JP3873413B2 - 赤外線撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、信号を時間方向に積分することで増加させる方式を備えた赤外線撮像装置及び操作モードにより積分回数を変化させ、状況に応じた画像を出力する赤外線撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外界からの信号を増加させる方法として従来からTDI(Time Delay and Integration)が用いられている。TDIの従来技術として例えば赤外線技術研究会編「赤外線工学」の142ページに示されている方法がある。また、積分回数を変化させる従来技術としては、例えば特開平3−269391の様に画像の信号レベルを基準信号レベルと比較し積分回数を決める方法、特開平7−244145の様に目標の輝度情報をもとに積分回数を決める方法等がある。図9は赤外線技術研究会編の赤外線工学の142ページに示されている方法である。1は外界、2は視野内の赤外光を集光する光学系、3は視野内をスキャンするスキャナ、4は集光された赤外光を光電変換するセンサ、5はセンサ4で光電変換された信号を増幅する前置増幅回路、6は前置増幅回路5で増幅された信号を遅延する遅延回路である。図10は特開平3−269391に示されている積分回数を決める方法であり、7は赤外線を検出する赤外線検出素子、8は7の出力する画像信号をフレームごとに積分処理する信号処理回路、9は信号処理回路8で積分処理された積算画像信号レベルを基準信号レベルと比較して信号処理回路8の積算回数を決める積算回数決定回路である。また、図11は特開平7−244145に示されている積算回数を決める方法であり、10は光学系2で集光された赤外光を光電変換する1次元走査型赤外線検出器と積分処理を実施する積分回路とを具備する赤外線撮像部、11は光学系とスキャナと赤外線撮像部とによって構成された赤外線カメラ、12は旋回走査により得られる赤外線画像の2値化処理を行う前処理部、13は前処理部12の2値化処理画像から目標候補を抽出する目標検出処理部、14は目標検出処理部13の目標候補から目標を判定する目標判定部、15は表示のための出力を形成する出力データ処理部、16はデータを表示する表示部、17は目標判定部14で判定された目標のSN比によりスキャナ13のスキャン速度を制御するスキャナ制御部、18はスキャナ制御部17からのスキャナの操作速度により赤外線検出器の駆動信号を制御する駆動信号制御部である。
【0003】
次に図9の動作について説明する。光学系2の視野内にある外界1の赤外光は、光学系2により集光される。スキャナ3は、光学系2の視野内をスキャンし、集光された外界1の赤外光をセンサ4上に集光させる。センサ4に入射した赤外光は光電変換される。センサ4で光電変換された出力信号は、前置増幅器5で増幅される。前置増幅器5で増幅された信号は、遅延回路6で時間遅延され出力される。結果として、各センサの出力信号は時間遅延されて加算される。次にTDIの原理を説明する。TDIとはTime Delay and Integrationの略であり、スキャン方向に配列されたセンサからの出力信号を順次積分することで出力信号強度を増加させる方式である。光学系の視野内にある外界の赤外光は光学系により集光される。集光された赤外光は、スキャナにより、センサ上に結像する。ここで、各センサから同一方向の外界の信号を読み出すため、スキャナのスキャン速度を考慮して時間遅延して信号を読み出し加算する。これにより出力信号はスキャン方向に配列されたセンサ分加算され出力される。
【0004】
次に図10の動作について説明する。赤外線検出素子7に入射された赤外光は、光電変換され信号処理回路8に入力される。信号処理回路8に入力された信号は、前もって決められた回数だけフレームごとに積分処理を行う。積分回数決定回路9では、信号処理回路8の出力信号レベルと基準信号レベルとを比較して前記信号処理回路の積分回数を決定し、その結果を信号処理回路に入力する。この様に、信号処理回路の出力信号レベルに応じて積分回数を可変する。
【0005】
次に、図11の動作について説明する。赤外線光学系2に入射された赤外光はスキャナ3を通して赤外線撮像部10に入射される。赤外線撮像部10に入射された赤外光は前処理部12で2値化処理される。目標検出部13は、前処理部12の2値化処理画像から目標候補を抽出する。目標判定部14は、目標検出部13で検出された目標候補から目標を判定する。出力データ処理部15は、目標判定部14の出力を表示のための出力形式に変換する。またスキャナ制御部17は、目標判定部14の出力をものに積分回数を算出するとともにスキャナのスキャン速度を制御する。次に動作について説明する。スキャナ制御部17は、目標判定部14で判定された目標の特徴量のSN比が2値化処理のしきい値以上になるために必要な最小の積分回数Nを算出するとともに、スキャナ3のスキャン速度を制御する。駆動信号制御部18は、赤外線撮像部10にある赤外線検出器の信号電荷の読出し回数及び積分回路の積分回数をN回に変更するように駆動信号を制御することにより、目標の2値化処理を維持しつつスキャン速度を最大に取ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示した従来のTDI方式では、素子の蓄積時間は素子の飽和電荷量で決められてしまう。また、スキャン方向に素子数を増やすと遅延回路増加するとともに、積分する為の回路のダイナミックレンジを大きく取る必要がある。
【0007】
また図10及び11に示した手法では、近距離の脅威度が極めて少ない目標のため積分回数が減るとともにデータレートが上がり、遠距離目標が検出できないなど操縦者の意志に反したスキャンが行われる。
【0008】
この発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、素子の飽和電荷量を従来のまま感度を向上させるため、素子の外部に積分機構を設けSNの改善をはかる手段、操縦者が希望したスキャンパターンを取ることができる手段、目標を自動検出しシンボルとして表示する画面とするか、外界からの赤外光をそのまま表示する画面とするかを選択できる手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる赤外線撮像装置は、入射した赤外線を光電変換する1次元に配列された赤外線検出器がスキャン方向に複数配列され、クロックに合わせて電荷を出力するTDI素子配列赤外線検出器と、前記TDI素子配列赤外線検出器に配列される1次元赤外線検出器ごとに設けられ、クロックに合わせて出力される電荷を積分する複数の加算部と、前記クロック回数が決められた値になったときに、データ出力信号を出力するクロックカウンターと、モードを変えるモードスイッチと、を備え、前記クロックカウンターは、モードスイッチの選択に従い前記複数の加算部の積分回数を変更し、前記複数の加算部は、前記クロックカウンターからのデータ出力信号に基づき、積分した電荷を出力し、前記複数の加算部から出力された電荷をスキャン速度によって発生する時間遅れに従い加算するタイミング調整加算部と、を備えるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示すブロック図である。1から3は、上記従来技術と同じである。図1に示す実施の形態1において、19は赤外線撮像装置である。20はスキャンの速度を制御するスキャナ速度制御器、21はスキャナ3で反射された赤外線を光電変換する赤外検出素子が1次元に配列された1次元アレー赤外線検出器、22は1次元アレー赤外線検出器21の信号をA/D変換するA/D変換器、23は1次元アレー赤外線検出器21の読出しクロックを発生するクロック発生器、24はクロック発生器23の出力から1次元アレー赤外線検出器の読出し回数をカウントし、カウント回数を出力するクロックカウンター、25はA/D変換器22の出力をクロックカウンターの出力を元に任意の回数だけ積分する加算部、26は加算部25の出力をモニタ表示できるようにデータ変換するデータ変換部、27はビデオ出力信号であり、28はビデオ出力信号27を表示するモニタである。
【0011】
以下に動作について説明する。光学系2の視野内にある外界1の赤外光は、光学系2により集光される。スキャナ3は、光学系2視野内をスキャンし、集光された外界1の赤外光を光電変換する赤外検出素子が1次元に配列された1次元アレー赤外線検出器21上に集光させる。1次元アレー赤外線検出器21に入射した赤外光は、光電変換される。1次元アレー赤外線検出器21はクロック発生器のクロックに合わせてデータの読出しが行われる。この読出しクロックは、検出器の飽和電荷量を考慮して決められている。読出しのイメージ図を図2に示す。29は外界1からの赤外光が光電変換されて発生する電荷を蓄積するエリア、30は電荷を蓄積するエリアに蓄積されて電荷、31は電荷を転送するCCDチャネル、32は蓄積された電荷30をCDDチャネルに転送するための開閉弁である。クロック発生器のクロックに合わせて開閉弁が開閉され電荷が読み出される。読み出された電荷は信号として、A/D変換器へ出力される。A/D変換器では、信号をA/D変換する。A/D変換された信号は加算部内のメモリに取り込まれる。
【0012】
クロックカウンターではクロック発生器のクロック数を数え、決められたある値になったときクロックカウンターは加算器ヘデータの出力と加算部内のメモリをリセットする信号を出力する。加算部では、クロックカウンターからの信号が来るまで入力された信号と加算部内のメモリのデータとを加算しその値を再度前記メモリに書き込む。クロックカウンターからデータの出力とメモリをリセットする信号が入力されたとき加算部では、メモリ内のデータを出力するとともにメモリをリセットする。メモリから出力されたデータは、データ変換部で2次元画像にするとともに有意目標の検出及び追尾等の処理を行いモニタに表示できるデータ形式に変換する。
【0013】
この発明においては、赤外線を集光する光学系と、前記光学系で集光された赤外線を反射させるスキャナと、前記スキャナのスキャン速度を制御するスキャナ速度制御器と、前記スキャナで反射された赤外線を光電変換する赤外検出素子が1次元に配列された1次元アレー赤外線検出器と、前記1次元アレー赤外線検出器の信号をA/D変換するA/D変換器と、前記1次元アレー赤外線検出器の読出しクロックを発生するクロック発生器と、前記クロック発生器の出力から前記1次元アレー赤外線検出器の読出し回数をカウントし、カウント回数を出力するクロックカウンターと、前記A/D変換器の出力を前記クロックカウンターの出力を元に任意の回数だけ積分する加算部とにより構成したものである。
【0014】
上記のように素子の外部に信号を積分する回路を設けることで、素子の飽和電荷量を従来のまま、SNの改善をはかることができる。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1の1次元アレー赤外線検出器をTDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器とした場合の実施の形態である。
【0016】
図3は、この発明の実施の形態2を示すブロック図である。1〜28は、従来の技術及び実施の形態1と同様である。33は、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器、34は加算部25の出力をスキャン速度によって発生する時間遅れを考慮して加算するためのタイミングを調整するタイミング調整加算部である。
【0017】
以下に動作について説明する。TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器33の基本構成は、1次元アレー赤外線検出器21をスキャン方向に複数列配列したものである。基本構成を図4に示す。各1次元アレー赤外線検出器の出力は実施の形態1で示したように加算部25で加算される。加算部で加算された信号はタイミング調整加算部に出力される。タイミング調整加算部では、図4のセンサ4A、4B...がそれぞれ同一の方向を向いているときのタイミングをはかり各加算部の出力を加算していく。これにより、1次元アレー赤外線検出器を用いるときよりも感度を向上することができる。
【0018】
この発明においては、赤外線を集光する光学系と、前記光学系で集光された赤外線を反射させるスキャナと、前記スキャナのスキャン速度を制御するスキャナ速度制御器と、前記スキャナで反射された赤外線を光電変換する、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器と、前記TDI素子配列赤外線検出器の信号をA/D変換する複数のA/D変換器と、前記TDI素子配列赤外線検出器の読出しクロックを発生するクロック発生器と、前記クロック発生器の出力から前記TDI素子配列赤外線検出器の読出し回数をカウントし、カウント回数を出力するクロックカウンターと、前記複数のA/D変換器の出力を前記クロックカウンターの出力を元に任意の回数だけ積分する複数の加算部と、前記複数の加算部の出力をスキャン速度によって発生する時間遅れを考慮し複数の加算部の出力を加算するタイミング調整加算部とにより構成したものである。
【0019】
上記に示したように、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器を用いることで、実施の形態1に示した1次元アレー赤外線検出器を用いるときよりも感度を向上することができる。
【0020】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3を示すブロック図であり1〜28までは従来の技術及び実施の形態1と同様である。35はモードを切り換えるモードスイッチ、36はモードスイッチ35で選択されたモード情報をスキャン速度調整部38及びクロックカウンター部37に伝達するモード判別器、37はクロック発生器23の出力から1次元アレー赤外線検出器21の読出し回数をカウントし、モード判別器36の出力に応じて積分回数と現在の積分回数とを出力するクロックカウンター部、38はモード判別器36の出力に応じてスキャナの速度を制御するスキャナ速度制御部、39はA/D変換器22の出力をクロックカウンター部37から出力された積分回数分だけ積分する加算演算部である。
【0021】
以下に動作について説明する。オベレータはモードスイッチ35により状況に応じたモードを選択する。モードスイッチ35で選択されたモード情報は、モード判別器36によりスキャン速度調整部38及びクロックカウンター部37に伝達される。スキャン速度調整部38では、モード判別器36の情報をもとにスキャンの速度を決めスキャナ3のスキャン速度を調整する。クロックカウンター部37ではモード判別器36の情報をもとに積分回数を決め、クロック発生器23の出力から1次元アレー赤外線検出器の読出し回数をカウントし、規定の回数読み出したところで加算演算部ヘデータの出力と加算演算部内のメモリをリセットする信号を出力する。加算演算部では、クロックカウンター部からの信号が来るまで入力された信号と、加算演算部内のメモリのデータとを加算しその値を再度前記メモリに書き込む。クロックカウンター部からデータの出力とメモリをリセットする信号が入力されたとき加算演算部では、メモリ内のデータを出力するとともにメモリをリセットする。
【0022】
この発明においては、赤外線を集光する光学系と、モードを変えるモードスイッチと、前記モードスイッチで選択されたモードに応じてモードの情報を伝達するモード判別器と、前記光学系で集光された赤外線を反射させるスキャナと、前記モード判別器の出力に応じて前記スキャナの速度を制御するスキャナ速度制御部と、前記スキャナで反射された赤外線を光電変換する赤外線素子が1次元に配列された1次元アレー赤外線検出器と、前記1次元アレー赤外線検出器の信号をA/D変換するA/D変換器と、前記1次元アレー赤外線検出器の読出しクロックを発生するクロック発生器と、前記クロック発生器の出力から前記1次元アレー赤外線検出器の読出し回数をカウントし、前記モード判別器の出力に応じて積分回数と現在の積分回数とを出力するクロックカウンター部と、前記A/D変換器の出力を前記クロックカウンター部から出力された積分回数分だけ積分する加算演算部とにより構成したものである。
【0023】
上記に示した様に、モードスイッチを持つことで、オペレータの必要とするスキャンモードを選ぶことが可能である。
【0024】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4を示すブロック図であり1〜39までは従来の技術及び実施の形態2及び3と同様である。
【0025】
この実施の形態4は、実施の形態3の1次元アレー赤外線検出器を、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器とした実施の形態である。TDI素子配列赤外線検出器の動作に関しては、実施の形態2と同様であり、それ以外の動作は、実施の形態3と同様である。
【0026】
この発明においては、赤外線を集光する光学系と、モードを変えるモードスイッチと、前記モードスイッチで選択されたモードに応じてモードの情報を伝達するモード判別器と、前記光学系で集光された赤外線を反射させるスキャナと、前記モード判別器の出力に応 じて前記スキャナの速度を制御するスキャナ速度制御部と、前記スキャナで反射された赤外線を光電変換するTDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器と、前記TDI素子配列赤外線検出器の信号をA/D変換する複数のA/D変換器と、前記TDI素子配列赤外線検出器の読出しクロックを発生するクロック発生器と、前記クロック発生器の出力から前記TDI素子配列赤外線検出器の読出し回数をカウントし、前記モード判別器の出力に応じて積分回数と現在の積分回数とを出力するクロックカウンター部と、前記複数のA/D変換器の出力をクロックカウンター部から出力された積分回数分だけ積分する複数の加算演算部と、前記複数の加算演算部の出力をスキャン速度によって発生する時間遅れを考慮し加算するタイミング調整加算部とにより構成したものである。
【0027】
上記に示した様に、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器を用いることで、実施の形態3に示した1次元アレー赤外線検出器を用いるときよりも感度を向上することができかつ、モードスイッチを持つことで、オペレータの必要とするスキャンモードを選ぶことが可能である。
【0028】
実施の形態5.
この実施の形態5においては、実施の形態3及び4において、加算演算部の加算回数を減少させてスキャンするスキャンモードと、加算回数を前記回数より増加させてスキャンするスキャンモードとを備えたものであり、状況に応じたスキャンモードを選ぶことが可能となる。
【0029】
この発明においては、加算演算部での加算回数を減らしスキャンするスキャンモードと、加算演算部での加算回数を前記スキャンモードより増やしてスキャンするスキャンモードとにより構成した第3及び4のいずれかの発明である。
【0030】
この発明によれば、信号の加算回数を減少させてスキャンするスキャンモードと、前記加算回数より増加させてスキャンするキャンモードとを備えることで、状況に応じたスキャンモードを選ぶことができる。
【0031】
実施の形態6.
実施の形態3及び4において、加算演算部の加算回数を減少させてスキャンするスキャンモードと、加算回数を前記回数より増加させてスキャンするモードとを時分割に切り換えるモードを備えたものであり、両方の利点を持ったスキャンが可能となる。
【0032】
この発明においては、加算演算部での加算回数を減らしたスキャンモードと、加算演算部での加算回数を前記回数より増やしたスキャンモードとを時分割で切り替えるモードにより構成した第3及び4のいずれかの発明である。
【0033】
この発明によれば、加算回数を減少させてスキャンするスキャンモードと、加算回数を前記回数より増加させてスキャンするモードとを時分割に切り換えるモードを備えたものであり、両方の利点を持ったスキャンができる。
【0034】
実施の形態7.
図7は、この発明の実施の形態7を示すブロック図であり1〜39までは従来の技術及び実施の形態3と同様である。40は、モード判別器36の情報をもとに目標を自動検出しシンボルとして表示する画面とするか、外界からの赤外光をそのまま表示する画面とするかを判断しモニタ28に表示する目標検出・追尾/画像表示部である。
【0035】
次に動作について説明する。モード判別器36は、スキャン速度調整部38、クロックカウンター部37及び目標検出・追尾/画像表示部40にモード情報を伝達する。スキャン速度調整部38では、モード判別器36の情報をもとにスキャンの速度を決めスキャナ3のスキャン速度を調整する。クロックカウンター部37ではモード判別器36の情報をもとに積分回数を決め、クロック発生器23の出力から1次元アレー赤外線検出器の読出し回数をカウントし、規定の回数読み出したところで加算演算部にデータの出力と加算演算部内のメモリをリセットする信号を出力する。目標検出・追尾/画像表示部40では、モードに応じて目標を自動検出しシンボルとして表示する画面または、外界からの赤外光をそのまま表示する画面を出力する。
【0036】
この発明においては、赤外線を集光する光学系と、モードを変えるモードスイッチと、前記モードスイッチで選択されたモードの情報を伝達するモード判別器と、前記光学系で集光された赤外線を反射させるスキャナと、前記モード判別器の出力に応じて前記スキャナの速度を制御するスキャナ速度制御部と、前記スキャナで反射された赤外線を光電変換する1次元に赤外検出素子が配列された1次元アレー赤外線検出器と、前記1次元アレー赤外線検出器の信号をA/D変換するA/D変換器と、前記1次元アレー赤外線検出器の読出しクロックを発生するクロック発生器と、前記クロック発生器の出力から前記1次元アレー赤外線検出器の読出し回数をカウントし、前記モード判別器の出力に応じて積分回数と現在の積分回数とを出力するクロックカウンター部と、前記A/D変換器の出力を前記クロックカウンター部から出力された積分回数分だけ積分する加算演算部と、前記モード判別器の出力を元に目標を自動検出しシンボルとして表示する画面とするか、外界からの赤外光をそのまま表示する画面とするかを判定し、信号処理して画像信号を出力する目標検出・追尾/画像表示部とにより構成したものである。
【0037】
このように、モードスイッチを持つことで、目標を自動検出しシンボルとして表示する画面と、外界からの赤外光をそのまま表示する画面とを状況に応じて選ぶことが可能である。
【0038】
実施の形態8.
図8は、この発明の実施の形態8を示すブロック図であり1〜40は従来の技術及び実施の形態4及び7と同様である。
【0039】
この実施の形態8は、実施の形態7の1次元アレー赤外線検出器を、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器とした実施の形態である。TDI素子配列赤外線検出器の動作に関しては、実施の形態2と同様であり、それ以外の動作は、実施の形態7と同様である。
【0040】
この発明においては、赤外線を集光する光学系と、モードを変えるモードスイッチと、前記モードスイッチで選択されたモードの情報を伝達するモード判別器と、前記光学系で集光された赤外線を反射させるスキャナと、前記モード判別器の出力に応じて前記スキャナの速度を制御するスキャナ速度制御部と、前記スキャナで反射された赤外線を光電変換するTDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器と、前記TDI素子配列赤外線検出器の信号をA/D変換する複数A/D変換器と、前記TDI素子配列赤外線検出器の読出しクロックを発生するクロック発生器と、前記クロック発生器の出力から前記TDI素子配列赤外線検出器の読出し回数をカウントし、前記モード判別器の出力に応じて積分回数及び現在の積分回数とを出力するクロックカウンター部と、前記複数A/D変換器の出力を前記クロックカウンター部から出力された積分回数分だけ積分する加算演算部と、前記加算演算部の出力をスキャン速度によって発生する時間遅れを考慮し加算部の出力を加算するタイミング調整加算部と、モード判別器の出力を元に目標を自動検出しシンボルとして表示する画面とするか、外界からの赤外光をそのまま表示する画面とするかを判定し、信号処理して画像信号を出力する目標検出・追尾 /画像表示部とにより構成したものである。
【0041】
上記に示した様に、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器を用いることで、実施の形態7に示した1次元アレー赤外線検出器を用いるときよりも感度を向上することができる。
【0042】
【発明の効果】
この発明によれば、TDI用に複数の赤外線検出素子をスキャン方向に配列したTDI素子配列赤外線検出器を用いることで、1次元アレー赤外線検出器を用いるときよりも感度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による赤外線撮像装置の実施の形態1を示す図である。
【図2】 素子の電荷読出しのイメージ図である。
【図3】 この発明による赤外線撮像装置の実施の形態2を示す図である。
【図4】 TDI素子配列赤外線検出器の概要を示す図である。
【図5】 この発明による赤外線撮像装置の実施の形態3を示す図である。
【図6】 この発明による赤外線撮像装置の実施の形態4を示す図である。
【図7】 この発明による赤外線撮像装置の実施の形態7を示す図である。
【図8】 この発明による赤外線撮像装置の実施の形態8を示す図である。
【図9】 従来技術を示す図である。
【図10】 従来技術を示す図である。
【図11】 従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1 外界、2 光学系、3 撮像部、4 センサ、5 前置増幅回路、6 遅延回路、7 赤外線検出素子、8 信号処理回路、9 積算回数決定回路、10 1次元走査型赤外線検出器と積分処理を実施する積分回路とを具備する赤外線撮像部、11 赤外線カメラ、12 前処理部、13 目標検出処理部、14 目標判定部、15 出力データ処理部、16 表示部、17 スキャナ制御部、18 駆動信号制御部、19 赤外線撮像装置、20 スキャナ速度制御器、21 1次元アレー赤外線検出器、22 A/D変換器、23 クロック発生器、24 クロックカウンター、25 加算部、26 データ変換部、27 ビデオ出力信号、28 モニタ、29 蓄積するエリア、30 電荷、31 CCDチャネル、32 開閉弁、33 TDI素子配列赤外線検出器、34 タイミング調整加算部、35 モードスイッチ、36 モード判別器、37 クロックカウンター部、38 スキャナ速度制御部、39 加算演算部、40 目標検出・追尾/画像表示部。

Claims (4)

  1. 入射した赤外線を光電変換する1次元に配列された赤外線検出器がスキャン方向に複数配列され、クロックに合わせて電荷を出力するTDI素子配列赤外線検出器と、
    前記TDI素子配列赤外線検出器に配列される1次元赤外線検出器ごとに設けられ、クロックに合わせて出力される電荷を積分する複数の加算部と、
    前記クロック回数が決められた値になったときに、データ出力信号を出力するクロックカウンターと、
    モードを変えるモードスイッチと、
    を備え、
    前記クロックカウンターは、モードスイッチの選択に従い前記複数の加算部の積分回数を変更し、
    前記複数の加算部は、前記クロックカウンターからのデータ出力信号に基づき、積分した電荷を出力し、
    前記複数の加算部から出力された電荷をスキャン速度によって発生する時間遅れに従い加算するタイミング調整加算部と、を備える赤外線撮像装置。
  2. 前記クロックの読み出しクロックは、前記赤外線検出器の飽和電荷量により決定する請求項1に記載の赤外線撮像装置。
  3. 前記複数の加算部での加算回数を減らすモードと、前記複数の加算部での加算回数を前記モードより増やすモードとを備えた請求項1に記載の赤外線撮像装置。
  4. 前記複数の加算部での加算回数を減らすモードと、前記複数の加算部での加算回数を前記モードより増やすモードとを時分割で切り替える請求項1に記載の赤外線撮像装置。
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