JP3875774B2

JP3875774B2 - 内燃機関用触媒コンバータ

Info

Publication number: JP3875774B2
Application number: JP24849597A
Authority: JP
Inventors: 文彦加藤; 裕弘三田
Original assignee: Calsonic Kansei Corp
Current assignee: Calsonic Kansei Corp
Priority date: 1997-09-12
Filing date: 1997-09-12
Publication date: 2007-01-31
Anticipated expiration: 2017-09-12
Also published as: JPH1182007A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気系に装着される触媒コンバータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、内燃機関の排気系には排ガスを浄化する触媒コンバータが装着されており、触媒コンバータに用いる触媒担体として、昨今、Ｆｅ−Ｃｒ−Ａｌ系フェライトステンレス箔材（２０Ｃｒ−５Ａｌ−Ｌａ−Ｆｅ）等の金属製薄板からなる金属触媒担体が広く用いられている。
【０００３】
そして、本出願人は、先に特願平８−１９１９５８号に於て、従来、金属触媒担体として広く知られていた波板と平板の積層構造に代え、一枚の帯状の金属製薄板をつづら折りして積層した金属触媒担体と、これを用いた触媒コンバータを提案した。
この触媒コンバータは、図４に示すように一枚の金属製薄板１をルーバーコルゲート加工により複数の山部３と谷部５とからなる波形形状に成形して、これを図５の如く隣接する金属製薄板１同士の山部３と谷部５が同位相とならないようにつづら折りして断面レーシングトラック形状の金属触媒担体７を成形した後、図６に示すように当該金属触媒担体７を外筒９内に収納して、その両端部７ａ，７ｂを外筒９内に挿着したディフューザ１１，１３の挿入側端部１１ａ，１３ａで保持したものである。
【０００４】
而して、斯かる触媒コンバータ１５によれば、一枚の金属製薄板１を単につづら折りしていくだけで金属触媒担体７が容易に製造でき、而も、折り目毎に平板を挿入していく必要もなく、又、積層した金属製薄板１同士の溶接や外筒９と金属触媒担体７の溶接等が不要となるため、従来に比し容易に製造することができコストの低廉化が可能となる。
【０００５】
而も、上記金属触媒担体７は平板が不要となるため軽量化が図れ、その結果、触媒コンバータ１５が低熱容量となって昇温時間が短縮できる等の利点を有する。
尚、本明細書でいうレーシングトラック形状とは、対向する２つの直線部分とこれらを連結して対向する２つの半円部分からなる陸上競技のトラック形状に類似する略楕円形状をいう。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上述したように上記触媒コンバータ１５は、外筒９の内周に金属触媒担体７が固着された構造でないため、高温の排ガスの流入によって金属触媒担体７が膨張，変形すると、図６の二点鎖線で示すように金属触媒担体７の端部７ａ，７ｂがディフューザ１１，１３の挿入側端部１１ａ，１３ａから外れてしまう虞があった。
【０００７】
更に又、エンジンの高負荷時の排ガス圧によって、図７に示すように金属触媒担体７の上流側端部７ａの金属製薄板１が矢印方向へ分かれてしまう、所謂口開き現象が生じてしまう虞も指摘されており、これらの対策が望まれていた。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、金属触媒担体を外筒内に確実に保持して、金属触媒担体の熱変形によるズレやエンジン高負荷時の排ガス圧による金属触媒担体の口開き現象等を防止した内燃機関用の触媒コンバータを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項１に係る発明は、一枚の帯状の金属製薄板をつづら折りして成形した金属触媒担体を外筒内に収納し、金属触媒担体の両端部を、外筒内に挿着したディフューザで保持した内燃機関用触媒コンバータに於て、前記外筒の内周に当接する金属製薄板の折返し部を外筒で摘んで、当該折返し部を外筒に接合したものである。
【０００９】
そして、請求項２に係る発明は、請求項１に記載の内燃機関用触媒コンバータに於て、金属製薄板に、他の折返し部に比し外方へ突出する長尺な接合用折返し部を複数形成し、当該接合用折返し部を外筒で摘んで、当該接合用折返し部を外筒に接合したことを特徴とする。
【００１０】
（作用）
請求項１及び請求項２に係る発明によれば、外筒に挿着したディフューザが、金属触媒担体の両端部に当接して、金属触媒担体全体の熱変形によるズレや積層した金属製薄板相互のズレを防止すると共に、金属製薄板の折返し部や接合用折返し部を外筒で摘んで当該折返し部等を外筒に接合した構造上、外筒が金属触媒担体の熱変形によるズレやエンジン高負荷時の排ガス圧による金属触媒担体の口開き現象を防止する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図１乃至図３は請求項１及び請求項２に係る発明の一実施形態を示し、図１に於て、１７は一枚の金属（Ｆｅ−Ｃｒ−Ａｌ合金）製薄板１９を横方向へつづら折りして成形した断面レーシングトラック形状の金属触媒担体、２１は内側外筒２１ａと外側外筒２１ｂの二重構造からなる外筒で、図２に示すように金属触媒担体１７は内側外筒２１ａ内に収納されて、その両端部１７ａ，１７ｂが内側外筒２１ａと共に、外側外筒２１ｂ内に挿着されたディフューザ２３，２５の挿入側端部２３ａ，２５ａによって保持された構造となっている。
【００１２】
尚、金属製薄板１９は、図４に示す金属製薄板１と同様、ルーバーコルゲート加工によって同一の長さからなる複数の山部と谷部が、夫々、排ガスの流れ方向に対し斜め方向へ所定寸法ずつずれて順次隣接，配置された波形形状に形成された構造となっており、斯様に複数の山部と谷部を斜め方向へ所定の規則性を以って順次配置することで、図１の如くつづら折りして積層された金属製薄板１９相互の山部と谷部が同位相とならず、対向する山部同士が当接してセルの目つぶれが生じないようになっている。
【００１３】
そして、上述したように金属触媒担体１７は、金属製薄板１９を横方向へつづら折りして断面レーシングトラック形状に成形した構造上、図３に示すようにその外周には多数の折返し部２７が金属触媒担体１７の軸長方向へ設けられているが、これらの折返し部２７のうち金属触媒担体１７のストレート部Ｓには、外方へ突出する長尺な接合用折返し部２７-1が２つおきに設けられており、本実施形態は、当該接合用折返し部２７ -1 を内側外筒２１ａで摘んで挟持することで、内側外筒２１ａと金属触媒担体１７との接合を図っている。
【００１４】
即ち、図３に示すように内側外筒２１ａは、１．０ｍｍの板厚からなる２枚１組の平板２１ａ-1と、これよりやや肉厚な断面半円形状の２枚１組の曲板２１ａ-2とからなり、ダイス等の治具を用いて平板２１ａ-1を接合用折返し部２７ -1 に沿って約５ｍｍ程の高さｈで摘み、当該平板２１ａ -1 で接合用折返し部２７ -1 を挟持して金属触媒担体１７のストレート部Ｓに２枚の平板２１ａ-1を取り付けた後、金属触媒担体１７の左右から２枚の曲板２１ａ-2を夫々平板２１ａ-1に溶接することで、内側外筒２１ａ内に金属触媒担体１７が収納，固着される。
【００１５】
そして、内側外筒２１ａのストレート部の外周は凹凸形状となるから、外筒２１へのディフューザ２３，２５の取付けを容易且つ強固なものとするため、図１に示すように内側外筒２１ａを外側外筒２１ｂ内に挿入して、図２の如く外側外筒２１ｂの両端部側から、夫々、ディフューザ２３，２５を挿着し、その挿入側端部２３ａ，２５ａで金属触媒担体１７の両端部１７ａ，１７ｂと内側外筒２１ａを保持することで、本実施形態に係る触媒コンバータ２９が製造されている。
【００１６】
尚、平板２１ａ-1への接合用折返し部２７-1の摘み接合は、少なくとも金属触媒担体１７の両端部１７ａ，１７ｂの２ヶ所で行えばよく、又、外側外筒２１ｂ内に内側外筒２１ａを収容するには、本実施形態の如く筒状の外側外筒２１ｂ内に内側外筒２１ａを挿入する他、外側外筒２１ｂを断面略Ｕ字状の一対の半割れ外筒として、両半割れ外筒で内側外筒２１ａを包み込んでその接合部分を溶接する等の方法が採られる。
【００１７】
本実施形態はこのように構成されているから、ディフューザ２３，２５の挿入側端部２３ａ，２５ａが、金属触媒担体１７の両端部１７ａ，１７ｂと内側外筒２１ａの両端部に夫々当接して、金属触媒担体１７全体の熱変形によるズレや積層した金属製薄板１９相互のズレを防止すると共に、接合用折返し部２７ -1 を内側外筒２１ａで摘んで当該接合用折返し部２７ -1 を内側外筒２１ａに接合した構造上、内側外筒２１ａが、金属触媒担体１７の熱変形によるズレやエンジン高負荷時の排ガス圧による金属触媒担体１７の口開き現象を防止することとなる。
【００１８】
このように、本実施形態によっても、図６に示す触媒コンバータ１５と同様、平板が不要となるため軽量化が図れ、この結果、触媒コンバータ２９が低熱容量となって昇温時間が短縮できると共に、熱応力の吸収に優れ破断や脱落を引き起こす虞がないことは勿論、更に本実施形態によれば、金属触媒担体１７の熱変形によるズレやエンジン高負荷時の排ガス圧による金属触媒担体１７の口開き現象等が防止でき、この結果、従来の触媒コンバータ１５に比し触媒コンバータ２９の機能を長期に亘って良好に維持することが可能となった。
【００１９】
而も、本実施形態によれば、接合用折返し部２７-1を内側外筒２１ａに高さｈを以って摘み接合する結果、内側外筒２１ａのストレート部に複数のビード部が接合用折返し部２７ -1 に沿って形成されるため、一対の平板２１ａ-1の薄肉化が図れ、外筒２１を二重構造としたことによる触媒コンバータ２９の重量化が防止できる。
【００２０】
尚、上記実施形態では、図４に示す金属製薄板１と同一形状の金属製薄板１９を用いて金属触媒担体１７を成形したが、金属製薄板は斯かる形状に何ら限定されるものでないことは勿論である。
【００２１】
又、図１に示すように、上記実施形態は、金属製薄板１９を横方向へつづら折りして断面レーシングトラック形状の金属触媒担体１７を成形したが、金属製薄板１９を縦方向へつづら折りして金属触媒担体を成形してもよいし、金属触媒担体の形状はレーシングトラック形状に限定されるものではない。
【００２２】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項１及び請求項２に係る発明によれば、金属触媒担体の熱変形によるズレやエンジン高負荷時の排ガス圧による金属触媒担体の口開き現象等が防止でき、この結果、従来の触媒コンバータに比し触媒コンバータの機能を長期に亘って良好に維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１及び請求項２の一実施形態に係る触媒コンバータの断面図である。
【図２】図１のII−II線断面図である。
【図３】図１に示す触媒コンバータに装着される金属触媒担体の分解正面図である。
【図４】従来の金属製薄板の要部斜視図である。
【図５】従来の金属触媒担体の製造方法を示す説明図である。
【図６】従来の触媒コンバータの断面図である。
【図７】口開き現象が生じた金属触媒担体の斜視図である。
【符号の説明】
１７金属触媒担体
１９金属製薄板
２１外筒
２１ａ内側外筒
２１ｂ外側外筒
２３，２５ディフューザ
２７折返し部
２７-1 接合用折返し部
２９触媒コンバータ

Claims

一枚の帯状の金属製薄板（１９）をつづら折りして成形した金属触媒担体（１７）を外筒（２１）内に収納し、金属触媒担体（１７）の両端部（１７ａ，１７ｂ）を、外筒（２１）内に挿着したディフューザ（２３，２５）で保持した内燃機関用触媒コンバータに於て、
前記外筒（２１）の内周に当接する金属製薄板（１９）の折返し部（２７ -1 ）を外筒（２１）で摘んで、当該折返し部（２７ -1 ）を外筒（２１）に接合したことを特徴とする内燃機関用触媒コンバータ。
金属製薄板（１９）に、他の折返し部（２７）に比し外方へ突出する長尺な接合用折返し部（２７ -1 ）を複数形成し、当該接合用折返し部（２７ -1 ）を外筒（２１）で摘んで、当該折返し部（２７ -1 ）を外筒（２１）に接合したことを特徴とする請求項１に記載の内燃機関用触媒コンバータ。