JP3875733B2 - 体内アセトアルデヒド代謝促進剤及びその製造方法 - Google Patents

体内アセトアルデヒド代謝促進剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、過剰飲酒による弊害である吐き気その他の不快感、悪心、嘔吐、二日酔い、めまい或いは口臭などの不快な症状の抑制乃至防止に優れた効果を発揮する体内アセトアルデヒド代謝促進剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
過剰飲酒による弊害である吐き気その他の不快感、悪心、嘔吐、二日酔い、めまい或いは口臭などの不快な症状は、従来の研究により体内に残留するエタノール等のアルコールやその代謝生成物であるアセトアルデヒド等(以下、これらを体内アルコールという)の作用が関係していると考えられ、このような症状を予防乃至抑制するために、体内アルコールの代謝を促進させて体内アルコール濃度を低下させる医薬品等の研究が進められてきた。なかでも、天然植物に由来する成分に関しては、その安全性等の面から特に注目されるところであった。
【0003】
しかしながら、天然物である茶(Camellia sinennsis)に由来する成分に関しては、従来、特開平4−145028において、茶の種子中に多く含有されているサポニンを有効成分とするアルコール吸収阻害作用剤が開示されていたのみであった。しかも、この発明においては、体内アルコールの代謝に関しては何等開示されていなかった。そこで、本発明者らは、特開平6−263648において、茶から抽出されたカテキンに体内アルコール代謝促進作用があることを開示したのである。
【0004】
本発明者らは、その後も茶に由来する成分について鋭意研究を進めた結果、新たに茶から抽出されたカフェインに優れた体内アルコール代謝促進作用及び体内アセトアルデヒド代謝促進剤を見出すことに成功すると共に、新たにカテキンにエタノールやアセトアルデヒドの代謝生成物である酢酸やアセトンの代謝促進作用を見出すことにも成功し、これらの成功により本発明を完成させたものであって、その目的とするところは、優れた体内アセトアルデヒド代謝促進剤を発揮し、かつ安全に使用することができ、しかも安価に製造することができる体内アセトアルデヒド代謝促進剤を提供することにある。
【0005】
なお、従来カフェインに関しては、その興奮誘発作用に着目してカフェインを医薬品乃至医薬部外品に添加した発明(特開平4−32802,特開平6−263648)や、その末梢神経刺激作用に着目して医薬品乃至医薬部外品に添加した発明(特開平4−273814)などは開示されていたものの、カフェイン自体の体内アルコール促進作用に関する発明は開示されていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、カフェインを有効成分とする体内アセトアルデヒド代謝促進剤を提案する。
なお、本発明においてカフェインとは、カフェイン又はカフェインとカフェイン誘導体、すなわちテオフィリンやテオブロミンなどとの混合物を示す。
この体内アセトアルデヒド代謝促進剤によれば、カフェインの優れたアセトアルデヒド代謝促進作用により、血液中及び肝臓中のアセトアルデヒドを、その代謝生成物であるカルボニル化合物及びカルボン酸に変化させる作用を促進させ、体内アセトアルデヒド濃度を短時間で低下させることができる。
【0007】
ここで、カフェイン含有量は、摂取する人の体重1kg当たり約0.5mg〜約500mgの範囲で含有するように調整するのが好ましい。特に約0.5mg〜約50mgの範囲で含有するのが好ましい。カフェインを摂取する人に対して体重1kg当たり約0.5mg以上摂取すればアルコール代謝促進効果を得ることができることは、下記の動物投与試験から明らかである。一方、日本薬局方によればカフェイン投与量は体重1kg当たり約500mg以下とするのが好ましく、特に過剰飲酒によって荒れた胃腸に対してはその10%程度、すなわち約50mg以下程度とするのが望ましい。
【0008】
また、本発明は、カフェインとカテキンとを含有する体内アセトアルデヒド代謝促進剤も提案する。この体内アセトアルデヒド代謝促進剤によれば、上記カフェインの体内アセトアルデヒド代謝促進作用と、カテキンの体内アセトアルデヒドの代謝生成物の代謝促進作用とが相乗的に働くことにより、血液中及び肝臓中のアセトアルデヒドを、その代謝生成物であるカルボニル化合物及びカルボン酸に変化させる作用を促進させ、さらに、これによるカルボニル化合物やカルボン酸を体外へ排出する作用を促進させ、体内アセトアルデヒドに起因する毒素濃度を短時間で低下させることができる。
なお、本発明においてカテキンとは、エピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキン(EGC)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)のいずれか、又はこれらのうち二以上を選択的に混合したものをいう。
【0009】
ここで、カフェイン及びカテキンの含有量は、カフェインを摂取する人に対して体重1kg当たり約0.5mg〜約500mgの範囲で含有し、かつカテキンを同じく体重1kg当たり約2.5mg以上含有するように調整するのが好ましい。カフェイン含有量については上記に説明した通りであるが、カテキン含有量については、体重1kg当たり約2.5mgのカテキンを摂取すれば、十分な代謝促進効果を得られることは下記の動物投与試験からも明らかである。
【0010】
本発明の体内アセトアルデヒド代謝促進剤の好ましい例としては、茶を熱水又は有機溶媒若しくは熱水と有機溶媒の混合液により抽出し、この抽出物から多糖類、蛋白及び無機塩類を除去して得られるカフェイン及びカテキンを含有する茶抽出物であって、カフェインを摂取する人に対して体重1kg当たり約0.5mg〜約500mgの範囲で含有し、かつカテキンを同じく体重1kg当たり約2.5mg以上含有する茶抽出物を有効成分とするものがある。この体内アセトアルデヒド代謝促進剤は、上記カフェイン及びカテキンの他に、体内アルコール代謝促進作用の知られたアスパラギン、セリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸及びグルタミン酸などのアミノ酸を含有しており、優れた体内アルコール代謝効果を得ることができる。
なお、上記茶(Camellia sinennsis)とは、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの原料となる総称を示すものである。
【0011】
また、本発明は、体内アセトアルデヒド代謝促進剤の製造方法についても提案する。すなわち、茶を熱水又は有機溶媒若しくは熱水と有機溶媒の混合液により抽出し、得られた抽出物から多糖類、蛋白及び無機塩類を除去して茶抽出物を得ることを特徴とする製造方法である。このように製造すれば、上記の好ましい例とした如き体内アセトアルデヒド代謝促進剤を得ることができる。
【0012】
本発明の体内アセトアルデヒド代謝促進剤の形態としては、カフェイン、カフェイン及びカテキンの混合物、或いは上記製造方法によって得られた茶抽出物を、それぞれ単独又はこれにアルコール代謝促進作用を有する果糖、L−システインなどのSHアミノ酸、好ましくは甘味剤、フレーバー等を加え、経口的に内服剤として簡便に摂取できるように液剤、錠剤、カプセル、粉末などの形態にすることができる。例えば、30mlの液剤を製造する場合には、カフェイン及びカテキンの含有量が上記の範囲となるように、カフェイン濃度を約0.0016%(g/ml)〜約1.6%(g/ml)に、カテキン濃度を約0.0083%(g/ml)以上に調整すればよい。
【0013】
また、上記茶抽出物を飲用濃度として好ましいように約0.1〜約5重量%前後に調整し、これに甘味剤、香味剤、保存料などを加え、丸状、環円状、若しくは板状等の錠剤若しくはカプセル状等に成形するか、或いは粉末状若しくは液状にし、これを褐色瓶容器等に詰めて口中清涼剤とすることもできる。
【0014】
【実施例】
(実施例1:茶抽出物の製造方法)
Thea sinensis L.の新鮮葉を定法に従って荒茶加工し、この乾燥葉10kgに対して精製水100リットルを加えて90℃で10分間抽出した後、抽出液の濾過(遠心分離)を行い、得られた抽出液を濃縮し、乾燥させて乾燥粉末状の粗茶抽出物を得た。
さらに、この粗茶抽出物をHP−20合成吸着樹脂に通し、吸着樹脂の6倍量のイオン交換水で非吸着分画を溶出させて多糖類、蛋白及び無機塩類を除去した後、吸着樹脂の5倍容量のエタノールで吸着分画を溶出させて、得られた吸着分画を濃縮し、凍結乾燥させて乾燥粉末状の茶抽出物を得た。
【0015】
この茶抽出物の組成分析を行ったところ、エピガロカテキン16.61%、エピガロカテキンガレート13.72%、エピカテキン3.40%、エピカテキンガレート2.19%、カフェイン9.93%、アスパラギン酸0.26%、グルタミン酸0.30%、アスパラギン酸0.05%、セリン0.08%、グルタミン0.11%、アルギニン0.11%、アラニン0.04、メチオニン0.04%、テアニン0.97%、及びガンマーアミノ酪酸0.05%が含有されていた。なお、前記%は全て重量%である。
【0016】
(実施例2:投与試験1)
ICR系雄マウスを用いて、これらを二群に分け、一群には生理食塩水に溶かしたカフェインを体重1kg当たり50mg/kg経口投与し(以下、このマウスを50mg投与マウスという)、その1時間後に体重1kg当たり2g(20%W/V)のエタノールをカテーテルを用いて経口投与した。また、他群には生理食塩水のみを経口投与し、同じくその1時間後に体重1kg当たり2g(20%W/V)のエタノールをカテーテルを用いて経口投与し、これを50mg投与マウス対するコントロールとした。いずれのマウスについても、エタノール投与前、エタノール投与から1時間後及び3時間後に血液及び肝を採取し、血液中及び肝中のエタノール、アセトアルデヒド、アセテート及びアセトン濃度をそれぞれ測定した。
【0017】
また、同じくICR系雄マウスを用いて、これらを二群に分け、一群にはカフェインを体重1kg当たり300mg/kg経口投与し(以下、このマウスを300mg投与マウスという)、その1時間後に体重1kg当たり2g(20%W/V)のエタノールをカテーテルを用いて経口投与する一方、他群を上記同様にして、300mg投与マウスに対するコントールとし、いずれのマウスについてもエタノール投与前、エタノール投与から1時間後及び3時間後に血液及び肝を採取し、血液中及び肝中のエタノール濃度を測定した。
【0018】
この時の測定方法は以下のようである。血液0.5ml、肝0.5gをそれぞれ液体窒素を用いて凍結乾燥させて粉末状にした後、この粉末をただちに冷却したPCA試薬(0.6N perchloric acid,30mM thiourea,0.1mM EDTA in saline )2.5mlと混合させて4℃、3000rpmで10分間遠心分離する。そして、得られた上清試料を二分し、一方(I)をエタノール、アセトアルデヒド及びアセトンの測定用のバイアル瓶に1mlを入れ、さらに内部標準物質として0.003% t-butanol0.1mlを加えた後、65℃で15分間加熱し、これをGCに注入して定量分析を行った。一方、他方(II)もアセトアルデヒドの測定用の瓶に入れ、アセテートをメチル化するためにメタノール100μlと硫酸50μlを加え、さらに内部標準物質として0.02% n-butanol 0.1mlを加えた後、55℃で30分間加熱して、同じくGCに注入して定量分析を行った。
【0019】
図1、図2、図3及び図4は、50mg投与マウス及びコントロールマウスにおける血液中のエタノール、アセトアルデヒド、アセテート及びアセトン濃度を示し、図5、図6、図7及び図8は、同じく肝中のエタノール、アセトアルデヒド、アセテート及びアセトン濃度を示したものである。また、図9は300mg投与マウス及びコントロールマウスにおける血液中のエタノール濃度を示し、図10は同じく300mg投与マウス及びコントロールマウスにおける肝中にエタノール濃度を示したものである。
【0020】
この結果、50mg投与マウスの血液中のアセトアルデヒド濃度は、コントロールマウスのそれに比べて低い傾向を示し、さらにエタノール投与から3時間後には血中からほぼ消失していることから、カフェイン投与によるアルコール代謝促進効果を確認することができる。また、エタノール及びアセトアルデヒドの代謝生成物を含有するアセテート及びアセトンの濃度は、コントロールマウスのそれに比べて高い傾向を示していることからも、カフェイン投与によるアルコール代謝促進効果を確認することができる。なお、肝臓における結果も血液における結果と同様であった。
さらに、300mg投与マウスの結果は、コントロールマウスとの差において上記50mg投与マウスの結果よりも顕著な傾向を示している。
【0021】
ここで、本発明の体内アルコール代謝促進剤におけるカフェインの有効量は、人に対するカフェインの有効量は一般的に医薬品の臨床試験の前例等から動物試験結果の有効量の100分の1程度とするのが望ましいことが判明していることからして、摂取する人に対して体重1kg当たり約0.5mgを含有させれば十分である。また、上限値は、日本薬局方に基づき体重1kg当たり極量の500mgとするのが望ましく、特に過剰飲酒によって荒れた胃腸に対しては、強い刺激を与えない意味でその10%程度、すなわち約50mg以下程度とするのが望ましい。
【0022】
(実施例3:投与試験2)
ICR系雄マウスを二群に分け、一群には、上記実施例1によって得た茶抽出物を生理食塩水に溶かし、これをマウスに体重1kg当たり500mg経口投与し(以下、このマウスを茶抽出物投与マウスという)、その1時間後にマウスに体重1kg当たり2g(20%W/V)のエタノールをカテーテルを用いて経口投与した。なお、この場合のカフェイン濃度は、上記実施例1によって得た茶抽出物におけるカフェイン濃度が9.93%であるから、茶抽出物500mg中には49.5mgのカフェインが含有されていることになる。また他群には、生理食塩水のみを経口投与し、その1時間後にマウスに体重1kg当たり2g(20%W/V)のエタノールをカテーテルを用いて経口投与し、このマウスを茶抽出物投与マウスに対するコントロールとした。いずれのマウスについても、エタノール投与前、エタノール投与から1時間後及び3時間後に血液を採取し、血液中のエタノール、アセトアルデヒドの含有量を測定した。なお、エタノール及びアセトアルデヒドの測定は、上記投与試験1と同様に行った。
【0023】
図11及び図12は、上記茶抽出物投与マウス及びコントロールマウスにおける血液中のエタノール濃度、アセトアルデヒド濃度をそれぞれ示したものである。
【0024】
この結果、茶抽出物投与マウスのエタノール濃度、アセトアルデヒド濃度ともに、コントロールマウスのそれに比べて濃度低下率が大きく、茶抽出物のアルコール代謝促進効果を確認することができる。また、茶抽出物投与マウスのカフェイン投与量は、上記投与試験1におけるカフェイン50mg投与に相当するから、図1及び図2の結果と図11及び図12の結果とを比較してみると、エタノール及びアセトアルデヒドの濃度のいずれについても、茶抽出物マウスの方が50mg投与マウスよりも濃度低下率が大きいことから、茶抽出物マウスはより顕著なアルコール代謝促進作用を受けていることを確認することができる。これは、茶抽出物には、アスパラギン、セリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸及びグルタミン酸などのアルコール代謝促進作用の知られたアミノ酸が含まれており、カフェインの作用とこれら含有物の作用とが相乗的に働いた結果であると推定される。
【0025】
(実施例4:投与試験3)
次に、カテキンの代謝促進作用について検討した。
ICR系雄マウスを4群に分け、一群にはマウスに体重1kg当たり75mgのエピガロカテキンガレート( 以下、EGCgという) を経口投与し、別の一群にはマウスに体重1kg当たり225mgのEGCgを経口投与し、さらに別の一群にはマウスに体重1kg当たり170mgのエピガロカテキン( 以下、EGC という) を経口投与した後、その1時間後にいずれのマウスに対しても体重1kgあたり2g(20%W/V)のエタノールをカテーテルを用いて経口投与した。また、残りの一群には、生理食塩水のみを経口投与した後、1時間後に体重1kgあたり2g(20%W/V)のエタノールをカテーテルを用いて経口投与し、このマウスをコントロールとした。いずれのマウスについても、それぞれエタノール投与前、エタノール投与から1時間後及び3時間後に血液を採取し、血液中のエタノール、アセトアルデヒド、アセテート、及びアセトンの含有量を測定した。なお、エタノール、アセトアルデヒド、アセテート及びアセトンの測定は、上記投与試験1と同様に行った。
【0026】
図13、図14、図15及び図16は、これらカテキンを投与した場合とコントロールとのエタノール、アセトアルデヒド、アセテート及びアセトン濃度をそれぞれ示したものである。
【0027】
この結果、いずれのカテキンを投与した場合も、エタノール濃度においてコントロールの値との間に差は見らず、またアセトアルデヒド濃度においても、 EGCg 225mg/kgを投与した場合を除いて注目すべき程の差はみられない。ところが、アセテート濃度及びアセトン濃度においては、いずれのカテキンを投与した場合も、コントロールの値に比べて顕著な濃度低下率を示している。これより、カテキンには、エタノールやアセトアルデヒドなどの代謝産物であるアセテートやアセトンの代謝を促進する作用があることが確認できる。
【0028】
従って、上記カフェインにカテキンを加えたものを投与すれば、上記カフェインの体内アルコール代謝作用と、カテキンのアセテート及びアセトンなどを特異的に代謝させる作用とが相乗的に働き、体内からアルコールに起因する毒素をより短時間で消失させることができるのである。
【0029】
ここで、通常飲用されている物質の人に対する有効量は、一般的に動物に対する有効量の30分の1程度で十分であることは判明しており、このことからすれば、上記投与試験3より、少なくとも75mg/kgの EGCg を投与することによりアセテート及びアセトンの濃度を十分に低下させられたのであるから、人に対するカテキンの有効濃度は、摂取する人の体重1kg当たり EGCg 換算で約2.5mg以上含有させれば十分である。
【0030】
(実施例5)
カフェインを50mg含有するように、つぎの処方のドリンク剤を製造した。
全量100ml中
カフェイン 50mg
テアニン 1000mg
タウリン 1000mg
ローヤルゼリー 200mg
イノシトール 50mg
ニコチン酸アミド 20mg
ビタミンB1硫酸塩 5mg
ビタミンB2リン酸エステル 5mg
ビタミンB6 5mg
精製水 適量
【0031】
(実施例6)
茶抽出物をベースにして、カフェインを50mg含有するつぎの処方のドリンク剤を製造した。
全量、100ml中
カフェイン 50mg
テアニン 1000mg
タウリン 1000mg
ローヤルゼリー 200mg
イノシトール 50mg
ニコチン酸アミド 20mg
ビタミンB1硫酸塩 5mg
ビタミンB2リン酸エステル 5mg
ビタミンB6 5mg
カテキン 200mg
アスパラギン酸 260mg
グルタミン酸 300mg
アスパラギン 50mg
セリン 80mg
グルタミン 110mg
アルギニン 110mg
アラニン 40mg
メチオニン 40mg
ガンマーアミノ酪酸(GABA) 50mg
精製水 適量
【0032】
(実施例7)
茶抽出物をベースにして、これに造粒剤、香味剤を加え、錠剤、カプセル、散剤状に成型し、カフェインを5mg含有するつぎの処方の口中清浄剤を製造した。
全量3g中、
カフェイン 50mg
テアニン 500mg
タウリン 500mg
ローヤルゼリー 20mg
イノシトール 50mg
ニコチン酸アミド 20mg
ビタミンB1硫酸塩 5mg
ビタミンB2リン酸エステル 5mg
ビタミンB6 5mg
カテキン 200mg
アスパラギン酸 26mg
グルタミン酸 30mg
アスパラギン 5mg
セリン 8mg
グルタミン 11mg
アルギニン 11mg
アラニン 4mg
メチオニン 4mg
ガンマーアミノ酪酸(GABA) 5mg
造粒剤 適量
【0033】
(実施例8)
茶抽出物をベースにして、これに造粒剤、香味剤を加え、錠剤、カプセル、散剤状に成型し、カフェインを5mg含有するつぎの処方の口中清浄剤を製造した。
全量3g中、
カフェイン 50mg
テアニン 500mg
タウリン 500mg
ローヤルゼリー 20mg
イノシトール 50mg
ニコチン酸アミド 20mg
ビタミンB1硫酸塩 5mg
ビタミンB2リン酸エステル 5mg
ビタミンB6 5mg
L−システイン 50mg
カテキン 200mg
アスパラギン酸 26mg
グルタミン酸 30mg
アスパラギン 5mg
セリン 8mg
グルタミン 11mg
アルギニン 11mg
アラニン 4mg
メチオニン 4mg
ガンマーアミノ酪酸(GABA) 5mg
果糖 100mg
造粒剤 適量
【0034】
【発明の効果】
本発明の体内アセトアルデヒド代謝促進剤は、飲酒前、過剰飲酒した際、或いは過剰飲酒して不快な症状を感じた際などに摂取することにより、カフェインの作用により血液中及び肝臓中のアセトアルデヒドの濃度を低下促進させることができるから、過剰飲酒による様々な不快な症状を予防乃至消すことができる。
【0035】
また、カフェインとカテキンとを含有する本発明の体内アセトアルデヒド代謝促進剤を摂取すれば、上記カフェインの作用により体内のアセトアルデヒドが代謝促進され、さらにその代謝生産物であるカルボニル化合物やカルボン酸の代謝を促進させることができるから、カフェインの代謝促進効果とカテキンの代謝促進効果とが相乗的に働き、過剰飲酒による様々な不快な症状を一層短時間で消すことができる。
【0036】
なお、カフェイン、カテキンともに、古くから日常的に多量に摂取されている茶から抽出されるものであるから、その安全性は確認されており、安心して摂取することができ、しかも入手するのが容易であるから安価に製造することができる。
【0037】
また、本発明の体内アセトアルデヒド代謝促進剤の製造方法によれば、茶を抽出することにより、上記のような組成の体内アセトアルデヒド代謝促進剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の血中のエタノール濃度経時変化を示した図である。
【図2】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の血中のアセトアルデヒド濃度経時変化を示した図である。
【図3】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の血中のアセテート濃度経時変化を示した図である。
【図4】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の血中のアセトン濃度経時変化を示した図である。
【図5】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の肝中のエタノール濃度経時変化を示した図である。
【図6】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の肝中のアセトアルデヒド濃度経時変化を示した図である。
【図7】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の肝中のアセテート濃度経時変化を示した図である。
【図8】カフェインを50mg/Kg 投与した場合の肝中のアセトン濃度経時変化を示した図である。
【図9】カフェインを300mg/Kg 投与した場合の血中のエタノール濃度経時変化を示した図である。
【図10】カフェインを300mg/Kg 投与した場合の肝中のエタノール濃度経時変化を示した図である。
【図11】茶抽出物を投与した場合の血中のエタノール濃度経時変化を示した図である。
【図12】茶抽出物を投与した場合の血中のアセトアルデヒド濃度経時変化を示した図である。
【図13】カテキンを投与した場合の血中のエタノール濃度経時変化を示した図である。
【図14】カテキンを投与した場合の血中のアセトアルデヒド濃度経時変化を示した図である。
【図15】カテキンを投与した場合の血中のアセテート濃度経時変化を示した図である。
【図16】カテキンを投与した場合の血中のアセトン濃度経時変化を示した図である。

Claims (6)

  1. カフェインを有効成分とし、血液中及び肝臓中のアセトアルデヒドを、その代謝生成物であるカルボニル化合物及びカルボン酸に変化させる作用を促進させることを特徴とする体内アセトアルデヒド代謝促進剤
  2. カフェインを有効成分とし、肝臓中のアセトアルデヒドを、その代謝生成物であるカルボニル化合物及びカルボン酸に変化させる作用を促進させることを特徴とする体内アセトアルデヒド代謝促進剤
  3. カフェインとカテキンとを有効成分とし、血液中及び肝臓中のアセトアルデヒドを、その代謝生成物であるカルボニル化合物及びカルボン酸に変化させる作用を促進させ、さらに、これによるカルボニル化合物やカルボン酸を体外へ排出する作用を促進させることを特徴とする体内アセトアルデヒド代謝促進剤
  4. カフェインとカテキンとを有効成分とし、肝臓中のアセトアルデヒドを、その代謝生成物であるカルボニル化合物及びカルボン酸に変化させる作用を促進させ、さらに、これによるカルボニル化合物やカルボン酸を体外へ排出する作用を促進させることを特徴とする体内アセトアルデヒド代謝促進剤
  5. 茶を熱水又は有機溶媒若しくは熱水と有機溶媒の混合液により抽出し、この抽出物から多糖類、蛋白及び無機塩類を除去して得られるカフェイン及びカテキンを含有する茶抽出物であって、カフェインを摂取する人に対して体重1kg当たり0.5mg〜500mgの範囲で含有し、かつカテキンを同じく体重1kg当たり2.5mg以上含有する茶抽出物を有効成分とする請求項3又は4に記載の体内アセトアルデヒド代謝促進剤
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の体内アセトアルデヒド代謝促進剤の製法であって、茶を熱水又は有機溶媒若しくは熱水と有機溶媒の混合液により抽出し、得られた抽出物から多糖類、蛋白及び無機塩類を除去することを特徴とする体内アセトアルデヒド代謝促進剤の製造方法。
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