JP3871830B2 - 緊急通報システム端末装置および緊急通報システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に搭載されて、交通事故、急病などの緊急時に、警察、緊急通報センターなど緊急通報システムを管轄するセンターに、現在の車両の位置情報、登録車両などのデータを送信する緊急通報システム端末装置および緊急通報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車などの車両に搭載されて、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに通信事業者の基地局などを経由して電話発信処理を行う緊急通報連絡手段を備えた緊急通報システム端末装置が知られている。前記緊急通報システム端末装置は、緊急事態発生時に、緊急通報発信釦を押下して手動により発信処理を行う場合と、エアバッグセンサや衝突センサなどのセンサ部からの信号入力により自動的に発信処理が行われる場合とがある。
【0003】
また、緊急通報発信釦は、スイッチ未押下、スイッチ押下時の判別だけでなく、開放により断線した場合、ショートにより短絡した場合を検出する機能を有するものがあり、従来においては、緊急通報発信釦のGND線は車両のボデーに接続され、緊急通報システム端末装置へは、1本の信号線によりステータス情報を伝達していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両には、多くの電装機器が搭載されており、それらの電装機器が電源供給などにより車両のボデーGNDを使用する場合、車両のボデーの各々の地点に多少の電位差を有する場合がある。一方、前記緊急通報発信釦は、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態の4つの信号を、電位差別に緊急通報システム端末装置に出力しており、前記緊急通報発信釦と、緊急通報システム端末装置の基準となるGND信号に電位差が生じた場合、前記GND信号を基準とするステータス信号電位に誤差が生じ、誤認識の原因となる問題点を有していた。
【0005】
本発明は、このような従来の技術における課題を解決するものであり、緊急通報発信釦の状態を正確に判断することのできる緊急通報システム端末装置および緊急通報システムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の緊急通報システム端末装置は、車両に搭載されて、緊急通報発信釦押下により、緊急通報システムを管轄するセンターに自動的に緊急発信を行う制御部を備え、前記緊急通報発信釦からの緊急通報システム端末装置への信号線を2本で構成し、前記制御部が前記2本の信号線から入力する信号の電位差を認識することにより前記緊急通報発信釦の状態を認識することを特徴とした構成を有している。この構成により、1本を基準電位に使用し、別の1本をステータス信号に用いることにより、緊急通報発信釦の状態を、緊急通報システム端末装置に確実に出力することができることとなる。
【0007】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記制御部が、前記緊急通報発信釦の状態のうち、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態を、前記2本の信号線から入力する信号の電位差により識別することを特徴とした構成を有している。この構成により、前記2本の信号の電位差を使用するため、外来ノイズなどに影響されることなく、緊急通報発信釦の4ステータスを正確に把握することができることとなる。
【0008】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記制御部が、前記断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態を示す信号を、前記2本の信号線の“H”信号と“L”信号を用いて4通りの信号により、識別することを特徴とした構成を有している。この構成により、“H”“L”のディジタル信号を用いるため、緊急通報発信釦の4ステータスを正確に把握することができることとなる。
【0009】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記制御部が、前記2本の信号線のうち、どちらかの1本の信号線が断線した場合に、断線による開放、もしくはショートによる断線のどちらかの状態として判断することを特徴とした構成を有している。この構成により、通常状態、もしくは押下状態以外の機器の異常を示す状態に判別することによって、緊急通報発信釦の異常状態を正確に判断することが可能になる。
【0010】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記緊急通報発信釦が有するスイッチからの信号を、前記緊急通報システム端末装置の制御部に入力すると共に、前記緊急通報システム端末装置の内部で第1の抵抗を介してプルアップし、さらに前記スイッチに並列に第2の抵抗を接続し、さらに前記スイッチの別の一端を第3の抵抗を介して前記制御部に接続することを特徴とした構成を有している。この構成により、通常状態、もしくは押下状態以外の機器の異常を示す状態に判別することによって、緊急通報発信釦の異常状態を正確に判断することができることとなる。
【0011】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記緊急通報発信釦が有するスイッチからの信号を、緊急通報システム端末装置の制御部に入力すると共に、前記緊急通報システム端末装置の内部で第1の抵抗を介してプルアップし、さらに前記スイッチの別の一端に直列に第3の抵抗を接続し、前記スイッチと前記第3の抵抗の直列回路にさらに第2の抵抗を並列接続し、前記第2の抵抗と前記第3の抵抗の接続部を前記制御部に接続することを特徴とした構成を有している。この構成により、通常状態、もしくは押下状態以外の機器の異常を示す状態に判別することによって、緊急通報発信釦の異常状態を正確に判断することができることとなる。
【0012】
また、本発明は、上記したいずれかに記載の緊急通報システム端末装置と、前記緊急通報システム端末装置から緊急通報発信信号を受信する機能を備えたセンターとを含む緊急通報システムであり、l本を基準電位に使用し、別の1本をステータス信号に用いるか、もしくは2信号の“H/L”により4通りのステータス信号を生成するなどにより、緊急通報発信釦の状態を、緊急通報システム端末装置に確実に出力することが可能になり、適切な緊急通報処理を実現できることとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における緊急通報システム端末装置の構成を示すブロック図である。緊急通報システム端末装置1は、自動車などの車両に搭載されて、交通事故、急病などの緊急時に、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに、通信アンテナ2を通じて現在の車両の位置情報、登録車両などのデータを送信して車両出動要請を行うものである。緊急通報発信釦3は、押下されていない通常状態、押下状態、開放断線による異常状態、短絡断線による異常状態を識別することができるものであり、利用者が交通事故、急病などの緊急時に押下し、発信処理を開始するための信号、短絡断線異常、開放断線異常などの信号を生成する。また、GPSアンテナ4は、GPS衛星からのデータを受信する。
【0014】
緊急通報システム端末装置1において、緊急通報連絡手段11は、制御部12からの発信要求信号に対し、制御部12から入力した電話番号により、通信事業者の基地局などを経由してその電話番号に該当する通話相手に電話発信処理を開始すると共に、通話相手からの発信応答、もしくは通話中信号などの通話中に移行する信号を受信した場合、音声通話制御、もしくはデータ通信制御に移行すると共に、通話中に移行したことを知らせる信号を制御部12に出力し、さらに、制御部12から入力した、車両の進行方向、向きなどの情報、および位置情報などのデータを、通信事業者の基地局などを経由してその電話番号に該当する通話相手である警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに発信する処理を行う。
【0015】
制御部12は、位置情報取得処理部l4より取得した位置情報などのデータを記憶部15に記録する制御を行うと共に、緊急通報発信釦3からの操作信号により緊急通報要求があったことを認識し、緊急通報連絡処理を開始するために、位置情報取得処理部14より入手し、記憶部15などに蓄積した位置情報履歴などのデータを入力し、さらに、記憶部15から、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターの電話番号を取得すると共に、その電話番号を用いて緊急通報連絡手段11に電話の発信要求を行い、さらに、緊急通報連絡手段1lから、その電話番号に該当する通話相手からの発信応答、もしくは通話中信号などの通話中に移行する信号を受信した場合、通話状態に移行したと認識し、位置情報取得処理部14から入手した位置情報履歴データを通信事業者の基地局などを経由して当該電話番号に対応する通話相手である警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに発信するための信号を緊急通報連絡手段11に出力する処理を行う。また、制御部l2は、前記緊急通報発信釦3からの2本の信号により、前記緊急通報発信釦3の状態を正確に判断し、各ステータスに応じた処理に移行する。
【0016】
ジャイロセンサ13は、車両の進行方向、向きなどの情報を生成する。位置惰報取得処理部14は、制御部12に対し、ジャイロセンサ13からのデータ、GPS受信機16がGPSアンテナ4から受信したデータなどにより生成した位置情報などのデータを制御部12に出力する。記憶部15は、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターの電話番号、および緊急通報システム端末装置1を搭載する車両の登録ナンバー、位置情報取得処理部14で生成した位置情報などの情報を格納すると共に、制御部12からの要求信号により記録したデータを出力する処理を行う。GPS受信機16は、GPSアンテナ4から入手したデータにより、位置情報などのデータを位置情報取得処理部14に出力する処理を行う。
【0017】
次に、本発明の実施の形態1の動作について説明する。図lにおいて、位置情報取得処理部14は、ジャイロセンサ13からのデータ、GPS受信機16がGPSアンテナ4から受信したデータなどにより位置情報データを生成する。制御部12は、位置情報取得処理部14より定期的に位置情報などのデータを取得し、制御部15に記録する処理を行う。
【0018】
利用者は、交通事故、急病などの緊急時に緊急通報発信釦3を押下する。緊急通報発信釦3は、利用者の押下により、押下されたことを示す信号を制御部12に出力する。制御部12は、緊急通報発信釦3からの操作信号により緊急通報発信要求があったことを認識し、緊急通報処理を開始する。制御部12は、記憶部l5から蓄積した位置情報などのデータ、および警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターの電話番号を取得すると共に、その電話番号を用いて緊急通報連絡手段11に電話の発信要求を行う。緊急通報連絡手段l1は、通信アンテナ2を用いて、通信事業者の基地局などを経由してその電話番号に該当する通話相手に電話発信処理を開始する。緊急通報連絡手段1lは、通話相手からの発信応答、もしくは通話中信号などの通話中に移行する信号を受信した場合、通話状態に移行したと認識し、音声通話制御、もしくはデータ通信制御に移行すると共に、通話中に移行したことを知らせる信号を、制御部l2に出力する。制御部12は、通話に成功したと判断し、位置情報などのデータを通信事業者の基地局などを経由して当該電話番号に対応する通話相手である警察、緊急通報センターなど緊急通報システムを管轄するセンターに発信する処理を行う。
【0019】
また制御部12は、緊急通報発信釦3からの2本の信号線により、前記緊急通報発信釦3の状態を把握する。前記緊急通報発信釦3のスイッチが押下されていない通常状態時は通常状態を示す信号を入力し、押下された場合は押下されたことを示す信号を入力し、開放断線時は開放断線したことを示す信号、短絡断線時は短絡断線したことを示す信号を入力する。制御部12は、押下されたことを示す信号を入力した場合、緊急通報連絡処理に移行し、開放断線、短絡断線時は、短絡、開放などの異常状態が発生したことを認識し、インジケータなどにより利用者に異常を通知するなどの処理を行う。
【0020】
(実施の形態2)
次に、上記実施の形態1における緊急通報発信釦3の構成および制御部12が緊急通報発信釦3の状態を正確に判断するアリゴリズムについて、詳細に説明する。図2は緊急通報発信釦3と、制御部12の詳細を示す回路図である。図2において、符号12は図1における制御部12と同様の制御部であり、3lは緊急通報発信釦3に内蔵する常開スイッチである。第1の抵抗R1は、緊急通報システム端末装置1内に設けられ、一端は電圧Vによりプルアップされており、別の一端はマイコンである制御部12内部のADコンバータに接続されている。さらに第1の抵抗R1の別の一端は、導線Aを用いて緊急通報発信釦3のスイッチ31の一端に接続されている。スイッチ31には、第2の抵抗R2が並列に接続されており、スイッチ31を押下することにより、抵抗R2は短絡状態に移行する。前記抵抗R2の別の一端は、第3の抵抗R3に接続されており、この抵抗R3の別の一端(緊急通報発信釦の基準電位側の端子に相当)は、導線Bを用いて制御部12の基準GND(制御部の基準電位側の端子に相当)に接続されている。
【0021】
導線Aもしくは導線Bが断線した場合、制御部12のADコンバータの電位検出部は、抵抗Rlを介してプルアップされている状態に移行するため、電圧Vを検出する。スイッチ3lが押下されていない通常状態の場合、制御部12は、電圧{(R2+R3)/(R1+R2+R3)}Vを検出する。スイッチ31が押下された動作状態の場合、制御部12は、電圧{R1/(R1+R3)}Vを検出する。導線Aがショートによる短絡状態の場合、制御部l2は0Vを検出する。導線Bがショートによる短絡状態の場合、制御部12は基準GNDと同一の電位に移行するため、正常状態を維持する。
【0022】
緊急通報発信釦3の基準GNDと制御部l2の基準GNDは、導線Bにより接続されているため、同一の電位を維持する。そのため、導線Aの信号は、導線Bの信号を基準とした信号を有するため、制御部l2により、緊急通報発信釦3の状態を正確に判断することが可能になる。
【0023】
(実施の形態3)
図3は緊急通報発信釦3と制御部l2の詳細を示す別の回路図である。図3において、符号12は図lにおける制御部l2と同様の制御部であり、31は緊急通報発信釦3に内蔵する常開スイッチである。第1の抵抗R1は、緊急通報システム端末装置1内に設けられ、一端は電圧Vによりプルアップされており、別の一端はマイコンである制御部12内のADコンバータに接続されている。さらに抵抗Rlの別の一端は、導線Aを用いて第2の抵抗R2およびスイッチ31の一端に接続されている。スイッチ31の別の一端は、第3の抵抗R3の一端に接続し、さらに抵抗R3の別の一端、および抵抗R2の別の一端は導線Bを用いて制御部12の基準GNDに接続されている。
【0024】
導線Aもしくは導線Bが断線した場合、制御部12のADコンバータの電位検出部は、抵抗Rlを介してプルアップされている状態に移行するため、電圧Vを検出する。スイッチ3lが押下されていない通常状態の場合、制御部12の電位検出部は、電圧{R2/(R1+R2)}Vを検出する。スイッチ31が押下された動作状態の場合、制御部12は、電圧〔{(R2*R3)/(R2+R3) }/ {R1+(R2*R3)/(R2+R3)}〕Vを検出する。導線Aがショートによる短絡状態の場合、制御部12は0Vを検出する。導線Bがショートによる短絡状態の場合、制御部l2は基準GNDと同一の電位に移行するため、正常状態を維持する。
【0025】
上記実施の形態2と同様に、緊急通報発信釦3の基準GNDと制御部12の基準GNDは、導線Bにより接続されているため、同一の電位を維持する。そのため、導線Aの信号は、導線Bの信号を基準とした信号を有するため、制御部12により、緊急通報発信釦3の状態を正確に判断することが可能になる。
【0026】
(実施の形態4)
図4は緊急通報発信釦3と制御部12の詳細を示す別の回路図である。本実施の形態4が実施の形態2と異なる点は、信号線Bを、緊急通報発信釦3側で車両のボディーGNDに接続していること、および信号線Bを緊急通報システム端末装置l側で第4の抵抗R4によりプルアツプしている点であり、それ以外の構成は、実施の形態2と同様である。
【0027】
緊急通報発信釦3のボディーGNDの電位をVGND とし、制御部12において、緊急通報発信釦3のステータスの認識を、導線Aと導線Bの差分で判別すると、導線Aが断線した場合、マイコンである制御部12のADコンバータ121の電位検出部は、抵抗R1を介してプルアップされている状態に移行するため、電圧V−VGND を検出する。スイッチ31が押下されていない通常状態の場合、制御部12の電位検出部は、電圧{(R2+R3)/(R1+R2+R3)}V―VGND を検出する。スイッチ3lが押下された動作状態の場合、制御部12は、電圧{R1/(R1+R3)}V−VGND を検出する。導線Aがショートによる短絡状態の場合、制御部12は0Vを検出する。導線Bがショートによる短絡状態の場合、制御部l2は基準GNDと同一の電位に移行するため、正常状態を維持する。さらに導線Bの電位を単独で監視することにより、断線による開放状態に移行した場合、導線B側の電位はVになるため、開放状態に移行したことを認識することが可能になる。
【0028】
実施の形態2同様に、緊急通報発信釦3の基準GNDと、制御部12の基準GNDは、導線Bにより接続されているため、同一の電位を維持する。そのため、導線Aの信号は、導線Bの信号を基準とした信号を有するため、制御部l2により、前記緊急通報発信釦3の状態を正確に判断することが可能になる。
【0029】
(実施の形態5)
図5は緊急通報発信釦3と制御部12の詳細を示す回路図である。本実施の形態5が実施の形態4と異なる点は、信号線Aおよび信号線Bを、オペアンプなどの差動増幅器17に入力した後、その出力である2本の信号線A、Bの電位差をマイコンである制御部12のADコンバータに入力する構成をとる点、および導線Bを緊急通報システム端末装置1側でGNDに接続している点であり、それ以外の構成は、実施の形態4と同様である。
【0030】
導線Aもしくは導線Bが断線した場合、制御部12のADコンバータの電位検出部は、抵抗R1を介してプルアップされている状態に移行するため、電圧Vを検出する。スイッチ31が押下されていない通常状態の場合、制御部12の電位検出部は、電庄{(R2+R3)/(R1+R2+R3)}Vを検出する。スイッチ3lが押下された動作状態の場合、制御部12は、電圧{R1/(R1+R3)}Vを検出する。導線Aがショートによる短絡状態の場合、制御部12は0Vを検出する。導線Bがショートによる短絡状態の場合、制御部12は基準GNDと同一の電位に移行するため、正常状態を維持する。
【0031】
本実施の形態では、緊急通報発信釦3からの信号を差動増幅器17に入力しているため、両信号に同相に入力するノイズ成分に関しては、差勤増幅器17で消去することができ、制御部12により、緊急通報発信釦3の状態を正確に判断することが可能になる。
【0032】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への信号線を2本で構成し、前記2本の信号により緊急通報発信釦3の状態を識別するものであり、1本を基準電位に使用し、別の1本をステータス信号に用いるか、もしくは2信号の“H/L”により4通りのステータス信号を生成することにより、緊急通報発信釦3の状態を、緊急通報システム端末装置1において確実に把握することが可能になる。
【0033】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線のうち1本を、GNDに接続することにより基準信号として使用し、別の1本を緊急通報発信釦3のステータス信号として使用することにより、緊急通報発信釦3と緊急通報システム端末装置1が共通の基準電位を用いることが可能になり、さらに別の1本により、前記基準電位に基づいた信号を生成することができ、緊急通報システム端末装置1において、緊急通報発信釦3の正確なステータスを把握することが可能になる。
【0034】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線のうち1本を、緊急通報システム端末装置1に有するマイコンのアナログ基準GNDに入力し、別の1本を前記マイコンのADコンバータに入力することにより、マイコンのADコンバータのみを使用して、前記基準電位に応じた信号を入力することができ、緊急通報システム端末装置1において、緊急通報発信釦3の正確なステータスを把握することが可能になる。
【0035】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線を、緊急通報システム端末装置1に有するオペアンプなどの差動増幅器に入力し、前記差動増幅器により前記2本の信号線から入力する信号の電位差を認識することにより、差動増幅器を利用してノイズ成分を除去し、前記基準電位に応じた信号のみを入力することができ、緊急通報システム端末装置1において、緊急通報発信釦3の正確なステータスを把握することが可能になる。
【0036】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線の各々を、制御部12のマイコンが有するADコンバータに入力し、前記ADコンバータのみを使用して、前記ADコンバータに入力する2信号の電位差によりステータスを把握することにより、双方の信号に有する同相のノイズ成分を除去することができ、緊急通報システム端末装置1において、緊急通報発信釦3の正確なステータスを把握することが可能になる。
【0037】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線により、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態を示す信号を出力することにより、1本を基準電位として使用することができ、緊急通報発信釦3の4つのステータスを正確に把握することが可能になる。
【0038】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線により、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態を出力する場合、前記2本の電位差により識別可能な信号を用いることにより、外来ノイズなどに影響されることなく、緊急通報発信釦3の4ステータスを正確に把握することが可能になる。
【0039】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線により、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態を出力する場合、1本を基準電位とし、別の1本の電位差を可変することにより、前記基準電位に依存した緊急通報発信釦3の4つのステータスを正確に把握することが可能になる。
【0040】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線により、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態を出力する場合、前記2本の信号線の“H”信号と、“L”信号を用いて4通りの信号を生成して識別することにより、“H”“L”のディジタル信号を用いることができ、緊急通報発信釦3の4つのステータスを正確に把握することが可能になる。
【0041】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線のうち、どちらかの1本の信号線が断線した場合に、断線による開放、もしくはショートによる断線のどちらかの状態に判断することにより、スイッチが押下されていない通常状態、もしくはスイッチが押下された動作状態以外の機器の異常を判別することができ、緊急通報発信釦3の異常状態を正確に判断することが可能になる。
【0042】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線のうち、ステータス信号を出力する側の信号線が断線した場合に、断線による開放状態に判断することにより、信号線が断線した場合に、緊急通報発信釦3からの信号の異常を把握することが可能になる。
【0043】
また、本発明の実施の形態によれば、緊急通報発信釦3から緊急通報システム端末装置1への2本の信号線のうち、基準GND側の信号線が断線した場合に、ショートによる断線状態に判断することにより、基準GND線が断線した場合に、緊急通報発信釦3からの信号の異常を把握することが可能になる。
【0044】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によれは、緊急通報発信釦から緊急通報システム端末装置への信号線を2本で構成し、前記2本の信号により緊急通報発信釦の状態および基準信号を伝達することにより、緊急通報システム端末装置において、緊急通報発信釦の状態を正確に判断することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における緊急通報システム端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における別の緊急通報発信釦と制御部の接続を示す回路図
【図3】本発明の実施の形態3における別の緊急通報発信釦と制御部の接続を示す回路図
【図4】本発明の実施の形態4における別の緊急通報発信釦と制御部の接続を示す回路図
【図5】本発明の実施の形態5における別の緊急通報発信釦と制御部の接続を示す回路図
【符号の説明】
1 緊急通報システム端末装置
2 通信アンテナ
3 緊急通報発信釦
4 GPSアンテナ
11 緊急通報連絡手段
12 制御部
13 ジャイロセンサ
14 位置情報取得処理部
15 記憶部
16 GPS受信機
17 差動増幅器
31 スイッチ
R1 第1の抵抗
R2 第2の抵抗
R3 第3の抵抗
R4 第4の抵抗
A 導線
B 導線
Claims (6)
- 車両に搭載されセンターに対して緊急発信を行う緊急通報システム端末装置であって、
緊急通報発信釦に対して2つの信号線で接続され前記2つの信号線間の電位差に応じて緊急発信処理を制御する制御部を備え、
前記緊急通報発信釦の基準電位側の端子は、前記制御部の基準電位側の端子との区間では前記制御部の基準電位側の端子のみに接続することを特徴とする緊急通報システム端末装置。 - 車両に搭載されセンターに対して緊急発信を行う緊急通報システム端末装置であって、
緊急通報発信釦に対して2つの信号線で接続され前記2つの信号線間の電位差に応じて緊急発信処理を制御する制御部を備え、
前記制御部の基準電位側の端子は、プルアップされていることを特徴とする緊急通報システム端末装置。 - 車両に搭載されセンターに対して緊急発信を行う緊急通報システム端末装置であって、
緊急通報発信釦に対して2つの信号線で接続され前記2つの信号線間の電位差に応じて緊急発信処理を制御する制御部を備え、
前記制御部の基準電位側の端子は、自装置に筐体接続されていることを特徴とする緊急通報システム端末装置。 - 前記制御部が、前記2本の信号線のうち、どちらかの1本の信号線が断線した場合に、断線による開放、もしくはショートによる断線のどちらかの状態として判断することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の緊急通報システム端末装置。
- 前記制御部が、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下されている動作状態、ショートによる断線状態を示す信号を、前記2本の信号線の " H " 信号と " L " 信号を用いて4通りの信号により、識別することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の緊急通報システム端末装置。
- 請求項1ないし請求項5の何れかに記載の緊急通報システム端末装置とこの緊急通報システム端末装置からの緊急発信を処理するセンターとを備える緊急通報システム。
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Publications (2)
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