厳しい条件を満たすことのできる素材であり、それゆえ広く使用されている。
【0005】
しかしながら、近年になってプラスチックス製品のゴミ処理が大きな問題となってきた。プラスチックス製品は日常生活における目的を果たし終えた時、不要物として廃棄され、リサイクルできないものは大多数がゴミとして焼却処理される。
【0006】
このような状況下で、ヨーロッパを中心にリサイクル問題と共に、TPE(熱可塑性エラストマー)、なかでもスチレン系エラストマー及びTPO(熱可塑性ポリオレフィンエラストマー)をはじめとする代替品が注目されつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様々な問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、薄物素材として加工性、物性に優れ、難燃性を付与したレザー用の樹脂素材であり、かつ不要となって廃棄されてもリサイクルが容易なノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリオレフィンからなる表皮層と無機難燃剤を配合した発泡ポリオレフィンからなる難燃層とを組み合わせることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、請求項1に係る本発明は、押出成形およびカレンダー加工、ロール加工等により一体的に成形した3層構造の合成樹脂製のレザーであって、素材の構成が表皮層(A)ポリオレフィンの混合組成物、難燃層(B)ポリオレフィンと無機難燃剤の混合組成物、基布(C)ポリエステル、レーヨン等の織布、ポリプロピレン等のシートまたは発泡シートからなり、3層の中間素材とした難燃層(B)によって全体が難燃性を有することを特徴とするノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーにおいて、表皮層(A)は、ポリオレフィンから選ばれた(a1)エチレン系共重合体のエチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂35〜48wt%、(a2)ソフトポリプロピレン8〜15wt%、(a3)水素添加スチレン系樹脂からなる熱可塑性エラストマー10〜18wt%、(a4)メタロセン系ポリエチレン3〜9wt%、(a5)直鎖状低密度ポリエチレン15〜25wt%からなり、さらに微量の有機過酸化物とトリメリット酸エステルを添加してなるノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーであることを特徴とするものである。
【0011】
すなわち、請求項2に係る本発明は、押出成形およびカレンダー加工、ロール加工等により一体的に成形した3層構造の合成樹脂製のレザーであって、素材の構成が表皮層(A)ポリオレフィンの混合組成物、難燃層(B)ポリオレフィンと無機難燃剤の混合組成物、基布(C)ポリエステル、レーヨン等の織布、ポリプロピレン等のシートまたは発泡シートからなり、3層の中間素材とした難燃層(B)によって全体が難燃性を有することを特徴とするノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーにおいて、難燃層(B)は、ポリオレフィンから選ばれた(b1)エチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂67〜77wtw%、(b2)メタロセン系ポリエチレン3〜8wt%と、無機難燃剤から選ばれた(b3)水酸化マグネシウム10〜18wt%、(b4)無機赤燐2〜6wt%、(b5)ホウ酸亜鉛1〜2wt%、(b6)アゾジカルボンアミド系発泡剤3〜8wt%からなり、さらに微量の有機過酸化物を添加してなるポリオレフィンと無機難燃剤の混合組成物であり、特に発泡剤を含めた無機成分の比率が組成物中15〜25wt%であることを特徴とするノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーに関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃性のノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーは、ポリオレフィンよりなる表皮層(A)と、ポリオレフィンおよび無機難燃剤からなる難燃層(B)、基布(C)の3層構造からなることを特徴としている。
【0013】
表皮層(A)を構成するポリオレフィンとしては、以下の5成分を必須成分とすることが好ましい。
【0014】
(a1)エチレン系共重合体のエチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂
(a2)ソフトポリプロピレン
(a3)水素添加スチレン系樹脂からなる熱可塑性ポリマー
(a4)メタロセン系ポリエチレン
(a5)直鎖状低密度ポリエチレン
【0015】
このうち、(a1)のエチレン系共重合体のエチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂としては、メルトインデックスが0.5〜5g/10min(190℃)、コモノマー含有量が15〜25wt%のものが好ましい。また(a2)ソフトポリプロピレンは、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンまたはソフトポリプロピレンであり、ソフトポリプロピレンが好ましい。ソフトポリプロピレンは特殊共重合軟質樹脂であり、ポリプロピレンの性状を示す。(a3)水素添加スチレン系樹脂としては、水添SBR、SEBS、SEPSで、スチレン含有量が10〜15wt%の熱可塑性エラストマーが好ましい。(a4)メタロセン系ポリエチレンとはシングルサイト触媒のメタロセン系触媒を用いて重合したポリオレフィンの1種であり、密度0.880g/cm3以下のオクテン含有量20wt%以上のエチレン−オクテン共重合体である。(a5)直鎖状低密度ポリエチレンとは、一般的なLLDPEもしくはメタロセン系LLDPEである。
【0016】
表皮層(A)は、上記5種類の樹脂を配合比(a1)35〜48wt%,(a2)8〜15wt%、(a3)10〜18wt%、(a4)3〜9wt%、(a5)15〜25wt%((a1)+(a2)+(a3)+(a4)+(a5)=100wt%)の割合で配合し、100〜3000ppmの有機過酸化物を添加し、溶融混練しシート状に成形したものである。表皮層(A)を加工するには、180℃〜230℃で溶融混練し、シート状に成形すればよい。
【0017】
本発明の表皮層(A)を構成する樹脂のそれぞれの配合目的は、(a1)エチレン系共重合体は、メルトインデックスの数値の小さいものは、物性面で引張強さ、のび特性が優れている。また、コモノマーを多く含有しているほど柔軟である。(a2)ポリプロピレンは、樹脂組成物の全体の軟化点を向上させる働きを付与させること、つまり耐熱性向上にあり、また、レザー類に加工されたときの表面傷発生を防止する。さらに加工性としては、ロールリリース性が向上し、金属へのベタツキを防止する。(a3)水素添加スチレン系樹脂からなる熱可塑性ポリマーは、樹脂組成物の柔軟性を高めることを目的として配合する。このものは、直鎖状低密度ポリエチレンとの組み合わせで、真空成形などに適した溶融時おける溶融張力が向上する。その配合量が10wt%未満では、柔軟性付与効果が充分ではなく、18wt%を超えると引張強度の低下を来す。(a4)メタロセン系ポリエチレンは、樹脂混合系において、ソフト系の樹脂とハード系の樹脂間でバインダーの働きをするので、物性面で特に伸びを発現させ、柔軟性や屈曲性にも寄与する。メタロセン系ポリエチレンの配合量が3%未満では、加工性に劣り、風合いの低下を来し、9wt%を超えると、堅さの低下と共に耐熱性が劣る。(a5)の直鎖状ポリエチレンは、15〜25wt%配合すると、メタロセン系ポリエチレンとの相乗効果により、混合系で樹脂間の相溶性を高め、物性上、引張強さ、伸びの向上を促す効果がある。また、直鎖状低密度ポリエチレンは、比較的樹脂の軟化温度が高いので、樹脂組成物の全体的な軟化点を向上させる。さらに、ポリプロピレンと同様に、加工特性が向上し、ロールリリース性も向上する。
【0018】
表皮層(A)に配合する有機過酸化物は、溶融混練りされる樹脂成分のいわゆるポリマーアロイを形成させるためのものであり、1種のポリマー改質剤として機能するものである。有機過酸化物としては、例えば、パーヘキシン、パーヘキサ系のものを挙げることができる。
【0019】
表皮層(A)には、薄層シートへの加工性を向上させることを目的として、トリメリット酸エステルを0.2〜2wt%配合してもよい。トリメリット酸エステルとしては、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸混合エステル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸イソデシルエステルなどを挙げることができる。表皮層(A)には、上記成分以外に、酸化防止剤、着色剤、離型剤、滑剤などの公知の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0020】
難燃層(B)を構成する素材のうち樹脂成分は、(b1)エチレン系共重合体のエチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂で、メルトインデックスが0.5〜5g/10min(190℃)、コモノマー含有量が15〜25wt%のものが好ましい。(b2)はメタロセン系ポリエチレンである。難燃層(B)を構成する無機難燃剤は、(b3)水酸化マグネシウム、(b4)無機赤燐(特にチタンコートされたもの)、(b5)ホウ酸亜鉛に、(b6)アゾジカルボンアミド系発泡剤を配合したものであり、配合比が(b1)67〜77wt%、(b2)3〜8wt%、(b3)10〜18wt%、(b4)2〜6wt%、(b5)1〜2wt%、(ただし、(b1)+(b2)=(B')75〜85wt%、(b3)+(b4)+(b5)+(b6)=(B'')15〜25wt%、(B')+(B'')=100wt%)である。
【0021】
難燃層(B)を形成するには、(b6)を除き、(b1)〜(b5)を100〜3000ppmの有機過酸化物の存在下で150〜200℃の温度で混練し、この混練物の温度を115〜125℃に下げてから発泡剤(a6)を添加して、さらに混練溶融すればよい。難燃層(B)の加工時における発泡範囲は、用途に応じて異なるが、発泡倍率で0〜8倍となるように、発泡剤の添加量と加工条件を調節すればよい。
【0022】
難燃層(B)にエチレン系共重合体を用いる目的は、素材をシート加工時に発泡させたフィルム層として成形する場合、コモノマーを15〜25wt%含有するエチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂では、フォーム、いわゆるセルの形成が無機物の存在下でも容易であるためである。
【0023】
微量の有機過酸化物で部分的に改質されたエチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂は、溶融粘度および溶融張力が高まり、発泡剤が熱によって分解されるガスを樹脂の膜で覆い、ひとつひとつを小さな泡として樹脂中に留める。これにより独立発泡のフォームとして層をなすのである。
【0024】
本発明における難燃層(B)は、アゾジカルボンアミド系発泡剤を配合することを特徴とするが、アゾジカルボンアミド系発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(分解ガス:N2,CO,CO2、NH3)、ヒドラゾジカルボンアミド(分解ガス:N2,NH3)、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(分解ガス:N2)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(分解ガス:N2)、パラトルエンスルホニルアセトンヒドラゾン(分解ガス:N2)などが挙げられるが、分解発泡時に有害なガスを発生しない点で、アゾジカルボンアミドやヒドラゾジカルボンアミドが好ましい。
【0025】
また、本発明の難燃層(B)の配合のように、少量の水酸化マグネシウム、赤燐、ホウ酸亜鉛でも、エチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂と組み合わせることにより、難燃性に対する相乗効果が発現される。
【0026】
本発明における難燃層(B)の、燃焼時における難燃効果のメカニズム上、可燃物であるエチレン共重合体樹脂の燃焼継続を必要とする、燃焼時発生する熱量と、水酸化マグネシウムから熱分解によって放出される水分子による冷却効果の下、燃焼熱が抑制されることと樹脂中に分散している赤燐自体の燃焼速度が速く、急激に燃焼面での酸素消費が生じ、不完全燃焼の状態となるためである。このとき、アゾジカルボンアミド系の発泡剤を用いることでフォーム層のセルひとつひとつの空隙には、アゾジカルボンアミド系の発泡剤が熱分解時に放出するアンモニアガスや窒素ガス、アミン水などの不活性ガスが封入されている。
【0027】
また、発泡剤も一部は分解せずに残留しており、これらが燃焼面でセルが破壊される都度、露出を繰り返し、赤燐の不完全燃焼と重なり、可燃物であるエチレン共重合体の燃焼面にスス(カーボン)の被膜を形成し、酸素遮断を行うのである。さらに、ホウ酸亜鉛は燃焼面の殻形成を助長し、難燃性をより効果的にするものである。
【0028】
本発明のノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーの最下層は、ポリエステル、レーヨン等の織布およびポリプロピレン等のシートまたは発泡シートからなる基布(C)であるが、基布(C)を設けることにより、薄層加工したレザーの引きつれ防止と耐引き裂き性の向上を図ることができる。また、織布を張り合わせることにより縫製が容易になる。
【0029】
以上、説明を行った表皮層(A)、難燃層(B)および基布(C)からなる本発明のノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーは、レザーに要求される特性を3層構造により充たすものであり、特にそれぞれが特徴のある複合素材であると共に、難燃性を付与するに当たり、無機難燃剤と発泡剤の総量が難燃層の組成物全体の配合比で15〜25wt%と少量であることと発泡剤が難燃助剤としての役割を持っていることを特徴とするものである。
【0030】
本発明組成物によりレザーに加工するには、表皮層(A)の組成物と難燃層(B)の組成物をそれぞれ別に溶融混練してペレットに成形した後、カレンダー加工またはロール加工によりシート状に成形し基布(C)を張り合わせて、3層構造のシートに形成するか、溶融混練した表皮層(A)の組成物と難燃層(B)の組成物をそれぞれ溶融混練して直接Tダイ押出しする方法がある。溶融混練する装置としては、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、ローラー、加圧ニーダーなどを挙げることができるが、バンバリーミキサーおよび加圧ニーダーが好ましい。
【0031】
本発明のノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーは、難燃性の自動車内装用のレザー類、建築物内装用のレザー類、シート用として好適である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中における配合比は、特に断らない限り重量に基づくものである。
【0033】
実施例1〜6
表1に示した原料素材を用いて、表2に示した配合割合で、表皮層(A)、難燃層(B)、基布(C)の3層からなる難燃性のレザーを製造した。
【0034】
表皮層(A)は、表2に示した配合割合の樹脂組成物を、ジャケット温度170℃に調整したバンバリーミキサーで3分間混練した後、トップロール〜ボトムロール迄150℃に設定した逆L形4本ロールタイプのカレンダーを使用してフィルム状に成形した。
【0035】
難燃層(B)は、表2の配合物のうち発泡剤を除いた組成物を、ジャケット温度170℃に調整したバンバリーミキサーで混練し、バンバリーミキサー内温度センサーで測定される樹脂温度が145℃になった時点で発泡剤を追加投入して3分間混練した。混練物を140℃に調整された2本ロールで混練して、発泡剤を充分分散させた後、トップロール〜ボトムロール迄150℃に設定した逆L形4本ロールタイプのカレンダーを使用してフィルム状に成形した。
【0036】
基布(C)は、ポリエステル(PE)の織布またはポリプロピレン(PP)のフォームを使用した。
【0037】
表皮層(A)、難燃層(B)、基布(C)に接着剤を塗布して重ね合わせてプレスして、3層構造のノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーを調製した。
【0038】
得られたレザーの、硬さ、引張強度、引張伸び、水平燃焼性、表面傷付き性を測定した。測定結果を表2に示す。なお、表面傷付き性は、親東化学(株)製「トライボギア」(TYPE:HEIDON−NDR)で測定した(サファイア針、針径50μm、R=90゜、試験速度100m/min、荷重100〜400g)。
【0039】
(表面傷付き性の評価)
◎:荷重400gまで傷が付かない
○:〃 300g 〃
△:〃 200g 〃
×:〃 100g 〃
【0040】
【表1】
Figure 0003880716
【0041】
【表2】
Figure 0003880716
【0042】
表2の結果から明らかなように、本発明のノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーは、レザーとして必要な硬さと強度を有しており、難燃性および表面傷付き性に優れているものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明のノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーは、ポリオレフィンを主体とした樹脂により構成されているので、リサイクルが容易である。さらに、レザー類やシート加工できる素材として、物性および加工性に優れ、自動車内装などに好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. 押出成形およびカレンダー加工、ロール加工等により一体的に成形した3層構造の合成樹脂製のレザーであって、素材の構成が表皮層(A)ポリオレフィンの混合組成物、難燃層(B)ポリオレフィンと無機難燃剤の混合組成物、基布(C)ポリエステル、レーヨン等の織布、ポリプロピレン等のシートまたは発泡シートからなり、3層の中間素材とした難燃層(B)によって全体が難燃性を有することを特徴とするノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーにおいて、表皮層(A)は、ポリオレフィンから選ばれた(a1)エチレン系共重合体のエチレン−エチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂35〜48wt%、(a2)ソフトポリプロピレン8〜15wt%、(a3)水素添加スチレン系樹脂からなる熱可塑性エラストマー10〜18wt%、(a4)メタロセン系ポリエチレン3〜9wt%、(a5)直鎖状低密度ポリエチレン15〜25wt%からなり、さらに微量の有機過酸化物とトリメリット酸エステルを添加してなる樹脂組成物であることを特徴とするノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザー。
  2. 押出成形およびカレンダー加工、ロール加工等により一体的に成形した3層構造の合成樹脂製のレザーであって、素材の構成が表皮層(A)ポリオレフィンの混合組成物、難燃層(B)ポリオレフィンと無機難燃剤の混合組成物、基布(C)ポリエステル、レーヨン等の織布、ポリプロピレン等のシートまたは発泡シートからなり、3層の中間素材とした難燃層(B)によって全体が難燃性を有することを特徴とするノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザーにおいて、難燃層(B)は、ポリオレフィンから選ばれた(b1)エチレンエチルアクリレート樹脂またはエチレン−酢酸ビニル樹脂67〜77wtw%、(b2)メタロセン系ポリエチレン3〜8wt%と、無機難燃剤から選ばれた(b3)水酸化マグネシウム10〜18wt%、(b4)無機赤燐2〜6wt%、(b5)ホウ酸亜鉛1〜2wt%、(b6)アゾジカルボンアミド系発泡剤3〜8wt%からなり、さらに微量の有機過酸化物を添加してなるポリオレフィンと無機難燃剤の混合組成物であり、特に発泡剤を含めた無機成分の比率が組成物中15〜25wt%であることを特徴とするノンハロゲン難燃性ポリオレフィンレザー。
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