JP2001277082A - センタレス研削方法および研削装置 - Google Patents

センタレス研削方法および研削装置

Info

Publication number
JP2001277082A
JP2001277082A JP2000100542A JP2000100542A JP2001277082A JP 2001277082 A JP2001277082 A JP 2001277082A JP 2000100542 A JP2000100542 A JP 2000100542A JP 2000100542 A JP2000100542 A JP 2000100542A JP 2001277082 A JP2001277082 A JP 2001277082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grinding
wheel
feed
workpiece
centerless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000100542A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3870000B2 (ja
Inventor
Hisayoshi Inokuchi
久與志 井ノ口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Machine Systems Corp
Original Assignee
Koyo Machine Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Machine Industries Co Ltd filed Critical Koyo Machine Industries Co Ltd
Priority to JP2000100542A priority Critical patent/JP3870000B2/ja
Publication of JP2001277082A publication Critical patent/JP2001277082A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3870000B2 publication Critical patent/JP3870000B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削代が大きなワークに対して、高い仕上げ
精度をもって研削加工を施すことができるセンタレス研
削技術を提供する。 【解決手段】 砥石車1のワークWに対する相対的な切
り込み位置と調整車2の回転速度を同期して制御するこ
とによって、回転する砥石車1と調整車2の間に搬入し
たワークWに対してインフィード研削を行った後、この
インフィード研削工程を終了したワークWに対してスル
ーフィード研削を行う。このように、センタレス研削に
おけるインフィード研削とスルーフィード研削を複合的
に組み合わせて研削加工することで、研削代の大きなワ
ークWに対して、1回の研削により、高い仕上げ精度を
もって研削加工を施すことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センタレス研削方
法および研削装置に関し、さらに詳細には、回転する砥
石車と調整車との間に工作物を通し送りしながらこの工
作物の円筒外周面を研削するセンタレス研削技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】工作物(以下ワークと称する。)の円筒
外周面を高精度に仕上げる研削方法として、センタレス
研削盤によるセンタレス研削があり、このセンタレス研
削の代表的なものに、スルーフィード研削とインフィー
ド研削がある。
【0003】スルーフィード研削においては、図5(a)
に示すように、砥石車aと調整車bとがそれぞれ回転可
能に対向配置されるとともに、その外周面が図示のごと
くワークWの搬入側から搬出側(図中下側から上側)に
向けて狭くなるように開きを設けられている。また、調
整車bの軸心は、砥石車aの軸心に対して上下方向(図
5(a) の紙面に対して垂直方向)に所定角度だけ傾斜し
た送り角が与えられて、この砥石車aの回転によりワー
クWに対して上記搬入側から搬出側への軸方向の推力が
付与される構成とされている。
【0004】そして、回転する砥石車aと調整車bとの
間に搬入されたワークWは、調整車bの回転による推力
によって上記搬入側から搬出側へ通し送りされながら、
砥石車aによりその円筒外周面に研削加工を施される。
この場合のワークWの研削量(研削代)は、砥石車aと
調整車bの開き量つまり搬入側の砥石車aと調整車bの
外周面間距離Aと搬入側の同外周面間距離Bとの差(B
−A)によって設定される。
【0005】一方、インフィード研削においては、図5
(b) に示すように、砥石車aと調整車bとがそれぞれ回
転可能に対向配置されるとともに、その外周面が図示の
ごとくワークWに対して平行となるようにされている。
また、砥石車aもしくは調整車bの一方がワークWの径
方向へ移動可能とされて、砥石車aがワークWに対して
相対的に切り込まれる構成とされている。
【0006】これに関連して、砥石車aと調整車bとの
間には、ワークWの軸方向への移動を規制するストッパ
cが配置されるとともに、調整車bには上述のスルーフ
ィード研削の場合よりも小さい角度の送り角が与えられ
ている。
【0007】そして、回転する砥石車aと調整車bとの
間に搬入されたワークWは、その軸方向位置が上記スト
ッパcにより当接して位置決めされるとともに、砥石車
aが相対的に切り込まれながら、砥石車aによりその円
筒外周面に研削加工を施される。この場合の研削量(研
削代)は、砥石車aの相対的な切込量により設定され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスルーフィード研削とインフィード研削のいずれにお
いても、以下のような問題があり、研削代が大きくかつ
高い仕上げ精度が要求されるワークWの研削加工には不
向きであり、その改良が要望されていた。
【0009】すなわち、前者のスルーフィード研削で
は、ワークWを砥石車aと調整車bとの間に通し送りし
ながら加工する方式であるため、構成が単純であるとと
もに、加工能率とワークの仕上げ精度(真円度・面粗
度)は良好であるものの、研削代に制限を受けるという
問題があった。
【0010】つまり、上述したように、スルーフィード
研削におけるワークWの研削代は、砥石車aと調整車b
の開き量(B−A)により決定されることから、この開
き量を大きくすることにより、ワークWの研削代を大き
くすることができるが、反面、砥石車aと調整車bの開
き量を大きくすると、これに伴って加工中のワークの円
筒度も大きくなり、加工精度が悪化する。このような事
情から、砥石車aと調整車bの開き量をあまり大きくと
ることができず、研削代が大きいワークの加工には適さ
ない。
【0011】一方、後者のインフィード研削では、ワー
クWの研削代は砥石車aの相対的な切込量により設定さ
れることから、この切込み量を多くすることにより、ワ
ークWの研削代に制限を受けることはないものの、ワー
クの仕上げ精度は上記スルーフィード研削に比べて劣
る。
【0012】つまり、インフィード研削においては、研
削中のワークWの軸方向位置がストッパaにより位置決
めされて不変であることから、ワークWと砥石車aの相
対的な軸方向位置も変わらず一定である。これがため、
砥石車aの外周砥石面の凹凸等の性状は、そのままワー
クWの円筒表面に転写されることとなり、ワークWの表
面粗度は上記スルーフィード研削に比べて悪い。
【0013】以上のような実情から、研削代が大きくか
つ高い仕上げ精度が要求されるワークWの研削にあたっ
ては、従来、複数台のセンタレス研削盤を用いて、ワー
クWに対して、例えば粗研削、中研削および仕上げ研削
の3回の研削工程を行い、これにより、所期の研削代と
仕上げ精度を得るようにしていたが、この方法では、研
削工程数が多くて、加工能率が悪く、設備費の高騰も招
いていた。
【0014】本発明は、かかる従来の各問題点に鑑みな
されたもので、その目的とするところは、研削代が大き
なワークに対して、高い仕上げ精度をもって研削加工を
施すことができるセンタレス研削方法を提供することに
ある。
【0015】また、本発明の他の目的とするところは、
上記研削方法を実施するセンタレス研削装置を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のセンタレス研削方法は、回転する砥石車と
調整車との間にワークを通し送りしながらこのワークの
円筒外周面を研削するセンタレス研削方法であって、砥
石車のワークに対する相対的な切り込み位置と調整車の
回転速度を同期して制御することによって、回転する上
記砥石車と調整車の間に搬入したワークに対してインフ
ィード研削を行った後、このインフィード研削工程を終
了したワークに対してスルーフィード研削を行うことを
特徴とする。
【0017】好適な実施態様として、上記研削方法は、
回転する上記砥石車と調整車の間に搬入したワークに対
して、上記調整車を所定値以下の回転速度をもって回転
させながら、上記砥石車を相対的に切込み送りして研削
を行うインフィード研削工程と、このインフィード研削
工程を終了したワークに対して、上記砥石車の相対的な
切込み送りを停止するとともに、上記調整車を上記所定
値以上の回転速度をもって回転させて研削を行うスルー
フィード研削工程とからなる。
【0018】また、本発明のセンタレス研削装置は、上
記センタレス研削方法を実施するものであって、調整車
を回転駆動する調整車駆動手段と、砥石車をワークに対
して相対的に切込み送りする切込み送り手段と、上記砥
石車の切込み位置を検出する切込み位置検出手段と、上
記調整車駆動手段と切込み送り手段を相互に連動して駆
動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、上記切
込み位置検出手段からの検出結果に応じて、上記の研削
方法を実行するように上記調整車駆動手段と切込み送り
手段を駆動制御するように構成されていることを特徴と
する。
【0019】好適な実施態様として、上記砥石車の円筒
外周面は、上記研削方法に対応して形成されたインフィ
ード研削仕様の砥粒層からなる砥石面とスルーフィード
研削仕様の砥粒層からなる砥石面とを備えている。
【0020】本発明においては、研削代が大きなワーク
に対して、センタレス研削におけるインフィード研削と
スルーフィード研削を複合的に組み合わせて研削加工す
る。具体的には、砥石車のワークに対する相対的な切り
込み位置と調整車の回転速度を同期して制御することに
よって、回転する砥石車と調整車との間にワークを通し
送りしながら、このワークに対して、まずインフィード
研削を行って所期の研削量を確保した後、引き続いてス
ルーフィード研削を行って所期の研削精度を確保する。
【0021】このようなインフィード研削とスルーフィ
ード研削のもつ利点を利用する複合研削方法を実施する
ことにより、研削代が大きなワークに対して、1回の研
削により、高い仕上げ精度をもって研削加工を施すこと
が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0023】本発明にかかるセンタレス研削装置を図1
および図2に示し、この研削装置は、具体的には、大き
な研削代を有する円筒状ワークWを通し送り方式で研削
するセンタレス研削盤であって、砥石車1、調整車2お
よび支持ブレード3等の基本構成を備えるとともに、上
記砥石車1と調整車2が制御装置(制御手段)4により
相互に連動して駆動制御される構成とされている。
【0024】砥石車1はワークWの外周面に研削加工を
施すもので、ワークWと同じプロフィールつまり円筒面
からなる砥石面5を有するとともに、従来周知の一般的
基本構造を備える。つまり、具体的には図示しないが、
砥石車1は、その砥石軸6が図示しない、装置ベッド上
に固定的に設けられた砥石台上に回転可能に軸承される
とともに、動力伝導ベルトや歯車機構を介して駆動モー
タ等の砥石車駆動部に連係されている。この砥石車駆動
部の主要部である駆動モータは、制御装置4に電気的に
接続されている。
【0025】また、砥石車1の砥石面5は、後述する研
削方法の実施工程に対応して形成された構成とされてお
り、具体的には、インフィード研削仕様の砥粒層からな
るインフィード砥石面5Aとスルーフィード研削仕様の
砥粒層からなるスルーフィード砥石面5Bとを備えてい
る。
【0026】図示の実施形態の砥石車1は、図2に示す
ように、3種類の砥石面5A1 、5A2 および5Bを備
えている。砥石面5A1 はインフィード研削における粗
研削用として、砥石面5A2 はインフィード研削におけ
る中研削用として、また砥石面Bはスルーフィード研削
つまり仕上げ研削用として作用するように、その粒度や
結合剤などが異なるものが使用されている。
【0027】一例として、粗研削用の砥石面5A1 は粒
度の小さいダイヤモンド砥粒層で形成され、中研削用の
砥石面5A2 は上記砥石面5A1 よりも粒度の小さいダ
イヤモンド砥粒層で形成され、さらに、仕上げ研削用の
砥石面Bは上記砥石面5A2よりもさらに粒度の小さい
ダイヤモンド砥粒層で形成されている。また、上述した
粒度の他、ダイヤモンド砥粒を結合するメタルボンドや
レジンボンドなどの異なる結合剤を使用して、あるいは
これら両者を適宜組み合わせて各砥石面が形成されても
よい。
【0028】支持ブレード3はワークを下側から支持す
るもので、ワークWの外周面を支持する平坦な傾斜支持
面3aを有し、図外の調整車台上に設置されている。
【0029】調整車2はワークWの外周面を回転制動す
るもので、ワークWを回転支持する円筒支持面を有する
とともに、従来周知の一般的基本構造を備える。つま
り、具体的には図示しないが、調整車2は、その調整車
軸7が上記調整車基台上に回転可能に軸承されるととも
に、動力伝導ベルトや歯車機構を介して駆動モータ等の
調整車駆動部(調整車駆動手段)8に連係されている。
この調整車駆動部8の主要部である駆動モータは、制御
装置4に電気的に接続されている。
【0030】なお、調整車2は、その調整車軸7の軸心
が上下方向(図2において紙面対して直交方向)に所定
角度だけ傾斜されて、送り角(例えば3°程度)を設け
られており、この送り角により、砥石車1との間に搬入
されたワークWは、砥石車1および調整車2の相対的回
転速度に対応した送り速度をもって、搬入側つまり砥石
面A1側から搬出側つまり砥石面B側へ通し送りされる
ように推力を与えられる。
【0031】また、上記調整車2と支持ブレード3が装
着された上記調整車基台は、図示しない前記装置ベッド
上を、上記砥石車1の砥石軸6の軸線と直交する方向つ
まり砥石車1の切込み送り方向Xへ移動可能とされると
ともに、切込み送り部9に駆動連結されている。
【0032】この切込み送り部9は、砥石車1をワーク
Wに対して相対的に切込み送りする切込み送り手段とし
て機能するもので、従来周知の構造とされている。つま
り、具体的には図示しないが、切込み送り部9は、上記
調整車基台に駆動連結されたボールねじ機構等の送りね
じ機構と、この送りねじ機構を回転駆動する駆動モータ
とから構成されている。この駆動モータは上記制御装置
4に電気的に接続されている。
【0033】制御装部4は、CNC装置等のマイクロコ
ンピュ−タを備えた自働制御装置からなり、前述したよ
うに、砥石車1および調整車2の駆動部である上記砥石
車駆動部、調整車駆動部8および切込み送り部9の駆動
モータに電気的に接続されて、これらを介して、図4に
示す研削サイクルの各研削工程を自働で順次連続的に実
行する。
【0034】また、この目的のため、調整車2と支持ブ
レード3が装着された上記調整車基台または切り込み送
り部9には、砥石車1の切込み位置を間接的に検出する
切り込み位置検出器(切込み位置検出手段)10が設け
られており、この切込み検出器10は、電気的に制御装
置4に接続されている。
【0035】制御装置4には、切込み検出器10の検出
結果が常時入力されており、制御装置4は、この切込み
位置検出器10からの検出結果に応じて、調整車駆動部
8および切込み送り部9を駆動制御して、図4に示す研
削サイクルの各研削工程を自動で順次連続的に実行する
こととなる。
【0036】すなわち、本研削方法においては、以下に
説明するように、砥石車1のワークWに対する相対的な
切り込み位置と調整車2の回転速度を同期して制御する
ことによって、回転する砥石車1と調整車2の間に搬入
したワークWに対してインフィード研削を行った後、こ
のインフィード研削工程を終了したワークWに対してス
ルーフィード研削を行うこととなる。この場合、前述し
た調整車2の送り角は、以下のインフィード研削からス
ルーフィード研削に至る全研削工程を通じて、スルーフ
ィード研削に適合した一定角度に保持される。
【0037】A.インフィード研削工程:回転する砥石
車1と調整車2の間に搬入側(砥石車1の砥石面5A1
側)から、ワークWを手作業でまたは図外の搬入装置に
より自動で搬入した後、調整車駆動部8により、調整車
2を切込み送り方向へ前進させて、砥石車1をワークW
に対して相対的に前進させる。
【0038】この後、調整車駆動部8により、調整車2
を所定値以下の回転速度をもって回転させながら、切込
み送り部9により、調整車2を上記切込み送り方向へ移
動させることで、砥石車1をワークWに対し相対的に切
込み送りして、以下の粗研削工程と中研削工程をインフ
ィード研削により行う。
【0039】すなわち、まず、調整車2が粗研削に適し
た低速度で回転するとともに、砥石車1が大きな切込み
送り速度をもってワークWに対して切込み送りして、粗
研削用の砥石面5A1 によりワークWの外周面が粗研削
される(図3(a) 参照)。換言すれば、この粗研削工程
においては、図4に示すように、調整車2による切込み
量を大きくして(例えば0.8mm 程度)、ワークWの研
削代を大きく確保しており、ワークWは、調整車2の送
り角の作用で、この調整車2の低速回転に見合う速度で
ゆっくりと砥石面5A2 側に送られながら、砥石面5A
1 で研削されていくこととなる。
【0040】切り込み位置検出器10により、ワークW
の粗研削量が所定値に達して、粗研削工程の終了が検出
されると(このときワークWは砥石面5A1 から砥石面
5A 2 に対応した位置へ移動)、調整車2の回転速度が
上記粗研削のときよりも高い中研削に適した値まで上が
るとともに、砥石車1の切込み送り速度が低下して、中
研削用の砥石面5A2 によりワークWの外周面が中研削
される(図3(b) 参照)。換言すれば、この中研削工程
では、図4に示すように、調整車2の回転速度を上記粗
研削工程での低速の回転速度から徐々に連続して上げて
いきながら、上記粗研削よりも切込み量を小さくして
(例えば0.2mm程度) 、ワークWは、調整車2の回転
速度に見合う速度で仕上げ研削用の砥石面5B側へ送ら
れながら、砥石面5A2 で研削されていくこととなる。
【0041】B.スルーフィード研削工程(仕上げ研削
工程):切り込み位置検出器10により、ワークWの中
研削量が所定値に達して、中研削工程の終了が検出され
ると(このときワークWは砥石面5A2 から砥石面5B
に対応した位置へ移動)、今度は仕上げ研削工程が行わ
れる。
【0042】すなわち、インフィード研削工程を終了し
たワークWに対して、切込み送り部9による調整車2の
移動を停止させることで、砥石車1のワークWに対する
相対的な切込み送りを停止するとともに、調整車駆動部
8により、調整車2を上記所定値以上の回転速度つまり
スルーフィード研削に適した速度をもって回転させて、
仕上げ研削工程をスルーフィード研削で行う(図3(c)
参照)。換言すれば、この仕上げ研削工程では、図4に
示すように、調整車2の回転速度を中研削工程が終了し
た際の高速の回転速度で回転駆動させ、この回転速度を
維持しながら、調整車2による切込み量をゼロにして、
ワークWは、調整車2の高速回転に見合う速い速度で搬
出側へ送られながら、砥石面5Bで研削されるとともに
排出されることとなる。
【0043】以上の一連の工程により、一つのワークW
に対する研削加工の1サイクルが終了し、このワークW
が排出されると、調整車2が初期の切込み待機位置に後
退復帰して、以後、後続のワークWに対する研削工程を
順次連続して行うこととなる。
【0044】しかして、このように、センタレス研削に
おけるインフィード研削とスルーフィード研削を複合的
に組み合わせて研削加工することにより、つまり、イン
フィード研削とスルーフィード研削のもつ利点を利用す
る複合研削方法を実施することにより、研削代が大きな
ワークWに対して、単一のセンタレス研削装置による1
回の研削サイクルにより、高い仕上げ精度をもって研削
加工を施すことが可能となる。
【0045】すなわち、本実施形態においては、砥石車
1のワークWに対する相対的な切り込み位置と調整車2
の回転速度を同期して制御し、回転する砥石車1と調整
車2との間にワークWを通し送りしながら、このワーク
Wに対して、まずインフィード研削を行って所期の大き
な研削量(研削代)を確保した後、引き続いてスルーフ
ィード研削を行って所期の研削精度(高い仕上げ精度)
を確保することができる。
【0046】なお、上述した実施形態は、あくまでも本
発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこ
れに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更
が可能である。
【0047】例えば、図示の実施形態の研削サイクル
は、図4に示すように、インフィード研削工程における
中研削において、調整車2の回転速度を、粗研削におけ
る回転速度からスルーフィード研削工程(仕上げ研削)
における回転速度まで徐々に連続して上げるようにして
いるが、その具体的な研削工程は目的に応じて適宜設計
変更され得る。
【0048】一例として、図4の二点鎖線で示すよう
に、調整車2の回転速度を、上記粗研削における回転速
度とスルーフィード研削工程における回転速度との間の
一定速度(中速回転)にしたり、あるいは、ワークWに
要求される仕上げ精度の程度などによっては、図4の破
線で示すように、中研削を行わず、粗研削から仕上げ研
削に直接移行するようにしてもよい。
【0049】また、図示の実施形態のように、調整車2
を切込み送り方向Xへ移動させる構造に替えて、砥石車
1を切込み送り方向Xへ移動させる構造や、あるいは砥
石車1と調整車2の両方を切込み送り方向Xへ移動させ
る構造も採用可能である。
【0050】さらに、砥石車1の回転数を一定にした状
態で調整車2の回転数を変化させて各研削を行うように
しているが、砥石車1の回転数を変化させることも可能
である。
【0051】また、図示の実施形態においては、砥石車
1の外周面5が、インフィード研削仕様の砥粒層からな
るインフィード砥石面5Aと、スルーフィード研削仕様
の砥粒層からなるスルーフィード砥石面5Bとを備えて
いるが、目的に応じて、従来の一般的な砥石車と同様,
単一種類の砥粒層砥石で形成された砥石面とされてもよ
い。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
砥石車のワークに対する相対的な切込み位置と調整車の
回転速度を同期して制御することによって、回転する上
記砥石車と調整車の間に搬入したワークに対してインフ
ィード研削を行った後、このインフィード研削工程を終
了した工作物に対してスルーフィード研削を行うように
したから、インフィード研削とスルーフィード研削のも
つ利点が有効に利用されて、以下に述べるような特有の
効果が発揮され、研削代が大きなワークに対して、高い
仕上げ精度をもって研削加工を施すことができる。
【0053】(1) 研削量に制限がないので、取代(研削
代)の大きいワークも1回の研削で仕上がる。すなわ
ち、従来は、異なる研削装置による粗・中・仕上げ研削
という3回の研削サイクルが必要であった研削代の大き
なワークの研削が、単一の研削装置による1回の研削サ
イクルで完了する。これにより、従来に比較して、研削
加工設備も大幅に簡素化されるとともに、研削加工能率
も大幅に向上して、装置コスト、ランニングコストの大
幅な低減化を図ることができる。
【0054】(2) 良好な研削面粗度が長時間維持でき
る。すなわち、研削代が大きくても、最終仕上げ工程
は、スパークアウト状態で、スルーフィード研削するた
め、砥石車の磨耗も少なく、また、砥石車とワークが相
対的に軸方向へトラバース運動するため、ワーク外周面
に良好な仕上げ面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施態様であるセンタレス研削
装置を示し、図1(a) は要部の概略構成図、図1(b) は
駆動制御系のブロック図である。
【図2】同センタレス装置における砥石車および調整車
とワークとの研削時の位置関係を説明するための平面図
である。
【図3】同センタレス研削装置によるセンタレス研削方
法を説明するための図であり、図3(a) は粗研削工程を
示す図、図3(b) は中研削工程を示す図、図3(c) は仕
上げ研削工程を示す。
【図4】同センタレス研削装置による研削方法の研削サ
イクルを示す線図である。
【図5】従来のセンタレス研削方法を説明する図であ
り、図5(a) はスルーフィード研削を説明するための
図、図5(b) はインフィード研削を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
W ワーク 1 砥石車 2 調整車 3 支持ブレード 4 制御装置(制御手段) 5 砥石車の砥石面 5A1 、5A2 インフィード砥石面 5B スルーフィード砥石面 8 調整車駆動部(調整車駆動手
段) 9 切込み送り部(切込み送り手
段) 10 切り込み位置検出器(切込み位
置検出手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する砥石車と調整車との間にワーク
    を通し送りしながらこの工作物の円筒外周面を研削する
    センタレス研削方法であって、 砥石車の工作物に対する相対的な切込み位置と調整車の
    回転速度を同期して制御することによって、回転する前
    記砥石車と調整車の間に搬入した工作物に対してインフ
    ィード研削を行った後、このインフィード研削工程を終
    了した工作物に対してスルーフィード研削を行うことを
    特徴とするセンタレス研削方法。
  2. 【請求項2】 回転する前記砥石車と調整車の間に搬入
    した工作物に対して、前記調整車を所定値以下の回転速
    度をもって回転させながら、前記砥石車を相対的に切込
    み送りして研削を行うインフィード研削工程と、 このインフィード研削工程を終了した工作物に対して、
    前記砥石車の相対的な切込み送りを停止するとともに、
    前記調整車を前記所定値以上の回転速度をもって回転さ
    せて研削を行うスルーフィード研削工程とからなること
    を特徴とする請求項1に記載のセンタレス研削方法。
  3. 【請求項3】 前記インフィード研削工程において、前
    記調整車を低速回転させながら粗研削を行い、続いて、
    前記砥石車の相対的な切込み送り速度を下げるととも
    に、前記調整車の回転数を上げて中研削を行うようにし
    たことを特徴とする請求項2に記載のセンタレス研削方
    法。
  4. 【請求項4】 前記インフィード研削工程における中研
    削において、前記調整車の回転速度を、前記粗研削にお
    ける回転速度から前記スルーフィード研削工程における
    回転速度まで徐々に連続して上げるようにしたことを特
    徴とする請求項3に記載のセンタレス研削方法。
  5. 【請求項5】 前記インフィード研削工程における中研
    削において、前記調整車の回転速度を、前記粗研削にお
    ける回転速度と前記スルーフィード研削工程における回
    転速度との間の一定速度にすることを特徴とする請求項
    3に記載のセンタレス研削方法。
  6. 【請求項6】 前記調整車の送り角を、前記インフィー
    ド研削からスルーフィード研削に至る全研削工程を通じ
    て、前記スルーフィード研削に適合した一定角度に保持
    することを特徴とする請求項3に記載のセンタレス研削
    方法。
  7. 【請求項7】 回転する砥石車と調整車との間に工作物
    を通し送りしながらこの工作物の円筒外周面を研削する
    方式のセンタレス研削装置であって、 調整車を回転駆動する調整車駆動手段と、 砥石車を工作物に対して相対的に切込み送りする切込み
    送り手段と、 前記砥石車の切込み位置を検出する切込み位置検出手段
    と、 前記調整車駆動手段と切込み送り手段を相互に連動して
    駆動制御する制御手段とを備え、 この制御手段は、前記切込み位置検出手段からの検出結
    果に応じて、請求項1から6のいずれか一つに記載の研
    削方法を実行するように前記調整車駆動手段と切込み送
    り手段を駆動制御するように構成されていることを特徴
    とするセンタレス研削装置。
  8. 【請求項8】 前記砥石車の円筒外周面は、前記研削方
    法に対応して形成されたインフィード研削仕様の砥粒層
    からなる砥石面とスルーフィード研削仕様の砥粒層から
    なる砥石面とを備えていることを特徴とする請求項7に
    記載のセンタレス研削装置。
JP2000100542A 2000-04-03 2000-04-03 センタレス研削方法および研削装置 Expired - Fee Related JP3870000B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000100542A JP3870000B2 (ja) 2000-04-03 2000-04-03 センタレス研削方法および研削装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000100542A JP3870000B2 (ja) 2000-04-03 2000-04-03 センタレス研削方法および研削装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001277082A true JP2001277082A (ja) 2001-10-09
JP3870000B2 JP3870000B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=18614724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000100542A Expired - Fee Related JP3870000B2 (ja) 2000-04-03 2000-04-03 センタレス研削方法および研削装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3870000B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006123075A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Micron Seimitsu Kk 2工程連続研削方法および同装置
JP2009279724A (ja) * 2008-05-24 2009-12-03 Koyo Mach Ind Co Ltd 円筒状工作物の曲り取り方法、センタレス研削方法および装置
JP2014094129A (ja) * 2012-11-09 2014-05-22 Taihei Kogyo Kk 歯間ブラシのブラシ先端研磨方法及びその装置
JP2014188654A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Citizen Finetech Miyota Co Ltd 円柱状部材の製造方法及びセンタレス研削盤

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006123075A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Micron Seimitsu Kk 2工程連続研削方法および同装置
JP4521244B2 (ja) * 2004-10-28 2010-08-11 ミクロン精密株式会社 2工程連続研削方法および同装置
JP2009279724A (ja) * 2008-05-24 2009-12-03 Koyo Mach Ind Co Ltd 円筒状工作物の曲り取り方法、センタレス研削方法および装置
JP2014094129A (ja) * 2012-11-09 2014-05-22 Taihei Kogyo Kk 歯間ブラシのブラシ先端研磨方法及びその装置
JP2014188654A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Citizen Finetech Miyota Co Ltd 円柱状部材の製造方法及びセンタレス研削盤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3870000B2 (ja) 2007-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5034951B2 (ja) 砥石修正装置
EP1666200B1 (en) Workpiece grinding method
US7121928B2 (en) High smoothness grinding process and apparatus for metal material
US5899797A (en) Method and apparatus for grinding cams with concave sides
US4621463A (en) Method of grinding cams on a camshaft
JPH06246601A (ja) 研削方法
JP5125391B2 (ja) 旋回装置およびそれを備えた円筒研削盤
JP2006035387A (ja) 凹面を有するカムを研削する方法および装置
JP3870000B2 (ja) センタレス研削方法および研削装置
JP2003266295A (ja) バフ加工制御装置
JP2003103460A (ja) 工作物表面を油溜りがある超仕上面に研削加工する方法及び装置
JPS61146471A (ja) ドレツシング装置
JP2003291069A (ja) 研削盤用の砥石及びこの砥石を使用する研削方法
JP4270115B2 (ja) 工作物の研削方法
JP2513342B2 (ja) 研削力制御研削におけるリトラクション研削方法および研削装置
JPH0899257A (ja) 研削装置
JP2003103462A (ja) 2個の砥石台を有する研削盤におけるツルーイング装置
JP2002239881A (ja) 研削加工機による加工方法と、その装置
JP3107481B2 (ja) 段付き工作物のセンタレス研削方法および装置
JP3635724B2 (ja) センタレス研削盤のアンギュラ研削方法およびその装置
JPS62213954A (ja) 硬脆材の外周面研削方法およびその装置
JPH06190696A (ja) 研削装置
JP2006263834A (ja) 研削加工方法及び円筒研削盤
JP2001328067A (ja) 円筒研削盤における研削方法
JP3834496B2 (ja) 円筒部とショルダ部とコーナ部とからなる研削箇所を研削する方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3870000

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees