JP3870337B2 - 被着体の剥離方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、可撓性を有するシート基材に感温性粘着剤を介して粘着された被着体を、非粘着設定温度域においてシート基材から剥離させる被着体の剥離方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、製品の製造過程において仮固定し、必要に応じてそれを容易に剥離できる種々の粘着剤が開発され、実用化に及んでいる。
【0003】
この種の粘着剤としては例えば感温性粘着剤があり、この粘着剤は、設定した温度を境にそれ以上(又は以下)では粘着力が発生し、それより低い(又は高い)温度では粘着力がないという、温度によって可逆的に粘着力が変化するようになっている。
【0004】
前記感温性粘着剤は、主に積層セラミックコンデンサを積層後、所定のチップ型に切断する際の固定用粘着テープ(シート基材に感温性粘着剤を塗布して成る)に使用されているが、その粘着力は、本来粘着力がなくなるといわれる非粘着設定温度域にしても、外力を与えないと被着体が剥離しないという事態が生じる。これは、現存の感温性粘着剤は非粘着設定温度域にしても多少の残留接着力を有しているからである。
【0005】
このため、従来は、作業者がシート基材を持ち、例えば、ピックアップ、シートを底から指ではじく、シート基材を両手で持ち波うたせる等をして、被粘着体を剥離させていた。
【0006】
ところが、上記の如く固定用粘着テープに粘着させた積層セラミックコンデンサを方形状に細かくカットし、それを剥離するような場合(近接して多数の被着体が配列されている場合)、従来の方法では以下に示すような問題が生じる。
▲1▼.ピックアップ法
このピックアップ法とは、被着体を1つずつ剥離していくものであり、被粘着体の剥離において非常に能率が悪い。
▲2▼.シート基材を底から指ではじく方法、シート基材を両手で持ち波うたせる方法
多くの場合は能率を考慮してこれらの二つの方法が使用されているが、シート基材に全面で接着された隣合う被着体相互がシート基材の凹部となった部分で衝突して被粘着体が損傷する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、可撓性のシート基材に塗布した感温性粘着剤に粘着されている被着体を非粘着設定温度域において、シート基材から損傷させることなく能率的に剥離できる被着体の剥離方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1記載の発明)
この発明は、可撓性を有するシート基材に感温性粘着剤を介して粘着された被着体を、非粘着設定温度域においてシート基材から剥離させる被着体の剥離方法において、R状の凸部及び凹部を有し且つ空気吸引孔を有するエアーチャンバーの構成壁に、空気吸引孔からの吸引力によりシート基材を吸着させながら凸部を通過させた後に凹部を通過させるようにしている。
(請求項2記載の発明)
この発明は、上記請求項1記載の発明に関し、シート基材を、多数の小孔を有する可撓性シートを介してエアーチャンバーの構成壁に吸着させている。
【0009】
なお、上記被着体の剥離方法の機能については、以下の発明の実施の形態の欄で明らかにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例として示した図面に従って説明する。
〔実施形態1〕
図1はこの発明の実施形態の被着体9の剥離方法を使用することができる剥離装置のエアーチャンバー1の外観斜視図、図2は前記エアーチャンバー1の断面図、図3はシート基材7に感温性粘着剤8を介して粘着された被着体9を示す説明図。
(シート基材7、感温性粘着剤8、被着体9について)
シート基材7は、100μm程度のPETフィルムにより構成されており、可撓性により比較的小さな力で折り曲げや湾曲ができるものである。
【0011】
感温性粘着剤8は、アクリル系粘着剤が使用されており、前記シート基材7に厚さ数十μm程度で塗布されている。なお、この感温性粘着剤は一定以下の温度で粘着力がなくなるクールオフ、一定以上の温度で粘着力がなくなるウォームオフのどちらでもよい。
【0012】
被着体9は、積層セラミックコンデンサであり、図3に示すように、感温性粘着剤8に押し付けて粘着させた状態で1.4mm程度の方形状に切断して形成されている。
(被着体9の剥離装置の主要部であるエアーチャンバー1等について)
エアーチャンバー1は、図1や図2に示すように、本体10は平面視方形に形成されており、上面の中程に凸部11及び凹部12が連続して形成されていると共に前記凸部11及び凹部12の形成範囲及びその近傍において空気吸引孔13が穿設されている。
【0013】
本体10は、図2に示すように、その内部に空室14を具備しており、上記した空気吸引孔13は全て前記空室14と連通している。
【0014】
凸部11及び凹部12の半径は、被着体9の移動方向幅との関係で決定されるものであり、0.01≦〔(L/2)2 +R2 〕0.5 −R≦0.176の関係が成立するものであることが好ましい。この関係式は実験的に得られたものであり、式中、L:被着体9の移動方向幅、R:凸部11及び凹部12の半径を示している。
【0015】
空気吸引孔13は、直径を3〜5mm程度の大きさに設定されている。なお、空気吸引孔13の形成範囲は、基材シート7の幅等により決定される。
(エアーチャンバー1の周りの装置について)
エアーチャンバー1には図1や図2に示すように、空室14と連通する排出管2が接続されていると共に、前記排出管2を介して図示しないコンプレッサーにより空室14内の空気が吸引されるようになっており、空室14内の空気が吸引に伴い、空気吸引孔13から空気が空室14内に吸引されるようになっている。
【0016】
また、シート基材7を凸部11側から凹部12へ向かって移動させる図示しない移動手段(先端に挟み部を設けてある)を具備させてある。
(エアーチャンバー1等を用いて被着体9を剥離する方法について)
▲1▼.感温性粘着剤8を介して被着体9が粘着されたシート基材7を、非粘着設定温度域にさらす。この状態では被着体9は感温性粘着剤8の残留接着力よりシート基材7に接着している。
▲2▼.エアーチャンバー1上にこれの空気吸引孔13を覆うように、多数の小孔を有する可撓性シート3を載せ、その上に、被着体9が感温性粘着剤8の残留接着力より接着されたシート基材7を載せる。このとき、可撓性シート3の移動方向前部がシート基材7よりも大きく突出しているようにしておく。移動手段の挟み部により十分な掴み代を取るためである。
▲3▼.コンプレッサーを駆動状態にして空室14内の空気を吸引し、外部空気が空気吸引孔13から空室14内に吸引されるようにする。このとき、可撓性シート3を介して被着体9が感温性粘着剤8の残留接着力より接着されたシート基材7がエアーチャンバー1の上面に吸着される。
▲4▼.可撓性シート3の端部を移動手段の挟み部で掴み、図4において右から左側に引っ張って移動させる。図4に示すように凸部11にさしかかった被着体9はその前部がシート基材7から剥離する。
▲5▼.更に、図5の状態まで可撓性シート3上のシート基材7が凸部11の中程まで移動せしめられると、被着体9はその前部及び後部がシート基材7から剥離し、中央部のみがシート基材7に接着している。
▲6▼.更に、図6の状態まで可撓性シート3上のシート基材7が凹部12の中程まで移動せしめられると、被着体9の中央部がシート基材7から剥離する。この状態では、被着体9はシート基材7から完全に剥離している。
▲7▼.二番目以降の被着体9も同様にして凸部11及び凹部12を通過すると完全にシート基材7から剥離する。
▲8▼.上記したように本件の方法を使用した装置によると、シート基材7から被着体9が能率良く剥離できる。そして、図6に示した先頭と二番面の被着体9相互が衝突したとしても、先頭の被着体9はほぼ全面においてシート基材7から剥離しているので、両者の衝突による損傷はほとんどない。つまり、本件の方法を使用した装置を使用すると、被着体9をシート基材7から損傷させることなく能率的に剥離できる。
〔その他の実施形態〕
上記実施形態1では、シート基材7を、可撓性シート3を介してエアーチャンバー1の構成壁に吸着させているが、これに限定されることなく、可撓性シート3を使用することなくシート基材7を直接、エアーチャンバー1の構成壁に吸着させるようにしてもよい。
【0017】
上記実施形態1では、エアーチャンバー1を固定し、シ−ト基材7側を移動させるようにしたが、これに限定されることなく、シ−ト基材7を固定し、エアーチャンバー1側を移動(図4で左から右に移動)させるようにしてもよい。
【0018】
上記実施形態1ではシート基材7をPETフィルムで構成させているが、これに限定されることなく、可撓性を有する樹脂フィルムであればよい。
【0019】
上記実施形態1のエアーチャンバー1にバイブレータを取り付け、エアーチャンバー1に振動を与えると、更に、効率的に被着体9をシート基材7から剥離できることになる。
【0020】
【発明の効果】
この発明は上記のような構成であるから次の効果を有する。
【0021】
上記発明の実施形態の欄の説明から明らかなように、可撓性のシート基材に塗布した感温性粘着剤に粘着されている被着体を、非粘着設定温度域において、シート基材から損傷させることなく能率的に剥離できる被着体の剥離方法を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の被着体の剥離方法を使用することができる剥離装置のエアーチャンバーの外観斜視図。
【図2】前記エアーチャンバーの断面図。
【図3】シート基材に感温性粘着剤を介して粘着された被着体を示す説明図。
【図4】エアーチャンバ−の凸部により被着体の前部がシート基材から剥離した状態を示す断面図。
【図5】エアーチャンバ−の凸部により被着体の前部及び後部がシート基材から剥離した状態を示す断面図。
【図6】エアーチャンバ−の凹部により被着体の中央部がシート基材から剥離した状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 エアーチャンバー
2 排出管
3 可撓性シート
10 本体
11 凸部
12 凹部
13 空気吸引孔
7 シート基材
8 感温性粘着剤
9 被着体
Claims (2)
- 可撓性を有するシート基材に感温性粘着剤を介して粘着された被着体を、非粘着設定温度域においてシート基材から剥離させる被着体の剥離方法において、R状の凸部及び凹部を有し且つ空気吸引孔を有するエアーチャンバーの構成壁に、空気吸引孔からの吸引力によりシート基材を吸着させながら凸部を通過させた後に凹部を通過させるようにしたことを特徴とする被着体の剥離方法。
- シート基材を、多数の小孔を有する可撓性シートを介してエアーチャンバーの構成壁に吸着させていることを特徴とする請求項1記載の被着体の剥離方法。
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