JP3876036B2 - 脱着機能付足首部緊締体を備えた靴 - Google Patents
脱着機能付足首部緊締体を備えた靴 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は脱着機能付足首部緊締体を備えた靴に関し、個々の人の足首部に合わせた良好な保持性を達成すると共に、連結緊締ベルトを締緩して着脱を自在とし取扱いの簡便化を図り得る足首部緊締体を備えた靴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の靴は一般に、靴底であるソ−ル部と、足の胛を覆う胛被部と、足に対す胛被部のフィット状態を調整する締め具を備えており、靴の締め具は足の胛部及び踵部を適切に固定して靴を足にフィットさせると共に適宜調整し得ることが必要であり、特に運動靴では高いフィット性が要求され、足の踵部及び足首を固定することが重要である。
【0003】
従来、靴紐による締付け以外の緊締具としては、例えば特開平6−217806号には踵補強部に配置されるアジャスタ等により足を部分的に固定する靴の締め具、また、特開平6−304003号には足首部に締着してアキレス腱の損傷を防止し、別体として脱着できる保護カバ−、特開平5−237005号には足の良好な保護性の機能を使用目的に応じて選択できる着脱式の内部甲被部材を備えた靴等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に運動靴では、高いフィット性が要求され、足の踵部領域及び足首部を固定することが重要であり、また、個々人の足に合わせた良好な保持性ならびに足首部に合わせた快適性およびその横断方向におけるホ−ルド性、締め付ける際の張力の分散が均等となること、さらに取扱の簡便性ならびにスポ−ツ靴またはカジュアルシュ−ズ等の靴では、履用者の趣味、個性の多様化の流れからも外観デザイン、ファッション性が要求される。
【0005】
例えば、特開平7−124002号では、甲バンドに係止具を挿通し環及び調節環を通してジグザグ状に配し締結及び解錠をワンタッチバックルで容易とする靴甲被の締結方法では、靴の着脱が老人も子供でも簡単にできるが、外観上もジグザグ状に甲バンドが配された構成である。また、特開平6−327505号等でも、伝統的に靴紐装置として、一本の取り外し自在の靴紐は通常チョウ結びで結ばれ靴の靴紐領域を引き寄せ、靴を履用者の足にフィットさせる従来一般的に見慣れた靴紐及び鳩目等が排除され視認されない靴として改良したファスナ−手段であるが、締締機能などの追求に偏向した嫌いがあり外観上違和感がある。
さらに、前記特開平6−304003号では、アキレス腱保護カバ−本体および連結されて踵部に掛けられる踵装着部が組み合わされ確実に足首部に締着でききるが、アキレス腱の損傷防止のため足首箇所に嵩高に巻着された別体として製造された保護カバ−の構成で、構造が複雑となり重量も増加する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、足の出し入れを可能ならしめる靴本体の履口部を有する胴部前面上部に形成された舌革部を両側から覆うように靴本体と一体に形成された前胛部と、該前胛部の対向縁部に対に設けられた鳩目に挿通されて前胛部の締め付け又は弛緩を行なう靴紐を有する靴において、前記胴部より足首部の位置するアウトカウンタ−にわたり略水平方向に周接せしめ、内胛および外胛のいずれかの係留箇所に設けた係止孔に挿通して緊締状態で引張係止されてなる連結緊締ベルトを配設し、該連結緊締ベルトは少なくともその両端はそれぞれ鳩目を挿通しない左右両側の上段部位の靴紐に連結繋留状態として延設し、かつ足首部の近傍位置に対向して面ファスナ−を挿通環に挿通し折返し状態とし、一方に巻着用雌面ファスナ−、他方に止着用雄面ファスナ−を設け脱着可能とした連結緊締ベルトにより締縛弛緩の調節を自在にした構成からなることを特徴とする脱着機能付足首部緊締体を備えた靴を提供することを目的とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係る脱着機能付足首部緊締体を備えた靴は、(1)靴本体の履口部、舌革部を覆う胴部ならびに前胛部と、鳩目に挿通し前胛部の締め付け又は弛緩を行なう靴紐を有する靴において、(2)胴部より足首部の位置するアウトカウンタ−にわたり略水平方向に周接せしめ、内胛及び外胛のいずれかの係留箇所に設けた係止孔に挿通して緊締状態で引張係止されてなる連結緊締ベルトを配設し、(3)該連結緊締ベルトは少なくともその両端はそれぞれ鳩目を挿通しない左右両側の上段部位の靴紐に連結繋留状態として延設し、(4)かつ足首部の近傍位置に対向して面ファスナ−を挿通環に挿通し折返し状態とし、(5)一方に巻着用雌面ファスナ−、他方に止着用雄面ファスナ−を設け脱着可能とした連結緊締ベルトにより締縛弛緩の調節を自在にした構成からなる脱着機能付足首部緊締体となっている。
【0008】
従って、本発明の脱着機能付足首部緊締体を備えた靴によれば、(1)靴の足首部の位置するアウトカウンタ−にわたり略水平方向に周接せしめた連結緊締ベルトの締締或いは弛緩により、個々人の足首部の形状に応じて調節自在で、正確な位置で簡単に緊締でき、かつ操作も簡便、確実に良好なフィット性が得られるように働く。(2)横方向の連結緊締ベルトの操作は、履用者の足首部の位置する靴のアウトカウンタ−の当接箇所の近傍に配置した挿通環に挿通し折返し状態とした面ファスナ−を重層係合せしめる手段のため、確実に足首部の締め付け程度を感じ取り易く微調整が可能であり、かつ全体に均等に緊締状態が分散されて足首部のホ−ルド感の向上に寄与するように働く。(3)足首部緊締体は、別体として必要に応じて任意に装着又は取り外しでき、操作も簡便で、例えば手袋をはめたような状態或いは片手のみで自分の足首部に合わせたフィット性に調節できるように働く。(4)また、該足首部緊締体は、所望の張力で締緩の調節が自在で、かつ靴本体の胴部とは完全に分離している為、足の運びで一般に外方に向かう軽度の傾斜を伴う靴のアウトカウンタ−において、遊離状態での自由により靴の履用上の快適性を向上させるように働く。(5)また、本発明に係る靴では外観上も、その自由な作業端は通常チョウ結びで結ばれて靴紐領域を引き寄せる靴紐ならびに鳩目を視認できる構成の為、見慣れた伝統的な靴紐を使用する靴と違和感がないように働く。(6)該連結緊締ベルトを、胛部と同じ色調のカラ−リングを施し一体感を付与した構成とするか、或いは種々のカラ−リングを施すことによりファッション性、外観を向上せしめ、デザインの異なる靴を趣味感に応じて自在に得ることができるように働く。
【0009】
【実施例】
以下、図面にもとづき本発明の実施例を具体的に説明する。
図1は本発明に係る靴の一実施例を示す外胛側の要部説明側面図、図2は内胛側よりの要部説明側面図である。
図1および図2に示した実施例に係る足首部緊締体を備えた靴について説明すると、靴本体1は、靴底であるソ−ル部3と、履口部19を有する胴部8並びに履口部19に隣接して前面上部に形成された舌革部20を両側から覆うように靴本体1と一体に形成された前胛部21の対向縁部に対に設けられた鳩目7に挿通されて前胛部21の締め付け又は弛緩を行なう靴紐6を有し、該靴紐6及び鳩目7は足の胛を覆う外胛4及び内胛5と履口部19と連接する胴部8のフィット状態を調整する伝統的な靴紐及び鳩目を備えた靴の構成となっている。
【0010】
本発明に係る足首部緊締体を備えた靴の構成及び機能について以下説明する。図1および図2、図3に示すように、本発明に係る足首部緊締体2は、連結緊締ベルト12からなり、該連結緊締ベルト12のそれぞれの自由端17は、端部に設けたル−プ環18に、上段部位の鳩目7を挿通せしめず該鳩目7を外した靴紐6を挿通状態とし繋留せしめた構成とする。
【0011】
連結緊締ベルト12は、上記のようにそれぞれの自由端17を鳩目7に挿通しない左右両側の上段部での鳩目7を外した靴紐6を、ル−プ環18に挿通し繋留状態として延設すると共に、該足首部9の近傍位置のアウトカウンタ−10に対向して面ファスナ−13を挿通環14に挿通し折返し状態とし、一方に巻着用雌面ファスナ−15、他方に止着用雄面ファスナ−16を設け脱着可能に締締弛緩の調節を自在にした構成とする。
【0012】
また、該連結緊締ベルト12は、図1および図2に示すとおり、胴部8より足首部9の位置するアウトカウンタ−10にわたり略水平方向に周接せしめ、靴本体1の胴部8とは完全に分離した配置構成である為、足の運び動作の際、該連結緊締ベルト12をやや下降させるか、或いは靴の長手方向において前後撓曲性を付与せしめるか、さらに足首部9の締め付け位置又は高さを少許変える微調整を可能とする。さらに、外胛4および内胛5のいずれか係留箇所として設けた係止孔11にに挿通して緊締状態で引張係止されてなる連結緊締ベルト12が配設された構成となっている。
【0013】
図3は本発明に係る足首部緊締体の連結緊締ベルトの使用状態を示す説明斜視図であり、該連結緊締ベルト12において、前記胴部8より足首部9の位置するアウトカウンタ−10にわたり略水平方向に周接せしめ引張係止されており、該連結緊締ベルト12は、該足首部9の近傍位置に対向して面ファスナ−13を挿通環14に挿通し折返し状態とし、一方に巻着用雌面ファスナ−15、他方に止着用雄面ファスナ−16を設け脱着可能とし、締縛弛緩の調節を自在にした脱着機能付足首部緊締体を備えた靴の構成となっている。
【0014】
以上のように本発明の一実施例を示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない変更等は、本発明の範囲に含まれる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は上記のような構成からなり、下記の示すような効果を奏する。
(1)本発明の足首部緊締体では、足首部での締縛弛緩の調節自在な機能により個々人の足首部への靴のフィット性を良好とし、正確な位置で簡単に緊締でき、特に足首部のホ−ルド感が一段と増加して足首部に密着保持させることができるため、靴内での足の滑りが防止される。
(2)横方向の緊締連結ベルトは、靴紐による締締と独立して締緩の調節機能を有し、かつ該ベルトは操作上も締め付け程度を感じ取り易く締め感の強弱等の微調整が容易であると共に、均等に力が分散されて足首部のホ−ルド感、並びに各個人の足首部に合った快適性の向上せしめ、足首全体につき固定と締締を調和させながら締付けを行なうことを可能とする。
(3)本発明に係る靴は、利用上も伝統的な靴紐及び鳩目等を備えた外観の為、靴紐締め手段の代わりに胛部全体を覆うファスナ−ベルト等とは違って違和感がない。また、連結緊締ベルトは軽量で嵩張らずスマ−トな構成であると共に、該ベルトを胛部と同じ色調のカラ−リングを施し一体感を付与した構成、或いは種々のカラ−バリエ−ションを実現できてファッション性を向上せしめ、デザインの異なる靴を趣味感に応じて自在に得ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る靴の一実施例を示す外胛側の要部説明側面図である。
【図2】本発明に係る靴の内胛側よりの要部説明側面図である。
【図3】本発明の足首部緊締体の連結緊締ベルトの使用状態を示す説明斜視図である。
【符号の説明】
1 靴本体
2 足首部緊締体
3 ソ−ル部
4 外胛
5 内胛
6 靴紐
7 鳩目
8 胴部
9 足首部
10 アウトカウンタ−
11 係止孔
12 連結緊締ベルト
13 面ファスナ−
14 挿通環
15 巻着用雌面ファスナ−
16 止着用雄面ファスナ−
17 自由端
18 ル−プ環
19 履口部
20 舌革部
21 前胛部
Claims (1)
- 足の出し入れを可能ならしめる靴本体の履口部を有する胴部並びに履口部に隣接して前面上部に形成された舌革部を両側から覆うように靴本体と一体に形成された前胛部と、該前胛部の対向縁部に対に設けられた鳩目に挿通されて前胛部の締め付け又は弛緩を行なう靴紐を有する靴において、前記胴部より足首部の位置するアウトカウンタ−にわたり略水平方向に周接せしめ、内胛および外胛のいずれかの係留箇所に設けた係止孔に挿通して緊締状態で引張係止されてなる連結緊締ベルトを配設し、該連結緊締ベルトは少なくともその両端はそれぞれ鳩目を挿通しない左右両側の上段部位の靴紐に連結繋留状態として延設し、かつ該足首部の近傍位置に対向して面ファスナ−を挿通環に挿通し折返し状態とし、一方に巻着用雌面ファスナ−、他方に止着用雄面ファスナ−を設け脱着可能とした連結緊締ベルトにより締縛弛緩の調節を自在にした構成からなることを特徴とする脱着機能付足首部緊締体を備えた靴。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP05695197A JP3876036B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 脱着機能付足首部緊締体を備えた靴 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP05695197A JP3876036B2 (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 脱着機能付足首部緊締体を備えた靴 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10234424A JPH10234424A (ja) | 1998-09-08 |
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1997
- 1997-02-24 JP JP05695197A patent/JP3876036B2/ja not_active Expired - Fee Related
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