JP3876720B2 - キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法に関するもので、特に、いわゆる無収縮プロセスを適用して製造されるキャビティ付き多層セラミック基板において、良好な形態を有するキャビティを実現するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器に対する小型軽量化、多機能化、高信頼性化等の要望に応え得るものとして、多層セラミック基板が提案されかつ実用化されている。また、キャビティが形成された多層セラミック基板も実用化されており、このようなキャビティ付き多層セラミック基板の場合には、キャビティ内に電子部品を収容した状態で実装することができるので、上述のような要望をより十分に満足させることができ、また、多層セラミック基板自身の小型化および低背化をさらに進めることができる。
【0003】
このような多層セラミック基板を製造しようとする場合、導体膜やビアホール導体などの配線導体を形成した複数のセラミックグリーンシートを積層することによって、生の積層体を得、この生の積層体を、プレスした後、焼成する工程が実施され、焼結後の積層体を作製するようにされる。その後、焼結後の積層体の外表面上に、必要に応じて、導体膜をさらに形成し、必要な電子部品を実装すれば、多層セラミック基板が完成される。
【0004】
上述した多層セラミック基板の製造方法において、焼成工程を実施したとき、生の積層体が収縮することは避けられないが、この収縮が特に不均一に生じる場合には、多層セラミック基板における配線の高密度が阻害することになるので、焼成工程の間、積層体に備えるセラミック層の寸法や形状などについての精密な制御技術が求められる。特に、キャビティが形成された生の積層体を焼成する場合には、不均一な収縮がより生じやすく、したがって、このような制御技術の実現がより意義深いものとなる。
【0005】
上述のような焼成時のセラミックの寸法や形状などについての精密な制御を可能とする方法として、いわゆる無収縮プロセスによる多層セラミック基板の製造方法がある。図4を参照して、この無収縮プロセスによる多層セラミック基板の製造方法について説明する。図4には、焼成前の生の複合積層体1が断面図で示されている。なお、図4において、導体膜やビアホール導体のような配線導体の図示は省略されている。
【0006】
図4を参照して、生の複合積層体1は、複数の積層された基板用セラミックグリーン層2をもって構成される生の基板用積層体3と、この生の基板用積層体3を積層方向に挟むように配置される収縮抑制層4とを備えている。
【0007】
生の基板用積層体3には、その一方側が開口端5とされかつ複数の基板用セラミックグリーン層2の厚みに対応する深さを有するキャビティ6が形成されている。
【0008】
また、収縮抑制層4は、基板用セラミックグリーン層2に含まれるセラミック材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含んでいる。収縮抑制層4には、キャビティ6に連通する貫通部7が設けられている。
【0009】
焼成工程は、図4に示すような生の複合積層体1の状態で実施される。焼成工程においては、基板用セラミックグリーン層2に含まれるセラミック材料粉末が焼結する温度条件が付与され、基板用積層体3が焼結する。このとき、収縮抑制層4に含まれる無機材料粉末は実質的に焼結しないため、収縮抑制層4においては実質的な収縮が生じない。したがって、収縮抑制層4による収縮抑制作用が生の基板用積層体3に及ぼされることになり、基板用積層体3にあっては、厚み方向には収縮するが、基板用セラミックグリーン層2の主面方向には収縮が生じにくくなる。その結果、焼結後の基板用積層体の寸法精度を高くでき、配線の高密度化を高い信頼性をもって達成することができる。
【0010】
なお、上述した焼成工程の後、収縮抑制層4は除去され、それによって、焼結後の基板用積層体が取り出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図5は、この発明が解決しようとする課題を説明するためのもので、焼結後の基板用積層体8を断面図で示している。
【0012】
図5に示した基板用積層体8においては、キャビティ6の径方向寸法は、開口端5から離れるに従って、より大きくなっている。すなわち、キャビティ6の断面形状が台形となっている。このような形状のキャビティ6が形成されてしまうのは、次の理由による。
【0013】
図4に示した生の複合積層体1を焼成するとき、収縮抑制層4から基板用積層体3に対して収縮抑制作用が及ぼされるが、この収縮抑制作用は、収縮抑制層4から離れるに従って、すなわち、キャビティ6が設けられた部分について言えば、開口端5から離れるに従って、より弱くなる。そのため、開口端5からより離れた位置では、収縮抑制層4による収縮抑制作用が十分に届かず、そのため、比較的高い度合いの収縮が基板用セラミックグリーン層2において生じてしまう。その結果、図5に示すように、焼結後の基板用積層体8において、キャビティ6の断面形状が台形状となる。
【0014】
このようにキャビティ6の断面形状が台形状となると、キャビティ6内への電子部品の実装工程において支障が生じたり、また、多層セラミック基板を製造するため、複数の基板用積層体8を集合させたマザー状態の基板を用意し、これを分割して複数の多層セラミック基板を得る工程が採用される場合には、分割時において不良を招くことがある。
【0015】
また、キャビティ6の断面形状が台形状となることは、基板用積層体8において、焼成による収縮が均一に生じていないことを意味しており、したがって、配線導体において不所望な変形が生じていることがある。
【0016】
このような問題を解決し得るキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法として、たとえば特開平8−245268号公報に記載されたものがある。この公報に記載された方法では、基本的に、図4に示すような生の複合積層体1を作製した上で焼成工程が実施されるが、キャビティ6内にも、収縮抑制層4と同等の材料からなる収縮抑制層が配置された状態で焼成工程が実施される。
【0017】
したがって、この従来技術によれば、キャビティ6内の収縮抑制層の存在のため、焼結後において、キャビティ6が図5に示すように断面台形状となることを防止できる。
【0018】
しかしながら、この従来技術では、キャビティ6内に収縮抑制層を形成するための工程および焼結後においてキャビティ6内の収縮抑制層を除去する工程が必要であるが、これらの工程は、通常、比較的煩雑な工程となり、また、コストの上昇を招いてしまう。また、キャビティ6の内部に配置された収縮抑制層と基板用セラミックグリーン層2とが、キャビティ6の側面において接着されることがあり、この場合には、焼成工程において、キャビティ6の側面近傍における基板用セラミックグリーン層2の厚み方向の収縮が阻害され、不所望な変形がもたらされる可能性がある。
【0019】
そこで、この発明の目的は、上述したような種々の問題を解決し得る、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法を提供しようとすることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数の積層された基板用セラミックグリーン層をもって構成される生の基板用積層体と、この生の基板用積層体を積層方向に挟むように配置されかつ基板用セラミックグリーン層に含まれるセラミック材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む収縮抑制層とを備え、生の基板用積層体には、その一方側が開口端とされかつ複数の基板用セラミックグリーン層の厚みに対応する深さを有するキャビティが形成されている、生の複合積層体を作製する、複合積層体作製工程と、収縮抑制層による収縮抑制作用を生の基板用積層体に及ぼしながら、生の複合積層体を、基板用セラミックグリーン層に含まれるセラミック材料粉末が焼結する温度条件下で焼成する、焼成工程と、次いで、焼結後の基板用積層体を取り出すため、収縮抑制層を除去する、収縮抑制層除去工程とを備える、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0021】
すなわち、この発明では、生の基板用積層体に形成されるキャビティの径方向寸法は、開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされる。これは、焼成工程における収縮抑制層による収縮抑制作用がより弱まる、開口端からより離れた位置で生じるより高い度合いの収縮に関らず、焼結後の基板用積層体において、キャビティが一様な径方向寸法を与えるようにするためのものである。
【0022】
複合積層体作製工程は、典型的には、基板用セラミックグリーン層となる複数の基板用セラミックグリーンシートを用意する工程と、複数の基板用セラミックグリーンシートの特定のものに、キャビティとなる貫通孔を設ける工程と、収縮抑制層となる複数の無機材料グリーンシートを用意する工程と、複数の基板用セラミックグリーンシートおよび複数の無機材料グリーンシートを所定の順序で積層する工程とを備える。このような複合積層体作製工程の後、生の複合積層体を積層方向にプレスする工程がさらに実施されることが好ましい。
【0023】
また、上述した複合積層体作製工程は、複数の無機材料グリーンシートの特定のものに、キャビティに連通する貫通部を設ける工程をさらに備え、生の複合積層体をプレスする工程は、この貫通部を通してキャビティ内に弾性体を位置させた状態で実施されることが好ましい。
【0024】
生の基板用積層体に形成されるキャビティの径方向寸法を、開口端から離れるに従って、より小さくなるようにするため、キャビティの側面は、階段状に形成されても、テーパ状に形成されてもよい。
【0025】
キャビティの側面が階段状に形成される場合であって、複合積層体作製工程において、前述したように、複数のグリーンシートを積層する工程が採用される場合には、キャビティとなる貫通孔を有する複数のセラミックグリーンシートについては、各基板用セラミックグリーンシートに設けられる貫通孔が互いに異なる径方向寸法を有するようにされることが好ましい。
【0026】
他方、キャビティの側面がテーパ状に形成される場合であって、複合積層体作製工程において、前述したように、複数のグリーンシートを積層する工程が採用される場合には、キャビティとなる貫通孔を有する複数のセラミックグリーンシートについては、各基板用セラミックグリーンシートに設ける貫通孔が互いに異なる径方向寸法を有するとともにその側面がテーパ状となるようにされることが好ましい。
【0027】
上述の場合、キャビティとなる貫通孔を設けるため、複数の基板用セラミックグリーンシートを積層した状態で、貫通孔を、その側面がテーパ状となるように一挙に設けるようにすることがより好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施形態を説明するためのものである。
【0029】
まず、図1(1)に示すように、生の複合積層体11が作製される。生の複合積層体11は、複数の積層された基板用セラミックグリーン層12をもって構成される生の基板用積層体13と、この生の基板用積層体13を積層方向に挟むように配置される収縮抑制層14とを備えている。
【0030】
生の基板用積層体13には、その一方側が開口端15とされかつ複数の基板用セラミックグリーン層12の厚みに対応する深さを有するキャビティ16が形成されている。
【0031】
収縮抑制層14は、基板用セラミックグリーン層12に含まれるセラミック材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含んでいる。
【0032】
より具体的には、基板用セラミックグリーン層12に含まれるセラミック材料粉末としては、セラミック成分とガラス成分とを含有する低温焼結セラミック材料粉末が用いられる。ここで、セラミック成分としては、たとえばアルミナが用いられる。低温焼結セラミック材料粉末に含有されるガラス成分は、当初からガラス粉末として含有されていても、後述する焼成工程においてガラス質を析出するものであってもよい。ガラス成分としては、たとえばホウケイ酸系のものが有利に用いられる。
【0033】
このような低温焼結セラミック材料粉末は、たとえば800〜1000℃程度の温度で焼結する。したがって、収縮抑制層14に含まれる無機材料粉末としては、このような温度では焼結しないものを用いればよい。たとえば、アルミナ、酸化ジルコニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化マグネシウム、炭化ケイ素等の粉末を、この無機材料粉末として用いることができる。
【0034】
なお、図1においては、基板用セラミックグリーン層12に関連して設けられる導体膜やビアホール導体のような配線導体の図示が省略されている。
【0035】
この実施形態では、キャビティ16は、その側面17が階段状に形成されることによって、その径方向寸法が、開口端15から離れるに従って、より小さくなるようにされている。
【0036】
また、収縮抑制層14には、キャビティ16に連通する貫通部18が設けられている。
【0037】
このような生の複合積層体11を作製するため、典型的には、次のような各工程が実施される。
【0038】
まず、基板用セラミックグリーン層12となる複数の基板用セラミックグリーンシートが用意される。基板用セラミックグリーンシートは、セラミック材料粉末に、有機ビヒクルおよびその他の必要な添加剤を添加し、これらを混合することによって、スラリーを作製し、このスラリーをドクターブレード法等によってシート状に成形することによって得ることができる。一例として、基板用セラミックグリーンシートの厚みは、100μm程度とされる。
【0039】
次に、複数の基板用セラミックグリーンシートの特定のものに、キャビティ16となる貫通孔19が設けられる。各基板用セラミックグリーンシートに設けられる貫通孔19は、互いに異なる径方向寸法を有するようにされる。一例として、各貫通孔19は、50μmずつ径方向寸法が異なるようにされる。
【0040】
また、複数の基板用セラミックグリーンシートの特定のものに、配線導体としての導体膜やビアホール導体等が必要に応じて形成される。
【0041】
他方、収縮抑制層14となる複数の無機材料グリーンシートが用意される。無機材料グリーンシートは、基板用セラミックグリーンシートの場合と実質的に同様の方法を適用しながら、無機材料粉末を含むスラリーを作製し、これをドクターブレード法等によってシート状に成形することによって得ることができる。
【0042】
次に、無機材料グリーンシートの特定のものに、貫通部18が設けられる。
【0043】
次に、上述したような複数の基板用セラミックグリーンシートおよび複数の無機材料グリーンシートが、それぞれ、図1(1)に示すような基板用セラミックグリーン層12および収縮抑制層14を与えるように所定の順序で積層される。このとき、基板用セラミックグリーンシートであって、貫通孔19が設けられた基板用セラミックグリーンシートの積層にあたっては、貫通孔19によって与えられるキャビティ16の径方向寸法が、開口端15から離れるに従って、より小さくなるようにされる。
【0044】
なお、基板用セラミックグリーンシートが与える基板用セラミックグリーンシート12が積層された構造を有する生の基板用積層体13を積層方向に挟むように配置される収縮抑制層14となる無機材料グリーンシートは、図1(1)では、上下2枚ずつ積層されているように図示されているが、その積層数は、収縮抑制層14による収縮抑制作用が十分に発揮される限り、任意に増減することができる。
【0045】
生の複合積層体11は、次に、積層方向にプレスされる。このプレス工程では、図1(2)に示すように、弾性体20が用いられ、収縮抑制層14に設けられた貫通部18を通してキャビティ16内に弾性体20が入り込み、それによって、キャビティ16の底面および側面17にまでプレス作用が十分に及ぶようにされる。
【0046】
また、プレス工程において、生の複合積層体11と弾性体20との間に、キャビティ16の開口端15の径方向寸法と実質的に同じかわずかに小さい寸法の貫通孔21を有する剛体板22を配置することが好ましい。この剛体板22によって、生の基板用積層体13におけるキャビティ16の周辺部での不所望な変形を防止することができる。
【0047】
次に、生の複合積層体11は、基板用セラミックグリーン層12に含まれるセラミック材料粉末が焼結する温度条件下で焼成される。そして、図1(3)に示すように、焼結後の基板用積層体23を取り出すため、収縮抑制層14が除去される。
【0048】
上述した焼成工程において、収縮抑制層14に含まれる無機材料粉末は実質的に焼結しないため、収縮抑制層14には実質的な収縮が生じない。したがって、収縮抑制層14による収縮抑制作用が、生の基板用積層体13に及ぼされ、生の基板用積層体13にあっては、焼成工程において、基板用セラミックグリーン層12の厚み方向にのみ収縮が生じ、主面方向への収縮は、収縮抑制層14によって拘束されるため、実質的に生じないようにすることができる。
【0049】
この焼成工程において、収縮抑制層14による収縮抑制作用が生の基板用積層体13に確実に及ぼされるようにするため、生の複合積層体11に対して、積層方向にたとえば10kg/cm2 以下の荷重を加えながら焼成工程を実施してもよい。
【0050】
なお、焼成工程における収縮抑制層14による収縮抑制作用は、生の基板用積層体13におけるキャビティ16の開口端15からより離れるに従って弱まり、そのため、開口端15からより離れた位置でより高い度合いの収縮が生じる可能性がある。
【0051】
これに関して、注目すべきは、この実施形態では、上述のような開口端15からより離れた位置で生じるより高い度合いの収縮に関らず、図1(3)に示すように、焼結後の基板用積層体23において、キャビティ16が一様な径方向寸法を与えることが可能なように、図1(1)に示すように、生の基板用積層体13に形成されるキャビティ16の径方向寸法が、開口端15から離れるに従って、より小さくなるようにされている。
【0052】
このようなことから、焼結後の基板用積層体23に形成されるキャビティ16は、一様な径方向寸法を与えるようにすることができる。
【0053】
このように、焼結後の基板用積層体23が得られた後、必要に応じて、外部導体膜が形成され、キャビティ16内および/または外表面上に電子部品が実装されることによって、目的とするキャビティ付き多層セラミック基板が完成される。
【0054】
図2は、この発明の第2の実施形態を説明するためのものである。図2において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0055】
この第2の実施形態では、図2(2)に示すように、生の複合積層体11aに備える生の基板用積層体13aに形成されるキャビティ16aは、その側面17aがテーパ状に形成され、それによって、キャビティ16aの径方向寸法が、開口端15から離れるに従って、より小さくなるようにされている。
【0056】
このようなキャビティ16aが形成された生の基板用積層体13aを得るため、基板用セラミックグリーン層12となる基板用セラミックグリーンシートのうち、キャビティ16aとなる貫通孔が設けられた基板用セラミックグリーンシートについては、図2(1)に示すような態様で貫通孔が設けられる。
【0057】
すなわち、図2(1)に示すように、基板用セラミックグリーンシート26の各々に設けられる貫通孔19aは、互いに異なる径方向寸法を有するとともにその側面がテーパ状となるようにされる。この貫通孔19aの側面におけるテーパは、キャビティ16aの側面17aにおけるテーパに対応するものである。
【0058】
上述のように側面がテーパ状とされた貫通孔19aは、たとえばレーザ加工を適用すれば、容易にこれを形成することができる。
【0059】
図2では図示しないが、生の複合積層体11aを焼成し、収縮抑制層14を除去することによって得られた焼結後の基板用積層体において、キャビティ16aは、前述した第1の実施形態の場合と比較して、より平滑な側面17aを与えることができる。
【0060】
図3は、この発明の第3の実施形態を説明するためのものである。図3において、図1または図2に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0061】
この第3の実施形態においても、図3(3)に示すように、生の複合積層体11bに備える生の基板用積層体13aに形成されるキャビティ16aは、その側面17aがテーパ状に形成されることによって、その径方向寸法が、開口端15から離れるに従って、より小さくなるようにされている。
【0062】
このような形態のキャビティ16aを形成するため、この実施形態では、図3(1)に示すように、基板用セラミックグリーン層12のうち、キャビティ16aが形成される基板用セラミックグリーン層12となる複数の基板用セラミックグリーンシート26が積層される。
【0063】
そして、図3(2)に示すように、各基板用セラミックグリーンシート26に設けられるべき貫通孔19aが、一挙に形成される。このとき、たとえばレーザ加工を適用して、各貫通孔19aの側面がテーパ状となり、したがって、テーパ状の側面17aを有するキャビティ16aが形成される。
【0064】
この図3に示した実施形態では、キャビティ16aを形成する前に、図3(1)に示すように、基板用セラミックグリーンシート26上に収縮抑制層14が予め積層され、収縮抑制層14に設けるべき貫通部18も、キャビティ16aの形成と同時に形成される。そのため、貫通部18も、その側面がテーパ状にされているが、このことは本質的なことではない。
【0065】
なお、収縮抑制層14に設けるべき貫通部18は、前述した第1の実施形態の場合と同様、収縮抑制層14の積層前の段階で形成してもよい。
【0066】
次に、残りの基板用セラミックグリーン層12となる基板用セラミックグリーンシートが積層され、かつ残りの収縮抑制層14が積層されることによって、図3(3)に示すような生の複合積層体11bが得られる。
【0067】
この第3の実施形態によれば、キャビティ16aとなる貫通孔19aを複数の基板用セラミックグリーンシート26に設ける工程を能率的に進めることができるとともに、複数の基板用セラミックグリーンシート26の積層工程において、各基板用セラミックグリーンシート26に設けられた貫通孔19aを位置合わせする必要がない。
【0068】
以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他、種々の変形例が可能である。
【0069】
たとえば、図示した実施形態における生の基板用積層体13または13aにおける基板用セラミックグリーン層12の積層数や、キャビティ16または16aの位置、大きさおよび数等については、得ようとするキャビティ付き多層セラミック基板の設計に応じて任意に変更することができる。
【0070】
また、前述した実施形態では、生の複合積層体11、11aまたは11bを作製するため、基本的に、グリーンシートを予め作製し、これらグリーンシートを積層する方法を採用したが、これに代えて、たとえば、基板用セラミックグリーン層12および/または収縮抑制層14を印刷工程によって形成し、このような印刷工程を繰り返すことによって、生の複合積層体11、11aまたは11bを得るようにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、生の基板用積層体に形成されるキャビティの径方向寸法が、キャビティの開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされ、それによって、焼成工程における収縮抑制層による収縮抑制作用がより弱まる、開口端からより離れた位置で生じるより高い度合いの収縮に関らず、焼結後の基板用積層体において、キャビティが一様な径方向寸法を与えるようにされるので、キャビティにおいて断面台形状等の不所望な変形のないキャビティ付き多層セラミック基板を容易かつ安価に得ることができる。
【0072】
したがって、キャビティ付き多層セラミック基板に備える基板用積層体を得るため、複数の基板用積層体が集合されたマザー状態の積層体から分割する工程が実施される場合、このような分割工程において、キャビティの不所望な変形のため、不良品がもたらされる問題を回避することができる。
【0073】
また、キャビティの不所望な変形のために生じ得るキャビティ内への電子部品の実装不良の問題も回避することができる。また、キャビティの不所望な変形による焼成における不均一な収縮を生じにくくすることができ、したがって、配線導体における不所望な変形も生じにくくすることができる。
【0074】
この発明において、生の基板用積層体に形成されるキャビティの側面が階段状に形成され、それによって、キャビティの径方向寸法が、開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされると、たとえば、基板用セラミックグリーン層となるセラミックグリーンシートに、キャビティとなる貫通孔を設けるにあたって、各基板用セラミックグリーンシートに設けられる貫通孔が互いに異なる径方向寸法を有するようにするだけで、キャビティに対して所望の形態を与えることができる。
【0075】
他方、生の基板用積層体に形成されるキャビティの側面がテーパ状に形成され、それによって、キャビティの径方向寸法が、開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされると、焼結後の基板用積層体において、キャビティの側面をより平滑にすることができる。
【0076】
上述の場合、複数の基板用セラミックグリーンシートを積層した状態で、貫通孔を、その側面がテーパ状となるように一挙に設けるようにすれば、キャビティとなる貫通孔を設ける工程の能率化を図ることができるとともに、複数の基板用セラミックグリーンシートの積層工程において、貫通孔相互の位置合わせを不要にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によるキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法を説明するためのもので、この製造方法に含まれる代表的な工程を示す断面図である。
【図2】この発明の第2の実施形態によるキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法を説明するためのもので、この製造方法に含まれる特徴的工程を示す断面図である。
【図3】この発明の第3の実施形態によるキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法を説明するためのもので、この製造方法に含まれる特徴的工程を示す断面図である。
【図4】従来の製造方法を実施してキャビティ付き多層セラミック基板を製造する途中の段階で得られる生の複合積層体1を示す断面図である。
【図5】この発明が解決しようとする課題を説明するためのもので、図4に示した生の複合積層体1を焼成する工程を経て得られた焼結後の基板用積層体8を示す断面図である。
【符号の説明】
11,11a,11b 生の複合積層体
12 基板用セラミックグリーン層
13,13a 生の基板用積層体
14 収縮抑制層
15 開口端
16,16a キャビティ
17,17a 側面
18 貫通部
19,19a 貫通孔
20 弾性体
23 焼結後の基板用積層体
26 基板用セラミックグリーンシート

Claims (8)

  1. 複数の積層された基板用セラミックグリーン層をもって構成される生の基板用積層体と、前記生の基板用積層体を積層方向に挟むように配置されかつ前記基板用セラミックグリーン層に含まれるセラミック材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む収縮抑制層とを備え、前記生の基板用積層体には、その一方側が開口端とされかつ複数の前記基板用セラミックグリーン層の厚みに対応する深さを有するキャビティが形成されている、生の複合積層体を作製する、複合積層体作製工程と、
    前記収縮抑制層による収縮抑制作用を前記生の基板用積層体に及ぼしながら、前記生の複合積層体を、前記基板用セラミックグリーン層に含まれるセラミック材料粉末が焼結する温度条件下で焼成する、焼成工程と、次いで、
    焼結後の基板用積層体を取り出すため、前記収縮抑制層を除去する、収縮抑制層除去工程と
    を備え、
    前記生の基板用積層体に形成される前記キャビティの径方向寸法は、前記開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされ、それによって、前記焼成工程における前記収縮抑制層による収縮抑制作用がより弱まる、前記開口端からより離れた位置で生じるより高い度合いの収縮に関わらず、前記焼結後の基板用積層体において、前記キャビティが一様な径方向寸法を与えるようにされることを特徴とする、キャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
  2. 前記複合積層体作製工程は、前記基板用セラミックグリーン層となる複数の基板用セラミックグリーンシートを用意する工程と、複数の前記基板用セラミックグリーンシートの特定のものに、前記キャビティとなる貫通孔を設ける工程と、前記収縮抑制層となる複数の無機材料グリーンシートを用意する工程と、複数の前記基板用セラミックグリーンシートおよび複数の前記無機材料グリーンシートを所定の順序で積層する工程とを備え、前記複合積層体作製工程の後、前記生の複合積層体を積層方向にプレスする工程をさらに備える、請求項1に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
  3. 前記複合積層体作製工程は、複数の前記無機材料グリーンシートの特定のものに、前記キャビティに連通する貫通部を設ける工程をさらに備え、前記生の複合積層体をプレスする工程は、前記貫通部を通して前記キャビティ内に弾性体を位置させた状態で実施される、請求項2に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
  4. 前記生の基板用積層体に形成される前記キャビティは、その側面が階段状に形成されることによって、その径方向寸法が、前記開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされる、請求項1ないし3のいずれかに記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
  5. 前記生の基板用積層体に形成される前記キャビティは、その側面が階段状に形成されることによって、その径方向寸法が、前記開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされ、前記キャビティとなる貫通孔を設ける工程において、各前記基板用セラミックグリーンシートに設けられる前記貫通孔が互いに異なる径方向寸法を有するようにされる、請求項2または3に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
  6. 前記生の基板用積層体に形成される前記キャビティは、その側面がテーパ状に形成されることによって、その径方向寸法が、前記開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされる、請求項1ないし3のいずれかに記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
  7. 前記生の基板用積層体に形成される前記キャビティは、その側面がテーパ状に形成されることによって、その径方向寸法が、前記開口端から離れるに従って、より小さくなるようにされ、前記キャビティとなる貫通孔を設ける工程において、各前記基板用セラミックグリーンシートに設けられる前記貫通孔が互いに異なる径方向寸法を有するとともにその側面がテーパ状となるようにされる、請求項2または3に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
  8. 前記キャビティとなる貫通孔を設ける工程は、複数の前記基板用セラミックグリーンシートを積層した状態で、前記貫通孔を、その側面がテーパ状となるように一挙に設ける工程を備える、請求項7に記載のキャビティ付き多層セラミック基板の製造方法。
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