JP4014768B2 - 緊急通報システム端末装置およひ緊急通報システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に搭載されて、交通事故、急病などの緊急時に、警察、緊急通報センターなど緊急通報システムを管轄するセンターに、現在の車両の位置情報、登録車両などのデータを送信する緊急通報システム端末装置および緊急通報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車などの車両に搭載されて、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに通信事業者の基地局などを経由して電話発信処理を行う緊急通報連絡手段を備えた緊急通報システム端末装置が知られている。前記緊急通報システム端末装置は、緊急事態発生時に、緊急通報発信釦を押下して手動により発信処理を行う場合と、エアバッグセンサや衝突センサなどのセンサ部からの信号入力により自動的に発信処理が行われる場合とがある。
【0003】
図4は緊急通報システム端末装置本体1と緊急通報発信釦3の一般的な車両取付位置を示している。緊急通報システム端末装置本体1は、車両のトランクに取り付けられ、緊急通報発信釦3は、車室内のオーバーヘッド部に取り付けられて、両者は導線により接続されている。そして、緊急通報システム端末装置本体1と緊急通報発信釦3は、緊急通報発信釦3のスイッチからの電圧信号および基準電位を緊急通報システム端末装置本体1側で検出するために車両のボデーをグランド(以下GNDと略す)としている。一般的には、緊急通報システム端末装置本体1の接続GND101をトランク内の車両ボデー部分に接続し、緊急通報発信釦3の接続GND301をピラーなどの車両ボデー部分に接続している。
【0004】
一方、このような緊急通報システム端末装置において、緊急通報発信釦は、そのスイッチが押下されていない通常状態および押下された緊急通報状態の判別だけでなく、開放により断線した場合およびショートにより短絡した場合を検出できるように、それぞれの状態における電位を抵抗分割により検出する機能を有するものがある。このように、常に緊急通報発信釦の状態を監視することにより、いざというときの緊急通報発信釦の動作を確実なものにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、緊急通報システム端末装置が搭載される車両には、他の多くの電子装置が搭載されて、それぞれの電子装置が車両ボデーをGNDとしているため、多くの電流が車両ボデー部分を流れ、そのため、上記のように緊急通報システム端末装置本体1と緊急通報発信釦3の各GNDが離れた車両ボデー部分に接続された場合、それぞれのGNDに電位差が発生する場合がある。そして、このようなGND電位差が発生すると、緊急通報発信釦3からの信号を緊急通報システム端末装置本体1側で正確に取得できないので、上記のような緊急通報発信釦の各状態を電位をもとに監視するシステムでは、誤認識が発生するという問題を有していた。
【0006】
本発明は、このような従来における問題を解決するものであり、緊急通報発信釦のスイッチと緊急通報システム端末装置本体とが車両の別の場所に配置されて互いに導線で接続され、さらにそれぞれのグランドが車両の別のボデー部分に接続されている緊急通報システム端末装置において、前記導線の断線による開放状態と、前記スイッチが押下されていない通常状態と、前記スイッチが押下されている緊急通報状態と、前記導線の断線による短絡状態とを正確に識別することのできる緊急通報システム端末装置および緊急通報システムを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の緊急通報システム端末装置は、車両に搭載されて、緊急通報システムを管轄するセンターに緊急発信を行うために押下するスイッチを備えた緊急通報発信釦と、前記緊急通報発信釦のスイッチに導線により接続されて、前記スイッチからの信号を検出して前記センターへ緊急発信を行う制御部を有する緊急通報システム端末装置本体とを備え、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとがそれぞれ前記車両の別のボデー部分に接続されて、前記導線の断線による開放状態と、前記スイッチが押下されていない通常状態と、前記スイッチが押下された緊急通報状態と、前記導線の断線による短絡状態とをそれぞれ抵抗分割による電位により検出するとともに、前記各状態における検出電位の間に一定以上の電位差を持たせ、前記緊急通報発信釦は、押下により閉成する前記スイッチと、前記スイッチの両端に並列に接続された抵抗値R2の第2の抵抗と、前記スイッチの他端とグランドとの間に接続された抵抗値R3の第3の抵抗とを備え、前記スイッチの一端は、前記導線を介して前記緊急通報システム端末装置本体の前記制御部に接続されるとともに、前記緊急通報システム端末装置本体内において抵抗値R1の第1の抵抗を介して電源電圧に接続されていることを特徴とする構成を有している。この構成により、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0008】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記各抵抗値R1、R2、R3を、(R2+R3)/(Rl+R2+R3)が3/4よりも小さく、かつR3/(R1+R3)が1/2よりも小さくなるように設定したことを特徴とするものであり、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0009】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、車両に搭載されて、緊急通報システムを管轄するセンターに緊急発信を行うために押下するスイッチを備えた緊急通報発信釦と、前記緊急通報発信釦のスイッチに導線により接続されて、前記スイッチからの信号を検出して前記センターへ緊急発信を行う制御部を有する緊急通報システム端末装置本体とを備え、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとがそれぞれ前記車両の別のボデー部分に接続されて、前記導線の断線による開放状態と、前記スイッチが押下されていない通常状態と、前記スイッチが押下された緊急通報状態と、前記導線の断線による短絡状態とをそれぞれ抵抗分割による電位により検出するとともに、前記各状態における検出電位の間に一定以上の電位差を持たせ、前記緊急通報発信釦は、押下により閉成する前記スイッチと、前記スイッチの一端とグランドとの間に接続された抵抗値R2の第2の抵抗と、前記スイッチの他端とグランドとの間に接続された抵抗値R3の第3の抵抗とを備え、前記スイッチの一端は、前記導線を介して前記緊急通報システム端末装置本体の前記制御部に接続されるとともに、前記緊急通報システム端末装置本体内において抵抗値R1の第1の抵抗を介して電源電圧に接続されていることを特徴とする構成を有している。この構成により、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0010】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記各抵抗値R1、R2、R3を、R2/(Rl+R2)が3/4よりも小さく、かつ[(R2*R3)/(R2+R3)]/ [ R1+(R2*R3)/(R2+R3) ] が1/2よりも小さくなるように設定したことを特徴とするものであり、緊急通報発信釦における押下状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を各自に実行できることとなる。
【0011】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとの間に電位差が生じ、前記スイッチの押下状態と前記導線の断線による短絡状態との識別が不可能な状態においても、前記スイッチの押下状態と判断して、緊急通報発信を行うことを特徴とするものであり、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0012】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとの電位差が電源電圧の20%以下である場合には、前記スイッチが押下されていない通常状態の識別信号に対し前記導線の断線による開放状態または前記スイッチの押下状態における識別信号の電位差を一定以上確保することにより、前記各状態を識別するものであり、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0013】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記識別信号の電位差を電源電圧の20%以上確保することを特徴とするものであり、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0014】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとの電位差が電源電圧の20%以下である場合には、前記検出電位の間に1V以上の電位差があることを特徴とするものであり、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとの電位差が電源電圧の最大で20%あっても、前記検出電位の間の一定以上の電位差を1V程度とすることにより、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0015】
また、本発明の緊急通報システムは、請求項1から9のいずれかに記載の緊急通報システム端末装置と、前記緊急通報システム端末装置から緊急通報発信信号を受信する機能を備えたセンターとを含むものであり、緊急通報システム端末装置が、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することにより、動作の確実な緊急通報システムを構築できることとなる。
【0016】
また、本発明の緊急通報システム端末装置は、車両に搭載されて、緊急通報システムを管轄するセンターに緊急発信を行うために押下するスイッチを備えた緊急通報発信釦と、前記緊急通報発信釦のスイッチに導線により接続されて、前記スイッチからの信号を検出して前記センターへ緊急発信を行う制御部を有する緊急通報システム端末装置本体とを備え、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとがそれぞれ前記車両の別のボデー部分に接続されて、前記導線の断線による開放状態と、前記スイッチが押下されていない通常状態と、前記スイッチが押下された緊急通報状態と、前記導線の断線による短絡状態とをそれぞれ抵抗分割による電位により検出するとともに、前記各状態における検出電位の間に一定以上の電位差を持たせたことを特徴とする構成を有している。この構成により、緊急通報発信釦における前記4つの状態を正確に識別することができ、緊急通報システム端末装置としての動作を確実に実行できることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本発明の実施の形態における緊急通報システム端末装置は、装置本体1とその付属装置とからなり、装置本体1は、自動車などの車両に搭載されて、交通事故、急病などの緊急時に、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに、現在の車両の位置情報、登録車両などのデータを送信して車両出動要請を行うものである。通信アンテナ2は、緊急通報連絡手段11からの発信信号を通信事業者の基地局に発信する処理を行うと共に、通信事業者からの受信信号を緊急通報連絡手段11に出力する処理を行う。緊急通報発信釦3は、押下されていない通常状態、押下状態、開放断線による異常状態、短絡断線による異常状態を識別することができるものであり、利用者が交通事故、急病などの緊急時に押下し、発信処理を開始するための信号、短絡断線異常、開放断線異常などの信号を生成する。GPSアンテナ4は、GPS衛星からのデータを受信するものである。
【0018】
緊急通報システム端末装置本体1において、緊急通報連絡手段11は、制御部12からの発信要求信号に対し、制御部12から入力した電話番号により、通信事業者の基地局などを経由してその電話番号に該当する通話相手に電話発信処理を開始すると共に、通話相手からの発信応答、もしくは通話中信号などの通話中に移行する信号を受信した場合、音声通話制御、もしくはデータ通信制御に移行すると共に、通話中に移行したことを知らせる信号を制御部12に出力し、さらに、制御部12から入力した、車両の進行方向、向きなどの情報、および位置情報などのデータを、通信事業者の基地局などを経由してその電話番号に該当する通話相手である警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに発信する処理を行う。
【0019】
制御部12は、位置情報取得処理部14より取得した位置情報などのデータを記憶部15に記録する制御を行うと共に、緊急通報発信釦3からの操作信号により緊急通報要求があったことを認識し、緊急通報連絡処理を開始するために、記憶部15などに蓄積した位置情報履歴などのデータを入力し、さらに、記憶部15から、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターの電話番号を取得すると共に、その電話番号を用いて緊急通報連絡手段11に電話の発信要求を行い、さらに、緊急通報連絡手段11から、その電話番号に該当する通話相手からの発信応答、もしくは通話中信号などの通話中に移行する信号を受信した場合、通話状態に移行したと認識し、位置情報取得処理部14から入手した位置情報履歴データを通信事業者の基地局などを経由して当該電話番号に対応する通話相手である警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターに発信するための信号を緊急通報連絡手段11に出力する処理を行う。また、制御部12は、緊急通報発信釦3において、前記緊急通報発信釦3が接続されているボデーGNDと、緊急通報システム端末装置本体1が接続されているボデーGNDの電位が変動した場合でも、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチ押下状態の各々の状態に出力される電位を判別することが可能なため、誤認識による異常動作を防止することができる。
【0020】
ジャイロセンサ13は、車両の進行方向、向きなどの情報を生成する。位置情報取得処理部14は、ジャイロセンサ13からのデータ、GPS受信機がGPSアンテナ4から受信したデータなどにより生成した位置情報などのデータを制御部12に出力する。記憶部15は、警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターの電話番号、および緊急通報システム端末装置本体1を搭載する車両の登録ナンバー、位置情報取得処理部14で生成した位置情報などの情報を格納すると共に、制御部12からの要求信号により記録したデータを出力する処理を行う。GPS受信機16は、GPSアンテナ4から入手したデータにより、位置情報などのデータを位置情報取得処理部14に出力する処理を行う。
【0021】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図1において、位置情報取得処理部14は、ジャイロセンサ13からのデータ、GPS受信機16がGPSアンテナ4から受信したデータなどにより位置情報データを生成する。制御部12は、位置情報取得処理部14より定期的に位置情報などのデータを取得し、記憶部15に記憶する処理を行う。利用者は、交通事故、急病などの緊急時に緊急通報発信釦3を押下する。緊急通報発信釦3は、利用者の押下により、押下されたことを示す信号を制御部12に出力する。制御部12は、緊急通報発信釦3からの操作信号により緊急通報発信要求があったことを認識し、緊急通報処理を開始する。制御部12は、記憶部15から蓄積した位置情報などのデータ、および警察、緊急通報センターなどの緊急通報システムを管轄するセンターの電話番号を取得すると共に、その電話番号を用いて緊急通報連絡手段11に電話の発信要求を行う。緊急通報連絡手段11は、通信アンテナ2を用いて、通信事業者の基地局などを経由してその電話番号に該当する通話相手に電話発信処理を開始する。緊急通報連絡手段11は、通話相手からの発信応答、もしくは通話中信号などの通話中に移行する信号を受信した場合、通話状態に移行したと認識し、音声通話制御、もしくはデータ通信制御に移行すると共に、通話中に移行したことを知らせる信号を、制御部12に出力する。制御部12は、通話に成功したと判断し、位置情報などのデータを通信事業者の基地局などを経由して当該電話番号に対応する通話相手である警察、緊急通報センターなど緊急通報システムを管轄するセンターに発信する処理を行う。
【0022】
また、緊急通報発信釦3においては、押下されていない通常状態時は通常状態を示す信号を出力し、押下された場合は押下されたことを示す信号を出力し、開放断線時は、開放断線したことを示す信号、短絡断線時は短絡断線したことを示す信号を出力する。制御部12は、押下されたことを示す信号を入力した場合、緊急通報連絡処理に移行し、開放断線、短絡断線時は、短絡、開放などの異常状態が発生したことを認識し、インジケータなどにより利用者に異常を通知するなどの処理を行う。
【0023】
次に、緊急通報システム端末装置本体1のGNDと、緊急通報発信釦3のGNDに電位差が生じた場合においても、断線による開放状態、スイッチが押下されていない通常状態、スイッチが押下された緊急通報状態、断線による短絡状態を識別するための回路および動作について説明する。
【0024】
図2は緊急通報発信釦3と制御部l2の回路構成を示している。図2において、緊急通報発信釦3には常開スイッチ31が内蔵されている。抵抗R1は、車両ボデーをGNDとする緊急通報システム端末装置本体1に内蔵され、一端は電圧Vによりプルアツプされており、別の一端は制御部12内部のADコンバータなどに接続されている。さらに抵抗R1の別の一端は、導線32を用いて抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の別の一端は、抵抗R3の一端に接続されており、抵抗R3の別の一端は、車両ボデーに接続されている。スイッチ31は、抵抗R2に並列に接続されており、スイッチ31を押下することにより、抵抗R2は短絡状態に移行する。
【0025】
スイッチ31が押下されていない通常状態の場合、制御部12は、電圧[(R2+R3)/(R1+R2+R3)}Vを検出する。スイッチ31が押下された緊急通報状態の場合、制御部12は、電圧[Rl/(Rl+R3)]Vを検出する。導線32が断線した開放状態の場合、制御部12のADコンバータなどの電位検出部は、抵抗R1を介してプルアップされている状態に移行するため、電圧Vを検出する。導線32がショートによる短絡状態の場合、制御部12は0Vを検出する。
【0026】
緊急通報発信釦3のGNDと緊急通報システム端末装置本体1のGNDが導線により接続されず、各々車両ボデーに接続されている場合、各々のGND間に電位差が生じる。前記各々のGND間の電位差が生じた場合においても、制御部12による誤検出を防止する電位差を確保することにより、通常状態において、開放検出による異常状態への移行、もしくは押下検出による緊急通報発信処理への誤発信を防止することが可能になる。以下、各々のGNDに電源電圧の±20%(最大)の電位差が生じた場合においても、誤検出を防止するために電位差を確保する場合の一例について説明する。緊急通報発信釦3のGNDが、緊急通報システム端末装置本体1のGNDより電源電圧の±20%(最大)電位が上がることを想定し、さらに開放状態と、通常状態の電位を電源電圧の±20%(最大)以上確保する場合、以下の式を満たす必要がある。
(V-V×0.2)>(R2+R3)/(R1+R2+R3)*(V-V×0.2)+(V×0.2)
具体例として電源電圧を5Vに設定する場合、(R2+R3)/(R1+R2+R3)<3/4を満たす抵抗値を設定する。さらに、通常状態と、押下状態の電位を電源電圧の±20%(最大)以上確保する場合、以下の式を満たす必要がある。×
(R2+R3)/(Rl+R2+R3)*(V-V×0.2)+(V×0.2)-(V×0.2)>R3/(R1+R3)*(V-V×0.2)+(V×0.2)
上記条件にて、(R2+R3)/(R1+R2+R3)<3/4と設定するため、R3/(Rl+R3)<l/2を満たす抵抗値を設定する。
【0027】
例えば、電源電圧が5Vのシステムにおいて、各々のGNDの電位が±1V変動する場合、図2における抵抗R1、R2、R3各々の抵抗値を150Ω、330Ω、82Ωに設定すると、開放時の検出電位は5V、通常時の検出電圧は3.9〜3.4V、押下時の検出電圧は2.4〜1.1Vになる。この場合、各々の検出電圧に1V以上の電位差を有するため、誤検出による異常動作を防止することが可能になる。
【0028】
図3は本実施の形態における緊急通報発信釦3と制御部12の別の回路構成を示している。図3において、緊急通報発信釦3には常開スイッチ31が内蔵されている。抵抗R1は、車両ボデーGNDとする緊急通報システム端末装置1に内蔵され、一端は電圧Vによりプルアップされており、別の一端は制御部l2内部のADコンバータなどに接続されている。さらに抵抗R1の別の一端は、導線32を用いて抵抗R2およびスイッチ31の一端に接続されている。スイッチ31の別の一端は、抵抗R3に接続され、抵抗R3の別の一端および抵抗R2の別の一端は、車両ボデーに接続されている。
【0029】
スイッチ31が押下されていない通常状態の場合、制御部12の電位検出部は、電圧[R2/(R1+R2)]Vを検出する。スイッチ31が押下された緊急通報状態の場合、制御部12は、電圧[[(R2*R3)/(R2+R3) ]/[R1+(R2*R3)/(R2+R3)]]Vを検出する。導線32が断線した開放状態の場合、制御部12のADコンバータなどの電位検出部は、抵抗R1を介してプルアップされている状態に移行するため、電圧Vを検出する。導線32がショートによる短絡状態の場合、制御部12は0Vを検出する。
【0030】
次に、各々のGNDに電源電圧の±20%(最大)の電位差が生じた場合においても、誤検出を防止するために電位差を確保する場合の一例について説明する。緊急通報発信釦3のGNDが、緊急通報システム端末装置本体1のGNDより電源電圧の±20%(最大)電位が上がることを想定し、さらに開放状態と、通常状態の電位を電源電圧の±20%(最大)以上確保する場合、以下の式を満たす必要がある。
(V-V×0.2)>R2/(R1+R2)*(V-V×0.2)+(V×0.2)
具体例として電源電圧を5Vに設定する場合、R2/(R1+R2)<3/4を満たす抵抗値を設定する。さらに、通常状態と押下状態の電位を電源電圧の±20%(最大)確保する場合、以下の式を満たす必要がある。
R2/(R1+R2)*(V-V×0.2)+(V×0.2)-(V×0.2)>((R2*R3)/(R2+R3))/(Rl+(R2*R3)/(R2+R3))*(V-V×0.2)+(V×0.2)
上記条件において、
R2/(R1+R2)<3/4と設定するため、((R2*R3))/(R2+R3))/(R1+(R2*R3)/(R2+R3))<1/2を満たす抵抗値を設定する。
【0031】
例えば、電源電圧が5Vのシステムにおいて、前記両GNDの電位が±1V変動する場合、図3における抵抗R1、R2、R3各々の抵抗値をl50Ω、470Ω、100Ωに設定すると、開放時の検出電圧は5V、通常時の検出電圧は4.0〜3.6V、押下時の検出電圧は2.4〜1.1Vになる。この場合、各々の検出電圧に1V以上の電位差を有するため、誤検出による異常動作を防止することが可能になる。
【0032】
なお、上記実施の形態の場合、押下状態の検出電圧は、2.4〜1.1Vに対して、短絡状態の検出電圧は、1.0〜0Vになり(ADコンバータの場合、負値は測定不可能のため)、上記各々の状態の電位差は最小0.1Vになる。利用者が緊急通報を行いたい場合などによる緊急通報発信釦3押下において、押下状態を短絡状態と誤検出し、緊急通報発信処理を行わず、異常状態に移行することを防止するため、上記押下状態と短絡状態を識別する検出電圧のしきい値を1.0Vに設定することにより、短絡状態を押下状態と判断し、緊急通報発信処理を開始することがあっても、押下状態を短絡状態と判断し、異常処理に移行することを防止することが可能になる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、緊急通報発信釦における断線による開放状態と、スイッチが押されていない通常状態と、スイッチが押下されている緊急通報状態と、断線による短絡状態との間に、ある一定以上の電位差を確保することにより、緊急通報発信釦のGNDと緊急通報システム端末装置のGNDが導線により接続されず、各々車両ボデーに接続されて各々のGND間に電位差が生じている場合でも、断線による開放状態と、スイッチが押下されていない通常状態と、スイッチが押下されている緊急通報状態と、断線による短絡状態とを正確に識別することができる。これにより、断線により開放状態になっているにも拘らず、スイッチが押下されていない通常状態と誤認して、いざというときに緊急通報ができなかったり、スイッチの押下状態を短絡状態と誤認して緊急通報がなされなかったりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における緊急通報システム端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態における緊急通報発信釦の各状態を検出するための構成を示す回路図
【図3】本発明の実施の形態における緊急通報発信釦の各状態を検出するための別の構成を示す回路図
【図4】従来例における緊急通報発信釦および緊急通報システム端末装置本体を車両への取付位置を示す概略図
【符号の説明】
1 緊急通報システム端末装置本体
2 通信アンテナ
3 緊急通報発信釦
4 GPSアンテナ
11 緊急通報連絡手段
12 制御部
13 ジャイロセンサ
14 位置情報取得処理部
15 記憶部
16 GPS受信機
31 スイッチ
32 導線
R1 第1の抵抗
R2 第2の抵抗
R3 第3の抵抗
Claims (10)
- 車両に搭載されて、緊急通報システムを管轄するセンターに緊急発信を行うために押下するスイッチを備えた緊急通報発信釦と、前記緊急通報発信釦のスイッチに導線により接続されて、前記スイッチからの信号を検出して前記センターへ緊急発信を行う制御部を有する緊急通報システム端末装置本体とを備え、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとがそれぞれ前記車両の別のボデー部分に接続されて、前記導線の断線による開放状態と、前記スイッチが押下されていない通常状態と、前記スイッチが押下された緊急通報状態と、前記導線の断線による短絡状態とをそれぞれ抵抗分割による電位により検出するとともに、前記各状態における検出電位の間に一定以上の電位差を持たせ、前記緊急通報発信釦は、押下により閉成する前記スイッチと、前記スイッチの両端に並列に接続された抵抗値R2の第2の抵抗と、前記スイッチの他端とグランドとの間に接続された抵抗値R3の第3の抵抗とを備え、前記スイッチの一端は、前記導線を介して前記緊急通報システム端末装置本体の前記制御部に接続されるとともに、前記緊急通報システム端末装置本体内において抵抗値R1の第1の抵抗を介して電源電圧に接続されていることを特徴とする緊急通報システム端末装置。
- 前記各抵抗値R1、R2、R3を、(R2+R3)/(Rl+R2+R3)が3/4よりも小さく、かつR3/(R1+R3)が1/2よりも小さくなるように設定したことを特徴とする請求項1に記載の緊急通報システム端末装置。
- 車両に搭載されて、緊急通報システムを管轄するセンターに緊急発信を行うために押下するスイッチを備えた緊急通報発信釦と、前記緊急通報発信釦のスイッチに導線により接続されて、前記スイッチからの信号を検出して前記センターへ緊急発信を行う制御部を有する緊急通報システム端末装置本体とを備え、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとがそれぞれ前記車両の別のボデー部分に接続されて、前記導線の断線による開放状態と、前記スイッチが押下されていない通常状態と、前記スイッチが押下された緊急通報状態と、前記導線の断線による短絡状態とをそれぞれ抵抗分割による電位により検出するとともに、前記各状態における検出電位の間に一定以上の電位差を持たせ、前記緊急通報発信釦は、押下により閉成する前記スイッチと、前記スイッチの一端とグランドとの間に接続された抵抗値R2の第2の抵抗と、前記スイッチの他端とグランドとの間に接続された抵抗値R3の第3の抵抗とを備え、前記スイッチの一端は、前記導線を介して前記緊急通報システム端末装置本体の前記制御部に接続されるとともに、前記緊急通報システム端末装置本体内において抵抗値R1の第1の抵抗を介して電源電圧に接続されていることを特徴とする緊急通報システム端末装置。
- 前記各抵抗値R1、R2、R3を、R2/(Rl+R2)が3/4よりも小さく、かつ[(R2*R3)/(R2+R3)]/ [ R1+(R2*R3)/(R2+R3) ] が1/2よりも小さくなるように設定したことを特徴とする請求項3に記載の緊急通報システム端末装置。
- 前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとの間に電位差が生じ、前記スイッチの押下状態と前記導線の断線による短絡状態との識別が不可能な状態においても、前記スイッチの押下状態と判断して、緊急通報発信を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緊急通報システム端末装置。
- 前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとの電位差が電源電圧の20%以下である場合には、前記スイッチが押下されていない通常状態の識別信号に対し前記導線の断線による開放状態または前記スイッチの押下状態における識別信号の電位差を一定以上確保することにより、前記各状態を識別することを可能とする請求項1から4のいずれかに記載の緊急通報システム端末装置。
- 前記識別信号の電位差を電源電圧の20%以上確保することを特徴とする請求項6記載の緊急通報システム端末装置。
- 前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとの電位差が電源電圧の20%以下である場合には、前記検出電位の間に1V以上の電位差があることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の緊急通報システム端末装置。
- 請求項1から9のいずれかに記載の緊急通報システム端末装置と、前記緊急通報システム端末装置から緊急通報発信信号を受信する機能を備えたセンターとを含む緊急通報システム。
- 車両に搭載されて、緊急通報システムを管轄するセンターに緊急発信を行うために押下するスイッチを備えた緊急通報発信釦と、前記緊急通報発信釦のスイッチに導線により接続されて、前記スイッチからの信号を検出して前記センターへ緊急発信を行う制御部を有する緊急通報システム端末装置本体とを備え、前記スイッチのグランドと前記緊急通報システム端末装置本体のグランドとがそれぞれ前記車両の別のボデー部分に接続されて、前記導線の断線による開放状態と、前記スイッチが押下されていない通常状態と、前記スイッチが押下された緊急通報状態と、前記導線の断線による短絡状態とをそれぞれ抵抗分割による電位により検出するとともに、前記各状態における検出電位の間に一定以上の電位差を持たせたことを特徴とする緊急通報システム端末装置。
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