JP3871710B2 - Viii因子の精製方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)ゲルにVIII因子含有水溶液を充填することによって組換え血液凝固VIII因子を精製する方法に関する。本発明方法では、水溶液をゲルに充填する前に、水溶液中及び/またはゲルを平衡させるために使用するバッファ溶液中に少なくとも1種類の界面活性剤を存在させる。VIII因子含有溶液をHICゲルに充填するときに界面活性剤が存在していると、完全形(intact)の活性VIII因子分子を構造異常をもつ分子から効率的に分離することが可能である。本発明によれば更に、DNA及び/またはCHO細胞夾雑物の含有量をかなり減少させ、VIII因子産物の活性をこれまでになかった程度まで保持することが可能である。本発明は更に、本発明方法によって精製された組換えVIII因子を含有する水溶液、及び、血友病の症状を有する患者に投与する医薬を製造するためのかかる水溶液の使用に関する。本発明はまた、本発明方法によって精製した組換えVIII因子を治療有効量で投与する血友病の治療方法に関する。
発明の背景
血友病は何世紀も前から知られていた遺伝性疾患であるが、種々の形態、即ち血友病A及び血友病Bが判別できるようになってから40年しか経っていない。発病頻度が多いのは血友病Aのほうである。血友病は出生男児10000あたり1〜2人の割合で男性だけに発生する。生物学的に活性の血液凝固VIII因子(抗血友病因子)は通常は血漿中に存在するタンパク質であるが、血友病の原因は、この因子の極度のレベル低下または欠損にある。血友病Aの臨床症状は、強い出血傾向であり、VIII因子濃縮物による治療が導入される前は、罹患患者の平均寿命は20歳に達していなかった。ほぼ30年前からは血漿から得られたVIII因子濃縮物が使用できるようになっている。これは血友病患者の治療状況をかなり改善し、普通の生活を送ることも可能になっている。
最近まで、治療用VIII因子濃縮物は血漿の分画化によって調製されていた。しかしながら、例えばW.Woodら,Nature,312,p.330−37(1984)及び欧州特許EP−A−0160457に報告されているように、数年前からは組換えDNA技術を用いた細胞培養でVIII因子を産生させる方法が使用できるようになっている。
ヒト血漿に由来のVIII因子濃縮物は、AnderssonらによってProc.Natl.Acad.Sci.USA,83,p.2979−83(1986年5月)に記載されているように、フラグメントに分割された複数の完全に活性のVIII因子形態を含有している。最も小さい活性形態は分子量170kDaを有しており、(1つまたは複数の)金属イオンによって互いに結合された90kDaと80kDaとの2つの鎖から構成されている。これに関しては欧州特許EP−A−0197901を参照するとよい。
Pharmacia AB,Stockholm,Swedenは、治療用VIII因子濃縮物中の170kDaの血漿VIII因子形態に対応する組換えVIII因子産物を開発した。切断された組換えVIII因子の分子はr−VIIISQと命名され、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いた無血清培地中の細胞培養によって産生される。
組換えVIII因子産物一般の構造及び生化学は、KaufmanによってTrends in Biotechnology,9(1991)及びHematology,63,p.155−65(1991)に記載されている。r−VIIISQの構造及び生化学は国際特許WO−A−9109122に記載されている。
高性能疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、タンパク質の精製に適した分離技術である。HIC段階を実施するための一般的特徴及び適当な条件は、K−O ErikssonによってProtein Purification;Principles,High Resolution Methods and Applications,VCH Publishers,Inc.,New York,p.207−226(1989)に記載されている。この技術においては、漸減するイオン強度をもつ溶液を使用し、界面活性剤を導入し、溶媒の極性を反転させ、及び/または、単に温度を低下させることによって比較的弱い疎水性固定相からタンパク質を溶出させる。このような比較的穏やかな条件は、活性を実質的に保持しながらタンパク質を回収するために有利である。
HICにおいて吸着及び脱着に影響を与える要因はT.Arakawa及びL.Owers NarhiによってBiotechnol.Appl.Biochem.13,p.151−172(1991)に十分に説明されている。種々のタンパク質とHICゲル(樹脂)との相互作用に対する界面活性剤の影響は、J.J.Buckley及びD.B.WetlauferによってJ.Chrom.,518,p.99−110(1990)に記載されている。しかしながらこの文献の主な目的は、勾配溶出プロフィルに対する界面活性剤の影響を評価することであった。
疎水性または半疎水性のリガンドに接触する種々のゲル(樹脂)が文献に記載されており、例えば、アミノアルキル基またはジアミノアルキル基で誘導体化したアガロースがある。従来技術には、このようなゲルを利用することによってVIII因子を精製したいくつかの実例がある。例えば、CNBrカップリング技術を使用し、Sepharose(登録商標)4B(Pharmacia AB,Uppsala,Swedenより販売)をブチルアミンで誘導体化することによってブチルアガロースゲルが調製された。得られたゲルをVIII因子の精製に利用した。これらは、Th.VukovichらによってFolia Haematol.Leipzig,107(1),p.148−151(1979)に、及び、Th.VukovichらによってHaemostasis and Thrombosis(Proc.Serono Symp.),G.G.Neri Serneri and C.R.M.Prentice eds.,15,p.407−410(1979)に報告されている。タンパク質混合物を極めて低いイオン強度でこのゲルに吸着された。脱着は塩化ナトリウムの濃度を増加させることによって得られた。これは、利用された力が主として静電気であること、即ち、関与するメカニズムが通常はイオン交換クロマトグラフィー(IEC)と呼ばれているメカニズムであることをはっきりと示す。更に、例えば、B.L.Johansson及びI.DrevinはJ.Chrom.,321,p.335−342(1985)において、CNBrカップリング技術がリガンドとマトリックスとの間のイソ−ウレア基を生成し、これは酸性及び中性のpHで正電荷を有していると報告している。これはゲルの全体特性に著しい影響を与える。
Morgenthalerは、Thromb.Haemostas.,47(2),p.124(1982)に記載されているように、アミノアルキル基またはジアミノアルキル基で誘導体化した一連のアガロースゲルによるVIII因子精製を比較した。アミノアルキル基で誘導体化したアガロースゲル(アルカンSepharose(登録商標))にVIII因子を可逆的に結合させることは難しいことが判明した。従って、塩誘導溶出は、CNBrカップリング技術を用いて短いアミノアルキル基で誘導体化したゲルからのみ可能であり、しかもある程度の結果にしか到達しないことが判明した。エチレングリコール溶出はアルキル鎖の長さにかかわりなく失敗した。対照的に、0.1%以上の濃度の界面活性剤を添加することによって、この種のカラムからVIII因子の脱着が得られることが知見された(欧州特許EP−A−0209401)。しかしながら、示された実施例では、HICカラムの容量及び溶出因子の濃度は低い値であった。
欧州特許EP−A−0286323は、ポリペプチド、特にVIII因子を精製するための2段階手順に関する。第一段階は固定化抗体を使用し、第二段階は親和性の領域に基づく。親和性の領域はイオン交換ゲルでもよくまたはHICゲルでもよい。界面活性剤は本来はウイルス不活性化に対して有効な物質として考えられている。界面活性剤がイオンの力に媒介される分子間会合を抑制することも従来技術に示されているが、親和性の領域における脱着段階中に界面活性剤を使用したという報告はない。
米国特許US−A−4,743,680もまた、カラムクロマトグラフィーによるVIII因子(抗血友病因子またはAHF)の精製中のバッファ組成物に関する。界面活性剤はアミノヘキシル−Sepharose(登録商標)のような混合機能アフィニティクロマトグラフィーゲルからの溶出を促進すると記載されている。米国特許US−A−4,743,680は、疎水性樹脂に対する吸着段階の界面活性剤の使用については記載していない。
HICをVIII因子精製に使用するのが難しい理由は、適当な保持窓(retention window)及び溶出条件を確立する際に様々の問題が生じるからである。「適当な保持窓」なる用語は、VIII因子分子は疎水性相互作用によってHICゲルの表面に保持されるが、主として核酸及びタンパク質から成る他の不純物は低度にしかまたは好ましくは全く保持されないことを意味する。更に、「VIII因子の適当な保持窓」なる用語は、VIII因子分子をあまり厳重でない条件で溶出させることができ、従って分子の変性が生じないことを意味する。このような窓は、マトクリックスとこれに付着した疎水性リガンドとから成る適当なゲルの選択によって得られる。リガンドの種類及び密度は、VIII因子分子とHICゲルの表面との間の相互作用、従って保持窓に顕著な影響を与える。保持窓に影響を与えるその他のパラメーターとしては例えばイオン強度、温度、pH及びカラムの長さがある。
治療用タンパク質製剤中では極めて低レベルの量の負電荷核酸は許容されるので、正電荷のような非特異的吸着因子の使用を避けることは方法の選択性に対して特に重要である。また、組換えDNA技術によって産生される治療用タンパク質の精製においては、DNAの含有量を米国食品医薬品局(FDA)によって規定された極めて低いレベルに減少させるのがかなり問題であることはよく知られている。最近の実例は、Miles Inc.のP.Ng及びG.MitraによってU.S.,J.Chrom.,A 658,p.459(1994)に開示されており、この実例では、DNAの濃度は減少しているが、32P R3 DNAハイブリダイゼーション法によって測定すると、治療用タンパク質の基準量(dosage)あたり約1ngの濃度までしか減少しなかった。
非電荷ゲルを穏やかな溶出条件と共に用いる純粋な疎水性相互作用クロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィー及びイムノアフィニティクロマトグラフィーで既に使用された分離基準に比べて追加の分離基準を使用するので、組換えVIII因子の精製方法にもう1つの要素を加える。従って、組換えVIII因子の総合的な精製を最適化するためにより多くの処理技術を使用し得ることになる。更に、過度に強い吸着はタンパク質のコンホメーションを変化させることもあり得るので、穏やかな条件による脱着を可能にする過度な強さの吸着が得られる条件を見出すことが重要であろう。
発明の詳細な説明
本発明の1つの目的は、高度に濃縮された極めて純粋な組換えVIII因子溶液を産生するための効率的な精製方法を提供することである。
本発明の別の目的は、活性が本質的に保持された効率的な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、高純度産物を提供しながらも段階中の滞留時間を短縮することである。
本発明の更に別の目的は、完全形のVIII因子を構造異常を有する分子から分別することが可能な処理段階を提供することである。
上記目的が本発明によって達成される。本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)ゲルにVIII因子含有水溶液を充填することによって組換え血液凝固VIII因子を夾雑物から精製する方法であって、水溶液をゲルに充填する前に、水溶液中及び/またはゲルを平衡させるために使用するバッファ溶液中に少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることを特徴とする方法に関する。
本発明の発明者らは意外にも、組換えVIII因子含有溶液をHIC段階に充填するときに界面活性剤を存在させ且つイオン強度を慎重に調整するならば、疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用が有利であることを知見した。このようにすると、表面にVIII因子分子を吸着するために十分な力が存在し、この力は、同じ分子の脱着が難しくなったりまたは不可能になったりするほど強力ではない。従って本発明の発明者らは、これまでに開示されたことがないようなHIP段階で精製される組換えVIII因子の保持窓を提供することに成功した。
本発明の使用により、DNAの含有量をかなり減少させることが可能である。DNAの含有量は典型的にはHIC段階の100分の1以下に減少する。クロマトグラフィー段階の順次処理が終点に近づくと、この含有量は典型的には米国のFDAによって現在設定されているレベルであるVIII:C因子1000IUあたり約10pgを下回る値まで減少する。我々の知識の範囲では、このような低レベルがこれまでに開示されたことはない。更に、夾雑物であるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の含有量もかなり減少し得る。
以下の記載から明らかなように、HIP段階は精製処理系の種々の位置で使用できる。試験したすべての位置で、構造異常を有するVIII因子分子を効率的に処分するためにVIII因子分子を分別することが可能であった。
本発明において、VIII因子は組換え体であり、全長VIII因子であるかまたは好ましくは血液凝固活性を有する全長VIII因子の欠失誘導体である。より好ましくは、欠失誘導体は組換えVIIISQ(r−VIIISQ)因子である。本文中の欠失誘導体なる用語は、B−ドメインの全部または一部が欠損しているが血液凝固活性は保持しているVIII因子を意味する。
疎水性相互作用クロマトグラフィーは、市販の種々のマトリックスに結合した疎水性の無電荷リガンド、好適には脂肪族または芳香族のリガンドを含むゲルで行う必要がある。無電荷リガンドを与える慣用のカップリング技術によってリガンドをマトリックスに結合させ得る。このような技術の最も常用の好適例はグリシジルエーテルカップリング手順である。この技術においては、ヒドロキシル基含有ポリマーを、一端に所望のアルキル基またはアリール基を含むグリシジルエーテルと反応させる。別の技術では、アガロースマトリックスを先ず水中でグリシドオキシプロピルトリメトキシシランによって活性化する。次いで、アルコール中でリガンドを固定化しこれをゲルにカップリングする。更に別の適当な技術では、アガロースマトリックスを先ず1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルのようなビス−エポキシドで活性化する。得られたエポキシ活性ゲルを多様なリガンド、例えば適当なアミノアルキルメルカプタンまたはアルキルメルカプタンにカップリングし得る。使用可能なその他の技術としては、例えば1,1′−カルボニル−ジイミダゾール活性化及びジビニルスルホン活性化がある。これらの技術によって得られるゲルは全pH範囲で無電荷である。即ち、ゲルが完全に無電荷であり、VIII因子分子と疎水性相互作用だけを行う。これらの技術に関しては、Janssonら,Packings and stationary phases in chromatographic techniques,Marcel Dekker Inc.,New York,p.762−766、及び、K−O Eriksson,Protein Purification; Principles,High Resolution Methods,and Applications,VCH Publishers,Inc.,New York,p.214−217(1989)を参照するとよい。
本発明において、脂肪族リガンドは、好適にはプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルから成るアルキル類のグループから選択され、好ましくはブチルである。また、オリゴエチレングリコール類、−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−OH〔但し、n<10〕からリガンドを適宜選択してもよい。オリゴエチレングリコールリガンドとの併用に好適なHICゲルの一例は、TosoHaas,Philadelphia,USAによって販売されているToyopearl(登録商標)HicPak(登録商標)Sampler Ether−650Mである。アルキルリガンドは直鎖状(ノルマルアルキル)でも分枝状(イソ−またはネオアルキル)でもよい。芳香族基は好ましくはフェニルである。マトリックスは、Pharmacia Biotech,Uppsala,Swedenによって販売されている種々のSepharose(登録商標)マトリックスのようなアガロースマトリックス、Tosoh Corp.,Tokyo,Japanによって販売されているTSK−GEL:sのような有機ポリマーマトリックス、または、Per Septive Biosystems,Boston,USAによって販売されている極めて多孔性の有機ポリマーマトリックス、のような種々の強い疎水性のマトリックスから選択できる。マトリックスは好ましくはアガロースマトリックスである。本発明に好適なアガロースマトリックスとしては、Sepharose(登録商標)以外にも、Kem−En−Tec A/S,Copenhagen,Denmarkによって販売されているMinileak(登録商標)及びBio−Rad,Brussels,Belgiumによって販売されているBio−Gel Aがある。好ましくは、高速流(FF)を可能にし、高い産生能力を与えるようにマトリックスを架橋させる。より好ましくは、本発明の疎水性相互作用クロマトグラフィーをButyl Sepharose(登録商標)4FFゲルにおいて行う。4個の炭素原子を含む短いアルキル基は、HIC表面とVIII因子分子との間に好適な強い相互作用を生じさせ、穏やかな脱着条件下の確実な分離を可能にする。
本発明の界面活性剤は好適には非イオン性界面活性剤、または、より正確には正味電荷0の界面活性剤である。好ましくは、界面活性剤は、ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪エステル及びアルキルエトキシレートから成るグループから選択される。ブロックコポリマーの好適例はポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールとの組合わせ、例えば、BASF,Germanyによって販売されているPluronic(登録商標)である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪エステルの好適例は、ポリオキシ−エチレン−(20)−ソルビタンモノラウレート、例えばTween(登録商標)80、及び、ポリオキシ−エチレン−(20)−ソルビタンモノオレエート、例えばTween(登録商標)20である。双方とも、ICI,Great Britainから販売されている。アルキルエトキシレートの好適例はUnion Carbide,USAによって販売されているTriton(登録商標)X−100である。
HIC表面からVIII因子分子を脱着させるときにも界面活性剤が存在するのが好ましい。その場合、界面活性剤非存在下の溶出に比較して効率が向上し得る。脱着中に存在する界面活性剤は吸着中に使用した界面活性剤と同じでもよくまたは異なっていてもよい。
HICに充填されるVIII因子水溶液中の界面活性剤の濃度は、0.004−1.0%(w/w)の範囲、好適には0.007−0.5%(w/w)の範囲、好ましくは0.01−0.09%(w/w)の範囲でなければならない。
充填前にゲルを平衡させるためにバッファ溶液を使用する場合、このバッファ中の界面活性剤の濃度は、HICに充填されるVIII因子水溶液中の濃度と同じでよい。しかしながら、界面活性剤の濃度がかなり低いバッファ、例えば上記に示したVIII因子水溶液の濃度の1/10の濃度のバッファを使用することも可能である。この場合、ゲルの界面活性剤を好適な濃度にするために例えば10倍量のバッファを用いてゲルを平衡させる。好ましくは、同じまたは異なる界面活性剤を含有するVIII因子水溶液を充填する前にゲルを界面活性剤で平衡させる。
VIII因子をHICから溶出させるときの界面活性剤の濃度は、0.5%(w/w)以下、好適には0.004−0.2%(w/w)、好ましくは0.01−0.09%(w/w)でなければならない。
HIC段階で充填される溶液のイオン強度及び溶出用溶液のイオン強度は、得られる精製のタイプ及び精製効率にとって重要である。従って、先ずVIII因子とDNAとの効率的な分離を可能にするためには、HICゲルに充填される溶液のイオン強度を、HICゲルからVIII因子を溶出させるために使用される溶液のイオン強度以上の値にしなければならない。そうでない場合には、この段階は普通のイオン交換段階であろう。更に、VIII因子分子の可逆性吸着を得るためには、HIC段階に充填される溶液のイオン強度は、0.3−4M、好適には0.6−2M、好ましくは1−1.5Mの範囲でなければならない。HIC段階からVIII因子を溶出させるために使用される溶液のイオン強度は、溶出開始のときに1M以下、好適には0.8M以下、好ましくは0.2−0.6Mでなければならない。溶出段階全体にわたってイオン強度を一定に維持してもよく、または、直線状もしくは段階的もしくは双方の組合わせの形態で減少させてもよい。
イオン強度の減少以外にも、溶媒の極性を反転させる、界面活性剤を添加する、及び/または、温度を低下させる、などによってVIII因子分子を溶出させる、即ち、疎水性相互作用を低下させることが可能である。例えばエチレングリコールまたは(イソ)プロパノールを添加することによって溶媒の極性を反転させ得る。
HIC段階に充填される溶液及びVIII因子を溶出させるために使用される溶液のイオン強度は好適には、アルカリ金属塩化物、例えば、塩化ナトリウムもしくは塩化カリウムまたは酢酸アンモニウムまたはその任意の組合わせの存在によって得られる。好ましくは酢酸アンモニウムを使用する。
吸着の効果は、HIC段階に充填される溶液に、単糖類、二糖類及び糖アルコールから成るグループから選択される少なくとも1種類の化合物、好ましくはソルビトールを存在させることによって増進し得る。この化合物の使用は、最初の濃縮用カチオン交換クロマトグラフィー段階の後にHIC段階を行うときに特に適当である。溶液中の単糖類もしくは二糖類または糖アルコールの濃度は、少なくとも5%(w/w)、好ましくは少なくとも10%(w/w)でなければならない。
VIII因子をゲル表面に吸着させるためにHICに充填される溶液は、約5−約8、好適には5.8−7.3、好ましくは6.1−6.8の範囲のpHを有し得る。精製されたVIII因子をゲル表面から脱着させるとき、溶出用溶液のpHは5.8−7.3、好適には6.1−6.8の範囲でなければならない。
HIC段階におけるVIII因子の吸着及び脱着は、室温、即ち18−25℃の温度で行うのが好適である。この場合には、複雑で高価な温度調節装置が不要である。しかしながら、室温で吸着させ温度を例えば約4℃まで下げることによって脱着させることも可能である。
本発明のHIC段階は、組換えVIII因子精製処理系の種々の他の段階と組合わせること及び精製処理系の複数の位置に組込むことが可能である。従って、例えばカチオン交換クロマトグラフィー段階から成る最初の濃縮段階後にHIC段階を実施してもよい。イムノアフィニティクロマトグラフィー(IAC)段階後にHIC段階を実施してもよい。しかしながら好ましくは、アニオン交換クロマトグラフィー段階後にHIC段階を実施する。このような方法では、アニオン交換段階で得られた溶出物の高いイオン強度を以後のHIC段階で利用できる。
本発明においては、精製処理系に合計で2回、3回またはより多い回数のHIC段階が含まれるようにHIC段階を繰り返してもよい。複数のHIC段階の使用によって不純物の含有量が更に減少し、同時にVIII因子の濃度が増加する。これらの利点及びその他の利点は勿論、装置の経費増加を勘案し、採算が合うように調整する。HIC段階を2回以上使用する場合、各HIC段階の間に中間処理段階を任意に存在させてもよい。
実施例に基づいて本発明をより詳細に以下に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
実験
組換えVIII因子の調製
組換えVIIISQ(r−VIIISQ)因子の産生を国際特許WO−A−9109122の実施例13に記載の手順にほぼ従って実施した。DHFR欠失CHO細胞系(DG44N.Y.)に、r−VIIISQ遺伝子含有発現ベクターとジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子含有発現ベクターとを電気穿孔によって導入した。選択培地で選択後、段階的に増量するメトトレキセート中で増殖させることによって生存コロニーを増幅した。得られたコロニーの上清をVIII因子活性に基づいて個々にスクリーニングした。産生クローンを選択し、次いで、規定培地中で無血清懸濁増殖させ、最後に大規模細胞培養処理に発展させた。複数の時期に上清を採取し、以下に記載の手順で更に精製した。
実施例1
(ウシ胎仔血清を含有する)ならし培地を清澄化し、次いで正接流濾過によって濃縮した。凍結し解凍した後、溶液を20ミリモル/リットルのイミダゾールで緩衝した。塩化ナトリウムを濃度1.0モル/リットルまで添加し、塩化カルシウムを5ミリモル/リットルまで添加した。
溶液をイムノアフィニティクロマトグラフィーゲルに充填した。ゲルのリガンドは、VIII因子のH鎖に対するモノクローナル抗体(mAb、8A4と命名)であった。洗浄後、50ミリモル/リットルのCaCl2と50%のエチレングリコールとを含有するバッファによってVIII因子を溶出させた。
mAb溶出物を、Pharmacia AB,Uppsala,Swedenから販売されているアニオン交換カラムQ Sepharose(登録商標)FFに充填した。洗浄後、50ミリモル/リットルのヒスチジン、0.6モル/リットルのNaCl、1ミリモル/リットルのCaCl2及び0.2g/リットルのTween80(登録商標),pH6.8を含有するバッファによってVIII因子を溶出させた。
Butyl Sepharose(登録商標)4FFゲルを用いるバッチ式吸着実験を本発明に従って実施した。疎水性相互作用クロマトグラフィーゲルを水洗し、次いで各0.1gのドライゲルを8個のエッペンドルフ管に導入した。50ミリモル/リットルのヒスチジンと1ミリモル/リットルのCaCl2とを含有し且つ以下の表に示すような種々のpHを有し且つ種々の濃度の塩(NaCl)及び界面活性剤(Tween 80(登録商標))を含有する1.2mlのバッファ中で室温でゲルを平衡させた。1630IU/mlのVIII:C活性を有するVIII因子含有Q−溶出物を各管に40マイクロリットルずつ加えた後、管を10rpmで完全に回転させた。指定された時間に管を2000rpmで1分間遠心し、サンプル(150ml)を上清から採取し、分析するまで凍結保存した。25ミリモル/リットルのヒスチジンと0.5ミリモル/リットルのCaCl2と0.4モル/リットルのNaClとを含有する0.5mlの溶液の添加によって溶出を実施した。pHは6.8であり、溶出用溶液中に界面活性剤は存在していなかった。次に管を30分間回転させ、次いで上記のように遠心した。水を用いて同じ手順で第二の溶出を実施した。発色基質法、Coatest(登録商標)VIII因子キット(Chromogenix AB,Sweden)を使用してVIII因子のプロ凝固活性を測定した。方法の相対標準偏差(RSD)は7%である。溶出物中のVIII因子活性及び回収率は以下の表から明らかである。
Figure 0003871710
表から明らかなように、VIII因子の充填前にHICゲルに界面活性剤を存在させると、界面活性剤非存在下の試験に比較してVIII因子の活性及び回収率が飛躍的に増加する。
実施例2
実施例1に使用したならし培地を、実施例1で使用したQ Sepharose(登録商標)FFカラムからVIII因子を溶出させるまでは実施例1と同様に処理した。次いで、実施例1のButyl Sepharose(登録商標)4FFゲルを用いたバッチ式吸着実験を本発明に従って実施した。ゲルを水洗し、次いで各0.1gのドライゲルを9個のエッペンドルフ管に導入した。50ミリモル/リットルのヒスチジンと1ミリモル/リットルのCaCl2とを含有し、pH6.8を有し且つ以下の表に示す種々の濃度の塩(NaCl)及び界面活性剤(Tween 80(登録商標))を含む1.2mlのバッファを用いて別の組の9個の管を調製した。1630IU/mlのVIII:C活性を有するVIII因子含有Q−溶出物を各管に40マイクロリットルずつ加えた。サンプル採取後、1.0mlの各溶液をButylゲル管に導入し、次いで10rpmで完全に回転させた。指定された時間に管を2000rpmで1分間遠心し、サンプル(40マイクロリットル)を上清から採取し、分析するまで凍結保存した。50ミリモル/リットルのヒスチジンと1ミリモル/リットルのCaCl2とを含有する1.0mlの溶液の添加によって溶出を実施した。pHは6.8であり、溶出用溶液中に界面活性剤は存在していなかった。次に管を20分間回転させ、次いで上記のように遠心した。溶出物中のVIII因子活性及び回収率は以下の表から明らかである。
Figure 0003871710
表から明らかなように、VIII因子の充填前にHICゲルに界面活性剤を存在させると、界面活性剤非存在下の試験に比較してVIII因子の活性及び回収率が飛躍的に増加する。
実施例3
組換えVIII因子を実験の項に記載の方法で産生した。この場合、産生培地はウシ胎仔血清の代わりにヒト血清アルブミンを含んでいた。
ならし培地を濾過によって清澄化し、pHを調整し、次いで濾液をS Sepharose(登録商標)FFカラム(カラム容量3リットル)に充填した。洗浄後、5mMのCaCl2と0.02%のTriton(登録商標)X−100とを含有する塩バッファによってVIII因子を溶出させた。このカチオン交換クロマトグラフィー段階は2−8℃で実施した。S Sepharose(登録商標)FF段階の溶出物(S−溶出物)を以後の精製まで凍結した。Butyl Sepharose(登録商標)4FFカラム(カラム容量77ml)を室温で1Mのソルビトールと1.2MのNaClと0.1MのNH4Acと5mMのCaCl2と0.02%のTriton(登録商標)X−100,pH6.8とを含有するバッファによって平衡させた。S−溶出物を解凍し、平衡バッファの組成に合わせて調整した。次に、室温でHICカラムに充填し、次いでカラムの4倍容の平衡バッファで洗浄した。0.4MのNaCl、0.02MのNH4Ac、5mMのCaCl2及び0.02%のTriton(登録商標)X−100,pH6.8を含有するバッファによって溶出を実施した。
HIC溶出物をイムノアフィニティクロマトグラフィーによって更に精製すると、11pg/kIUのDNA含有量が得られた。最後に、アニオン交換クロマトグラフィー段階で処理した後、DNA含有量は2.2pg/kIUを下回っていた。この低い含有量はHIC段階なしでは達成されなかった。VIII因子活性及びDNA対VIII因子の比は以下の表から明らかである。
Figure 0003871710
表から明らかなように、本発明のHIC段階の使用によってDNA含有量をかなり減少させることが可能である。
実施例4
実施例3に従ってS−溶出物を調製した。Butyl Sepharose(登録商標)4FFカラム(カラム容量1.2リットル)を室温で1Mのソルビトール、1.1MのNaCl、0.1MのNH4Ac、5mMのCaCl2及び0.02%のTriton(登録商標)X−100,pH6.8を含有するバッファ溶液で平衡させた。S−溶出物を解凍し、平衡バッファの組成に合わせて調整した。次に、室温でHICカラムに充填し、次いでカラムの4倍容の平衡バッファで洗浄した。0.75Mのソルビトール、0.32MのNaCl、0.1MのNH4Ac、5mMのCaCl2及び0.02%のTriton(登録商標)X−100,pH6.8を含有するバッファによって溶出を実施した。
Figure 0003871710
表から明らかなように、本発明のHIC段階の使用によって、DNA含有量を典型的には100分の1に減少させることが可能である。更に、CHO細胞の含有量も約10分の1に減少し得る。
実施例5
実施例3に従ってS−溶出物を調製した。3.700mlのS−溶出物を解凍し、温度を室温に調節した。トリ−n−ブチルホスフェート(TNBP)及びTriton(登録商標)X−100を夫々最終濃度0.3%(v/v)及び1.0%(v/v)で用いた30分間のインキュベーションによってウイルス失活を実施した。260mlの容量のモノクローナル抗体(mAb)イムノアフィニティカラムを、対応する量のウイルス失活薬品を含有するS−溶出物バッファで平衡させた。次にVIII因子溶液をmAbカラムに充填し、次いでカラムを洗浄した。50%のエチレングリコールを含有するバッファによって溶出を実施した。
49mlのButyl Sepharose(登録商標)4FFカラムを、50mMのヒスチジン、1.4MのNH4Ac、10%のエチレングリコール、50mMのCaCl2及び0.02%のTriton(登録商標)X−100,pH6.4を含有するバッファで平衡させた。イムノアフィニティカラムから得られた35mlの溶出物(mAb−溶出物)を平衡バッファに準じた最終組成になるようにバッファで5倍に希釈し、次いで直線流速35cm/時でHICカラムに充填し、カラムの5倍容の平衡バッファで洗浄した。最後にカラムを50mMのヒスチジン、0.5MのNH4Ac、50mMのCaCl2及び0.02%のTriton(登録商標)X−100,pH6.4を含有するバッファで直線流速35cm/時で溶出させた。
Figure 0003871710
表から明らかなように、精製処理系の後期に本発明のHIC段階を使用すると、DNA含有量の極めて少ない最終産物を得ることが可能である。更に、CHO細胞の含有量も約10分の1に減少している。
実施例6
実施例5に従ってmAb−溶出物を調製した。Q Sepharose(登録商標)カラムを高濃度の塩化ナトリウムで予め平衡させ、次いでイムノアフィニティカラムを溶出させたバッファと同じ組成のバッファで平衡させた。mAb−溶出物を充填し、カラムを平衡バッファで洗浄し、次いで生理的イオン強度の洗浄用バッファで洗浄した。塩化ナトリウム濃度を0.6Mに上げることによってカラムを溶出させた。Q−カラムの洗浄及び溶出に界面活性剤は使用しなかった。50mMのヒスチジン、1.4MのNH4Ac、50mMのCaCl2及び0.02%のTween(登録商標)80,pH6.8を含有するバッファでButyl Sepharose(登録商標)4FFカラムを平衡させた。Q−溶出物にNH4Acを最終濃度1.0Mまで添加し、Tween(登録商標)80を0.02%まで添加した。この溶液を直線流速60cm/時でブチル−ゲルカラムに充填した。次にカラムをカラムの5倍容の平衡バッファで洗浄し、50mMのヒスチジン、0.5MのNH4Ac、50mMのCaCl2及び0.02%のTween(登録商標)80,pH6.8を含有するバッファで直線流速35cm/時で溶出させた。
Figure 0003871710
表から明らかなように、好適な精製処理系の後期に本発明のHIC段階を使用すると、極めて高いVIII因子活性を有しており同時にDNA及びCHO細胞タンパク質の含有量の極めて少ない溶出物を産生することが可能である。
実施例7
複数のS−溶出物のプールを使用して実施例6に記載の手順でQ−溶出物を調製した。Butyl Sepharose(登録商標)4FFカラムを、50mMのヒスチジン、1.3MのNH4Ac、50mMのCaCl2及び0.02%のTween(登録商標)80,pH6.8を含有するバッファで平衡させた。Q−溶出物を塩バッファで倍容に希釈し、NH4Acを最終濃度1.0M及びTween(登録商標)80を最終濃度0.02%まで加えた。この溶液を直線流速60cm/時でブチル−ゲルカラムに充填した。実施例6に記載の手順で洗浄及び溶出を実施した。
Figure 0003871710
表から明らかなように、好適な精製処理系の後期に本発明のHIC段階を使用すると、極めて高いVIII因子比活性を有しており同時にDNA及びCHO細胞タンパク質の含有量の極めて少ない溶出物を産生することが可能である。

Claims (20)

  1. 疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)ゲルにVIII因子含有水溶液を負荷する組換え血液凝固VIII因子の精製方法であって、前記水溶液を前記ゲルに負荷する前に、水溶液中及び/またはゲルを平衡させるために使用するバッファ溶液中に少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることを特徴とする方法。
  2. 少なくとも1種類の界面活性剤が水溶液及びバッファ溶液の双方に存在していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 非イオン性界面活性剤がブロックコポリマー類またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類から成るから選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 水溶液中の界面活性剤の濃度が0.01から0.09%(w/w)の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 水溶液がアルカリ金属塩化物及び酢酸アンモニウムから成るから選択された少なくとも1種類の塩を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 水溶液が単糖類、二糖類及び糖アルコールから成るから選択された少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ゲルに負荷される水溶液が、VIII因子をゲルから溶出させるために使用される溶液のイオン強度以上のイオン強度を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ゲルに吸着されたVIII因子を1M以下のイオン強度を有する溶液によって溶出させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ゲルに吸着されたVIII因子を0.01から0.09%(w/w)の界面活性剤を含有する溶液によって溶出させることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ゲルに負荷される水溶液及びVIII因子を溶出させるために使用される溶液が6.1から6.8の範囲のpHを有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 精製のために使用される全pH範囲内でゲルが無電荷であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ゲルが、疎水性リガンドが結合したアガロースマトリックスから成ることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. リガンドが、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、フェニル及びオリゴエチレングリコールから成るグループから選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. リガンドが、グリシジル−エーテルカップリングによってアガロースマトリックスに結合したブチルリガンドであることを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 組換え血液凝固VIII因子が血液凝固活性を維持した全長VIII因子の欠失誘導体であることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. VIII因子の欠失誘導体が組換えVIIISQ因子(r−VIIISQ)の欠失誘導体であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 疎水性相互作用クロマトグラフィー段階に先行してアニオン交換クロマトグラフィー段階を行うことを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 疎水性相互作用クロマトグラフィー段階を2回以上行うことを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 血友病の症状を示す患者に投与するための医薬の製造における請求項1から19のいずれか一項に記載の方法で精製された組換えVIII因子を含む水溶液の使用
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