JP3880016B2 - 汚泥処理装置 - Google Patents
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/20—Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥を肥料等として利用するために、汚泥を醗酵処理する汚泥処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、環境保護のために、又は汚泥の有効利用のために、糞尿等の汚泥の処理が行われている。汚泥の処理方法としては、分離操作と化学反応を用いた物理化学処理と、微生物の働きを利用した生物処理とがある。生物処理は、自然界の浄化作用に近く、又はコストも物理化学反応より安価という点で、生物処理の方が物理化学反応より好ましく、生物処理は生活排水のような有機性排水処理に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この生物処理は、自然界の浄化作用よりも効率を上げる必要があるため、生物処理を利用した汚泥処理装置の開発は困難な面があった。また、汚泥が装置内で凝固してしまい、装置が破損したり、処理降下が激減する等の課題があった。
【0004】
そこで、本発明者は、このような課題を解決するべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の汚泥処理装置の要旨とするところは、投入口から醗酵室内へ汚泥及び微生物担体を入れておき、該汚泥を醗酵処理した後、送出手段によって醗酵室外へ送り出す汚泥処理装置において、前記醗酵室の上部に設けられ、モータにより回転することにより前記汚泥及び微生物担体汚を前記醗酵室内に均一に充填するスクリューと、熱交換用送風口及び熱交換用排気口をそれぞれ前記醗酵室の外部に開放し、前記熱交換用送風口に送られる空気を前記熱交換用排気口から排気することにより、前記醗酵室内の熱交換をする熱交換用の配管と、前記醗酵室内を上部醗酵室と下部醗酵室とに仕切るとともに、該汚泥を該上部醗酵室から該下部醗酵室へ適時送ることが可能な仕切り手段とを備え、前記仕切り手段が、前記醗酵室に空気を送るための中空部及び孔を有する中空状の回動軸と、該回動軸の周囲に4枚の平行な羽根を設けた複数本の羽根車とから構成され、前記回動軸が回動することにより、前記羽根車同志の間に、前記上部醗酵室に溜まった汚泥を前記下部醗酵室へ落とすための隙間が空くことにある。
【0006】
このような本発明の汚泥処理装置は、まず、攪拌機等で混合された汚泥と微生物担体との混合原料が、投入口から醗酵室の上部醗酵室内へ送られる。上部醗酵室へ送られた混合原料は、仕切り手段上に溜められ、混合原料の汚泥が、この上部醗酵室内で、微生物担体に固着した微生物によって、醗酵させられていく。ここで、混合原料が上部醗酵室内に充満した場合には、仕切り手段上の混合原料が下部醗酵室へ適時落とされる。混合原料の汚泥は、この下部醗酵室内においても醗酵させられていく。次に、醗酵室内の汚泥が完全に醗酵させられると、下部醗酵室に溜まっている混合原料が、送出手段によって醗酵室外へ送り出される。
【0007】
このようにして醗酵乾燥させられた混合原料は、取出口の方向へ送られ、取出口からコンベアを介して袋詰ホッパーへ送られ、袋詰ホッパーにおいて袋に詰められていく。袋詰めされた混合原料は、肥料等として、販売され使用される。
【0008】
また、本発明の汚泥処理装置の要旨とするところは、投入口から醗酵室内へ汚泥及び微生物担体を入れておき、該汚泥を醗酵処理した後、送出手段によって醗酵室外へ送り出す汚泥処理装置において、前記醗酵室内を上部醗酵室と下部醗酵室とに仕切るとともに、該汚泥を該上部醗酵室から該下部醗酵室へ適時送ることが可能な仕切り手段と、前記下部醗酵室の下側に配置され、空気が送り込まれる送風口及び空気を排気する排気口を有する乾燥室とを備え、前記仕切り手段が、前記醗酵室に空気を送るための中空部及び孔を有する中空状の回動軸と、該回動軸の周囲に4枚の平行な羽根を設けた複数本の羽根車とから構成され、前記回動軸が回動することにより、前記羽根車同志の間に、前記上部醗酵室に溜まった汚泥を前記下部醗酵室へ落とすための隙間が空き、前記送出手段が、回動軸の周囲に4枚の平行な羽根を設けた複数本の羽根車とから構成され、前記回動軸が回動することにより、前記羽根車同志の間に、前記下部醗酵室に溜まった汚泥を前記乾燥室へ落とすための隙間が空くことにある。
【0009】
このような本発明の汚泥処理装置は、送出手段において、全ての羽根車の少なくとも一の羽根同志が水平である状態で、下部醗酵室に製造物が溜められる。一方、羽根車の回動軸を回動させ、羽根車同志の間に隙間を空けることにより、下部醗酵室に溜まった製造物が、その隙間から下へ適時落とされる。また、仕切り手段において、複数の羽根車により上部醗酵室に汚泥が溜められる。一方、羽根車の回動軸を回動させ、羽根車同志の間に隙間を空けることにより、上部醗酵室に溜まった汚泥が、その隙間から下部醗酵室へ適時落とされる。
【0010】
また、本発明の汚泥処理装置の要旨とするところは、前記汚泥処理装置において、前記醗酵室で醗酵させられ、前記送出手段によって送り出された製造物を有空気状態で攪拌しつつ一定方向へ送り、取出口から取り出すことが可能である乾燥室を備えたことにある。ここで、本明細書において、汚泥又は混合原料とは、醗酵処理前のものを言い、製造物とは、醗酵処理後のものを言う。
【0011】
このような本発明の汚泥処理装置は、醗酵室内で醗酵させられ、送出手段によって送り出された製造物が乾燥室へ適時落とされる。乾燥室内の製造物は、有空気状態で攪拌されつつ乾燥されていく。また、取出口の方向へ送られ、取出口から取り出されていく。
【0012】
また、本発明の汚泥処理装置の要旨とするところは、前記汚泥処理装置において、前記乾燥室内に設けられ前記取出口に向かって延びる回動軸のまわりに、間隔を設けつつ、螺旋を描くように巻かれ、かつ、直線状の構成部分から成る棒状部材を固定し、該棒状部材を該回動軸のまわりに回動させることにより製造物を攪拌することが可能であることにある。
【0013】
このような本発明の汚泥処理装置は、棒状部材が回動軸のまわりに間隔を設けつつ固定されており、スクリューのように回動軸のまわりの製造物が完全に送られることはない。回動軸のまわりの製造物が完全に送られることはないため、空洞が空いてしまったり、凝固してしまうことがない。一方、棒状部材は螺旋状に構成されているため、回動軸のまわりに正転又は反転させることにより、製造物が、ある程度、取出口の方向又は逆方向へ送られていく。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る汚泥処理装置の実施の形態について、図面に基づいて詳しく説明する。
【0015】
図1乃至図3において、符号10は本発明に係る汚泥処理装置である。この汚泥処理装置10は、投入口12から醗酵室14内へ汚泥及び微生物担体を入れておき、汚泥を醗酵処理した後、送出手段16によって醗酵室14外へ送り出す汚泥処理装置10である。なお、汚泥とは、特に限定されないが、主として、糞尿のような生活廃棄物をいう。また、微生物担体は、微生物が繁殖固着できるものであれば特に限定されないが、主として、籾殻のような植物性のものが使用される。また、籾殻は、そのまま使用しても良いが、破砕又は蒸し焼きにして使用しても良い。
【0016】
投入口12は、投入口用コンベア44に接続されており、スクリュー46を図示しないモーターによって回動させることにより、入口45に入れた汚泥及び微生物担体を投入口12へ送り、投入口12から醗酵室14内へ投入することができるように構成されている。
【0017】
醗酵室14には、醗酵室14内を上部醗酵室18と下部醗酵室20に仕切るとともに、ある程度の汚泥が上部醗酵室18に溜まった時に下部醗酵室20へ適時落として送ることが可能な仕切り手段22を備えている。この仕切り手段22は、9本の羽根車24から構成され、各羽根車24は、回動軸26の周囲に4枚の平行な羽根28を備えて構成されている。この仕切り手段22は、複数の羽根車24により上部醗酵室18に汚泥を溜めることができる。一方、図示しないモーターによってチエーンベルト車25を回動させて回動軸26を回動させることにより、羽根車24同志の間に隙間を空けて上部醗酵室18に溜まった汚泥を、その隙間から下部醗酵室20へ適時落として送ることができる。なお、羽根車24の本数は9本に限定されず、8本以下又は10本以上であっても良い。
【0018】
また、回動軸26は中空状に構成されているとともに、中空部から外へ通じる孔50が備えられている。また、この回動軸26の中空部には送風口52から空気を送ることができるようにされており、孔50から醗酵室14内へ空気を送って、微生物担体に固着している微生物による醗酵作用を促進させることができるように構成されている。なお、送風口52には空気の流入量を調節できるバルブ54が備えられている。また、上部醗酵室18の上部には、スクリュー48が備えられており、このスクリュー48を図示しないモーターによって回動させることにより、汚泥等を上部醗酵室18内に均一に充填させることができるようにされている。また、醗酵室14内には、熱交換用の配管56が備えられており、熱交換用送風口58から空気を送るとともに熱交換用排気口60から空気を排気することにより、熱交換できるようにされている。
【0019】
また、送出手段16は、13本の羽根車30から構成され、各羽根車30は、回動軸32の周囲に4枚の平行な羽根34を備えて構成されている。この送出手段16は、全ての羽根車30の2枚の羽根34が水平であるとともに他の2枚の羽根34が鉛直である状態で、下部醗酵室20に汚泥を溜めることができる。一方、図示しないモーターによってチエーンベルト車31を回動させて回動軸32を回動させ、全ての羽根車30の4枚の羽根34が、鉛直方向と略45度になるように回動させることにより、羽根車30同志の間に隙間を空けて下部醗酵室20に溜まった製造物を、その隙間から乾燥室36へ適時落として送ることができる。
【0020】
また、この汚泥処理装置10は、送出手段16によって醗酵室14から送り出された製造物を有空気状態で攪拌しつつ一定方向へ送り、取出口38から取り出すことが可能である乾燥室36を、醗酵室14の下側に備えている。この乾燥室36内には、取出口38に向かって延びる回動軸40と、回動軸40のまわりに固定された略螺旋状の2本の棒状部材42とを備え、図示しないモーターによって棒状部材42を回動軸40のまわりに回動させることにより製造物を攪拌することが可能なように構成されている。ここで、棒状部材42は、回動軸40のまわりに螺旋を描くように巻かれ、かつ、直線状の構成部分から成り、回動軸40に固定部材59を介して固定されている。
【0021】
この乾燥室36には、送風口62及び排気口64が設けられており、送風口62から乾燥室36内へ空気を送り込むことにより、排気口64から自然に排気され、乾燥室36内の乾燥効果を高めることができるようにされている。また、棒状部材42の下には、取出口38の上まで延びるスクリュー66が備えられ、このスクリュー66を図示しないモーターによって回動させることにより、乾燥後の製造物を、取出口38の方向へ送って取出口38から取り出すことができるようにされている。
【0022】
ここで、このような汚泥処理装置10は、例えば、図7に示すような汚泥処理施設70の一部として使用される。この汚泥処理施設70は、汚泥を汚泥ホッパー72からコンベア74を介して攪拌機76へ送るとともに、籾殻を籾殻貯蔵庫78からコンベア80及び82を介して攪拌機76へ送り、汚泥と籾殻との混合原料を攪拌機76からコンベア84を介して汚泥処理装置10の投入口45へ送ることができるようにされている。なお、籾殻貯蔵庫78へは、籾殻ホッパー96からコンベア98を介して籾殻を供給できるようにされている。また、汚泥処理装置10の取出口38からコンベア86、コンベア88、及びコンベア90を介して袋詰ホッパー92へ送ることができるようにされている。さらに、処理を一旦終えた製造物をコンベア94から攪拌機76へ返送して、混合原料の水分調節等を行えるようにされている。
【0023】
このような汚泥処理装置10は、まず、汚泥及び籾殻を混合した混合原料が、攪拌機76からコンベア84を介して、投入口45へ送られ、投入口45から投入口用コンベア44によって醗酵室14の上部醗酵室18内へ送られる。上部醗酵室18へ送られた混合原料は、仕切り手段22上に溜められ、混合原料の汚泥が、この上部醗酵室18内で、微生物担体に固着した微生物によって、醗酵させられていく。なお、上部醗酵室18内に混合原料が不均一に盛られた場合にはスクリュー48が回動させられることにより、混合原料がスクリュー48の回動軸方向へ移動させられて均一にさせられつつ充填させられる。
【0024】
ここで、混合原料が上部醗酵室18内に充満した場合には、羽根車24が45度程度回動させられ、羽根車24同志の間に隙間が空けられ、上部醗酵室18に溜まっている混合原料が、その隙間から下部醗酵室20へ適時落とされる。混合原料の汚泥は、この下部醗酵室20内においても醗酵させられていく。
【0025】
次に、醗酵室14内の汚泥が完全に醗酵させられて製造物となると、羽根車30が45度程度回動させられ、羽根車30同志の間に隙間が空けられ、下部醗酵室20に溜まっている製造物が、その隙間から乾燥室36へ適時落とされる。乾燥室36内の製造物は、棒状部材42が回動させられることにより、攪拌されつつ乾燥させられていく。なお、送風口62から空気が乾燥室36内へ送られ、排気口64から出ていくことにより、製造物の乾燥が促進される。この、送風口62に送られる空気の温度は、特に限定されない。
【0026】
ここで、棒状部材42は回動軸40のまわりに間隔を設けつつ固定されており、スクリューのように回動軸のまわりの製造物が完全に送られることはない。回動軸のまわりの製造物が完全に送られることはないため、汚泥層に空洞が空いてしまったり、取出口38付近で凝固してしまうことがない。一方、棒状部材42は螺旋状に構成されているため、汚泥等が、ある程度、取出口38の方向又は逆方向へ送られていく。
【0027】
このようにして醗酵乾燥させられた製造物は、スクリュー66が回動させられることにより、取出口38の方向へ送られ、取出口38からコンベア86上に送られる。コンベア86に送られた製造物は、コンベア88及びコンベア90を介して袋詰ホッパー92まで送られ、袋詰ホッパー92において袋に詰められていく。
【0028】
このような本発明の汚泥処理装置10によれば、糞尿等の汚泥を醗酵し乾燥させることにより、汚泥を分解して粒状体又は固体の製造物に変化させることができる。このため、汚泥処理により環境保護に寄与できるとともに、糞尿等の汚泥を肥料等として利用することができる。また、微生物によって醗酵処理するため、脱臭装置がなくとも、臭いを取り除くことができる。
【0029】
また、本発明の汚泥処理装置10によれば、仕切り手段22によって醗酵室14内を上部醗酵室18と下部醗酵室20とに仕切ることができる。このため、汚泥等を上部醗酵室18と下部醗酵室20との2層に分けることにより、固化するのを防止して、醗酵作用の効率を向上させることができ、自然界の浄化作用よりも効率を向上させることが可能となる。また、羽根車24を回動させることにより、汚泥等を上部醗酵室18から下部醗酵室20へ適時送ることができるため、醗酵室内に汚泥等が付着したり、又は凝固するのを防止することができる。このため、装置が破損したり、処理効果が激減することがなくなる。
【0030】
また、本発明の汚泥処理装置10によれば、醗酵室14内で完全に醗酵させられた製造物を、乾燥室36内で乾燥させることができる。このため、醗酵させられた製造物を、固体又は粒状体にして取り扱い易くすることができ、肥料等として使用し販売することが可能となる。また、製造物を有空気状態で攪拌することができるため、乾燥効率を向上させることができる。このため、汚泥処理装置10全体の処理効率を向上させることができる。また、スクリュー62を回動させることにより、乾燥室36内の製造物を取出口38の方向へ送り、取出口38から取り出すことができる。このため、醗酵乾燥後の製造物をコンベア86上へ取り出すことができ、汚泥処理施設70の一部とすることにより、汚泥処理施設70の物流を円滑に行うことができる。
【0031】
また、本発明の汚泥処理装置10によれば、棒状部材42が回動軸40のまわりに間隔を設けつつ固定されているため、スクリューのように回動軸のまわりの製造物が完全に送られることはない。このため、空洞が空いてしまったり、取出口38付近で凝固してしまうのを防止することができる。一方、棒状部材42は螺旋状に構成されているため、汚泥等を、ある程度は、取出口38の方向又は逆方向へ送ることができる。このため、乾燥室36の最下部付近の製造物をスクリュー66によって送るだけでなく、乾燥室36全体に渡って製造物を取出口38の方向へ送ることができる。また、棒状部材42によって製造物を粉砕しつつ攪拌できるため、乾燥効率を向上させることができる。
【0032】
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明に係る汚泥処理装置は、その他の態様でも実施し得るものである。
【0033】
また、本発明に係る汚泥処理装置は、図8に示すような汚泥処理装置112であっても良い。この汚泥処理装置112は、乾燥室36を有しないで構成されている。このような汚泥処理装置112は、汚泥が醗酵室14内で醗酵のみさせられ乾燥させられずに、取出口38から取り出される。このような汚泥処理装置112によっても、汚泥の醗酵処理をすることができる。
【0034】
以上、本発明に係る汚泥処理装置の実施の形態について、図面に基づいて種々説明したが、図示したものに限定されるものではない。
【0035】
例えば、本発明の汚泥処理装置の用途は、糞尿処理に限定されず、台所等で発生する生ゴミ、工場で発生する産業廃棄物等、その他の汚泥の処理であっても良い。また、本発明の汚泥処理装置によって処理した汚泥の用途は、農作物の肥料、樹木や花の肥料等、特に限定されない。
【0036】
また、本発明の汚泥処理装置において、乾燥室36を備えずに、醗酵室14を2段に備えても良い。この場合、醗酵室14の下方向から空気を送ることが望ましい。また、乾燥室14を3段以上に備えても良い。また、羽根車及びスクリューを回動させるモーターを制御装置によって自動的又は連動させて制御できるように構成しても良い。
【0037】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施できるものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明の汚泥処理装置によれば、糞尿等の汚泥を醗酵し乾燥させることにより、汚泥を分解して粒状体又は固体の製造物に変化させることができる。このため、汚泥処理により環境保護に寄与できるとともに、糞尿等の汚泥を肥料等として利用することができる。また、微生物によって醗酵処理するため、脱臭装置がなくとも、臭いを取り除くことができる。
【0039】
また、本発明の汚泥処理装置によれば、仕切り手段によって醗酵室内を上部醗酵室と下部醗酵室とに仕切ることができる。このため、汚泥等を上部醗酵室と下部醗酵室との2層に分けることにより、汚泥等が固化するのを防止して、醗酵作用の効率を向上させることができ、自然界の浄化作用よりも効率を向上させることが可能となる。また、仕切り手段により、汚泥等を上部醗酵室から下部醗酵室へ適時送ることができるため、醗酵室内に汚泥等が付着したり、又は凝固するのを防止することができる。このため、装置が破損したり、処理効果が激減することがなくなる。
【0040】
また、送出手段及び/又は仕切り手段が、回動軸のまわりに回動可能な複数の羽根車を回動軸同志並列させて成ることを特徴とする本発明の汚泥処理装置によれば、送出手段において、羽根車を回動させ、羽根車同志の間に隙間を空けることにより、下部醗酵室に溜まった製造物を、その隙間から下へ適時落とすことができる。このため、下部醗酵室に溜まった製造物を容易に醗酵室外へ送り出すことができ、下部醗酵室に製造物が付着し又は凝固するのを防止できる。また、仕切り手段において、羽根車の回動軸を回動させ、羽根車同志の間に隙間を空けることにより、上部醗酵室に溜まった汚泥を、その隙間から下部醗酵室へ適時落とすことができる。このため、上部醗酵室に溜まった汚泥を容易に下部醗酵室へ送ることができ、上部醗酵室に汚泥が付着し又は凝固するのを防止できる。
【0041】
また、醗酵室で醗酵させられ、送出手段によって送り出された製造物を有空気状態で攪拌しつつ一定方向へ送り、取出口から取り出すことが可能である乾燥室を備えたことを特徴とする本発明の汚泥処理装置によれば、醗酵室内で完全に醗酵させられた製造物を、乾燥室内で乾燥させることができる。このため、醗酵させられた製造物を、固体又は粒状体にして取り扱い易くすることができ、肥料等として使用し販売することが可能となる。また、製造物を有空気状態で攪拌することができるため、乾燥効率を向上させることができる。このため、汚泥処理装置全体の処理効率を向上させることができる。
【0042】
乾燥室内に、取出口に向かって延びる回動軸と、回動軸のまわりに間隔を設けつつ固定された略螺旋状の棒状部材とを備え、棒状部材を回動軸のまわりに回動させることにより製造物を攪拌することが可能であることを特徴とする本発明の汚泥処理装置によれば、棒状部材が回動軸のまわりに間隔を設けつつ固定されており、スクリューのように回動軸のまわりの製造物が完全に送られるのを防止できる。このため、汚泥層に空洞が空いてしまったり、凝固してしまうのを防止できる。その一方で、棒状部材は螺旋状に構成されているため、製造物を、ある程度、取出口の方向又は逆方向へ送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥処理装置を示す正面図である。
【図2】図1に示す汚泥処理装置を示す側面図である。
【図3】図1に示す汚泥処理装置を示す平面図である。
【図4】本発明に係る汚泥処理装置の仕切り手段の羽根車を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る汚泥処理装置の乾燥装置の棒状部材を示す斜視図である。
【図6】図5に示す棒状部材を示す図であり、同図(a)は側面図であり、同図(b)は正面図である。
【図7】本発明に係る汚泥処理装置を利用した汚泥処理施設を示す構成図である。
【図8】本発明に係る汚泥処理装置の他の実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
10,112;汚泥処理装置
14;醗酵室
16;送出手段
18;上部醗酵室
20;下部醗酵室
22;仕切り手段
24;羽根車
26;回動軸
28;羽根
30;羽根車
32;回動軸
34;羽根
36;乾燥室
38;取出口
40;回動軸
42;棒状部材
70;汚泥処理施設
Claims (4)
- 投入口から醗酵室内へ汚泥及び微生物担体を入れておき、該汚泥を醗酵処理した後、送出手段によって醗酵室外へ送り出す汚泥処理装置において、
前記醗酵室の上部に設けられ、モータにより回転することにより前記汚泥及び微生物担体を前記醗酵室内に均一に充填するスクリューと、
熱交換用送風口及び熱交換用排気口をそれぞれ前記醗酵室の外部に開放し、前記熱交換用送風口に送られる空気を前記熱交換用排気口から排気することにより、前記醗酵室内の熱交換をする熱交換用の配管と、
前記醗酵室内を上部醗酵室と下部醗酵室とに仕切るとともに、該汚泥を該上部醗酵室から該下部醗酵室へ適時送ることが可能な仕切り手段とを備え、
前記仕切り手段が、前記醗酵室に空気を送るための中空部及び孔を有する中空状の回動軸と、該回動軸の周囲に4枚の平行な羽根を設けた複数本の羽根車とから構成され、前記回動軸が回動することにより、前記羽根車同志の間に、前記上部醗酵室に溜まった汚泥を前記下部醗酵室へ落とすための隙間が空くことを特徴とする汚泥処理装置。 - 投入口から醗酵室内へ汚泥及び微生物担体を入れておき、該汚泥を醗酵処理した後、送出手段によって醗酵室外へ送り出す汚泥処理装置において、
前記醗酵室内を上部醗酵室と下部醗酵室とに仕切るとともに、該汚泥を該上部醗酵室から該下部醗酵室へ適時送ることが可能な仕切り手段と、
前記下部醗酵室の下側に配置され、空気が送り込まれる送風口及び空気を排気する排気口を有する乾燥室とを備え、
前記仕切り手段が、前記醗酵室に空気を送るための中空部及び孔を有する中空状の回動軸と、該回動軸の周囲に4枚の平行な羽根を設けた複数本の羽根車とから構成され、前記回動軸が回動することにより、前記羽根車同志の間に、前記上部醗酵室に溜まった汚泥を前記下部醗酵室へ落とすための隙間が空き、
前記送出手段が、回動軸の周囲に4枚の平行な羽根を設けた複数本の羽根車とから構成され、前記回動軸が回動することにより、前記羽根車同志の間に、前記下部醗酵室に溜まった汚泥を前記乾燥室へ落とすための隙間が空くことを特徴とする汚泥処理装置。 - 前記醗酵室で醗酵させられ、前記送出手段によって送り出された製造物を有空気状態で攪拌しつつ一定方向へ送り、取出口から取り出すことが可能である乾燥室を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する汚泥処理装置。
- 前記乾燥室内に設けられ前記取出口に向かって延びる回動軸のまわりに、間隔を設けつつ、螺旋を描くように巻かれ、かつ、直線状の構成部分から成る棒状部材を固定し、該棒状部材を該回動軸のまわりに回動させることにより製造物を攪拌することが可能であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載する汚泥処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34084096A JP3880016B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 汚泥処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34084096A JP3880016B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 汚泥処理装置 |
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