JP3871960B2 - 燃料電池システム及び燃料電池車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池及びこの燃料電池からの電力が充電される電力貯蔵手段を電源として備えた燃料電池システム、及び、この燃料電池システムを搭載した燃料電池車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素と酸素との電気化学反応により発電する燃料電池を電源とし、モータの駆動によって走行する燃料電池車両は、低公害化を実現する車両として大きな注目を集めており、現在、実用化に向けての研究開発が盛んに進められている。
【0003】
燃料電池車両に搭載される燃料電池システムは、燃料電池による発電応答速度の遅延分を補うために、二次バッテリ等の電力貯蔵手段に燃料電池からの電力や回生電力を充電しておき、車両の始動時や加速時等の負荷急増時には、この電力貯蔵手段に充電された電力を車両駆動用モータに供給するようなアシスト制御を行っているものが一般的である。
【0004】
このような燃料電池システムでは、通常、電力貯蔵手段の充電状態(SOC:Status Of Charge)が所定の目標充電レベル内に維持されるように、燃料電池の発電量を制御するようにしている。すなわち、電力貯蔵手段のSOCを検出して、検出された値が所定の目標充電レベル以下となった場合には、燃料電池の発電量を、要求される負荷に電力貯蔵手段の目標充電レベルまでの不足分を加えた電力に設定し、負荷消費分を除く余剰電力を電力貯蔵手段に充電するようにしている。
【0005】
また、電力貯蔵手段の容量が小さい場合であって、電力貯蔵手段のSOCを一定の目標充電レベルに維持しても車両加速時に十分なアシスト制御が行えないような場合には、特開2000−92610号公報にて開示されるように、車両の走行状態に応じて電力貯蔵手段の目標充電レベルを可変とし、低速走行時には目標充電レベルを高い値に設定して、加速による負荷急増に備えることも検討されている。ここで、低速走行時に設定される電力貯蔵手段の目標充電レベルは、予測される車両駆動用モータの負荷増加量に対する燃料電池の発電応答速度の遅延分を補える値(以下、この値を余裕負荷電力と呼ぶ。)である。
【0006】
以上のような燃料電池システムを搭載した燃料電池車両では、加速時等の負荷急増時には、電力貯蔵手段に充電された電力を用いて車両駆動用モータの要求負荷に迅速に対応できるので、運転者に違和感を与えない良好な運転性能が得られることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような燃料電池システムにおいて、二次バッテリ等の電力貯蔵手段から出力できる電力量(出力可能電力)は、当該電力貯蔵手段の充電状態(SOC)のみならず、その温度環境にも依存している。そして、電力貯蔵手段が高温になると、電力貯蔵手段の出力可能電力は低下することになる。
【0008】
このように電力貯蔵手段が高温となって出力可能電力が低下した場合、従来の燃料電池システムでは、余裕負荷電力を確保するために電力貯蔵手段への充電が行われるようになっており、その結果、電力貯蔵手段の温度が更に上昇して、電力貯蔵手段のSOCが高められているにも拘わらず所望の出力可能電力が得られないといった不都合が生じる場合があった。
【0009】
このような不都合を回避する方法としては、冷却機構を用いて電力貯蔵手段を冷却することも考えられるが、電力貯蔵手段の温度上昇を確実に抑制できる大型の冷却機構を設けることは、コストの上昇につながり望ましくない。また、このような大型の冷却機構で電力貯蔵手段を冷却するようにすると、燃料電池システム全体の大型化や重量増加を招くことになり、特に、この燃料電池システムを車両に搭載することを考えると、極めて不利である。
【0010】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、冷却機構等を用いることなく電力貯蔵手段の温度上昇を有効に抑制して、この電力貯蔵手段から負荷への電力供給を適切に行えるようにした燃料電池システム、及び、この燃料電池システムを搭載した燃料電池車両を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池及び電力貯蔵手段から負荷に電力供給するものであり、温度検出手段、充電状態検出手段、出力可能電力算出手段及び発電制御手段を備えている。
【0012】
この燃料電池システムにおいて、温度検出手段は電力貯蔵手段の温度を検出する。そして、充電状態検出手段は電力貯蔵手段の充電状態を検出し、出力可能電力算出手段が電力貯蔵手段の出力可能電力を算出する。また、発電制御手段は、予測される最大の負荷増加量に対して、前記燃料電池の発電応答速度の遅延分を補償し得る電力値を余裕負荷電力として設定し、出力可能電力算出手段により算出された電力貯蔵手段の出力可能電力が、設定した余裕負荷電力に満たない場合には、余裕負荷電力と電力貯蔵手段の出力可能電力との差分以上の電力が燃料電池から電力貯蔵手段に充電されるように、燃料電池の発電量を制御する。
【0013】
そして、この燃料電池システムでは、温度検出手段により検出された電力貯蔵手段の温度が所定値以上の場合には、発電制御手段が、前記余裕負荷電力を電力貯蔵手段の出力可能電力以下に変更することで、燃料電池から電力貯蔵手段への充電を制限するようになっている。
【0014】
また、本発明に係る燃料電池車両は、以上のような燃料電池システムを用いて、燃料電池及び電力貯蔵手段から車両用駆動モータに電力供給するものであり、発電制御手段が、予測される車両駆動用モータの負荷増加量に対する燃料電池の発電応答速度の遅延分を補う電力を余裕負荷電力として設定するようになっている。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムでは、電力貯蔵手段の出力可能電力が、予測される最大の負荷増加量に対して、燃料電池の発電応答速度の遅延分を補償し得る電力値である余裕負荷電力に満たない場合には、余裕負荷電力と電力貯蔵手段の出力可能電力との差分以上の電力が燃料電池から電力貯蔵手段に充電されるように、燃料電池の発電量が制御されると共に、電力貯蔵手段の温度が所定値以上の場合には、余裕負荷電力が電力貯蔵手段の出力可能電力以下に変更されることで燃料電池から電力貯蔵手段への充電が制限されるようになっているので、電力貯蔵手段の温度上昇を有効に抑制しながら、この電力貯蔵手段が低温の状態のときに十分な電力を充電することができる。したがって、この燃料電池システムでは、電力貯蔵手段から負荷への電力供給を適切に行って、負荷の急増に適切に対応することができる。
【0016】
また、本発明に係る燃料電池車両は、以上のような燃料電池システムを用いているので、電力貯蔵手段の温度上昇を有効に抑制しながら、この電力貯蔵手段が低温の状態のときに十分な電力を充電することができ、急加速時等に電力貯蔵手段から車両駆動用モータへの電力供給を適切に行って、運転者に違和感を与えない良好な運転特性を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、ここでは燃料電池車両に搭載される燃料電池システムに本発明を適用した例について具体的に説明するが、本発明は、燃料電池車両に搭載される燃料電池システムに限らず、船舶等の他の移動体に搭載される燃料電池システムや、据え置き型の燃料電池システム等、負荷の急増分を電力貯蔵手段からの電力で補う構成のあらゆる燃料電池システムに対して有効に適用可能である。
【0018】
本発明を適用した燃料電池システムの一構成例を図1に示す。この図1に示す燃料電池システム1は燃料電池車両に搭載されるものであり、燃料電池車両の駆動輪を回転駆動する車両駆動用モータ(負荷)2の電源として、燃料電池3及び二次バッテリ(電力貯蔵手段)4を備えている。
【0019】
この燃料電池システム1において、燃料電池3の発電量は、コントローラ5によって制御されるようになっている。そして、燃料電池3で得られた電力が、コンバータ6によって燃料電池3から取り出されて車両駆動用モータ2に供給され、また、必要に応じて二次バッテリ4に供給されることになる。
【0020】
二次バッテリ4は、コンバータ6によって燃料電池3から取り出された電力が車両駆動用モータ2で消費される電力よりも大きい場合は、その余剰分の電力を充電し、逆に、コンバータ6によって燃料電池3から取り出された電力が車両駆動用モータ2で消費される電力よりも小さい場合は、その不足分の電力を放電する。
【0021】
この二次バッテリ4の温度は、温度センサ(温度検出手段)7によって検出されるようになっている。この温度センサ7はコントローラ5に接続されており、温度センサ7によって検出された二次バッテリ4の温度に関する情報は、コントローラ5に供給される。
【0022】
また、コントローラ5には、運転者によるアクセル操作量を検出するアクセルセンサ8や、燃料電池車両の走行速度を検出する車速センサ9が接続されており、これらアクセルセンサ8や車速センサ9からの情報もコントローラ5に供給されるようになっている。
【0023】
燃料電池3は、図2に示すように、発電単位である多数のセルが積層された燃料電池スタック11を備え、この燃料電池スタック11に、燃料となる水素ガスを供給する水素ガス供給系と、酸化剤となる空気を供給する空気供給系とが接続された構造となっている。
【0024】
水素ガス供給系には、高圧水素ガスが充填された燃料タンク12が設けられている。そして、この燃料タンク12からの水素ガスが、圧力調整弁13及びエゼクタ14を介して燃料電池スタック11の水素極側に供給されるようになっている。燃料電池スタック11に供給される水素ガスの流量及び圧力は、圧力センサ15によってモニタリングされ、その情報がコントローラ5に供給される。そして、コントローラ5が、圧力センサ15からの情報及び設定した目標発電量に基づいて圧力調整弁13の開度を制御することによって、燃料電池スタック11に供給される水素ガスの流量及び圧力が調整されるようになっている。
【0025】
また、燃料電池スタック11での発電に使用されずに燃料電池スタック11から排出された水素ガスは、エゼクタ14に還流されて燃料タンク12からの水素ガスと混合され、再度、燃料電池スタック11に供給されるようになっている。また、燃料電池スタック11の後段にはパージ弁16が設けられており、コントローラ5による制御のもとでこのパージ弁16が開放されることによって、燃料電池スタック11内に滞留した水分がパージされるようになっている。
【0026】
空気供給系には、燃料電池スタック11の前段に空気を圧縮するコンプレッサ17が設けられ、燃料電池スタック11の後段に空気圧調整弁18が設けられている。コンプレッサ17は、コントローラ5によって回転制御されるモータ19により駆動され、このコンプレッサ17により圧縮された空気が、燃料電池スタック11の空気極側に供給されるようになっている。燃料電池スタック11に供給される空気の流量及び圧力は、圧力センサ20によってモニタリングされ、その情報がコントローラ5に供給される。そして、コントローラ5が、圧力センサ20からの情報及び設定した目標発電量とに基づいてモータ19の回転数及び空気圧調整弁18の開度を制御することによって、燃料電池スタック11に供給される空気の流量及び圧力が調整されるようになっている。
【0027】
コントローラ5は、CPUやROM、RAM、CPU周辺回路等を備え、これらがバスを介して接続されたマイクロプロセッサ構成を有している。そして、このコントローラ5では、CPUがRAMをワークエリアとして利用してROMに格納された制御プログラムを実行することによって、図1に示したように、二次バッテリ4を管理するための充電状態検出手段21、出力可能電力算出手段22、充電可能電力算出手段23の各機能、及び、燃料電池3の発電量を制御するための発電量設定手段24、燃料・空気調整手段25、電力供給制御手段26の各機能が実現されるようになっている。
【0028】
充電状態検出手段21は、二次バッテリ4の電流及び電圧をモニタリングして、モニタリングした電流値及び電圧値を基に、二次バッテリ4の充電状態(SOC)を検出するものである。
【0029】
出力可能電力算出手段22は、充電状態検出手段21によって検出された二次バッテリ4の充電状態と、温度センサ7によって検出された二次バッテリ4の温度とに基づいて、二次バッテリ4から出力できる電力(出力可能電力)を算出するものである。また、充電可能電力算出手段23は、充電状態検出手段21によって検出された二次バッテリ4の充電状態と、温度センサ7によって検出された二次バッテリ4の温度とに基づいて、二次バッテリ4に対して充電できる電力(充電可能電力)を算出するものである。
【0030】
二次バッテリ4の出力可能電力や充電可能電力は、図3に示すように、二次バッテリ4の温度環境に対する依存性を有しており、充電状態に変化がない場合でも、二次バッテリ4の温度が高温になると、出力可能電力や充電可能電力は低下する傾向にある。そこで、出力可能電力算出部22及び充電可能電力算出部23は、二次バッテリ4の充電状態と二次バッテリ4の温度との双方を基にして、その温度環境下における二次バッテリ4の出力可能電力や充電可能電力を算出するようにしている。
【0031】
発電量設定手段24は、運転者による燃料電池車両の運転操作に応じて車両駆動用モータ2に要求される電力(要求負荷)と、補機で消費される電力(補機消費量)と、二次バッテリ4への充電が要求される電力(目標充電量)とをそれぞれ算出し、これら要求負荷と補機消費量と目標充電量とを加算した値を、燃料電池3に求める発電量(目標発電量)として設定するものである。
【0032】
要求負荷は、アクセルセンサ8からのアクセル操作量に関する情報と、車速センサ9からの燃料電池車両の走行速度に関する情報とから算出される。また、補機消費量は、コンプレッサ17を駆動するモータ19等の補機の使用状態を基に算出される。また、目標充電量は、余裕負荷電力から、出力可能電力算出手段22によって算出された二次バッテリ4の出力可能電力を減算することで算出される。
【0033】
ここで、余裕負荷電力とは、予測される車両駆動用モータ2の負荷増加量に対する燃料電池3の発電応答速度の遅延分を補償するための電力である。すなわち、図4(a)に示すように、車両駆動用モータ2に要求される要求負荷が増加して、これに合わせて燃料電池3の発電量を増加させたとき、燃料電池3の発電に時間的な遅れが生じることから、燃料電池3の発電量から補機で消費される電力を除いた燃料電池3の正味出力では、要求負荷を満足できない不足分(図中ハッチングで示した部分)が生じることになる。そこで、燃料電池システム1では、この不足分を補償する電力を余裕負荷電力として設定し、要求負荷急増時には、この余裕負荷電力に相当する電力を二次バッテリ4から車両駆動用モータ2に供給できるようにしている。なお、要求負荷に対する燃料電池3の正味出力の不足分は、図4(b)に示すように、負荷増加からの経過時間や負荷増加量に応じて変化することになるが、ここでは予測される最大の負荷増加量に対する燃料電池3の発電応答速度の遅延分を補償し得る値を余裕負荷電力として設定するようにしている。
【0034】
要求負荷急増時に不足分の電力を二次バッテリ4から車両駆動用モータ2に供給するには、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力以上となっている必要がある。そこで、コントローラ5の発電量設定手段24は、出力可能電力算出手段22によって算出された二次バッテリ4の出力可能電力と、設定した余裕負荷電力とを比較して、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力に満たない場合には、その差分に相当する電力を目標充電量とし、要求負荷と補機消費量とにこの目標充電量を加算した値を、燃料電池3に求める目標発電量として設定するようになっている。但し、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力に満たない場合で、その差分に相当する電力が充電可能電力算出手段23により算出された二次バッテリ4の充電可能電力を超える場合には、充電可能電力を超える電力を充電することはできないので、二次バッテリ4の充電可能電力が目標充電量に設定されることになる。
【0035】
ところで、二次バッテリ4の出力可能電力は、上述したように温度依存性を有しており、二次バッテリ4の温度が高温になると出力可能電力が低下することになる。このような場合に、上述した余裕負荷電力に相当する電力を確保させるために二次バッテリ4への充電を行うと、二次バッテリ4の温度が更に上昇して、二次バッテリ4の充電状態が高められているにも拘わらず所望の出力可能電力が得られないといった不都合が生じることになる。
【0036】
そこで、本発明を適用した燃料電池システム1では、コントローラ5の発電量設定手段24が、温度センサ7によって検出された二次バッテリ4の温度と所定の閾値とを比較し、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上になっている場合には、上述した余裕負荷電力を二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更するようにしている。このように、余裕負荷電力を二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更した場合には、目標充電量=0になるので、燃料電池3に求める目標発電量は、要求負荷に補機消費量を加算した値に設定されることになる。その結果、二次バッテリ4への充電が制限されることになり、二次バッテリ4の温度を効果的に低下させることが可能となる。なお、二次バッテリ4への充電を制限するかどうかの判断基準となる閾値は、二次バッテリ4の容量や特性、燃料電池システム1全体の構成等に応じて最適な値に設定すればよい。
【0037】
燃料・空気調整手段25は、発電量設定手段24によって設定された目標発電量が燃料電池3から得られるように、燃料電池3の圧力調整弁13の開度を制御して、燃料電池スタック11に供給される水素ガスの流量及び圧力を調整すると共に、空気圧調整弁18の開度及びモータ19の回転数を制御して、燃料電池スタック11に供給される空気の流量及び圧力を調整するものである。
【0038】
電力供給制御手段26は、燃料電池3から所定の電力を取り出すための電力指令をコンバータ6に供給して、燃料電池3からの電力の取得を制御すると共に、燃料電池3から取得された電力の車両駆動用モータ2及び二次バッテリ4への分配を制御するものである。すなわち、この電力供給制御手段26による制御のもとでコンバータ6が動作されることで、上述した目標発電量に相当する電力が燃料電池3から取り出され、要求負荷に相当する電力が車両駆動用モータ2に供給されると共に、目標充電量に相当する電力が二次バッテリ4に供給されるようになっている。
【0039】
ところで、この燃料電池システム1では、上述したように、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力に満たない場合で、その差分に相当する電力が充電可能電力算出手段23により算出された二次バッテリ4の充電可能電力を超える場合には、二次バッテリ4の充電可能電力が目標充電量に設定されるようになっている。このため、二次バッテリ4への充電が行われても、二次バッテリ4の出力可能電力を余裕負荷電力に相当する電力にまで高めることができず、燃料電池車両の急加速時等の負荷急増時に、二次バッテリ4から十分な電力を得ることができない場合がある。
【0040】
そこで、本発明を適用した燃料電池システム1では、余裕負荷電力と二次バッテリ4の出力可能電力との差分が二次バッテリ4の充電可能電力を超える場合であって、二次バッテリ4の充電可能電力を目標充電量として設定した場合には、余裕負荷電力と二次バッテリ4の出力可能電力との差分に対する二次バッテリ4の充電可能電力の不足分を目標FC余裕電力として設定し、負荷急増時には、上述した目標発電量にこの目標FC余裕電力を上乗せした電力が燃料電池3から瞬時に取り出せるように、燃料電池スタック11に供給する水素ガスと空気の流量及び圧力を調整するようにしている。
【0041】
具体的に説明すると、目標FC余裕電力が設定されていない場合(目標FC余裕電力=0の場合)には、燃料電池スタック11に供給する水素ガスと空気の流量及び圧力が、目標発電量を得るのに最低限必要な流量及び圧力となるように、コントローラ5の燃料・空気調整手段25が、圧力調整弁13の開度や空気圧調整弁18の開度、モータ19の回転数をそれぞれ制御する。そして、目標FC余裕電力が所定の値に設定された場合には、図5に示すように、燃料電池スタック11に供給する水素ガスと空気の流量及び圧力が、目標発電量に目標FC余裕電力を上乗せした電力を得るのに必要な流量及び圧力となるように、圧力調整弁13の開度や空気圧調整弁18の開度、モータ19の回転数をそれぞれ制御する。
【0042】
燃料電池スタック11に供給する水素ガスと空気の流量及び圧力が、目標発電量に目標FC余裕電力を上乗せした電力を得るのに必要な流量及び圧力に設定されている場合であっても、負荷急増時以外においては、電力供給制御手段26によってコンバータ6の動作が制御されて、燃料電池3からは目標発電量に相当する電力が取り出される。そして、燃料電池車両の急加速時等の負荷急増時で、二次バッテリ4から十分な電力を得ることができない場合には、電力供給制御手段26による制御のもとで、目標発電量に目標FC余裕電力を上乗せした電力が燃料電池3から瞬時に取り出されるようになっている。
【0043】
ここで、以上のような燃料電池システム1の動作について、コントローラ5により実行される処理の流れに着目して、図6及び図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0044】
まず、燃料電池システム1の動作が開始されると、図6のステップS1において、温度センサ7によって二次バッテリ4の温度が検出される。そして、二次バッテリ4の温度に関する情報がコントローラ5に供給される。
【0045】
次に、ステップS2において、コントローラ5の充電状態検出手段21が、二次バッテリ4の電流及び電圧を基に、二次バッテリ4の充電状態(SOC)を検出する。
【0046】
次に、ステップS3において、コントローラ5の出力可能電力算出手段22が、充電状態検出手段21によって検出された二次バッテリ4の充電状態と、温度センサ7によって検出された二次バッテリ4の温度とに基づいて、二次バッテリ4の出力可能電力を算出する。また、コントローラ5の充電可能電力算出手段23が、充電状態検出手段21によって検出された二次バッテリ4の充電状態と、温度センサ7によって検出された二次バッテリ4の温度とに基づいて、二次バッテリ4の充電可能電力を算出する。
【0047】
次に、ステップS4において、コントローラ5の発電量設定手段24が、予め設定された余裕負荷電力を読み出す。この余裕負荷電力は、上述したように、予測される最大の負荷増加量に対する燃料電池3の発電応答速度の遅延分を補償し得る値に設定されている。
【0048】
次に、ステップS5において、発電量設定手段24が、温度センサ7によって検出された二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となっているかどうかを判断する。そして、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となっていると判断した場合には、ステップS6において、余裕負荷電力を二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更する。一方、二次バッテリ4の温度が所定の閾値に満たないと判断した場合には、ステップS6の処理は行われず、余裕負荷電力が予め設定された値、すなわち、予測される最大の負荷増加量に対する燃料電池3の発電応答速度の遅延分を補償し得る値に維持される。
【0049】
次に、ステップS7において、アクセルセンサ8によって燃料電池車両の運転者によるアクセル操作量が検出されると共に、車速センサ9によって燃料電池車両の走行速度が検出され、これらの情報がコントローラ5に供給される。
【0050】
次に、ステップS8において、コントローラ5の発電量設定手段24が、アクセルセンサ8からのアクセル操作量に関する情報と、車速センサ9からの燃料電池車両の走行速度に関する情報とに基づいて、車両駆動用モータ2に要求される電力(要求負荷)を算出する。
【0051】
次に、ステップS9において、発電量設定手段24が、コンプレッサ17を駆動するモータ19等の補機の使用状態に基づいて、補機で消費される電力(補機消費量)を算出する。
【0052】
次に、図7のステップS10において、発電量設定手段24が、出力可能電力算出手段22によって算出された二次バッテリ4の出力可能電力と、ステップS4で読み出した余裕負荷電力とを比較して、余裕負荷電力が二次バッテリ4の出力可能電力以下であるかどうかを判断する。そして、余裕負荷電力が二次バッテリ4の出力可能電力以下であると判断した場合、すなわち、二次バッテリ4から余裕負荷電力を超える電力が得られると判断した場合には、ステップS11において、二次バッテリ4への充電が要求される電力(目標充電量)をゼロに設定する。
【0053】
目標充電量をゼロに設定すると、次に、ステップS12において、発電量設定手段24が、ステップS8で算出した要求負荷にステップS9で算出した補機消費量を加算して、得られた値を燃料電池3に求める発電量(目標発電量)として設定する。また、この場合には、余裕負荷電力を超える電力が二次バッテリ4から得られるので、発電量設定手段24は、ステップS13において、二次バッテリ4からの電力を補うための目標FC余裕電力をゼロに設定する。
【0054】
一方、ステップS10において、余裕負荷電力が二次バッテリ4の出力可能電力を超えると判断した場合、すなわち、二次バッテリ4から余裕負荷電力に相当する電力が得られないと判断した場合には、発電量設定手段24は、次に、ステップS14において、余裕負荷電力と二次バッテリ4の出力可能電力との差分を二次バッテリ4への充電不足分として算出する。
【0055】
二次バッテリ4への充電不足分を算出すると、発電量設定手段24は、次にステップS15において、この二次バッテリ4への充電不足分と、充電可能電力算出手段23によって算出された二次バッテリ4の充電可能電力とを比較して、二次バッテリ4への充電不足分が二次バッテリ4の充電可能電力以下であるかどうかを判断する。そして、二次バッテリ4への充電不足分が二次バッテリ4の充電可能電力以下であると判断した場合には、ステップS16において、二次バッテリ4への充電不足分を目標充電量として設定する。
【0056】
二次バッテリ4への充電不足分を目標充電量に設定すると、次に、ステップS17において、発電量設定手段24が、この目標充電量にステップS8で算出した要求負荷とステップS9で算出した補機消費量とを加算して、得られた値を目標発電量として設定する。また、この場合には、余裕負荷電力を超える電力が二次バッテリ4に充電されることになるので、発電量設定手段24は、ステップS18において、目標FC余裕電力をゼロに設定する。
【0057】
一方、ステップS15において、二次バッテリ4への充電不足分が二次バッテリ4の充電可能電力を超えると判断した場合には、発電量設定手段24は、次に、ステップS19において、充電可能電力算出手段23によって算出された二次バッテリ4の充電可能電力を目標充電量として設定する。
【0058】
二次バッテリ4の充電可能電力を目標充電量として設定すると、次に、ステップS20において、発電量設定手段24が、この目標充電量にステップS8で算出した要求負荷とステップS9で算出した補機消費量とを加算して、得られた値を目標発電量として設定する。この場合には、余裕負荷電力に相当する電力が二次バッテリ4に充電されず、負荷急増時に二次バッテリ4からは十分な電力が得られないので、発電量設定手段24は、ステップS21において、二次バッテリ4への充電不足分と二次バッテリ4の充電可能電力との差分を目標FC余裕電力として設定する。
【0059】
以上のようにして目標発電量及び目標FC余裕電力がそれぞれ設定されると、次に、ステップS22において、コントローラ5の燃料・空気調整手段25が、設定された目標発電量に目標FC余裕電力を上乗せした電力を燃料電池3から得るために必要な水素ガスと空気の流量及び圧力を算出し、この算出した流量及び圧力が得られるように、燃料電池3の圧力調整弁13の開度や空気圧調整弁18の開度、モータ19の回転数をそれぞれ制御する。
【0060】
これにより、目標発電量に相当する電力がコンバータ6によって燃料電池3から取り出され、コントローラ5の電力供給制御手段26による制御のもとで、燃料電池3から取り出された電力のうちで、要求負荷に相当する電力が車両駆動用モータ2に供給され、また、目標充電量に相当する電力が二次バッテリ4に供給されて二次バッテリ4に充電されることになる。
【0061】
以上のような燃料電池システム1において、二次バッテリ4の充電状態と二次バッテリ4の温度とによって区別される各条件毎に、余裕負荷電力を如何に確保するかを図8に概略的に示す。
【0062】
この図8に示すように、燃料電池システム1では、二次バッテリ4の温度が所定の閾値未満であって、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力以上となっている場合には、二次バッテリ4からの電力で余裕負荷電力が確保されるので、燃料電池3の目標発電量は、要求負荷に補機消費量を加算した値に設定される。
【0063】
また、二次バッテリ4の温度が所定の閾値未満であって、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力に不足しており、その不足分が二次バッテリ4の充電可能電力以下の場合には、余裕負荷電力に対する二次バッテリ4の出力可能電力の不足分を二次バッテリ4に充電することができるので、その不足分が目標充電量として設定され、燃料電池3の目標発電量が、要求負荷に補機消費量及び目標充電量を加算した値に設定される。
【0064】
また、二次バッテリ4の温度が所定の閾値未満であって、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力に不足しており、その不足分が二次バッテリ4の充電可能電力を超える場合には、余裕負荷電力に対する二次バッテリ4の出力可能電力の不足分全てを二次バッテリ4に充電することができないので、目標充電量は二次バッテリ4の充電可能電力に設定され、燃料電池3の目標発電量が、要求負荷に補機消費量及び目標充電量(二次バッテリ4の充電可能電力)を加算した値に設定される。そして、余裕負荷電力に対する二次バッテリ4の出力可能電力の不足分と目標発電量(二次バッテリ4の充電可能電力)との差分が、目標FC余裕電力に設定される。
【0065】
また、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上の場合には、余裕負荷電力が二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更される。これにより、変更された余裕負荷電力は二次バッテリ4からの電力で確保されることになるので、燃料電池3の目標発電量は、要求負荷に補機消費量を加算した値に設定され、二次バッテリ4への充電が制限される。
【0066】
以上説明したように、本発明を適用した燃料電池システム1では、二次バッテリ4の温度が所定の閾値未満の場合で二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力に不足している場合には、その不足分の電力を二次バッテリ4に充電し、或いは目標FC余裕電力を設定することで、余裕負荷電力を確保するようにしている。そして、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となった場合には、余裕負荷電力を二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更することで、二次バッテリ4への充電を制限するようにしている。
【0067】
したがって、この燃料電池システム1では、余裕負荷電力を効率的に確保しながら、二次バッテリ4の温度が上昇した場合にはその温度を効果的に低下させて、二次バッテリ4が高温となることに起因して生じる出力可能電力の低下を有効に抑制することができる。
【0068】
ここで、本発明を適用した燃料電池システム1における二次バッテリ4の温度と二次バッテリ4の充電状態及び燃料電池3の発電量との関係を、従来の燃料電池システムと対比させながら、図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は従来の燃料電池システムの動作状態を示したものであり、図10は本発明を適用した燃料電池システム1の動作状態を示したものである。
【0069】
図9に示すように、従来の燃料電池システムでは、二次バッテリの出力可能電力が低下して余裕負荷電力が確保できなくなると、燃料電池の発電量を多くして、出力可能電力の不足分を二次バッテリに充電するようにしている。このため、二次バッテリの温度が更に上昇して、二次バッテリの出力可能電力及び充電可能電力が更に低下することになる。そして、二次バッテリの充電可能電力が、余裕負荷電力に対する出力可能電力の不足分を下回ると、二次バッテリへの充電電力量が減り始める。二次バッテリへの充電電力量が減少した結果、二次バッテリの温度が低下すると、二次バッテリの充電可能電力が上昇して、二次バッテリへの充電電力量が増加することになる。
【0070】
従来の燃料電池システムでは、以上のような二次バッテリへの充電電力量の増減が繰り返されることで、二次バッテリの温度が高いままで収束し、余裕負荷電力を効率的に確保することが困難であった。
【0071】
これに対して本発明を適用した燃料電池システム1では、図10に示すように、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となった場合に、余裕負荷電力を二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更し、二次バッテリ4への充電を制限するようにしているので、二次バッテリ4の温度を効果的に低下させることができる。したがって、二次バッテリ4が高温となることに起因して生じる出力可能電力の低下を有効に抑制し、余裕負荷電力を効率的に確保することが可能となる。
【0072】
なお、以上は、本発明を適用した燃料電池システムの一例について具体的に説明したが、本発明は、以上の例に限定されるものではなく、要求される性能や種々の設計条件等に応じて様々な変更が可能である。
【0073】
具体的には、上述した燃料電池システム1においては、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となった場合に、余裕負荷電力を二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更することで二次バッテリ4への充電を制限するようにしているが、二次バッテリ4への充電を制限する方法は、以上の例に限らず、例えば、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となった場合に、二次バッテリ4の充電可能電力をゼロとして認識することで二次バッテリ4への充電を制限するようにしてもよい。
【0074】
この例では、図11に示すように、二次バッテリ4の出力可能電力が余裕負荷電力に不足している場合であっても、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上の場合には、二次バッテリ4の充電可能電力はゼロとみなされて目標充電量がゼロとなり、燃料電池3の目標発電量は、要求負荷に補機消費量を加算した値に設定される。そして、余裕負荷電力に対する二次バッテリ4の出力可能電力の不足分が、目標FC余裕電力に設定されることになる。
【0075】
この例においても、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となった場合に二次バッテリ4への充電が制限されるので、二次バッテリ4の温度を効果的に低下させて、二次バッテリ4が高温となることに起因して生じる出力可能電力の低下を有効に抑制し、余裕負荷電力を効率的に確保することが可能となる。
【0076】
また、上述した燃料電池システム1においては、二次バッテリ4の温度が所定の閾値以上となった場合に、余裕負荷電力を二次バッテリ4の出力可能電力以下に変更するようにしているが、図12に示すように、二次バッテリ4の温度が所定の閾値にまで昇温される過程において、その温度上昇に従って、余裕負荷電力が二次バッテリ4の出力可能電力に漸次近付くように、余裕負荷電力を低下させるようにしてもよい。
【0077】
この例では、二次バッテリ4の温度上昇に従って余裕負荷電力を徐々に出力可能電力に近づけることによって、二次バッテリ4への充電を制限するようにしているので、二次バッテリ4の温度上昇を緩和させて出力可能電力の低下を有効に抑制できると共に、上述した燃料電池システム1に比べて燃料電池3の発電量の変化も緩やかになるので、燃料電池3の制御もより簡便に行え、発電量を急激に変化させた場合に懸念されるコンプレッサ17からの異音の発生等も未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムを示すシステム構成図である。
【図2】前記燃料電池システムが備える燃料電池を示す構成図である。
【図3】前記燃料電池システムが備える二次バッテリの充電状態及び温度と出力可能電力及び充電可能電力との関係を示す図である。
【図4】余裕負荷電力を説明する図であり、(a)は要求負荷と燃料電池の正味出力との関係を示し、(b)はその差分から求められる余裕負荷電力の値を示している。
【図5】前記燃料電池システムが備える燃料電池の水素ガスや空気の流量及び圧力の制御目標を説明する図である。
【図6】前記燃料電池システムにおける一連の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】前記燃料電池システムにおける一連の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】前記燃料電池システムにおいて、二次バッテリの充電状態と温度とによって区別される各条件毎に、余裕負荷電力を如何に確保するかを概略的に示す図である。
【図9】従来の燃料電池システムの動作状態を示す図である。
【図10】本発明を適用した燃料電池システムの動作状態を示す図である。
【図11】 本発明を適用した他の燃料電池システムにおいて、二次バッテリの充電状態と温度とによって区別される各条件毎に、余裕負荷電力を如何に確保するかを概略的に示す図である。
【図12】本発明を適用した更に他の燃料電池システムの動作状態を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池システム
2 車両駆動用モータ(負荷)
3 燃料電池
4 二次バッテリ(電力貯蔵手段)
5 コントローラ
6 コンバータ
7 温度センサ
8 アクセルセンサ
9 車速センサ
21 充電状態検出手段
22 出力可能電力算出手段
23 充電可能電力算出手段
24 発電量設定手段
25 燃料・空気調整手段
26 電力供給制御手段

Claims (6)

  1. 燃料電池及び電力貯蔵手段から負荷に電力供給する燃料電池システムにおいて、
    前記電力貯蔵手段の温度を検出する温度検出手段と、
    前記電力貯蔵手段の充電状態を検出する充電状態検出手段と、
    前記電力貯蔵手段の出力可能電力を算出する出力可能電力算出手段と、
    前記電力貯蔵手段の充電可能電力を算出する充電可能電力算出手段と、
    予測される最大の負荷増加量に対して、前記燃料電池の発電応答速度の遅延分を補償し得る電力値を余裕負荷電力として設定し、前記出力可能電力算出手段により算出された前記電力貯蔵手段の出力可能電力が前記余裕負荷電力に満たない場合には、前記余裕負荷電力と前記電力貯蔵手段の出力可能電力との差分以上の電力が前記燃料電池から前記電力貯蔵手段に充電されるように、前記燃料電池の発電量を制御する発電制御手段とを備え、
    前記温度検出手段により検出された前記電力貯蔵手段の温度が所定値以上の場合に、前記発電制御手段が、前記余裕負荷電力を前記電力貯蔵手段の出力可能電力以下に変更することで、前記燃料電池から前記電力貯蔵手段への充電を制限し、
    前記充電可能電力算出手段により算出された前記電力貯蔵手段の充電可能電力が、前記余裕負荷電力と前記電力貯蔵手段の出力可能電力との差分に満たない場合には、前記発電制御手段が、前記電力貯蔵手段の充電可能電力に相当する電力が前記燃料電池から前記電力貯蔵手段に充電されるように、前記燃料電池の発電量を制御するとともに、前記燃料電池に供給するガスの流量又は圧力の少なくとも一方を、前記電力貯蔵手段の充電可能電力に相当する電力が前記燃料電池から前記電力貯蔵手段に充電される発電量に対応する値よりも増加させること
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記出力可能電力算出手段は、前記温度検出手段により検出された前記電力貯蔵手段の温度と、前記充電状態検出手段により検出された前記電力貯蔵手段の充電状態とに基づき、前記電力貯蔵手段の出力可能電力を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記発電制御手段は、前記電力貯蔵手段の温度が前記所定値にまで昇温される過程において、その温度上昇に従って前記余裕負荷電力が前記電力貯蔵手段の出力可能電力に漸次近付くように前記余裕負荷電力を低下させること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記充電可能電力算出手段は、前記温度検出手段により検出された前記電力貯蔵手段の温度と、前記充電状態検出手段により検出された前記電力貯蔵手段の充電状態とに基づき、前記電力貯蔵手段の充電可能電力を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池に供給するガスの流量又は圧力の少なくとも一方の増加分が、前記余裕負荷電力と前記電力貯蔵手段の出力可能電力との差分に対する前記電力貯蔵手段の充電可能電力の不足分を補う発電量に対応した値であること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の燃料電池システムを用い、前記燃料電池及び電力貯蔵手段から車両駆動用モータに電力供給する燃料電池車両であって、
    前記余裕負荷電力は、予測される前記車両駆動用モータの負荷増加量に対する前記燃料電池の発電応答速度の遅延分を補う電力であること
    を特徴とする燃料電池車両。
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