JP3870660B2 - 内燃機関のアイドリングストップ制御装置およびこれを備える車両 - Google Patents

内燃機関のアイドリングストップ制御装置およびこれを備える車両 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行状態に応じて実行される内燃機関のアイドリングストップを制御するアイドリングストップ制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両走行中における信号待ちといった一時的な車両停止時に内燃機関の運転を停止させ、運転者の始動要求に応じて内燃機関の運転を再開させるいわゆるアイドリングストップ制御機能を備える車両が提案されている。このような内燃機関の自動運転停止・運転再開機能を備える車両では、内燃機関の自動運転停止・運転再開が実行されるため、内燃機関の運転再開時には迅速な内燃機関の再始動が要求される。
【0003】
内燃機関始動時における内燃機関の始動性を向上させる手段としては、セルモータによる内燃機関のクランキング中に内燃機関が有する複数の気筒におけるピストンの位置(クランクシャフトの回転角度)を検出することで最初に圧縮・排気行程を迎える気筒を判別し、判別した気筒に対して燃料噴射並びに点火処理を実行する方法が知られている。例えば、特開平8−61134号公報には、この方法を内燃機関の運転再開時にも適用し、内燃機関の自動運転停止後における内燃機関の自動運転再開を迅速に実行する技術が提案されている。
【0004】
クランクシャフトの回転信号の出力には、従来より電磁式ピックアップセンサ(MPU)が用いられており、MPUはクランクシャフトに備えられている被検出片が検出部を通過する際の磁束密度変化の早さに比例して出力信号が大きくなる性質を有している。そのため、クランクシャフト回転数が低下するに連れて信号出力とノイズの識別が困難となり、極低回転域(例えば、20r.p.m.以下)ではクランクシャフトの回転信号を出力できず、結果としてクランクシャフトの回転角度を検出することができない。MPUのこの性質は、極低回転域における運転に不向きな内燃機関の特性と一致しており、内燃機関の運転制御上、特に問題となることはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
内燃機関の自動運転停止・運転再開機能を備える車両では、車両が走行する道路上にて内燃機関の自動運転停止・運転再開が実行されるため、また、ドライバビリティを向上させるために内燃機関の運転再開時には内燃機関の運転開始時(アイドリングストップ制御機能によらない内燃機関の始動時)よりも迅速な内燃機関の再始動が要求される。しかしながら、MPUを用いてクランクシャフトの回転角度を検出する限り、MPUの不感帯と重なる内燃機関の停止直前・始動直後には正確なクランクシャフトの回転角度を検出することはできないという問題があった。また、クランクシャフトの回転角度を検出できなければ、次期点火気筒を判別することもできず、内燃機関の自動運転停止後における内燃機関の迅速な運転再開を実現できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、内燃機関と補機駆動用電動機とを備える車両において、内燃機関の運転停止時における内燃機関の出力軸の回転角度を容易に取得することを目的とする。また、内燃機関の始動を迅速に行い内燃機関の始動性の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の態様は、内燃機関の出力軸と電動機の出力軸とが結合されていると共に前記内燃機関の運転停止中には前記電動機によって補機が駆動される車両におけるアイドリングストップ制御装置を提供する。本発明の第1の態様に係るアイドリングストップ制御装置は、前記内燃機関の運転の停止条件または再開条件を判定する運転条件判定手段と、前記内燃機関の出力軸の回転数が所定回転数以上の領域にて前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、前記内燃機関回転信号が出力不能になった場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の回転角度を求める内燃機関回転角度算出手段と、前記内燃機関の運転停止時に前記内燃機関回転角度算出手段により算出された内燃機関の出力軸の回転角度を内燃機関停止回転角度として記憶する停止回転角度記憶手段と、前記内燃機関の始動時には前記記憶された内燃機関停止回転角度を始動情報として用いる内燃機関制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の態様アイドリングストップ制御装置によれば、内燃機関の運転停止時に内燃機関回転角度算出手段により算出された内燃機関の出力軸の回転角度を内燃機関停止回転角度として記憶するので、内燃機関の運転停止時における内燃機関の出力軸の回転角度を容易に取得することができる。
【0009】
本発明の第1の態様に係るアイドリングストップ制御装置において、前記内燃機関は複数の気筒を有し、前記内燃機関制御手段は、前記停止回転角度記憶手段によって記憶された前記停止回転角度記憶手段によって記憶された前記内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、前記判別した気筒から燃焼を実行させることができる。
【0010】
本発明の第1の態様に係るアイドリングストップ制御装置によれば、記憶されている内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、判別した気筒から燃焼を実行させるので、内燃機関を迅速に始動させることが可能となり、内燃機関の始動性を向上させることができる。
【0011】
本発明の第1の態様に係るアイドリングストップ制御装置において、前記内燃機関回転角度算出手段は、前記内燃機関回転信号が出力不能となった時、それまで前記内燃機関回転信号に基づいて算出した内燃機関回転角度に、前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号の積算値を用いて前記内燃機関の停止回転角度を算出することができる。かかる構成を備えることにより内燃機関回転信号が出力不能な場合であっても電動機回転信号に基づいて内燃機関の停止回転角度を算出することができる。また、前記回転信号相関手段は前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号との信号出力時間差を算出し、前記内燃機関回転角度算出手段は、さらに前記算出された信号出力時間差を用いて前記内燃機関の停止回転角度を算出することができる。かかる構成を備えることにより内燃機関運転停止時における内燃機関の出力軸の回転角度を容易かつ正確に取得することができる。
【0012】
本発明の第1の態様に係るアイドリングストップ制御装置によれば、前記回転信号相関手段は、前記内燃機関の回転数が第1のしきい値以下となった際に前記内燃機関回転信号と前記電動機回転信号とを相関させることができる。かかる構成を備えることにより、内燃機関回転信号と電動機回転信号の相関が必要とされる場合にだけ、両信号の相関を実行することができる。
【0013】
本発明の第1の態様に係るアイドリングストップ制御装置において、前記内燃機関停止回転角度記憶手段は、前記電動機回転信号出力手段によって回転信号が所定時間にわたり出力されない場合に前記内燃機関の運転停止を判定することができる。さらに、前記内燃機関回転信号出力手段は、磁気ピックアップ式センサであり、前記電動機回転信号出力手段は、ホール素子式センサであっても良い。
【0014】
本発明の第2の態様は、走行状態に応じて複数の気筒を有する内燃機関の運転を選択的に停止および再開させるアイドリングストップ機能を有すると共に前記内燃機関の出力軸と前記電動機の出力軸とが結合され、前記内燃機関の運転停止中には前記電動機によって補機が駆動される車両を提供する。本発明の第2の態様に係る車両は、前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、前記内燃機関回転信号出力手段よりも高い精度で前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、前記内燃機関回転信号出力手段によって前記内燃機関回転信号が出力不能となり、かつ前記内燃機関の運転が停止した場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の停止回転角度を求め、記憶する内燃機関停止回転角度記憶手段と、前記内燃機関の始動時には前記内燃機関停止回転角度記憶手段によって記憶されている前記内燃機関停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別する気筒判別手段と、前記気筒判別手段により判別された気筒から燃焼を実行させる内燃機関始動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の態様に係る車両によれば、内燃機関の運転停止時に内燃機関回転角度算出手段により算出された内燃機関の出力軸の回転角度を内燃機関停止回転角度として記憶するので、内燃機関の運転停止時における内燃機関の出力軸の回転角度を容易に取得することができる。したがって、内燃機関の出力軸回転角度を必要とする制御を容易に実行することが可能となり余裕をもって車両の制御を実行することができる。また、記憶されている内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、判別した気筒から燃焼を実行させることができる。したがって、内燃機関を迅速に始動させることが可能となり、停止状態にある車両を迅速に走行可能状態に復帰させることができる。
【0016】
本発明の第2の態様に係る車両において、前記内燃機関回転角度算出手段は、前記内燃機関回転信号が出力不能となった時、それまで前記内燃機関回転信号に基づいて算出した内燃機関回転角度に、前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号の積算値を用いて前記内燃機関の停止回転角度を算出することができる。かかる構成を備えることにより内燃機関回転信号が出力不能な場合であっても電動機回転信号に基づいて内燃機関の停止回転角度を算出することができる。また、前記内燃機関停止回転角度記憶手段は、前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号との信号出力時間差を算出し、さらに算出した信号出力時間差を用いて前記内燃機関の停止回転角度を求めることができる。かかる構成によれば、内燃機関の停止回転角度をより正確に求めることができる。
【0017】
本発明の第2の態様に係る車両において、前記回転信号相関手段は、前記内燃機関の回転数が所定回転数以下となった際に前記内燃機関回転信号と前記電動機回転信号とを相関させることができる。かかる構成を備えることにより、内燃機関回転信号と電動機回転信号の相関が必要とされる場合にだけ、両信号の相関を実行することができる。
【0018】
本発明の第2の態様に係る車両において、前記内燃機関回転信号出力手段は、磁気ピックアップ式センサであり、前記電動機回転信号出力手段は、ホール素子式センサであっても良い。ホール素子式センサは磁気ピックアップセンサよりも分解能が高く、より低い回転数においても回転信号を出力することができる。
【0019】
本発明の第3の態様は、走行状態に応じて内燃機関の運転を選択的に停止およびは再開させるアイドリングストップ機能を有し、前記内燃機関の運転停止中には電動機によって補機が駆動される車両におけるアイドリングストップ制御方法を提供する。本発明に係る第3の態様に係るアイドリングストップ制御方法は、前記内燃機関の出力軸の回転角度を内燃機関回転角度として検出し、前記内燃機関の回転角度の検出よりも高精度で前記電動機の出力軸の回転角度を電動機回転角度として検出し、前記検出した内燃機関回転角度と前記検出した電動機回転角度とを関連付け、前記内燃機関回転角度が検出不能となった場合に、前記関連付けに基づいて前記検出した電動機回転角度から前記内燃機関回転角度を求め、前記内燃機関の運転停止時における前記内燃機関回転角度を前記内燃機関の運転再開情報として用いることを特徴とする。
【0020】
本発明の第3の態様に係るアイドリングストップ制御方法によれば、検出した内燃機関回転角度と検出した電動機回転角度とを関連付け、内燃機関回転角度が検出不能となった場合に、その関連付けに基づいて検出した電動機回転角度から内燃機関回転角度を求めるので、内燃機関の運転停止時における内燃機関の出力軸の回転角度を容易に取得することができる。
【0021】
本発明の第3の態様に係るアイドリングストップ制御方法において、前記内燃機関が運転を停止している際の前記内燃機関の回転角度を内燃機関停止回転角度として記憶し、前記記憶した前記内燃機関停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、前記判別した気筒から燃焼を実行させることができる。
【0022】
本発明の第3の態様に係るアイドリングストップ制御方法によれば、記憶されている内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、判別した気筒から燃焼を実行させるので、内燃機関を迅速に始動させることが可能となり、内燃機関の始動性を向上させることができる。
【0023】
本発明の第3の態様に係るアイドリングストップ制御方法において、前記内燃機関回転角度が検出不能となった時、前記内燃機関回転角度が検出不能となるまでの内燃機関回転角度に、前記電動機回転角度の積算値を用いて前記内燃機関の出力軸回転角度を求めることができる。かかる構成を備えることにより内燃機関回転角度が検出不能な場合であっても電動機回転角度に基づいて内燃機関の停止回転角度を算出することができる。また、前記検出した内燃機関回転角度と前記検出した電動機回転角度とを両回転角度の回転角度差を算出して関連付け、前記算出した回転角度差をさらに用いて前記内燃機関の出力軸回転角度を求めることができる。かかる構成を備える場合には、内燃機関の出力回転角度を容易かつ正確に求めることができる。
【0024】
本発明の第3の態様に係るアイドリングストップ制御方法において、前記検出した内燃機関回転角度に基づき求められる前記内燃機関の回転数が所定回転数以下となった際に前記内燃機関回転角度と前記電動機回転角度とを関連付けることができる。かかる構成を備えることにより、内燃機関回転信号と電動機回転信号の相関が必要とされる場合にだけ、両信号の相関を実行することができる。
【0025】
本発明の第4の態様は、複数の気筒を備える内燃機関と、内燃機関と連動可能に結合されている電動機とを備える車両における始動制御装置を提供する。本発明の第4の態様に係る車両は、前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、前記内燃機関回転信号出力手段よりも高い分解能にて前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、前記内燃機関回転信号が出力不能になると共に、前記内燃機関が運転停止した場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の停止回転角度を求めて記憶する内燃機関停止回転角度記憶手段と、前記停止回転角度記憶手段によって記憶された前記内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別する気筒判別手段と、前記気筒判別手段により判別された気筒から燃焼を実行させる内燃機関始動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の第4の態様に係る始動制御装置によれば、内燃機関の運転停止時に内燃機関回転角度算出手段により算出された内燃機関の出力軸の回転角度を内燃機関停止回転角度として記憶するので、内燃機関の運転停止時における内燃機関の出力軸の回転角度を容易に取得することができる。また、記憶されている内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、判別した気筒から燃焼を実行させるので、内燃機関を迅速に始動させることが可能となり、内燃機関の始動性を向上させることができる。
【0027】
本発明の第5の態様は、複数の気筒を備える内燃機関と、内燃機関と連動可能に結合されている電動機とを備える車両における内燃機関の出力軸の回転角度検出装置を提供する。本発明の第5の態様に係る回転角度検出装置は、前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、前記内燃機関回転信号出力手段よりも高い分解能にて前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、前記内燃機関回転信号が出力不能となった場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の停止回転角度を求める内燃機関停止回転角度算出手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の第5の態様に係る内燃機関の回転角度検出装置によれば、内燃機関回転信号が出力不能となった場合に、相関に基づいて電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から内燃機関の出力軸の停止回転角度を求めるので、内燃機関回転信号が出力不能となった場合であっても内燃機関の出力軸の回転角度を容易に取得することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るアイドリングストップ制御装置について図面を参照しつつ実施例に基づいて説明する。
【0030】
図1および図2を参照して本実施例に係るアイドリングストップ制御装置が用いられ得る車両の概略構成について説明する。図1は第1の実施例が適用される車両の概略構成を示すブロック図である。図2は伝動ベルトとエンジン、補機および補機駆動用モータとの配置関係を示す概念図である。
【0031】
車両は、動力源としてのエンジン(内燃機関)10、エンジン10の出力トルクを増幅するトルクコンバータ20、最大減速比と最小減速比の間で減速比を自動的に有段階に変更可能な自動有段変速装置(AT)22とを備えている。エンジン10はクランクシャフト(出力軸)11を介してトルクコンバータ20の動力入力軸と結合されており、トルクコンバータ20の動力出力軸は、AT22の動力入力軸と結合されており、AT22の動力出力軸はドライブシャフト24と結合されている。ドライブシャフト24はディファレンシャルギヤ(ファイナルギヤを含む)25および車軸26を介して車輪27と結合されている。
【0032】
エンジン10は、燃料(例えば、ガソリン燃料)がシリンダ内に直接噴射される形式の直噴式ガソリンエンジンであり、クランクシャフト11、ガソリン燃料をシリンダ内に噴射するための高圧式インジェクタ12、シリンダ内に噴射されたガソリンと吸入された空気とによって形成される混合気に点火するための点火プラグ13を備えている。高圧式インジェクタ12には図示しない高圧燃料ポンプによって昇圧された高圧力のガソリン燃料がデリバリパイプ(図示しない)を介して供給されており、制御ユニット60からの噴射信号に基づいて高圧式インジェクタ12が開弁するとシリンダ内にガソリン燃料が噴霧される。点火プラグ13には制御ユニット60からの点火信号に基づきイグナイタ14により高電圧が供給される。エンジン10には、エンジン10を冷却する冷却液温度を検出するための冷却液温度センサ50が備えられている。エンジン10の車両進行側(図1において左側)には、外気温度を検出するための外気温度センサ51が配置されている。クランクシャフト11にはエンジン回転数センサ(クランク角度センサ)53を構成する被検歯車531が備えられている。
【0033】
エンジン10の周囲には、図2に示すようにウォータポンプ301、エアコン用コンプレッサ302、パワーステアリング用ポンプ303等の補機30、ならびにアイドリングストップ処理によるエンジン停止時に補機30を駆動するための補機駆動用モータ(電動機)31が配置されている。各補機301、302、303の動力入力軸、エンジン10のクランクシャフト11の一端にはプーリ124、125がそれぞれ装着されている。エンジン10のプーリ125と補機駆動用モータ31のプーリ126には、補機駆動用モータ31によってエンジン10を始動させるための伝動ベルト16が架装されている。プーリ125とプーリ126のプーリ比は一般的に、1:2〜1:3程度である。各プーリ124,125には伝動ベルト17が架装されており、この伝動ベルト17を介してエンジン10の出力が補機30の動力入力軸に伝達され、また伝動ベルト16および伝動ベルト17を介して補機駆動用モータ31の出力が補機30の動力入力軸に伝達される。なお、伝動ベルト16、17としては、断面形状が台形であるいわゆるVベルト、あるいは厚みがVベルトよりも薄く幅広であると共にその回転方向に沿ってV字状の溝が複数本形成されている、いわゆるVリブベルト等が用いられる。
【0034】
クランクシャフト11とプーリ125との間には湿式多板式の電磁式クラッチ15が介装されている。電磁式クラッチ15は、クラッチプレート151とフライホイール152とを備え、図1に示すようにプーリ125と別に備えられても良いし、プーリ125に内蔵されても良い。この電磁式クラッチ15によって、クランクシャフト11と伝動ベルト16との間における動力伝達の切断および接続が実現される。また、電磁式クラッチ15には、継合時に生じる衝撃、振動の軽減を図るため図示しないダンパが内蔵されている。
【0035】
車両走行時、あるいは、エンジン10が運転している状態での車両停止時には、電磁式クラッチ15は継合されてクランクシャフト11の駆動力が伝動ベルト17に伝達されるのでウォータポンプ301、エアコン用コンプレッサ302およびパワーステアリング用ポンプ303はエンジン10によって駆動される。一方、アイドリングストップ処理によるエンジン10の運転停止時には、電磁式クラッチ15は解放されて、クランクシャフト11と伝動ベルト17(プーリ125)とは機械的に分断され、ウォータポンプ301、エアコン用コンプレッサ302およびパワーステアリング用ポンプ303が伝動ベルト16およびプーリ125を介して補機駆動用モータ31によって駆動される。このとき、クランクシャフト11はプーリ125、伝動ベルト16、17とは機械的に分断されているため、補機駆動用モータ31はクランクシャフト11を駆動する必要はなく、補機駆動用モータ31に掛かる負荷が軽減される。
【0036】
補機駆動用モータ31は内部に三相コイルを有する三相式モータであり、エンジン10を再始動させる際にクランクシャフト11を駆動する駆動力源ならびに補機30を駆動する駆動力源として機能すると共に、エンジン10の運転時にはエンジン10によって駆動されて発電するオルタネータとして機能する。補機駆動用モータ31は、制御ユニット60に接続されているモータ回転数センサ(モータ出力軸回転角度センサ)52を備えると共に、制御ユニット60からの駆動信号に基づきインバータ200によって駆動制御される。インバータ200は、高電圧バッテリ210およびDC/DCコンバータ220と接続されている。高電圧バッテリ210は専ら補機駆動用モータ31を駆動するための電源として用いられ、補機駆動用モータ31がオルタネータとして機能しているときには発電された電力を蓄電する。DC/DCコンバータ220は、制御ユニット60と接続されており、高電圧バッテリ210の電圧または補機駆動用モータ31によって発電された電力の電圧を降圧してバッテリ230を充電する。バッテリ230は、後述する始動用モータ41、オイルポンプ駆動モータ45、および制御ユニット60等を駆動するための電源として用いられる。なお、本実施例では、補機駆動用モータ31を駆動するための高電圧バッテリ210と制御ユニット60、その他のモータ41、45を駆動するためのバッテリ230とを各々備えているが、高電圧バッテリ210のみを備えて、制御ユニット60、その他のモータ41、45に対してはDC/DCコンバータ220を介して降圧された電力を供給するようにしても良い。
【0037】
エンジン10とトルクコンバータ20との間には始動用リングギヤ40がクランクシャフト11に連結されて配置されており、始動用リングギヤ40には始動用モータ41のギヤが継合している。始動用モータ41はバッテリ230を電源としてイグニッションスイッチの操作を伴うエンジン始動時にのみ、すなわち、アイドリングストップ処理に伴うエンジン再始動時を除くエンジン始動時にエンジン10を駆動回転させる。始動用モータ41のギヤは、イグニッションポジションセンサ58がイグニッションポジションのONからSTAへの切り換えを検出するエンジン始動時にのみリングギヤ40と継合し、通常時はリングギヤ40とは継合することなく離間した位置に格納されている。また、既述のようにアイドリングストップ処理に伴うエンジン10の再始動時には、補機駆動用モータ31がスタータモータとして機能する。
【0038】
すなわち、本実施例においては、エンジン10の運転開始時(初回始動時)には始動用モータ41によってエンジン10の始動処理が実行され、エンジン10の再始動時には補機駆動用モータ31によってエンジン10の始動処理が実行される。始動用モータ41によるエンジン10の始動は、ギヤノイズを伴うリングギヤ40を介した始動であり、頻繁に始動を繰り返す場合にはギヤノイズが問題となる。また、アイドリングストップ制御処理の下では頻繁な始動に伴うギヤの摩耗も問題となる。一方、補機駆動用モータ31は伝動ベルト16を介してクランクシャフト11と結合されているので、冷間時等、潤滑油の粘度が高い場合にはクランクシャフト11を駆動(回転)することができず、エンジン10を始動させることができない場合がある。そこで、エンジン10の始動時には始動用モータ41によりエンジン10を始動し、エンジン10が一旦、始動した後の再始動時には補機駆動用モータ31によってエンジン10を始動させる。
【0039】
トルクコンバータ20は、一般的な流体式トルクコンバータであり、入力軸に入力された駆動トルクを増幅して出力軸から出力する。なお、トルクコンバータの詳細な構成および作用は公知であるからその説明を省略する。自動式有段変速機(AT)22は内部にプラネタリギヤを有する自動変速機であり、車速およびアクセル踏み込み量等に応じて油圧アクチュエータ(図示しない)を介してギヤの組み合わせを自動的に変更することによって変速比を変える。AT22の出力軸はドライブシャフト24に連結されており、AT22の出力軸から出力された駆動力は、ドライブシャフト24、ディファレンシャルギヤ25、車軸26を介して車輪27に伝達される。AT22の近傍には、エンジン10の運転停止時にも駆動系の油圧を保持するためのオイルポンプ駆動モータ45が配置されている。オイルポンプ駆動モータ45はバッテリ230を電源として運転される。
【0040】
次に、図3を参照して本実施例に係る車両の制御系について説明する。図3は第1実施例に係る車両の制御系統を示す説明図である。制御ユニット60は、アイドリングストップECU(電子制御ユニット)600、エンジンECU610、およびブレーキECU620を備えている。各ECU600、610、620には図示しないCPU、ROM、RAM、バックアップRAM等が備えられている。なお、これらECUは例示であり、例えば、AT22を制御するECUをアイドリングストップECU600とは別に備えることができる。
【0041】
アイドリングストップECU600は、アイドリングストップ制御に際して制御ユニット60の中核をなすECUである。アイドリングストップECU600は、エンジンECU610、およびブレーキECU620と双方向通信可能に信号線を介して接続されている。アイドリングストップECU600には、エンジン冷却液温度を検出する冷却液温度センサ50、外気温度を検出する外気温度センサ51、補機駆動用モータ31の回転数を検出するモータ回転数センサ52、エンジン10のクランクシャフト11の回転数を検出するエンジン回転数センサ53、車両の速度を検出する車速センサ54、ギヤポジションを検出するシフトポジションセンサ55、アクセルペダルの位置をアクセル開度として検出するアクセル開度センサ56、ブレーキペダルの踏み込みの有無を検出するブレーキペダルセンサ57、およびイグニッションスイッチのポジションを検出するイグニッションポジションセンサ58がそれぞれ信号線を介して接続されている。
【0042】
モータ回転数センサ52は、ホール素子式センサであり被検歯車(図示しない)の歯が検出部を通過する毎にモータ回転信号パルスをアイドリングストップECU600に対して出力し、アイドリングストップECU600は入力されたモータ回転信号パルスに基づいて補機駆動用モータ31の回転数および回転角度を算出する。エンジン回転数センサ53は、電磁式ピックアップセンサ(MPU)であり、被検歯車531の歯が検出部を通過する毎にエンジン回転信号パルスをアイドリングストップECU600に対して出力し、アイドリングストップECU600は入力されたエンジン回転信号パルスに基づいてエンジン回転数Neおよびクランクシャフト回転角度を算出する。すなわち、被検歯車531の各歯はクランクシャフト11の回転角度(各シリンダにおけるピストンの位置)と予め関連付けられており、各歯に対応するエンジン回転信号パルスから特定シリンダにおけるピストンの位置が求められる。また、本実施例においては、エンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスとはアイドリングストップECU600によって相関される(関連付けられる)。したがって、後述するようにモータ回転信号パルスから対応するエンジン回転信号パルスを特定することができる。
【0043】
アイドリングストップECU600には、インバータ200、始動用モータ41、電磁式クラッチ15、DC/DCコンバータ220、オイルポンプ駆動モータ45、AT22、計器盤46が接続されている。アイドリングストップECU600は、インバータ200を介して補機駆動用モータ31の回転数を制御し、アイドリングストップ処理によりエンジン10が停止している状態において補機30の駆動を実現する。また、アイドリングストップ状態からエンジン10の運転を再開させる際には、始動用モータ41に代わってエンジン10のクランクシャフト11を駆動回転させてエンジン回転数を始動回転数まで上昇させる。アイドリングストップECU600は、電磁式クラッチ15の電磁式アクチュエータ(図示しない)を制御してクラッチプレート151のフライホイール152に対する継合および解放を実現し、動力の伝達および遮断を制御する。アイドリングストップECU600は、車速センサ54、シフトポジションセンサ55、アクセル開度センサ56からの検出データに基づき油圧アクチュエータ(図示せず)を制御して、最適な変速ポイントにおいて変速比を変更する。アイドリングストップECU600内のROMには、本実施例に係るアイドリングストップ制御処理を実行するためのプログラムが格納されている。
【0044】
エンジンECU610は、アイドリングストップECU600からの要求に基づいてインジェクタ13を介して燃料噴射量を制御し、イグナイタ14を介して点火時期を制御することによってエンジン10の運転状態を制御する。また、アイドリングストップ処理による車両停止時には、アイドリングストップECU600からの要求に従って、エンジン10に対するインジェクタ13を介した燃料噴射を停止してエンジン10の運転を停止させる。
【0045】
ブレーキECU620は、ブレーキアクチュエータ47と接続されており、アイドリングストップ状態からの再発進時には、エンジン10の駆動力が十分に立ち上がるまでの間、ブレーキ油圧を保持するようにブレーキアクチュエータ47を制御する。エンジン10の駆動力が十分に立ち上がる状態とは、例えば、坂路発進の際、ブレーキペダルが解放されていても車両が停止状態にて保持される状態をいう。
【0046】
次に、上記構成を備える車両の一般的な動作について図1〜図3の構成図を参照して説明する。シフトポジションがパーキングPまたはニュートラルNの状態にてイグニッションポジションセンサ58がイグニッションポジションのONからエンジン始動位置STAへの切り替わりを検出すると、アイドリングストップECU600は始動用モータ41のギヤをリングギヤ40に継合させた後、始動用モータ41を作動させてクランクシャフト11をエンジン始動時回転数まで回転させる。並行してアイドリングストップECU600は、エンジンECU610に対してエンジン10の始動処理を要求する。エンジンECU610は、インジェクタ13を介して所定の燃料をエンジン10のシリンダ内に供給させると共に、イグナイタ14および点火プラグを介してシリンダ内に供給された燃料に点火するエンジン始動処理を実行する。エンジンの運転が開始すると、始動用モータ41のギヤはリングギヤ40から離間した格納位置に待避させられる。シフトポジションがドライブDに変更され、アクセルが踏み込まれると車両は発進し、アイドリングストップECU600、エンジンECU610はエンジン回転数センサ53、車速センサ54、アクセル開度センサ56等からの検出データに基づいてエンジン10の運転制御およびAT22の変速制御を実行する。
【0047】
本実施例では、車両走行中に信号停止等で一時的に車両が停止すると、アイドリングストップECU600は、所定の条件下でエンジン10の運転を停止させる、いわゆるアイドリングストップ制御処理を実行する。また、アイドリングストップ制御処理によりエンジン10の運転が停止された後のエンジン10の再始動性を向上させるために、エンジン10の運転停止時におけるクランクシャフト11の停止回転角度を決定する処理を実行する。このアイドリングストップ制御処理について図4ないし図9を参照して説明する。図4はエンジン10の運転停止時に実行されるクランクシャフト11の停止回転角度を決定する処理ルーチンを示すフローチャートである。図5はエンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスの関連付け並びに信号時間差Δtを記憶するタイミングの一例を示すタイミングチャートである。図6は回転数に対するMPUの回転信号出力特性を模式的に示す説明図である。図7は回転数に対するホール素子式センサの回転信号出力特性を模式的に示す説明図である。図8はアイドリングストップ制御処理時における制御処理の移行状態を示す状態遷移図である。図9はアイドリングストップ制御処理下におけるエンジン10の始動制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0048】
先ず、本実施例に係るエンジン10の運転停止移行時に実行されるクランクシャフト11の停止回転角度決定処理について図4ないし図7を参照して説明する。
【0049】
本処理ルーチンは、後述するアイドリングストップ制御処理終了要求(エンジン再始動要求)がなされた後に所定の時間間隔で実行される。本処理ルーチンが開始されると、アイドリングストップECU600は、エンジン回転数センサ53からのエンジン回転信号Sgeに基づき求められたエンジン回転数Neが400r.p.m.未満であるか否かを判定する(ステップS100)。アイドリングストップECU600は、求められたエンジン回転数Neが400r.p.m以上であると判定した場合には(ステップS100:No)、本処理ルーチンを終了する。一方、アイドリングストップECU600は、求められたエンジン回転数Neは400r.p.m未満であると判定した場合には、1番シリンダが確定されたか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、図5に示すように1番シリンダが圧縮行程にあることを示す気筒判別信号が出力されたか否かを判定する。アイドリングストップECU600は、1番シリンダが確定されないと判定した場合には(ステップS110:No)本処理ルーチンを終了し、1番シリンダが確定されたと判定した場合には(ステップS110:Yes)、クランクシャフト11の位置を0にリセットし、以後、エンジン回転信号Sgeが入力される毎に1つずつインクリメントしていく。この結果、エンジン回転信号Sgeとクランクシャフト11の位置(回転角度)とが関連付けられ、エンジン回転信号Sgeからクランクシャフト11の回転角度を求めることができる。
【0050】
1番シリンダが確定されると、アイドリングストップECU600は、エンジン回転数センサ53により出力されたエンジン回転信号パルスの立ち下がりからモータ回転数センサ52により出力されたモータ回転信号パルスの立ち下がりまでの時間、すなわち、モータ回転信号パルスとエンジン回転信号パルスとの検出時間差(回転角度差)を信号時間差Δtとして記憶する(ステップS120)。この信号時間差Δtによって以後のモータ回転信号Sgmとエンジン回転信号Sgeとの同期を確認すると共に、クランクシャフト11と補機駆動用モータ31のロータの初期回転角度差を補正する。なお、エンジン回転数Neが400r.p.m未満の場合に、エンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスとの信号時間差を記憶するのは、アイドリングストップECU600の計算負荷を低減するためである。すなわち、クランクシャフト11の停止回転角度が必要となるのはエンジン10の運転再開時であり、エンジン10が停止する際に信号時間差を確定できれば十分である。
【0051】
この信号時間差Δt(回転角度差)を記憶する手順について図5を参照して詳述する。本実施例ではエンジン回転数53はクランクシャフト11が10°回転する毎にエンジン回転信号パルスを出力し、モータ回転数センサ52はロータ(図示しない)が15°回転する毎にモータ回転信号パルスを出力する。また、クランクシャフトプーリ125とモータプーリ126とのプーリ比が、例えば、2.4であるとする。この場合にはモータ回転信号パルスをクランクシャフト11の回転角度に換算すると6.25°となり、エンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスとはクランクシャフト11が50°回転する毎に同一の信号相関パターンを繰り返す。そこで、エンジン回転数Neが400r.p.m.未満となり最初に1番シリンダを確定したときに最初の信号時間差Δtを取り(エンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスとの立ち下がり時間差を記憶し)、以後、クランクシャフト11が50°回転する毎に信号時間差Δtを確認し両信号の同期が継続しているか否かを確認する。また、信号時間差Δtに基づいて、最初に両信号の同期を取った際の、クランクシャフト11の回転角度と補記駆動用モータ31のロータ(図示しない)との初期回転角度のずれが得られる。
【0052】
アイドリングストップECU600は、エンジン回転信号パルスが検出不能であるか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、エンジン回転数センサ53からエンジン回転信号Sgeの出力がなされているか否かを判定する。アイドリングストップECU600は、エンジン回転信号パルスの検出が可能であると判定した場合には(ステップS130:No)、本処理を終了しする。一方、アイドリングストップECU600は、エンジン回転信号パルスの検出が不能であると判定した場合には(ステップS130:Yes)、1番シリンダ確定後からエンジン回転信号パルスが検出不能となるまでのエンジン回転信号パルス数(クランクシャフト位置)をRAM(図示しない)に格納する(ステップS130)。ここで、図6に示すように、MPUは軸回転数が極低回転にて回転する領域では回転信号を出力することができず、エンジン10のエンジン回転数センサ53として用いられているMPUによりエンジン回転信号パルスが出力不能となるエンジン回転数Neは一般的に、20r.p.m.程度である。これに対して、図7に示すように、ホール素子式センサは軸回転数が0となるまで回転信号を出力可能であり、補機駆動用モータ31のモータ回転数センサ52として用いられているホール素子センサはロータ回転数が0r.p.m.となるまでモータ回転信号パルスを出力することができる。したがって、エンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスとは図5に示すような関係となる。アイドリングストップECU600は、モータ回転数センサ52から出力されるモータ回転信号パルスに基づいてエンジン10が停止したか否かを判定する(ステップS150)。アイドリングストップECU600は、図5に示すように500msにわたってモータ回転数センサ52からモータ回転信号パルスの入力を検出しない場合には、エンジン10が停止したもの、すなわち、エンジン回転数Ne=0と判定する。
【0053】
アイドリングストップECU600は、エンジン10が停止していないと判定した場合、すなわち、500ms間にモータ回転信号パルスを検出した場合には(ステップS150:No)、本処理ルーチンを終了する。これに対して、アイドリングストップECU600が500ms間にモータ回転信号パルスを検出せず、エンジン10は停止していると判定した場合には(ステップS150:Yes)、エンジン回転信号パルスが最後に入力された時(CA1)からモータ回転信号パルスが検出不能となった直前(FC)までのモータ回転信号パルス数を取得する(図5では10パルス)。アイドリングストップECU600は、取得したモータ回転信号パルス数、最終エンジン回転信号パルス、および信号時間差Δtとに基づいてエンジン10が停止した際のクランクシャフト11の停止回転角度を求めてバックアップRAM(図示しない)に格納し(S160)、本処理ルーチンを終了する。
【0054】
すなわち、モータ回転信号の1パルスは既述のようにクランクシャフト11の回転角度6.25°に相当するので、取得したモータ回転信号パルス数に回転角度6.25°を乗じてエンジン回転信号パルスの検出が不能となった時(CA1)からのクランクシャフト11の回転角度を算出することができる。モータ回転信号パルス数から算出したクランクシャフト11の回転角度に、最終エンジン回転信号パルス検出時の対応するクランクシャフト11の回転角度を加算する。さらに、信号時間差Δtに基づく初期回転角度のずれを考慮することでエンジン10が停止した際のクランクシャフト11の停止回転角度をより正確に得ることができる。図5の例では、信号時間差Δtによる初期回転角度差を考慮しても、クランクシャフト11は、クランクシャフト位置20番で停止しており、エンジン再始動時には、5番シリンダが最初に圧縮行程を迎えることになる。
【0055】
続いて、図8を参照してアイドリングストップ制御処理の移行の様子について説明する。イグニッションポジションセンサ47がOFFからONへのポジションの切り替わりを検出すると、アイドリングストップECU600は、アイドリングストップ処理以外の処理によるエンジン停止状態を示すモード0を選択する。この状態では、アイドリングストップ処理を実行中である旨を表示する計器盤46上の表示ランプは消灯している。イグニッションポジションセンサ47がイグニッションポジションのONからSTAへの切り替えを検出すると、既述のようにエンジン10の運転が開始される。アイドリングストップECU600は、エンジン10が運転している状態を示すモード1を選択する。モード1の状態では、例えば、車両は既述の車両走行状態、あるいは、エンジン10が運転された状態での車両停止状態にある。このモード1の状態では、アイドリングストップECU600は電磁式クラッチ15をオンしてクランクシャフト11と伝動ベルト17とを結合している。したがって、補機30はエンジン10の駆動力によって駆動される。また、補機駆動用モータ31は伝動ベルト16を介してエンジン10によって駆動され、オルタネータとして機能する他、高電圧バッテリ210が満充電状態の場合には空回りする。
【0056】
アイドリングストップECU600は、アイドリングストップ制御処理条件の成立を判定すると、エンジン10の運転を停止させるための処理過程を示すモード2を選択する。アイドリングストップ制御処理条件としては、例えば、車速センサ54によって検出される車速が0であり、ブレーキペダルセンサ57によってブレーキペダルの踏み込みが検出されていること、シフトポジションセンサ55によって検出されるシフトポジションがニュートラルNであること等が挙げられる。モード2では、アイドリングストップECU600はエンジンECU610に対して燃料供給の停止を要求する。アイドリングストップECU600は、ブレーキECU620に対してブレーキ状態の保持を要求する。ブレーキECU620は、ブレーキアクチュエータ47を制御してブレーキペダル踏み込み量に対応するブレーキ油圧を保持する。
【0057】
アイドリングストップECU600は、モータ回転数センサ52からの検出データによってエンジン10の運転停止を判定すると、アイドリングストップによるエンジン10の停止状態を示すモード3を選択する。モード3では、後述するクランクシャフト11の停止回転角度を決定する処理が実行される。モード3ではアイドリングストップECU600は計器盤46上の表示ランプを点灯させてアイドリングストップ制御処理を実行中である旨を表示する。また、アイドリングストップECU600は、電磁式クラッチ15をオフしてクランクシャフト11と伝動ベルト16、17との結合を解放し、伝動ベルト17を介して補機駆動用モータ31によって各補機301,302,303を駆動させる。
【0058】
アイドリングストップECU600はアイドリングストップ制御処理終了要求を検出すると、エンジン10の運転を再開させるためのエンジン始動制御状態を示すモード4を選択する。モード4にて実行されるエンジン10の始動制御処理について図9を参照して説明する。本処理ルーチンは、アイドリングストップ制御処理によるエンジン10の運転停止後に、アイドリングストップECU600が、例えば、シフトポジションのニュートラルNからドライブDへのシフトチェンジ、ブレーキペダルの解放、バッテリ充電率の充電率下限値である充電要求値の下回り、エアコンの冷却性能の不足、何らかのシステム異常の発生に起因するエンジン再始動要求を検出した際に実行される(S200)。
【0059】
アイドリングストップECU600がエンジン再始動要求を検出すると(ステップS200:Yes)、アイドリングストップECU600は、補機駆動用モータ31が補機30を駆動中であるか否かを判定する(ステップS210)。アイドリングストップECU600は、補機駆動用モータ31が運転中(補機駆動中)であると判定した場合には(ステップS210:Yes)、電磁式クラッチ15の継合に先立ち一旦、補機駆動用モータ31を制動して補機駆動用モータ31の回転数を低減させる(ステップS220)。補機駆動用モータ31の制動は、例えば、補機駆動用モータ31に反転位相電流を入力することで実現される。アイドリングストップECU600は、補機駆動用モータ31を制動した後、電磁式クラッチ15を継合する(ステップS230)。一方、アイドリングストップECU600は、補機駆動用モータ31が運転中でないと判定した場合には(ステップS210:No)、補機駆動用モータ31を制動する必要はないので電磁式クラッチ15を継合する(ステップS230)。
【0060】
アイドリングストップECU600は、既述の処理ルーチンによりバックアップRAMに格納されたクランクシャフト11の停止回転角度を読み出し(ステップS240)、その停止回転角度から最初に圧縮行程を迎えるシリンダを判別する(ステップS250)。既述の通り、クランクシャフト11の回転角度と各シリンダ内のピストンの位置(行程)とは関連付けられているので、クランクシャフト11の停止回転角度に基づいて最初に圧縮行程を迎えるシリンダを特定することができる。
【0061】
アイドリングストップECU600は、電磁式クラッチ15を継合させた後、補機駆動用モータ31の回転数をエンジン始動時回転数まで上昇させてクランキングを実行(ステップS260)すると共に、エンジンECU610に対して最初に圧縮行程を迎えるシリンダに対する燃料供給、火花点火の実行を要求する(ステップS270)。エンジンECU610は、インジェクタ12、イグナイタ14を介して最初に圧縮行程を迎えるシリンダ(図5の例では5番シリンダ)に対して燃料噴射、火花点火を実行し、圧縮行程を迎える他のシリンダに対しても同様にして順次、燃料供給、火花点火を実行する。この結果、エンジン10は速やかに運転を開始することができる。なお、アイドリングストップECU600は、走行不能なシステム異常を検出した場合には、モード0を選択する。
【0062】
アイドリングストップECU600はエンジン10の始動を判定すると、モード1を選択する。アイドリングストップECU600は、例えば、エンジン回転数センサ53により検出されたエンジン回転数が500r.p.m.以上である場合にエンジン10は始動していると判定する。アイドリングストップECU600は、ブレーキECU620に対して保持されているブレーキ油圧の解放を要求する。ブレーキECU620は、ブレーキアクチュエータ47を制御して保持されているブレーキ油圧を解放し、非制動状態を実現する。モード1の状態にて、イグニッションポジションセンサ47がポジションのONからOFFへの切り替えを検出すると、アイドリングストップECU600はモード0を選択する。
【0063】
以上説明したように、本実施例に係るアイドリングストップ制御装置によれば、エンジン回転信号Sgeとモータ回転信号Sgmとを両信号の信号出力時間差に基づいて関連付け、エンジン10の運転が停止した際のクランクシャフト11の停止回転角度を求めることができる。すなわち、ホール素子式センサであるモータ回転数センサ52の分解能は、広くエンジン回転数センサとして用いられているMPUよりも分解能が高く、実質的に対応するクランクシャフト11の回転数が0r.p.m.となるまでモータ回転信号Sgmを出力することができる。したがって、エンジン10の運転中にエンジン回転信号Sgeとモータ回転信号Sgmとを予め関連付けておくことにより、エンジン10の運転停止時における補機駆動用モータ31の回転角度からクランクシャフト11の停止回転角度を求めることができる。
【0064】
このように、エンジン10の運転停止時におけるクランクシャフト11の回転角度をエンジン10の始動前に知ることができれば、気筒判別のための時間は不要となり、エンジン始動時に直ちに最初に圧縮行程を迎えるシリンダを判別することが可能となり、エンジン10の始動性を向上させることができると共に迅速な始動を実現することができる。この結果、特にエンジン10の迅速な始動が要求される、アイドリングストップ制御処理によるエンジン運転停止後におけるエンジン運転再開時においても、運転者の出力要求に対して迅速に応えることが可能となり、ドライバビリティを向上させることができる。
【0065】
また、アイドリングストップ制御の実施に必要な補機駆動用モータ31のモータ回転数センサ52を用いているので、新たなセンサを備えたり、エンジン回転数センサ53を構成する被検出歯車に複雑な歯形を持たせる必要なくクランクシャフト11の停止回転角度を容易且つ正確に決定することができる。
【0066】
以上、いくつかの発明の実施の形態に基づき本発明に係るアイドリングストップ制御装置を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0067】
上記実施例では、エンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスとが所定時間間隔で相関パターンを繰り返す場合について説明したが、両信号パルスがクランクシャフト11の1回転の間に相関パターンを繰り返さない場合にも適用され得る。この場合には、例えば、第1シリンダが確定する毎にエンジン回転信号Sgeとモータ回転信号Sgmとの信号出力時間差を記憶することによって、両回転信号が関連付けられ得る。
【0068】
また、上記実施例では、アイドリングストップ制御処理によるエンジン運転停止後のエンジン再始動時を例に取って説明したが、イグニッションキーの操作によりエンジン10を始動する際にも適用され得ることはもちろんである。このようなエンジン10の始動時においても、クランクシャフト11の回転角度を検出するために、被検出歯車に複雑な形状を施すことなくエンジン10の始動性、始動時間を向上することができる。
【0069】
さらに、上記実施例では、制御ユニット60の負荷を軽減するために、エンジン回転信号パルスと補機駆動用モータ回転信号パルスとを用いてクランクシャフト11の回転角度を決定しているが、補機駆動用モータ回転信号パルスだけを用いてクランクシャフト11の回転角度を決定しても良い。両回転信号パルスは所定間隔で同期が取られており、また、補機駆動用モータ回転信号パルスはエンジン回転信号パルスとの換算比を用いることによりエンジン回転信号パルスと同様に扱うことができるからである。
【0070】
上記実施例では、電磁式クラッチ15内にダンパが内蔵されているが、電磁式クラッチ15とダンパとは別個に備えられていても良い。さらに、説明の都合上、図1にはクランクシャフトプーリ125と電磁式クラッチ15とは別個に記載されているが、電磁式クラッチ15はクランクシャフトプーリ125に内蔵されていても良い。
【0071】
上記実施例では、トランスミッション22として自動式有段変速機を用いたが自動式有段変速機に代えて手動式変速機、自動式無段変速機を用いても良い。いずれの場合にもアイドリングストップ制御処理を実行することができると共に、自動式有段変速機を用いた場合と同様の利益を得ることができる。
【0072】
上記実施例では、車両の動力力源としてエンジン10のみを備える車両に基づいて本発明を説明したが、本発明は駆動力源としてエンジン10および車両駆動用モータを備えるハイブリッド車両に対しても適用し得る。かかる場合にも、アイドリングストップ制御処理実行中には補機駆動用モータ31により補機30が駆動されており、エンジン再始動時に電磁式クラッチ15を継合して補機駆動用モータ31のロータとエンジン10のクランクシャフト11とを結合してエンジン10が始動され得る。したがって、本発明を適用することにより、エンジン10の始動性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例が適用される車両の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に従う実施例にて用いられるエンジンと補機、補機駆動用モータとの配置関係を伝動ベルトが架装されている側から示す概念図である。
【図3】本発明に従う実施例に係る車両の制御系統を示す説明図である。
【図4】エンジン10の運転停止時に実行されるクランクシャフト11の停止回転角度を決定する処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】エンジン回転信号パルスとモータ回転信号パルスの関連付け並びに信号時間差Δtを記憶するタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【図6】回転数に対するMPUの回転信号出力特性を模式的に示す説明図である
【図7】回転数に対するホール素子式センサの回転信号出力特性を模式的に示す説明図である
【図8】アイドリングストップ制御処理時における制御処理の移行状態を示す状態遷移図である。
【図9】アイドリングストップ制御処理下におけるエンジン10の始動制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン
11…クランクシャフト
12…インジェクタ
13…点火プラグ
14…イグナイタ
15…多板式電磁式クラッチ
16、17…伝動ベルト
20…トルクコンバータ
22…自動式有段変速機(AT)
24…ドライブシャフト
25…ディファレンシャルギヤ
26…車軸
27…車輪
30…補機
31…補機駆動用モータ
40…リングギヤ
41…始動用モータ
45…オイルポンプ駆動モータ
46…計器盤
47…ブレーキアクチュエータ
50…冷却液温度センサ
51…外気温度センサ
52…モータ回転数センサ
53…エンジン回転数センサ
54…車速センサ
55…シフトポジションセンサ
56…アクセル開度センサ
57…ブレーキペダルセンサ
58…イグニッションポジションセンサ
60…制御ユニット
124…補機プーリ
125…クランクシャフトプーリ
126…補機駆動用モータプーリ
151…クラッチプレート
152…フライホイール
200…インバータ
210…高電圧バッテリ
220…DC/DCコンバータ
230…バッテリ
301…ウォータポンプ
302…エアコン用コンプレッサ
303…パワーステアリング用ポンプ
531…被検出歯車
600…アイドリングストップECU
610…エンジンECU

Claims (19)

  1. 内燃機関の出力軸と電動機の出力軸とが結合されていると共に前記内燃機関の運転停止中には前記電動機によって補機が駆動される車両におけるアイドリングストップ制御装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転数が所定回転数以上の領域にて前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、
    前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、
    前記内燃機関回転信号が出力不能になった場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の回転角度を求める内燃機関回転角度算出手段と、
    前記内燃機関の運転停止時に前記内燃機関回転角度算出手段により算出された内燃機関の出力軸の回転角度を内燃機関停止回転角度として記憶する停止回転角度記憶手段と、
    前記内燃機関の始動時には前記記憶された内燃機関停止回転角度を始動情報として用いる内燃機関制御手段とを備えるアイドリングストップ制御装置。
  2. 請求項1に記載のアイドリングストップ制御装置において、前記内燃機関は複数の気筒を有し、
    前記内燃機関制御手段は、前記停止回転角度記憶手段によって記憶された前記内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、前記判別した気筒から燃焼を実行させることを特徴とするアイドリングストップ制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアイドリングストップ制御装置において、
    前記内燃機関回転角度算出手段は、前記内燃機関回転信号が出力不能となった時、それまで前記内燃機関回転信号に基づいて算出した内燃機関回転角度に、前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号の積算値を用いて前記内燃機関の停止回転角度を算出することを特徴とするアイドリングストップ制御装置。
  4. 請求項3に記載のアイドリングストップ制御装置において、
    前記回転信号相関手段は前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号との信号出力時間差を算出し、
    前記内燃機関回転角度算出手段は、さらに前記算出された信号出力時間差を用いて前記内燃機関の停止回転角度を算出することを特徴とするアイドリングストップ制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一の請求項に記載のアイドリングストップ制御装置において、前記回転信号相関手段は、前記内燃機関の回転数が第1のしきい値以下となった際に前記内燃機関回転信号と前記電動機回転信号とを相関させることを特徴とするアイドリングストップ制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一の請求項に記載のアイドリングストップ制御装置において、
    前記内燃機関回転角度算出手段は、前記電動機回転信号出力手段によって回転信号が所定時間にわたり出力されない場合に前記内燃機関の運転停止を判定することを特徴とするアイドリングストップ制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一の請求項に記載のアイドリングストップ制御装置において、
    前記内燃機関回転信号出力手段は、磁気ピックアップ式センサであり、
    前記電動機回転信号出力手段は、ホール素子式センサであることを特徴とするアイドリングストップ装置。
  8. 走行状態に応じて複数の気筒を有する内燃機関の運転を選択的に停止および再開させるアイドリングストップ機能を有すると共に前記内燃機関の出力軸と前記電動機の出力軸とが結合され、前記内燃機関の運転停止中には前記電動機によって補機が駆動される車両であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、
    前記内燃機関回転信号出力手段よりも高い精度で前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、
    前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、
    前記内燃機関回転信号出力手段によって前記内燃機関回転信号が出力不能となり、かつ前記内燃機関の運転が停止した場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の停止回転角度を求め、記憶する内燃機関停止回転角度記憶手段と、
    前記内燃機関の始動時には前記内燃機関停止回転角度記憶手段によって記憶されている前記内燃機関停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別する気筒判別手段と、
    前記気筒判別手段により判別された気筒から燃焼を実行させる内燃機関始動制御手段とを備える車両。
  9. 請求項8に記載の車両において、
    前記内燃機関回転角度算出手段は、前記内燃機関回転信号が出力不能となった時、それまで前記内燃機関回転信号に基づいて算出した内燃機関回転角度に、前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号の積算値を用いて前記内燃機関の停止回転角度を算出することを特徴とする車両。
  10. 請求項9に記載の車両において、
    前記内燃機関停止回転角度記憶手段は、前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号との信号出力時間差を算出し、さらに算出した信号出力時間差を用いて前記内燃機関の停止回転角度を求めることを特徴とする車両。
  11. 請求項8または請求項10に記載の車両において、
    前記回転信号相関手段は、前記内燃機関の回転数が所定回転数以下となった際に前記内燃機関回転信号と前記電動機回転信号とを相関させることを特徴とする車両。
  12. 請求項8ないし請求項11のいずれか一の請求項に記載の車両において、
    前記内燃機関回転信号出力手段は、磁気ピックアップ式センサであり、
    前記電動機回転信号出力手段は、ホール素子式センサであることを特徴とする車両。
  13. 走行状態に応じて内燃機関の運転を選択的に停止およびは再開させるアイドリングストップ機能を有し、前記内燃機関の運転停止中には電動機によって補機が駆動される車両におけるアイドリングストップ制御方法であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転角度を内燃機関回転角度として検出し、
    前記内燃機関の回転角度の検出よりも高い精度で前記電動機の出力軸の回転角度を電動機回転角度として検出し、
    前記検出した内燃機関回転角度と前記検出した電動機回転角度とを関連付け、前記内燃機関回転角度が検出不能となった場合に、前記関連付けに基づいて前記検出した電動機回転角度から前記内燃機関の運転停止時における前記内燃機関回転角度を求め、
    前記内燃機関の運転停止時における前記内燃機関回転角度を前記内燃機関の運転再開情報として用いる方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、
    前記内燃機関が運転を停止している際の前記内燃機関の回転角度を内燃機関停止回転角度として記憶し、
    前記記憶した前記内燃機関停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別し、
    前記判別した気筒から燃焼を実行させることを特徴とする方法。
  15. 請求項13または請求項14に記載の方法において、
    前記内燃機関回転角度が検出不能となった時、前記内燃機関回転角度が検出不能となるまでの内燃機関回転角度に、前記電動機回転角度の積算値を用いて前記内燃機関の出力軸回転角度を求めることを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、
    前記検出した内燃機関回転角度と前記検出した電動機回転角度とを両回転角度の回転角度差を算出して関連付け、
    前記算出した回転角度差をさらに用いて前記内燃機関の出力軸回転角度を求めることを特徴とする方法。
  17. 請求項13ないし請求項16のいずれか一の請求項に記載の方法において、
    前記検出した内燃機関回転角度に基づき求められる前記内燃機関の回転数が所定回転数以下となった際に前記内燃機関回転角度と前記電動機回転角度とを関連付けることを特徴とする方法。
  18. 複数の気筒を備える内燃機関と、内燃機関と連動可能に結合されている電動機とを備える車両における始動制御装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、
    前記内燃機関回転信号出力手段よりも高い分解能にて前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、
    前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、
    前記内燃機関回転信号が出力不能になると共に、前記内燃機関が運転停止した場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の停止回転角度を求めて記憶する内燃機関停止回転角度記憶手段と、
    前記停止回転角度記憶手段によって記憶された前記内燃機関の出力軸の停止回転角度に基づき、前記内燃機関の複数の気筒の内、最初に圧縮行程を迎える気筒を判別する気筒判別手段と、
    前記気筒判別手段により判別された気筒から燃焼を実行させる内燃機関始動制御手段とを備える始動制御装置。
  19. 複数の気筒を備える内燃機関と、内燃機関と連動可能に結合されている電動機とを備える車両における内燃機関の出力軸の回転角度検出装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転に応じて内燃機関回転信号を出力する内燃機関回転信号出力手段と、
    前記内燃機関回転信号出力手段よりも高い分解能にて前記電動機の出力軸の回転に応じて電動機回転信号を出力する電動機回転信号出力手段と、
    前記出力された内燃機関回転信号と前記出力された電動機回転信号とを相関させる回転信号相関手段と、
    前記内燃機関回転信号が出力不能となった場合に、前記相関に基づいて前記電動機回転信号出力手段によって出力された電動機回転信号から前記内燃機関の出力軸の停止回転角度を求める内燃機関停止回転角度算出手段とを備える内燃機関出力軸の回転角度検出装置。
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