JP3870000B2 - センタレス研削方法および研削装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センタレス研削方法および研削装置に関し、さらに詳細には、回転する砥石車と調整車との間に工作物を通し送りしながらこの工作物の円筒外周面を研削するセンタレス研削技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作物(以下ワークと称する。)の円筒外周面を高精度に仕上げる研削方法として、センタレス研削盤によるセンタレス研削があり、このセンタレス研削の代表的なものに、スルーフィード研削とインフィード研削がある。
【0003】
スルーフィード研削においては、図5(a) に示すように、砥石車aと調整車bとがそれぞれ回転可能に対向配置されるとともに、その外周面が図示のごとくワークWの搬入側から搬出側(図中下側から上側)に向けて狭くなるように開きを設けられている。また、調整車bの軸心は、砥石車aの軸心に対して上下方向(図5(a) の紙面に対して垂直方向)に所定角度だけ傾斜した送り角が与えられて、この砥石車aの回転によりワークWに対して上記搬入側から搬出側への軸方向の推力が付与される構成とされている。
【0004】
そして、回転する砥石車aと調整車bとの間に搬入されたワークWは、調整車bの回転による推力によって上記搬入側から搬出側へ通し送りされながら、砥石車aによりその円筒外周面に研削加工を施される。この場合のワークWの研削量(研削代)は、砥石車aと調整車bの開き量つまり搬入側の砥石車aと調整車bの外周面間距離Aと搬入側の同外周面間距離Bとの差(B−A)によって設定される。
【0005】
一方、インフィード研削においては、図5(b) に示すように、砥石車aと調整車bとがそれぞれ回転可能に対向配置されるとともに、その外周面が図示のごとくワークWに対して平行となるようにされている。また、砥石車aもしくは調整車bの一方がワークWの径方向へ移動可能とされて、砥石車aがワークWに対して相対的に切り込まれる構成とされている。
【0006】
これに関連して、砥石車aと調整車bとの間には、ワークWの軸方向への移動を規制するストッパcが配置されるとともに、調整車bには上述のスルーフィード研削の場合よりも小さい角度の送り角が与えられている。
【0007】
そして、回転する砥石車aと調整車bとの間に搬入されたワークWは、その軸方向位置が上記ストッパcにより当接して位置決めされるとともに、砥石車aが相対的に切り込まれながら、砥石車aによりその円筒外周面に研削加工を施される。この場合の研削量(研削代)は、砥石車aの相対的な切込量により設定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したスルーフィード研削とインフィード研削のいずれにおいても、以下のような問題があり、研削代が大きくかつ高い仕上げ精度が要求されるワークWの研削加工には不向きであり、その改良が要望されていた。
【0009】
すなわち、前者のスルーフィード研削では、ワークWを砥石車aと調整車bとの間に通し送りしながら加工する方式であるため、構成が単純であるとともに、加工能率とワークの仕上げ精度(真円度・面粗度)は良好であるものの、研削代に制限を受けるという問題があった。
【0010】
つまり、上述したように、スルーフィード研削におけるワークWの研削代は、砥石車aと調整車bの開き量(B−A)により決定されることから、この開き量を大きくすることにより、ワークWの研削代を大きくすることができるが、反面、砥石車aと調整車bの開き量を大きくすると、これに伴って加工中のワークの円筒度も大きくなり、加工精度が悪化する。このような事情から、砥石車aと調整車bの開き量をあまり大きくとることができず、研削代が大きいワークの加工には適さない。
【0011】
一方、後者のインフィード研削では、ワークWの研削代は砥石車aの相対的な切込量により設定されることから、この切込み量を多くすることにより、ワークWの研削代に制限を受けることはないものの、ワークの仕上げ精度は上記スルーフィード研削に比べて劣る。
【0012】
つまり、インフィード研削においては、研削中のワークWの軸方向位置がストッパcにより位置決めされて不変であることから、ワークWと砥石車aの相対的な軸方向位置も変わらず一定である。これがため、砥石車aの外周砥石面の凹凸等の性状は、そのままワークWの円筒表面に転写されることとなり、ワークWの表面粗度は上記スルーフィード研削に比べて悪い。
【0013】
以上のような実情から、研削代が大きくかつ高い仕上げ精度が要求されるワークWの研削にあたっては、従来、複数台のセンタレス研削盤を用いて、ワークWに対して、例えば粗研削、中研削および仕上げ研削の3回の研削工程を行い、これにより、所期の研削代と仕上げ精度を得るようにしていたが、この方法では、研削工程数が多くて、加工能率が悪く、設備費の高騰も招いていた。
【0014】
本発明は、かかる従来の各問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、研削代が大きなワークに対して、高い仕上げ精度をもって研削加工を施すことができるセンタレス研削方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的とするところは、上記研削方法を実施するセンタレス研削装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のセンタレス研削方法は、回転する砥石車と調整車との間にワークを通し送りしながらこのワークの円筒外周面を研削するセンタレス研削方法であって、砥石車のワークに対する相対的な切込み位置と調整車の回転速度を同期して制御することによって、回転する上記砥石車と調整車の間に搬入したワークに対して、調整車または砥石車の回転に見合う速度でワークを通し送りしながらインフィード研削を行った後、このインフィード研削工程を終了したワークに対してスルーフィード研削を行うことを特徴とする。
【0017】
好適な実施態様として、上記研削方法は、回転する上記砥石車と調整車の間に搬入したワークに対して、上記調整車を所定値以下の回転速度をもって回転させながら、上記砥石車を相対的に切込み送りして研削を行うインフィード研削工程と、このインフィード研削工程を終了したワークに対して、上記砥石車の相対的な切込み送りを停止するとともに、上記調整車を上記所定値以上の回転速度をもって回転させて研削を行うスルーフィード研削工程とからなる。
【0018】
また、本発明のセンタレス研削装置は、上記センタレス研削方法を実施するものであって、調整車を回転駆動する調整車駆動手段と、砥石車をワークに対して相対的に切込み送りする切込み送り手段と、上記砥石車の切込み位置を検出する切込み位置検出手段と、上記調整車駆動手段と切込み送り手段を相互に連動して駆動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、上記切込み位置検出手段からの検出結果に応じて、上記の研削方法を実行するように上記調整車駆動手段と切込み送り手段を駆動制御するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
好適な実施態様として、上記砥石車の円筒外周面は、上記研削方法に対応して形成されたインフィード研削仕様の砥粒層からなる砥石面とスルーフィード研削仕様の砥粒層からなる砥石面とを備えている。
【0020】
本発明においては、研削代が大きなワークに対して、センタレス研削におけるインフィード研削とスルーフィード研削を複合的に組み合わせて研削加工する。具体的には、砥石車のワークに対する相対的な切り込み位置と調整車の回転速度を同期して制御することによって、回転する砥石車と調整車との間にワークを通し送りしながら、このワークに対して、まずインフィード研削を行って所期の研削量を確保した後、引き続いてスルーフィード研削を行って所期の研削精度を確保する。
【0021】
このようなインフィード研削とスルーフィード研削のもつ利点を利用する複合研削方法を実施することにより、研削代が大きなワークに対して、1回の研削により、高い仕上げ精度をもって研削加工を施すことが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
本発明にかかるセンタレス研削装置を図1および図2に示し、この研削装置は、具体的には、大きな研削代を有する円筒状ワークWを通し送り方式で研削するセンタレス研削盤であって、砥石車1、調整車2および支持ブレード3等の基本構成を備えるとともに、上記砥石車1と調整車2が制御装置(制御手段)4により相互に連動して駆動制御される構成とされている。
【0024】
砥石車1はワークWの外周面に研削加工を施すもので、ワークWと同じプロフィールつまり円筒面からなる砥石面5を有するとともに、従来周知の一般的基本構造を備える。つまり、具体的には図示しないが、砥石車1は、その砥石軸6が図示しない、装置ベッド上に固定的に設けられた砥石台上に回転可能に軸承されるとともに、動力伝導ベルトや歯車機構を介して駆動モータ等の砥石車駆動部に連係されている。この砥石車駆動部の主要部である駆動モータは、制御装置4に電気的に接続されている。
【0025】
また、砥石車1の砥石面5は、後述する研削方法の実施工程に対応して形成された構成とされており、具体的には、インフィード研削仕様の砥粒層からなるインフィード砥石面5Aとスルーフィード研削仕様の砥粒層からなるスルーフィード砥石面5Bとを備えている。
【0026】
図示の実施形態の砥石車1は、図2に示すように、3種類の砥石面5A1 、5A2 および5Bを備えている。砥石面5A1 はインフィード研削における粗研削用として、砥石面5A2 はインフィード研削における中研削用として、また砥石面5Bはスルーフィード研削つまり仕上げ研削用として作用するように、その粒度や結合剤などが異なるものが使用されている。
【0027】
一例として、粗研削用の砥石面5A1 は粒度の小さいダイヤモンド砥粒層で形成され、中研削用の砥石面5A2 は上記砥石面5A1 よりも粒度の小さいダイヤモンド砥粒層で形成され、さらに、仕上げ研削用の砥石面5Bは上記砥石面5A 2 よりもさらに粒度の小さいダイヤモンド砥粒層で形成されている。また、上述した粒度の他、ダイヤモンド砥粒を結合するメタルボンドやレジンボンドなどの異なる結合剤を使用して、あるいはこれら両者を適宜組み合わせて各砥石面が形成されてもよい。
【0028】
支持ブレード3はワークを下側から支持するもので、ワークWの外周面を支持する平坦な傾斜支持面3aを有し、図外の調整車台上に設置されている。
【0029】
調整車2はワークWの外周面を回転制動するもので、ワークWを回転支持する円筒支持面を有するとともに、従来周知の一般的基本構造を備える。つまり、具体的には図示しないが、調整車2は、その調整車軸7が上記調整車基台上に回転可能に軸承されるとともに、動力伝導ベルトや歯車機構を介して駆動モータ等の調整車駆動部(調整車駆動手段)8に連係されている。この調整車駆動部8の主要部である駆動モータは、制御装置4に電気的に接続されている。
【0030】
なお、調整車2は、その調整車軸7の軸心が上下方向(図2において紙面対して直交方向)に所定角度だけ傾斜されて、送り角(例えば3°程度)を設けられており、この送り角により、砥石車1との間に搬入されたワークWは、砥石車1および調整車2の相対的回転速度に対応した送り速度をもって、搬入側つまり砥石面5A 1 側から搬出側つまり砥石面5B側へ通し送りされるように推力を与えられる。
【0031】
また、上記調整車2と支持ブレード3が装着された上記調整車基台は、図示しない前記装置ベッド上を、上記砥石車1の砥石軸6の軸線と直交する方向つまり砥石車1の切込み送り方向Xへ移動可能とされるとともに、切込み送り部9に駆動連結されている。
【0032】
この切込み送り部9は、砥石車1をワークWに対して相対的に切込み送りする切込み送り手段として機能するもので、従来周知の構造とされている。つまり、具体的には図示しないが、切込み送り部9は、上記調整車基台に駆動連結されたボールねじ機構等の送りねじ機構と、この送りねじ機構を回転駆動する駆動モータとから構成されている。この駆動モータは上記制御装置4に電気的に接続されている。
【0033】
制御装置4は、CNC装置等のマイクロコンピュ−タを備えた自働制御装置からなり、前述したように、砥石車1および調整車2の駆動部である上記砥石車駆動部、調整車駆動部8および切込み送り部9の駆動モータに電気的に接続されて、これらを介して、図4に示す研削サイクルの各研削工程を自働で順次連続的に実行する。
【0034】
また、この目的のため、調整車2と支持ブレード3が装着された上記調整車基台または切り込み送り部9には、砥石車1の切込み位置を間接的に検出する切り込み位置検出器(切込み位置検出手段)10が設けられており、この切込み検出器10は、電気的に制御装置4に接続されている。
【0035】
制御装置4には、切込み検出器10の検出結果が常時入力されており、制御装置4は、この切込み位置検出器10からの検出結果に応じて、調整車駆動部8および切込み送り部9を駆動制御して、図4に示す研削サイクルの各研削工程を自動で順次連続的に実行することとなる。
【0036】
すなわち、本研削方法においては、以下に説明するように、砥石車1のワークWに対する相対的な切り込み位置と調整車2の回転速度を同期して制御することによって、回転する砥石車1と調整車2の間に搬入したワークWに対してインフィード研削を行った後、このインフィード研削工程を終了したワークWに対してスルーフィード研削を行うこととなる。この場合、前述した調整車2の送り角は、以下のインフィード研削からスルーフィード研削に至る全研削工程を通じて、スルーフィード研削に適合した一定角度に保持される。
【0037】
A.インフィード研削工程:
回転する砥石車1と調整車2の間に搬入側(砥石車1の砥石面5A1 側)から、ワークWを手作業でまたは図外の搬入装置により自動で搬入した後、調整車駆動部8により、調整車2を切込み送り方向へ前進させて、砥石車1をワークWに対して相対的に前進させる。
【0038】
この後、調整車駆動部8により、調整車2を所定値以下の回転速度をもって回転させながら、切込み送り部9により、調整車2を上記切込み送り方向へ移動させることで、砥石車1をワークWに対し相対的に切込み送りして、以下の粗研削工程と中研削工程をインフィード研削により行う。
【0039】
すなわち、まず、調整車2が粗研削に適した低速度で回転するとともに、砥石車1が大きな切込み送り速度をもってワークWに対して切込み送りして、粗研削用の砥石面5A1 によりワークWの外周面が粗研削される(図3(a) 参照)。換言すれば、この粗研削工程においては、図4に示すように、調整車2による切込み量を大きくして(例えば0.8mm 程度)、ワークWの研削代を大きく確保しており、ワークWは、調整車2の送り角の作用で、この調整車2の低速回転に見合う速度でゆっくりと砥石面5A2 側に送られながら、砥石面5A1 で研削されていくこととなる。
【0040】
切り込み位置検出器10により、ワークWの粗研削量が所定値に達して、粗研削工程の終了が検出されると(このときワークWは砥石面5A1 から砥石面5A2 に対応した位置へ移動)、調整車2の回転速度が上記粗研削のときよりも高い中研削に適した値まで上がるとともに、砥石車1の切込み送り速度が低下して、中研削用の砥石面5A2 によりワークWの外周面が中研削される(図3(b) 参照)。換言すれば、この中研削工程では、図4に示すように、調整車2の回転速度を上記粗研削工程での低速の回転速度から徐々に連続して上げていきながら、上記粗研削よりも切込み量を小さくして(例えば0.2mm程度) 、ワークWは、調整車2の回転速度に見合う速度で仕上げ研削用の砥石面5B側へ送られながら、砥石面5A2 で研削されていくこととなる。
【0041】
B.スルーフィード研削工程(仕上げ研削工程):
切り込み位置検出器10により、ワークWの中研削量が所定値に達して、中研削工程の終了が検出されると(このときワークWは砥石面5A2 から砥石面5Bに対応した位置へ移動)、今度は仕上げ研削工程が行われる。
【0042】
すなわち、インフィード研削工程を終了したワークWに対して、切込み送り部9による調整車2の移動を停止させることで、砥石車1のワークWに対する相対的な切込み送りを停止するとともに、調整車駆動部8により、調整車2を上記所定値以上の回転速度つまりスルーフィード研削に適した速度をもって回転させて、仕上げ研削工程をスルーフィード研削で行う(図3(c) 参照)。換言すれば、この仕上げ研削工程では、図4に示すように、調整車2の回転速度を中研削工程が終了した際の高速の回転速度で回転駆動させ、この回転速度を維持しながら、調整車2による切込み量をゼロにして、ワークWは、調整車2の高速回転に見合う速い速度で搬出側へ送られながら、砥石面5Bで研削されるとともに排出されることとなる。
【0043】
以上の一連の工程により、一つのワークWに対する研削加工の1サイクルが終了し、このワークWが排出されると、調整車2が初期の切込み待機位置に後退復帰して、以後、後続のワークWに対する研削工程を順次連続して行うこととなる。
【0044】
しかして、このように、センタレス研削におけるインフィード研削とスルーフィード研削を複合的に組み合わせて研削加工することにより、つまり、インフィード研削とスルーフィード研削のもつ利点を利用する複合研削方法を実施することにより、研削代が大きなワークWに対して、単一のセンタレス研削装置による1回の研削サイクルにより、高い仕上げ精度をもって研削加工を施すことが可能となる。
【0045】
すなわち、本実施形態においては、砥石車1のワークWに対する相対的な切り込み位置と調整車2の回転速度を同期して制御し、回転する砥石車1と調整車2との間にワークWを通し送りしながら、このワークWに対して、まずインフィード研削を行って所期の大きな研削量(研削代)を確保した後、引き続いてスルーフィード研削を行って所期の研削精度(高い仕上げ精度)を確保することができる。
【0046】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0047】
例えば、図示の実施形態の研削サイクルは、図4に示すように、インフィード研削工程における中研削において、調整車2の回転速度を、粗研削における回転速度からスルーフィード研削工程(仕上げ研削)における回転速度まで徐々に連続して上げるようにしているが、その具体的な研削工程は目的に応じて適宜設計変更され得る。
【0048】
一例として、図4の二点鎖線で示すように、調整車2の回転速度を、上記粗研削における回転速度とスルーフィード研削工程における回転速度との間の一定速度(中速回転)にしたり、あるいは、ワークWに要求される仕上げ精度の程度などによっては、図4の破線で示すように、中研削を行わず、粗研削から仕上げ研削に直接移行するようにしてもよい。
【0049】
また、図示の実施形態のように、調整車2を切込み送り方向Xへ移動させる構造に替えて、砥石車1を切込み送り方向Xへ移動させる構造や、あるいは砥石車1と調整車2の両方を切込み送り方向Xへ移動させる構造も採用可能である。
【0050】
さらに、砥石車1の回転数を一定にした状態で調整車2の回転数を変化させて各研削を行うようにしているが、砥石車1の回転数を変化させることも可能である。
【0051】
また、図示の実施形態においては、砥石車1の外周面5が、インフィード研削仕様の砥粒層からなるインフィード砥石面5Aと、スルーフィード研削仕様の砥粒層からなるスルーフィード砥石面5Bとを備えているが、目的に応じて、従来の一般的な砥石車と同様,単一種類の砥粒層砥石で形成された砥石面とされてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、砥石車のワークに対する相対的な切込み位置と調整車の回転速度を同期して制御することによって、回転する上記砥石車と調整車の間に搬入したワークに対して、調整車または砥石車の回転に見合う速度でワークを通し送りしながらインフィード研削を行った後、このインフィード研削工程を終了したワークに対してスルーフィード研削を行うようにしたから、インフィード研削とスルーフィード研削のもつ利点が有効に利用されて、以下に述べるような特有の効果が発揮され、研削代が大きなワークに対して、高い仕上げ精度をもって研削加工を施すことができる。
【0053】
(1) 研削量に制限がないので、取代(研削代)の大きいワークも1回の研削で仕上がる。
すなわち、従来は、異なる研削装置による粗・中・仕上げ研削という3回の研削サイクルが必要であった研削代の大きなワークの研削が、単一の研削装置による1回の研削サイクルで完了する。これにより、従来に比較して、研削加工設備も大幅に簡素化されるとともに、研削加工能率も大幅に向上して、装置コスト、ランニングコストの大幅な低減化を図ることができる。
【0054】
(2) 良好な研削面粗度が長時間維持できる。
すなわち、研削代が大きくても、最終仕上げ工程は、スパークアウト状態で、スルーフィード研削するため、砥石車の磨耗も少なく、また、砥石車とワークが相対的に軸方向へトラバース運動するため、ワーク外周面に良好な仕上げ面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施態様であるセンタレス研削装置を示し、図1(a) は要部の概略構成図、図1(b) は駆動制御系のブロック図である。
【図2】同センタレス装置における砥石車および調整車とワークとの研削時の位置関係を説明するための平面図である。
【図3】同センタレス研削装置によるセンタレス研削方法を説明するための図であり、図3(a) は粗研削工程を示す図、図3(b) は中研削工程を示す図、図3(c) は仕上げ研削工程を示す。
【図4】同センタレス研削装置による研削方法の研削サイクルを示す線図である。
【図5】従来のセンタレス研削方法を説明する図であり、図5(a) はスルーフィード研削を説明するための図、図5(b) はインフィード研削を説明するための図である。
【符号の説明】
W ワーク
1 砥石車
2 調整車
3 支持ブレード
4 制御装置(制御手段)
5 砥石車の砥石面
5A1 、5A2 インフィード砥石面
5B スルーフィード砥石面
8 調整車駆動部(調整車駆動手段)
9 切込み送り部(切込み送り手段)
10 切り込み位置検出器(切込み位置検出手段)

Claims (8)

  1. 回転する砥石車と調整車との間に工作物を通し送りしながらこの工作物の円筒外周面を研削するセンタレス研削方法であって、砥石車の工作物に対する相対的な切込み位置と調整車の回転速度を同期して制御することによって、回転する前記砥石車と調整車の間に搬入した工作物に対して、調整車または砥石車の回転に見合う速度で工作物を通し送りしながらインフィード研削を行った後、このインフィード研削工程を終了した工作物に対してスルーフィード研削を行うことを特徴とするセンタレス研削方法。
  2. 回転する前記砥石車と調整車の間に搬入した工作物に対して、前記調整車を所定値以下の回転速度をもって回転させながら、前記砥石車を相対的に切込み送りして研削を行うインフィード研削工程と、このインフィード研削工程を終了した工作物に対して、前記砥石車の相対的な切込み送りを停止するとともに、前記調整車を前記所定値以上の回転速度をもって回転させて研削を行うスルーフィード研削工程とからなることを特徴とする請求項1に記載のセンタレス研削方法。
  3. 前記インフィード研削工程において、前記調整車を低速回転させながら粗研削を行い、続いて、前記砥石車の相対的な切込み送り速度を下げるとともに、前記調整車の回転数を上げて中研削を行うようにしたことを特徴とする請求項2に記載のセンタレス研削方法。
  4. 前記インフィード研削工程における中研削において、前記調整車の回転速度を、前記粗研削における回転速度から前記スルーフィード研削工程における回転速度まで徐々に連続して上げるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のセンタレス研削方法。
  5. 前記インフィード研削工程における中研削において、前記調整車の回転速度を、前記粗研削における回転速度と前記スルーフィード研削工程における回転速度との間の一定速度にすることを特徴とする請求項3に記載のセンタレス研削方法。
  6. 前記調整車の送り角を、前記インフィード研削からスルーフィード研削に至る全研削工程を通じて、前記スルーフィード研削に適合した一定角度に保持することを特徴とする請求項3に記載のセンタレス研削方法。
  7. 回転する砥石車と調整車との間に工作物を通し送りしながらこの工作物の円筒外周面を研削する方式のセンタレス研削装置であって、調整車を回転駆動する調整車駆動手段と、砥石車を工作物に対して相対的に切込み送りする切込み送り手段と、前記砥石車の切込み位置を検出する切込み位置検出手段と、前記調整車駆動手段と切込み送り手段を相互に連動して駆動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、前記切込み位置検出手段からの検出結果に応じて、請求項1から6のいずれか一つに記載の研削方法を実行するように前記調整車駆動手段と切込み送り手段を駆動制御するように構成されていることを特徴とするセンタレス研削装置。
  8. 前記砥石車の円筒外周面は、前記研削方法に対応して形成されたインフィード研削仕様の砥粒層からなる砥石面とスルーフィード研削仕様の砥粒層からなる砥石面とを備えていることを特徴とする請求項7に記載のセンタレス研削装置。
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