JP3877030B2 - シート搬送制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コピー、ファクシミリ、スキャナ、プリンタ等のOA機器等において、紙やOHPシート等のシートを搬送するためのソフトウェアとしてのシート搬送制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のシート搬送制御に関する技術として、例えば特開平6−16262号公報に開示される「用紙搬送制御装置および方法」がある。この方法によれば、いかに迅速に用紙を搬送するか、または、いかに正確に搬送するか、といった"紙搬送の方法"が示されているものである。
【0003】
これに対して近年では、コンピュータハードウェアのパフォーマンスアップと低コスト化を受けて、ソフトウェアの規模の増大と、その対象となる問題の複雑化が年々増大している。一方、それらソフトウェア商品、もしくはソフトウェアを組み込んだ機器の商品の開発サイクルは、年々短縮される傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような環境の中、ソフトウェア業界においては、その開発効率の改善が必要であるという問題がある。
【0005】
その一つの解決法として、ソフトウェアの部品化が考えられる。これは、ソフトウェアシステムを複数の独立したコンポーネントによって構成し、そのコンポーネント単位で他のシステムで再利用しようとする考えである。この考えにより、中期的あるいは長期的なソフトウェア開発効率を改善することができる。
【0006】
本発明の目的は、シート搬送装置の制御という問題領域特有のソフトウェアの部品化を行うことにより、ソフトウェア制御システムの再利用性を向上させるシート搬送制御システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、一つ以上の搬送ルート上に配置されたシートを移動させるためのアクチュエータと、前記シートの通過を確認するためのシートセンサとを備えるシート搬送装置を制御するシート搬送制御システムにおいて、前記シート搬送制御システムを構成するシステム要素がそれぞれ他のシステム要素から独立しているとともに、前記システム要素の間で協調関係が成り立っていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記搬送ルート内で前記シートに対して施される処理の仕様を示す搬送仕様であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記搬送ルートのマップに対して、どの搬送ルートを通るかを制御するための仕様を示すルート計画であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シート搬送装置における使用可能な搬送ルートのマップを示すルートであることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートが一時停止する位置の仕様を示す停止位置仕様であることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートを搬送する過程において、前記シートが通過する位置の仕様を示す通過位置仕様であることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートを搬送する過程において、前記シートが一時停止する位置における前記シートの先端または後端に対する次の停止位置への動作の仕様を示す動作仕様であることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートの搬送ルートへの給紙が可能であるか否かを判断する判断手段であることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、先行する搬送シートとこれから搬送しようとするシートとの間隔の仕様を示すシート間隔仕様であることを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記搬送シートの処理状態を制御する制御手段であることを特徴とする。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートの移動距離を認識して前記アクチュエータに動作指示を出す動作指示手段であることを特徴とする。
【0018】
請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートの移動距離を認識して前記アクチュエータに停止指示を出す停止指示手段であることを特徴とする。
【0019】
請求項13記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートの先端または後端の、前記搬送ルート内のある位置からある位置までを移動した距離を測定する距離測定手段であることを特徴とする。
【0020】
請求項14記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートが前記搬送ルートに給紙されてから排紙されるまでの移動過程において、前記シート先端の搬送ルート先頭位置からの現在位置を測定する位置測定手段であることを特徴とする。
【0021】
請求項15記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートに対してスタンプ押印処理をする押印手段であることを特徴とする。
【0022】
請求項16記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段であることを特徴とする。
【0023】
請求項17記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記アクチュエータを駆動するモータを制御するモータ制御手段であることを特徴とする。
【0024】
請求項18記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記モータからアクチュエータに対する駆動力の伝達のON/OFFを制御する伝達制御手段で あることを特徴とする。
【0025】
請求項19記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートのジャムを検出するための仕様を示すジャム検出仕様であることを特徴とする。
【0026】
請求項20記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記搬送中のシートに対して異常搬送を検出する異常搬送検出手段であることを特徴とする。
【0027】
請求項21記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記搬送中のシートの長さを検出する長さ検出手段であることを特徴とする。
【0028】
請求項22記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記動作指示手段と、前記停止指示手段と、前記異常検出手段と、前記長さ検出手段との組み合わせの仕様を示す組み合わせ仕様であることを特徴とする。
【0029】
請求項23記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、搬送前のシート束が搬送ルートヘの給紙トレイにセットされているか否かを判断する給紙判断手段であることを特徴とする。
【0030】
請求項24記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記搬送ルートへシートを給紙する装置の異常を検出する給紙異常検出手段であることを特徴とする。
【0031】
請求項25記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記システム要素は、前記シートにジャムが発生した後の対応処理を指示する処理指示手段であることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態であるシート搬送制御システムの実施の形態を詳細に説明する。図1から図11を参照すると、本発明のシート搬送制御システムの実施形態が示されている。
【0033】
図1は、本発明の実施形態であるシート搬送制御システムの構成を示すブロック図である。図1に示す構成は、原稿の搬送を例としている。本発明のシート搬送制御システムは、いくつかのシステム要素の協調関係によって構成されている。各システム要素同志の関係は、図の矢印付きの線で表記され、その静的な関係名が付け加えらている。単なる矢印は、その構成要素の実体が一つであることを表し、2重の矢印は、その構成要素の実体が多数あることを表している。構成を分かり易く説明するため、各システム要素をサブシステムとして説明する。
【0034】
本発明の実施形態であるシート搬送制御システムは、搬送計画サブシステム100と、搬送実行サブシステム200と、装置監視サブシステム300と、搬送検証サブシステム400とにより構成され、各サブシステムの詳細を以下に説明する。
【0035】
〈搬送計画サブシステム〉
搬送計画サブシステム100は、搬送仕様101と、ルート計画102と、ルート(搬送ルートのマップ)103と、位置104とにより構成される。
【0036】
搬送計画サブシステム100は、以下に示す計画を決定する。まず、シート搬送中において、用紙に施される処理を決定する。この処理とは、読み取り処理、書き込み処理、スタンプ押印処理等、また、シートの片面を読み取るための搬送か、シートの両面を読み取るための搬送かを決定する。
【0037】
〈搬送実行サブシステム〉
搬送実行サブシステム200は、搬送計画サブシステム100からの搬送計画に基づき、搬送機構を制御してシート搬送を実行する。
【0038】
搬送実行サブシステム200は、停止位置201と、通過位置202と、動作仕様203と、シート端204と、先端(動作指示手段)205と、後端(停止指示手段)206と、搬送中のシート207と、スタンプ(押印手段)208と、ローラ(アクチュエータ制御手段)209と、シート210と、クラッチ211と、モータ(モータ制御手段)212と、距離カウンタ(距離測定手段)213と、距離メータ(位置測定手段)214とにより構成される。
【0039】
搬送実行サブシステム200におけるシート搬送の実施例を図6および図7に基づいて説明する。
【0040】
図6は、搬送ルート上を搬送されるシートの様子を示す図である。
図6において、搬送機構の概略は、搬送ルート上に配置された複数のローラ(搬送コロ)A,B,C,Dが、それぞれに設けられたモータの駆動により回転することでシート搬送を行う。出発位置であるローラAから搬送路上に送出された用紙は、ローラBにより搬送され、センサによりシートが搬送されたことを検出する。さらに、分離爪により搬送ルートAおよび搬送ルートBを切り替え、ローラCあるいはローラDにより最終目的地Aおよび最終目的地Bに搬送される。
【0041】
図7は、搬送機構のより詳細な構成を示す断面図である。
原稿台906上に載置された原稿は、給紙ガイド板907に沿って呼び出しコロ908の回転により引き込まれ、給紙ベルト909によって給紙され、分離コロ910によって1枚に分離され、第1搬送コロ901によってレジストセンサ911の位置まで搬送されて待機位置で待機する。レジストセンサ911の位置と待機位置は、機種のレイアウトにより同位置となる場合もあるし、異なる位置となる場合もある。
【0042】
コピーアプリケーションの場合は、所定のパルスだけ待機した後、スキャナアプリケーションの場合には、Readコマンドが発行された後、任意のパルスで搬送モータがONされ、第1搬送コロ901および第2搬送コロ902によって読み取り搬送が行われ、排紙コロ905によって排紙される。動力はステッピングモータが使用されており、搬送コロ(901、902)及び給紙ベルト909を動作させる。給紙クラッチをON/OFFすることで呼び出しコロ908、給紙ベルト909、分離コロ910への動力伝達をON/OFFする。クラッチOFF時には用紙とローラは接触しているが、ローラはニュートラルの状態である。
【0043】
〈装置監視サブシステム〉
装置監視サブシステム300は、シート搬送装置の監視を行う。一般的には、装置が搬送可能となっているか否かを監視するもので、システムがいかなる状態においても監視しなければならない。
【0044】
装置監視サブシステム300は、シート間隔301と、トレイ上のシート(判断手段)302と、予期せぬジャム303と、給紙装置(給紙異常判断手段)304と、給紙トレイ(給紙判断手段)305と、ジャム(処理指示手段)306とにより構成される。
【0045】
シートスルーDF(ドキュメントフィーダ)でのシート搬送装置を例にすると、搬送路を覆うカバーが開いた状態(カバーオープン)であるか、搬送装置自体が持ち上げられる状態(リフトアップ)であるかなど、装置が原稿の搬送に支障をもたらす状態であるか否かを監視するものである。
【0046】
〈搬送検証サブシステム〉
搬送検証サブシステム400は、検出要求(組み合わせ仕様)401と、ジャム検出仕様402と、検出者403と、ジャム検出者(異常搬送検出手段)404と、原稿長検出者(長さ検出手段)405と、未達ジャム検出者406と、滞留ジャム検出者407と、検出されたジャム408とにより構成される。
【0047】
搬送検証サブシステム400は、搬送における検証を行い、主な検証内容はジャム(用紙詰まり)検知である。一般的にジャム検知は大きく大別して、未達ジャム検知と滞留ジャム検知との2つがある。以下にその概要を説明する。
【0048】
未達ジャムの場合における現象は、原稿の先端に接触したローラが回転開始する出発地点、またはセンサ等の監視点を通過した原稿が搬送ルート上で何らかの傷害を受け、目的地点である次のセンサまで到達しないという状況である。
【0049】
この未達ジャムの検知を図8に基づいて説明する。
図8は、原稿が出発位置もしくは監視点を通過してから目的位置である次のセンサへ到達するまでの経過を表している。この出発位置は、呼び出しコロと原稿の先端とが接触する位置に相当し、目的位置は、レジストセンサに相当するものである。
【0050】
図8において、搬送ルート上における出発位置もしくは監視点と目的位置との距離は、あらかじめ分かっている。従って、出発位置を出発した原稿が、目的位置に到達するまでの移動距離もしくは、ある監視点を通過した原稿が、目的位置に到達するまでの移動距離の推測移動距離(ローラまたはモータの駆動距離)をカウント後、目的地のセンサ反応がないことにより、原稿が目的位置に到達していないと判断し"未達ジャム"として検出する。
【0051】
ただし、実際の搬送においては、完全に推測する距離で移動することはなく、若干の誤差が出ることは当然である。従って、あらかじめ推測される移動距離に誤差分を付け加えた距離を与えることで実現している。また、この誤差はローラが劣化すればするほど大きくなる。
【0052】
滞留ジャムの場合における現象は、移動中の原稿が、センサ等の監視点に対して到達はしているが、通過しない、もしくは、原稿が2重に搬送されて実際の原稿長より長くなってしまう"重送"状態であるという状況である。
【0053】
この滞留ジャムの検知を図9に基づいて説明する。
図9は、任意の監視点を原稿の先端が通過してから、その監視点を同じ原稿の後端が通過するまでの経過を表している。この監視点は、レジストセンサに相当するものである。
【0054】
原稿のサイズがあらかじめ分かっているならば、原稿の先端と後端までの距離は既知である。従って、ある監視点を原稿の先端が通過してから、後端が通過するまでの推測移動距離(ローラまたはモータの駆動距離)をカウント後、監視点のセンサ反応がないことで、原稿の後端が監視点を通過していないと判断し、"滞留ジャム"を検出する。
【0055】
ただし、この場合も上述の未達ジャムの場合と同様に、移動距離の誤差を考えた推測移動距離を与えることが必要である。この誤差は、ローラが劣化すればするほど大きくなる。
【0056】
図2は、本発明のシート搬送制御システムのシステム概要を示す図である。
図2に示すように、プリンタ21、複写機22、スキャナ23、PC24等のイメージ入出力装置であるユーザ環境2は、スタンドアロンまたは1対1接続で利用されてきたが、近年はネットワーク4に接続される環境下での利用方法も増えてきている。
【0057】
また、装置側のベンダーもPC11等により構築されるサービスセンタ1を設け、リモートからユーザ環境2における各イメージ入出力装置の動作状況や利用状況に関するサービスをネットワーク3を介して提供している。シート搬送装置は、図2のユーザ環境2に位置づけられるもので、プリンタ21、複写機22、スキャナ23、PC24等に付加されているシート搬送機能に該当するものである。
【0058】
図3は、シート搬送装置の一例として、イメージ入出力機器の一つである複写機の構成を示す側断面図である。図3に示される複写機は、ソータ51と、ADF(自動原稿搬送装置)52と、光学部53と、レーザ書き込み部54と、OPCと2色現像部55と、手指し給紙部56と、両面トレイ57と、給紙バンク58とにより構成される。
【0059】
ソータ51は、出力された記録紙の仕分けを行う。ADF52は、原稿を自動的に載置台上に搬送する。光学部53は、載置された原稿のイメージを読み取る。レーザ書き込み部54は、光学部53で読み取られた原稿のイメージを感光体(OPC)上にレーザで書き込む。OPCと2色現像部55は、記録紙上に実際の印字処理を行う。手指し給紙部56は、手指しによる給紙を行う。両面トレイ57は、両面印刷処理を行う際に用いられる。給紙バンク58は、印字前の記録紙を保有する。
【0060】
図3に示される複写機は、原稿というシートを対象としたシート搬送装置の一例であり、ソータ51、手差し給紙部56、両面トレイ57、給紙バンク58、転写紙というシートを対象としたシート搬送装置の一例である。
【0061】
〈ハードウェア構成〉
図4は、ハードウェア構成を示す図である。イメージ入出力装置500、ブローカ600及びPC(パソコン)700がネットワーク800を介して接続されている。
【0062】
イメージ入出力装置500において、CPU501は、装置全体の制御を司るものであり、その制御下に、ROM502と、RAM503と、NVRAM504と、操作パネル505と、パネル制御部506と、スキャンプリントエンジン507と、エンジン制御部508と、記憶装置509と、ディスクドライバ510と、通信制御部511と、モデム512とがバス513を介して接続されている。
【0063】
ROM502は、プログラムコード、フォント、及びその他の静的なデータが格納されている。RAM503は、一時的な記憶場所として利用される。NVRAM504は、不揮発性のデータを格納しておく。操作パネル505とパネル制御部506は、ユーザとのインタフェースを司る。
【0064】
スキャンプリントエンジン507とエンジン制御部508は、イメージデータの入出力ユニットとして、原稿の読み取りと転写紙への印刷を実行する。記憶装置509とディスクドライバ510は、大量のイメージデータなどを蓄積したり、データベースの記憶場所として利用される。通信制御部511は、イーサネット等のネットワークに接続され、外部の機器との通信を可能とする。モデム512は、公衆回線と接続され、外部の機器との通信を可能とする。
【0065】
ブローカ600は、ネットワーク800に接続されているイメージ入出力装置500に必要な機能情報や管理情報を維持し、クライアント(ここではPC700)とサーバ(ここではイメージ入出力装置500)との接続を確立する役目を請け負うミドルウェアである。
【0066】
このブローカ600は、CPU601と、ROM602と、RAM603と、通信制御部604と、データベース605とを有して構成され、PC700あるいはイメージ入出力装置500のどちら側に存在していてもよい。
【0067】
(ソフトウェア構成)
図5は、シート搬送載置内部に組み込まれるソフトウェアの構造を示すブロック図である。図5において、ソフトウェア構造は、大きく分けると、アプリケーション層60と、カーネル層70と、ドライバ層80と、ハードウェア層90とによる4層構造で構成される。
【0068】
アプリケーション層60は、コピー・ファックス・プリンタなどの各アプリケーションを形成するレイヤである。ドキュメントマネージャ61は、コピー・ファックス・プリンタなどのシナリオに沿ってドキュメントをハンドリングするアプリケーションとして中心となる機能ブロックである。サービスマネージャ62は、ドキュメントハンドリングの際に共通に必要となる機能ブロックであり、各種サービスの管理・実行を行う。デバイスマネージャ63は、スキャナ・プロッタ・画像バスといった物理デバイスの動作を決定する機能ブロックであり、各種デバイスの管理・実行を行う。オペレーションマネージャ64は、装置に付属している操作パネルを制御するものであり、ボタンの表示・ボタンオペレーションのノーティファイ・アラートの通知などを行う。データべースマネージャ65は、フォント・定形フォーム・ファックス受信履歴・装置の利用履歴・課金データなどの永続データの維持管理を行う。
【0069】
カーネル層70は、仮想メモリ71と、実行プロセス72と、ファイルシステム73と、ソケット74と、仮想マシン75とにより構成され、仮想マシン75は、さらに実行管理76とモード管理77とにより構成される。通常、カーネル層70は、OSのカーネルとして組み込まれ、各種デバイスを抽象化してアプリケーションに対しサービスを提供するものである。アプリケーション層60は、カーネル層70に対してシステムコールすることにより動作するものである。
【0070】
ドライバ層80は、メモリ管理ドライバ81と、プロセス管理ドライバ82と、ファイル管理ドライバ83と、ネットワークドライバ84と、一体型コピードライバ85と、ブロッキングデバイスドライバ86と、ページデバイスドライバ87とにより構成され、各種ハードウェアを駆動するための制御を実行する機能ブロックの集まりである。シート搬送装置のローラドライバ、またはモータドライバ等はこのドライバ層80に該当する。
【0071】
ハードウェア層90は、RAM91と、RAM92と、記憶装置NVRAM93と、ネットワークインタフェース94と、スキャナ95と、画像バス96と、プロッタ97とにより構成され、装置内に存在する制御可能なリソースの集合である。シート搬送装置のローラ、またはモータ等のアクチュエータやセンサは、このハードウェア層90に該当する。
【0072】
(本発明の動作)
図10、図11は、本発明の実施形態であるシート搬送制御装置における各システム要素間の制御スレッド図の一例である。図10は、シート1枚の搬送(給紙)開始から搬送(給紙)完了までのスレッドを表している。図11は、異常動作の一例で、シートの給紙中にユーザがリフトアップ(「図3、複写機の機構」において、コピー動作中にユーザがADF部を持ち上げる現象)した場合のスレッドを表している。以下にその動作の説明をする。
【0073】
なお、図10、図11において、角のとれた長方形で表記された要素は、本発明の実施形態であるシート搬送システムを構成するシステム要素であり、図5に示されたシート搬送制御シートの構成要素と等価である。ただし、ここでは振る舞いを持つ要素のみが表記されている。また、簡素化するために、振る舞いを持つ要素の中でも給紙動作に関係する要素のみが表記されている。矢印付きの線は、要素間でやりとりされるイベントを表し、上位の要素からの命令を表すイベントは、実線の黒矢印で、請願された下位からの通知を表すイベントは一点鎖線の黒矢印で、請願されない下位駆動の非同期なイベントは点線の黒矢印で、同期的なイベントは実線の白矢印でそれぞれ表記されている。
【0074】
図10に基づいて、シート搬送が1枚の場合の動作例を説明する。
シートセットセンサ1001は、シートがセットされた時点で給紙トレイ1101に対し「紙あり」イベントを非同期で送信する。「紙あり」イベントを受けた給紙トレイ1101は、トレイ上のシート1102を生成するための「生成」イベントを送り、トレイ上のシートを生成する。トレイ上のシート1102は、自らのアクションにより残シートがあるか、シートサイズは何かを検出し、IPSアプリケーション1006に「オンライン通知」イベントを送り、搬送可能であることを通知する。この「オンライン通知」イベントには、シートの長さ、幅といったデータが付加されている。
【0075】
IPSアプリケーション1006は、トレイ上のシート1102に対し、「フィードしろ」イベントを送る。「フィードしろ」イベントを受けたトレイ上のシート1102は、ソレノイド1002に対し、「オン」イベントを、搬送中のシート1103に対し、「フィード開始」イベントを送る。「フィード開始」イベントを受けた搬送中のシート1103は、ルート計画1104に対し、ルート計画の「生成」イベントを送る。
【0076】
ルート計画1104は、静的な要素である"ルート"、"位置"、"停止位置"、"通過位置"、"動作仕様"といった要素からルート計画を生成し、搬送中のシート1103に対し、「準備OK」イベントを送る。「準備OK」イベントを受けた搬送中のシート1103は、先端1105、後端1106の各々に対し、「動け」イベントを送る。「動け」イベントを受けた先端1105及び後端1106は、"動作仕様"を参照して自分が動かなければならないかを判断する。最初に動くのは先端であるという動作仕様であるため、先端1105は、後端1106に「準備しろ」イベントを、検出者1107に「検出開始」イベントを、距離メータ1110に「測定開始」イベントを、距離カウンタ1109に次の停止位置までの距離データを付加した「カウント開始」イベントを、ローラ1108に「動け」イベントをそれぞれ送る。
【0077】
「準備しろ」イベントを受けた後端1106は、自分の状態を停止中から移動中に遷移させる。「検出開始」イベントを受けた検出者1107は、距離カウンタ1109に「カウント開始」イベントを送り、ジャムのチェックを開始する。「測定開始」イベントを受けた距離メータ1110は、モータ1111からの「動いた」イベントを拾い、Palse(距離)を随時インクリメントしてゆく。「カウント開始」イベントを受けた距離カウンタ1109は、モータ1111からの「動いた」イベントを拾い、Palse(距離)を随時インクリメントし、Palseの蓄積距離が、先端1105からの指定の距離に達したら、「カウント完了」イベントを先端1105に返す。
【0078】
先端1105から「動け」イベントを受けたローラ1108は、イベントに付加されたSpeedでモータ1004を動かさなければならないため、モータ1111に対し、「動け」イべントを送る。同時にクラッチ1112に対し、「オン」イベントを発行し、モ−タ1004の動力を図示されない実世界のローラにつなぐ。距離カウンタ1109は、依頼された距離の分だけPalseをカウントし、Palseの蓄積距離が依頼された距離に達したら、依頼主に「カウント完了」を返す。レジストセンサ1003は、実世界のシートの先端が通過した場合に先端1105に「ON検知」イベントを送る。
【0079】
「ON検知」イベントを受けた先端1105は、レジストセンサ1003と次の停止位置のレイアウトから自身の現在位置を修正する。また、検出者1107に「チェックしろ」イベントを送る。検出者1107は、「チェックしろ」イベントを受ける前に距離カウンタ1109から「カウント完了」イベントを受けた場合には、ジャムと判断するが、ここ(この制御スレッド図)では「チェックしろ」イベントを先に受け、ジャムは起きなかったこととする。
【0080】
先端1105は、距離カウンタ1109から「カウント完了」イベントを受け、自身が停止位置に到達したことを知り、後端1106に「カウント完了」イベントを、搬送中のシート1103に「待機位置に到着」イベントを送る。「カウント完了」イベントを受けた後端1106は、ローラ1108に対し、「止まれ」イベントを送る。これによりローラ1108は、モータ1111に対し「止まれ」イベントを送り、動作が停止する。「待機位置に到着」イベントを受けた搬送中のシート1103は、IPSアプリケーション1006に対し、「給紙完了」イベントを送り、本システムは、IPSアプリケーション1006からの次の命令を待つ。
【0081】
次に、図11に基づいて給紙直後のリフトアップ時の動作を説明する。
シートセットセンサ1001は、シートがセットされた時点で給紙トレイ1101に対し、「紙あり」イベントを非同期で送信する。「紙あり」イベントを受けた給紙トレイ1101は、トレイ上のシート1102を生成するための「生成」イベントを送り、トレイ上のシートを生成する。トレイ上のシート1102は、自らのアクションにより残シートがあるか、シートサイズは何かを検出し、IPSアプリケーション1006に「オンライン通知」イベントを送り搬送可能であることを通知する。このイベントにはシートの長さ、幅といったデータが付加されている。
【0082】
IPSアプリケーション1006は、トレイ上のシート1102に対し「フィードしろ」イベントを送る。「フィードしろ」イベントを受けたトレイ上のシート1102は、ソレノイド1002に対し「オン」イべントを、搬送中のシート1103に対し「フィード開始」イベントを送る。「フィード開始」イベントを受けた搬送中のシート1103は、ルート計画1104を生成する。ルート計画1104は、静的な要素である"ルート"、"位置"、"停止位置"、"通過位置"、"動作仕様"といった要素からルート計画を生成し、搬送中のシート1103に対し「準備OK」イベントを送る。
【0083】
「準備OK」イベントを受けた搬送中のシート1103は、先端1105、後端1106の各々に対し「動け」イべントを送る。「動け」イベントを受けた先端1105及び後端1106は、"動作仕様"を参照して自分が動かなければならないかを判断する。最初に動くのは先端であるという動作仕様であるため、先端1105は、後端1106に「準備しろ」イベントを、検出者1107に「検出開始」イベントを、距離メータ1110に「測定開始」イベントを、距離カウンタ1109に次の停止位置までの距離データを付加した「カウント開始」イベントを、ローラ1108に「動け」イベントを送る。
【0084】
「準備しろ」イベントを受けた後端1106は、自分の状態を停止中から移動中に遷移させる。「検出開始」イベントを受けた検出者1107は、距離カウンタ1109に「カウント開始」イベントを送り、ジャムのチェックを開始する。「測定開始」イベントを受けた距離メータ1110は、モータ1111からの「動いた」イベントを拾い、Palse(距離)を随時インクリメントしていく。
【0085】
「カウント開始」イベントを受けた距離カウンタ1109は、モータ1111からの「動いた」イベントを拾い、Palse(距離)を随時インクリメントし、Palseの蓄積距離が、先端1105からの指定の距離に達したら、「カウント完了」イベントを先端1105に返す。「動け」イベントを受けたローラ1108は、イベントに付加されたSpeedでモータを動かさなければならないため、モータ1111に対し「動け」イべントを送る。同時にクラッチ1112に対し「オン」イベントを発行し、実世界のモータ1004の動力を実際に動作するローラにつなぐ。
【0086】
距離カウンタ1109は、依頼された距離の分だけ、Palseをカウントし、Palseの蓄積距離が依頼された距離に達したら、依頼主に「カウント完了」イベントを返す。
【0087】
リフトアップセンサ1007は、実際のセンサである。ユーザのリフトアップ動作を検知したリフトアップセンサ1007は、給紙装置1113に対し、「リフトアップ」イベントを送る。リフトアップ動作は、いつ起こるか予測がつかない(本スレッドの場合は、給紙中に起こるとする)ため、このイベントは非同期で送られる。
【0088】
「リフトアップ」イベントを受けた給紙装置1113は、IPSアプリケーション1006及びトレイ上のシート1102に対して、「アラート」イベントとその原因をあらわすデータ(この場合リフトアップ発生)を送り、シート搬送不可能であることを知らせる。また、ジャム1114に対して、「ジャム発見」イベントを送り、ジャム1114に後処理を任せる。「ジャム発見」イベントを受けたジャム1114は、ローラ1108に対し「止まれ」イベントを送りローラを止める。
【0089】
ユーザのリフトダウン動作を検知したリフトアップセンサ1007は、給紙装置1113に対し、「リフトダウン」イベントを送る。「リフトダウン」イベントを受けた給紙装置1113は、ジャム1114及びトレイ上のシート1102に対し、「アラート解除」イベントを送る。「アラート解除」イベントを受けたジャム1114は、搬送中のシート1103に対し、「ジャムリカバリー完了」イベントを送る。「ジャムリカバリー完了」イベントを受けた搬送中のシート1103は、IPSアプリケーション1006に対し、「ジャムリカバリー完了」イベントを送る。
【0090】
「アラート解除」イベントを受けたトレイ上のシート1102は、自らのアクションにより残シートがあるか否か検出し(この場合残シートがある)、IPSアプリケーション1006に「オフライン通知」イベントを送り搬送不可能であることを通知する。
【0091】
カバーオープンセンサ1008は、リフトアップセンサ1007と同様に実際のセンサである。ユーザによるカバーオープン(ユーザがADF上部のカバーを空けて搬送路内に詰まっているシートを取り出す動作)を検知したカバーオープンセンサ1008は、給紙装置1113に対し「カバーオープン」イベントを送る。「カバーオープン」イベントを受けた給紙装置1113は、IPSアプリケーション1006及びトレイ上のシート1102に対して、「アラート」イベントとその原因をあらわすデータ(この場合カバーオープン発生)を送り、シート搬送不可能であることを知らせる。また、ジャム1114に対し「ジャム発見」イベントを送り、ジャム1114に後処理を任せる。
【0092】
ユーザのカバークローズ(ユーザが搬送路から詰まったシートを取り出し、カバーを閉める動作)動作を検知したカバーオープンセンサ1008は、給紙装置1113に対し「カバークローズ」イベントを送る。「カバークローズ」イベントを受けた給紙装置1113は、ジャム1114及びトレイ上のシート1102に対し、「アラート解除」イベントを送る。「アラート解除」イベントを受けたジャム1113は、搬送中のシート1103に対し「ジャムリカバリー完了」イベントを送る。「ジャムリカバリー完了」イベントを受けた搬送中のシート1103は、IPSアプリケーション1006に対し「ジャムリカバリー完了」イベントを送る。
【0093】
「アラート解除」イベントを受けたトレイ上のシート1102は、自らのアクションにより残シートがあるか否かを検出し(この場合残シートはない)、IPSアプリケーション1006に「オンライン通知」イベントを送り、搬送可能であることを通知する。
【0094】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のシート搬送制御システムによれば、シート搬送制御システムをソフトウェア部品として捉え、再利用性を向上することができる。再利用性を向上させる手段として、ソフトウェア部品の理解性、拡張性、ロバスト(強固)性を向上させることがある。
【0095】
シート搬送制御システムを抽象化した個々のシステム要素に分解して考え、かつ本質的ではない詳細な部分を無視し、その替わりに一般化され、理想化されたシステム要素の協調関係を定義することで、複雑なソフトウェア全体を理解することができ、拡張性に優れたソフトウェアシステムを構築することができる。
【0096】
また、抽象化された個々の独立したシステム要素、及びその協調関係は、問題領域の本質を捉えているため、変更に対してモデル(システム要素とその関係)が崩れることはない。即ちロバスト性の高いシステムを構築することが可能である。
【0097】
請求項2記載の発明によれば、シートに対して施される処理の仕様を、他のシステム要素から独立させることで、シート搬送制御システムを使用する上位アプリケーションとのインターフェイス仕様を一定に保つ。また処理の変更が「ルート計画」以外の他のシステム要素に影響することを防ぐことができる。
【0098】
請求項3記載の発明によれば、「搬送仕様」または「ルート」のどちらかに仕様変更があった場合、一方変更が他方の構造に影響することを防ぐことができる。
【0099】
請求項4記載の発明によれば、シート搬送装置の搬送ルートに関するメカ的なレイアウトの変更をルートの変更に置き換えて吸収することができる。
【0100】
請求項5記載の発明によれば、上位アプリケーションの視点から、シートは何らかの処理やタイミングを取るために停止させる。しかし、シート搬送制御システムの視点から、どのような処理(読み取り処理や書き込み処理、スタンプ処理、ステープル処理等)をするか、どのようなタイミング(他のシステムとのタイミング合わせ等)なのかは、本質的ではない部分であるため無視する。シート搬送制御システムにおいて、停止に関する本質的情報は、停止する位置、次の停止位置名、停止状態から移動開始へのトリガである。この「停止位置」は、停止する位置の情報を隠蔽する。よって、搬送ルートに関するメカ的なレイアウトが変更されることで、停止位置が変更になっても他のシステム要素に影響することを防ぐことができる。
【0101】
請求項6記載の発明によれば、通過する位置の情報を隠蔽する。よって、搬送ルートに関するメカ的なレイアウトが変更されることで、通過位置が変更になっても他のシステム要素に影響することを防ぐことができる。
【0102】
請求項7記載の発明によれば、シート搬送制御システムにおいて、停止に関する本質的情報は、停止する位置、次の停止位置名、停止状態から移動開始へのトリガである。これらのデータは、「動作仕様」のデータと等価である。よって、他システムの変更により動作仕様が変更になっても、「先端」や「後端」といったシステム要素に影響を及ぼすことがない。逆に言えば、「先端」や「後端」はその動作にあたり、各々が動作仕様を保持する必要がなくなる。
【0103】
請求項8記載の発明によれば、上位アプリケーションの視点から見れば、給紙動作においてはシートが給紙可能か否かがわかればよい。給紙可能であるための条件(シートのある/なし、給紙装置が搬送可能な状態か/否か、等)は、シート搬送制御システム内部に隠蔽されるべきである。よって、「判断手段(トレイ上のシート)」は、給紙可能であるための条件に対する変更が上位アプリケーションに影響することを防ぐことができる。
【0104】
請求項9記載の発明によれば、シート搬送制御システムにおいて、「先端」及び「後端」が搬送中のシートの移動制御に責任を持っている。装置内に複数のシートを搬送させる場合、「先端」と「後端」の両者にシート間隔の仕様を持たせて制御するよりも、「シート間隔」を独立した仕様として掲示することにより制御効率を向上することができる。
【0105】
請求項10記載の発明によれば、装置内に複数のシートを搬送させる場合、各シートのライフサイクルを個別に制御(監視又は操作)することができる。
【0106】
請求項11記載の発明によれば、「先端(動作指示手段)」を移動体として見なし、移動体と停止位置、及び移動体と通過位置の関係を制御することで、移動する際の処理に非依存な制御問題として取り扱うことが可能となる。よって、本システムをシート搬送制御以外の問題領域(例えば、鉄道管理システムや、ナビゲーションシステム等)に応用することができる。
【0107】
請求項12記載の発明によれば、「後端(停止指示手段)」を移動体として見なし、移動体と停止位置、及び移動体と通過位置の関係を制御することで、移動する際の処理に非依存な制御問題として取り扱うことが可能となる。よって、本システムをシート搬送制御似外の問題領域(例えば、鉄道管理システムや、ナビゲーションシステム等)に応用することができる。
【0108】
請求項13記載の発明によれば、本シート搬送制御システムにおいて、シート先端またはシート後端の、搬送ルート内のある位置からある位置までの移動した距離データを必要としているシステム要素は、「先端」、「後端」及び「ジャム検出者」である。これらのシステム要素全てに距離データを測定する機能を持たせるよりも効率がよく、かつ「先端」、「後端」、「ジャム検出者」の独立性を高めることができる。
【0109】
請求項14記載の発明によれば、本シート搬送制御システムにおいて、シート先端の搬送ルート先頭位置から現在位置までの距離データを必要としているシステム要素は、「原稿長検出者」ただ一つである。よって一見すると、「距離メータ(距離測定手段)」の距離を計測する機能は「原稿長検出者」が保持していればよいと思われる。しかし、「距離メータ(距離測定手段)」の使命は、長さを計測することではなく、距離を計測することである。本シート搬送制御システムに対し、拡張機能として移動するシートの現在位置を示すモニタ機能を後から付加する場合、距離を計測する機能は独立したシステム要素である「距離メータ(距離測定手段)」に保持させることにより、効率の向上を図れるので、「原稿長検出者」に特化した機能として持たせる必要がなくなる。
【0110】
請求項15記載の発明によれば、スタンプ押印処理するための手段、即ち(スタンプ)デバイスに関する知識を「押印手段(スタンプ)」に隠蔽することにより、(スタンプ)デバイスのインターフェイス仕様が変更になった場合でも、その他のシステム要素の構成に影響することを防ぐことができる。
【0111】
請求項16記載の発明によれば、ローラを回転させるための手段、即ち(ローラ)デバイスに関する知識を「ローラ」に隠蔽することにより、(ローラ)デバイスのインターフェイス仕様が変更になった場合でも、その他のシステム要素の構成に影響することがない。また、ローラ以外のアクチュエータに変更になった場合でも、変更による影響を「アクチュエータ制御手段(ローラ)」のみにとどめることができる。
【0112】
請求項17記載の発明によれば、モータを回転させるための手段、即ち(モータ)デバイスに関する知識を「モータ制御手段(モータ)」に隠蔽することにより、(モータ)デバイスのインターフェイス仕様が変更になった場合でも、その他のシステム要素の構成に影響することを防ぐことができる。
【0113】
請求項18記載の発明によれば、動力をつなぐための手段、即ち(クラッチ)デバイスに関する知識を「伝達制御手段(クラッチ)」に隠蔽することにより、(クラッチ)デバイスのインターフェイス仕様が変更になった場合でも、その他のシステム要素の構成に影響することを防ぐことができる。
【0114】
請求項19記載の発明によれば、メカ機構のレイアウト変更や、要求仕様の変更によりジャム検出変更になっても、「ジャム検出者」の動作に影響することを防ぐことができる。
【0115】
請求項20記載の発明によれば、異常搬送検出手段によるジャム検出機能を、シートを搬送する機能から独立させることで、ジャム検出のアルゴリズムの変更が、シートを搬送する機能に責任を持つシステム要素群に影響することを防ぐことができる。
【0116】
請求項21記載の発明によれば、長さ検出機能を、シートを搬迭する機能から独立させることで、長さ検出のアルゴリズムの変更がシートを搬送する機能に責任を持つシステム要素群に影響することを防ぐことができる。
【0117】
請求項22記載の発明によれば、「先端」及び「後端」と、「ジャム検出者」及び「原稿長検出者」は、多対多の関係であり、「検出要求」は、これらの関連づけである。これにより、「先端」及び「後端」と、「ジャム検出者」及び「原稿長検出者」の動的な関連をお互いのデータを持ち合うことなく定式化することができる。
【0118】
請求項23記載の発明によれば、シートが給紙トレイにセットされているか否かを知る手段(例えばセンサ等)が「給紙トレイ(給紙判断手段)」に隠蔽されるため、その手段が変更となっても他のシステム要素に影響することを防ぐことができる。
【0119】
請求項24記載の発明によれば、給紙の異常を検出する手段が「給紙装置」に隠蔽されるため、給紙装置本体のメカ構成が変更となっても他のシステム要素に影響することを防ぐことができる。
【0120】
請求項25記載の発明によれば、ジャムの後処理が「ジャム」に隠蔽されるため、上位アプリケーションとのインターフェイスの変更等により、後処理の仕様が変更となっても他のシステム要素に影響することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるシート搬送制御システムを示すブロック図である。
【図2】ネットワーク環境におけるイメージ入出力装置を示す構成図である。
【図3】複写機の機構を示す構成図である。
【図4】イメージ入出力装置を用いるシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】ソフトウェアの構造を示すブロック図である。
【図6】搬送ルートと搬送されるシートを示す構成図である。
【図7】搬送機構の例を示す構成図である。
【図8】未達ジャム発生時の検知方法を示すシーケンスチャートである。
【図9】滞留ジャム発生時の検知方法を示すシーケンスチャートである。
【図10】シート1枚の給紙動作を示す流れ図である。
【図11】給紙直後のリフトアップ動作を示す流れ図である。
【符号の説明】
100 搬送計画サブシステム
101 搬送仕様
102 ルート計画
103 ルート
104 位置
200 搬送実行サブシステム
201 停止位置
202 通過位置
203 動作仕様
204 シート端
205 先端
206 後端
207 搬送中のシート
208 スタンプ
209 ローラ
210 シート
211 クラッチ
212 モータ
213 距離カウンタ
214 距離メータ
300 装置監視サブシステム
301 シート間隔
302 トレイ上のシート
303 予期せぬジャム
304 給紙装置
305 給紙トレイ
306 ジャム
400 搬送検証サブシステム
401 検出要求
402 ジャム検出仕様
403 検出者
405 原稿長検出者
406 未達ジャム検出者
407 滞留ジャム検出者
408 検出されたジャム
Claims (25)
- 一つ以上の搬送ルート上に配置されたシートを移動させるためのアクチュエータと、
前記シートの通過を確認するためのシートセンサとを備えるシート搬送装置を制御するシート搬送制御システムにおいて、
前記シート搬送制御システムを構成するシステム要素がそれぞれ他のシステム要素から独立しているとともに、前記システム要素の間で協調関係が成り立っていることを特徴とするシート搬送制御システム。 - 前記システム要素は、前記搬送ルート内で前記シートに対して施される処理の仕様を示す搬送仕様であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記搬送ルートのマップに対して、どの搬送ルートを通るかを制御するための仕様を示すルート計画であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シート搬送装置における使用可能な搬送ルートのマップを示すルートであることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートが一時停止する位置の仕様を示す停止位置仕様であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートを搬送する過程において、前記シートが通過する位置の仕様を示す通過位置仕様であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートを搬送する過程において、前記シートが一時停止する位置における前記シートの先端または後端に対する次の停止位置への動作の仕様を示す動作仕様であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートの搬送ルートへの給紙が可能であるか否かを判断する判断手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、先行する搬送シートとこれから搬送しようとするシートとの間隔の仕様を示すシート間隔仕様であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記搬送シートの処理状態を制御する制御手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートの移動距離を認識して前記アクチュエータに動作指示を出す動作指示手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートの移動距離を認識して前記アクチュエータに停止指示を出す停止指示手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートの先端または後端の、前記搬送ルート内のある位置からある位置までを移動した距離を測定する距離測定手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートが前記搬送ルートに給紙されてから排紙されるまでの移動過程において、前記シート先端の搬送ルート先頭位置からの現在位置を測定する位置測定手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートに対してスタンプ押印処理をする押印手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記アクチュエータを制御するアクチュエー タ制御手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記アクチュエータを駆動するモータを制御するモータ制御手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記モータからアクチュエータに対する駆動力の伝達のON/OFFを制御する伝達制御手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートのジャムを検出するための仕様を示すジャム検出仕様であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記搬送中のシートに対して異常搬送を検出する異常搬送検出手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記搬送中のシートの長さを検出する長さ検出手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記動作指示手段と、前記停止指示手段と、前記異常検出手段と、前記長さ検出手段との組み合わせの仕様を示す組み合わせ仕様であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、搬送前のシート束が搬送ルートヘの給紙トレイにセットされているか否かを判断する給紙判断手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記搬送ルートへシートを給紙する装置の異常を検出する給紙異常検出手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
- 前記システム要素は、前記シートにジャムが発生した後の対応処理を指示する処理指示手段であることを特徴とする請求項1記載のシート搬送制御システム。
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