JP3873035B2 - 金属製ボックス形地下室の施工方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、主として鋼材を使用してなる金属製ボックス型地下室の施工方法に関する。詳しくは、鉄骨を芯材とし、その芯材鉄骨を所定のピッチ間隔に配置して構成される軸組の外側に鋼板等の金属製外板を固定してなる壁構造体、天井構造体及び床構造体により短辺方向には□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向には耐震壁構造に組立可能なボックス形の地下ユニットを工場製作し、この地下ユニットの任意複数個を建設現場に搬入して各地下ユニットはそれぞれ単独に上記□型ラーメン構造及び耐震壁構造に組立てるとともに、隣接する地下ユニット同士は相互に接合連結して地下に列状に埋め込み設置することにより所望容積の地下室を施工する金属製ボックス形地下室の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の金属製ボックス形地下室は、工場製作された地下ユニットを建設現場に搬入して地下に埋設するだけで施工することが可能で、全てが現場施工されるコンクリート造りあるいは鉄骨造りの地下室の場合に比べて、施工精度の向上が図れるとともに、建設現場での建て方工事を非常に少なくして工期の大幅な短縮及び工費の節減が図れ、また、トラック等のユニット運搬車が通行可能なところであれば、例えば都市部に多くみられる狭小地であっても地下室を能率よく施工することが可能である。さらに、短辺方向に□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向に耐震壁構造という複合構造の採用によって地下埋設状態で地下ユニットに加わる大きな土圧や水圧に対しても十分な耐応強度を持つなど多くのメリットを有している。
【0003】
上記のごとき金属製ボックス形地下室の施工方法が有するメリットの一つである工期の短縮及び工費の節減を促進するためには、建設現場での建て方工事をできる限り少なくすることが望ましい。かかる観点から、従来、左右一対の壁構造体、床構造体及び天井構造体の全てを工場製作の段階で予め一体的に組み立てて断面□型ラーメン構造の単一のボックス形地下ユニットを工場製作し、このボックス形地下ユニットの任意複数個を建設現場に搬入して、それらユニットを地下に列状に埋め込み設置した上、隣接する地下ユニット同士を相互に接合連結することにより所望の容積の地下室を施工するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−317083号公報(図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の金属製ボックス形地下室は、地上に構築される、あるいは、既に構築されている上部建物の下部に地下ユニットを埋設して施工されるのが一般的である。そのため、上部建物の大きさや総重量、殊に、柱の配置形態いかんによっては上部建物から地下ユニットに負荷される荷重の大きさ(絶対値)及び分布に大きなばらつきが生じ、地下ユニットの天井構造体には一定箇所への集中荷重でなく、種々バリエーションの偏荷重が負荷されることが多い。このような偏荷重が負荷される天井構造体を含めて左右一対の壁構造体及び床構造体の全てを予め工場製作の段階で一体的に組み立てて断面□型ラーメン構造の単一ユニットに構成されている従来のボックス形地下ユニットの場合は、天井構造体に負荷される偏荷重が該天井構造体と一体化されている壁構造体及び床構造体にも大きな影響を及ぼすことになる。したがって、単一のボックス形地下ユニットを用いて施工される従来の地下室の場合は、施工現場毎に異なる上部建物の大きさや総重量、柱の配置形態等の相違に起因する偏荷重の負荷状況の変化に対応して、その都度、地下ユニット全体の応力分布を検討し、その検討結果を踏まえて偏荷重が全ての構造体に及ぼす影響を考慮してそれら全構造体の必要強度を割り出すといったように、施工現場毎に設計の見直しが要求され、その結果、地下ユニット自体の単一化は図れるといえどもその単一地下ユニットの仕様を一定化することができず、そのことが地下室全体としての施工コスト上昇の原因の一つになっていた。
【0006】
また、従来の単一地下ユニットにおいて、該ユニット全体を、予めあらゆるバリエーションの偏荷重にも対応できるような設計強度にして仕様の統一化を図ることも考えられるが、この場合は、各構造体を、想定される最大偏荷重が負荷されたときに耐えうる構造強度以上に設計する必要があるために、それ以下の偏荷重が負荷される条件下とか、偏荷重が負荷されない条件下では、地下ユニット自身が過剰強度、過剰品質のものとなり、その結果、仕様の統一化が図れてもボックス形地下ユニットの製作コスト(単価)の上昇は避けられず、上述したと同様に地下室の施工コストを十分に低減することができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、過剰品質、過剰強度を招くことなく、地下ユニット構造体の大部分の仕様を統一化して製作コストの低減を図りつつ、負荷される偏荷重の変化に対する設計強度の見直しも最少限に止めて地下室全体としての施工コストの低減を促進することができる金属製ボックス形地下室の施工方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る金属製ボックス型地下室の施工方法は、所定のピッチ間隔に配置された芯材鉄骨を軸組とし、その外側に金属製外板が固定されてなる左右一対の壁構造体、天井構造体及び床構造体により短辺方向には□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向には耐震壁構造に組立可能なボックス形の地下ユニットを工場製作し、この地下ユニットの任意複数個を建設現場に搬入して各地下ユニットはそれぞれ単独に前記□型ラーメン構造及び耐震壁構造に組立てるとともに、隣接する地下ユニット同士は相互に接合連結して地下に列状に埋め込み設置することにより所望容積の地下室を施工する金属製ボックス形地下室の施工方法であって、前記ボックス形地下ユニットが、左右一対の壁構造体と床構造体の全部もしくは左右一対の壁構造体各々と床構造体の少なくとも一部とを工場製作の段階で一体的に組立てて断面角U字型もしくは断面略L字型ラーメン構造に構成された下部ユニットと、天井構造体の単体からなる上部ユニットとに分割され、そのうち上部ユニットとなる天井構造体のみは上部建物から負荷される偏荷重及びそのバリエーションに応じた強度の見直し処理により種々の偏荷重に対応する強度を発現可能に構成されている一方、前記下部ユニットを構成する壁構造体及び床構造体は長期応力及び地震時の短期応力に対応する必要強度に決定して仕様が統一化されており、前記上部ユニットを建設現場において下部ユニットに対してそれら両ユニットに一体接合されている接合片同士の突き合せ状態で固定接合することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成の本発明によれば、ボックス形地下ユニットを構成する左右一対の壁構造体、床構造体及び天井構造体のうち、柱の配置形態の違い等によって上部建物から負荷される偏荷重及びその変化の影響を最も大きく受ける天井構造体の単体が、偏荷重の影響を受けることの少ない他の構造体(壁構造体及び床構造体)からなる下部ユニットとは別の上部ユニットに分割されているため、偏荷重及びそのバリエーションに応じて、その都度、全ての構造体の設計強度を見直す必要がなく、例えば天井構造体における軸組用芯材鉄骨の梁筬を増減するなど天井構造体単体の設計強度を見直し処理するだけで、地下ユニット全体として、あらゆるバリエーションの偏荷重に対応する強度を発現させることが可能である。またそれゆえに、左右の壁構造体及び床構造体は、長期応力及び地震時等における短期応力のみを検討して必要強度を決定するだけでよく、その結果、それら構造体の仕様を統一化しやすくなり、左右の壁構造体及び床構造体を一体的に組立ててラーメン構造に構成される下部ユニットの量産化が図れ、それに伴って地下ユニット全体としての製作コストの低減が可能となる。
【0010】
上記のような本発明に係る金属製ボックス形地下室の施工方法において、特に、請求項2に記載のように、ボックス形地下ユニットにおける壁構造体及び床構造体の軸組用芯材鉄骨の内側に、それら各構造体への負荷荷重の分布に対応して等分布またはほぼ等分布荷重の状態になるように金属製の補強材を横架固定することが好ましい。この場合は、壁構造体及び床構造体毎に必要構造強度を確保させるに際して、各構造体の芯材鉄骨のピッチ間隔を各構造体毎の負荷荷重の最大値に対応させて狭小な等ピッチ間隔に設定する必要が無くなるため、地下ユニットの製作コストの低減が図れるとともに、同一大きさの地下ユニット単体の重量も減少して運搬費用及び建て方工事費用の低減も図れ、地下室の施工コストの一層の低減を図ることができる。
【0011】
なお、前記壁構造体及び床構造体における各金属製補強材としては、各種の形鋼を選択使用してもよいが、後述の実施例にも記載のように、フラットバーを用いることによって、地下ユニットの一層の軽量化、低コスト化を達成しながら、必要構造強度を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る金属製ボックス形地下室の施工方法の概要を示す概略斜視図、図2は同地下室の施工完了状態を示す概略縦断正面図、図3は図2のX−X線に沿った縦断側面図、図4は図2のY−Y線に沿った横断平面図である。この金属製ボックス形地下室は、寸法や形状などを標準化して同一仕様、同一構造に工場製作され、かつ、全外表面には防錆・防食用塗膜が形成されたボックス形の地下ユニット1の任意複数個をトラック等によって建設現場に搬入した上、土留め壁10で囲まれた掘削穴内で各地下ユニット1が長辺方向に連続するように予め掘削穴底部に形成されたコンクリート基礎2上に直列状に据付け設置するとともに、隣接する地下ユニット1,1同士は相互に接合連結し、かつ、直列状に設置された複数個の地下ユニット1の長辺方向両端にはそれぞれ妻壁3,3(図3
,図4参照)を固定し、さらに、土留め壁10と地下ユニット1及び妻壁3,3との間には掘削土砂等を埋め戻すことにより所望の容積を持つ地下室BRに構築(完工)されている。
【0013】
上記各ボックス形地下ユニット1は、図2〜図4に示すように、所定ピッチ間隔Pに配置されたH型鋼やチャンネル鋼等の芯材鉄骨4…を軸組として、その外側に鋼板等の金属製外板5が固定されてなる左右一対の壁構造体6,6と一つの天井構造体7と一つの床構造体8とを備えている。そして、該ボックス形地下ユニット1は、図5に示すように、上記した各構造体のうち、左右一対の壁構造体6,6と床構造体8とを工場製作の段階で一体化することで断面角U字型ラーメン構造に構成された下部ユニット1Dと、天井構造体7の単体からなる上部ユニット1Uとに分割されており、これら分割された上部ユニット1Uと下部ユニット1Dとを、図6に明示するように、両ユニット1U,1Dそれぞれに一体に溶接されている接合片1u,1d同士の突き合わせ状態でボルト・ナット11を介して固定接合することによって、図2に最も明瞭に示されているように、短辺方向には□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向には耐震壁構造のボックス形地下ユニット1を組立可能に構成されている。
【0014】
なお、直列状に設置される複数個のボックス形地下ユニット1のうち、長辺方向一端部の地下ユニット1における天井構造体7には、上部建物(図示省略)との間で昇降するための階段設置用の開口7A(図1参照)が形成されている。また、前記妻壁3,3も前記地下ユニット1における壁構造体6と同様に、所定ピッチ間隔Pに配置された芯材鉄骨4’…を軸組とし、その外側に鋼板等の金属製外板5’が固定されてなる。
【0015】
また、隣接する地下ユニット1,1同士は、図7に明示するように、両ユニット1,1における端部の軸組用芯材鉄骨4,4のウェブ部分にそれぞれ溶接したフラットバー等の規制板12,13間にゴム弾性材料製のシール材14を挟み込み保持させた上、両芯材鉄骨4,4同士をボルト・ナット15で緊結することにより外部から地下室BR内への地下水や雨水等の侵入を防止するような水密状態で接合連結されている。
【0016】
上記のようにして地下室BRを構築するボックス型地下ユニット1における壁構造体6の軸組用芯材鉄骨4…の内側には、図2、図3及び図5に示すように、壁構造体6への負荷荷重の分布に対応させて該壁構造体6の上下全域に亘って等分布またはほぼ等分布の荷重が負荷されるように、下部ほど密度の大きい状態で金属製補強材としての鋼製フラットバー9が横架固定されている。
【0017】
また、ボックス型地下ユニット1における床構造体8の軸組用芯材鉄骨4…の内側にも、図2、図4及び図5に示すように、該床構造体8への負荷荷重の分布に対応させてその幅方向の全域に亘って等分布またはほぼ等分布の荷重が負荷されるように、左右幅方向の両側ほど密度の大きい状態で金属製補強材としての鋼製フラットバー9…が互いに平行に横架固定されている。
【0018】
さらに、ボックス型地下ユニット1における天井構造体7の軸組用芯材鉄骨4…の内側にも、図2及び図5に示すように、該床構造体8への負荷荷重の分布に対応させてその幅方向の全域に亘って等分布またはほぼ等分布の荷重が負荷されるように金属製補強材としての鋼製フラットバー9…が互いに平行に横架固定されている。
【0019】
上記したような金属製ボックス形地下室BRを施工すべく地下に埋設されるボックス形地下ユニット1を構成する左右一対の壁構造体6,6、床構造体8及び天井構造体7のうち、柱の配置形態の違い等によって上部建物から負荷される偏荷重及びその変化の影響を最も大きく受けるのは天井構造体7であり、壁構造体6,6及び床構造体8は偏荷重の影響を受けることが少ない。この点に鑑みて、天井構造体7の単体のみを、壁構造体6,6及び床構造体8からなる断面角U字形ラーメン構造の下部ユニット1Dとは別の上部ユニット1Uに分割構成することにより、偏荷重及びそのバリエーションに応じて、例えば、上部ユニット1Uとなる天井構造体7における軸組用芯材鉄骨4の梁筬hを増減したり、鋼製フラットバー9…の配置を工夫したりするなど天井構造体7単体からなる上部ユニット1Uの設計強度を見直し処理するだけで、地下ユニット1全体として、あらゆるバリエーションの偏荷重に対応する強度を発現させることができる。
【0020】
また、上部ユニット1Uである天井構造体7の設計強度を見直すだけで、あらゆるバリエーションの偏荷重に対応処理できるので、左右の壁構造体6,6及び床構造体8については、長期応力及び地震時等における短期応力のみを検討してそれらの必要強度を決定するだけでよくなり、その結果、種々のバリエーションの偏荷重が負荷される条件下での設置に対しても下部ユニット1Dの仕様は統一化してそれの量産化が可能となり、それに伴って地下ユニット1全体としての製作コストを大幅に低減することができる。
【0021】
特に、上記実施の形態で示したように、□型ラーメン構造で、かつ耐震壁構造の各ボックス形地下ユニット1における壁構造体6、床構造体8及び天井構造体8の内側に共に、それら構造体6,7,8への負荷荷重の分布に対応させて等分布またはほぼ等分布の荷重が負荷されるように鋼製フラットバー9…を横架固定することによって、各構造体6,7,8の芯材鉄骨4…のピッチ間隔P…を各構造体6,8毎の負荷荷重の最大値に対応するピッチ間隔よりも小さく設定して芯材鉄骨4…の無駄な使用を省きつつ、各構造体6,7,8に必要な構造強度を確保させることが可能であり、これによって、地下ユニット1単体、ひいては、ボックス形地下室BR全体の製作コストの一層の低減が図れるとともに、地下ユニット1単体の重量を減少して運搬費用及び建て方工事費用の低減も図れ、所定の地下室BRを非常に経済的に施工することができる。
【0022】
なお、上記実施の形態では、地下ユニット1における下部ユニット1Dに関して、左右一対の壁構造体6,6と床構造体8の全体とを工場製作の段階で一体的に組立てて断面角U字型ラーメン構造に構成したものについて説明したが、これに限定されるものでない。例えば、図8に示すように、床構造体8をその幅方向中間部で左右に分断し、それら分断床構造体8L,8Rと左右の各壁構造体6,6とをそれぞれ工場製作の段階で一体的に組立てて断面略L字型ラーメン構造の二つの下部ユニット1Dl,1Drに分断して構成してもよい。
【0023】
また、上記実施の形態で説明したとおり、ボックス形地下ユニット1における各構造体6,7,8の内側に、それら構造体6,7,8への負荷荷重の分布に対応させて等分布またはほぼ等分布荷重が負荷される状態に鋼製フラットバー9…を横架固定することにより芯材鉄骨4…の無駄な使用を省くことが望ましいが、鋼製フラットバー9…による補強構造が採用されていない地下ユニットを上部及び下部ユニットに分割する構成であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、上部建物における柱の配置形態の違い等によってボックス形地下ユニットに負荷される偏荷重及びその変化の影響度を考慮して影響度の最も大きい天井構造体の単体を上部ユニットとし、この上部ユニットを影響度の小さい壁構造体及び床構造体からなる下部ユニットから分割することにより、偏荷重及びそのバリエーションに応じて、例えば天井構造体における軸組用芯材鉄骨の梁筬を増減するなど条件変化に対する設計強度の見直し処理を単純化、容易化することができる。それゆえに、左右の壁構造体及び床構造体は、長期応力及び地震時等における短期応力を加味した設計強度でよくなり、過剰品質、過剰強度を招くことなく、ユニットの大部分を占める下部ユニットの仕様を統一化してその量産化を可能とし、地下ユニット全体としての製作コストを低減できる。したがって、地下ユニットの製作コストの低減と全面現場施工によるコンクリート造りあるいは鉄骨造りの地下室に比べて工期の著しい短縮及び工費の大幅な節減が図れることとの相乗により、ボックス形地下室全体としてのトータルコストを大幅に低減しつつ、施工現場の条件変化にかかわらず頑強で耐久性に優れた地下室を施工することができるという効果を奏する。
【0025】
特に、請求項2に記載のように、前記ボックス形地下ユニットにおける壁、床及び天井の各構造体の軸組用芯材鉄骨の内側に、それら各構造体への負荷荷重の分布に対応して等分布またはほぼ等分布荷重の状態になるように金属製の補強材を横架固定するといった合理的な補強手段を採用することにより、各構造体における芯材鉄骨の無駄な使用などを省きつつ、各構造体毎に必要な構造強度を確保させることができ、これによって、地下ユニット単体の製作コスト、ひいては、地下室全体の施工コストの一層の低減が図れるとともに、地下ユニット単体の重量を減少して運搬費用及び建て方工事費用の低減も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る金属製ボックス形地下室の施工方法の概要を示す概略斜視図である。
【図2】 同上地下室の施工完成状態を示す概略縦断正面図である。
【図3】 図2のX−X線に沿った縦断側面図である。
【図4】 図2のY−Y線に沿った横断平面図である。
【図5】 同上地下室を構成するボックス形地下ユニットの工場製作完成状態での概略縦断正面図である。
【図6】 図2の一点鎖線で囲んだA部の拡大詳細図である。
【図7】 同上地下室を構成するボックス形地下ユニットの接合部の構成を示す要部の拡大断面図である。
【図8】 同上地下室を構成するボックス形地下ユニットの他の例を、工場製作完成状態で示す概略縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ボックス形地下ユニット
1U 上部ユニット
1D,1Dl,1Dr 下部ユニット
4 芯材鉄骨
5 金属製外板
6 壁構造体
7 天井構造体
8 床構造体
9 鋼製フラットバー(金属製補強材の一例)
BR 地下室
Claims (2)
- 所定のピッチ間隔に配置された芯材鉄骨を軸組とし、その外側に金属製外板が固定されてなる左右一対の壁構造体、天井構造体及び床構造体により短辺方向には□型ラーメン構造で、かつ、長辺方向には耐震壁構造に組立可能なボックス形の地下ユニットを工場製作し、この地下ユニットの任意複数個を建設現場に搬入して各地下ユニットはそれぞれ単独に前記□型ラーメン構造及び耐震壁構造に組立てるとともに、隣接する地下ユニット同士は相互に接合連結して地下に列状に埋め込み設置することにより所望容積の地下室を施工する金属製ボックス形地下室の施工方法であって、
前記ボックス形地下ユニットが、左右一対の壁構造体と床構造体の全部もしくは左右一対の壁構造体各々と床構造体の少なくとも一部とを工場製作の段階で一体的に組立てて断面角U字型もしくは断面略L字型ラーメン構造に構成された下部ユニットと、天井構造体の単体からなる上部ユニットとに分割され、そのうち上部ユニットとなる天井構造体のみは上部建物から負荷される偏荷重及びそのバリエーションに応じた強度の見直し処理により種々の偏荷重に対応する強度を発現可能に構成されている一方、前記下部ユニットを構成する壁構造体及び床構造体は長期応力及び地震時の短期応力に対応する必要強度に決定して仕様が統一化されており、前記上部ユニットを建設現場において下部ユニットに対してそれら両ユニットに一体接合されている接合片同士の突き合せ状態で固定接合することを特徴とする金属製ボックス型地下室の施工方法。 - 前記ボックス形地下ユニットにおける壁、床及び天井の各構造体の軸組用芯材鉄骨の内側には、それら各構造体への負荷荷重の分布に対応して等分布またはほぼ等分布荷重の状態になるように金属製の補強材が横架固定されている請求項1に記載の金属製ボックス型地下室の施工方法。
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