JP3879712B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置、特に、室外機、室内機及びこれらを結ぶ接続電線を有する空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭など多くの場所に空気調和装置が設置されるようになってきている。この空気調和装置は、室内に設置される室内機と、室外に設置される室外機とを有しており、室内機と室外機との間には、両者の間で冷媒を循環させるための配管が設けられている。また、室内機及び室外機には、それぞれ電気部品が実装されている基板が設けられており、両者の間には接続電線が設けられている。
【0003】
従来の空気調和装置において、室内機における接続電線は、例えば特許文献1に示されるように、電装品箱の下方に配置されている。そして、室内機の下方の背面から他の配管とともに外部に引き出され、室外機の基板に接続されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−129222号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
最近のルームエアコンなどの空気調和装置では、高度な付加機能をつけて運転を行い、より快適な空調環境の提供を図ろうとする傾向がある。但し、このような高度な付加機能をつけた場合、制御用回路の電気部品の種類や数が増え、これらの電気部品を搭載する基板を含む電装品箱が大型化する。このようにして室内機の電装品箱が大型化し、特に高さが高くなると、電装品箱をより下方に、すなわち、室内機の底に近接させて配置せざるを得なくなり、電装品箱の底面と室内機の底面との間の隙間が少なくなる。特に、上下のユニットに分離可能なように構成された室内機では、この傾向がより顕著になる。この点について以下に詳細に説明する。
【0006】
室内機は、上下のユニットに分離可能なように構成されているものがあるが、一般的に、電装品箱は下部ユニットに装着される。そして、このような上下のユニットに分離可能な室内機では、輸送時においても上下のユニットに分離して輸送される場合が多い。このような状況において、下部ユニットに装着された電装品箱が大型化し、高さ寸法が大きくなると、電装品箱が下部ユニットの上面から突出し、輸送時や輸送に際しての積み上げ時にじゃまになったり、あるいは輸送時に電装ユニットが損傷する等の問題が生じ得る。そこで、電装品箱は可能な限り下部ユニットの底面に近づけて配置する必要があり、このために電装品箱の底面と室内機と底面との間の隙間が非常に少なくなってしまう。
【0007】
以上のような状況から、最近の空気調和装置の室内機では、従来のように電装品箱の下方に接続電線を通すことが困難な場合が多い。そこで、電装品箱の側方にスペースを設け、そのスペースに接続電線を通すことも考えられる。しかし、電装品箱の側方に接続電線を通すためのスペースを設けると、室内機を小型化する際の妨げになる。
【0008】
本発明の課題は、室内機の小型化を妨げることなく、室内機と室外機とを結ぶ接続電線を通すためのスペースを確保することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る空気調和装置は、室外電気部品が実装される室外基板を含む室外機と、室内電気部品が実装される室内基板を含む室内機と、室外基板と室内基板とを結ぶ接続電線とを備えている。そして、室内機の内部には、室内基板を覆う室内電装品箱が設けられており、室内電装品箱は下部に切欠き部が形成された形状を有しており、室内機において、接続電線が室内電装品箱の切欠き部を通る。室内基板は室内電装品箱の内部において略垂直に配置されており、室内電気部品のうち所定サイズ以上のものは、室内基板のうち切欠き部に対向しない高さ位置の部分に実装されている。

【0010】
ここでは、室内電装品箱の下部に切欠き部、すなわち、箱の一部を切り欠いて形成された空間が確保され、この切欠き部を、接続電線を通すためのスペースとしている。これにより、室内機の底と室内電装品箱の底面との間に接続電線を通すためのスペースを確保する必要がなくなる。したがって、室内電装品箱を室内機の底に近接あるいは当接させて配置することができ、室内機の小型化を図ることができる。
【0011】
また、室内基板には、マイクロコンピュータや他の電気部品が実装されるが、電気部品の中には、特に高さ方向の寸法が大きい部品が含まれる。このような電気部品を室内基板のうちの切欠き部に対向する位置に配置すると、切欠き部の深さを深く確保することができない。
【0012】
そこで、この請求項に係る発明では、電気部品のうち所定サイズ以上のものは、室内基板のうち切欠き部に対向しない高さ位置の部分に実装されている。このため、室内基板のうちの切欠き部に対向する高さ位置の部分には、高さ寸法の小さい、すなわち背の低い電気部品が実装されることとなり、切欠き部の深さを深くすることができる。したがって、接続電線を通すためのスペースがより広く確保される。
【0013】
請求項に係る空気調和装置は、請求項の空気調和装置において、室内電装品箱は、切欠き部を通る接続電線と室内基板に実装される室内電気部品とを隔離している。ここでは、接続電線と電気部品とが接触して損傷するのを室内電装品箱によって防止することができる。
【0014】
請求項に係る空気調和装置は、請求項1または2のいずれかの空気調和装置において、室内電装品箱の切欠き部は段差により形成されている。この場合は、切欠き部を容易に形成することができる。
【0015】
請求項に係る空気調和装置は、請求項1から3のいずれかの空気調和装置において、室内電装品箱は、室内機の底面部に近接又は当接しているとともに、室内機の側面部に近接又は当接している。この場合は、室内電装品箱が室内機の底面及び側面に近接又は当接して配置されているので、室内機全体の小型化を図りつつ切欠き部に接続電線を通すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[空気調和装置の全体構成]
本発明の一実施形態による空気調和装置の外観を図1に示す。
【0017】
この空気調和装置1は、室内の壁面などに取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。空気調和装置1は、1つの室内機2に対して1つの室外機3が対応づけられ、冷媒配管や接続電線から成る集合連絡管4によって両者2,3が接続されている。なお、1つの室外機に対して複数の室内機が接続されるマルチタイプの空気調和装置にも本発明が適用できるのはもちろんである。
【0018】
[室内機の構成]
図2〜図6に示すように、空気調和装置1の室内機2は、主として、上部ケーシング6、下部ユニット7及び室内機2の内部に収容されている室内熱交換器ユニット5によって構成されている。なお、図5では、下部ユニット7の主な構成部品については省略している。上部ケーシング6は室内機2の上部を構成し、下部ユニット7は室内機2の下部を構成している。上部ケーシング6と下部ユニット7とは別体に形成されており、これらは製品完成前の輸送時において一般的にそれぞれ分離して輸送される。
【0019】
室内熱交換器ユニット5は、図3に詳細に示すように、室内熱交換器50、補助配管51、補助支持部材52等によって構成されている。そして、この室内熱交換器ユニット5は下部ユニット7側に支持される。なお、図3は、上部ケーシング6が取り外された状態の室内機2の右側面図である。室内熱交換器50は、下方が開放された逆V字型の形状であり、補助配管51によって室内機2の外部にある冷媒配管に接続されている。また、補助支持部材52は、室内熱交換器50の両側面付近に設けられており、室内熱交換器50を支持している。
【0020】
上部ケーシング6は、図2及び図5に示すように、概ね平坦に形成された前面部60を有しており、前面部60の一部には段差が設けられている。この段差の上面には室内機2の長手方向に長いスリット状の開口からなる前面吸込み口601が設けられている。また、上部ケーシング6の天面部61は、室内熱交換器50の上方を覆っており、複数のスリット状の開口からなる天面吸込み口611が設けられている。
【0021】
下部ユニット7は、図2及び図4に示すように、下部ケーシング70、クロスフローファン71、室内ファンモータ72、室内電装品箱73等がモジュール化され、支持フレーム78によって各構成部品が支持されている。下部ケーシング70の下前面部74には、室内機2の長手方向に沿う吹出し口741が設けられている。この吹出し口741は、クロスフローファン71が収納されている内部の空間に連通しており、クロスフローファン71によって生成された空気流は吹出し口741を通って室内へと吹き出す。また、吹出し口741には、室内に吹出す空気を案内するための水平フラップ742が設けられている。この水平フラップ742は、室内機2の長手方向に平行な軸を中心に回動自在に設けられており、フラップモータ(図示せず)によって回転駆動されることにより、吹出し口741の開閉を行うことができる。
【0022】
そして、前述のように、支持フレーム78に、上方からクロスフローファン71、室内ファンモータ72、室内電装品箱73、室内熱交換器ユニット5等が取り付けられている。
【0023】
以上のような構成により、室内機2は、クロスフローファン71によって吸込口601,611から内部に吸い込んだ空気を室内熱交換器50に通すことで除熱あるいは加熱して吹出し口741から室内へと吹き出す基本機能を有する。除熱あるいは加熱といった空気調和処理は、吸込空気温度や熱交換器温度などを基に、図示しない電動膨張弁や室外機3内の圧縮機の制御により行われる。
【0024】
[室内電装品箱]
室内電装品箱73は、図4〜図6に示すように、下部ケーシング70の底面部に近接又は当接するように、かつ下部ケーシング70の側面部に近接又は当接するように配置され、その上端面がクロスフローファン71の外周(最大高さ)とほぼ一致している(図4参照)。そして、この室内電装品箱73は、図7及び図8に示すように、ケーシング80と、ケーシング80内に設けられ電気部品が実装される室内基板81と、ケーシング80の蓋となるカバー82とから構成されている。なお、室内基板81は、ケーシング80内において略垂直に配置されている。
【0025】
ケーシング80は、図8に分解して示すように、本体801及び側板802からなり、室内基板81の側方及び下方を覆う箱状に形成されている。本体801は、室内基板81の下方、裏面及び左右の側部を覆うとともに、室内基板81が固定されている。また、側板802は、本体801の開放する側部に固定され、室内基板81の表面側を覆うように配置されている。ここで、本体801の室内基板81の側部を覆う1対の壁801a,801bにおいて、その下方には切欠き801cが形成されている。また、側板802には、下方においてケーシング80の内部側に突出し、本体801の切欠き801cに嵌り合うように段差802aが形成されている。すなわち、本体801に側板802が装着された状態のケーシング80においては、図7〜図9に示すように、ケーシング80の下方で室内機2の外側に切欠き部としてのスペースSが確保されている。このスペースSに、室内電装品箱73の室内基板81と室外機3の室外基板(後述)とを電気的に接続するための信号線92を通すことが可能となっている。
【0026】
なお、室内基板81には、側板802の段差802aが形成されていない部分に対応して比較的高さ寸法の高い電気部品が実装され、段差802aが形成されている部分に対応して高さ寸法の低い電気部品が実装されている。すなわち、段差802aが形成されている部分に対応する位置には高さ寸法の高い電気部品が実装されていない。
【0027】
ここで、下部ユニット7のみを輸送する場合は、室内電装品箱73を下部ユニット7に搭載した状態で輸送する。このとき、前述のように、室内電装品箱73の上端面はクロスフローファン71の高さとほぼ一致しているので、下部ユニット7を積み上げるときにも室内電装品箱73がじゃまになることはない。また、同様の理由により、輸送中に室内電装品箱73が他の部材に衝突して損傷したりするのを防止できる。
【0028】
[室外機の構成]
室外機3は、図1に示すように箱状に形成されており、内部に、プロペラファン、室外熱交換器、機械室及び室外電装品箱31等が設けられている。機械室には、冷媒回路を構成する圧縮機、四方切換弁、減圧器及びアキュムレータ等が設けられており、これらの構成部材と室外熱交換器とはそれぞれ冷媒配管により接続され、さらに外部配管によって室内機2の室内熱交換器50に接続されている。また、室外電装品箱31には、電気部品が実装される室外基板32が設けられ、この室外基板32は信号線によって室内基板81に電気的に接続されている。
【0029】
[特徴]
以上のような本実施形態では、室内電装品箱73の下部に切欠き部を形成し、この切欠き部に信号線を通すようにしている。このため、室内電装品箱73を室内機2の底面部に近接あるいは当接して配置しても、室内電装品箱73の下方に信号線を無理なく配線することができる。したがって、室内電装品箱73の高さを抑えながら、室内機2の横幅寸法を抑えることができ、室内機2の小型化を図ることができる。また、室内電装品箱73の高さ寸法が抑えられているので、室内機2を上下のユニットに分割し、かつ下部ユニットに室内電装品箱73を搭載したまま輸送する場合、下部ユニットを効率よく積み上げることができるとともに、輸送時の室内電装品箱73の損傷を抑えることができる。
【0030】
また、室内基板81において、切欠き部が形成されている位置には、高さの低い電気部品が実装され、高さの高い電気部品は室内基板81の切欠き部以外の位置に配置されているので、切欠き部の深さをより深くすることができ、より広いスペースSを確保することができる。また、切欠き部を通る信号線と電気部品とは、室内電装品箱73の側板802によって隔離されているので、信号線と電気部品とが接触して両者が損傷するのを防止できる。
【0031】
<変形例>
(A)
ケーシング80やカバー82及び室内電装品箱73の形状等については前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、ケーシング80の側方の一部が開放されているような形状でもよい。
【0032】
(B)
前記実施形態では、室内機が上下のユニットに分離可能なタイプのものを例にとったが、室内機の構造はこれに限定されるものではない。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に係る空気調和装置では、室内電装品箱の下部に切欠き部を形成しているので、この切欠き部を、接続電線を通すためのスペースとすることができる。したがって、室内電装品箱を室内機の底に近接させて配置することができ、室内機の小型化を図ることができる。
【0034】
また、電気部品のうち所定サイズ以上のものは、室内基板のうち切欠き部に対向しない高さ位置の部分に実装されているので、室内基板のうちの切欠き部に対向する高さ位置の部分には、背の低い電気部品が実装されることとなり、切欠き部の深さを深くすることができる。したがって、広いスペースを確保できる。
【0035】
請求項に係る空気調和装置では、室内電装品箱が接続電線と電気部品とを隔離しているので、接続電線が電気部品と接触して損傷するのを避けることができる。
【0036】
請求項に係る空気調和装置では、室内電装品箱の切欠き部を段差により形成しているので、切欠き部を容易に形成することができる。
【0037】
請求項に係る空気調和装置では、室内電装品箱が室内機の底面及び側面に近接又は当接して配置されているので、室内機全体の小型化を図りつつ切欠き部に接続電線を通すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 空気調和装置の外観図。
【図2】 室内機の断面側面図。
【図3】 下部ユニットの側面図。
【図4】 下部ユニットの側面図。
【図5】 室内機の分解斜視図。
【図6】 室内機の分解側面図。
【図7】 室内電装品箱の外観図。
【図8】 室内電装品箱の分解図。
【図9】 室内電装品箱を下部ユニットに装着した様子を示す斜視部分図。
【符号の説明】
1 空気調和装置
2 室内機
3 室外機
31 室外電装品箱
32 室外基板
73 室内電装品箱
81 室内基板
802a 段差

Claims (4)

  1. 室外電気部品が実装される室外基板(32)を含む室外機(3)と、
    室内電気部品が実装される室内基板(81)を含む室内機(2)と、
    前記室外基板(32)と前記室内基板(81)とを結ぶ接続電線(92)と、
    を備え、
    前記室内機(2)の内部には、前記室内基板(81)を覆う室内電装品箱(73)が設けられ、
    前記室内電装品箱(73)は、下部に切欠き部(S)が形成された形状を有し、
    前記室内機(2)において、前記接続電線(92)が前記室内電装品箱(73)の前記切欠き部(S)を通る、
    空気調和装置であって、
    前記室内基板(81)は、前記室内電装品箱(73)の内部において略垂直に配置されており、
    前記室内電気部品のうち所定サイズ以上のものは、前記室内基板(81)のうち前記切欠き部(S)に対向しない高さ位置の部分に実装されている、
    空気調和装置。
  2. 前記室内電装品箱(73)は、前記切欠き部(S)を通る接続電線(92)と前記室内基板(81)に実装される室内電気部品とを隔離している、
    請求項に記載の空気調和装置。
  3. 前記室内電装品箱(73)の切欠き部(S)は、段差(802a)により形成されている、
    請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 前記室内電装品箱(73)は、前記室内機(2)の底面部に近接又は当接しているとともに、前記室内機(2)の側面部に近接又は当接している、
    請求項1からのいずれかに記載の空気調和装置。
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