JPH0638608U

JPH0638608U - 運動靴

Info

Publication number: JPH0638608U
Application number: JP8132992U
Authority: JP
Inventors: 祐介加藤; 康之助西島
Original assignee: Mizuno Corp
Current assignee: Mizuno Corp
Priority date: 1992-10-29
Filing date: 1992-10-29
Publication date: 1994-05-24

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、弾性を有する合成樹脂等で形成さ
れたネット状締め付け具を用いることにより、締め付け
調節が機能的かつ容易に行える運動靴を提供することを
目的とする。【構成】本考案の運動靴は、適宜材料から形成される
甲被１の甲部上面に弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ、２
Ｂを展伸配置し、該弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ、２
Ｂの内甲側端部３及び外甲側端部４をそれぞれ靴側面部
に止着させた構成からなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、弾性樹脂等で形成されたネット状締め付け機構により、締め付け調節が機能的、かつ容易に行える運動靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より運動靴はさまざまな締め付け機構を有するものが公知であるが、大半が金属製若しくは合成樹脂製鳩目に、綿製若しくは合成繊維製の靴紐を通し、締め付けるもの、あるいは甲被にベルトと環状部材で甲部を締め付けるものであった。靴紐やベルトも伸縮性を持たないものや、伸縮性を有するものなど様々なものが開示されている。また、実開平１−１５３１０１号で開示されているように両端に輪を有する帯片をボタン状部材を用いて靴の鳩目穴に係止した構成からなり、前記帯片をはずすことなく着脱することができる靴や、実開平２−７９８０９号で開示されているようにゴム材料で形成された複数個の無端枠体を縦列接続した伸縮性靴紐を、鳩目穴に螺着した取付鋲に伸縮性靴ひもを係止した構成からなり、ゴムの弾性を利用し紐をはずすことなく靴を着脱することができる靴も公知となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来から知られている靴紐で緊締する靴は、履く時には靴紐を解き、履口を押し広げて足を入れ、再び締め上げて結ばなければならず、脱ぐ時には靴紐を解き甲被を押し開いて靴紐をゆるめなければならない煩わしさがあった。また、靴を足にフィットさせるために靴紐の締め付け張力を調節する際、鳩目部分の全体にわたって、靴紐をつま先付近から順次足首方向へ締め上げたり、逆に足首付近からつま先方向へ順次ゆるめたりしなければならなかった。特にデリケートなフィッティングを要求するトップアスリートに於ては、つま先付近はゆるめに、足首付近は強めに、といったように一連の緊締具の中で締め付け張力を変えて使用する選手もいる。しかし、競技前に慎重にフィッティングを調節した靴であっても、競技中、靴紐にかかる張力によって、強く締めた部分はゆるみ、ゆるく締めたところは締まってしまったり、靴紐が解けてしまいデリケートなフィッティングが損なわれるという不都合があった。

【０００４】更に、靴紐を用いた靴は紐を締め上げた際、張力が鳩目穴や鳩目飾縫着部付近に集中し、足甲部に靴擦れを生じるなど支障をきたしたり、長年の使用により張力集中部分が破れたりすることもあった。デザイン上の観点からも、靴紐を用いた場合靴の甲部には必ず鳩目穴を有する緊締部分を設けなければならず制約を受けていた。

【０００５】甲部付近にベルトと環状部材を設け、環状部材に該ベルトを挿通して緊締する靴はベルトの止着に面ファスナーなどが用いられ着脱性は向上した。しかし、ベルトを用いて緊締する靴は幅の限られたベルトで構成されているため、ある一定方向の限られた範囲でしか締め付け張力を調節することができず、また、足首付近からつま先部にかけて不連続的に締め付けるため足へのフィッティングは良くなかった。

【０００６】実開平１−１５３１０１号公報や実開平２−７９８０９号公報等に開示されている弾性部材を用いた緊締具は、在来の靴に設けられた鳩目穴を利用し、該鳩目穴に弾性部材を係止したものであった。しかして、これらの方法を採るものは螺子やボタンを用いて弾性部材を内外鳩目飾に係止したものであり、その作用効果は弾性部材の持つ伸縮性を利用して、靴の着脱を簡便ならしめるものに過ぎなかった。本考案は、上記のような従来技術の欠点を解消するために考案されたものであり、着脱の容易性、フィット性、通気性に富み、使用者の個人差や競技種目に応じて設計の自由度の高い運動靴を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の運動靴は、本底、甲被及び弾性樹脂製ネット状締付具等からなり、甲被に靴底を接着し、甲部上面に弾性樹脂製ネット状締付具を展伸配置し、該弾性樹脂製ネット状締付具の内甲側端部及び外甲側端部をそれぞれ靴内甲側面部及び靴内甲側面部に任意手段により止着した構成からなる。甲被の素材としては、適度な伸縮性と通気性を有するナイロン等の合成繊維の生地と、補強部材として天然皮革や合成皮革等を適宜組み合わせたものが使用される。甲被の形状は、従来の運動靴と同様にベロを有するものでも良いが、足へのフィット性を考慮して袋状のものが好適である。本底は、素材、形状とも何ら限定されるものではなく、耐摩耗性、反発性、衝撃吸収性などを有する部材を積層接着したものなど任意の本底が使用される。弾性樹脂性ネット状締付具の素材として、ポリウレタン樹脂やブタジエンゴム等、適度な弾性を有する合成樹脂若しくは合成ゴム、天然ゴム、エラストマー等が使用される。弾性樹脂製ネット状締付具の形状は、靴の甲部上面を包囲するネット状であり展伸した状態で靴の内甲側面部及び外甲側面部で止着される。該弾性樹脂製ネット状締付具は締め付け張力を部分的に変化させるために、ネットの太さを部分的に変化させたものを使用することも可能である。また、同じ目的でネットの網目の密度を部分的に変化させたものや、網目の大きさを部分的に変化させたものを使用することも可能である。該弾性樹脂製ネット状締付具の止着方法としては、内甲側端部及び外甲側端部をそれぞれ靴の内甲側面部及び外甲側面部で縫着する方法や、内甲側端部は靴内甲側面部に縫着し外甲側端部は靴外甲側面部に設けた着脱及び張力の調節が自在である係止具を介して止着する方法や、内甲側端部は着脱自在である係止具を、外甲側端部には着脱及び張力の調節が自在である係止具を介して止着する方法がある。

【０００８】

【作用】

本考案の運動靴は、甲被が適度の伸縮性を有する素材で形成され、甲部上面から弾性樹脂製ネット状締付具により、足全体を締め付けられているため、張力を分散させることができる。また、全体にストレッチ性を持たせることができるため力のかかり具合によってフィット感が変わる。該弾性樹脂製ネット状締付具を止着するために着脱自在な係止具を用いた場合締め付け動作が容易に行える上に、内外両端部に係止具を介して係止した場合には、前記弾性樹脂製ネット状締付具が取りはずし可能となる。該弾性樹脂製ネット状締付具のネットの太さ、網目の大きさ、網目の密度を部分的に変化させることにより、足を締め付ける張力を部分的に変化させることができる。なお、甲被に通気性の良い伸縮性素材を用いて形成された場合、該弾性樹脂製ネット状締付具の網目を通して良好な通気性が得られる。

【０００９】

【実施例】

本考案に係る運動靴の実施例を図面に基づいて説明する。図１に示すように伸縮性生地を甲被材として用いた袋状甲被１の甲部上面に図２に示す弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ、及び図３に示す弾性樹脂性ネット状締付具２Ｂとを配置し、それぞれ内甲端部３を運動靴の甲被内甲側面に縫着する。弾性樹脂製ネット状締付具２Ａの外甲側端部４には着脱自在の係止具５が取り付けられている。弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂの外甲側端部４の一部は運動靴の甲被外甲側面に縫着され、一部には前記係止具５が取り付けられている。

【００１０】使用者は、本考案に係る運動靴を履くときに係止具５をはずし、履口から足を挿入した後、係止具５を止着具６に係止する。係止具５は止着具６に設置した鉤状部材を係止具５に設けた透孔に引っ掛けるものや、ボタンホック状のもの、バックル状のものでも良い。使用者は、係止具５により弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ、及び弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂの張力を調節することができ、良好なフィット感を得ることができる。その他の実施例として、前記弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂを図４乃至図５に示すようにネットの太さや網目の大きさ、網目の密度を変化させたものを使用することにより、足を締め付ける張力を部分的に変化させることができる。また、図には示していないが弾性樹脂製ネット状締付具２Ａについても同様に足を締めつける張力を変化させる目的で、網目の大きさや網目の密度、網目の形状等を変化させることができる。

【００１１】更に、弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ、及び弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂの止着方法を変えることにより、異なった機能を有する運動靴を提供することができる。たとえば、弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ、及び弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂの外甲側端部４に係止具５を取り付けずに甲被外甲側面部に縫着することもできる。この場合使用者は甲被、及び弾性樹脂製ネット状締付具の弾性を利用して履くことができる。また、弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ、及び弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂの内甲側端部３、及び外甲側端部４を縫着せずに係止具５を用いて係止することもできる。この場合、係止具５をすべてはずすことにより、弾性樹脂製ネット状締付具２Ａ，及び弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂが取りはずし可能となり、弾性樹脂製ネット状締付具を異なる形状のものと交換することができる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の運動靴は上記のような構成からなるので、従来のように運動靴を履いたり脱いだりする時に、その都度靴紐を解いたり結んだりする煩雑さから解放される。また、伸縮性生地からなる甲被と弾性樹脂製ネット状締付具の作用により足全体が包み込むように緊締され、従来の運動靴に無い良好なフィット感が得られる。実際、使用中の運動靴には様々な力がかかるが、本考案の運動靴は適度な弾性をもって足全体を包み込むように緊締しているので、力のかかり方によって適度なフィット感を維持し続けることができ、足の故障を防止することができる。

【００１３】本考案の運動靴に使用される弾性樹脂製ネット状締付具は、その形状、材質、止着方法を運動靴の用途に応じて決めることができる。例えば、マラソンや長距離種目用のランニングシューズにおいては、靴紐のつま先に近い部分を足首に近い部分より比較的ゆるく緊締して使用するのが一般的である。しかし、従来の靴紐では競技前に締め付けの強さを調節しても競技中に靴紐が滑ってしまい締め付けの強さが変わってくるという不都合があったが、本考案の運動靴においては、弾性樹脂製ネット状締付具のネットの太さや網目の密度を部分的に変化させることにより、目的とする張力で締め付けることができ、しかも締め付けの強さが変化したり、靴紐が解けるといった不都合が解消される。

【００１４】反対に、短距離用のランニングシューズにおいては、足全体をしっかりと固定しなければならないが、そのためにネットを太くしたり、網目の密度の高い弾性樹脂製ネット状締付具を使用することにより強い締め付け力が得られる。しかも競技終了後は、ワンタッチで係止具をはずし、強い締め付け力から解放されることにより、普通の歩行にも支障を来すことは無い。

【００１５】更に、本考案の運動靴は通気性を有する伸縮性生地からなる甲被上面をネット状の締付具で緊締する構成よりなるため、従来の靴紐を用いた運動靴に比較して格段の通気性を持ち、運動中の発汗からくる靴内の蒸れを軽減する効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る運動靴を斜視図に表したものであ
る。

【図２】弾性樹脂製ネット状締付具の一つを平面図に表
したものである。

【図３】弾性樹脂製ネット状締付具の一つを平面図に表
したものである。

【図４】ネットの太さや網目の密度を部分的に変化させ
た弾性樹脂製ネット状締付具を平面図に表したものであ
る。

【図５】網目の大きさや形状を部分的に変化させた弾性
樹脂製ネット状締付具を平面図に表したものである。

【符号の説明】

１甲被２Ａ弾性樹脂製ネット状締付具２Ｂ弾性樹脂製ネット状締付具３内甲側端部４外甲側端部５係止具６止着具

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】運動靴において、甲部上面に弾性樹脂製
ネット状締付具を展伸配置し、該弾性樹脂製ネット状締
付具の内甲側端部及び外甲側端部を靴側面部に任意手段
により止着したことを特徴とする運動靴。
【請求項２】前記弾性樹脂製ネット状締付具の内甲側
端部及び外甲側端部を靴側面部に縫着したことを特徴と
する請求項１記載の運動靴
【請求項３】前記弾性樹脂製ネット状締付具の内甲側
端部を靴内甲側面部に縫着し、靴外甲側面部には着脱自
在な係止具を設け、該係止具に前記弾性樹脂製ネット状
締付具の外甲側端部を着脱自在に係止したことを特徴と
する請求項１記載の運動靴。
【請求項４】前記弾性樹脂製ネット状締付具の内甲側
端部及び外甲側端部を、靴内甲側面部と靴外甲側面部設
けた着脱自在な係止具にそれぞれ着脱自在に係止したこ
とを特徴とする請求項１記載の運動靴。
【請求項５】前記弾性樹脂製ネット状締付具の網目の
大きさが一定でないことを特徴とする請求項１乃至４記
載の運動靴。
【請求項６】前記弾性樹脂性ネット状締付具のネット
の太さが一定でないことを特徴とする請求項１乃至４記
載の運動靴。
【請求項７】前記弾性樹脂性ネット状締付具の網目の
密度が一定でないことを特徴とする請求項１乃至４記載
の運動靴。