JP3667910B2 - 圧縮廃棄が容易な中空容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、合成樹脂をブロー成形した中空容器に関するものであり、更に詳細には、液状体の内容物を収容する中空容器が、移送時や使用時には充分な強度を有しているが、使用後に廃棄する際には、偏平状に容易に押し潰すことが可能で、且つ、押し潰した容器を丸めて小さく圧縮することを容易にした中空容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている合成樹脂製の中空容器は、蓋を螺合する硬い口頸部と、それに続く肩部を介してブロー成形された胴部と、胴部の下端部に形成された底部とから構成されていて、ブロー成形されて肉厚が薄くなった胴部には、内容物の充填時や移送時及び使用時に生ずる衝撃や圧力その他の外力に対して耐え得る強度を持たせるために、壁面に様々な形をした凹凸状のリブを設けて剛性が付与されており、また、底部には、球面その他の曲面状の肉厚部が設けられて変形や亀裂が生じないように工夫されている。
【0003】
そして近年なって、物流面に於ける変化や生活面での利便性等から軽量で割れにくい合成樹脂製の中空容器が多用されるようになり、中でも無公害性、優れた透明性、そして高い機械的強度を有する等の見地から、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PET樹脂という)を2軸延伸ブロー成形した壜体その他の中空容器が、好んで使用されるようになったが、従来は使用済のものはそのままゴミとして廃棄されているので、大きな容積をとるのでゴミの収集を効率的に行うことが難しいという問題がある。
しかし、合成樹脂製の中空容器が多用されるに伴って、生活ゴミとして廃棄される中にこれらの容器の占める割合が多くなるに連れて、社会的に環境問題を引き起こす原因の一つとなり、空の容器は回収して再使用することにより資源の無駄遣いをなくすことが求められるようになったことから、廃棄に際して容積を小さくした効率的な回収が課題とされるようになった。
【0004】
このような社会的な要求に対応して、使用済の空の容器を回収するためには、不用な容器を廃棄する際に、容器が嵩ばらないようすることが必要となるが、そのような構造をした容器としては、特開平7−315382号や実用新案登録第3005485号公報等に記載するように中空容器の円筒壁部に折り畳み可能な蛇腹状の溝を設けておいて、使用済となった空の容器は軸方向に圧縮することにより体積を小さくすることが可能としたものや、実開平5−46717号や実開平7−33841号公報等に記載するような中空容器の胴部に側壁及び底部に折り畳み線部を設けておいて、空となった容器を折り畳み線に沿って偏平状に折り畳んで、容易に体積を小さくできるようにしたものがある。
【0005】
しかしながら、前者の蛇腹状に圧縮する構造のものは、単に上下方向に縮めるだけであるので中央部に空間部分が残り、廃棄物としての体積を大幅に減少させることは不可能であり、また、すぐに元の形状に戻り易い恐れがある。
そして、後者の偏平に折り畳む構造のものは、折り畳んだ容器の弾性復帰力に伴って容器内に空気が入り易いので、折り畳んだ状態を安定して保持することが困難であると同時に胴壁部に補強リブが少ないので強度的に問題があるという欠点があった。
【0006】
そこで、本願出願人は、前記偏平に折り畳む構造にした容器の欠点を改良して、図5に示すように、容器の口頸部11に形成したネジ部16及びネックリング17に不連続部18を形成すると共に底部14に押圧力により内側に陥没する凹状溝部19を形成して、容器の胴部には対抗する側壁13a,13bの一方の壁面に凹状部21を、これと対向する他方の壁面には突状部22を、それぞれリブ状に形成して、偏平状に折り畳んだ際に前記凹状部21に突状部22が嵌合して、偏平状に安定して保持できるようにしたものを特開平7−101442号に示すように提案している。
【0007】
しかし、上記の先行発明の容器には、その胴部側壁の広い範囲にわたって凹凸状の補強リブ21,22が形成されているので、内容物の充填時や移送及び使用時等に於ける衝撃その他の外力に対しては、充分に耐え得る剛性を備えており、また、使用後に偏平状に押し潰しが可能であるから、容器の内部に空間部分がほとんどできないので容器が嵩ばらず、再生又は廃棄処理するための回収作業は、従来の容器にくらべて非常に容易とはなるが、このような形で廃棄された容器は、偏平状に押し潰しただけであるから表面積は広いままであるので、表面積の形が大きくて回収容器に収容するのに手間がかかるという難点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常使用されるPET樹脂製の容器を、再生または廃棄処理するために効率よく回収しようとすると、そのままでは容積が大きくて非常に嵩ばって回収効率が悪いので、容器を潰して嵩ばらないようにしようとすれば、従来の容器は偏平にするには非常に難しいという問題があって、使用済となった容器を簡単に偏平状に潰して、且つ、小さい形にして廃棄することができる合成樹脂製の容器の出現がが望まれるようになってきた。
本願発明は、このような問題点を解決すべく、内容物の充填時や移送及び使用時の外力に耐え得る強度を有して、且つ、使用済となった後には容易に偏平状に押し潰してから小さく丸めて廃棄することを可能にして、回収が容易な合成樹脂製の中空容器を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内容物をほぼ完全に排出した後、容器本体部の形状が、概略大判形をした偏平状に押し潰すことが可能で、且つ、該偏平体を中央部で折り曲げることが可能となし、該容器本体部の前面または後面の中央壁面に剥離可能に接着されて下端部で接続したラベルのにより、前記中空容器を屈曲した状態に保持可能な構造にする。
即ち、ブロー成形した自立可能な中空容器の中央壁面に部分的に剥離可能なラベルを設けておいて、使用済後に該容器を偏平状に押し潰したものを、更に、中央部で二つ折りに湾曲せしめて小さく圧縮してから、前記ラベルを剥がしてミシン目で形成した係止孔を開口して容器の口頸部に引っ掛けて縮小状態で保持可能に構成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
使用済となった中空容器1の内容物を完全に排出してから、容器の側壁を押圧するかその他の手段により胴部3の側壁前面3aと側壁後面3bとが接するように偏平状に圧縮したら、ラベル5を側壁前面から剥がすと共にミシン目5aを千切って係止孔5bを開口形成して、偏平にした容器の胴部3を後面3b側に二つ折りに湾曲させたら、前記係止孔5bを容器の口頸部2に引っ掛けて二つ折り曲げた状態で固定して、空になった容器は圧縮して容積を小さくして廃棄する。
【0011】
【実施例】
本願発明の容器について、図面を参照しつつ最適な具体例の一つを以下に説明する。
本願発明は、図1に示すように、口頸部2に肩部を経て連結する胴部3と底部4とからなる中空容器1を、PET樹脂のブロー成形により外観が概略大判状をした形状に成形する。
前記容器1は内部が空になれば、胴部3が押圧されると前部側壁3aの内面と後部側壁3bの内面とは密着すると共に底部が中折れ状になって、該容器は偏平状に押し潰し可能な構造に容器壁が形成されている。
そして、前記容器1の前部壁面または後部壁面の中央部には、ダブルラベルの貼着あるいはインモールドラベル等の周知の手段により商標その他を表示するラベル5が剥離可能に接着されると共に、ラベルの下端部が容器の壁面に接続されており、また、該ラベル5の上半部にはミシン目5aによる開口可能な係止孔部5bが形成されている。
【0012】
上記のような構成をした本願発明の容器は、使用済みまたは廃棄時になったら容器の中身を全部排出すると共に、前部と後部の側壁3a,3bが密着するように胴部3を押圧して容器内の空気を排気して、図2に示すように空の容器を偏平化した後、口頸部2に蓋を被せて密閉する。
続いて、側壁の中央部に設けられたラベル5を、図2に示すように剥がして、ミシン目5aを切断して係止孔5bを開口したら、図3に示すように偏平にした容器1を、ラベル5が設けられた面とは反対側に中程から二つ折りに湾曲せしめて、ラベル5の開口孔5bに口頸部2を挿通して図4に示すように折り畳んだ状態にして留める。
このようにして、嵩ばらないように折り畳まれて、容積が小さく圧縮された本願発明の容器は、収集用の容器に投入されて効率よく収集されて、再生資源として回収利用されるか、または、廃棄されて焼却処理される。
【0013】
上記の実施例で用いた容器は、その胴部壁には補強リブが形成されたものではないが、胴部に補強リブを設ける場合には、容器の軸方向に対して横方向に形成したものにすれば、容器を二つ折りに湾曲せしめるのに支障をきたさない。
また、容器を偏平にするのが容易になるように、容器の底壁部4が内側もしくは外側に折れや易いような構造、即ち、底部中央に横方向の折れ溝を形成して、底壁を内方に少し湾曲せしめた形状にするか、または、平坦な底壁中央部に外向きに突出可能な横方向の折れ溝を形成しておけば、胴部の側壁を両側から押圧することにより容易に偏平化させることができる。
更に、容器の両側壁部に縦方向にリブ状の折れ溝を設けておけば、容器の断面形状が円形、非円形に関わらず容易に偏平化させるできると共に、容器の補強効果ももたせることが可能になる。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の2軸延伸ブローした容器は、使用後に廃棄する際に、容易に偏平状に容易に押し潰すことを可能にすると共に、二つ折りにして圧縮して固定状態で廃棄することができるようにしたので、廃棄物の嵩ばりが解消されて、資源の再生利用または廃棄物のための回収作業が非常に容易となるので、回収効率を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の容器を示す斜視図である。
【図2】空なった容器を偏平状に押し潰した状態を示す斜視図である。
【図3】偏平状に押し潰した空の容器を二つ折りにする状態を示す斜視図である。
【図4】本願発明の容器が圧縮状態にされた斜視図である。
【図5(a)】本願発明の先行例を示す正面図である。
【図5(b)】図5(a)に示す容器を使用済み後に偏平状態にした側面図である。
【符号の説明】
1 中空容器
2 口頸部
3 胴部
3a 前部側壁
3b 後部側壁
4 底壁部
5 ラベル
5a ミシン目
5b 係止孔
11 口頸部
13a側壁
14 底部
16 ネジ部
18 不連続部
21 凹状部
22 突状部
Claims (5)
- 口頸部に連接した肩部と胴部と底部とからなる合成樹脂を2軸延伸ブロー成形してなる中空容器に於いて、該容器は胴部は偏平状に押し潰し可能で、且つ、二つ折りに屈曲可能に構成され、胴部に圧縮した容器を固定可能なラベルが設けられていることを特徴する圧縮廃棄が容易な中空容器。
- 前記ラベルは、容器の胴部壁面に剥離可能に接着すると共に下端部が接合して設けられ、該ラベルの上半部には口頸部に係止可能な孔部がミシン目により開口可能に形成されていることを特徴する請求項1に記載する圧縮廃棄が容易な中空容器。
- 前記中空容器は、偏平状に押し潰されてラベルが剥離され、且つ、ラベル面と反対側に二つ折りに屈曲して圧縮されて、該ラベル上半部に形成された係止孔に容器の口頸部が挿通されて圧縮した状態に固定可能に構成されていることを特徴する請求項1または2に記載する圧縮廃棄が容易な中空容器。
- 前記ラベルは、ダブルラベルを容器の胴部壁面に接着して構成されてなることを特徴する請求項1乃至3に記載する圧縮廃棄が容易な中空容器。
- 前記ラベルは、インモールドラベルにより容器の胴部壁面に形成されていることを特徴する請求項1乃至3に記載する圧縮廃棄が容易な中空容器。
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1996
- 1996-11-30 JP JP33485996A patent/JP3667910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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