JP3873494B2 - ボールペンチップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン、塗布具等のボールを筆記媒体とするボールペンチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の1例として、図9〜図12に示すようなボールペンチップが知られている。ボールペンチップの先端のボール把持部101には、ボール102が回動自在に取り付けられている。ボール102の図中下方には、ボール受け座部103およびインキの流通路となる中心孔104が形成され、その中心孔104の図中上部は、ボール102にインクを供給する、放射状矢溝部105となっている。また、前記中心孔104の下方には内孔106が形成されており、内孔106には、スプリング107が配設され、そのスプリング107の一端は図中上方に垂直に延びて前記中心孔104通る、スプリング端部107aとなっている。
前記ボール102は、このスプリング端部107aに支承され、図中上方に付勢されて前記ボール把持部101の先端内縁部108に当接している。
次に作用について説明する。ボール102を筆記面に当接させると、ボール102が押圧され、その押圧動作によってスプリング端部107a(スプリング107)が後退するとともに、インキがボール102を介して前記ボール把持部101の先端内縁部108を通過して筆記面へと供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来技術にあっては、中心孔104にスプリング端部107aを組み立てた際、スプリング端部107aが中心孔104の一方に寄ってしまい、前記放射状矢溝部105の一つを塞いでしまったり、また、このボールペンチップで筆記した際、ボール102の回転により、スプリング端部107aが中心孔104のインキの流れる側(筆記する方向)に移動し、その方向にある放射状矢溝を塞いでしまったりして、筆記カスレや、インキ切れ等の筆記不良を生じるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、先端ボールと先端内縁を有するボール把持部と中心孔と、その中心孔の後端に至らない深さの複数の矢溝と前記中心孔を通るスプリングよりなり、前記スプリングに支承されて先端ボールが前記ボール把持部の先端内縁に密接するボールペンチップにおいて、前記中心孔の後端部に前記スプリングの端部の外径よりも小さい幅の複数の通溝を形成し、この複数の通溝を前記複数の矢溝に連通させたことを第1の要旨とし、先端ボールと先端内縁を有するボール把持部と中心孔と、その中心孔の後端に至らない深さの複数の矢溝と前記中心孔を通るスプリングよりなり、前記スプリングに支承されて先端ボールが前記ボール把持部の先端内縁に密接するボールペンチップにおいて、前記スプリングの端部外周に前記スプリングの端部の外径よりも小さい幅の複数の通溝を形成したことを第2の要旨とするものである。
【0005】
【実施例】
図1、図2に第1例を示し説明する。ボールペンチップの先端のボール把持部1には、ボール2が回動自在に取り付けられている。ボール2の図中下方には、ボール受け座部3およびインキの流通路となる中心孔4が形成され、その中心孔4の図中上部は、ボール2にインクを供給する、放射状矢溝部5となっている。本例において中心孔4は、下穴加工の後、ブローチによる打ち抜き加工等により、非円形の多角形状に形成されており、前記放射状矢溝部5の各々の方向に多角形の角先部4aを連通・一致させている。また、前記中心孔4の下方には内孔6が形成されており、内孔6には、スプリング7が配設され、そのスプリング7の一端は図中上方に垂直に延びて前記中心孔4通る、スプリング端部7aとなっている。前記ボール2は、このスプリング端部7aに支承され、図中上方に付勢されて前記ボール把持部1の先端内縁部8に当接している。
次に作用について説明する。ボール2を筆記面に当接させると、ボール2が押圧され、その押圧動作によってスプリング端部7a(スプリング7)が後退するとともに、インキがボール2を介して前記ボール把持部1の先端内縁部8を通過して筆記面へと供給される。中心孔4にスプリング端部7aを組み立てた際、スプリング端部7aが中心孔4の一方に寄ってしまったり、また、このボールペンチップで筆記した際、ボール2の回転により、スプリング端部7aが中心孔4のインキの流れる側(筆記する方向)に移動してしまったりしても、前記角先部4aがインキの流通路となるので、筆記カスレや、インキ切れ等の筆記不良を生じない。
【0006】
図3に変形例を示し説明する。前例と同じ部分については説明を省略する。
本例における中心孔4は、前記放射状矢溝部5の各々の方向にV字状通孔部4bを形成している。V字状通孔部4bの幅は前記スプリング端部7aの外径寸法よりも小さい幅の寸法とし、スプリング端部7aがV字状通孔部4bの方向に偏っても、スプリング端部7aの外周との間にインキの流通路が確保出来るようになっている。
前例と同様にブローチによる打ち抜き加工等によってV字状通孔部4bが形成されるが、前例と異なり、先に円形の中心孔4を加工形成した後で、ブローチ加工により打ち抜き形成されるので、V字形状・寸法を適宜設定する事ができるし、また、加工量が少ないので、ブローチ加工の負担も軽くて済む。
【0007】
図4に別の変形例を示し説明する。前例と同じ部分については説明を省略する。
本例における中心孔4は、前記放射状矢溝部5の各々の方向にU字状通孔部4cを形成している。U字状通孔部4cの幅は前記スプリング端部7aの外径寸法よりも小さい幅の寸法とし、スプリング端部7aがU字状通孔部4cの方向に偏っても、スプリング端部7aの外周との間にインキの流通路が確保出来るようになっている。
作用については、前述の第1例、並びに変形例と同様であるが、通孔部の断面積を大きく形成できるので、インキの流通路が大きく確保出来るという利点がある。
【0008】
図5、図6に第2例を示し説明する。ボールペンチップの先端のボール把持部1には、ボール2が回動自在に取り付けられている。ボール2の図中下方には、ボール受け座部3およびインキの流通路となる中心孔4が形成され、その中心孔4の図中上部は、ボール2にインクを供給する、放射状矢溝部5となっている。また、前記中心孔4の下方には内孔6が形成されており、内孔6には、スプリング7が配設され、そのスプリング7の一端は図中上方に垂直に延びて前記中心孔4通る、スプリング端部7aとなっている。前記ボール2は、このスプリング端部7aに支承され、図中上方に付勢されて前記ボール把持部1の先端内縁部8に当接している。
本例において、スプリング端部7aの外周には、その外径よりも小さい幅の、断面V字形状、U字形状等の複数の通溝7bが形成されている。
中心孔4にスプリング端部7aを組み立てた際、スプリング端部7aが中心孔4の一方に寄ってしまったり、また、このボールペンチップで筆記した際、ボール2の回転により、スプリング端部7aが中心孔4のインキの流れる側(筆記する方向)に移動してしまったりしても、前記通溝7bがインキの流通路となるので、筆記カスレや、インキ切れ等の筆記不良を生じない。
【0009】
図7、図8に第3例を示し説明する。
本例においては、スプリング端部7aの外周に、その外径よりも小さい幅の、断面V字形状、U字形状等の通溝7cが螺旋状に形成されている。
この例によれば、前例に比較して、スプリング端部7aへの通溝7cの形成が容易であるという利点がある。
他の作用については、前記第2例と同様である。
尚、前述の第2例、第3例におけるスプリング端部7aは、スプリング7と一体のもので例示したが、スプリング端部7aを別体の部品で形成し、前記スプリング7に直列に連結固定してもよい。スプリング端部7aへの通溝7b、7cの加工形成がより容易になる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、先端ボールと先端内縁を有するボール把持部と中心孔と、その中心孔の後端に至らない深さの複数の矢溝と前記中心孔を通るスプリングよりなり、前記スプリングに支承されて先端ボールが前記ボール把持部の先端内縁に密接するボールペンチップにおいて、前記中心孔の後端部に前記スプリングの端部の外径よりも小さい幅の複数の通溝を形成し、この複数の通溝を前記複数の矢溝に連通させ、あるいは、先端ボールと先端内縁を有するボール把持部と中心孔と、その中心孔の後端に至らない深さの複数の矢溝と前記中心孔を通るスプリングよりなり、前記スプリングに支承されて先端ボールが前記ボール把持部の先端内縁に密接するボールペンチップにおいて、前記スプリングの端部外周に前記スプリングの端部の外径よりも小さい幅の複数の通溝を形成したので、スプリング端部107が中心孔104のインキの流れる側(筆記する方向)に移動し、その方向にある放射状矢溝を塞いでしまったとしても、インキの流通を途切れなく確保することができ、筆記カスレや、インキ切れ等の筆記不良を生じるという問題を生じないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す縦断面図。
【図2】図1のA−A断面(ボールを外した)図。
【図3】変形例の断面(ボールを外した)図。
【図4】別の変形例の断面(ボールを外した)図。
【図5】第2例を示す縦断面図。
【図6】図5のA−A断面(ボールを外した)図。
【図7】第3例を示す縦断面図。
【図8】図7のA−A断面(ボールを外した)図。
【図9】従来例を示す縦断面図。
【図10】従来例を示す縦断面図。
【図11】図10のA−A断面(ボールを外した)図。
【図12】従来例を説明する縦断面図。
【符号の説明】
1 ボール把持部
2 ボール
3 ボール受け部
4 中心孔
4a 角先部
4b V字状通孔部
4c U字状通孔部
5 放射状矢溝部
6 内孔
7 スプリング
7a スプリング端部
7b 通溝
7c 通溝
8 先端内縁部
Claims (3)
- 先端ボールと先端内縁を有するボール把持部と中心孔と、その中心孔の後端に至らない深さの複数の矢溝と前記中心孔を通るスプリングよりなり、前記スプリングに支承されて先端ボールが前記ボール把持部の先端内縁に密接するボールペンチップにおいて、前記中心孔の後端部に前記スプリングの端部の外径よりも小さい幅の複数の通溝を形成し、この複数の通溝を前記複数の矢溝に連通させたことを特徴とするボールペンチップ。
- 先端ボールと先端内縁を有するボール把持部と中心孔と、その中心孔の後端に至らない深さの複数の矢溝と前記中心孔を通るスプリングよりなり、前記スプリングに支承されて先端ボールが前記ボール把持部の先端内縁に密接するボールペンチップにおいて、前記スプリングの端部外周に前記スプリングの端部の外径よりも小さい幅の複数の通溝を形成したことを特徴とするボールペンチップ。
- 前記複数の通溝を螺旋状に形成したことを特徴とする請求項2に記載のボールペンチップ。
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JP35536898A Expired - Fee Related JP3873494B2 (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | ボールペンチップ |
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