JP3875450B2 - ボトル型液体容器 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形してなる容器本体を、液状の洗剤や化粧品あるいは洗浄・除菌剤等の内容物を消費した段階で、その両側から扁平に圧潰することにより容積を大幅に減少させた状態、いわゆる「減容状態」で回収可能としたボトル型液体容器に関するものである。
【0002】
【従来技術】
上述した構成のボトル型液体容器は、例えば特開平10−167242号公報に開示されており、既知である。このボトル型液体容器は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形して、ネック部、肩部、胴部及び底部を有すると共に容易に圧潰可能とした略楕円断面形状の容器本体を具えている。さらに、容器本体の底部には係合用の凹みが形成され、ネック部にねじ結合されるキャップには底部における凹みに嵌合する突起が設けられている。この場合、液状の洗剤や化粧品あるいは洗浄・除菌剤等の内容物を消費した後、容器本体を両側から圧潰し、次に容器全体を二つ折りに畳んで扁平とし、さらに、キャップの突起を底部の凹みに嵌合させ、使用済み容器全体を減容状態で資源回収可能とするものである。これにより、再利用可能な資源の回収効率を高めると共に、回収コストを低減することが可能である。
【0003】
特開平10−167242号公報に記載されているボトル型液体容器は、上述したとおりの利点を発揮するものではあるが、環境問題を更に意識して一層の改善を施すのが望ましい。すなわち、既知の液体容器は、容器本体とそのネック部にねじ結合されるキャップとを一体的に回収するものであるため、再利用可能な資源の分別回収を徹底する見地からキャップと容器本体を基本的に同種材料で成形する必要があり、したがって、容器構造についての設計自由度が制約される場合がある。他方、キャップと容器本体を互いに異種材料で成形する場合には、容器の回収後にキャップを容器本体から取り外す必要が生じるが、そのために多くの場合には手作業に依存せざるを得ず、したがって、容器本体からのキャップの取り外しは作業能率の見地から実施が困難である。
【0004】
【発明の開示】
上述した背景事情に鑑み、本発明の主要な課題は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形してなる容器本体を、液状の洗剤や化粧品あるいは洗浄・除菌剤等の内容物を消費した段階で、その両側からの圧潰により減容状態で回収可能としたボトル型液体容器において、容器構造についての高い設計自由度を確保しつつ、より徹底した分別回収を可能とした構造を提案することにある。
【0005】
このような課題を解決するため、本発明は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形してなり、ネック部、肩部、胴部及び底部を有する容器本体を具え、該胴部が両側から扁平に圧潰可能であるボトル型液体容器において、ネック部及び底部の一方に突起が、他方には該突起を係合させ得る凹みがそれぞれ設けられ、容器本体内に収めた液状の洗剤や化粧品あるいは洗浄・除菌剤等の液体を消費した後の分別回収に際して、胴部を両側から偏平に圧潰すると共に容器本体を胴部において折畳んだ状態で、ネック部及び底部の一方における突起を他方における凹みに係合させることにより、容器本体を減容状態で分別回収可能とするものである。
【0006】
上述した構成を有する本発明のボトル型液体容器によれば、容器本体内に収めた液状の洗剤や化粧品あるいは洗浄・除菌剤等の液体を消費した後の分別回収に際して、ユーザがキャップを容器本体から取り外し、胴部を両側から扁平に圧潰すると共に容器本体を胴部において折畳んだ状態で、ネック部及び底部の一方における突起を他方における凹みに係合させるものである。これにより、キャップを分離させた容器本体を減容状態で分別回収することが可能であり、容器構造、特にキャップの素材選択についての高い設計自由度を確保しつつ、より徹底した分別回収を達成することが可能である。
【0007】
本発明の好適な実施形態において、容器本体における胴部は、正面及び背面が矩形を呈し、両側面が三角形を呈する形態とし、その三角形の底辺の長さは、斜辺の長さに対して約2/3とする。この場合、胴部を両側から扁平に圧縮した状態で容器本体の正面における高さ方向で底部から約1/3の高さ位置における水平な折線を中心として底部をその片半部分が胴部と重なるように折り曲げ、次に、容器本体の正面における高さ方向で底部から約2/3の高さ位置における水平な折線を中心として容器を容易に折畳むことが可能である。そして、その折畳みに際して、ネック部及び底部の一方における突起は、他方における凹み内に自動的に係合するものである。
【0008】
ちなみに、実開昭50−18645号公報には、側面形状が三角形を呈する容器が開示されているが、この既知の容器はもっぱら練物等の内容物を押し出すために三角形の側面形状を採用したものであり、本発明の液体容器、すなわち、再利用可能な資源の回収効率を高めると共に回収コストを低減する見地から、容器の減容化を達成すべく独自の三角形状を側面に適用した液体容器とは本質的に別異のものである。
【0009】
上述したように側面形状を三角形とした本発明に係る液体容器において、容器本体の折畳みを容易かつ的確に行えるようにするため、容器本体の両側面にそれぞれ3本の折線を設け、これら折線を互いにほぼ倒立Y字形状に配置するのが好適である。この場合、容器本体の両側面における前記折線を、それぞれ突条又は溝として形成することができる。
【0010】
なお、本発明に係る液体容器において、容器本体の底部の中央領域に前記突起を、また、容器本体のネック部に前記凹みをそれぞれ配置するのが好適である。その理由は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形してなる容器本体において、ネック部は延伸度が比較的低く、肉厚が比較的大きい箇所であるので、凹みを容易かつ確実に成形することが可能であるためである。
【0011】
さらに、本発明に係る液体容器において、容器本体底部におけるパーティングラインと胴部側壁におけるパーティングラインとをアールで接続する。この場合には、容器本体の折畳みに際して、底部におけるパーティングラインと、それに接続するアール状のパーティングラインとが略直線状となり、その直線の長さが折畳み時の仮想直線の長さと略同一となるために容器本体を容易かつ的確に折畳むことが可能となるからである。
【0012】
本発明に係る液体容器は容器本体がブロー成形されたものであるため、容器本体における肩部、胴部及び底部がネック部よりも薄肉とされている。一般に、省資源化を徹底する見地から液体容器を薄肉化する場合には、その肉厚にもよるが、容器本体を安定に保持した状態でネック部の先端側にキャップをねじ結合等により装着する作業を自動化することが困難となる場合がある。かかる難点に鑑み、本発明を適用する液体容器においては、肩部に隣接する基端領域でネック部に異形(非円形)の平面形状を呈する把持部分を設ける。この場合には、肩部、胴部及び底部が薄肉とされている容器本体を、比較的厚肉のネック部における基端領域に設けられた把持部分で安定に把持した状態でキャップをネック部に装着することができ、薄肉液体容器であっても従来は安定的な適用が困難視されていたキャップ装着作業の自動化、ひいては生産性の大幅な向上を確実に達成することが可能となる。
【0013】
上述したごとく容器本体の肩部に隣接する基端領域でネック部に設けられる把持部分は、少なくとも互いにほぼ平行に延在する二辺を有する平面形状とするのが好適であり、特に、その平面形状を多角形状とするのが有利である。このような平面形状を有する把持部分は、キャップ装着機構の把持部材に対して容易かつ確実に係合・離脱させることが可能である。
【0014】
【実施の形態】
以下、本発明を図示の好適な実施形態についてさらに詳述する。
【0015】
図1〜図4は、本発明の好適な実施形態に係るボトル型液体容器の外観を示すものである。本発明による液体容器10は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形してなる容器本体11を具える。容器本体11は、ネック部12、肩部13、胴部14及び底部15を有しており、ネック部12の円筒形状を呈する先端側には適宜の素材で成形されたキャップ(図示せず)を結合するためのねじが施されている。本発明による液体容器10は容器本体11がブロー成形されたものであるため、容器本体11における肩部13、胴部14及び底部15がネック部12よりも薄肉とされている。肩部13を介してネック部12に連なる胴部14は、両側から扁平に圧潰可能とされている。さらに、底部15の中央領域に突起16が設けられ、また、ネック部12の正面には底部15の突起16を係合させるための凹み17が設けられている。
【0016】
図5はネック部12との接合領域における容器本体11の断面形状を示し、また、図6は肩部13に隣接するネック部12の基端領域の断面形状を示す。図3及び図6から明らかなとおり、比較的厚肉のネック部12は肩部13に隣接する基端領域が四隅にアールを施した正方形の平面形状とされており、キャップをネック部12の先端側に対して機械的にねじ結合する際に、キャップ装着機構の把持部材(図示せず)に対して容易かつ確実に係合・離脱させ得る把持部分を構成するものである。なお、図7は底部15に設けた突起16を拡大して示し、図8はネック部12に設けた凹み17を拡大して示す。
【0017】
上述したごとく容器本体11の肩部13に隣接する基端領域でネック部12に設けられる把持部分は、その平面形状が、少なくとも互いにほぼ平行に延在する二辺を有する多角形状であれば正方形に限定されるものではない。また、把持部分の平面形状は一対の半円の間に長方形が配置された形状、いわゆるレーストラック形状とすることも可能である。このような異形の平面形状を有する把持部分をネック部12に設ける場合には、キャップ装着機構における把持部材に対して把持部分を容易かつ確実に係合・離脱させることが可能である。
【0018】
上述した構成を有する液体容器10は、容器本体11内に収められていた液状の洗剤や化粧品あるいは洗浄・除菌剤等の液体を消費した後の分別回収に際して、ユーザがキャップを容器本体11から取り外し、胴部14を両側から扁平に圧潰すると共に容器本体11を胴部14において三つ折りに畳んだ状態で、底部15における突起16をネック部12における凹み17に係合させることにより、容器本体11を減容状態で分別回収することが可能である。また、キャップを分離させた容器本体11を減容状態で分別回収するため、容器構造、特にキャップの素材選択についての高い設計自由度を確保しつつ、より徹底した分別回収を達成することが可能である。
【0019】
図示の実施形態に係る液体容器10において、容器本体11は、胴部14の正面(図1参照)及び背面がそれぞれ矩形を呈し、また、両側面(図2参照)が三角形を呈する形態とする。その三角形の具体的形状は、斜辺の長さに対して底辺の長さを約2/3とした二等辺三角形とするのが好適である。この場合、後述するように、胴部14を両側から扁平に圧潰した状態で、容器本体11の正面における高さ方向で底部15から約1/3の高さ位置における水平な折線を中心として底部15をその片半部分が胴部14と重なるように折り曲げた後、容器本体11の正面における高さ方向で底部15から約2/3の高さ位置における水平な折線を中心として容器本体11を容易に折畳むことが可能である。さらに、容器本体11の上述した折畳みに際して、容器本体11の底部15における突起16は、ネック部12における凹み17内に自動的に係合するものである。
【0020】
図示の実施形態におけるように、側面形状を三角形とした液体容器10においては、容器本体11における胴部14の両側面にそれぞれ3本の折線18を設け、これら折線を互いにほぼ倒立Y字形状に配置するのが好適である。この場合、折線18をそれぞれ突条又は溝として形成することができる。図9は、折線18をそれぞれ突条として形成した例を示す。このような折線を設ける場合には、容器本体11をユーザが容易かつ的確に折畳むことが可能である。
【0021】
なお、容器本体11の底部15におけるパーティングライン19(図1に破線で示す)と、胴部14の側壁におけるパーティングラインとを、アールで接続するのが好適である。この場合には、図10に示すように、容器本体11の折畳みに際して、底部15におけるパーティングライン19と、それに接続するアール状のパーティングラインとが略直線状となり、その直線の長さAが折畳み時の仮想直線の長さBと略同一となるために容器本体11を容易かつ的確に折畳むことが可能となるからである。
【0022】
上述した構成を有する液体容器10において、その分別回収に際して容器本体11を折畳む手順について改めて説明すれば、下記のとおりである。
【0023】
すなわち、先ず容器本体11からキャップを分離する。次に、胴部14を両側から扁平に圧潰した状態で、図11及び図12に示す第1折畳み段階において、容器本体11の正面における高さ方向で底部15から約1/3の高さ位置における水平な折線を中心として、底部15をその片半部分が胴部14と重なるように折り曲げる。なお、上記の高さは、容器本体を圧潰させる前の正立状態での高さを基準とするものである。
【0024】
さらに、図13及び図14に示す第2折畳み段階において、容器本体11の正面における高さ方向で底部15から約2/3の高さ位置における水平な折線を中心として容器本体11を折畳む。その時点で、容器本体11の底部15における突起16は、ネック部12における凹み17内に自動的に係合する(図14参照)。
【0025】
以上の記載から明らかなとおり、本発明によれば、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形してなる容器本体を、液状の洗剤や化粧品あるいは洗浄・除菌剤等の内容物を消費した段階で、その両側からの圧潰により減容状態で回収可能としたボトル型液体容器において、容器構造についての高い設計自由度を確保しつつ、より徹底した分別回収を可能とした構造を実現することが可能である。
【0026】
特に、図示の実施例におけるように、肩部に隣接する基端領域でネック部に異形の平面形状を呈する把持部分を設けることにより、肩部、胴部及び底部が薄肉とされている容器本体を、比較的厚肉のネック部における基端領域に設けられた把持部分で安定に把持した状態でキャップをネック部に装着することができ、薄肉液体容器において従来は安定的な適用が困難視されていたキャップ装着作業の自動化、ひいては生産性の大幅な向上を確実に達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるボトル型液体容器の正面図である。
【図2】 液体容器の側面図である。
【図3】 液体容器の平面図である。
【図4】 液体容器の底面図である。
【図5】 図2における5−5線に沿う断面図である。
【図6】 図2における6−6線に沿う断面図である。
【図7】 液体容器の底部に設けた突起を示す拡大図である。
【図8】 液体容器のネック部に設けた凹みを示す拡大図である。
【図9】 液体容器の側面に設けた折線としての突条を示す拡大図である。
【図10】 液体容器の折畳み時におけるパーティングラインを示す説明図である。
【図11】 液体容器の第1折畳み段階を示す略図である。
【図12】 上記の第1折畳み段階における液体容器の縦断面図である。
【図13】 液体容器の第2折畳み段階を示す略図である。
【図14】 上記の第2折畳み段階における液体容器の縦断面図である。
【符号の説明】
10 ボトル型液体容器
11 容器本体
12 ネック部
13 肩部
14 胴部
15 底部
16 突起
17 凹み
18 折線
19 パーティングライン
Claims (6)
- 熱可塑性プラスチック材料をブロー成形してなり、ネック部、肩部、胴部及び底部を有する容器本体を具え、該胴部は正面及び背面が矩形を呈し、両側面が三角形を呈する形態として両側から扁平に圧潰可能であり、肩部、胴部及び底部がネック部よりも薄肉とされ、肩部に隣接する基端領域でネック部に異形の平面形状を呈する把持部分を設け、ネック部及び底部の一方に突起が、他方には該突起を係合させ得る凹みがそれぞれ設けられ、容器本体内の液体を消費した後の分別回収に際し、胴部を両側から扁平に圧潰すると共に容器本体を胴部において折畳んだ状態で、ネック部及び底部の一方における突起を他方における凹みに係合させることにより減容状態で分別回収可能としたボトル型液体容器であって、
容器本体の折り畳みに際して、底部におけるパーティングラインと底部と胴部のパーティングラインを接続するパーティングラインとが、略直線状となるように、底部におけるパーティングラインと胴部側壁におけるパーティングラインとをアールで接続したことを特徴とする液体容器。 - 請求項1記載の液体容器において、容器本体の両側面にそれぞれ3本の折線を設け、これら折線を互いにほぼ倒立Y字形状に配置してなることを特徴とする液体容器。
- 請求項2記載の液体容器において、容器本体の両側面における前記折線を、それぞれ突条又は溝として形成してなることを特徴とする液体容器。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載された液体容器において、容器本体の底部の中央領域に前記突起を、また、容器本体のネック部に前記凹みをそれぞれ配置したことを特徴とする液体容器。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体容器において、前記把持部分は、少なくとも互いにほぼ平行に延在する二辺を有する平面形状としたことを特徴とする液体容器。
- 請求項5記載の液体容器において、前記把持部分は、その平面形状を多角形状としたことを特徴とする液体容器。
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