JP3873011B2 - ガスセンサ処理方法およびガスセンサ処理装置 - Google Patents
ガスセンサ処理方法およびガスセンサ処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3873011B2 JP3873011B2 JP2002212488A JP2002212488A JP3873011B2 JP 3873011 B2 JP3873011 B2 JP 3873011B2 JP 2002212488 A JP2002212488 A JP 2002212488A JP 2002212488 A JP2002212488 A JP 2002212488A JP 3873011 B2 JP3873011 B2 JP 3873011B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- sensor
- sensor processing
- specific
- processing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する感ガス体と、測定対象ガスを前記感ガス体まで導入するガス導入部とを備えるガスセンサに対し、特定ガスを含むセンサ処理用ガスをガス導入部に供給して所定のセンサ処理を行うにあたり、複数のガスセンサに対してセンサ処理を同時に行うガスセンサ処理装置およびセンサ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特定ガス(CO、NO2 など)の濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する感ガス体を備えて構成されるガスセンサが知られている。
このようなガスセンサは、出荷前の製造工程において、自身の特性の安定化や出力特性検査などを目的として、特定ガスを含むセンサ処理用ガスを感ガス体に供給して特定のセンサ処理(エージング処理やセンサ特性検査処理など)が実行される。なお、エージング処理とは、ガスセンサの出荷前に、ガスセンサが所定の性能を示すように(換言すれば、出荷後に品質が低下しないように)、一定濃度の特定ガスを含むセンサ処理用ガスを用いてガスセンサをならしで駆動させ、ガスセンサの特性を安定化させる処理をいう。
【0003】
このセンサ処理は、例えば、図9に示すような従来型センサ処理装置101を用いて実行される。
従来型センサ処理装置101は、複数個(例えば、35個)のガスセンサ107を保持する保持用治具103と、保持用治具103を収容可能な大型ガス室(例えば、容積100[L])を有するチャンバ105とを備えて構成されている。
【0004】
従来型センサ処理装置101は、ガスセンサ107が取り付けられた保持用治具103がチャンバ105の大型ガス室の内部に配置された後、大型ガス室にセンサ処理用ガスを充填することで、各ガスセンサ107に対してセンサ処理用ガスを供給して、センサ処理を実行する。
【0005】
このように複数個のガスセンサを大型ガス室に配置して同時にセンサ処理を行うことで、ガスセンサを1個ずつセンサ処理を行う場合に比べて、ガスセンサ1個あたりに要するセンサ処理の作業所要時間を短縮することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来型センサ処理装置においては、大型ガス室の容積が大きいために、大型ガス室の内部をセンサ処理用ガスに置き換えるためのガス置換時間が長くなり、また、ガス使用量が多くなるという問題がある。
【0007】
センサ処理の作業所要時間には、ガス置換時間が必ず含まれるため、ガス置換時間が長くなると、センサ処理における所要時間を一定時間以下に短縮することが難しくなり、作業効率を十分に向上することができない。
また、ガス使用量が多量となると、センサ処理に要するコストが増大するという問題が生じる。
【0008】
さらに、大型ガス室の内部にセンサ処理用ガスを導入して、室内を一定濃度雰囲気に置換する場合、上述したようにガス置換時間が長くなる傾向にあり、センサ処理用ガスを導入した時点から一定濃度に達するまでの濃度勾配が緩慢な傾きを示すことになる。そのために、大型ガス室を有するチャンバを用いて複数のガスセンサに対しセンサ特性検査処理を行った場合、ガスセンサがガス濃度の急峻な変化を検出したか否かを適正に評価(検査)したものとは言い難く、センサ特性検査処理の信頼性が確実なものとは言い難い。
【0009】
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、複数のガスセンサに対してセンサ処理を同時に行うにあたり、作業所要時間を短縮すると共にコストの低減を図ることができ、さらに精度良くセンサ処理を実行できるガスセンサ処理方法およびガスセンサ処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明方法は、特定ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する感ガス体と、測定対象ガスを感ガス体まで導入するガス導入部と、を備えるガスセンサに対し、特定ガスを含むセンサ処理用ガスをガス導入部に供給して所定のセンサ処理を行うにあたり、複数の前記ガスセンサに対してセンサ処理を同時に行うセンサ処理方法であって、複数のガスセンサのガス導入部をそれぞれ個別に設けられた個別ガス室で覆い、複数の個別ガス室にそれぞれセンサ処理用ガスを充填して、センサ処理を行うことを特徴とする。
【0011】
このガスセンサ処理方法では、複数のガスセンサを全て収容する大型ガス室ではなく、各ガスセンサのガス導入部をそれぞれ個別に覆う複数の個別ガス室を用いて、センサ処理を実行する。
個別ガス室は、ガスセンサのガス導入部をそれぞれ個別に覆うことから、ガスセンサ全体を覆う構造のガス室に比べて、ガス導入部に供給するセンサ処理用ガスの収容容積は小さくなる。また、ガスセンサの個数に応じて設けられる複数の個別ガス室の合計容積は、複数のガスセンサを収容する大型ガス室の容積に比べて小さくなる。
【0012】
このようにガス室の容積を縮小することで、センサ処理用ガスの使用量を減少でき、また、ガス室に対してセンサ処理用ガスを充填する際のガス置換時間を短縮できる。
さらに、ガスセンサのガス導入部に一対一で対応させて個別ガス室を配置し、複数のガスセンサに対し一括してセンサ処理を実行することから、個別ガス室に充填されるセンサ処理用ガスの濃度勾配が従来(即ち、大型ガス室を有するチャンバを用いてのセンサ処理)に比べて敏感になり、精度の良い所定のセンサ処理を一括して実行することができる。
【0013】
よって、本発明(請求項1)のガスセンサ処理方法によれば、複数のガスセンサに対してセンサ処理を同時に行うにあたり、ガス置換時間の短縮により作業所要時間を短縮することができ、また、センサ処理用ガスの使用量の減少によりコストの低減を図ることができる。
【0014】
なお、センサ処理としては、例えば、請求項2に記載のように、センサ処理用ガスとして一定濃度の特定ガスを含むエージング用ガスを用いることにより、ガスセンサの特性を安定化させるエージング処理を行うことができる。この発明方法(請求項2)によれば、ガスセンサに対してエージング処理を行うにあたり、作業所要時間を短縮でき、また、エージング用ガスの使用量低減によるコストの低減を図ることができる。さらに、複数のガスセンサの個々に対して、精度の良いエージング処理を一括して実行することができる。
【0015】
また、センサ処理の他の例としては、請求項3に記載のように、センサ処理用ガスとして特定ガスを含む検査用ガスを用い、検査用ガスに含まれる特定ガスの濃度を変化させて、その濃度変化に対するガスセンサの出力の状態を検査するセンサ特性検査処理を行うことができる。
【0016】
センサ特性検査処理を行うにあたり、本発明方法を用いることで、ガス置換時間を短縮できるため、特定ガス濃度の変更に要する濃度変更所要時間を短縮することができ、速やかにセンサ特性検査処理を行うことができる。
よって、本発明方法(請求項3)によれば、ガスセンサに対してセンサ特性検査処理を行うにあたり、作業所要時間を短縮でき、また、検査用ガスの使用量低減によるコストの低減を図ることができる。さらに、複数のガスセンサの個々に対して、精度の良いセンサ特性検査処理を一括して実行することができる。
【0017】
次に、請求項4に記載の発明方法は、上述(請求項1から請求項3のいずれか)のガスセンサ処理方法であって、複数のガスセンサを保持し、センサ処理を行うためのセンサ処理位置に配置される保持用治具を用いるセンサ処理方法であり、保持用治具として、複数のセンサ処理位置に配置可能な構造の共用保持用治具を用いて、複数のガスセンサに対して複数のセンサ処理を行うことを特徴とする。
【0018】
複数のガスセンサを1つの保持用治具で保持することで、センサ処理位置に対して複数のガスセンサを一度に配置でき、また、センサ処理位置から複数のガスセンサを一度に取り外すことができる。このため、センサ処理が完了した処理済みの複数のガスセンサをセンサ処理位置から取り除き、続いて未処理の複数のガスセンサをセンサ処理位置に配置するまでのガスセンサ取り替え時間を短縮することができ、一連のセンサ処理作業に要する作業時間を短縮することができる。
【0019】
また、保持用治具として、複数のセンサ処理位置に配置可能な構造の共用保持用治具を用いることで、ガスセンサを他のセンサ処理位置に移動する際の各ガスセンサの着脱作業を省略することができる。つまり、複数のガスセンサに対して複数のセンサ処理を実行するにあたり、異なるセンサ処理位置間のガスセンサの移動時間を短縮することができ、一連のセンサ処理作業における作業時間を短縮することができる。
【0020】
よって、本発明(請求項4)のガスセンサ処理方法によれば、保持用治具を用いることで、一連のセンサ処理作業における作業時間を短縮することができ、複数のガスセンサに対するセンサ処理の作業効率を向上することができる。また、共用保持用治具を用いることで、ガスセンサに対して複数種類のセンサ処理を行うにあたり、センサ処理毎に保持用治具に着脱を行う必要がなくなるので、作業時間を短縮でき、センサ処理の作業効率を向上できる。
【0021】
なお、上記発明方法(請求項4)においては、例えば、請求項5に記載のように、複数のセンサ処理として、少なくともエージング処理とセンサ特性検査処理とを行うとよい。
エージング処理およびセンサ特性検査処理は、ガスセンサの出荷前に行われるセンサ処理であり、本発明方法(請求項5)を用いることで、ガスセンサの出荷前に実施する一連のセンサ処理の作業所要時間を短縮することができ、作業効率を向上できる。
【0022】
次に、上述(請求項4または請求項5)のガスセンサ処理方法は、請求項6に記載のように、複数のセンサ処理のうち、特定のセンサ処理が完了したことを示す特定センサ処理完了表示を行うとよい。
このガスセンサ処理方法は、特定センサ処理完了表示に基づいて特定のセンサ処理(特定センサ処理)が完了しているか否かを判断できるため、特定センサ処理が未処理の状態でガスセンサが出荷されるのを防止できる。また、特定センサ処理が実行済みであるか否かを判断できるため、同一のガスセンサに対して、誤って必要以上の回数にわたり特定センサ処理を実行するのを防止でき、センサ処理の無駄が生じるのを防止できる。
【0023】
さらに、複数のセンサ処理の実行順序が定められている場合には、センサ処理完了表示に基づいて特定センサ処理が完了しているか否かを判断できるため、誤った順序で複数のセンサ処理が実行されるのを防止できる。
よって、本発明(請求項6)のガスセンサ処理方法によれば、ガスセンサに対して特定センサ処理を確実に実行できるため、ガスセンサが不完全な状態で出荷されるのを防止でき、また、特定センサ処理の重複実行による作業の無駄を防止できるため、センサ処理の作業効率を向上できる。さらに、誤った順序で複数のセンサ処理が実行されるのを防止することで、ガスセンサに対する一連のセンサ処理を適切な順序で実行することができる。
【0024】
なお、上述(請求項6)のガスセンサ処理方法において、少なくともエージング処理とセンサ特性検査処理を行う場合には、センサ処理完了表示として、エージング処理が完了したことを示すエージング完了表示を行うとよい。
これにより、エージング処理が完了したか否かを判断できるため、エージング処理の完了を確認した後にセンサ特性検査処理を実行することで、出荷前のガスセンサに対するセンサ処理を、適正な処理順序に従い実行することができる。また、エージング処理が完了したか否かを判断できることから、エージング処理を重複して実行するのを防止でき、作業に無駄が生じるのを防止できる。
【0025】
ところで、各ガスセンサに対して供給されるセンサ処理用ガスの濃度(詳細には、特定ガスの濃度)がそれぞれ異なる場合、ガスセンサ毎にセンサ処理の効果にバラツキが生じることになる。そして、センサ処理用ガスのガスタンクから各個別ガス室に対してそれぞれ並列にガス配管を接続してセンサ処理用ガスを充填する場合、ガス配管の長さ寸法や曲げ角度の違いに起因して、各ガス配管のガス流通抵抗がそれぞれ異なる値となる場合がある。このようにガス流通抵抗が異なると、個別ガス室毎にセンサ処理用ガスの濃度が一定濃度となるまでの濃度勾配に差が生じる虞がある。
【0026】
そこで、上述(請求項1から請求項6のいずれか)のガスセンサ処理方法においては、請求項7に記載のように、複数の個別ガス室はガス配管を介して直列に並置されており、ガス配管を通じて複数の個別ガス室の個々に対して順にセンサ処理用ガスを充填させるとよい。
【0027】
つまり、個別ガス室をガス配管を介して直列に接続することで、個別ガス室およびガス配管からなるガス流通経路を複数ではなく単数(1本)に限定するのである。このようにガス流通経路を1本に限定することで、複数のガス流通経路を備える場合のようにガス流通抵抗の差異によって個別ガス室ごとの濃度勾配に差が生じ難くなり、所定のセンサ処理に対する信頼性をより向上させることができる。
【0028】
よって、本発明(請求項7)のガスセンサ処理方法によれば、複数のガスセンサに対してセンサ処理を行うにあたり、個別ガス室に充填されるセンサ処理用ガスの濃度勾配を略均一にすることができ、その結果、各個別ガス室内のセンサ処理用ガスによる置換を安定してかつ敏感に行うことができ、ガスセンサ毎にセンサ処理の効果にバラツキが生じるのを防止できる。
【0029】
次に、上述の目的を達成するためになされた請求項8に記載の発明は、特定ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する感ガス体と、感ガス体に電気的に接続されたセンサ電極と、測定対象ガスを感ガス体まで導入するガス導入部と、を備えるガスセンサに対し、特定ガスを含むセンサ処理用ガスをガス導入部に供給して所定のセンサ処理を行うにあたり、複数のガスセンサに対してセンサ処理を同時に行うセンサ処理装置であって、複数のガスセンサを保持するセンサ保持部と、ガスセンサのセンサ電極に電気的に接続されるセンサ信号配線部と、複数のガスセンサのガス導入部をそれぞれ個別に覆うと共に、センサ処理用ガスを蓄積可能に構成された複数の個別ガス室と、を備えたことを特徴とする。
【0030】
このガスセンサ処理装置は、請求項1の発明方法と同様に、複数のガスセンサを全て収容する大型ガス室ではなく、各ガスセンサのガス導入部をそれぞれ個別に覆う複数の個別ガス室が備えられている。このため、ガスセンサの個数に応じて設けられる複数の個別ガス室の合計容積は、複数のガスセンサを収容する大型ガス室の容積に比べて縮小される。このようにガス室の容積を縮小することで、センサ処理用ガスの使用量を減少でき、また、センサ処理用ガスのガス置換時間を短縮できる。
【0031】
さらに、ガスセンサのガス導入部に一対一で対応させて個別ガス室を配置し、複数のガスセンサに対し一括してセンサ処理を実行することから、個別ガス室に充填されるセンサ処理用ガスの濃度勾配が従来(即ち、大型ガス室を有するチャンバを用いてのセンサ処理)に比べて敏感になり、精度の良いセンサ処理を一括して実行することができる。
【0032】
よって、本発明(請求項8)のガスセンサ処理装置によれば、複数のガスセンサに対してセンサ処理を同時に行うにあたり、ガス置換時間の短縮により作業所要時間を短縮することができ、また、センサ処理用ガスの使用量の減少によりコストの低減を図ることができる。さらに、複数のガスセンサの個々に対して、精度の良いセンサ処理を一括して実行することができる。
【0033】
なお、センサ処理としては、例えば、エージング処理があり、上述(請求項8)のセンサ処理装置は、請求項9に記載のように、センサ処理用ガスが一定濃度の特定ガスを含むエージング用ガスであり、センサ処理がガスセンサの特性を安定化させるエージング処理となるセンサ処理装置であるとよい。
【0034】
このセンサ処理装置によれば、ガスセンサに対してエージング処理を行うにあたり、作業所要時間を短縮でき、また、エージング用ガスの使用量低減によるコストの低減を図ることができる。なお、エージング処理を行うにあたり、ガスセンサに対する通電が必要な場合には、センサ信号配線部を介して通電を行うことができる。
【0035】
また、センサ処理の他の例としては、センサ特性検査処理があり、上述(請求項8)のセンサ処理装置は、請求項10に記載のように、センサ処理用ガスが特定ガスを含む検査用ガスであり、センサ処理が、検査用ガスに含まれる特定ガスの濃度変化に対するガスセンサの出力の状態を検査するセンサ特性検査処理となるガスセンサ処理装置であるとよい。
【0036】
このガスセンサ処理装置によれば、センサ特性検査処理を行うにあたり、ガス置換時間を短縮できるため、特定ガス濃度の変更に要する濃度変更所要時間を短縮することができ、速やかにセンサ特性検査処理を行うことができる。また、センサ特性検査処理を行うにあたり、ガスセンサからの出力は、センサ信号配線部を介して検出することができる。
【0037】
よって、本発明(請求項10)によれば、ガスセンサに対してセンサ特性検査処理を行うにあたり、作業所要時間を短縮でき、また、検査用ガスの使用量低減によるコストの低減を図ることができる。
ところで、各ガスセンサに対して供給されるセンサ処理用ガスの濃度(詳細には、特定ガスの濃度)がそれぞれ異なる場合、ガスセンサ毎にセンサ処理の効果にバラツキが生じることになる。そして、センサ処理用ガスのガスタンクから各個別ガス室に対してそれぞれ並列にガス配管を接続してセンサ処理用ガスを充填する場合、ガス配管の長さ寸法や曲げ角度の違いに起因して、各ガス配管のガス流通抵抗がそれぞれ異なる値となる場合がある。このようにガス流通抵抗が異なると、個別ガス室毎にセンサ処理用ガスの濃度が一定濃度となるまでの濃度勾配に差が生じる虞がある。
【0038】
そこで、上述(請求項8から請求項10のいずれか)のガスセンサ処理装置は、請求項11に記載のように、複数の個別ガス室が、ガス配管を介して直列に配置され、ガス配管を通じてセンサ処理用ガスが充填される構成であるとよい。
つまり、個別ガス室をガス配管を介して直列に接続することで、個別ガス室およびガス配管からなるガス流通経路を複数ではなく単数(1本)に限定するのである。このようにガス流通経路を1本に限定することで、複数のガス流通経路を備える場合のようにガス流通抵抗の差異によって個別ガス室ごとの濃度勾配に差が生じ難くなり、所定のセンサ処理に対する信頼性をより向上させることができる。
【0039】
よって、本発明(請求項11)のガスセンサ処理装置によれば、複数のガスセンサに対してセンサ処理を行うにあたり、個別ガス室に充填されるセンサ処理用ガスの濃度勾配を略均一にすることができ、その結果、各個別ガス室内のセンサ処理用ガスによる置換を安定してかつ敏感に行うことができ、ガスセンサ毎にセンサ処理の効果にバラツキが生じるのを防止できる。
【0040】
次に、上述(請求項8から請求項11のいずれか)のガスセンサ処理装置は、請求項12に記載のように、ガスセンサとの当接面に個別ガス室を備え、複数のガスセンサに対応して設けられる複数のガス室形成部と、ガスセンサに当接した複数のガス室形成部をそれぞれガスセンサに向けて押圧する押圧手段とを備えるとよい。
【0041】
単一のガス室形成部に対して複数の個別ガス室を一体に備えるのではなく、複数の個別ガス室を、それぞれ異なるガス室形成部に備えることで、個別ガス室(ガス室形成部)とガスセンサとの距離を、個別ガス室毎にそれぞれ独立して調整することができる。また、押圧手段がガス室形成部をガスセンサに向けて押圧するため、個別ガス室(ガス室形成部)を確実にガスセンサに当接させることができる。
【0042】
つまり、ガスセンサとガス室形成部との相対距離が、寸法較差等に起因してガスセンサ毎に異なる場合でも、ガス室形成部を各ガスセンサに確実に当接させることができるため、ガスセンサのガス導入孔を確実に個別ガス室で覆うことができる。
【0043】
よって、本発明(請求項12)のガスセンサ処理装置によれば、複数のガスセンサに対してセンサ処理を行うにあたり、ガスセンサやガスセンサ処理装置に寸法較差がある場合でも、ガスセンサのガス導入孔を個別ガス室で覆うことができ、ガスの漏洩を防ぎつつセンサ処理を実行することができる。
【0044】
また、上述(請求項12)のガスセンサ処理装置は、請求項13に記載のように、ガス室形成部の当接面とガスセンサとの間に配置され、当接面とガスセンサとの間の隙間を閉塞して個別ガス室の気密を維持する気密維持用シール部材を備えるとよい。
【0045】
気密維持用シール部材を備えることで、ガス室形成部の当接面とガスセンサとの間に生じる僅かな隙間についても閉塞することができ、個別ガス室の気密性をより向上させることができる。
よって、本発明(請求項13)のガスセンサ処理装置によれば、複数のガスセンサに対してセンサ処理を行うにあたり、個別ガス室の気密性をより向上させることができるため、センサ処理用ガスの漏洩をより一層防止でき、センサ処理用ガスの濃度低下によるセンサ処理の効率低下を防止できる。
【0046】
次に、上述(請求項8から請求項13のいずれか)のガスセンサ処理装置は、請求項14に記載のように、センサ保持部として、複数のガスセンサを保持し、センサ処理を行うためのセンサ処理位置に配置される保持用治具を備え、保持用治具が、複数種類のガスセンサ処理装置のセンサ処理位置に配置可能な構造の共用保持用治具であるとよい。
【0047】
このガスセンサ処理装置は、複数のガスセンサを1つの保持用治具で保持することから、請求項4の発明方法と同様に、ガスセンサ取り替え時間を短縮することができ、一連のセンサ処理作業に要する作業時間を短縮することができる。
また、このガスセンサ処理装置は、共用保持用治具を用いることから、請求項4の発明方法と同様に、ガスセンサを他のセンサ処理位置に移動する際の各ガスセンサの着脱作業を省略でき、一連のセンサ処理作業における作業時間を短縮することができる。
【0048】
よって、本発明(請求項14)のガスセンサ処理装置によれば、請求項4の発明方法と同様に、複数のガスセンサに対して複数種類のセンサ処理を行う場合の作業効率を向上することができる。
なお、上記発明(請求項14)においては、例えば、請求項15に記載のように、共用保持用治具が、少なくともエージング処理を行うためのガスセンサ処理装置と、センサ特性検査処理を行うためのガスセンサ処理装置とに装着可能に構成されているとよい。
【0049】
エージング処理およびセンサ特性検査処理は、ガスセンサの出荷前に行われるセンサ処理であり、本発明(請求項15)を用いることで、ガスセンサの出荷前に実施するセンサ処理の作業効率を向上できる。
次に、上述(請求項14または請求項15)のガスセンサ処理装置は、請求項16に記載のように、保持用治具が、複数のセンサ処理のうち、特定のセンサ処理が完了したことを示す特定センサ処理完了表示部を備えるとよい。
【0050】
このガスセンサ処理装置は、請求項6の発明方法と同様に、特定センサ処理完了表示部に基づいて特定のセンサ処理(特定センサ処理)が完了しているか否かを判断できるため、特定センサ処理が未処理の状態でガスセンサが出荷されるのを防止できる。また、同一のガスセンサに対して、誤って必要以上の回数にわたり特定センサ処理を実行するのを防止でき、センサ処理の無駄が生じるのを防止できる。さらに、複数のセンサ処理の実行順序が定められている場合には、誤った順序で複数のセンサ処理が実行されるのを防止できる。
【0051】
よって、本発明(請求項16)のガスセンサ処理装置によれば、ガスセンサが不完全な状態で出荷されるのを防止でき、また、センサ処理の作業効率を向上できる。さらに、誤った順序で複数のセンサ処理が実行されるのを防止することで、ガスセンサに対する一連のセンサ処理を適切な順序で実行することができる。
【0052】
なお、上述(請求項16)のガスセンサ処理装置において、少なくともエージング処理とセンサ特性検査処理を行う場合には、保持用治具が、特定センサ処理完了表示部として、エージング処理が完了したことを示すエージング完了表示部を備えるとよい。
【0053】
このガスセンサ処理装置は、エージング完了表示部に基づいて、請求項7の発明方法と同様に、エージング処理が完了したか否かを判断できるため、エージング処理の完了を確認した後にセンサ特性検査処理を実行することで、出荷前のガスセンサに対するセンサ処理を、適正な処理順序に従い実行することができる。また、エージング処理が完了したか否かを判断できることから、エージング処理を重複して実行するのを防止でき、作業に無駄が生じるのを防止できる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
実施例として、ガスセンサ11のセンサ特性検査を行うガスセンサ検査装置1について説明する。ガスセンサ検査装置1の主要部分の概略構成を表す構成図を図1に示す。なお、図1では、ガスセンサ検査装置1の内部構成を示すために一部を断面図として表している。
【0055】
ガスセンサ検査装置1は、10個のガスセンサ11に対して、特定ガスを含む検査用ガスを供給し、特定ガスの濃度変化に対するガスセンサ11の出力の状態を検査するセンサ特性検査処理を行うためのセンサ処理装置である。
なお、ガスセンサ11は、特定ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する感ガス体を有する検知素子を内部に備えており、具体的には、CO等の還元性ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する第1感ガス体と、NO2 等の酸化性ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する第2感ガス体とを有する検知素子を内部に備えている。ガスセンサ11の分解斜視図を図2(a)に示し、ガスセンサ11の平面図(上面図)を図3に示す。
【0056】
図2及び図3に示すように、ガスセンサ11は、被検知ガス取入口81bが形成されたサブケース81の内部に、図示しない検知素子と、その検知素子の検知能を活性化させるためのヒータとを組み込んだものである。そして、この検知素子およびヒータが、マイクロコンピュータ83と、コンデンサや抵抗器といった電子部品85とともに、基板87に一体的に組み付けられている。基板87は、プラスチック製のケース91,93内に封入され、ケース91には雄コネクタ部17と、検知素子およびヒータを内部に有するサブケース81を内側に収容すると共に複数のガス導入孔13が設けられたセンサ収容部15が形成されている。
【0057】
雄コネクタ部17の内部には、ガスセンサを自動車あるいはガスセンサ検査装置1(または後述する第2実施例のエージング処理装置2)に電気的に接続するためのヒータ電源端子19a、センサ出力端子19bおよび接地端子19cを有する端子部19が設けられている。端子部19は、基板87に設けられた端子孔89に各々挿通され、この端子孔89の周囲に形成された金属パッドを介して、基板87の上に形成された配線パターンに半田付け接続されている。
【0058】
上述した通り、ガスセンサ11の検知素子は、図2(b)に示すように、還元性ガスを検知する第1感ガス体5aと、酸化性ガスを検知する第2感ガス体5bとを有する。前者は、還元性ガスの濃度が増加すると電気抵抗値が減少する酸化物薄膜(例えばSnO2 )、後者は酸化性ガスの濃度が増加すると電気抵抗値が増加する酸化物薄膜(例えばWO3 )により形成される。第1感ガス体5aと第2感ガス体5bとは、ヒータ5cとともにセラミック基体5dの上に一体的に組み付けられている。なお、本実施形態では、第1感ガス体5aおよび第2感ガス体5bの各出力端子5t1 、5t2 と、両感ガス体5a,5bの間で共用される接地端子5tgが設けられている。また、ヒータ5cの入力端子としてヒータ用入力端子5t3 が備えられ、ヒータ5cの接地側の端子は両感ガス体5a,5bの接地端子5tgと共用化されている。
【0059】
このガスセンサ11は、両感ガス体5a,5bより別個に得られるセンサ出力をマイコン83に記憶された所定の検知プログラムに従って処理し、その処理結果をセンサ出力端子19bから出力する。具体的には、感ガス体の電気抵抗値の変化が大きくガス検知と判断される場合には、ハイレベルのガス検知信号を、逆に感ガス体の電気抵抗値の変化が小さくガスを検知していないと判断される場合には、ローレベルのガス検知信号を、センサ出力端子19bから出力する。なお、2つの感ガス体5a,5bからのガス検知信号は、例えば、上記検知プログラムによる時分割出力処理により、1つのセンサ出力端子19bを用いて出力できる。
【0060】
ガスセンサ検査装置1は、図1に示すように、10個のガスセンサ11を保持可能な共用保持用治具21と、センサ処理位置44および10個のガス室形成部23を有する基台部25と、共用保持用治具21に装着されたガスセンサ11に当接し、ガス室形成部23との間でガスセンサ11を挟持するセンサ挟持機構部27と、を備えて構成されている。
【0061】
なお、基台部25においては、センサ処理位置44は、共用保持用治具21を配置可能に構成されており、ガス室形成部23は、後述する個別ガス室53を備えて構成されている。
このうち、共用保持用治具21について、平面図を図4に示し、側面図を図5に示す。なお、図5は、図4に示す共用保持用治具21を、矢印39の方向に見たときの側面図である。
【0062】
共用保持用治具21は、図4および図5から判るように、略長方形の略板形状に形成されており、表面から裏面にかけて貫通する5個の開口部31と、開口部31に隣接して設けられた10個の雌コネクタ部33と、検査機器に対して電気的に接続される外部接続コネクタ部35と、を備えて構成されている。なお、検査機器は、ガスセンサ11から出力されるガス検知信号の状態を測定(検査)するための機能を備えている。
【0063】
図6に、図4における共用保持用治具21のB−B視断面のうち、2個のガスセンサ11が配置される部分の断面図を示す。
雌コネクタ部33は、図6に示すように、ガスセンサ11の雄コネクタ部17が嵌合接続可能な形状に構成されており、外部接続コネクタ部35(詳細には、後述する外部用電極37)と電気的に接続された雌コネクタ端子(図示省略)を備えている。雌コネクタ端子は、雌コネクタ部33と雄コネクタ部17との嵌合接続時に、雄コネクタ部17の各端子19a〜19cに接触する位置に配置されており、各端子19a〜19cと電気的に接続可能に構成されている。なお、雌コネクタ部33は、1つの開口部31に対して2個ずつ備えられている。
【0064】
外部接続コネクタ部35は、図5に示すように、共用保持用治具21の側面に設けられており、検査機器に繋がる検査機器側コネクタ(図示省略)と嵌合接続可能な形状に形成されている。
また、外部接続コネクタ部35は、雌コネクタ部33の雌コネクタ端子と電気的に接続された30個の外部用電極37を備えて構成されている。外部用電極37は、外部接続コネクタ部35と検査機器側コネクタとの嵌合接続時に、検査機器側コネクタに備えられる検査機器側電極に接触する位置に配置されており、検査機器側電極と電気的に接続可能に構成されている。
【0065】
次に、共用保持用治具21へのガスセンサ11の装着手順について、共用保持用治具21の一部断面を表す図6の断面図を用いて説明する。
装着に際しては、まず、ガスセンサ11を、図6の左側に示すように、センサ収容部15および雄コネクタ部17が共用保持用治具21に対向するように配置する。そのあと、矢印に示す方向にガスセンサ11を移動することで、センサ収容部15を開口部31に配置すると共に、雄コネクタ部17を雌コネクタ部33に挿入する。このようにして、雄コネクタ部17が雌コネクタ部33に嵌合接続されることで、ガスセンサ11は、共用保持用治具21に装着される。
【0066】
このようにガスセンサ11が共用保持用治具21に装着されると、各端子19a〜19c(図示省略)と雌コネクタ端子(図示省略)とが互いに接触して電気的に接続されて、各端子19a〜19cは、雌コネクタ端子および外部接続コネクタ部35の外部用電極37を介して、検査機器と電気的に接続される。
【0067】
また、ガスセンサ11は、雄コネクタ部17が雌コネクタ部33に嵌合接続されることで、共用保持用治具21に保持される構造であるため、雄コネクタ部17とは別の装着用固定部を備えることなく共用保持用治具21に装着可能となる。
【0068】
次に、基台部25は、図1に示すように、ガス室形成部23を支持する可動基台部41と、共用保持用治具21が配置されるセンサ処理位置44を有する固定基台部43と、を備えて構成されている。なお、図1では、可動基台部41および固定基台部43は、断面図として表されている。
【0069】
可動基台部41は、固定基台部43に摺動可能な状態で支持されると共に、図示しないアクチュエータに連結されており、アクチュエータの動作に応じて、図1における上下方向に移動可能に構成されている。つまり、可動基台部41は、上下方向に移動することで、固定基台部43のセンサ処理位置44に配置された共用保持用治具21とガス室形成部23との相対距離を変更するよう構成されている。
【0070】
ガス室形成部23は、図7に示すように、可動基台部41に固定される固定部45と、ガス室を備える可動部47とを備えて構成されている。なお、図7は、共用保持用治具21に装着されたガスセンサ11に対し、ガス室形成部23を当接させる前段階の状態を示す説明図である。図7では、可動基台部41,ガス室形成部23および共用保持用治具21を断面図として表しており、特にガス室形成部23については内部構造を示している。
【0071】
可動部47は、図7に示すように、固定部45の内部を摺動可能に構成されると共に、弾性スプリング51の弾性力により共用保持用治具21に近づくよう押圧される状態で備えられている。
図7に示す2つのガス室形成部23のうち、右側に示すガス室形成部23は、外力の印加により可動部47が固定部45の内部を図中下方向に移動した状態を表している。このように可動部47が移動した右側のガス室形成部23では、内部に備えられる弾性スプリング51が、高さ方向寸法が短くなるよう弾性変形する。この結果、弾性スプリング51は、元の形状に戻ろうとする弾性力を発生するため、可動部47を共用保持用治具21(ガスセンサ11)に向けて押圧する。
【0072】
つまり、ガス室形成部23は、図7に示す矢印方向に向けて可動基台部41と共に移動してガスセンサ11に当接すると、弾性スプリング51の押圧力によりガスセンサ11に密着するように構成されている。
また、ガス室形成部23は、図8に示すように、可動部47の表面のうち、ガスセンサ11との当接面50に設けられるシールパッキン49と、ガスセンサ11との当接面50の内部に設けられる個別ガス室53(内容積8[cc])と、外部から個別ガス室53に通じる2つのガス注入口55と、を備えて構成されている。
【0073】
なお、図8は、ガスセンサ11とガス室形成部23とが当接した状態を表す説明図であり、共用保持用治具21については図示を省略している。また、図8では、図1のうち、A−A視断面におけるガス室形成部23およびガスセンサ11に相当する部分の断面図を表しており、ガス室形成部23における個別ガス室53の位置を示すために、内部構造を省略した模擬的な断面状態を表している。
【0074】
シールパッキン49は、弾性材料(例えば、ゴムなど)で形成されており、ガス室形成部23(詳細には可動部47の当接面50)とガスセンサ11との間に生じる隙間を閉塞し、個別ガス室53の気密性を維持するために備えられる。
個別ガス室53は、ガスセンサ11のセンサ収容部15を収容可能な大きさに形成されると共に、ガス注入口55を通じて検査用ガスを内部に充填可能に構成されている。ガス注入口55は、可撓性材料からなるガス配管59の端部に備えられるガス配管用コネクタ57が着脱可能な形状に構成されており、他のガス室形成部23のガス注入口55とガス配管59を介して連結される。
【0075】
そして、ガスセンサ検査装置1に備えられる10個の個別ガス室53は、ガス配管59を介して直列に接続されており、図示しない検査用ガス供給部からガス配管59を通じて検査用ガスが充填される。
次に、センサ挟持機構部27は、図1に示すように、ガスセンサ11に当接するセンサ当接面65を有する可動当接部61と、基台部25の固定基台部43との相対位置が固定されている挟持機構固定部63と、を備えて構成されている。
【0076】
可動当接部61は、挟持機構固定部63に摺動可能な状態で支持されると共に、図示しないアクチュエータに連結されており、アクチュエータの動作に応じて、図1における上下方向に移動可能に構成されている。つまり、可動当接部61は、上下方向に移動することで、固定基台部43のセンサ処理位置44に配置された共用保持用治具21とセンサ当接面65との相対距離を変更するよう構成されている。
【0077】
このように構成されたセンサ挟持機構部27は、可動当接部61のセンサ当接面65でガスセンサ11に当接することで、基台部25の可動基台部41に固定されたガス室形成部23との間で、ガスセンサ11を挟持する。
次に、ガスセンサ検査装置1を用いてガスセンサ11のセンサ特性検査処理を行う際の、作業手順について説明する。
【0078】
まず、10個のガスセンサ11を共用保持用治具21に装着し、その共用保持用治具21を固定基台部43のセンサ処理位置44に配置したあと、共用保持用治具21の外部接続コネクタ部35に対して検査機器側コネクタを接続する。
続いて、ガスセンサ検査装置1に対して作業員から検査処理開始指令が入力されると、制御部(図示省略)で実行される制御処理が開始されて、制御処理の処理内容に従い、制御部から各部に駆動指令が出力される。なお、制御部は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンともいう)を主体に構成されており、作業員からの指令やガスセンサ検査装置1の各部の状態に応じて、各種制御処理を実行可能に構成されている。
【0079】
可動基台部41および可動当接部61は、制御部からの駆動指令に基づき対応するアクチュエータが駆動することにより、それぞれ共用保持用治具21に近づく方向に移動して、ガス室形成部23とセンサ当接面65との間でガスセンサ11を挟持する。これにより、各ガスセンサ11のセンサ収容部15は、それぞれ異なる個別ガス室53に覆われる。
【0080】
次に、図示しない検査用ガス供給部が、制御部からの駆動指令に基づき、ガス配管59を介して直列接続された10個の個別ガス室53に対して、検査用ガスを供給する。なお、検査用ガス供給部は、ガス配管59および個別ガス室53からなるガス流通経路のうち、一端(ガス入力端)から目標濃度の特定ガスを含む検査用ガスを注入し、他端(ガス出力端)での特定ガス濃度を検出するよう構成されている。そして、検査用ガス供給部は、ガス出力端での特定ガス濃度が目標濃度に達すると、全ての個別ガス室53が目標濃度に達したと判断するよう構成されている。
【0081】
検査用ガス供給部は、制御部からの駆動指令に基づき、個別ガス室53での特定ガス濃度を一定濃度に設定した後、特定ガス濃度が異なる検査用ガスを注入して個別ガス室53における特定ガス濃度を変化させる。本実施例のガスセンサ検査装置1に備えられる検査用ガス供給部は、特定ガスとしてCOおよびNO2 をそれぞれ供給するよう構成されており、COの濃度を変化させた後、NO2 濃度を変化させるという順番で検査用ガスを供給する。
【0082】
このとき、外部接続コネクタ部35に接続される検査機器は、ガスセンサ11それぞれのガス濃度信号の状態を検出し、COの濃度を変化させた場合にガス濃度信号がローレベルからハイレベルに変化したか否か、およびNO2 の濃度を変化させた場合にガス濃度信号がローレベルからハイレベルに変化したか否かに基づき、各ガスセンサ11が正常であるか異常であるかを判定する。なお、検査機器は、特定ガスの濃度変化に応じてガス濃度信号がローレベルからハイレベルに変化するガスセンサ11を正常と判定し、特定ガスの濃度変化が生じてもローレベルの出力を維持するガスセンサ11を異常と判定する。また、この特定ガスの濃度変化に対するガスセンサ11の出力の状態を検査する工程においては、各ガスセンサ11の感ガス体5a,5bが活性化状態になるように、各ガスセンサ11のヒータ5cは外部接続コネクタ部35、雌コネクタ部、雄コネクタ部17を介して通電状態とされ、両感ガス体5a,5bを加熱している。
【0083】
特定ガスの濃度変化に対するガスセンサ11の出力の状態を検査する工程が終了すると、制御部からの駆動指令に基づき、対応するアクチュエータが駆動することにより、可動基台部41および可動当接部61がそれぞれ共用保持用治具21から離れる方向に移動して、ガス室形成部23およびセンサ当接面65による挟持からガスセンサ11を開放する。
【0084】
このあと、共用保持用治具21の外部接続コネクタ部35から検査機器側コネクタを取り外し、共用保持用治具21をセンサ処理位置44から取り除くことにより、一連のセンサ特性検査処理が終了する。
以上説明したように、ガスセンサ検査装置1は、10個のガスセンサ11を全て収容する大型ガス室ではなく、各ガスセンサ11のセンサ収容部15(ガス導入孔13)をそれぞれ個別に覆う10個の個別ガス室53が備えられている。このように構成されるガスセンサ検査装置1においては、ガス配管59および個別ガス室53からなるガス流通経路における1個のガスセンサ11あたりのガス容積が、前述した大型ガス室の容積(100[L])における1個のガスセンサあたりのガス容積に比べて小さくなる。このようにガス室の容積を縮小することで、センサ1個あたりの検査用ガスの使用量を減少できる。
【0085】
また、ガス室の容積を縮小することで、検査用ガスのガス置換時間も短縮できるため、ガスセンサ検査装置1は、センサ特性検査処理を行うにあたり、特定ガス濃度の変更に要する濃度変更所要時間を短縮することができ、速やかにセンサ特性検査処理を行うことができる。
【0086】
さらに、ガスセンサ11のセンサ収容部15(ガス導入孔13)に一対一で対応させて個別ガス室53を配置し、複数のガスセンサ11に対し一括してセンサ特性検査処理を実行することから、個別ガス室53に充填される検査用ガスの濃度勾配が従来(即ち、大型ガス室を有するチャンバを用いてのセンサ特性検査処理)に比べて敏感になり、精度の良いセンサ特性検査処理を一括して実行することができる。
【0087】
よって、本実施例のガスセンサ検査装置1によれば、複数のガスセンサ11に対してセンサ特性検査処理を同時に行うにあたり、ガス置換時間の短縮により作業所要時間を短縮することができ、また、検査用ガスの使用量の減少によりコストの低減を図ることができる。
【0088】
また、ガスセンサ検査装置1は、10個の個別ガス室53が、ガス配管59を介して直列に配置され、ガス配管59を通じて検査用ガスが充填されるよう構成されている。このように個別ガス室53およびガス配管59からなるガス流通経路を1本に限定することで、複数のガス流通経路を並行して備える場合のようにガス流通抵抗の差異によって個別ガス室53ごとに、検査用ガスの濃度が一定濃度となるまでの濃度勾配にバラツキ差が生じるのを防ぐことができる。
【0089】
したがって、ガスセンサ検査装置1によれば、10個のガスセンサ11に対して同時にセンサ処理を行うにあたり、各個別ガス室53に充填される検査用ガスの濃度を略均一に設定することができる。これにより、個別ガス室53の内部の検査ガスによる置換を安定して、かつ敏感に行うことができ、センサ特性検査の条件が、ガスセンサ11ごとにばらつくのを防止することができる。
【0090】
さらに、ガスセンサ検査装置1は、各ガスセンサ11に対応して設けられる10個のガス室形成部23を備えることから、個別ガス室53(ガス室形成部23)とガスセンサ11との距離を、個別ガス室53ごとにそれぞれ独立して調整することができる。
【0091】
また、ガスセンサ検査装置1は、ガスセンサ11に当接したガス室形成部23(詳細には、可動部47)をそれぞれガスセンサ11に向けて押圧する弾性スプリング51を備えることから、個別ガス室53(ガス室形成部23)を確実にガスセンサ11に当接させることができる。
【0092】
つまり、ガスセンサ11とガス室形成部23との相対距離が、寸法較差等に起因してガスセンサ11ごとに異なる場合でも、ガス室形成部23を各ガスセンサ11に確実に当接できるため、ガスセンサ11のガス導入孔13が形成されたセンサ収容部15を確実に個別ガス室53で覆うことができる。
【0093】
よって、ガスセンサ検査装置1によれば、複数のガスセンサ11に対してセンサ特性検査処理を行うにあたり、ガスセンサや装置自体に寸法較差等がある場合でも、検査用ガスの漏洩を防ぎつつセンサ特性検査処理を実行することができる。
【0094】
また、ガスセンサ検査装置1は、シールパッキン49を備えており、ガス室形成部23の当接面50とガスセンサ11との間に生じる僅かな隙間についても閉塞することができ、個別ガス室の気密性をより向上させることができる。よって、検査用ガスの漏洩をより一層防止でき、検査用ガスの濃度低下によるセンサ特性検査処理の効率低下を防止できる。
【0095】
なお、ガスセンサ検査装置1においては、ガス導入孔13が特許請求の範囲に記載のガス導入部に相当し、センサ出力端子19bおよび接地端子19cがセンサ電極に相当し、共用保持用治具21がセンサ保持部,保持用治具および共用保持用治具に相当し、雌コネクタ部33および外部接続コネクタ部35がセンサ信号配線部に相当し、弾性スプリング51が押圧手段に相当し、シールパッキン49が気密維持用シール部材に相当するものである。
【0096】
次に、第2実施例として、ガスセンサ11に対してエージング処理を行うエージング処理装置2について説明する。
なお、エージング処理装置2は、上述のガスセンサ検査装置1のうち、検査用ガス供給部をエージング用ガス供給部に変更し、制御部で実行される制御処理の処理内容をエージング処理用に変更して構成されている。
【0097】
エージング用ガス供給部は、予め定められた一定濃度のCOおよびNO2 を含むエージング用ガスを供給するよう構成されている。制御部で実行される制御処理は、ガスセンサ11のヒータ5cに対して外部接続コネクタ部35、雌コネクタ部、雄コネクタ部17を介して通電しつつ両感ガス体5a,5bを活性化させ、ガス導入孔13に対してエージング用ガスを供給する状態を、一定時間継続する処理を行うように構成されている。
【0098】
このエージング処理装置2は、大型ガス室を備えるエージング処理装置に比べて、ガス使用量が低減できることから、ガスセンサ11に対してエージング処理を行うにあたり、作業所要時間を短縮でき、また、エージング用ガスの使用量低減によるコストの低減を図ることができる。
【0099】
また、共用保持用治具21は、図4および図5に示すように、自身の表面から突出した棒状のエージング処理完了表示部71を備えており、エージング処理完了表示部71は、環状形状の処理完了表示リング73を挿通可能に構成されている。ガスセンサ11に対するエージング処理が完了したときに、作業員がエージング処理完了表示部71に対して環状形状の処理完了表示リング73を挿通する。
【0100】
これにより、エージング処理完了表示部71に環状形状の処理完了表示リング73が挿通されているか否かに基づいて、共用保持用治具21に装着されているガスセンサ11へのエージング処理が完了したか否かを判断することができる。このように、エージング処理が完了したか否かを判断できることから、ガスセンサ11に対してエージング処理を重複して実行するのを防止でき、作業に無駄が生じるのを防止できる。
【0101】
よって、第2実施例のエージング処理装置2によれば、エージング処理を行うにあたり、作業所要時間の短縮や、ガス使用量低減によるコスト低減を図ることができる。また、エージング処理完了表示部71に基づきエージング処理が完了したか否かを判断できるため、エージング処理の重複実施という作業の無駄を防止でき、作業の効率向上を図ることができる。
【0102】
なお、エージング処理装置2においては、エージング処理完了表示部71が、特許請求の範囲に記載の特定センサ処理完了表示部に相当する。
ところで、ガスセンサ11は、出荷前処理として、エージング処理およびセンサ特性検査処理が実行される。このため、上述したエージング処理装置2およびガスセンサ検査装置1を用いることで、ガスセンサ11に対する出荷前処理を行うことができる。
【0103】
なお、出荷前処理は、先にエージング処理を実行した後に、センサ特性検査処理を実行するという順序で実行される。このため、エージング処理装置とガスセンサ検査装置とが、互いに異なる形状の保持用治具を配置可能に構成されている場合には、エージング処理完了後、ガスセンサ11をエージング用保持用治具からセンサ検査用保持用治具に移し替える必要が生じる。
【0104】
これに対し、共用保持用治具21は、エージング処理装置2およびガスセンサ検査装置1のそれぞれのセンサ処理位置44に配置可能な構造であることから、エージング処理工程からセンサ特性検査処理工程に移行するにあたり、共用保持用治具21からガスセンサ11を取り外す作業を省略することができるため、作業の簡略化を図ることができる。
【0105】
このため、ガスセンサ11に対してエージング処理およびセンサ特性検査処理を実行するにあたり、異なるセンサ処理位置間のガスセンサ11の移動時間を短縮することができ、一連のセンサ処理作業(エージング処理作業およびセンサ特性検査処理作業)における作業時間を短縮できる。
【0106】
また、共用保持用治具21は、エージング処理完了表示部71における処理完了表示リング73の有無に基づいてエージング処理が完了したか否かを判断することができる。このため、エージング処理完了表示部71に処理完了表示リング73が装着されている共用保持用治具21に限り、ガスセンサ検査装置1でのセンサ特性検査処理を行うようにするとよい。これにより、エージング処理が未実施のガスセンサ11に対してセンサ検査処理を実施するのを防止でき、また、エージング処理の後にセンサ特性検査処理を行うという出荷前処理の処理順序が誤った順序となるのを防止することができる。
【0107】
このようにして一連の処理を行うためには、例えば、作業員が、エージング処理完了表示部71の状態を判断して、処理完了表示リング73が装着されている共用保持用治具21に限り、ガスセンサ検査装置1に配置するとよい。
あるいは、ガスセンサ検査装置1に、エージング処理完了表示部71に処理完了表示リング73が装着されているか否かを判断するためのエージング処理完了判断部を備えてもよい。そして、エージング処理完了判断部において処理完了表示リング73が装着されていると判断された場合に限り、センサ特性検査処理の実行を許可するようにガスセンサ検査装置1を構成するのである。これにより、エージング処理が未処理のガスセンサ11に対して、センサ特性検査処理が実行されるのを防止することができる。
【0108】
よって、エージング処理完了表示部71における処理完了表示リング73の装着状態に基づいてエージング処理の完了を確認し、誤った順序で複数のセンサ処理が実行されるのを防止することで、ガスセンサ11に対する一連の出荷前処理を適切な順序で実行することができる。
【0109】
なお、エージング処理完了判断部は、処理完了表示リング73の有無を判断可能に構成されていれば良く、例えば、共用保持用治具21のエージング処理完了表示部71が配置される位置を挟むようにレーザ光送信部とレーザ光受信部とを備えて構成することができる。このエージング処理完了判断部によれば、処理完了表示リング73によりレーザ光が遮断されるか否かによって、エージング処理が完了しているか否かを判断することができる。
【0110】
また、エージング処理を実行した後に、センサ特性検査処理を行うにあたっては、検査用ガスよりも特定ガスを高濃度に含有したものをエージング用ガスとして用いることが望ましい。これにより、エージングによるガスセンサの特性を安定化させる効果がより一層得られるからである。
【0111】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、同時に装着可能なガスセンサの個数は10個に限ることはなく、より多数のガスセンサを装着可能となるように、ガスセンサ処理装置を構成しても良い。つまり、用途に応じてガスセンサの装着個数を設定し、ガスセンサの装着個数に応じたガス室形成部を備え、ガスセンサの装着個数に応じた形状の共用保持用治具を用いてガスセンサ処理装置を構成すればよい。
【0112】
また、ガスセンサ検査装置1は、特性検査時における特定ガスの供給順序は、COの後にNO2 という順序に限ることはなく、NO2 の後にCOという順序でもよい。また、特定ガスの種類は、2種類に限らず、1種類でも良いし、3種類以上であっても良い。
【0113】
また、基台部25は、隣接するガス室形成部23の個別ガス室53を接続するように、ガス配管59を配置すると良い。つまり、複数備えられるガス室形成部23のうち、互いの距離が離れたガス室形成部23の個別ガス室53どうしを接続する場合には、ガス配管59の長さが長くなり、ガス流通経路における総容積が拡大することになる。これに対して、隣接するガス室形成部23の個別ガス室53を接続するようにガス配管59を配置することで、ガス配管59を短縮することができ、ガス流通経路における総容量を縮小することができる。
【0114】
よって、基台部を備えるガスセンサ処理装置は、ガス使用量を更に減少できると共に、ガス置換時間を更に短縮することができる。
なお、基台部25は、隣接するガス室形成部23どうしの距離が最短距離となるように複数のガス室形成部23を配置して構成するとよく、これにより、ガス配管59の距離をさらに短縮でき、ガス流通経路の総容積を更に縮小することができる。この場合、共用保持用治具として、複数のガス室形成部23の配置位置に応じた位置に、ガスセンサを配置可能に構成された共用保持用治具を用いることは言うまでもない。
【0115】
また、センサ収容部とコネクタ部は、ガスセンサの同一面に備えられているものに限られず、センサ収容部とコネクタ部とが異なる面に備えられていても良い。その場合には、保持用治具として、センサ収容部をガス室形成部の対向位置に配置できるように雌コネクタ部の位置が定められた保持用治具を用いることで、ガス室形成部をガスセンサに当接することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガスセンサのセンサ特性検査を行うガスセンサ検査装置の概略構成を表す構成図である。
【図2】 (a)は、ガスセンサの分解斜視図であり、(b)は、ガスセンサの平面図(上面図)である。
【図3】 ガスセンサの平面図である。
【図4】 共用保持用治具の平面図である。
【図5】 共用保持用治具の側面図である。
【図6】 共用保持用治具のうち、2個のガスセンサが配置される部分の断面図である。
【図7】 共用保持用治具に装着されたガスセンサに対し、ガス室形成部を当接させる前段階の状態を示す説明図である。
【図8】 ガスセンサとガス室形成部とが当接した状態を表す説明図である。
【図9】 ガスセンサに対してセンサ処理を行うための従来型センサ処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…ガスセンサ検査装置、2…エージング処理装置、11…ガスセンサ、13…ガス導入孔、15…センサ収容部、17…雄コネクタ部、19…端子部、21…共用保持用治具、23…ガス室形成部、25…基台部、27…センサ挟持機構部、33…雌コネクタ部、35…外部接続コネクタ部、44…センサ処理位置、45…固定部、47…可動部、49…シールパッキン、51…弾性スプリング、53…個別ガス室、59…ガス配管、71…エージング処理完了表示部、73…処理完了表示リング。
Claims (16)
- 特定ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する感ガス体と、測定対象ガスを前記感ガス体まで導入するガス導入部と、を備えるガスセンサに対し、前記特定ガスを含むセンサ処理用ガスを前記ガス導入部に供給して所定のセンサ処理を行うにあたり、複数の前記ガスセンサに対して前記センサ処理を同時に行うセンサ処理方法であって、
複数の前記ガスセンサの前記ガス導入部をそれぞれ個別に設けられた個別ガス室で覆い、
前記複数の個別ガス室にそれぞれ前記センサ処理用ガスを充填して、前記センサ処理を行うこと、
を特徴とするセンサ処理方法。 - 前記センサ処理用ガスとして一定濃度の前記特定ガスを含むエージング用ガスを用いることにより、前記ガスセンサの特性を安定化させるエージング処理を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載のセンサ処理方法。 - 前記センサ処理用ガスとして前記特定ガスを含む検査用ガスを用い、前記検査用ガスに含まれる前記特定ガスの濃度を変化させて、その濃度変化に対する前記ガスセンサの出力の状態を検査するセンサ特性検査処理を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載のセンサ処理方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のセンサ処理方法であって、
前記複数のガスセンサを保持し、前記センサ処理を行うためのセンサ処理位置に配置される保持用治具を用いるセンサ処理方法であり、
前記保持用治具として、複数の前記センサ処理位置に配置可能な構造の共用保持用治具を用いて、前記複数のガスセンサに対して複数の前記センサ処理を行うこと、
を特徴とするセンサ処理方法。 - 前記複数のセンサ処理として、少なくともエージング処理とセンサ特性検査処理とを行うこと、
を特徴とする請求項4に記載のガスセンサ処理方法。 - 前記複数のセンサ処理のうち、特定のセンサ処理が完了したことを示す特定センサ処理完了表示を行うこと、
を特徴とする請求項4または請求項5に記載のガスセンサ処理方法。 - 前記複数の個別ガス室はガス配管を介して直列に並置されており、前記ガス配管を通じて前記複数の個別ガス室の個々に対して順に前記センサ処理用ガスを充填させること、
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のガスセンサ処理方法。 - 特定ガスの濃度変化に応じて電気抵抗値が変化する感ガス体と、前記感ガス体に電気的に接続されたセンサ電極と、測定対象ガスを前記感ガス体まで導入するガス導入部と、を備えるガスセンサに対し、前記特定ガスを含むセンサ処理用ガスを前記ガス導入部に供給して所定のセンサ処理を行うにあたり、複数の前記ガスセンサに対して前記センサ処理を同時に行うセンサ処理装置であって、
前記複数のガスセンサを保持するセンサ保持部と、
前記ガスセンサの前記センサ電極に電気的に接続されるセンサ信号配線部と、
複数の前記ガスセンサの前記ガス導入部をそれぞれ個別に覆うと共に、前記センサ処理用ガスを蓄積可能に構成された複数の個別ガス室と、
を備えたことを特徴とするガスセンサ処理装置。 - 前記センサ処理用ガスは、一定濃度の前記特定ガスを含むエージング用ガスであり、
前記センサ処理は、前記ガスセンサの特性を安定化させるエージング処理であること、
を特徴とする請求項8に記載のガスセンサ処理装置。 - 前記センサ処理用ガスは、前記特定ガスを含む検査用ガスであり、
前記センサ処理は、前記検査用ガスに含まれる前記特定ガスの濃度変化に対する前記ガスセンサの出力の状態を検査するセンサ特性検査処理であること、
を特徴とする請求項8に記載のガスセンサ処理装置。 - 前記複数の個別ガス室は、ガス配管を介して直列に配置され、前記ガス配管を通じて前記センサ処理用ガスが充填される構成であること、
を特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載のガスセンサ処理装置。 - 前記ガスセンサとの当接面に前記個別ガス室を備え、前記複数のガスセンサに対応して設けられる複数のガス室形成部と、
前記ガスセンサに当接した前記複数のガス室形成部をそれぞれ前記ガスセンサに向けて押圧する押圧手段と、
を備えることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載のガスセンサ処理装置。 - 前記ガス室形成部の前記当接面と前記ガスセンサとの間に配置され、前記当接面と前記ガスセンサとの間の隙間を閉塞して前記個別ガス室の気密を維持する気密維持用シール部材、を備えること、
を特徴とする請求項12に記載のガスセンサ処理装置。 - 前記センサ保持部として、前記複数のガスセンサを保持し、前記センサ処理を行うためのセンサ処理位置に配置される保持用治具を備え、
前記保持用治具が、複数種類のガスセンサ処理装置の前記センサ処理位置に配置可能な構造の共用保持用治具であること、
を特徴とする請求項8から請求項13のいずれかに記載のガスセンサ処理装置。 - 前記共用保持用治具は、少なくともエージング処理を行うためのガスセンサ処理装置と、センサ特性検査処理を行うためのガスセンサ処理装置とに装着可能に構成されていること、
を特徴とする請求項14に記載のガスセンサ処理装置。 - 前記保持用治具は、前記複数のセンサ処理のうち、特定のセンサ処理が完了したことを示す特定センサ処理完了表示部を備えること、
を特徴とする請求項14または請求項15に記載のガスセンサ処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002212488A JP3873011B2 (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | ガスセンサ処理方法およびガスセンサ処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002212488A JP3873011B2 (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | ガスセンサ処理方法およびガスセンサ処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004053463A JP2004053463A (ja) | 2004-02-19 |
JP3873011B2 true JP3873011B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=31935409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002212488A Expired - Fee Related JP3873011B2 (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | ガスセンサ処理方法およびガスセンサ処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3873011B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4811934B2 (ja) * | 2006-06-22 | 2011-11-09 | 日本特殊陶業株式会社 | ガスセンサ処理方法及びガスセンサ処理装置 |
JP5324836B2 (ja) * | 2008-06-18 | 2013-10-23 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池車両 |
JP5192350B2 (ja) * | 2008-10-30 | 2013-05-08 | 株式会社船井電機新応用技術研究所 | センサ評価システム |
DE102009052332B4 (de) | 2009-11-07 | 2020-07-02 | Iav Gmbh Ingenieurgesellschaft Auto Und Verkehr | Vorrichtung zur Prüfung von Abgassensoren |
JP4944972B2 (ja) * | 2010-01-18 | 2012-06-06 | 日本碍子株式会社 | センサ素子の検査装置およびセンサ素子の電気的特性検査方法 |
JP2012238194A (ja) * | 2011-05-12 | 2012-12-06 | Hitachi Ltd | 注文処理サーバ、注文処理方法、および、注文処理プログラム |
JP6259677B2 (ja) * | 2014-02-27 | 2018-01-10 | 新コスモス電機株式会社 | 点検治具 |
JP6467194B2 (ja) * | 2014-11-07 | 2019-02-06 | 日本碍子株式会社 | 評価装置及び評価方法 |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212488A patent/JP3873011B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004053463A (ja) | 2004-02-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN213425051U (zh) | 电池单体泄漏检测装置 | |
JP3873011B2 (ja) | ガスセンサ処理方法およびガスセンサ処理装置 | |
KR101659589B1 (ko) | 전자 제품의 리크 테스트 장치 및 방법 | |
US20110303023A1 (en) | Pressure sensor with semiconductor pressure measuring transducer | |
JP2017506750A (ja) | 差圧検知ダイ用のパッケージ | |
EP2056099A1 (en) | Sensor control device | |
JP2010151794A (ja) | 電子部品試験装置 | |
KR20180028472A (ko) | 센서 유닛 및 기밀성 검사 장치 | |
CN110657925A (zh) | 用于测试封装的气密密封的方法 | |
JP6830175B2 (ja) | 圧力センサアセンブリ、測定装置、およびそれらの製造方法 | |
CN112763158A (zh) | 一种气密性测试装置及测试方法 | |
JP4498376B2 (ja) | ガスセンサの製造方法 | |
CN113654585B (zh) | 用于压力传感器和加速度传感器标定的自动化设备 | |
KR101297141B1 (ko) | 압력 센서 및 압력 센서의 부착 구조 | |
KR20120058933A (ko) | 플러시 다이어프램식 압력센서 및 플러시 다이어프램식 압력센서용 지그장치 | |
CN111837022B (zh) | 防水检查装置 | |
KR100756012B1 (ko) | 배터리 팩 보호회로모듈 조립장치 및 방법 | |
JP4811934B2 (ja) | ガスセンサ処理方法及びガスセンサ処理装置 | |
JP2012508374A (ja) | 一体化されたシールプレートを有する圧力感知用モジュール及び圧力感知用モジュールを組み立てる方法 | |
JP6830174B2 (ja) | 圧力センサアセンブリ、測定装置、およびそれらの製造方法 | |
CN214277301U (zh) | 用于检测水和氧气的泄漏量与渗透量的检测装置 | |
JP2002328111A (ja) | ガスセンサの気密検査装置及び検査方法 | |
JP2005292090A (ja) | 検査装置、検査治具および検査方法 | |
CN112798186A (zh) | 用于检测水和氧气的泄漏量与渗透量的检测装置 | |
JP3959362B2 (ja) | ガスセンサの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050701 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060922 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061003 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061023 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |