JP3874472B2 - 配送伝票 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタのインキを用いずにプリンタで印字可能かつ複写可能な配送伝票に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来の配送伝票の一例の層構成を示す断面図であり、図15は、その配送伝票の各配送票を示す平面図である。
配送伝票10は、プリンタと係合するためのスプロケット孔を有するマージナル部が左右両側外縁部に設けられた連続帳票の一葉である。
配送伝票10は、重ねられた配送票11と13とを備えている。配送票11と13との間には、接着剤層12が設けられており、接着剤層12によって配送票11と13とが剥離可能に接着されている。
【0003】
また、配送票13の下面には、配送伝票10を配送物に貼付するための接着剤層14が設けられている。接着剤層14は、剥離紙15によって覆われており、配送伝票10の配送物への貼付時には、剥離紙15が剥離される。
配送票11は、上質紙又は熱転写紙等から形成されている。配送票11は、切り目11cによって、配達票11aと受領票11bとに区分されている。
配達票13は、上質紙等から形成されており、その上面には、文字や絵柄等で、伝達内容や広告等が予め印刷されている。なお、配送票13には、上記切り目11cに相当するものは、形成されていない。
【0004】
配送伝票10は、配送票11の配達票11a及び受領票11bに配送元や配送先の宛名等がプリンタ(NIP又は熱転写プリンタ等)で印字された後、剥離紙15が剥離され接着剤層14によって配送物に貼付される。図16は、配送伝票10が配送物に貼付されたときの様子を示す斜視図である。
配送物が受取人に配達されると、配達者は、受領票11bを配送伝票10から剥離して、持ち帰る。受領票11bが剥離されると、配送票13に印刷された内容が見えるようになる。図17は、このときの様子を示す斜視図である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来の配送伝票10では、大量に配送伝票10を発行する場合において、インパクトプリンタ、NIP又は熱転写プリンタで印字するときは、プリンタのインキ(トナーやインクリボン)の保守、管理又は交換が煩雑となるという問題があった。
【0006】
一方、サーマルプリンタでは、インキを用いずに印字することができるが、NIP又は熱転写プリンタと同様に、配送票11に印字することができても、その下側の配送票13に複写することができないという問題があった。したがって、配達票11a及び受領票11b以外に、他の控え票が必要なときは、配送票11の表面積を大きくするしかなかった。
【0007】
本発明の課題は、プリンタのインキを用いずに印字できるようにし、かつ情報の複写を可能とした配送伝票を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項の発明は、プリンタから伝達されるインパクト力により、プリンタのインキを用いずに印字可能かつ複写可能な配送伝票であって、第1配送票と、前記第1配送票の下側に配置された第2配送票と、前記第1配送票と前記第2配送票とを分離可能に連結する連結部と、前記第1配送票上に設けられ、発色剤と顕色剤とを有し、インパクト力により発色する第1感圧発色層と、前記第2配送票上、又は前記第1配送票の下面及び前記第2配送票の上面に設けられ、前記第2配送票上に顕色剤を有するとともに前記第1配送票の下面又は前記第2配送票の上面に発色剤を有し、前記第1配送票の上面側に与えられたインパクト力により前記第2配送票上で発色する第2感圧発色層とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項の発明は、請求項1に記載の配送伝票において、前記第1配送票は、分離可能に形成された複数の配送票から構成されていることを特徴とする。請求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載の配送伝票において、前記配送伝票の最下面には、前記配送伝票を配送物に貼付するための接着剤層を備えることを特徴とする。請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の配送伝票において、前記第2配送票の下側には、所定の情報を予め表示した第3配送票が配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項の発明においては、第1配送票上にインパクト力が与えられると、第1感圧発色層により第1配送票に印字され、さらにそのインパクト力が第2配送票に伝達され、第2感圧発色層により第2配送票に複写される。印字後は、配送伝票が配送物に貼付され、配送物の配送過程において第1配送票が分離される。
【0013】
請求項の発明においては、配送物の配送過程において、第1配送票の各配送票が分離される。請求項の発明においては、配送伝票は、接着剤層によって配送物に貼付される。請求項の発明においては、配送過程において第2配送票が分離されると、その下側の第3配送票に表示された情報が見えるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明による配送伝票の第1実施形態を分解して示す斜視図である。また、図2は、図1の配送伝票の層構成を示す断面図である。
この配送伝票20は、従来の配送伝票10と同様に、プリンタと係合するためのスプロケット孔を有するマージナル部が左右両側外縁部に設けられた連続帳票の一葉である。
【0015】
配送伝票20は、3枚の配送票21、22及び23が重ねられたものである。配送票21と22との間には、接着剤層24が設けられており、接着剤層24によって配送票21と22とが剥離可能に接着されている。同様に、配送票22と23との間には、接着剤層25が設けられており、接着剤層25によって配送票22と23とが剥離可能に接着されている。
接着剤24及び25としては、例えば感圧接着剤、2層構成の擬似接着、ワックス系糊又は樹脂系糊があげられる。
また、配送票23の下面には、配送伝票20を配送物に貼付するための接着剤層26が設けられている。接着剤層26は、剥離紙27によって覆われており、配送伝票20の配送物への貼付時には、剥離紙27が剥離される。
【0016】
配送票21及び22は、感熱紙により形成されたものである。すなわち、配送票21の上面には、ロイコ染料等からなる電子供与体と、フェノール類(例えばフェノール系酸性物質)等からなる電子受容体とを含む感熱発色層が設けられている。
また、配送票21と22との間には、上述の同様の感熱発色層が設けられている。これは、(1)配送票22上に上述と同一の感熱発色層が設けられるか、あるいは、(2)配送票21の下面に電子供与体を含む層を設け、配送票22の上面に電子受容体を含む層を設け、双方の層により感熱発色層が構成されるように設けられる。
また、配送票21上から供給された熱エネルギーが、配送票21及び接着剤層24を介して配送票22まで伝達されるように、配送票21の紙厚や接着剤層24が選定される。
【0017】
配送票21の略中央部には、切り目21cが形成されており、配送票21は、切り目21cにより差出人控え票21aと営業所控え票21bとに区分されている。
同様に、配送票22の略中央部には、切り目22cが形成されており、配送票22は、切り目22cにより配達票22aと受領票22bとに区分されている。一方、配送票23は、上質紙から形成されたものであり、配送票22と23との間には、上述の感熱発色層等は設けられていない。
【0018】
次に、配送伝票20の使用方法について説明する。
先ず、配送伝票20をサーマルプリンタにセットし、印字を行う。
サーマルプリンタの印字ヘッド(電気抵抗発熱体)により、配送伝票20の配送票21の上面に熱が与えられると、その熱により、配送票21上の感熱発色層の電子供与体と電子受容体とが反応して、配送票21上で発色する。さらに、この熱は、その下側の配送票22に伝達され、配送票21と22との間に設けられた感熱発色層により、配送票22上で発色する。すなわち、配送票21上に印字され、さらに配送票22に複写される。
【0019】
印字後に、配送伝票20の剥離紙27が剥離され、接着剤層26により配送物に貼付される(図3)。
配送物の差出人は、ここで差出人控え票21aを受け取る(図4)。また、配送物を取り扱う営業所では、営業所での控えとなる営業所控え票21bを受け取る(図5)。差出人控え票21aや営業所控え票21bは、接着剤層24により剥離可能であるので、そのまま配送伝票20から剥離することができる。
【0020】
次に、配送物が受取人に配達されると、配送物の配達者は、受領票22bを受け取る(図6)。受領票22bもまた、接着剤層25により剥離可能に接着されているので、そのまま剥離することができる。以上により、配送伝票20には、配送票23及び配達票22aが残るようになる。
【0021】
図7は、本発明による配送伝票の第2実施形態の層構成を示す断面図である。以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は、適宜省略する。図7の配送伝票20Aにおいて、第1実施形態の配送票23に対応する配送票23A上には、予め印刷が施されている。図8は、配送票23Aを示す斜視図である。この印刷は、配送票22の受領票22bと厚み方向で重なる領域に設けられている。したがって、配送物が受取人に配達されるときに、受領票22bが剥離されると、その下側に配置されている配送票23Aが露出し、配送票23Aに印刷された内容が見えるようになる(図9)。
【0022】
図10は、本発明による配送伝票の第3実施形態を分解して示す斜視図である。また、図11は、図10の配送伝票20Bの層構成を示す断面図である。この配送伝票20Bは、2枚の配送票22Bと23Bとを備えている。配送票22Bは、第1実施形態等と同様に、配達票22aと受領票22bとに区分されている。そして、これらの上面には、上述と同様の感熱発色層が設けられている。また、配送票23Bは、配送物の貼付票となるものである。配送票22Bと23Bとの間には、感熱発色層が設けられている。これは、第1実施形態での配送票21と22との間に設けられる感熱発色層と同様に、(1)配送票23B上に感熱発色層が設けられるか、あるいは、(2)配送票22Bの下面に電子供与体を含む層を設け、配送票23Bの上面に電子受容体を含む層を設け、双方の層により感熱発色層が構成されるように設けられる。
【0023】
サーマルプリンタの印字ヘッドによって配送伝票20Bの配送票22B上に熱が与えられると、第1実施形態等と同様に、配送票22Bに印字され、さらにその内容が配送票23Bに複写される。
そして、印字後に配送物に配送伝票20Bが貼付される(図12)。配送物が受取人に配達されると、受領票22bが剥離される(図13)。なお、配達票22aは、配送物に貼付されたままであるが、配送過程で仮に配達票22aが脱落してしまっても、その下側の配送票23Bに、印字内容が複写されているので、配送物の届先が配達途中で不明になることを防止することができる。
【0024】
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態の配送伝票(以下、「配送伝票20C」という。)は、第1実施形態に対し、第1実施形態で設けられた感熱発色層のみが異なる。第4実施形態では、配送票21上や、配送票21と22との間には、感圧発色層が設けられる。
感圧発色層は、発色剤と顕色剤とを含む層であり、例えば、外径が数μm程度の大きさのマイクロカプセル中にロイコ染料等の発色剤(発色色素)を封入した発色カプセルを含有させるとともに、発色色素と反応することによって発色する顕色剤を含む層である。マイクロカプセル中に発色色素を封入する方法としては、従来より公知のコアセルベーション法や、界面重合法等があげられる。
【0025】
配送票21上には、上記発色剤と顕色剤とを含む感圧発色層が設けられる。また、配送票21と22との間には、第1実施形態での感熱発色層と同様に、(1)配送票22上に上述と同一の感圧発色層が設けられるか、あるいは、(2)配送票21の下面に発色剤を含む層を設け、配送票22の上面に顕色剤を含む層を設け、双方の層により感圧発色層が構成されるように設けられる。
この配送伝票20Cに印字するときは、インクリボンを使用しないインパクトプリンタ(ドットインパクトプリンタ等)が使用される。
【0026】
インパクトプリンタのインパクト力(印字圧)が配送票21上に作用すると、発色カプセルが破砕され、顕色剤と発色剤とが反応し、配送票21上で発色する。さらに、インパクト力が下側の配送票22に伝達され、配送票21と22との間に設けられた発色カプセルが破砕され、それが顕色剤と反応し、配送票22上で発色する。
以上により、プリンタ側でインクリボンを用いずに情報を印字でき、かつ下側に複写することができる。
なお、上述した感圧発色層は、第2実施形態や第3実施形態に適用することも可能である。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
表面にロイコ染料を塗布したサーマル紙を用いて第1実施形態の配送伝票20を作製した。配送票21には、35μmの厚みを有するサーマル紙を用い、配送票22には、65μmの厚みを有するサーマル紙を用いた。さらに、配送票22には、配送票21の感熱感度より高いものを選定した。
また、配送票21と22との間の接着剤層24は、(1)パラフィンワックスにPVA、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂を適度に混合したもの、又は(2)ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリブチレン等のオレフィン系(共)重合体(本明細書において、「(共)重合体」の語は、重合体及び共重合体の双方を包含する意味である。以下同じ。)から形成した。接着剤層24の厚みは、5〜15μm程度であった。
【0028】
この配送伝票20を、サトー工業(株)製のサーマルプリンタ「UN400」を用いて印字を試みた。印字濃度は、「濃い(3)」に設定し、かつディップスイッチの1−3をOFF、1−4をONにした。印字した結果、配送票21に良好に印字することができ、さらに配送票22に良好に複写させることができた。
【0029】
(実施例2)
第4実施形態の配送伝票20Cを、富士フィルム(株)製のプレスブルーのシングルタイプの用紙を用いて作製した。配送票21には、坪量が40g/m2 程度の上記用紙を用い、配送票22には、坪量が50g/m2 程度の上記用紙を用いた。
配送票21と22との間の接着剤層24は、(1)ポリエチレン、ポリプロピレン若しくはポリブチレン等のオレフィン系(共)重合体、(2)ポリスチレン、ポリビニルブチラール、酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂若しくはセルロース樹脂等の熱可塑性樹脂、又は(3)これらの混合体から形成した。接着剤層24の厚みは、5〜15μm程度であった。
【0030】
この配送伝票を、沖電気工業(株)製のドットインパクトプリンタ「マイクロライン8340SV」を用いて印字を試みた。ヘッドギャップは、アジャストレバー値を2(用紙全体の厚みが0.1mm〜0.15mm)とした。
プリンタのインクリボンを除いて印字した結果、配送票21に良好に印字することができ、さらに配送票22に良好に複写させることができた。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、均等の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、配送伝票20等の配送票21を2つに区分したが、このように区分せずに用いても良い。また、配送票21等を区分するのに切り目21c等を形成したが、これに限ることなく、裁断可能なミシン目等であっても良い。
また、例えば第1実施形態における配送票21と22との間、及び配送票22と23との間には、それぞれ剥離可能な接着剤層24及び25を設けたが、これに限らず、印字領域外に設けたスポット糊や、抜き加工により綴じ合わせたものであっても良い。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、インパクトプリンタ等のプリンタのインキを用いずに、情報を印字することができ、かつ下側に情報を複写することができる。
請求項の発明によれば、第1配送票の中に複数の配送票を設けることができる。
請求項の発明によれば、配送伝票を配送物に貼付することができる。
請求項の発明によれば、配送過程において第3配送票に表示された情報を、取扱者に見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による配送伝票の第1実施形態を分解して示す斜視図である。
【図2】図1の配送伝票の層構成を示す断面図である。
【図3】配送伝票20が配送物に貼付されたときの様子を示す斜視図である。
【図4】図3の状態から、差出人控え票21aが分離されたときの様子を示す斜視図である。
【図5】図4の状態から、営業所控え票21bが分離されたときの様子を示す斜視図である。
【図6】図5の状態から、受領票22bが分離されたときの様子を示す斜視図である。
【図7】本発明による配送伝票の第2実施形態の層構成を示す断面図である。
【図8】配送票23Aを示す斜視図である。
【図9】受領票22bが剥離され、配送票23Aが露出したときの様子を示す斜視図である。
【図10】本発明による配送伝票の第3実施形態を分解して示す斜視図である。
【図11】図10の配送伝票20Bの層構成を示す断面図である。
【図12】配送物に配送伝票20Bが貼付されたときの様子を示す斜視図である。
【図13】図12の状態から受領票22bが分離されたときの様子を示す斜視図である。
【図14】従来の配送伝票の一例の層構成を示す断面図である。
【図15】図14の配送伝票の各配送票を示す平面図である。
【図16】配送伝票10が配送物に貼付されたときの様子を示す斜視図である。
【図17】図16の状態から受領票11bが分離されたときの様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
20 配送伝票
21,22,23 配送票
21a 差出人控え票
21b 営業所控え票
21c 切り目
22a 配達票
22b 受領票
22c 切り目
24,25,26 接着剤層
27 剥離紙

Claims (4)

  1. プリンタから伝達されるインパクト力により、プリンタのインキを用いずに印字可能かつ複写可能な配送伝票であって、
    第1配送票と、
    前記第1配送票の下側に配置された第2配送票と、
    前記第1配送票と前記第2配送票とを分離可能に連結する連結部と、
    前記第1配送票上に設けられ、発色剤と顕色剤とを有し、インパクト力により発色する第1感圧発色層と、
    前記第2配送票上、又は前記第1配送票の下面及び前記第2配送票の上面に設けられ、前記第2配送票上に顕色剤を有するとともに前記第1配送票の下面又は前記第2配送票の上面に発色剤を有し、前記第1配送票の上面側に与えられたインパクト力により前記第2配送票上で発色する第2感圧発色層と
    を備えることを特徴とする配送伝票。
  2. 請求項1に記載の配送伝票において、
    前記第1配送票は、分離可能に形成された複数の配送票から構成されていること
    を特徴とする配送伝票。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の配送伝票において、
    前記配送伝票の最下面には、前記配送伝票を配送物に貼付するための接着剤層を備えること
    を特徴とする配送伝票。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の配送伝票において、
    前記第2配送票の下側には、所定の情報を予め表示した第3配送票が配置されていること
    を特徴とする配送伝票。
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