JP3871250B2 - カーテンウォールの入隅コーナー部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種のカーテンウォール工法(構造)に容易に対応可能とされるカーテンウォールの入隅コーナー部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、構造の簡略化や施工の効率化等のためのカーテンウォール工法も種々のものが提案されてきた。具体的には、予め四周を分割方立および横枠からなる枠材にカーテンウォールパネルを組み込んだカーテンウォールユニットを順に取り付ける、所謂ユニット工法(以下、フルユニット方式スプリットマリオン工法ともいう。)と、施工場所において躯体に方立を取り付けたならば、これら方立間に無目を取り付けて開口枠を形成し、各開口にカーテンウォールパネルを取り付ける手順による、所謂ノックダウン方式とが知られている。
【0003】
近年は、これらユニット方式とノックダウン方式との中間的な方式として、分割方立および横枠とからなるハシゴ形カーテンウォールユニットを順に取り付けた後、カーテンウォールパネルの取付けを行う、所謂ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法と、施工場所において躯体に方立を取付けたならば、これら方立に縦枠および横枠からなる枠材にガラス、パネルなどを組み込んだ、所謂セミユニット方式バックマリオン工法とが存在する。
【0004】
しかしながら、メーカー側が前述した4つのカーテンウォール工法にそれぞれ対応した商品を持つ場合、各工法毎にすべての形材、部品等を準備しておく必要があり、製作および管理が煩雑であるとともに、在庫管理品数が膨大となるなどの問題があった。
【0005】
そこで、本出願人は、先の特願2001-85803号において、複数種のカーテンウォール工法に容易に対応可能であるとともに、構成部品の在庫管理等を簡素化し得るカーテンウォールシステムを提案した。かかるカーテンウォールシステムは、方立部と、パネル面を構成する窓部とに構造的に分離した構造とされ、前記方立部を構成する代替可能な複数種の方立部材と、前記窓部を構成する代替可能な複数種の窓部構成部材とが予め用意され、前記複数種の方立部材と複数種の窓部構成部材とがカーテンウォール工法に応じた構造条件の下で任意に組合せ可能とされるものであり、これによりメーカー側では、複数のカーテンウォール工法を商品として用意しながら、部材の共通化によって煩雑な生産管理及び在庫管理を一元的に省力的に管理出来るようになるなどの利点がもたらされるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カーテンウォール構造においては、近年デザインの多様化に伴って外壁面に入隅を設けて単調なビル壁面にアクセントを付けることが多く行われている。このような入隅コーナー部への構造対応については、前述のように、複数種のカーテンウォール工法が提案されている状況では、基本的に各工法毎に独自の構造形式を採用することになるとともに、図29(A)(B)に示されるように、入隅角度毎、図示例では135°コーナー用形材80および90°コーナー用形材81というように角度毎に別々の形材を用意したり、若しくは完全に左右を分離し、それを所定の角度に合わせた部材または部品で接合していたため、非常に構造効率および施工効率が悪く、かつ保有する部材または部品が多くなるなどの問題があった。
【0007】
当然に、本出願人が提案した前記カーテンウォールシステムの下では、かかる入隅コーナー部についても、工法が異なっても部材の共通化を図り得る構造が強く望まれているとともに、入隅角度についても、意匠性を考慮して複雑な外壁面形状としたカーテンウォール構造に容易に対応させるために、入隅角度を任意の角度範囲で変更し得るものが望まれている。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、複数種のカーテンウォール工法に容易に対応可能としたカーテンウォールシステムにおいて、同じ部材を使用しながら各工法間に共通的に適用可能とするとともに、所定の角度範囲で入隅角度に対応可能とした入隅コーナー部構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、相対的に室内側に位置する方立部と、相対的に室外側に位置しパネル面を構成する窓部とに構造的に分離した構造とされ、前記方立部を構成する代替可能な複数種の方立部材と、前記窓部を構成する代替可能な複数種の窓部構成部材とが予め用意され、前記複数種の方立部材と複数種の窓部構成部材とがカーテンウォール工法に応じた構造条件の下で任意に組み合わせ可能とされることにより複数種のカーテンウォール工法に対応可能としたカーテンウォールシステムにおける入隅コーナー部構造であって、
交合するそれぞれのカーテンウォール面の入隅コーナー接続端位置に、方立を配設するとともに、この方立の室外面側であってかつ入隅コーナー部寄り側に入隅用縦枠を配置し、
前記入隅用縦枠は複数種の方立部材に対して連結可能とされるとともに、交合するカーテンウォール面の一方側に入隅用一方側縦枠を配置するとともに、交合するカーテンウォール面の他方側に入隅用他方側縦枠を配置し、室外側寄り位置において、前記入隅用一方側縦枠と、入隅用他方側縦枠とは、入隅角度調整の略開き角中心点を同心円とする、前記入隅用一方側縦枠から延在する部材の弧状面と、前記入隅用他方側縦枠から延在される部 材の弧状面とが互いに摺接しながら接続され、かつその室内側位置において前記入隅用一方側縦枠および入隅用他方側縦枠の内の一方から延在する部材と、前記入隅用一方側縦枠および入隅用他方側縦枠の内の他方から延在する部材とが摺接することにより、所定の角度範囲で入隅角度を調整可能とした状態で係合し、
前記入隅角度調整の略開き角中心点部位において、前記入隅用一方側縦枠から延在する部材の弧状面と、前記入隅用他方側縦枠から延在される部材の弧状面との接合部に、鉛直方向に沿うとともに、室外側に開口するポケット状凹空間が形成され、該ポケット状凹空間内にバックアップ材および不定形シール材からなる止水処理が施されていることを特徴とするカーテンウォールの入隅コーナー部構造が提供される。
【0010】
上記請求項1に係る本発明によれば、複数種の方立部材に対して連結可能とされる入隅用一方側縦枠と入隅用他方側縦枠とを入隅コーナー部に配設するとともに、これら入隅用一方側縦枠および入隅用他方側縦枠を室外側寄り位置において所定の角度範囲で入隅角度を調整可能とする状態で係合させることによりカーテンウォール面同士の接合を図るようにしている。したがって、工法が異なっても、前記入隅用一方側縦枠と入隅用他方側縦枠とを共通的に使用することが可能になるとともに、所定の角度範囲で入隅角度に対応可能となる。
【0011】
また、前記入隅用一方側縦枠と入隅用他方側縦枠との係合部構造を、相対的に室外側位置において弧状面同士を摺接させることにより形成した摺接接合面と、その室内側において形成された摺接部とによる二重の摺接面を形成している。したがって、前記室外側の摺接接合面においては、後述の請求項3記載の発明と相まって、確実に止水ラインを形成することが可能となるとともに、室内側の摺接部により入隅用一方側縦枠と入隅用他方側縦枠とを確実にガイドしながら所定の開き角に位置決めできるようになる。
【0012】
更に、前記入隅角度調整の略開き角中心点部位において、前記入隅用一方側縦枠から延在する部材の弧状面と、前記入隅用他方側縦枠から延在される部材の弧状面との接合部には、鉛直方向に沿うとともに、室外側に開口するポケット状凹空間が形成され、該ポケット状凹空間内にバックアップ材および不定形シール材からなる止水処理が施されていることにより、入隅コーナー部の室外側位置において確実に止水を図ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0014】
《本カーテンウォールシステム》
本発明に係るカーテンウォール構造は、図1に示されるように、ノックダウン工法KD、ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LU、セミユニット方式バックマリオン工法BMおよびフルユニット方式スプリットマリオン工法SMの4つの工法(構造)間において、最大限に部材の共通化を図ることにより、最小限の部材変更により、複数種のカーテンウォール工法に容易に対応可能であるとともに、構成部品の在庫管理等を簡素化したカーテンウォール構造である。
【0015】
具体的には、カーテンウォール構造は、相対的に室内側に位置する方立部と、相対的に室外側に位置しパネル面を構成する窓部とに構造的に分離した構造とされ、同図に示されるように、前記方立部に関しては、ノックダウン工法KDおよびセミユニット方式バックマリオン工法BMの方立を共通化するとともに、ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUおよびフルユニット方式スプリットマリオン工法SMの方立を共通化し、一方前記窓部では、縦枠に関し、前記ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LU、セミユニット方式バックマリオン工法BMおよびフルユニット方式スプリットマリオン工法SMの縦枠を共通化するとともに、横枠に関し、セミユニット方式バックマリオン工法BMおよびフルユニット方式スプリットマリオン工法SMの横枠を共通化したものである。これら前記複数種の方立部材と複数種の窓部構成部材とは、カーテンウォール工法に応じた構造条件の下で任意に組合せ可能とされる。
【0016】
以下、本システム構成の理解のために、具体的にセミユニット方式バックマリオン工法BM、フルユニット方式スプリットマリオン工法SM、ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LU、ノックダウン工法KDの順で工法変更手順を交えながら、これらのカーテンウォール構造について詳述する。
【0017】
〔セミユニット方式バックマリオン工法〕
セミユニット方式バックマリオン工法BMに係るカーテンウォール構造は、建物躯体(床)の端部に固定された方立支持金具によって、水平方向に間隔をおいて上下方向に沿って方立2,2…を架け渡した後、この方立2,2…を支持部材として、縦枠3A、3Bおよび上・下横枠4A、4B、図示例では中間横枠5を含んで枠状部材を構成するとともに、この枠状部材の室外面側に縦押縁6A、6Bおよび横押縁7A、7Bを取付けガラスG、G(複層ガラス)を嵌め込んだパネルユニットUBMを順に取り付けるようにした構造のカーテンウォールである。
【0018】
前記方立2は、図2に示されるように、内空に隔壁を備え2つの中空室を有する断面略方形状の型材で、室外側面の両側縁部には、部材長手方向に沿って縦枠3A、3Bに当接する突片2a、2bが形成されている。
【0019】
前記方立2は、建物躯体の床端部に固定される方立支持金具によって支持される。具体的には、図19および図20に示されるように、躯体Fの端部にアンカー金具50が埋設固定されるとともに、このアンカー金具50に頭部が嵌合支持され、かつネジ部を外部に突出させて設けられた固定用ボルト51およびナット51Aによってファスナー52を固定し、一方前記方立2の上部側に取付け金具53をボルト64,64によって固定し、この取付け金具53とファスナー52との間にライナー金具55を介在させた状態で固定用ボルト56およびナット56Aによって締結している。なお、前記取付け金具53の上部にはボルト保持用筒53aが一体的に設けられ、かつこのボルト保持用筒53aに挿入された上下方向調整ボルト57の先端が前記ライナー金具55より延在する上部フランジ片55aの水平面に当接することにより据え付け時に方立2の鉛直方向の建付けが調整されるようになっている。なお、前記ボルト保持用筒53aの内面に雌ネジを設け、上下方向調整ボルト57を螺入してもよい。
【0020】
前記方立2、2の接続部では、上下方向に直列的に配設される方立2,2間に跨って挿入される左右一組の内挿部材により、すなわち相対的に下段側の方立2の上端中空部に下半部が挿入され、上半部が上段側方立2の下端中空部に挿入された左右一組の方立接合用内挿部材48、48により方立2、2の連続性が確保されるようになっている。
【0021】
方立2の固定が完了したならば、前記パネルユニットUBMが取り付けられる。前記パネルユニットUBMを構成する縦枠3A、3Bの内、一方の縦枠3Aは図2に示されるように、略方形断面の縦枠本体の室外側面において、その内方側にガラス支持部20を備えるとともに、外方側に室外側に延在する押縁取付け片21を備え、かつ外側見込み面にはウインドバリア取付け片22aとレインバリア取付け片22bとが形成されている。他方の縦枠3Bも同様に、略方形断面の縦枠本体の室外側面において、その内方側にガラス支持部20を備えるとともに、外方側に室外側に延在する押縁取付け片21を備えるが、外側見込み面には前記ウインドバリア取付け片22aに係止されたウインドバリア23が当接する突片24aと、前記レインバリア取付け片22bに係止されたレインバリア25が当接する突片24bとが形成されている。前記押縁取付け片21,21には、それぞれ縦押縁6A、6Bが取り付けられ、ガラスG、Gを間に挟んで、室内側および室外側にそれぞれ施工されたバックアップ材・シーリング材34、34により前記ガラスG、Gが嵌合溝内に支持されている。前記縦枠3A、3BはパネルユニットUBMが隣接配置された状態で左右対の関係で組み合わされる。
【0022】
また、前記縦枠3A、3Bの室内側面には、後述のフルユニット方式スプリットマリオン工法SM、ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUにおいて、背面側の分割方立13と連結するために、断面L字状係止片26a、26bおよび板状突片27a、27bが設けられている。
【0023】
一方、前記パネルユニットUBMを構成する上・下横枠4A、4Bの内、一方の上横枠4Aは図4に示されるように、断面略方形状の横枠本体の室外側に延在して下方側に向けてガラス嵌合溝を形成するように押縁取付け用延在片28が形成されるとともに、背面側には部材長手方向に沿ってボルト頭部嵌合用リップ条溝29が形成されている。前記押縁取付け用延在片28には横押縁7Aが取付けられ、前記横枠本体に取り付けられたガラス背面支持用ガスケット30と、バックアップ材・シーリング材31によってガラスG、Gが前記ガラス嵌合溝内に支持されている。
【0024】
また、他方の下横枠4Bは、断面略方形状の横枠本体の室外側に延在するとともに、上方側に向けてガラス嵌合溝を形成するように押縁取付け用延在片32が形成されるとともに、背面側には部材長手方向に沿ってボルト頭部嵌合用リップ条溝33が形成されている。前記押縁取付け用延在片32には横押縁7Bが取付けられ、ガラスG、Gを間に挟んで、室内側および室外側にそれぞれ施工されたバックアップ材・シーリング材34、34により前記ガラスG、Gがガラス嵌合溝内に支持されている。前記上横枠4A、下横枠4Bは、パネルユニットUBMが隣接配置された状態で上下対の関係で組み合わされる。
【0025】
他方、中間横枠5は、図3に示されるように、単一中空断面の横枠本体の室外側面に、上下段配置でそれぞれ上側ガラス用押縁取付け片35と、下側ガラス用押縁取付け片36とが設けられ、前記上側ガラス用押縁取付け片35に取り付けられた横押縁8Aによって上側ガラス嵌合溝が形成されるとともに、前記下側ガラス用押縁取付け片36に取り付けられた横押縁8Bによって下側ガラス嵌合溝が形成される。ガラスG、Gは、室内側および室外側にそれぞれ施工されたバックアップ材・シーリング材34/ガラス背面支持用ガスケット30によりガラス嵌合溝内に支持されている。また、室内側面には、部材長手方向に沿ってボルト頭部嵌合用リップ条溝37が設けられている。
【0026】
前記構造のパネルユニットUBMは、方立2に対して取付け用ブラケット9を用いて取り付けられる。前記取付け用ブラケット9は、断面L字状のピース状部材で、方立側フランジ9Aおよび横枠側フランジ9Bのそれぞれには、方立ボルト挿通孔9aおよび横枠ボルト挿通孔9bが形成され、前記方立ボルト挿通孔9aおよび方立2を貫いて挿通された方立ボルト10により方立2の両側に前記取付け用ブラケット9,9が固定される。前記パネルユニットUBMの取付けに当たっては、図示しないクレーン設備等によって前記パネルユニットUBMを取付け位置まで吊り運搬したならば、前記上・下横枠4A、4Bおよび中間横枠5の背面側に形成されたボルト頭部嵌合用リップ条溝29、33,37に対して、横枠固定ボルト11の頭部11aを嵌合させ、背面側に突出するネジ部11bを前記取付け用ブラケット9の横枠ボルト挿通孔9bに挿通し、ナット12により締結するようにする。
【0027】
前記パネルユニットUBMを隣接配置した状態では、水平方向に隣接するパネルユニットUBM間では、図2に示されるように、隣接する縦枠3A、3B間においてレインバリア25,ウインドバリア23によって気水密性が確保されるようになっているとともに、上下方向に隣接パネルユニット間UBM間では、図4に示されるように、シールパッキン42により気水密性が確保されるようになっている。一方、目地交点部では、隣接する上・下横枠4A、4B間においては、上横枠4Aの上面側に気密バリヤ39を一体的に備えるレインバリア38が配設され、このレインバリア38の舌片が下横枠4Bの下面に接触することにより、およびこれの室内側位置において、さらに気密バリヤ41を一体的に備えるウインドバリア40を設けることにより、目地交点部から雨水等が浸入するのを確実に防止するようになっている。前記レインバリア38、ウインドバリア40は水平方向に隣接するパネルユニットUBMの上横枠4A、4A間に跨って所定の区間長に亘って配設される。
【0028】
〔フルユニット方式スプリットマリオン工法〕
フルユニット方式スプリットマリオン工法SMに係るカーテンウォール構造は、方立を左右の分割構造とし、分割方立を一体的に備える縦枠3A、3B、上・下横枠4A、4Bおよび中間横枠5によって枠状部材を構成するとともに、この枠状部材の室外面側に縦押縁6A、6Bおよび横押縁7A、7Bを取付けるとともに、ガラスG、G(複層ガラス)を嵌め込んだパネルユニットUSMを順に建物躯体(床)の端部に固定された方立支持金具に取り付けるようにした構造のカーテンウォールである。
【0029】
前述のセミユニット方式バックマリオン工法BMに係るカーテンウォール構造を本フルユニット方式スプリットマリオン工法SMに係るカーテンウォール構造に変更するには、図5に示されるように、方立2の変更のみで対応できるようになっている。具体的には同図に示されるように、単一断面構造の前記方立2に代えて、左右対の分割方立13A、13Bからなり、左右の関係で組み合わされ一体を成す方立13が使用される。ここで、前記方立2の外部形状、すなわち縦寸法A×横寸法Bと、前記分割方立13の外部形状(A×B)とは同一とされる。
【0030】
一方側の分割方立13Aは、略方形状の中空断面を成し、対向面の室内側寄り位置には凹部13aが形成されているとともに、室外側の面には部材長手方向に沿って板状突片13b、L字状突片13cが夫々形成されている。他方の分割方立13Bも同様に、略方形状の中空断面を成し、対向面の室内側寄り位置には突片13dが形成され、室外側の面には部材長手方向に沿って板状突片13f、L字状突片13eが夫々形成されている。
【0031】
前記分割方立13Aを縦枠3Aの室内側面に一体的に組み付けるには、前記分割方立13Aの室外側面に形成されたL字状突片13cを縦枠3Aの室内側面に形成された断面L字状係止片26aに係止するとともに、分割方立13Aの室外側面に形成された板状突片13bを縦枠3Aの室内側面に形成された板状突片27aと重ね合わせ、両者を貫通する連結リベット43,43…によって連結を図る。この連結部には縦方向に沿ってカバー材44が取り付けられる。
【0032】
一方の分割方立13Bを縦枠3Bの室内側面に一体的に組み付ける場合も同様に、前記分割方立13Bの室外側面に形成されたL字状突片13eを縦枠3Bの室内側面に形成された断面L字状係止片26bに係止するとともに、分割方立13Bの室外側面に形成された板状突片13fを縦枠3Bの室内側面に形成された板状突片27bと重ね合わせ、両者を貫通する連結リベット43,43…によって連結を図る。この連結部にも縦方向に沿ってカバー材44が取り付けられる。
【0033】
前述した以外の構造部分、具体的に縦枠3A、3B、上・下横枠4A、4B、中間横枠5、縦押縁6A、6B、横押縁7A、7B等については、前記セミユニット方式バックマリオン工法BMの場合と全く同様であるため、同符号を付して説明は省略する。
【0034】
以上、分割方立13A、13Bを含みながら構成されたパネルユニットUSMは躯体(床)に固定された方立支持金具に対して順に取り付けられる。前記方立支持金具は、図21および図22に示されるように、躯体Fの端部にアンカー金具50が埋設固定されるとともに、このアンカー金具50に頭部が嵌合支持され、かつネジ部を外部に突出させて設けられた固定用ボルト51およびナット51Aによってファスナー52が固定された構造のもので、前記分割方立13の上部側に取付け金具53をボルト・ナット54,54および裏当材58を用いて固定しておき、図示しないクレーン設備等によって前記パネルユニットUSMを取付け位置まで吊り運搬したならば、前記取付け金具53とファスナー52との間にライナー金具55を介在させた状態で固定用ボルト56およびナット56Aによって締結し固定する。なお、前記取付け金具53の上部にはボルト保持用筒53aが一体的に設けられ、かつこのボルト保持用筒53aに挿入された上下方向調整ボルト57の先端が前記ライナー金具55より延在する上部フランジ片55aの水平面に当接することにより据え付け時に分割方立13の鉛直方向の建付けが調整されるようになっている。なお、前記ボルト保持用筒53aの内面に雌ネジを設け、上下方向調整ボルト57を螺入してもよい。
【0035】
前記分割方立13、13の接続部(図8)では、相対的に下段側の分割方立13A、13Bの上端中空部に下半部が挿入され、上半部が上段側分割方立13A、13Bの下端中空部に挿入された左右一組の方立接合用内挿部材48、48により前記分割方立13の連続性が確保されるようになっている。
【0036】
〔ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法〕
ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUに係るカーテンウォール構造は、方立を左右の分割構造とし、分割方立を一体的に備える縦枠3A、3B、上下二段の中間横枠5によって構成されるハシゴ形の面材をパネルユニットULUとして順に建物躯体(床)の端部に固定された方立支持金具に取り付けた後、枠状部材の室外面側に縦押縁6A、6Bおよび横押縁8A、8Bを取付けるとともに、ガラスG、G(複層ガラス)を嵌め込むようにした構造のカーテンウォールである。
【0037】
前記フルユニット方式スプリットマリオン工法SMに係るカーテンウォール構造を本ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUのカーテンウォール構造に変更するには、図9に示されるように、上・下横枠4A、4Bを単一断面構造の横枠、具体的には前記セミユニット方式バックマリオン工法BMおよびフルユニット方式スプリットマリオン工法SMに係るカーテンウォール構造において、中間横枠5として用いた横枠に変更するのみで足りる。これ以外の構造部分、具体的に分割方立13,縦枠3A、3B、縦押縁6A、6B、横押縁8A、8B等については、前記フルユニット方式スプリットマリオン工法SMの場合と同様であるため、同符号を付して説明は省略する。
【0038】
分割方立13A、13Bを含みながら構成された前記パネルユニットULUを躯体(床)に固定された方立支持金具に対して順に取り付けたならば、縦枠3A、3Bおよび中間横枠5,5に縦押縁6A、6Bおよび横押縁8A、8Bを取付けるとともに、縦枠3A、3Bおよび中間横枠5,5によって囲まれた枠内に対して、ガラスG、Gを嵌め込み、ガラスG、Gを間に挟んで室内側および室外側にそれぞれ施工されたバックアップ材・シーリング材34、ガラス背面支持用ガスケット30により支持するようにする。
【0039】
なお、前記分割方立13、13の接続構造は、前記フルユニット方式スプリットマリオン工法SMと全く同様である。
【0040】
〔ノックダウン工法〕
ノックダウン工法KDに係るカーテンウォール構造は、建物躯体(床)の端部に固定された方立支持金具によって、水平方向に所定の間隔をおいて上下方向に沿って方立2,2…を固定した後、前記方立2,2の室外側面に縦枠14を取り付けるとともに、上下方向に所定の間隔で横枠(無目)を架け渡して窓部開口枠を構成し、この開口枠の室外側に横押縁7A'、7B'を取付け、ガラスG、G(複層ガラス)を嵌め込むようにした構造のカーテンウォールである。
【0041】
前記ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法に係るカーテンウォール構造を本ノックダウン工法に係るカーテンウォール構造に変更するには、分割方立13、縦枠3A、3Bおよび中間横枠5,5を変更する。
【0042】
具体的には、図13に示されるように、前記分割方立13に代えて単一断面構造の方立2を使用するとともに、図14に示されるように、前記縦枠3A、3Bおよび縦押縁6A、6Bに代えて左右両側に夫々ガラス嵌合溝を形成するようにした縦枠14を使用する。また、図15に示されるように、中間横枠5,5に代えて中間横枠18,19を使用する。
【0043】
より詳しく説明すると、前記方立2は、前記セミユニット方式バックマリオン工法BMにおいて使用した方立2がそのまま使用される。また、前記縦枠14は、方立2の室外側面に取り付けられる断面T字状を成す中間連結部材15、この中間連結部材15にビス45,45…によって連結される断面逆T字状を成す縦枠本体16、およびこれら中間連結部材15および縦枠本体16の両側に夫々取り付けられ、ガラス背面側を支持するためのガラス支持部1a、17bを有する側枠17A、17Bとから構成されるもので、ノックダウン工法KDに専用で使用される部材である。
【0044】
一方、前記中間横枠5は機能の点、すなわち上側および下側にそれぞれ開口を向けたガラス嵌合溝を形成している点から言えば、本ノックダウン工法KDにおいてもそのまま使用することもできるが、断面形状の縮小化を図るとともに、前記縦枠本体16の見付け外観との整合を図るために、専用の中間横枠18,19を使用するようにしている。前記中間横枠18,19はほぼ類似形状の断面をしているが、腰部に使用される中間横枠19には、上面の室内側より位置に腰壁嵌合溝を形成するために起立壁19cを有する断面形状となっている。
【0045】
前記中間横枠18,19は共に、略方形断面を成す横枠本体の室外側面に断面略L字状を成す押縁取付け片18a、19aを有し、この押縁取付け片18a、19aの上面側に横押縁7A'を取り付けるとともに、下面側に横押縁7B'を取付け、上側および下側にそれぞれ開口を向けたガラス嵌合溝を形成するようになっている。
【0046】
施工に当たっては、先ず建物躯体(床)の端部に固定された方立支持金具に方立2、2…を固定する。固定態様は、前記セミユニット方式バックマリオン工法BMの場合と同様である(図19および図20参照)。
【0047】
次いで、図16に示されるように、方立2,2…の室外側面に対して前記中間連結部材15を連結ビス46,46…によって固定するとともに、この中間連結部材15に縦枠本体16を連結する。前記縦枠本体16の中間横枠18,19配設部位には両側にそれぞれ横枠支承金具47,47を取り付け、これら横枠支承金具47,47間に横架させるようにして中間横枠18,19を取り付ける。その後、前記中間連結部材15、縦枠本体16の両側にそれぞれ側枠17A、17Bを取り付けて、ガラス嵌合溝を構成する。
【0048】
こうして、方形枠状のガラス嵌合溝が形成されたならば、横押縁7A'、7B'を取付け、ガラスG、Gを嵌め込むとともに、室内側および室外側にそれぞれ施工されたバックアップ材・シーリング材34またはガラス背面支持用ガスケット30により支持するようにする。なお、前記方立2、2の接続構造は、前記セミユニット方式バックマリオン工法BMと全く同様である。
【0049】
以上、セミユニット方式バックマリオン工法BM、フルユニット方式スプリットマリオン工法SM、ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LU、ノックダウン工法KDの順で工法変更手順を交えながら、これらのカーテンウォール構造について詳述したが、本構造に係るカーテンウォールシステムの場合には、代替可能な複数種の方立部材と、前記窓部を構成する代替可能な複数種の窓部構成部材とが相互に嵌め合い可能であるとともに、異なる工法間で横枠同士が相互に嵌め合い可能となっているため、1つの建物の壁面内で異なる工法のユニットまたは部材を組み合わせて壁面を構成することが可能になる。すなわち、カーテンウォールの水平方向および縦方向に対し、セミユニット方式バックマリオン工法BM、フルユニット方式スプリットマリオン工法SM、ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LU、ノックダウン工法KDの4種類の中で任意の組み合わせが可能とされる。
【0050】
また、本カーテンウォールシステムでは、経年後にカーテンウォールの一部を同工法のカーテンウォールはもちろんのこと、異工法のカーテンウォールにより補修または外装表面材の取替えが可能となる。このリニューアル時の便宜のために、本カーテンウォール構造では、たとえば図4に示されるように、横枠の室内側において、横枠に設けられた蓋板係止具60と、額縁本体61とに跨って開口自在の蓋板62が取り付けられ、前記横枠が封鎖されるようになっている構造において、前記蓋板62は額縁本体61との固定に用いられているボルト63を取り除いた後、前記蓋板係止具60を回転中心として開いたとき、横枠部分が露出するようになっており、内装仕上げ材(膳板、ブラインドボックス、腰壁等)を破壊する必要なく、容易にリニューアル工事が行えるようになっている。
【0051】
《入隅コーナー部構造》
次いで、前記各工法における入隅コーナー部構造について、図23〜図28に基づいて詳述する。本入隅コーナー部構造においても、前述したカーテンウォールシステムの趣旨の下、コーナー部で使用される部材の共通化が図られるようになっている。以下、具体的にフルユニット方式スプリットマリオン工法SMおよびハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LU、セミユニット方式バックマリオン工法BM、ノックダウン工法KDの順で、これらのカーテンウォール工法の入隅コーナー部構造について詳述する。
【0052】
〔フルユニット方式スプリットマリオン工法SMおよびハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LU〕
前述の如く、フルユニット方式スプリットマリオン工法SMとハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUとは、縦方向部材、具体的には方立13,縦枠3A、3B、縦押縁6A、6B等の縦方向に配向される部材については変更を要しないため、入隅コーナー部の構造は同一の構造で対応可能となる。
【0053】
図23に示されるように、一方側の面(X方向面)と他方側の面(Y方向面)とが交差する入隅コーナー部では、それぞれの面側の端部方立として一般部と同様に分割方立13A、13Bからなる方立が使用される。しかし、縦枠としてはそれぞれの面側において、対面する対の縦枠の内、一般部側の縦枠については通常の縦枠3A(3B)が使用されるけれども、入隅コーナー部側の縦枠としては、入隅コーナー用として特製された縦枠70(以下、入隅用一方側縦枠という。)が一方側の面側(X方向面側)に、縦枠71(入隅用他方側縦枠という。)が他方側の面側(Y方向面側)に夫々配設されている。
【0054】
前記入隅用一方側縦枠70は、詳細には図24に示されるように、室内面側に断面L字状片26bおよび板状突片27bが形成され、分割方立13Bの室外側面に形成されたL字状突片13eを縦枠70の室内側面に形成された断面L字状係止片26bに係止するとともに、分割方立13Bの室外側面に形成された板状突片13fを縦枠70の室内側面に形成された板状突片27bと重ね合わせ、両者を貫通する連結リベット43,43…によって連結を図り、カバー材44が取り付けられている。
【0055】
また、外側見込み面には前記ウインドバリア取付け片22aに係止されたウインドバリア23が当接する突片24aと、前記レインバリア取付け片22bに係止されたレインバリア25が当接する突片24bとが形成され、縦枠3Aとの組み合わせ状態では、レインバリア25,ウインドバリア23によって気水密性が確保されるようになっている。
【0056】
前記入隅用一方側縦枠70の室外側先端部には、凸状部70dが形成され、入隅用他方側縦枠71との接合状態で、鉛直方向に沿って室外側交点部にシール施工のためにポケット状凹空間Mが形成されるようになっているとともに、入隅用他方側縦枠71への隣接面側には、断面略円弧状の中空部70Aが形成されている。この略円弧状中空部70Aは、入隅用一方側縦枠70と入隅用他方側縦枠71との入隅開き角調整の中心点となる仮想交合中心点Oを同心円として、相対的に室外側に位置する内側弧状面70cと、相対的に室内側に位置する外側弧状面70bとを有する形状を成すもので、外側基端部には意匠等のための前記外側弧状面70bの端部と縦枠70とを連結する連結弧状部70aが設けられている。なお、前記連結弧状部70aと、前記外側弧状面70bと、後述の入隅用他方側縦枠71の摺接片71bとで形成される段部にはシール材を充填することにより、室外側に施工されるシール材74と共に二重のシール構造とし、気水密性を向上させることもできる。
【0057】
一方、入隅用他方側縦枠71は、室内面側に断面L字状片26aおよび板状突片27aが形成され、分割方立13Aの室外側面に形成されたL字状突片13cを縦枠71の室内側面に形成された断面L字状係止片26aに係止するとともに、分割方立13Aの室外側面に形成された板状突片13bを縦枠71の室内側面に形成された板状突片27aと重ね合わせ、両者を貫通する連結リベット43,43…によって連結を図り、カバー材44が取り付けられている。
【0058】
また、外側見込み面にはウインドバリア取付け片22aとレインバリア取付け片22bとが形成され、縦枠3Bとの組み合わせ状態では、レインバリア25,ウインドバリア23によって気水密性が確保されるようになっている。
【0059】
前記入隅用他方側縦枠71の室外側先端部には、凸状部71dが形成され、入隅用一方側縦枠70との接合状態で、鉛直方向に沿って室外側交点部にシール施工のためにポケット状凹空間Mが形成されるようになっているとともに、入隅用一方側縦枠70への隣接面側には、室内外方向に離間をおいて、かつ入隅用一方側縦枠70と入隅用他方側縦枠71との仮想交合中心点Oを同心円として、相対的に室外側に位置する断面円弧状部材片71cと、相対的に室内側に位置するとともに、連結弧状部71aを介して前記仮想交合中心O側に延在する摺接片71bが形成されている。
【0060】
前記入隅用一方側縦枠70と入隅用他方側縦枠71とは、同図に示されるように、前記他方側縦枠71の断面円弧状部材片71cと摺接片71bとの間の空間部分に、一方側縦枠70の断面略円弧状の中空部70Aが挿入されるようになっている。この挿入状態では、一方側縦枠70の内側弧状面70cと、他方側縦枠71の断面円弧状部材片71cの外側面とが摺接し、かつ一方側縦枠70の外側弧状面70bと他方側縦枠71の摺接片71b先端とが摺接するようになっている。ここで、相対的に室外側の摺接面は気水密性を確保するための摺接面であり、相対的に室内側の摺接部は入隅用一方側縦枠70と入隅用他方側縦枠71とを確実にガイドしながら所定の開き角に位置決めできるようにするためのものである。
【0061】
前記一方側縦枠70と他方側縦枠71とが所定の角度状態で位置決めされたならば、鉛直方向に適宜の間隔で一方側縦枠70の内側弧状面70cと、他方側縦枠71の断面円弧状部材片71cの外側面との重ね代部分に連結ビス72,72…を螺入した後、一方側縦枠70の凸状部70dと、他方側縦枠71の凸状部71dとで形成されるポケット状凹空間M内にバックアップ材73を間詰めするとともに、その外側に不定形シール材74が充填され、止水性が確保されるようになっている。
【0062】
ところで、入隅コーナー部の室内側部分は、図25に示されるように、入隅用一方側縦枠70および他方側縦枠71に設けられた蓋板係止具60と、額縁本体61とに跨って開口自在の蓋板62が取り付けられ、前記横枠が封鎖されるようになっているとともに、前記蓋板62は額縁本体61との固定に用いられているボルト63を取り除いた後、前記蓋板係止具60を回転中心として開いたとき、横枠部分が露出するようになっており、内装仕上げ材(膳板、ブラインドボックス、腰壁等)を破壊する必要なく、容易にリニューアル工事が行えるようになっている。
【0063】
以上、入隅角度が90°の場合については述べたが、本構造の場合には、一方側縦枠70の内側弧状面70cと、他方側縦枠71の断面円弧状部材片71cの外側面との回転方向の摺接代が確保され、かつ一方側縦枠70の外側弧状面70bと他方側縦枠71の摺接片71b先端との摺接代が確保されているため、概ね入隅角度90°〜135°の範囲までの入隅角度に任意に対応できるようになっている。参考までに、図26に入隅角度135°の場合の横断面図を示す。
【0064】
〔セミユニット方式バックマリオン工法BM〕
次いで、セミユニット方式バックマリオン工法BMにおける入隅コーナー部構造について、図27に基づいて詳述する。
【0065】
本セミユニット方式バックマリオン工法BMにおける入隅コーナー部構造においても、前記フルユニット方式スプリットマリオン工法SMおよびハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUと同様に、入隅用一方側縦枠70と、入隅用他方側縦枠71とが使用される。
【0066】
本セミユニット方式バックマリオン工法BMにおいては、方立として単一断面の方立2が使用され、一般部では方立2と横枠4A、4Bとが取付け用ブラケット9により連結され、横枠間に縦枠3A、3Bが固定されるが、入隅コーナー部側では横枠が存在しないため、前記入隅用一方側縦枠70および入隅用他方側縦枠71は、それぞれ方立2の室外側面に直接、アングル状の連結ブラケット75を使用し、それぞれの側のフランジを方立2と、入隅用一方側縦枠70または入隅用他方側縦枠71にあてがい、ビス76,76により連結を図るようにする。
【0067】
これ以外の構造については、前記フルユニット方式スプリットマリオン工法SMおよびハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUと同様であるため、同符号を付して説明は省略する。
【0068】
〔ノックダウン工法KD〕
次に、ノックダウン工法KDにおける入隅コーナー部構造について、図28に基づいて詳述する。なお、本ノックダウン工法KDにおいても、前記入隅用一方側縦枠70と、入隅用他方側縦枠71とが使用される点は同様である。
【0069】
ノックダウン工法KDの一般部分では、方立として単一断面の方立2が使用されるが、入隅コーナー部では、一方側の面(X方向面)側の入隅コーナー部では、分割方立部と窓枠部とを一体的に備える方立13Cと、この方立13Cと組み合わされる分割方立13Bおよびこの分割方立13Bの室外側面に取り付けられる入隅用他方側縦枠70とから構成され、他方側の面(Y方向面)側の入隅コーナー部では、分割方立部と窓枠部とを一体的に備える方立13Dと、この方立13Dと組み合わされる分割方立13Aおよびこの分割方立13Aの室外側面に取り付けられる入隅用他方側縦枠71とから構成されている。
【0070】
前記方立13Cは、分割方立部(本体)の対向面側に分割方立13Bの突片13dが係合する凹部13gを備えるとともに、分割方立部から室外側に一体的に延在する縦枠部の外面側部分には、ウインドバリア取付け片22aとレインバリア取付け片22bとが形成され、入隅用一方側縦枠70との組み合わせ状態では、レインバリア25,ウインドバリア23によって気水密性が確保されるようになっている。また、縦枠内面側には側枠17Cを取り付けることによりガラス嵌合溝が形成されるようになっている。
【0071】
一方、方立13Dは、分割方立部(本体)の対向面側に分割方立13Aの凹部13aに係合する突片13hを備えるとともに、分割方立部から室外側に一体的に延在する縦枠の外面側部分には、前記ウインドバリア取付け片22aに係止されたウインドバリア23が当接する突片24aと、前記レインバリア取付け片22bに係止されたレインバリア25が当接する突片24bとが形成され、入隅用他方側縦枠71との組み合わせ状態では、レインバリア25,ウインドバリア23によって気水密性が確保されるようになっている。また、縦枠内面側には側枠17Dを取り付けることによりガラス嵌合溝が形成されるようになっている。
【0072】
前記した部分以外の構造、具体的には入隅用一方側縦枠70および入隅用他方側縦枠71の構造および接合構造、入隅用一方側縦枠70の分割方立13Bに対する取付け構造、入隅用他方側縦枠71の分割方立13Aに対する取付け構造等については、前記フルユニット方式スプリットマリオン工法SMおよびハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUの入隅コーナー部構造と同様であるため、同符号を付して説明は省略する。
【0073】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、複数種のカーテンウォール工法に容易に対応可能としたカーテンウォールシステムにおいて、同じ部材を使用しながら各工法間に共通的に適用可能とするとともに、所定の角度範囲で入隅角度に対応可能とした入隅コーナー部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本カーテンウォールのシステム構成説明図である。
【図2】 セミユニット方式バックマリオン工法における水平横断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図3】 セミユニット方式バックマリオン工法における中間横枠部縦断面図(図1のIII−III線矢視図)である。
【図4】 セミユニット方式バックマリオン工法における上・下横枠部縦断面図(図1のIV−IV線矢視図)である。
【図5】セミユニット方式バックマリオン工法からフルユニット方式スプリットマリオン工法へ変更する場合の部材変更図である。
【図6】 フルユニット方式スプリットマリオン工法における水平横断面図(図1のVI−VI線矢視図)である。
【図7】 フルユニット方式スプリットマリオン工法における中間横枠縦断面図(図1のVII−VII線矢視図)である。
【図8】 フルユニット方式スプリットマリオン工法における上・下横枠縦断面図(図1のVIII−VIII線矢視図)である。
【図9】 フルユニット方式スプリットマリオン工法からハシゴユニット方式スプリットマリオン工法へ変更する場合の部材変更図である。
【図10】 ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法における水平横断面図(図1のX-X線矢視図)である。
【図11】 ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法における中間横枠縦断面図(その1)(図1のXI-XI線矢視図)である。
【図12】 ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法における中間横枠縦断面図(その2)(図1のXII-XII線矢視図)である。
【図13】 ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法からノックダウン工法へ変更する場合の部材変更図(その1)である。
【図14】 ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法からノックダウン工法へ変更する場合の部材変更図(その2)である。
【図15】 ハシゴユニット方式スプリットマリオン工法からノックダウン工法へ変更する場合の部材変更図(その3)である。
【図16】 ノックダウン工法における水平横断面図(図1のXVI-XVI線矢視図)である。
【図17】 ノックダウン工法における中間横枠縦断面図(その1)(図1のXVII-XVII線矢視図)である。
【図18】 ノックダウン工法における中間横枠縦断面図(その1)(図1のXVIII-XVIII線矢視図)である。
【図19】 方立2を使用する場合の方立支持部平面図である。
【図20】 その側面図である。
【図21】 分割方立13を使用する場合の方立支持部平面図である。
【図22】 その側面図である。
【図23】 フルユニット方式スプリットマリオン工法SMおよびハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUにおける90°入隅コーナー部構造を示す横断面図である。
【図24】 その要部拡大図である。
【図25】 図23のXXV-XXV線矢視図である。
【図26】 フルユニット方式スプリットマリオン工法SMおよびハシゴユニット方式スプリットマリオン工法LUにおける135°入隅コーナー部構造を示す横断面図である。
【図27】 セミユニット方式バックマリオン工法BMにおける90°入隅コーナー部構造を示す横断面図である。
【図28】 ノックダウン工法KDにおける90°入隅コーナー部構造を示す横断面図である。
【図29】 (A)、(B)は共に従来の入隅コーナー部構造を示す図である。
【符号の説明】
BM…セミユニット方式バックマリオン、SM…フルユニット方式スプリットマリオン、LU…ハシゴユニット方式スプリットマリオン、KD…ノックダウン、2…方立、3A・3B…縦枠、4A…上横枠、4B…下横枠、5…中間横枠、6A・6B…縦押縁、7A・7B・8A・8B…横押縁、9…取付け用ブラケット、13…分割方立、14…縦枠、70…入隅用一方側縦枠、71…入隅用他方側縦枠

Claims (1)

  1. 相対的に室内側に位置する方立部と、相対的に室外側に位置しパネル面を構成する窓部とに構造的に分離した構造とされ、前記方立部を構成する代替可能な複数種の方立部材と、前記窓部を構成する代替可能な複数種の窓部構成部材とが予め用意され、前記複数種の方立部材と複数種の窓部構成部材とがカーテンウォール工法に応じた構造条件の下で任意に組み合わせ可能とされることにより複数種のカーテンウォール工法に対応可能としたカーテンウォールシステムにおける入隅コーナー部構造であって、
    交合するそれぞれのカーテンウォール面の入隅コーナー接続端位置に、方立を配設するとともに、この方立の室外面側であってかつ入隅コーナー部寄り側に入隅用縦枠を配置し、
    前記入隅用縦枠は複数種の方立部材に対して連結可能とされるとともに、交合するカーテンウォール面の一方側に入隅用一方側縦枠を配置するとともに、交合するカーテンウォール面の他方側に入隅用他方側縦枠を配置し、室外側寄り位置において、前記入隅用一方側縦枠と、入隅用他方側縦枠とは、入隅角度調整の略開き角中心点を同心円とする、前記入隅用一方側縦枠から延在する部材の弧状面と、前記入隅用他方側縦枠から延在される部材の弧状面とが互いに摺接しながら接続され、かつその室内側位置において前記入隅用一方側縦枠および入隅用他方側縦枠の内の一方から延在する部材と、前記入隅用一方側縦枠および入隅用他方側縦枠の内の他方から延在する部材とが摺接することにより、所定の角度範囲で入隅角度を調整可能とした状態で係合し、
    前記入隅角度調整の略開き角中心点部位において、前記入隅用一方側縦枠から延在する部材の弧状面と、前記入隅用他方側縦枠から延在される部材の弧状面との接合部に、鉛直方向に沿うとともに、室外側に開口するポケット状凹空間が形成され、該ポケット状凹空間内にバックアップ材および不定形シール材からなる止水処理が施されていることを特徴とするカーテンウォールの入隅コーナー部構造。
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