JP3872367B2 - タイヤ状態量推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両におけるタイヤの状態量を推定する技術に関するものであり、特に、そのタイヤの回転速度に基づいてそのタイヤの状態量を推定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両走行中にその車両におけるタイヤの異常を発見することなどを目的としてタイヤ空気圧等のタイヤ状態量を推定する技術が既に存在する。
【0003】
この技術の一例においては、タイヤがホイールに装着されて成る車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサが車体側に装着されて使用される。その車輪速度センサによってタイヤ状態量が推定される。
【0004】
具体的には、車輪速度センサにより検出された車輪速度に基づき、タイヤ状態量を反映した反映値が取得され、その取得された反映値に基づいてタイヤ状態量が推定される。
【0005】
タイヤ状態量としてのタイヤ空気圧を推定する具体的な方式が既にいくつか提案されている。
【0006】
その1つは動荷重半径方式である。この方式においては、タイヤの空気圧が変化すればそのタイヤの動荷重半径が変化し、ひいては、そのタイヤの回転速度、すなわち、車輪速度センサにより検出される車輪速度も変化するという現象に着目し、その車輪速度に基づき、上記動荷重半径を反映した動荷重半径反映値が演算され、その演算された動荷重半径反映値に基づいてタイヤ空気圧が検出される。
【0007】
この動荷重半径方式においては、動荷重半径反映値が前述の、タイヤ状態量を反映した反映値の一例を構成している。この動荷重半径方式の一従来例が特開平8−164720号公報に記載されている。
【0008】
別の方式はタイヤ振動方式である。この方式においては、タイヤの空気圧が変化すればそのタイヤの振動の特性が変化し、その変化は車輪速度に反映されるという現象に着目し、その車輪速度に基づき、タイヤの振動特性を表すタイヤ振動特性値が演算され、その演算されたタイヤ振動特性値に基づいてタイヤ空気圧が検出される。
【0009】
このタイヤ振動方式においては、タイヤ振動特性値が前述の、タイヤ状態量を反映した反映値の一例を構成している。
【0010】
このタイヤ振動方式には、共振周波数方式や外乱オブザーバ方式などがある。
【0011】
共振周波数方式においては、タイヤの空気圧が変化すればそのタイヤの振動の共振周波数が変化するという現象に着目し、車輪速度に基づいてその共振周波数が上記タイヤ振動特性値として検出され、その検出された共振周波数に基づいてタイヤ空気圧が推定される。この共振周波数方式の一従来例が特許第2836652号公報に記載されている。
【0012】
これに対して、外乱オブザーバ方式においては、外乱オブザーバという現代制御理論に従えば、タイヤの空気圧の変化をそのタイヤに対する外乱として推定可能であるという知見に基づき、車輪速度に基づいて上記外乱が前記タイヤ振動特性値として演算され、その演算された外乱に基づいてタイヤ空気圧が推定される。この外乱オブザーバ方式の一従来例が特開2000−238516号公報に記載されている。
【0013】
上述のタイヤ振動方式を採用する場合には、タイヤの振動が利用されるが、タイヤの振動現象の強さは、車輪速度または車速や、車輪に作用する負荷(例えば、車輪荷重)、タイヤ空気圧等に依存するのが一般的である。
【0014】
例えば、上述の共振周波数方式を採用する場合には、タイヤの共振現象が、車輪速度または車速が高速である高速域において、低速域におけるほどには顕著に現れ難い。さらに、タイヤの共振現象は、負荷としての車輪荷重が小さい後輪において、車輪荷重が大きい前輪におけるほどには顕著に現れ難い。さらにまた、タイヤの共振現象は、タイヤ空気圧が設定圧である場合において、設定圧より低い場合におけるほどには顕著に現れ難い。
【0015】
図12ないし図15には、そのことを説明するための実験データがグラフで表されている。
【0016】
図12および図13には、いずれも、車両の左前輪のタイヤ空気圧が設定圧P0(例えば、210kPa)である場合と、それより低い空気圧P1(例えば、145kPa)である場合と、それより低い空気圧P2(例えば、100kPa)である場合とについてそれぞれ、左前輪の車輪速度に基づく振動周波数の特性が表されている。
【0017】
ただし、図12には、車両が時速60kmで走行する低速走行状態に相当する状態における振動周波数の特性、図13には、車両が時速90kmで走行する高速走行状態に相当する状態における振動周波数の特性がそれぞれ表されている。
【0018】
図12および図13から明らかなように、左前輪については、高速域にあるか否か、および、タイヤ空気圧が設定圧であるかそれより低いかということとは無関係に、タイヤの共振現象が顕著に現れ、共振周波数に対応する位置において振動周波数特性が明確にピーキーとなっている。
【0019】
これに対し、図14および図15には、いずれも、同じ車両の左後輪のタイヤ空気圧が設定圧P0(例えば、210kPa)である場合と、それより低い空気圧P1(例えば、145kPa)である場合と、それより低い空気圧P2(例えば、100kPa)である場合とについてそれぞれ、左後輪の車輪速度に基づく振動周波数の特性が表されている。
【0020】
ただし、図14には、車両が時速60kmで走行する低速走行状態に相当する状態における振動周波数の特性、図15には、車両が時速90kmで走行する高速走行状態に相当する状態における振動周波数の特性がそれぞれ表されている。
【0021】
図14および図15から明らかなように、左後輪については、高速域にあり、かつ、タイヤ空気圧が設定圧である場合には、タイヤの共振現象が顕著に現れず、共振周波数に対応する位置において振動周波数特性がほとんどフラットになっている。
【0022】
これに対し、高速域にあり、かつ、タイヤ空気圧が設定圧より低い場合には、タイヤの共振現象が顕著に現れ、共振周波数に対応する位置において振動周波数特性が明確にピーキーとなっており、また、低速域にある場合には、タイヤ空気圧が設定圧であるかそれより低いかを問わず、同様である。
【0023】
このように、後輪については、高速域にあり、かつ、タイヤ空気圧が設定圧である場合には、タイヤの共振現象が顕著に現れず、共振周波数に対応する位置において振動周波数特性がほとんどフラットになっているが、以下、その理由を推測する。
【0024】
タイヤの共振現象が顕著に現れるためには、車両走行中、タイヤが路面と接触する接触域において大きくたわむことが有効である。タイヤのたわみ量は、タイヤの回転速度が速いほど、また、車輪に垂直に作用する車輪荷重が小さいほど、減少することが考えられる。車輪荷重は、後輪において前輪におけるより小さい傾向が強いため、タイヤの共振現象が後輪において前輪におけるより顕著に現れ難くなる。また、タイヤ空気圧が高いほどタイヤ剛性が高くなり、タイヤのたわみ量が減少する。このことも、上記の理由の一つであると推測される。
【0025】
以上説明した事情を背景として、特開平10−129222号公報には、車両の低速域、すなわち、後輪について共振周波数を検出する限界に達しない状態のみならず、高速域、すなわち、後輪について共振周波数を検出する限界に達した状態においても、後輪の共振周波数を取得するために、次のような技術が開示されている。
【0026】
その技術においては、各車輪ごとの共振周波数と、前輪と後輪との間における動荷重半径の差を反映した動荷重半径反映値とが利用されてタイヤの空気圧状態の異常の有無が判定される。
【0027】
具体的には、後輪について共振周波数の検出限界を超えない場合には、後輪の共振周波数が検出され、その検出された共振周波数に基づいて後輪の空気圧状態の異常の有無が判定される。
【0028】
これに対して、後輪について共振周波数を検出する限界を超えた場合には、そのときにおける動荷重半径反映値と、それ以前の、後輪について共振周波数の検出限界に達しない状態において後輪について検出された共振周波数とに基づき、後輪について共振周波数が推定される。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
このように、この従来の技術によれば、検出限界を超えた後の後輪の共振周波数が、検出限界を超える前の後輪の共振周波数と、検出限界を超えた後の動荷重半径反映値とに基づいて推定される。
【0030】
そのため、この従来の技術では、検出限界を超えた後のある推定時期に後輪の共振周波数を推定するために、その推定時期に対応する時期にいずれかの車輪について取得される共振周波数を利用することができない。
【0031】
すなわち、この従来の技術によれば、検出限界を超えた後のある推定時期に後輪について共振周波数を推定するために別の共振周波数が利用されるが、その別の共振周波数は、上記推定時期より過去において検出された共振周波数なのである。
【0032】
さらに、この従来の技術によれば、検出限界を超えた後のある推定時期に後輪について共振周波数を推定するためにその推定時期に対応する時期に取得される情報も利用されるが、その情報は、動荷重半径反映値である。
【0033】
ここに、動荷重半径値は、後輪について推定することが必要である共振周波数とは物理的な種類が異なり、相互に換算が必要な情報である。
【0034】
しかも、動荷重半径反映値は、一般に、車両における複数の車輪のすべてを代表する1つの値として取得されるため、各車輪ごとのタイヤ空気圧状態を他の車輪から独立して反映することは困難である物理量である。
【0035】
そのため、この従来の技術では、検出限界を超えた後の後輪の共振周波数を推定する精度を向上させるのに限界があった。
【0036】
以上要するに、この従来の技術では、車両における複数の車輪のうち、タイヤ状態量を反映した反映値を精度よく取得することが困難である車輪についてその反映値を別の情報を用いて精度よく取得することが困難であったのである。
【0037】
このような事情を背景とし、本発明は、車両における複数の車輪のうち、タイヤ状態量を反映した反映値を精度よく取得することが困難である車輪についてその反映値を別の情報を用いて精度よく取得することを課題としてなされたものである。
【0038】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴のいくつかおよびそれらの組合せのいくつかの理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈されるべきではない。
(1) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて成る車輪を複数備えた車両に設けられ、各車輪の前記タイヤの状態量を推定する装置であって、
前記複数の車輪に関連してそれぞれ設けられ、各車輪の車輪速度を検出する複数の車輪速度センサと、
各車輪速度センサにより検出された車輪速度に基づき、対応する車輪のタイヤ状態量を反映した反映値を取得し、その取得された反映値に基づいて前記タイヤ状態量を推定する推定器と
を含み、かつ、その推定器が、
前記複数の車輪のうち、対応する車輪速度に基づいて前記反映値を精度よく取得することが困難である取得困難車輪について反映値を取得するために、その取得時期と対応する時期に、対応する車輪速度に基づいて前記反映値を精度よく取得することが容易である取得容易車輪について取得された反映値に基づき、前記取得困難車輪について反映値を推定する反映値推定手段を含むタイヤ状態量推定装置。
【0039】
前述の従来の技術においては、タイヤ状態量を反映した反映値を車輪速度に基づいて精度よく取得することが困難である取得困難車輪としての後輪についての共振周波数が、その取得時期より過去に、タイヤ状態量を反映した反映値を車輪速度に基づいて精度よく取得することが容易である取得容易車輪としての前輪について取得された共振周波数を用いて推定される。
【0040】
そのため、この従来の技術では、後輪について共振周波数を取得すべき時期と対応する時期に前輪について取得された共振周波数を用いて後輪の共振周波数を推定することができない。
【0041】
一方、本発明者らの研究により、特定の条件下では、反映値に関し、取得困難車輪と取得容易車輪との間に、互いに対応する時期に特定の関係が成立し、かつ、その特定の関係は、車両がユーザによって使用される前に事前に取得することが可能であるという知見を得た。
【0042】
その特定の関係は、例えば、各車輪を車体に連結させるサスペンションの特性や、車体から各車輪に垂直に作用する車輪荷重の影響は受け易いが、各車輪のタイヤの種類が許容範囲内で交換される限り、タイヤの種類の影響はほとんど受けないと考えられる。すなわち、その特定の関係は、各車輪のタイヤの種類にはほとんど依存しないのである。
【0043】
以上説明した知見に基づき、本項に係る装置においては、取得困難車輪についての反映値が、それの取得時期と対応する時期に取得容易車輪について取得された反映値を用いて推定される。
【0044】
したがって、この装置によれば、前述の従来の技術とは異なり、取得困難車輪について反映値を取得すべき時期と対応する時期に取得容易車輪について取得された反映値を用いて取得困難車輪の反映値を推定することができるため、取得困難車輪についての反映値の推定精度を容易に向上させることが可能となる。
【0045】
本項および下記の各項において「タイヤ状態量の推定」は、タイヤ状態量の絶対値を推定することを意味するように解釈したり、タイヤ状態量のしきい値に対する相対値(すなわち、変化量)を推定することを意味するように解釈したり、タイヤ状態量がしきい値に対して大きいか小さいかという状態を推定すること、すなわち、タイヤ状態量の大きさを判定することを意味するように解釈することが可能である。
【0046】
本項および下記の各項において「取得時期に対応する時期」は、取得時期と完全に一致する時期を意味するように解釈したり、実質的に一致する時期を意味するように解釈したり、取得時期とのずれが設定範囲にある時期を意味するように解釈することが可能である。
(2) 前記反映値推定手段が、前記取得困難車輪についての反映値を、その取得時期と対応する時期に前記取得容易車輪について取得された反映値と、前記複数の車輪間に存在する反映値差であって予め定められたものとに基づいて推定するものである(1)項に記載のタイヤ状態量推定装置。
【0047】
この装置においては、取得困難車輪について反映値が、取得容易車輪について取得された反映値に加えて、反映値差を用いて推定される。この反映値差は、取得すべき反映値と物理的な種類が同じで、相互換算が不要な情報である。
【0048】
具体的には、反映値がタイヤの共振周波数とされる場合には、反映値差が共振周波数差とされるのであり、この点、反映値がタイヤの共振周波数であるにもかかわらず、その反映値の推定に動荷重半径反映値を用いる前述の従来の技術とは異なる。
【0049】
このように、本項に係る装置によれば、取得困難車輪についての反映値が、その反映値と種類が同じ別の情報を用いて推定される。
【0050】
したがって、この装置によれば、取得困難車輪についての反映値が、その反映値とは種類が異なる別の情報を用いて推定される場合とは異なり、種類が互いに異なる情報間での換算等が省略可能となるなどの理由により、反映値の推定精度を向上させることが容易となる。
(3) 前記反映値推定手段が、前記タイヤ状態量に関して前記複数の車輪間に予め定められた関係であるタイヤ状態量関係が成立することが予測される関係成立時に、前記取得容易車輪について取得された反映値と、前記タイヤ状態量関係が成立するときに前記複数の車輪間に存在する前記反映値差とに基づき、前記取得困難車輪について前記反映値を推定する関係成立時推定手段を含む(2)項に記載のタイヤ状態量推定装置。
【0051】
タイヤ状態量に関して複数の車輪間に予め定められた関係であるタイヤ状態量関係が成立することが予測される関係成立時にそれら車輪間に存在する反映値差は、事前に取得することが可能である。
【0052】
その反映値差は例えば、製品としての車両の製造後であって出荷前の段階や、車両を設計・開発する段階において、複数の車輪間にタイヤ状態量関係を意図的に成立させてそれら車輪についてそれぞれ反映値を測定することにより、取得することが可能である。
【0053】
そのような反映値差は、車両がそのユーザによって使用される段階において、複数の車輪間にタイヤ状態量関係が成立するときに、それら車輪間における実際の反映値差と一致するはずである。
【0054】
したがって、反映値差を事前に取得しておき、車両走行中にタイヤ状態量関係が成立すればその事前に取得された反映値差と取得容易車輪についての反映値とを用いることとすれば、取得困難車輪についての反映値を推定することが可能となる。
【0055】
以上説明した知見に基づき、本項に係る装置においては、複数の車輪間に予め定められたタイヤ状態量関係が成立することが予測される関係成立時に、取得容易車輪について取得された反映値と、タイヤ状態量関係が成立するときに複数の車輪間に存在する反映値差とに基づき、取得困難車輪について反映値が推定される。
(4) 前記複数の車輪が、各車輪に作用する負荷が大きい高負荷車輪と小さい低負荷車輪とを含み、
前記取得容易車輪が、高負荷車輪であり、
前記取得困難車輪が、低負荷車輪である(1)ないし(3)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
【0056】
本項において「負荷」の一例は、各車輪に垂直に作用する車輪荷重であり、前輪と後輪とを含む車両においては、高負荷車輪の一例は前輪、低負荷車輪の一例は後輪である。
(5) 前記推定器が、前記タイヤ状態量を推定するためにその推定器が用いる推定条件を初期化するために、各車輪のタイヤ空気圧がいずれも各設定圧に等しいことが予想される前記関係成立時に、前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を取得し、その取得された反映値に基づいて各車輪について反映値の初期値を決定する初期化を行うものであり、
前記関係成立時推定手段が、前記取得困難車輪について前記反映値の初期値を決定するために実行される(1)ないし(4)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
【0057】
車両走行によってタイヤが摩耗すれば、摩耗していないタイヤに交換することが推奨される。このようなタイヤ交換時には、それに伴い、各車輪のタイヤ空気圧がいずれも各設定圧と一致するようにタイヤ空気圧が調整されるのが一般的である。
【0058】
一方、交換されたタイヤの種類(タイヤメーカの違いや、製造ばらつき、タイヤ扁平率の変更を含む)が交換前のものとは異なっている場合に、それにもかかわらず同じ推定条件でタイヤ状態量を推定したのでは、その推定の精度が低下する可能性がある。
【0059】
そのため、タイヤの交換時には、タイヤの実際の種類に適合するように推定条件を初期化することが行われる場合がある。この場合、上述のように、各車輪のタイヤ空気圧がいずれも各設定圧と一致するようにタイヤ空気圧が調整されるのが一般的である。
【0060】
このような初期化の実行中には、複数の車輪間におけるタイヤ状態量および反映値の関係が予測可能である。
【0061】
したがって、そのときと同じタイヤ状態量関係が成立するときにそれら車輪間に存在する反映値差を事前に取得しておけば、初期化に際し、複数の車輪のうちの一部について反映値を精度よく取得し得ない走行状況(例えば、その車輪が後輪であり、かつ、車両が高速域にある状況)にあっても、反映値を精度よく取得し得る取得容易車輪が存在する限り、反映値を精度よく取得し得ない取得困難車輪について反映値を、上記反映値差と取得容易車輪ついて取得された反映値とを用いることによって推定することが可能となる。
【0062】
以上説明した知見に基づき、本項に係る装置においては、タイヤ状態量を推定するために推定器が用いる推定条件を初期化するために、各車輪のタイヤ空気圧がいずれも各設定圧に等しいことが予想される関係成立時に、取得困難車輪について反映値の初期値が、取得容易車輪について取得された反映値と反映値差とに基づいて推定される。
【0063】
したがって、この装置によれば、初期化の実行時に、複数の車輪の中に取得困難車輪が存在する場合であっても、その取得困難車輪について反映値の初期値を決定可能となり、その結果、初期化の実行終了後に、その初期化の実行中に取得困難車輪であった車輪であったか否かを問わず、正常な初期値を利用してタイヤ状態量の推定を正常に行うことが可能となる。
【0064】
本項において「各設定圧」は、複数の車輪間で互いに一致することは不可欠ではく、例えば、左右の車輪間では互いに共通するが、前後の車輪間では互いに異なるように定義することが可能である。
(6) 前記関係成立時推定手段が、前記初期化の実行時に、前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を取得し、その取得された反映値をそのまま前記初期値に決定する初期値決定手段を含む(5)項に記載のタイヤ状態量推定装置。
(7) 前記推定器が、前記初期化の実行終了後に、前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を取得し、その取得された反映値の前記初期値からの変化量に基づいて前記タイヤ状態量を推定するタイヤ状態量推定手段を含む(5)または(6)項に記載のタイヤ状態量推定装置。
(8) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて成る車輪を備えた車両に設けられ、その車輪の前記タイヤの状態量を推定する装置であって、
前記車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサと、
その車輪速度センサにより検出された車輪速度に基づき、前記車輪のタイヤ状態量を反映した反映値を取得し、その取得された反映値に基づいて前記タイヤ状態量を推定する推定器と
を含み、かつ、その推定器が、
前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を、精度よく取得することが困難である場合には、前記車輪のタイヤ状態量が正常である可能性が高いと判定し、精度よく取得することが容易である場合には、前記車輪のタイヤ状態量が異常である可能性が高いと判定する第1判定手段を含むタイヤ状態量推定装置。
【0065】
前述のように、タイヤ空気圧が正常であるなど、タイヤ状態量が正常である場合に、車輪について反映値を精度よく取得し得ない場合がある。この因果関係を逆転させると、車輪について反映値を精度よく取得し得ない場合には、その車輪のタイヤ状態量が異常である可能性があるという条件文が誘導される。
【0066】
このような知見に基づき、本項に係る装置においては、検出された車輪速度に基づいて反映値を、精度よく取得することが困難である場合には、車輪のタイヤ状態量が正常である可能性が高いと判定され、精度よく取得することが容易である場合には、車輪のタイヤ状態量が異常である可能性が高いと判定される。
【0067】
ここに、検出された車輪速度に基づいて反映値を精度よく取得することが困難であるか否かの判定は、一般に、比較的簡単かつ短時間で行い得る。
【0068】
したがって、この装置によれば、車輪のタイヤ状態量が異常である可能性が高いか否かの判定を比較的簡単かつ短時間で行うことが容易となる。
(9) 前記推定器が、さらに、
前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を精度よく取得することが容易である場合に、前記車両の走行速度である車速が基準値以上であることを条件に、前記車輪のタイヤ状態量が異常である可能性があると判定する第2判定手段を含む(8)項に記載のタイヤ状態量推定装置。
【0069】
タイヤ空気圧が設定圧と等しい状態であっても、車速が基準値より小さい低速域にあると、車輪速度に基づいて反映値を精度よく取得することが容易である可能性がある。
【0070】
そのため、低速域にあるか否かを問わず、車輪速度に基づいて反映値を精度よく取得することが容易であることを条件に、タイヤ空気圧が異常であると判定すると、真に正常であるタイヤ空気圧が誤って異常であると判定されてしまう可能性がある。
【0071】
そこで、本項に係る装置においては、検出された車輪速度に基づいて反映値を精度よく取得することが容易である場合には、車速が基準値以上であることを条件に、車輪のタイヤ状態量が異常である可能性があると判定される。
(10) 前記推定器が、さらに、
前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を精度よく取得することが容易である場合に、その車輪速度に基づいて反映値を取得し、その取得された反映値に基づいて前記車輪のタイヤ状態量が正常であるか異常であるかを判定する第3判定手段を含む(8)または(9)項に記載のタイヤ状態量推定装置。
(11) 前記車両が、各車輪に作用する負荷が大きい高負荷車輪と小さい低負荷車輪とを含み、
前記車輪が、低負荷車輪である(8)ないし(10)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
【0072】
本項において「負荷」の一例は、各車輪に垂直に作用する車輪荷重であり、前輪と後輪とを含む車両においては、高負荷車輪の一例は前輪、低負荷車輪の一例は後輪である。
(12) 前記推定器が、前記取得された反映値の時間的変動が設定状態以上である場合に、前記反映値を精度よく取得することが困難である可能性があると判定する取得精度判定手段を含む(1)ないし(11)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
【0073】
車輪速度に基づいてタイヤの振動の共振周波数を反映値として取得する場合には、取得された共振周波数の時間的変動が設定状態以上であるという現象は、車輪速度に反映されるタイヤの振動周波数特性がそれの共振周波数の位置において十分にピーキーではないこと、すなわち、共振現象が顕著に現れていないことに起因し、かつ、反映値を精度よく取得することが困難であるという結果を招来する可能性があることを意味する。
【0074】
このような知見に基づき、本項に係る装置においては、取得された反映値の時間的変動が設定状態以上である場合に、反映値を精度よく取得することが困難である可能性があると判定される。
(13) 前記反映値が、前記タイヤの振動の共振周波数を含む(1)ないし(12)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
(14) 前記タイヤ状態量が、前記タイヤの空気圧と、前記タイヤの変形量との少なくとも一方を含む(1)ないし(13)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
(15) 前記推定器が、前記車輪速度に基づいて前記タイヤの振動の共振周波数を前記反映値として取得し、その取得された共振周波数に基づいて前記タイヤの空気圧を前記タイヤ状態量として推定するものである(1)ないし(12)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
(16) 前記推定器が、前記タイヤの空気圧の変化をそのタイヤに対する外乱として推定する外乱オブザーバにより、前記車輪速度に基づいて前記外乱を前記反映値として取得し、その取得された外乱に基づいて前記タイヤの空気圧を前記タイヤ状態量として推定するものである(1)ないし(12)項のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0076】
図1には、本発明の第1実施形態に従うタイヤ異常判定装置のハードウエア構成がブロック図で概念的に示されている。このタイヤ異常判定装置は車両に搭載されている。
【0077】
その車両(例えば、乗用車)は、それの前後左右にそれぞれ車輪を備えている。図1において「FL」は左前輪、「FR」は右前輪、「RL」は左後輪、「RR」は右後輪をそれぞれ意味している。車輪の総数は4個である。本実施形態においては、前輪が前記高負荷車輪の一例、後輪が前記低負荷車輪の一例である。
【0078】
各車輪は、よく知られているように、金属製のホイールに装着されたゴム製のタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて構成されている。
【0079】
図1に示すように、このタイヤ異常判定装置は、各車輪ごとに車輪速度センサ10を備えている。各車輪速度センサ10は、よく知られているように、各車輪の角速度を車輪速度として検出するセンサである。具体的には、車輪速度センサ10は、電磁ピックアップであり、車輪と共に回転するロータの外周に形成された多数の歯の通過に応じて周期的に変化する電圧信号を出力する。
【0080】
それら4個の車輪速度センサ10は、図1に示すように、判定器20に電気的に接続されている。この判定器20は、コンピュータ22を主体とし、それら4個の車輪速度センサ10の出力信号に基づき、各車輪ごとに、タイヤ空気圧(これが前記タイヤ状態量の一例である)が異常に低いか否かを判定する装置である。
【0081】
なお付言すれば、以下の説明においては、タイヤの異常という用語を、タイヤ空気圧が異常に低いことを意味する用語として使用する。
【0082】
図2には、コンピュータ22のハードウエア構成がブロック図で概念的に示されている。コンピュータ22は、よく知られているように、CPU30(プロセッサの一例)とROM32(メモリの一例)とRAM34(メモリの一例)とがバス36により互いに接続されて構成されている。ROM32には、図示しないが、書換え可能な不揮発性記録部が設けられている。その不揮発性記憶部の一例は、EEPROMまたはフラッシュROMである。
【0083】
ROM32には、図2に示すように、タイヤ異常判定プログラムおよび車速推定プログラムを始めとし、各種プログラムが予め記憶されている。
【0084】
車速推定プログラムは、よく知られているように、複数の車輪速度センサ10によりそれぞれ検出された複数の車輪速度に基づいて車速を推定するために実行されるプログラムである。
【0085】
タイヤ異常判定プログラムは、各車輪ごとにタイヤが異常であるか否かを判定するために実行されるプログラムである。このタイヤ異常判定プログラムの詳細は後に説明する。
【0086】
図1に示すように、判定器20には、さらに、警報器40も接続されている。警報器40は、複数の車輪の中に、タイヤ空気圧が異常に低い車輪が存在していることを車両の運転者に視覚的にまたは聴覚的に告知するために作動させられる。警報器40は、複数の車輪のうち、タイヤ空気圧が異常に低いと判定された車輪の位置を特定する情報を車両の運転者に提供するように設計することが可能である。
【0087】
この警報器40は、情報を視覚的に告知する形式として構成する場合、専用のランプとして構成したり、同じ表示位置において複数の異なる情報を選択的に表示するマルチディスプレイとして構成することが可能である。
【0088】
図1に示すように、判定器20には、さらに、初期化正スイッチ50も接続されている。この初期化スイッチ50が車両のユーザ(運転者を含む)により操作されることは、判定器20における空気圧検出特性の初期化をその判定器20に対して要求するための初期化要求が判定器20に出力されたことを意味する。
【0089】
この初期化スイッチ50は、例えば、車両においてタイヤ交換が行われた場合にその車両のユーザによって操作されるものとされる。その操作時には、すべての車輪につき、タイヤ空気圧が各設定圧に等しいと仮定することが妥当である。
【0090】
ここで、前記タイヤ異常判定プログラムの内容を詳細に説明する。
【0091】
このタイヤ異常判定プログラムは、本実施形態においては、タイヤ空気圧の判定条件を初期化する(後述の初期値を決定する)ための初期化ルーチンと、その初期値を用いてタイヤ空気圧が基準値より低いか否かを判定するための判定ルーチンとを含むように構成されている。
【0092】
図3には、初期化ルーチンの内容がフローチャートで概念的に表されている。この初期化ルーチンは、コンピュータ22の電源が投入されている間、繰返し実行される。
【0093】
初期化ルーチンの各回の実行時には、まず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップについても同じとする)において、初期化スイッチ50の操作に応答して初期化要求が出されたか否かが判定される。今回は、初期化要求が出されてはいないと仮定すれば、判定がNOとなり、直ちにこの初期化ルーチンの一回の実行が終了する。
【0094】
これに対し、今回は、初期化要求が出されたと仮定すれば、S1の判定がYESとなり、S2に移行する。このS2においては、左右の前輪の各々につき、対応する車輪速度センサ10からの車輪速度信号に基づき、タイヤの振動の共振周波数ff(これが前記反映値の一例である)が演算される。本実施形態においては、前輪が前記取得容易車輪の一例とされている。
【0095】
その後、S3において、そのようにして各前輪について演算された共振周波数ffが、各前輪についての共振周波数の初期値f0fに決定される。この初期値f0fは、各前輪についてのタイヤ空気圧の推定・判定条件の一つである。
【0096】
続いて、S4において、その決定された初期値f0fが各前輪に関連付けて前記不揮発性記憶部にストアされる。
【0097】
その後、S5において、ROM32から共振周波数差Dfが読み出される。この共振周波数差Dfは、前輪と後輪とについて共に、タイヤ空気圧が各設定圧に等しい状況において、前輪タイヤの振動の共振周波数と後輪タイヤの振動の共振周波数との間に存在することが予想される差であり、車両の出荷前にその車両のROM32に予め記憶されている。
【0098】
すなわち、本実施形態においては、前輪と後輪とについて共に、タイヤ空気圧が各設定圧に等しい状況が、前記予め定められたタイヤ状態量関係の一例であり、共振周波数差Dfが、前記予め定められた反映値差の一例なのである。
【0099】
図4には、タイヤ空気圧Pに対する共振周波数fの特性がグラフで、前輪については「ff」、後輪については「fr」でそれぞれ概念的に表されている。
【0100】
図5には、前輪のタイヤ空気圧Pが設定圧P0fである場合の共振周波数f0fと、後輪のタイヤ空気圧Pが設定圧P0rである場合の共振周波数f0rと、共振周波数差Dfとの関係がグラフで概念的に表されている。
【0101】
S5の実行後、S6において、そのS5において読み出された共振周波数差Dfと、前記演算された前輪の共振周波数ffとに基づき、各後輪の共振周波数frが推定される。本実施形態においては、後輪が前記取得困難車輪の一例とされている。
【0102】
このS6においては、例えば、左右前輪についての2つの共振周波数ffを代表する1つの共振周波数として、左右前輪間の共振周波数ffの平均値が演算され、それが、左右の後輪について共通に用いられる。
【0103】
このS6においては、さらに、例えば、共振周波数差Df(正または負の値)と前輪の共振周波数ffとの和として後輪の共振周波数frが推定される。
【0104】
その後、S7において、そのようにして推定された後輪の共振周波数frが、各後輪についての共振周波数の初期値f0rに決定される。この初期値f0rは、各後輪についてのタイヤ空気圧の推定・判定条件の一つである。
【0105】
続いて、S8において、その決定された初期値f0rが各後輪に関連付けて前記不揮発性記憶部にストアされる。
【0106】
以上で、この初期化ルーチンの一回の実行が終了する。
【0107】
図6には、前記判定ルーチンの内容がフローチャートで概念的に表されている。この判定ルーチンも、コンピュータ22の電源が投入されている間、繰返し実行される。
【0108】
判定ルーチンの各回の実行時には、まず、S31において、前記初期化ルーチンによる最新の初期化が終了した後であるか否かが判定される。終了していない場合には、判定がNOとなり、直ちにこの判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0109】
その最新の初期化が終了した後である場合には、S31の判定がYESとなり、S32において、各車輪ごとに、対応する車輪速度センサ10からの車輪速度信号に基づき、共振周波数fが演算される。
【0110】
続いて、S33において、前記不揮発性記憶部から各車輪ごとに、初期値f0が読み出される。
【0111】
その後、S34において、各車輪ごとに、前記演算された共振周波数fの、対応する初期値f0からの変化量Δfが演算される。
【0112】
続いて、S35において、各車輪ごとに、その演算された変化量Δfの絶対値が、しきい値Δf0以上であるか否かが判定される。
【0113】
ある車輪につき、変化量Δfの絶対値がしきい値Δf0以上であると仮定すれば、S35の判定がYESとなり、S36において、その車輪につき、タイヤ空気圧が異常であると判定され、S37において、そのことを運転者に告知するために警報器40がONにされる。以上で、この判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0114】
これに対して、ある車輪につき、変化量Δfの絶対値がしきい値Δf0以上ではないと仮定すれば、S35の判定がNOとなり、S38において、その車輪につき、タイヤ空気圧が正常であると判定され、S39において、そのことを運転者に告知するために警報器40がOFFにされる。以上で、この判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0115】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、タイヤ異常判定装置が本発明に係る「タイヤ状態量推定装置」の一例を構成し、判定器20が前記(1)項における「推定器」の一例を構成しているのである。さらに、判定器20のうち図3のS1およびS5ないしS7を実行する部分が同項または前記(2)項における「反映値推定手段」の一例を構成しているのである。
【0116】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図3のS1およびS5ないしS7を実行する部分が前記(3)項における「関係成立時推定手段」の一例を構成しているのである。
【0117】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図3のS7を実行する部分が前記(6)項における「初期値決定手段」の一例を構成しているのである。
【0118】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図6の判定ルーチンを実行する部分が前記(7)項における「タイヤ状態量推定手段」の一例を構成しているのである。
【0119】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態とハードウエア構成については共通し、ソフトウエア構成については判定ルーチンを除いて共通するため、共通する要素については同一の名称および符号を使用して引用することによって詳細な説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0120】
第1実施形態における判定ルーチンは、初期化の実行終了後に、車速が高速域にあるなどの理由で、後輪について共振周波数を精度よく演算することが困難である状況に対して特別の対策が講じられてはいない。
【0121】
当該車両においては、後輪につき、それのタイヤ空気圧が設定圧に等しく、かつ、車速が高速域にある場合には、後輪の共振現象が顕著ではないため、共振周波数を精度よく取得することが困難である。
【0122】
この事実に基づき、本実施形態における判定ルーチンは、後輪について共振周波数を精度よく演算することが困難である場合には、それのタイヤ空気圧が正常であると判定するように設計されている。
【0123】
図7には、本実施形態における判定ルーチンの内容がフローチャートで概念的に表されている。以下、この判定ルーチンを説明するが、第1実施形態における判定ルーチンと共通するステップについては簡単に説明する。
【0124】
本実施形態における判定ルーチンの各回の実行時には、まず、S51において、前記S31と同様にして、最新の初期化が終了した後であるか否かが判定される。今回は、終了した後であると仮定すれば、判定がYESとなり、S52に移行する。
【0125】
このS52においては、各車輪の共振周波数fを、対応する車輪速度センサ10からの車輪速度信号に基づいて精度よく演算することが可能であるか否かが判定される。この判定は、各車輪が取得困難車輪であるか取得容易車輪であるかの判定を意味する。また、この判定は種々の態様で実行することが可能である。
【0126】
このS52の一態様によれば、各車輪ごとに、対応する車輪速度信号に基づいて共振周波数fが逐次演算される。さらに、その演算された共振周波数fが、例えば、図8にグラフで示すように、時間tと共に大きく変動するために、その共振周波数fの時間的変化量(例えば、共振周波数fの前回値と今回値との差)が設定値以上であることが少なくとも1回継続した場合には、今回の車輪が取得困難車輪であると判定される。
【0127】
各車輪が取得困難車輪ではない場合には、S52の判定がYESとなり、以下、S53ないしS60が図6におけるS32ないしS39と同様にして実行される。
【0128】
これに対し、各車輪が取得困難車輪である場合には、S52の判定がNOとなり、S61において、その車輪が後輪であるか否かが判定される。後輪である場合には、判定がYESとなり、S59において、後輪についてタイヤ空気圧が正常であると判定され、S60において、そのことを運転者に告知するために警報器40がOFFにされる。以上で、この判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0129】
これに対し、その車輪が後輪ではない場合には、S61の判定がNOとなり、直ちにこの判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0130】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、判定器20がまた、前記(8)項における「推定器」の一例も構成し、判定器20のうち図7のS52およびS59ないしSS61を実行する部分が同項における「第1判定手段」の一例を構成しているのである。
【0131】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図7のS52を実行する部分が前記(12)項における「取得精度判定手段」の一例を構成しているのである。
【0132】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1または第2実施形態とハードウエア構成については共通し、ソフトウエア構成については初期化ルーチンを除いて共通するため、共通する要素については同一の名称および符号を使用して引用することによって詳細な説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0133】
第1および第2実施形態の初期化ルーチンにおいては、後輪につき、車輪速度に基づいて精度よく共振周波数frを取得・検出・演算することが困難であるか否かを判定することなく、前輪について検出された共振周波数ffを用いて後輪について共振周波数の初期値f0rが推定される。
【0134】
これに対して、本実施形態の初期化ルーチンにおいては、後輪につき、車輪速度に基づいて精度よく共振周波数frを取得することが困難であるか否かが判定され、困難ではない場合には、車輪速度に基づいて後輪について共振周波数frが演算され、それが共振周波数の初期値f0rとされ、一方、困難である場合に限り、前輪について検出された共振周波数ffを用いて後輪について共振周波数の初期値f0rが推定される。
【0135】
図9には、本実施形態における初期化ルーチンの内容がフローチャートで概念的に表されている。以下、この初期化ルーチンを説明するが、第1または第2実施形態における初期化ルーチンと共通するステップについて簡単に説明する。
【0136】
本実施形態における初期化ルーチンの各回の実行時には、まず、S71ないしS73が、図3におけるS1ないしS3と同様にして実行され、これにより、前輪について共振周波数の初期値f0rが決定される。
【0137】
続いて、S74において、後輪について共振周波数frを精度よく演算することが可能であるか否か、すなわち、後輪が取得容易車輪であるか否かが判定される。後輪であり、かつ、それのタイヤ空気圧が設定圧と等しい場合であるといえども、車両が低速域にある場合には、後輪について共振周波数frを精度よく検出することが容易である。このS74は、図7におけるS52と同様な態様で実行される。
【0138】
今回は、後輪が取得容易車輪であると仮定すれば、S74の判定がYESとなり、S75において、後輪につき、対応する車輪速度に基づいて共振周波数frが演算される。これに対し、今回は、後輪が取得困難車輪であると仮定すれば、S74の判定がNOとなり、S78およびS79が図3におけるS5およびS6と同様にして実行される。
【0139】
いずれの場合にも、その後、S76およびS77が図3におけるS7およびS8と同様にして実行される。以上で、この初期化ルーチンの一回の実行が終了する。
【0140】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、判定器20が前記(1)項における「推定器」の一例を構成しているのである。さらに、判定器20のうち図9のS71およびS74ないしS79を実行する部分が同項または前記(2)項における「反映値推定手段」の一例を構成しているのである。
【0141】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図9のS71およびS74ないしS79を実行する部分が前記(3)項における「関係成立時推定手段」の一例を構成しているのである。
【0142】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図9のS76を実行する部分が前記(6)項における「初期値決定手段」の一例を構成しているのである。
【0143】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態とハードウエア構成については共通し、ソフトウエア構成についてはタイヤ異常判定プログラムを除いて共通するため、共通する要素については同一の名称および符号を使用して引用することによって詳細な説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0144】
第1実施形態におけるタイヤ異常判定プログラムにおいては、タイヤ空気圧を判定するためにその判定条件を初期化することが必要であるが、本実施形態においては、後輪については、そのような初期化なしでタイヤ空気圧が判定される。
【0145】
具体的には、本実施形態においては、後輪が、対応する車輪速度に基づいて精度よく共振周波数を演算することが困難である取得困難車輪である場合には、後輪のタイヤ空気圧が設定圧に等しいことが原因である可能性があるという事実に着目し、後輪が取得困難車輪である場合には、ただちに後輪のタイヤ空気圧が設定圧に等しく、正常であると判定される。
【0146】
ただし、前輪については、第1実施形態におけると同様にして、タイヤ空気圧を判定するためにその判定条件を初期化することが必要である。
【0147】
そのため、本実施形態においては、タイヤ異常判定プログラムが、初期化を行って前輪のタイヤ空気圧を判定する前輪判定ルーチン(図示しない)と、初期化を行わずに後輪のタイヤ空気圧を判定する後輪判定ルーチンとを含むように構成されている。
【0148】
図10には、本実施形態における後輪判定ルーチンの内容がフローチャートで概念的に表されている。以下、この後輪判定ルーチンを説明するが、第1実施形態における判定ルーチンと共通するステップについては簡単に説明する。
【0149】
本実施形態における後輪判定ルーチンの各回の実行時には、まず、S101において、後輪について共振周波数frを精度よく演算することが可能であるか否か、すなわち、後輪が取得容易車輪であるか否かが判定される。このS101は、図7におけるS52と同様な態様で実行される。
【0150】
今回は、後輪が取得容易車輪であると仮定すれば、S101の判定がYESとなり、S102において、後輪のタイヤ空気圧が異常であると判定され、S103において、そのことを運転者に告知するために警報器40がONにされる。以上で、この後輪判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0151】
これに対し、今回は、後輪が取得容易車輪ではないと仮定すれば、S101の判定がNOとなり、S104において、後輪のタイヤ空気圧が正常であると判定され、S105において、そのことを運転者に告知するために警報器40がOFFにされる。以上で、この後輪判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0152】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、判定器20が前記(8)項における「推定器」の一例を構成し、判定器20のうち図10の後輪判定ルーチンを実行する部分が同項における「第1判定手段」の一例を構成しているのである。
【0153】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図10のS101を実行する部分が前記(12)項における「取得精度判定手段」の一例を構成しているのである。
【0154】
次に、本発明の第5実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第4実施形態とハードウエア構成については共通し、ソフトウエア構成については後輪判定ルーチンを除いて共通するため、共通する要素については同一の名称および符号を使用して引用することによって詳細な説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0155】
第1実施形態における後輪判定ルーチンにおいては、後輪が、対応する車輪速度に基づいて精度よく共振周波数を演算することが容易である取得容易車輪である場合には、そのときに車速が低速域にあるか否かを問わず、タイヤ空気圧が異常であると判定される。
【0156】
一方、車速が低速域にある場合には、タイヤ空気圧が設定圧に等しくても、後輪が取得容易車輪である可能性がある。そのため、車速が低速域にあるか否かを問わず、後輪が取得容易車輪であることのみを条件に、タイヤ空気圧が異常であると判定すると、真に正常であるタイヤ空気圧が誤って異常であると判定されてしまう可能性がある。
【0157】
そこで、本実施形態においては、後輪が取得容易車輪であり、かつ、車両が高速域にある場合に、後輪のタイヤ空気圧が異常であると判定される。
【0158】
図11には、本実施形態における後輪判定ルーチンの内容がフローチャートで概念的に表されている。以下、この後輪判定ルーチンを説明するが、第4実施形態における後輪判定ルーチンと共通するステップについては簡単に説明する。
【0159】
本実施形態における後輪判定ルーチンの各回の実行時には、まず、S131において、後輪について共振周波数frを精度よく演算することが可能であるか否か、すなわち、後輪が取得容易車輪であるか否かが判定される。このS131は、図10におけるS101と同様な態様で実行される。
【0160】
今回は、後輪が取得容易車輪であると仮定すれば、S131の判定がYESとなり、S132において、車速が高速域にあるか否か、すなわち、前記車速推定プログラムの実行により演算された推定車速が基準値(例えば、75km/h、90km/h)以上であるか否かが判定される。今回は、高速域にあると仮定すれば、判定がYESとなり、S133において、後輪のタイヤ空気圧が異常であると判定され、S134において、そのことを運転者に告知するために警報器40がONにされる。以上で、この後輪判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0161】
これに対し、今回は、車速が高速域にはないと仮定すれば、S132の判定がNOとなり、ただちにこの後輪判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0162】
また、後輪が取得容易車輪ではないと仮定すれば、S131の判定がNOとなり、S135において、後輪のタイヤ空気圧が正常であると判定され、S136において、そのことを運転者に告知するために警報器40がOFFにされる。以上で、この後輪判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0163】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、判定器20のうち図11の後輪判定ルーチンを実行する部分が前記(8)項における「第1判定手段」の一例を構成しているのである。
【0164】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図11のS131ないしS134を実行する部分が前記(9)項における「第2判定手段」の一例を構成しているのである。
【0165】
さらに、本実施形態においては、判定器20のうち図11のS131を実行する部分が前記(12)項における「取得精度判定手段」の一例を構成しているのである。
【0166】
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[課題を解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に従うタイヤ異常判定装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるコンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】図2におけるタイヤ異常判定プログラムのうちの初期化ルーチンの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図4】図3における前輪の共振周波数ffと後輪の共振周波数frとの関係を説明するためのグラフである。
【図5】図3における共振周波数差Dfを説明するためのグラフである。
【図6】図2におけるタイヤ異常判定プログラムのうちの判定ルーチンの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に従うタイヤ異常判定装置におけるタイヤ異常判定プログラムのうちの判定ルーチンの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図8】図7におけるS52の実行内容を概念的に説明するためのグラフである。
【図9】本発明の第3実施形態に従うタイヤ異常判定装置におけるタイヤ異常判定プログラムのうちの初期化ルーチンの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図10】本発明の第4実施形態に従うタイヤ異常判定装置におけるタイヤ異常判定プログラムのうちの後輪判定ルーチンの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図11】本発明の第5実施形態に従うタイヤ異常判定装置におけるタイヤ異常判定プログラムのうちの後輪判定ルーチンの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図12】車両が60km/hで走行する状態に相当する状態における左前輪の振動周波数特性を各タイヤ空気圧ごとに示すグラフである。
【図13】車両が90km/hで走行する状態に相当する状態における左前輪の振動周波数特性を各タイヤ空気圧ごとに示すグラフである。
【図14】車両が60km/hで走行する状態に相当する状態における左後輪の振動周波数特性を各タイヤ空気圧ごとに示すグラフである。
【図15】車両が90km/hで走行する状態に相当する状態における左後輪の振動周波数特性を各タイヤ空気圧ごとに示すグラフである。
【符号の説明】
10 車輪速度センサ
20 判定器
22 コンピュータ
32 ROM
40 警報器
50 初期化スイッチ
Claims (7)
- ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて成る車輪を複数備えた車両に設けられ、各車輪の前記タイヤの状態量を推定する装置であって、
前記複数の車輪に関連してそれぞれ設けられ、各車輪の車輪速度を検出する複数の車輪速度センサと、
各車輪速度センサにより検出された車輪速度に基づき、対応する車輪のタイヤ状態量を反映した反映値を取得し、その取得された反映値に基づいて前記タイヤ状態量を推定する推定器と
を含み、かつ、その推定器が、
前記複数の車輪のうち、対応する車輪速度に基づいて前記反映値を精度よく取得することが困難である取得困難車輪について反映値を取得するために、その取得時期と対応する時期に、対応する車輪速度に基づいて前記反映値を精度よく取得することが容易である取得容易車輪について取得された反映値に基づき、前記取得困難車輪について反映値を推定する反映値推定手段を含むタイヤ状態量推定装置。 - 前記反映値推定手段が、前記取得困難車輪についての反映値を、その取得時期と対応する時期に前記取得容易車輪について取得された反映値と、前記複数の車輪間に存在する反映値差であって予め定められたものとに基づいて推定するものである請求項1に記載のタイヤ状態量推定装置。
- 前記反映値推定手段が、前記タイヤ状態量に関して前記複数の車輪間に予め定められた関係であるタイヤ状態量関係が成立することが予測される関係成立時に、前記取得容易車輪について取得された反映値と、前記タイヤ状態量関係が成立するときに前記複数の車輪間に存在する前記反映値差とに基づき、前記取得困難車輪について前記反映値を推定する関係成立時推定手段を含む請求項2に記載のタイヤ状態量推定装置。
- 前記複数の車輪が、各車輪に作用する負荷が大きい高負荷車輪と小さい低負荷車輪とを含み、
前記取得容易車輪が、高負荷車輪であり、
前記取得困難車輪が、低負荷車輪である請求項1ないし3のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。 - 前記推定器が、前記タイヤ状態量を推定するためにその推定器が用いる推定条件を初期化するために、各車輪のタイヤ空気圧がいずれも各設定圧に等しいことが予想される前記関係成立時に、前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を取得し、その取得された反映値に基づいて各車輪について反映値の初期値を決定する初期化を行うものであり、
前記関係成立時推定手段が、前記取得困難車輪について前記反映値の初期値を決定するために実行される請求項1ないし4のいずれかに記載のタイヤ状態量推定装置。 - ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧力下に封入されて成る車輪を備えた車両に設けられ、その車輪の前記タイヤの状態量を推定する装置であって、
前記車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサと、
その車輪速度センサにより検出された車輪速度に基づき、前記車輪のタイヤ状態量を反映した反映値を取得し、その取得された反映値に基づいて前記タイヤ状態量を推定する推定器と
を含み、かつ、その推定器が、
前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を、精度よく取得することが困難である場合には、前記車輪のタイヤ状態量が正常である可能性が高いと判定し、精度よく取得することが容易である場合には、前記車輪のタイヤ状態量が異常である可能性が高いと判定する第1判定手段を含むタイヤ状態量推定装置。 - 前記推定器が、さらに、
前記検出された車輪速度に基づいて前記反映値を精度よく取得することが容易である場合に、前記車両の走行速度である車速が基準値以上であることを条件に、前記車輪のタイヤ状態量が異常である可能性があると判定する第2判定手段を含む請求項6に記載のタイヤ状態量推定装置。
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