JP3877615B2 - 睡眠深度推定装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の心拍数、呼吸数等の生体情報に基づいて睡眠の深度を推定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、健康管理の意識が高まる中で、一般の家庭において睡眠の深度を測定して、体調を管理したいというニーズが生まれている。睡眠には、眠りの浅いレム睡眠と、眠りの深いノンレム睡眠とがあり、この様な睡眠状態を判定する方法として、脳波、筋電、眼球運動等を検出し、その検出波形から睡眠深度を推定する方法(睡眠ポリグラフ法)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の睡眠深度推定方法においては、複数の電極を直接肌に貼り付ける必要があり、各電極から計測器本体へ伸びるコードによって長時間の拘束状態を強いられるという欠点があった。
この問題に対して、心拍数と体動数を検出し、学習済みの結合重み付け係数を内部に持つ神経回路網によって、心拍数と体動数から睡眠深度を推定せんとする装置が提案されている(特開平5−111474号)。しかし、心拍数や体動数の変動には個人差があるため、睡眠深度推定の精度が低い問題があった。
【0004】
そこで本発明の目的は、睡眠深度を無拘束且つ高精度で推定することが出来る睡眠深度推定装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る睡眠深度推定装置は、人体の心拍数及び呼吸数を含む生体情報を検出する生体情報センサー(2)と、該生体情報センサー(2)によって検出された生体情報の検出データに所定の処理を施して複数の睡眠深度基礎データを算出する生体情報処理回路(3)と、生体情報処理回路(3)から得られる睡眠深度基礎データに基づいて睡眠深度を推定する睡眠深度推定回路(4)とを具えている。
生体情報処理回路(3)は、心拍数及び呼吸数のそれぞれについて、検出データのリファレンス値からの変動成分と、検出データの標準偏差のリファレンス値からの変動成分と、検出データの微分成分とを算出し、これらの算出結果を睡眠深度基礎データとして、睡眠深度推定回路(4)へ供給するものである。
【0006】
上記本発明の睡眠深度推定装置においては、心拍数及び呼吸数のそれぞれについて、リファレンス値からの変動成分と、標準偏差のリファレンス値からの変動成分と、微分成分とに基づいて睡眠深度の推定が行なわれ、この中でリファレンス値からの変動成分と、標準偏差のリファレンス値からの変動成分は、例えば過去一定時間の平均値や標準偏差の平均値をそれぞれリファレンス値とする差分データであるから、心拍数や呼吸数に含まれる個人差の直流成分が排除された値となる。
又、心拍数及び呼吸数の微分成分は、心拍数や呼吸数の一定時間前の値との差を算出することによって得られるデータであるから、心拍数や呼吸数に含まれる個人差の交流成分が排除された値となる。
この様に、何れの睡眠深度基礎データも個人差が補正されたデータであるので、これらの睡眠深度基礎データに基づいて睡眠深度の推定を行なうことにより、個人差が補正された精度の高い推定結果が得られることになる。
【0007】
具体的構成において、生体情報センサー(2)によって検出される生体情報には体動数が含まれ、生体情報処理回路(3)は、体動数について、一定期間の平均値を表わす検出データと、検出データの微分成分とを算出し、これらの算出結果を睡眠深度基礎データとして、睡眠深度推定回路(4)へ供給する。
睡眠深度基礎データに、体動数についての検出データとその微分成分とを加えることによって、更に推定精度が向上する。
【0008】
又、具体的構成において、生体情報処理回路(3)には、生体情報センサー(2)によって検出された生体情報から心拍数成分及び呼吸数成分を抽出するためのフィルター手段が設けられると共に、該生体情報から体動数を検出するための閾値手段が設けられている。
従って、生体情報センサー(2)の単一の出力信号から、心拍数成分を含む信号と、呼吸数成分を含む信号と、体動数成分を含む信号の3つの信号が抽出されて、それぞれの信号に前記所定の処理が施されることになり、これによって正確な睡眠深度基礎データが得られる。
【0009】
更に具体的構成において、睡眠深度推定回路(4)には、前記複数の睡眠深度基礎データに回帰分析を施すことによって導出した睡眠深度推定式が登録されており、睡眠深度推定時には、該睡眠深度推定式によって前記複数の睡眠深度基礎データから睡眠深度が算出される。
例えば回帰分析として主成分回帰分析を採用すれば、前記複数の睡眠深度基礎データが互いに別個独立のデータでなく、一部のデータ間に関連がある場合にも、複数の睡眠深度基礎データが形成する多次元空間が3軸程度の直交軸空間に変換されて、該直交軸についてのパラメータを含む睡眠深度回帰モデル式が得られることになる。
更に該睡眠深度回帰モデル式を、前記複数の睡眠深度基礎データをパラメータとする睡眠深度推定式に変換すれば、複数の睡眠深度基礎データから睡眠深度を算出することが出来る。
【0010】
【発明の効果】
本発明に係る睡眠深度推定装置によれば、生体情報センサーは心拍数、呼吸数及び体動数を検出すればよいので、例えばベッド上に敷設した歪みゲージ、シート状のコンデンサ、シート状の渦電流センサー、或いは掛け蒲団やパジャマ等の衣類に取り付けた加速度センサー等、周知の種々の生体情報センサーによって構成することが出来、これによって無拘束での推定が可能となる。又、睡眠深度の推定においては個人差が補正されるので、高精度の推定結果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る睡眠深度推定装置においては、図1及び図2に示す如く、敷き蒲団(1)に生体情報センサー(2)が取り付けられており、該生体情報センサー(2)は、人体の上半身により圧迫されて、人体の心拍動、呼吸動、及び体動に伴う生体情報の変動を検出するものである。
例えば、ベッド上に敷設した歪みゲージ、シート状のコンデンサ、シート状の渦電流センサー、掛け蒲団やパジャマ等の衣類に取り付けた加速度センサー等、人体を拘束することのない種々のセンサーを採用することが出来る。
【0012】
図1の如く、生体情報センサー(2)によって検出された生体情報信号は、生体情報処理回路(3)へ供給されて、後述する8種類の睡眠深度基礎データが算出され、これらの睡眠深度基礎データは睡眠深度推定回路(4)へ供給されて、後述する如く睡眠深度が算出される。
【0013】
図3は、本発明に係る睡眠深度推定装置における処理の流れを表わしている。
ステップS1では、生体情報センサー(2)によって生体情報信号が検出され、該生体情報信号は、ステップS2にて雑音除去フィルターによる処理を受けた後、ステップS3にて増幅され、更にステップS4にてA/D変換される。
この様にして得られた生体情報データは、ステップS5にて所定の閾値と比較されて、閾値よりも大きいデータ(体動成分データ)と、閾値よりも小さいデータ(心拍動成分データ及び呼吸動成分データ)に分離される。閾値よりも小さいデータはステップS6にてデジタルバンドフィルタによる処理を受けて、心拍動成分データと呼吸動成分データに分離される。
【0014】
ステップS7では、先ず、前記生体情報データから分離された心拍動成分データから、単位時間当たりの心拍数を表わす心拍数検出データ(RR値)と、心拍数のゆらぎを表わす標準偏差RRSDと、心拍数の微分成分を表わす微分値RR′とが算出される。又、呼吸動成分データからは、単位時間当たりの呼吸数を表わす呼吸数検出データ(PP値)と、呼吸数のゆらぎを表わす標準偏差PPSDと、呼吸数の微分成分を表わす微分値PP′とが算出される。更に、体動成分データからは、一定時間の平均値としての体動数(MVAVE値)と、体動数の微分成分を表わす微分値MVAVE′とが算出される。
【0015】
更に、心拍数検出データRRの平均値からの変動を表わす差分値ΔRRと、心拍標準偏差RRSDの平均値からの変動を表わす差分値ΔRRSDと、呼吸数検出データPPの平均値からの変動を表わす差分値ΔPPと、呼吸数標準偏差PPSDの平均値からの変動を表わす差分値ΔPPSDとが算出される。
上記の心拍数差分値ΔRR、心拍数標準偏差差分値ΔRRSD、心拍数微分値RR′、呼吸数差分値ΔPP、呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD、呼吸数微分値PP′、体動数MVAVE、及び体動数微分値MVAVE′の8種類のデータが、睡眠深度基礎データとして、睡眠深度の推定に供される。
【0016】
図4〜図8は、上記8種類の睡眠深度基礎データを算出する具体的な手続きを表わしている。尚、生体情報データのサンプリングは例えば100Hzの周波数で行なわれる。
【0017】
心拍数についての手続き
先ず、スタート後の5分間においては、図4(a)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の平均値を算出してRR[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたRR[i](i=1〜9)の平均値を算出し、RRaveとする。
又、図4(b)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の標準偏差を算出してRRSD[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたRRSD[i](i=1〜9)の平均値を算出し、RRSDaveとする。
【0018】
次に、スタート後5分経過以降においては、図5(a)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の平均値を算出してRR[i]とし、更にスタート後5分間の平均心拍数RRaveからの変動(心拍数差分値ΔRR)を下記数1によって算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数1】
ΔRR[i]=RR[i]−RRave
【0019】
又、図5(b)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の標準偏差を算出してRRSD[i]とし、更に下記数2の如くスタート後5分間の平均心拍数標準偏差RRSDaveからの変動(心拍数標準偏差差分値ΔRRSD)を算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数2】
ΔRRSD[i]=RRSD[i]−RRSDave
【0020】
更に、図5(c)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の平均値を算出してRR[i]とする。次にiが12以上であるかどうかを判断して、ノーの場合はiをカウントアップし、イエスの場合は、下記数3の如く1分前の心拍数検出データRR[i−2]との差を算出して心拍数微分値RR′とした後、iをカウントアップし、同じ手続きを繰り返す。
【数3】
RR′[i]=RR[i]−RR[i−2]
【0021】
呼吸数についての手続き
先ず、スタート後の5分間においては、図6(a)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の平均値を算出してPP[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたPP[i](i=1〜9)の平均値を算出し、PPaveとする。
又、図6(b)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の標準偏差を算出してPPSD[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたPPSD[i](i=1〜9)の平均値を算出し、PPSDaveとする。
【0022】
次に、スタート後5分経過以降においては、図7(a)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の平均値を算出してPP[i]とし、更にスタート後5分間の平均呼吸数PPaveからの変動(呼吸数差分値ΔPP)を下記数4によって算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数4】
ΔPP[i]=PP[i]−PPave
【0023】
又、図7(b)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の標準偏差を算出してPPSD[i]とし、更に下記数5の如くスタート後5分間の平均呼吸標準偏差PPSDaveからの変動(呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD)を算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数5】
ΔPPSD[i]=PPSD[i]−PPSDave
【0024】
更に、図7(c)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の平均値を算出してPP[i]とする。次にiが12以上であるかどうかを判断して、ノーの場合はiをカウントアップし、イエスの場合は、下記数6の如く1分前の呼吸数検出データPP[i−2]との差を算出して呼吸数微分値PP′とした後、iをカウントアップし、同じ手続きを繰り返す。
【数6】
PP′[i]=PP[i]−PP[i−2]
【0025】
体動数についての手続き
先ず、スタート後の5分間においては、図8(a)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された体動回数を記憶し、体動数検出データMV[i]とした後、iが9であるか否かを判断し、ノーの場合はiをカウントアンプして体動回数の記憶を繰り返し、イエスの場合は、5分間に検出された体動数検出データMV[i](i=0〜9)の平均値を算出して体動数MVAVE[i]とする。
【0026】
次に、スタート後5分経過以降においては、図8(b)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された体動回数を記憶し、体動数検出データMV[i]とした後、過去5分間(i−9〜i)に検出された体動数検出データMV[i]の平均値を算出して体動数MVAVE[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【0027】
又、図8(c)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された体動回数を記憶し、体動数検出データMV[i]とした後、過去5分間[i−9〜i]に検出された体動数検出データMV[i]の平均値を算出してMVAVE[i]とする。次にiが12以上であるかどうかを判断して、ノーの場合はiをカウントアップし、イエスの場合は、下記数7の如く1分前のMVAVE[i−2]との差を算出して体動数微分値MVAVE′とした後、iをカウントアップし、同じ手続きを繰り返す。
【数7】
MVAVE′[i]=MVAVE[i]−MVAVE[i−2]
【0028】
図9は、上述の手続きに従って、8種類の睡眠深度基礎データ、即ち、心拍数差分値ΔRR、心拍数標準偏差差分値ΔRRSD、心拍数微分値RR′、呼吸数差分値ΔPP、呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD、呼吸数微分値PP′、体動数MVAVE、及び体動数微分値MVAVE′が順次算出されていく様子を表わしたものである。
図示の如く最初の5分間[i=0〜9]は、前述の各種平均値を算出するための期間であるため、睡眠深度基礎データは得られないが、5分間が経過し、カウンターiが10を越えると、心拍数差分値ΔRR、心拍数標準偏差差分値ΔRRSD、呼吸数差分値ΔPP、呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD、及び体動数MVAVEが得られ、更にカウンターiが12を越えると、心拍数微分値RR′、呼吸数微分値PP′及び体動数微分値MVAVE′が得られることになる。
従って、カウンターiが12を越えた時点で、8種類の睡眠深度基礎データが揃うため、この時点から睡眠深度の推定が開始される。
【0029】
図3に示すステップS8では、8種類の睡眠深度基礎データに基づいて睡眠深度推定演算が実行される。本実施例においては、予め8種類の睡眠深度基礎データに主成分回帰分析を施すことによって導出した睡眠深度推定式が用いられる。
主成分回帰分析においては、予め複数人の被験者を対象として8種類の睡眠深度基礎データが収集され、これらのデータをパラメータとする睡眠深度回帰モデル式に基づいて、回帰演算が施される。
尚、主成分回帰分析の基礎となる睡眠深度の実測データは、図11に示す如く、EMG積分値、Delta波の割合、Spindle波の数、及び眼球運動の数に基づいて、睡眠深度のステージを判定する方法等、周知の方法によって測定することが出来る。
【0030】
主成分回帰分析によれば、8種類の睡眠深度基礎データが互いに別個独立のデータでなく、一部のデータ間に関連がある場合にも、8つの睡眠深度基礎データが形成する8次元空間が3軸の直交軸空間に変換されて、該直交軸についてのパラメータを含む睡眠深度回帰モデル式が得られることになる。該睡眠深度回帰モデル式は、8種類の睡眠深度基礎データをパラメータとする睡眠深度推定式に変換され、該推定式を用いて睡眠深度が算出される。
本実施例においては、図10(a)に示す睡眠深度回帰モデル式を用いることによって、同図(b)に示す睡眠深度推定式が導出された。
【0031】
本実施例では、図3のステップS9にて睡眠深度が算出された後、更にステップS10にて学習モードが導入される。該学習モードにおいては、上記睡眠深度推定式によって算出した睡眠深度の最浅値を「目覚め(WAKE)」、準浅値を「REM睡眠」に合わせることによって、睡眠深度推定式に対する補正係数を導出する。これによって、図3のステップS11では、更に精度の高い補正後睡眠深度が得られることになる。
【0032】
図12のグラフは、ある被験者について、本発明の睡眠深度推定式によって算出した睡眠深度の推定値と、睡眠深度の実測値との比較を表わしている。図示の如く、睡眠深度の推定値と実測値とは、極めて近似した変動を示しており、これによって、本発明の睡眠深度推定方法が高い精度を有していることが実証される。
【0033】
上述の如く、本発明に係る睡眠深度推定装置は、人体を拘束することなく、精度の高い睡眠深度の推定結果を得ることが出来るので、特に一般の家庭における睡眠深度測定装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る睡眠深度推定装置の構成を表わすブロック図である。
【図2】該睡眠深度推定装置における生体情報センサーの取付け例を説明する図である。
【図3】該睡眠深度推定装置における睡眠深度推定手続きを表わすフローチャートである。
【図4】心拍数についての準備処理を示すフローチャートである。
【図5】心拍数についての基礎データ算出手続きを示すフローチャートである。
【図6】呼吸数についての準備処理を示すフローチャートである。
【図7】呼吸数についての基礎データ算出手続きを示すフローチャートである。
【図8】体動数についての準備処理及び基礎データ算出手続きを示すフローチャートである。
【図9】8種類の基礎データが次々と算出される様子を示す図である。
【図10】睡眠深度回帰モデル式と睡眠深度推定式を表わす図である。
【図11】睡眠深度の判定方法を説明する図である。
【図12】睡眠深度の推定値と実測値の比較を表わすグラフである。
【符号の説明】
(2) 生体情報センサー
(3) 生体情報処理回路
(4) 睡眠深度推定回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の心拍数、呼吸数等の生体情報に基づいて睡眠の深度を推定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、健康管理の意識が高まる中で、一般の家庭において睡眠の深度を測定して、体調を管理したいというニーズが生まれている。睡眠には、眠りの浅いレム睡眠と、眠りの深いノンレム睡眠とがあり、この様な睡眠状態を判定する方法として、脳波、筋電、眼球運動等を検出し、その検出波形から睡眠深度を推定する方法(睡眠ポリグラフ法)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の睡眠深度推定方法においては、複数の電極を直接肌に貼り付ける必要があり、各電極から計測器本体へ伸びるコードによって長時間の拘束状態を強いられるという欠点があった。
この問題に対して、心拍数と体動数を検出し、学習済みの結合重み付け係数を内部に持つ神経回路網によって、心拍数と体動数から睡眠深度を推定せんとする装置が提案されている(特開平5−111474号)。しかし、心拍数や体動数の変動には個人差があるため、睡眠深度推定の精度が低い問題があった。
【0004】
そこで本発明の目的は、睡眠深度を無拘束且つ高精度で推定することが出来る睡眠深度推定装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る睡眠深度推定装置は、人体の心拍数及び呼吸数を含む生体情報を検出する生体情報センサー(2)と、該生体情報センサー(2)によって検出された生体情報の検出データに所定の処理を施して複数の睡眠深度基礎データを算出する生体情報処理回路(3)と、生体情報処理回路(3)から得られる睡眠深度基礎データに基づいて睡眠深度を推定する睡眠深度推定回路(4)とを具えている。
生体情報処理回路(3)は、心拍数及び呼吸数のそれぞれについて、検出データのリファレンス値からの変動成分と、検出データの標準偏差のリファレンス値からの変動成分と、検出データの微分成分とを算出し、これらの算出結果を睡眠深度基礎データとして、睡眠深度推定回路(4)へ供給するものである。
【0006】
上記本発明の睡眠深度推定装置においては、心拍数及び呼吸数のそれぞれについて、リファレンス値からの変動成分と、標準偏差のリファレンス値からの変動成分と、微分成分とに基づいて睡眠深度の推定が行なわれ、この中でリファレンス値からの変動成分と、標準偏差のリファレンス値からの変動成分は、例えば過去一定時間の平均値や標準偏差の平均値をそれぞれリファレンス値とする差分データであるから、心拍数や呼吸数に含まれる個人差の直流成分が排除された値となる。
又、心拍数及び呼吸数の微分成分は、心拍数や呼吸数の一定時間前の値との差を算出することによって得られるデータであるから、心拍数や呼吸数に含まれる個人差の交流成分が排除された値となる。
この様に、何れの睡眠深度基礎データも個人差が補正されたデータであるので、これらの睡眠深度基礎データに基づいて睡眠深度の推定を行なうことにより、個人差が補正された精度の高い推定結果が得られることになる。
【0007】
具体的構成において、生体情報センサー(2)によって検出される生体情報には体動数が含まれ、生体情報処理回路(3)は、体動数について、一定期間の平均値を表わす検出データと、検出データの微分成分とを算出し、これらの算出結果を睡眠深度基礎データとして、睡眠深度推定回路(4)へ供給する。
睡眠深度基礎データに、体動数についての検出データとその微分成分とを加えることによって、更に推定精度が向上する。
【0008】
又、具体的構成において、生体情報処理回路(3)には、生体情報センサー(2)によって検出された生体情報から心拍数成分及び呼吸数成分を抽出するためのフィルター手段が設けられると共に、該生体情報から体動数を検出するための閾値手段が設けられている。
従って、生体情報センサー(2)の単一の出力信号から、心拍数成分を含む信号と、呼吸数成分を含む信号と、体動数成分を含む信号の3つの信号が抽出されて、それぞれの信号に前記所定の処理が施されることになり、これによって正確な睡眠深度基礎データが得られる。
【0009】
更に具体的構成において、睡眠深度推定回路(4)には、前記複数の睡眠深度基礎データに回帰分析を施すことによって導出した睡眠深度推定式が登録されており、睡眠深度推定時には、該睡眠深度推定式によって前記複数の睡眠深度基礎データから睡眠深度が算出される。
例えば回帰分析として主成分回帰分析を採用すれば、前記複数の睡眠深度基礎データが互いに別個独立のデータでなく、一部のデータ間に関連がある場合にも、複数の睡眠深度基礎データが形成する多次元空間が3軸程度の直交軸空間に変換されて、該直交軸についてのパラメータを含む睡眠深度回帰モデル式が得られることになる。
更に該睡眠深度回帰モデル式を、前記複数の睡眠深度基礎データをパラメータとする睡眠深度推定式に変換すれば、複数の睡眠深度基礎データから睡眠深度を算出することが出来る。
【0010】
【発明の効果】
本発明に係る睡眠深度推定装置によれば、生体情報センサーは心拍数、呼吸数及び体動数を検出すればよいので、例えばベッド上に敷設した歪みゲージ、シート状のコンデンサ、シート状の渦電流センサー、或いは掛け蒲団やパジャマ等の衣類に取り付けた加速度センサー等、周知の種々の生体情報センサーによって構成することが出来、これによって無拘束での推定が可能となる。又、睡眠深度の推定においては個人差が補正されるので、高精度の推定結果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る睡眠深度推定装置においては、図1及び図2に示す如く、敷き蒲団(1)に生体情報センサー(2)が取り付けられており、該生体情報センサー(2)は、人体の上半身により圧迫されて、人体の心拍動、呼吸動、及び体動に伴う生体情報の変動を検出するものである。
例えば、ベッド上に敷設した歪みゲージ、シート状のコンデンサ、シート状の渦電流センサー、掛け蒲団やパジャマ等の衣類に取り付けた加速度センサー等、人体を拘束することのない種々のセンサーを採用することが出来る。
【0012】
図1の如く、生体情報センサー(2)によって検出された生体情報信号は、生体情報処理回路(3)へ供給されて、後述する8種類の睡眠深度基礎データが算出され、これらの睡眠深度基礎データは睡眠深度推定回路(4)へ供給されて、後述する如く睡眠深度が算出される。
【0013】
図3は、本発明に係る睡眠深度推定装置における処理の流れを表わしている。
ステップS1では、生体情報センサー(2)によって生体情報信号が検出され、該生体情報信号は、ステップS2にて雑音除去フィルターによる処理を受けた後、ステップS3にて増幅され、更にステップS4にてA/D変換される。
この様にして得られた生体情報データは、ステップS5にて所定の閾値と比較されて、閾値よりも大きいデータ(体動成分データ)と、閾値よりも小さいデータ(心拍動成分データ及び呼吸動成分データ)に分離される。閾値よりも小さいデータはステップS6にてデジタルバンドフィルタによる処理を受けて、心拍動成分データと呼吸動成分データに分離される。
【0014】
ステップS7では、先ず、前記生体情報データから分離された心拍動成分データから、単位時間当たりの心拍数を表わす心拍数検出データ(RR値)と、心拍数のゆらぎを表わす標準偏差RRSDと、心拍数の微分成分を表わす微分値RR′とが算出される。又、呼吸動成分データからは、単位時間当たりの呼吸数を表わす呼吸数検出データ(PP値)と、呼吸数のゆらぎを表わす標準偏差PPSDと、呼吸数の微分成分を表わす微分値PP′とが算出される。更に、体動成分データからは、一定時間の平均値としての体動数(MVAVE値)と、体動数の微分成分を表わす微分値MVAVE′とが算出される。
【0015】
更に、心拍数検出データRRの平均値からの変動を表わす差分値ΔRRと、心拍標準偏差RRSDの平均値からの変動を表わす差分値ΔRRSDと、呼吸数検出データPPの平均値からの変動を表わす差分値ΔPPと、呼吸数標準偏差PPSDの平均値からの変動を表わす差分値ΔPPSDとが算出される。
上記の心拍数差分値ΔRR、心拍数標準偏差差分値ΔRRSD、心拍数微分値RR′、呼吸数差分値ΔPP、呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD、呼吸数微分値PP′、体動数MVAVE、及び体動数微分値MVAVE′の8種類のデータが、睡眠深度基礎データとして、睡眠深度の推定に供される。
【0016】
図4〜図8は、上記8種類の睡眠深度基礎データを算出する具体的な手続きを表わしている。尚、生体情報データのサンプリングは例えば100Hzの周波数で行なわれる。
【0017】
心拍数についての手続き
先ず、スタート後の5分間においては、図4(a)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の平均値を算出してRR[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたRR[i](i=1〜9)の平均値を算出し、RRaveとする。
又、図4(b)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の標準偏差を算出してRRSD[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたRRSD[i](i=1〜9)の平均値を算出し、RRSDaveとする。
【0018】
次に、スタート後5分経過以降においては、図5(a)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の平均値を算出してRR[i]とし、更にスタート後5分間の平均心拍数RRaveからの変動(心拍数差分値ΔRR)を下記数1によって算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数1】
ΔRR[i]=RR[i]−RRave
【0019】
又、図5(b)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の標準偏差を算出してRRSD[i]とし、更に下記数2の如くスタート後5分間の平均心拍数標準偏差RRSDaveからの変動(心拍数標準偏差差分値ΔRRSD)を算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数2】
ΔRRSD[i]=RRSD[i]−RRSDave
【0020】
更に、図5(c)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された心拍数検出データRRを記憶した後、これらのRR値の平均値を算出してRR[i]とする。次にiが12以上であるかどうかを判断して、ノーの場合はiをカウントアップし、イエスの場合は、下記数3の如く1分前の心拍数検出データRR[i−2]との差を算出して心拍数微分値RR′とした後、iをカウントアップし、同じ手続きを繰り返す。
【数3】
RR′[i]=RR[i]−RR[i−2]
【0021】
呼吸数についての手続き
先ず、スタート後の5分間においては、図6(a)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の平均値を算出してPP[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたPP[i](i=1〜9)の平均値を算出し、PPaveとする。
又、図6(b)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の標準偏差を算出してPPSD[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。そして、5分間に検出されたPPSD[i](i=1〜9)の平均値を算出し、PPSDaveとする。
【0022】
次に、スタート後5分経過以降においては、図7(a)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の平均値を算出してPP[i]とし、更にスタート後5分間の平均呼吸数PPaveからの変動(呼吸数差分値ΔPP)を下記数4によって算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数4】
ΔPP[i]=PP[i]−PPave
【0023】
又、図7(b)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の標準偏差を算出してPPSD[i]とし、更に下記数5の如くスタート後5分間の平均呼吸標準偏差PPSDaveからの変動(呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD)を算出する処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【数5】
ΔPPSD[i]=PPSD[i]−PPSDave
【0024】
更に、図7(c)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された呼吸数検出データPPを記憶した後、これらのPP値の平均値を算出してPP[i]とする。次にiが12以上であるかどうかを判断して、ノーの場合はiをカウントアップし、イエスの場合は、下記数6の如く1分前の呼吸数検出データPP[i−2]との差を算出して呼吸数微分値PP′とした後、iをカウントアップし、同じ手続きを繰り返す。
【数6】
PP′[i]=PP[i]−PP[i−2]
【0025】
体動数についての手続き
先ず、スタート後の5分間においては、図8(a)に示す如く、カウンターiを0に初期化し、30秒間に検出された体動回数を記憶し、体動数検出データMV[i]とした後、iが9であるか否かを判断し、ノーの場合はiをカウントアンプして体動回数の記憶を繰り返し、イエスの場合は、5分間に検出された体動数検出データMV[i](i=0〜9)の平均値を算出して体動数MVAVE[i]とする。
【0026】
次に、スタート後5分経過以降においては、図8(b)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された体動回数を記憶し、体動数検出データMV[i]とした後、過去5分間(i−9〜i)に検出された体動数検出データMV[i]の平均値を算出して体動数MVAVE[i]とする処理を、iをカウントアップしながら繰り返す。
【0027】
又、図8(c)に示す如く、カウンターiを10に設定し、30秒間に検出された体動回数を記憶し、体動数検出データMV[i]とした後、過去5分間[i−9〜i]に検出された体動数検出データMV[i]の平均値を算出してMVAVE[i]とする。次にiが12以上であるかどうかを判断して、ノーの場合はiをカウントアップし、イエスの場合は、下記数7の如く1分前のMVAVE[i−2]との差を算出して体動数微分値MVAVE′とした後、iをカウントアップし、同じ手続きを繰り返す。
【数7】
MVAVE′[i]=MVAVE[i]−MVAVE[i−2]
【0028】
図9は、上述の手続きに従って、8種類の睡眠深度基礎データ、即ち、心拍数差分値ΔRR、心拍数標準偏差差分値ΔRRSD、心拍数微分値RR′、呼吸数差分値ΔPP、呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD、呼吸数微分値PP′、体動数MVAVE、及び体動数微分値MVAVE′が順次算出されていく様子を表わしたものである。
図示の如く最初の5分間[i=0〜9]は、前述の各種平均値を算出するための期間であるため、睡眠深度基礎データは得られないが、5分間が経過し、カウンターiが10を越えると、心拍数差分値ΔRR、心拍数標準偏差差分値ΔRRSD、呼吸数差分値ΔPP、呼吸数標準偏差差分値ΔPPSD、及び体動数MVAVEが得られ、更にカウンターiが12を越えると、心拍数微分値RR′、呼吸数微分値PP′及び体動数微分値MVAVE′が得られることになる。
従って、カウンターiが12を越えた時点で、8種類の睡眠深度基礎データが揃うため、この時点から睡眠深度の推定が開始される。
【0029】
図3に示すステップS8では、8種類の睡眠深度基礎データに基づいて睡眠深度推定演算が実行される。本実施例においては、予め8種類の睡眠深度基礎データに主成分回帰分析を施すことによって導出した睡眠深度推定式が用いられる。
主成分回帰分析においては、予め複数人の被験者を対象として8種類の睡眠深度基礎データが収集され、これらのデータをパラメータとする睡眠深度回帰モデル式に基づいて、回帰演算が施される。
尚、主成分回帰分析の基礎となる睡眠深度の実測データは、図11に示す如く、EMG積分値、Delta波の割合、Spindle波の数、及び眼球運動の数に基づいて、睡眠深度のステージを判定する方法等、周知の方法によって測定することが出来る。
【0030】
主成分回帰分析によれば、8種類の睡眠深度基礎データが互いに別個独立のデータでなく、一部のデータ間に関連がある場合にも、8つの睡眠深度基礎データが形成する8次元空間が3軸の直交軸空間に変換されて、該直交軸についてのパラメータを含む睡眠深度回帰モデル式が得られることになる。該睡眠深度回帰モデル式は、8種類の睡眠深度基礎データをパラメータとする睡眠深度推定式に変換され、該推定式を用いて睡眠深度が算出される。
本実施例においては、図10(a)に示す睡眠深度回帰モデル式を用いることによって、同図(b)に示す睡眠深度推定式が導出された。
【0031】
本実施例では、図3のステップS9にて睡眠深度が算出された後、更にステップS10にて学習モードが導入される。該学習モードにおいては、上記睡眠深度推定式によって算出した睡眠深度の最浅値を「目覚め(WAKE)」、準浅値を「REM睡眠」に合わせることによって、睡眠深度推定式に対する補正係数を導出する。これによって、図3のステップS11では、更に精度の高い補正後睡眠深度が得られることになる。
【0032】
図12のグラフは、ある被験者について、本発明の睡眠深度推定式によって算出した睡眠深度の推定値と、睡眠深度の実測値との比較を表わしている。図示の如く、睡眠深度の推定値と実測値とは、極めて近似した変動を示しており、これによって、本発明の睡眠深度推定方法が高い精度を有していることが実証される。
【0033】
上述の如く、本発明に係る睡眠深度推定装置は、人体を拘束することなく、精度の高い睡眠深度の推定結果を得ることが出来るので、特に一般の家庭における睡眠深度測定装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る睡眠深度推定装置の構成を表わすブロック図である。
【図2】該睡眠深度推定装置における生体情報センサーの取付け例を説明する図である。
【図3】該睡眠深度推定装置における睡眠深度推定手続きを表わすフローチャートである。
【図4】心拍数についての準備処理を示すフローチャートである。
【図5】心拍数についての基礎データ算出手続きを示すフローチャートである。
【図6】呼吸数についての準備処理を示すフローチャートである。
【図7】呼吸数についての基礎データ算出手続きを示すフローチャートである。
【図8】体動数についての準備処理及び基礎データ算出手続きを示すフローチャートである。
【図9】8種類の基礎データが次々と算出される様子を示す図である。
【図10】睡眠深度回帰モデル式と睡眠深度推定式を表わす図である。
【図11】睡眠深度の判定方法を説明する図である。
【図12】睡眠深度の推定値と実測値の比較を表わすグラフである。
【符号の説明】
(2) 生体情報センサー
(3) 生体情報処理回路
(4) 睡眠深度推定回路
Claims (5)
- 人体の心拍数及び呼吸数を含む生体情報を検出する生体情報センサー(2)と、該生体情報センサー(2)によって検出された生体情報の検出データに所定の処理を施して複数の睡眠深度基礎データを算出する生体情報処理回路(3)と、生体情報処理回路(3)から得られる睡眠深度基礎データに基づいて睡眠深度を推定する睡眠深度推定回路(4)とを具え睡眠深度推定装置において、生体情報処理回路(3)は、心拍数及び呼吸数のそれぞれについて、検出データのリファレンス値からの変動成分と、検出データの標準偏差のリファレンス値からの変動成分と、検出データの微分成分とを算出し、これらの算出結果を睡眠深度基礎データとして、睡眠深度推定回路(4)へ供給することを特徴とする睡眠深度推定装置。
- 生体情報センサー(2)によって検出される生体情報には体動数が含まれ、生体情報処理回路(3)は、体動数について、一定期間の平均値を表わす検出データと、検出データの微分成分とを算出し、これらの算出結果を睡眠深度基礎データとして、睡眠深度推定回路(4)へ供給する請求項1に記載の睡眠深度推定装置。
- 生体情報処理回路(3)には、生体情報センサー(2)によって検出された生体情報から心拍数成分及び呼吸数成分を抽出するためのフィルター手段が設けられると共に、該生体情報から体動数を検出するための閾値手段が設けられている請求項2に記載の睡眠深度推定装置。
- 睡眠深度推定回路(4)には、前記複数の睡眠深度基礎データに回帰分析を施すことによって予め導出した睡眠深度推定式が登録されており、睡眠深度推定時には、該睡眠深度推定式によって前記複数の睡眠深度基礎データから睡眠深度が算出される請求項1乃至請求項3の何れかに記載の睡眠深度推定装置。
- 前記回帰分析は、主成分回帰分析である請求項4に記載の睡眠深度推定装置。
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