JP3869358B2 - 膜除去装置及び膜除去方法 - Google Patents

膜除去装置及び膜除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,膜除去装置及び膜除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばLCDや半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では,基板(LCD基板,半導体基板)表面にレジスト液を塗布し,レジスト膜を形成するレジスト塗布処理,基板に所定のパターンを露光する露光処理,露光後の基板を現像する現像処理等が順次行われ,基板に所定の回路パターンが形成される。
【0003】
例えば,上記露光処理の際には,基板上の所定の位置に所定のパターンを露光するために,極めて精度の高い基板の厳密なアライメントが必要となる。このアライメントは,通常予め基板の所定位置にアライメントマークを形成しておき,当該アライメントマークの位置を位置検出用のレーザ光を用いて検出し,当該アライメントマークの位置に基づいて行われる。このレーザ光を用いたアライメントは,高精度な位置出しを行うことができる点で有効である。
【0004】
ところで,前記露光処理が行われる前に,前記アライメントマーク上にレジスト膜等の膜が形成される場合がある。かかる場合,位置検出用のレーザ光がアライメントマークに到達する前に,当該形成された膜により反射,減衰してしまい,アライメントの精度が低下し,アライメントが適切に行われなくなることがある。そこで,特開平10―113779号に記載されるようにアライメントを行う前に,加工用のレーザ光をアライメントマーク上の膜に照射し,当該アライメントマーク上の膜のみを除去するレーザ加工装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,このレーザ光による膜の除去は,膜にレーザ光による高いエネルギーを与え,膜の成分を蒸発,分解させることにより行われる。そのため,除去後には,分解された膜が,周囲に残存し,浮遊する。したがって,この状態で放置すると,やがてその分解された膜の浮遊物が再び基板に付着し,その後の処理によって正常な回路パターンが形成されないおそれがあった。
【0006】
かかる弊害を解消する手段として,特開平11―145108号では,液体の貯留された加工槽内に基板を浸けた状態でレーザ光を照射して穴加工を施す微細加工装置が提案されている。しかし,このような微細加工装置によっても,一端除去された膜の分解物が再度付着する可能性は否定できず,基板の汚染を防止するには十分でない。また,基板全体に液体が付着するので,後処理として基板全体を洗浄する洗浄機構が必要となり,加工工程が複雑化するという欠点がある。
【0007】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,基板上のアライメントマーク上等の所定位置の膜を,基板が汚染されないように除去する膜除去装置と,膜除去方法とを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば,基板にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板上に液体を噴出するノズルと,前記ノズルから基板上に噴出され前記所定位置を通過した前記液体を基板上で回収する回収機構とを備えることを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0009】
この発明によれば,基板上に液体を噴出して基板表面上に液体を流し,当該液体を回収しながら,レーザー光を照射して膜の除去作業を行うことができる。こうすることにより,レーザ光により分解された膜の成分は,液体に取り込まれ,回収される。それ故,レーザ光により分解した膜が再度基板に付着することが防止でき,基板の汚染を防止できる。
【0010】
前記膜除去装置は,前記ノズルから噴出された液体が前記基板上の前記所定位置を通過するように案内する案内部材を備えていてもよい。この案内部材により前記液体が前記所定位置に案内されるので,余分な液体を供給することがなく,より効率的に膜の除去処理を行うことができる。また,液体が基板全体に拡散することがなく,基板の洗浄等の後処理が簡略化できる。
【0011】
前記案内部材は,略直方体形状を有し,前記基板の所定位置上に基板に近接して配置可能であり,当該案内部材の下面には,前記液体を案内するための溝が形成されていてもよい。この溝によって前記液体が確実に前記所定位置に案内され,基板から分解され,剥離された膜を適切かつ確実に排除できる。
【0012】
前記案内部材は,前記レーザ光源からのレーザ光が透過する透明体であってもよい。これにより,案内部材によってレーザ光が遮られることなく,前記基板の所定位置にレーザ光を適切に照射することができる。また,案内部材が透明体であるので,レーザ光をどの角度からでも所定位置に対して照射することができ,レーザ光源の取付位置を自由に選択できる。
【0013】
前記ノズルには,振動子が取り付けられていてもよい。これにより,ノズルから噴出さる液体に振動が伝播されるので,液体自身による膜の剥離,除去効果を向上させることができる。なお,振動子は,超音波の振動を発生させるものであってもよい。さらに前記ノズルの噴出口は,前記基板の所定位置に向けられていてもよい。これにより,振動の付加された液体が,前記所定位置に直接衝突するので,膜の剥離,除去効果がさらに増大する。
【0014】
また,前記案内部材に,振動子が取り付けられていてもよく,前記基板保持部に,振動子が取り付けられていてもよい。このような場合でも,液体に振動が伝わり,液体による膜の剥離,除去効果が向上される。
【0015】
請求項9の発明によれば,基板にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板上に液体を噴出するノズルと,前記ノズルから噴出された液体が前記基板上の前記所定位置を通過するように案内する案内部材と,を備え,前記基板上であって,前記ノズルから噴出された液体の前記基板の所定位置より下流側には,当該液体の流れを基板から離隔するための整流板が設けられていることを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0016】
この発明によれば,液体を前記基板上の前記所定位置上に流した状態で,前記所定位置にレーザ光を照射して膜の除去作業を行うことができる。そして,前記整流板により,当該所定位置を通過した液体を基板から隔離させることができる。これにより,膜を巻き込んで汚染された液体が再度基板に接触し,膜の粒子が基板に再付着することを防止できる。
【0017】
請求項10の発明によれば,基板にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板上に液体を噴出するノズルと,前記ノズルから噴出された液体が前記基板上の前記所定位置を通過するように案内する案内部材と,前記ノズルからの液体の流れの両側に,当該流れと同方向の流れを形成するために流体を噴出するサブノズルと,を備えることを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0018】
この発明によれば,液体を前記基板の前記所定位置上に流し,この流れの両側に当該液体の流れと同方向の流体の流れを形成した状態で,前記所定位置にレーザ光を照射して膜の除去作業を行うことができる。これにより,前記液体が,前記流体に挟まれ,基板上を拡散することなく直線状に流される。それ故,分解した膜を取り込んだ液体が,基板全面に拡散し,膜の粒子が基板に再付着することが防止できる。なお,前記サブノズルから噴出する流体は,純水であってもよいし,気体であってもよい。
【0019】
前記膜除去装置は,前記ノズルから基板上に噴出され前記所定位置を通過した前記液体を基板上で回収する回収機構を備えていてもよい。かかる場合には,剥離された膜を含んだ液体を回収し,当該膜の粒子が基板に再付着することを防止できる。
【0020】
請求項14の発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置に近接して配置可能で,前記所定位置上に膜除去空間を形成できる膜除去ブロックと,を備え,前記膜除去ブロックは,前記膜除去空間に液体を供給する供給管と,前記膜除去空間の液体を排液する排液管とを備え,少なくとも前記膜除去ブロックの一部は,前記レーザ光源からのレーザ光が前記所定位置まで透過する透明体であることを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0021】
この発明によれば,前記基板の所定位置上に前記膜除去ブロックを近接配置することにより,前記所定位置上に膜除去空間を形成できる。そして,当該膜除去空間に液体を供給し,当該液体を膜除去空間から排液することができるので,レーザ光により膜除去空間で剥離された膜を前記液体と共に好適に排出することができる。この場合,液体を,限られたスペースに効率よく供給するので,液体の消費量を低減することができる。また,膜除去ブロックの一部を透明体とするので,レーザ光を遮断せずにレーザ光を好適に照射することができる。
【0022】
前記膜除去ブロックには,前記膜除去空間の外方であって前記膜除去ブロックと前記基板との隙間に液体を供給する供給管が設けられていてもよい。こうすることにより,前記膜除去空間の外方の前記膜除去ブロックと基板との隙間が,前記液体で満たされ,前記膜除去空間から当該隙間に流れ出そうとする液体の動きを抑制することができる。したがって,膜除去空間の液体が,前記排液管から適切に排出され,分解された膜を含んだ液体が基板上に広がることを防止できる。
【0023】
請求項16の発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置に相互に対向する方向から液体を噴出するノズルと,前記ノズルから噴出され,前記所定位置を通過した液体を所定方向に案内する案内部材と,を備えることを特徴とする膜除去装置が提供される。この場合,基板上に噴出された液体が,所定位置を通過後,案内部材により基板上の所定方向に案内される。この結果,レーザ光により基板上から剥離された膜が基板表面の全面に拡散することが抑制され,基板表面の汚染が抑制される。
【0024】
別の観点による本発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置付近に流体を供給する流体供給部と,前記基板の所定位置付近の流体を吸引し,排出する吸引排出部材と,を備え,前記液体供給部は,気体と液体を選択的に切り替えて供給できることを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0025】
この発明によれば,レーザ光により分解され,前記所定位置付近に浮遊した膜の成分を,吸引排出部材により前記液体と一緒に排除することができる。したがって,当該分解された膜が再度基板に付着することが防止され,基板の汚染が防止される。なお,前記流体は,前記所定位置付近の雰囲気や前記所定位置付近に供給された液体等が含まれる。
【0026】
前記吸引排出部材は,中空部と,当該中空部内に前記所定位置付近の流体を吸引する吸引口と,前記中空部内から前記流体を排出する排出管と,を備え,前記吸引口は,前記吸引排出部材の中空部の下面に設けられ,前記吸引排出部材の中空部の上面は,前記レーザ光を透過する透明体で形成され,前記レーザ光が,前記透明体,前記中空部及び前記吸引口を通過して,前記所定位置に照射されるようにしてもよい。
【0027】
かかる場合,前記吸引排出部材の吸引口を前記所定位置上に配置しても,上方からのレーザ光を遮断することはない。したがって,吸引口を前記所定位置に近づけて吸引することができるので,レーザ光により分解された膜の成分を効率よく的確に排出することができる。また,発明者等の実験によってレーザ光により分解された膜の粒子は,上方向に浮遊することが知られており,吸引口を所定位置上に配置できることは,かかる点から見ても有効である。
【0028】
前記流体供給部は,前記所定位置を中心とする同一円周上に複数設けられていてもよい。
【0029】
別の観点による本発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置に近接して配置可能で,前記所定位置から剥離された膜を除去するための膜除去部材と,を備え,前記膜除去部材は,前記所定位置に近接して配置可能で,当該所定位置に対して所定方向から液体を噴出する第1のノズルと,前記第1のノズルの両側に設けられ,前記所定位置に対して前記所定方向と鋭角をなす方向から液体を噴出する第2のノズルと,を備え,前記第1のノズルからの液体は,前記第2のノズルからの液体よりも速い速度で噴出可能であり,少なくとも前記膜除去部材の一部は,前記レーザ光源からのレーザ光が前記所定位置まで透過する透明体であることを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0030】
この発明によれば,前記所定位置に近接配置された第1のノズルによって,前記所定位置を通過する液体の流れ(第1の流れ)が形成される。また,第2のノズルにより,前記第1の流れより速度の遅い液体の流れ(第2の流れ)が形成される。そして,かかる状態で前記所定位置にレーザ光を照射し,膜の除去作業を行うことができる。かかる場合,第1の流れと第2の流れとの間に圧力差が生じ,第2の流れ側から第1の流れ側に向かう力が生じる。これにより,第1の流れの液体,つまり剥離した膜の成分を含有する液体が,基板上に広がることが抑制される。したがって,基板上に膜の成分が再付着することが抑制される。
【0031】
別の観点による本発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板上の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,基板に向けて液体を噴出するノズルと,前記ノズルと基板との間に配置可能で,前記ノズルから噴出された液体が表面を伝って流れるマスク部材と,を備え,前記マスク部材には,前記液体の流れの一部を前記所定位置に接触させるための貫通孔が設けられていることを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0032】
この発明によれば,ノズルから噴出された液体は,マスク部材上を流れ,その途中の貫通孔の部分で基板の前記所定位置に接触する。これにより,前記所定位置から剥離した膜の成分を当該マスク部材上の液体の流れに取り込み,基板上から排除できる。この結果,剥離した膜の成分を含んだ液体が前記所定位置以外の部分に接触することを抑制できるので,当該膜の成分が基板に再付着することを抑制できる。また,液体と基板表面との接触が抑制されるので,基板の洗浄等の後処理を簡略化できる。
【0033】
前記マスク部材は,平板状に形成され,前記マスク部材の下面は,水平に形成され,上面は,前記貫通孔の高さが最も低くなるように傾斜していてもよい。また,前記マスク部材は,平面から見て円形状に形成されており,前記貫通孔は,前記円形状の中心部に設けられていてもよい。
【0034】
前記膜除去装置は,前記マスク部材上の前記貫通孔に対向する位置に配置可能で,前記マスク部材上の液体の流れを上方側で抑制するガイド部材を備え,前記ガイド部材は,上下動自在で,かつ前記レーザ光源からのレーザ光が前記所定位置まで透過する透明体であってもよい。かかる場合,ガイド部材を上下動させ,前記液体の流路の幅を調節して,前記液体の流速を調節できる。これにより,前記所定位置から剥離した膜の成分が一定の流速を有する液体に取り込まれ,基板上から好適に除去される。
【0035】
別の観点による本発明によれば,レーザ光の照射により,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去方法であって,前記基板上の所定位置に液体を流し,当該液体を回収しながら,前記基板の所定位置にレーザ光を照射することを特徴とする膜除去方法が提供される。
【0036】
この発明によれば,レーザ光により基板から剥離された膜は,液体に取り込まれ,当該液体と一緒に回収される。したがって,剥離した膜が周辺に浮遊し,基板に再付着することを防止できる。
【0039】
別の観点による本発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,前記膜除去ユニットは,膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の気体が前記剥離した膜と共に吸入される排出室と,前記排出室の内周面に連通し,排出室内の気体を排気するための排気管と,前記排出室の下面に開口した第1の吸引口と,前記第1の吸引口を介して前記排出室と連通し,前記排出室への前記気体及び剥離した膜の吸入を促進させるための吸引促進室と,前記第1の吸引口と同軸上の前記吸引促進室の下面に開口し,前記所定位置付近の気体と前記剥離した膜を吸引するための第2の吸引口と,前記吸引促進室の周壁に吸引促進室の中心軸を外れる方向に向けて開口し,膜除去ユニットの外気を吸引促進室内に吸引するための複数の第3の吸引口と,を有することを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0040】
この発明によれば,吸引促進室の周壁の第3の吸引口から膜除去ユニットの外気が吸引される。第3の吸引口は,吸引促進室の中心軸を外れる方向に向けられているので,吸引促進室内には,旋回流が形成される。この結果,第2の吸引口から吸引された剥離膜は,吸引促進室内の旋回流に巻き込まれ,中央に集められた状態で排出室に吸入される。したがって,剥離膜が周囲に飛散することなく,効率的に排出室内に吸入することができ,基板上に剥離膜が再付着することが防止される。
【0041】
別の観点による本発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,前記膜除去ユニットは,膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の気体が前記剥離した膜と共に吸入される排出室と,前記排出室の内周面に連通し,排出室内の気体を排気するための排気管と,前記排出室の下面に開口し,前記流体と剥離した膜を吸引するための吸引口と,前記排出室の外周に取り付けられ,前記吸引口の周囲を取り囲み基板に対向する下面が開口し,前記吸引口の周辺の雰囲気を所定の気体の雰囲気に維持するためのガスパージ室と,を有することを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0042】
この発明によれば,前記吸引口の周辺に均等に気体が供給されるので,基板の所定位置の周辺から気体が均等に吸引され,剥離膜の除去が好適に行われる。前記気体は,酸素ガスであってもよく,かかる場合,レーザ光による膜の燃焼が促進され,膜の剥離効果が向上する。
【0043】
前記ガスパージ室は,前記吸引口の周りに環状に形成され,前記ガスパージ室に所定の気体を供給するための給気口は,前記ガスパージ室の上部に複数開口していてもよい。また,前記ガスパージ室に供給される気体の供給量は,前記排気管から排気される排気量よりも多くなるように調整されていてもよい。かかる場合,吸引口の周辺雰囲気を所定の気体雰囲気に確実に維持できる。
【0044】
別の観点による本発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,前記膜除去ユニットは,膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の気体が前記剥離した膜と共に吸入される排出室と,前記排出室の内周面に連通し,排出室内の気体を排気するための排気管と,前記排出室の下面に開口し,前記流体と剥離した膜を吸引するための吸引口と,前記吸引口に近接して配置された少なくとも一対の正負の電極と,を有することを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0045】
レーザ光により剥離する膜は帯電しているので,この発明によれば,吸引口近傍の電極に剥離膜と異なる極の電圧を付加し,剥離膜を吸引口側に引き寄せることができる。この結果,気流だけでは,吸引されない剥離膜も吸引口側に引き寄せ,吸引口から吸引除去することができので,基板に剥離膜が再付着することが防止できる。
【0046】
別の観点による本発明によれば,基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,基板を保持する基板保持部と,前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,前記膜除去ユニットは,膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の流体が前記剥離した膜と共に吸入される排出室と,前記排出室の内周面に連通し,排出室内の流体を排気するための排出管と,前記排出室の内周面に連通し,排出室内に流体を供給するための供給管と,前記排出室の下面に開口し,前記流体と剥離した膜を吸引するための吸引口と,前記基板の所定位置に向けて流体を噴出するためのニードルと,前記吸引口の周囲に形成され,前記吸引口から吸引される流体を補充するための補助流体室と,を有することを特徴とする膜除去装置が提供される。
【0047】
この発明によれば,例えば排出管からの排出量と供給管からの供給量を調整することによって,補助流体室から基板上に供給され,吸引口から排出室内に吸入し,排気管を通じて排気される流体の流れを形成できる。ニードルから基板の所定位置に流体が噴出されて,前記所定位置から剥離した膜が動かされるので,当該剥離した膜を前記流れに円滑に乗せることができる。したがって,剥離膜が適正に吸引除去される。
【0048】
前記補助流体室と前記吸引口とを仕切る隔壁に,流体の通るスリットが形成されていてもよい。例えば前記流体が酸素ガスの場合,スリットを通じて吸引口付近に十分な酸素ガスが供給されるので,吸引口に近いレーザ照射位置の膜の燃焼が促進され,膜の剥離効果が向上する。前記スリットは,前記吸引口の軸から外れる方向に向けて形成されていてもよい。このスリットにより,吸引口付近に旋回流が形成され,基板の所定位置から剥離した膜を旋回流に乗せて,好適に吸引除去できる。
【0049】
前記排出室の上部には,前記レーザ光源からのレーザ光が透過する透明体が取り付けられており,前記レーザ光は,前記透明体及び排出室を通過して前記基板の所定位置に照射されるようにしてもよい。また,前記膜除去ユニットと前記基板の膜との間隔は,50〜1000μmの範囲内になるように調整されていてもよい。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる膜除去装置の概略を示す縦断面の説明図である。膜除去装置1は,例えばウェハの表面に形成された所定位置のアライメントマーク上の塗布膜を除去する装置である。
【0051】
膜除去装置1は,ウェハWを水平に吸着保持する基板保持部としてのチャック2と,膜としての塗布膜を除去するためにレーザ光を照射するレーザ光源としてのレーザ発振器3と,ウェハW上に液体を噴出するノズル4と,ウェハW上を流れる液体を案内する案内部材5と,ウェハW上のレーザ光が照射される部分を通過した液体を回収する回収機構6と,当該回収機構6によっても回収できずにウェハW上から流れ落ちる液体を回収するカップ7とで主要部が構成されている。
【0052】
チャック2には,例えばチャック2を回転させるためのモータ等を備えた駆動部10が設けられている。これにより,チャック2に保持されたウェハWを回転させ,液体の付着したウェハWを振り切り乾燥することができる。また,チャック2には,チャック2自体を上下動させるためのシリンダ等の駆動部が取り付けられていてもよい。それによってウェハWをカップ7内に搬送する際に,チャック2を上昇させ,外部の搬送装置(図示しない)との間のウェハWの受け渡しを自動で行うことができる。
【0053】
カップ7は,チャック2の外方を囲むように上面が開口した略円筒状に形成されている。カップ7の下部には,回収した液体を排液する排出部11が設けられている。排出部11は,液体と一緒にカップ7内の雰囲気も排気することができる。また,カップ7は,例えばカップ7全体を水平方向でかつ直交するX―Y方向に移動させる移動機構(図示せず)を有し,ウェハW上の所定位置としての膜除去位置Pをレーザ発振器3からのレーザ光の照射位置に移動させることができる。
【0054】
レーザ発振器3には,例えばYAGレーザ,エキシマレーザ等の加工用レーザが用いられる。レーザ発振器3は,例えば膜除去装置1のケーシング(図示しない)に固定して設けられており,これにより厳格に設定された光学系を維持できる。レーザ発振器3は,鉛直下方向に向けてレーザ光を発射できるようになっている。なお,レーザ光が所定の俯角方向に発光されるようにレーザ発振器が取り付けられていてもよい。
【0055】
案内部材5は,例えば図2に示すように略直方体形状を有し,下面に液体を誘導する溝としての誘導溝12が設けられている。誘導溝12は,一定方向例えばX方向に直線状に形成され,誘導溝12の横幅aは,膜除去位置Pよりも大きい,例えば2〜10mm程度に形成されている。これにより,案内部材5をウェハW表面に近接させ,誘導溝12を膜除去位置P上に位置させることにより,ウェハW上の液体を膜除去位置Pに案内することができる。案内部材5には,例えば石英ガラス等の透明体が用いられ,レーザ発振器3からのレーザ光を減衰,反射させずに透過することができる。
【0056】
ノズル4は,図1に示すように案内部材5のX方向負方向側に配置され,ノズル4から噴出された液体が誘導溝12内に流れ込むようになっている。ノズル4は,例えば液体供給管13により液体,例えば純水の供給源14に連通接続されている。液体供給管13には,例えばポンプ15や調節弁16が設けられており,供給源14からの純水をノズル4から所定のタイミング,流量で噴出できるようになっている。
【0057】
ノズル4には,振動子17が取り付けられており,ノズル4から噴出される純水に所定周波数の振動を伝達することができる。これにより,レーザ光の照射されたウェハWの塗布膜の剥離効果を向上させることができる。
【0058】
上述のノズル4と案内部材5は,例えば保持アーム18に保持されている。保持アーム18は,シリンダやモータ等の昇降駆動部19を備えており,ウェハW表面と案内部材5と距離を自在に調節することができる。すなわち,保持アーム18は,案内部材5をウェハW表面に近接させた上で,当該案内部材5とウェハWとの距離を厳密に調節することができる。したがって,案内部材5の誘導溝12内を流れる純水の液膜Hの厚みbを調節することができる。
【0059】
また,保持アーム18は,Y方向(図1の前後方向)に延びるレール20上を駆動機構(図示せず)により移動自在であり,例えば所定の待機部からレーザ照射位置までノズル4や案内部材5を移動させることができる。保持アーム18は,案内部材5を最適な位置に保持している。すなわち,図3に示すように案内部材5がレーザ照射位置まで移動した際に,当該レーザ照射位置から案内部材5のノズル4側の端部までの距離,つまりノズル4から噴出された純水の助走距離cが例えば6mm以上になるように,案内部材5は保持されている。これにより,ノズル4から噴出された純水の助走距離を十分に確保でき,純水の流れがレーザ照射位置に到達する前に当該流れを安定した層流状態にすることができる。
【0060】
回収機構6は,例えば案内部材5を通過した純水を回収する回収ノズル25と,当該回収ノズル25に接続された回収管26と,当該回収管26中を流れた純水が貯留される回収タンク27と,回収ノズル25に吸引力を与える吸引機構である,例えばエジェクタ28等で構成されている。
【0061】
回収ノズル25は,例えば図4に示すように略直方体形状を有し,回収ノズル25の先端部には,吸引口25aがスリット状に形成されている。この吸引口25aは,少なくとも案内部材5の誘導溝12の幅aよりも長く形成されている。回収ノズル25は,例えば保持アーム18により,案内部材5の下流側(X方向正方向側)に設けられている。また,回収ノズル25は,案内部材5がウェハWに近接配置された時に,回収ノズル25の先端部がウェハWに近接するように保持アーム18に保持されている。そして,この吸引口25aのある先端部は,例えば図3に示すように案内部材5側が高くなるように傾斜しており,案内部材5からの純水を回収し易いようになっている。
【0062】
回収管26は,図1に示すように回収タンク27の上面に連通しており,回収した純水は,回収タンク27に貯留される。回収タンク27の下部には,ドレイン管29が設けられており,回収された純水を適宜排出できる。また,回収タンク27の上面には,エジェクタ28に連通する吸引管30が開口しており,回収タンク27内の気体を吸引し,さらに回収ノズル25に吸引力を与えている。また,この吸引管30からの吸引により,純水に混入されていたエアを回収タンク27内から抽出させ,当該エアを吸引管30から排気することができる。これにより,回収した純水の気液を分離して排出することができる。なお,ドレイン管29から排出された純水を再びフィルタを通して異物を除去して,ノズル4から噴出される純水に再利用してもよい。なお,吸引機構は,真空ポンプであってもよい。
【0063】
次に,以上のように構成された膜除去装置1の作用について詳しく説明する。先ず,図5,図6に示すような複数のアライメントマークTを有し,その上に塗布膜Rが形成されているウェハWがチャック2上に吸着保持される。この際,所定の搬送装置(図示しない)から予め上昇して待機していたチャック2にウェハWを受け渡すようにしてもよい。なお,膜除去位置Pは,ウェハW上のアライメントマークTの位置である。
【0064】
続いて,ウェハWが搬入された位置からカップ7が移動し,ウェハWの膜除去位置Pがレーザ照射位置に移動される。この際,ウェハWの位置を検出するCCDカメラ等の位置検出手段の検出結果に基づいて,カップ7の移動位置を制御するようにしてもよい。
【0065】
次いで,保持アーム18によりノズル4と案内部材5が待機部からウェハW上の膜除去位置P上に移動し,ウェハW上に近接配置される。このとき案内部材5の高さが調節され,誘導溝12内を流れる純水の液膜Hの厚みbが2mm程度以下になるように調節される。そして,図3に示すようにノズル4から例えば純水が,0.5〜2l/min程度で噴出され始め,誘導溝12内に,膜除去位置P上を通過する純水の流れが形成される。このとき,振動子17が,例えば0.4〜1MHz程度の超音波で振動し,噴出される純水に振動が伝播される。また,エジェクタ28が作動し,案内部材5を通過した純水は,回収ノズル25から回収され,排液される。なお,回収ノズル25で回収できなかった純水は,カップ7で回収され,その後排出部11から排出される。
【0066】
ウェハW上に純水を流した状態で,レーザ発振器3からレーザ光が発射され,案内部材5を透過して,膜除去位置Pに照射される。これにより,図7に示すように当該膜除去位置Pの塗布膜Rが分解され,ウェハWから剥離される。レーザ光によって剥離された塗布膜Rやレーザ光による熱反応で生成された異物は,純水の流れに取り込まれ,回収ノズル25によりウェハW上から除去される。
【0067】
所定時間レーザ光が照射され,膜除去位置Pの塗布膜Rが除去されると,レーザ光の照射が停止され,純水の噴出も停止される。さらに所定時間経過後エジェクタ28の作動が停止され,回収ノズル25からの吸引が終了する。その後他のアライメントマークT上の塗布膜Rも同様に除去される。
【0068】
全ての膜除去位置Pの塗布膜Rが除去されると,ノズル4及び案内部材5が待機部に移動する。次いで,例えばチャック2が高速回転され,ウェハW上に残留した水滴が振り切られ,ウェハWが乾燥される。この振り切り乾燥が終了すると,カップ7が所定の搬出位置まで移動し,一連の塗布膜Rの除去処理が終了する。
【0069】
以上の実施の形態によれば,ウェハW上で純水を流しながら膜除去位置PであるアライメントマークT上の塗布膜Rを分解し,当該分解物を取り込んだ純水を速やかに回収するようにしたので,分解物である塗布膜RがウェハWに再付着することを抑制できる。したがって,ウェハW表面が汚染されることなく,適切に膜の除去処理が行われる。
【0070】
ウェハW上に案内部材5を配置し,膜除去位置Pに純水を誘導するようにしたので,膜除去位置Pに十分な水量の純水を供給することができ,膜の除去を確実に行うことができる。また,純水を効率よく膜除去位置Pに集中させることができるので,純水の供給量を低減することができる。ウェハW上に噴出された純水を案内するので,ウェハW全面が純水で濡れるのを防止できる。ノズル4から噴出される純水の助走距離cを十分に確保したので,純水の流れが膜除去位置P通過時には層流になっている。したがって,乱流によって純水内に気泡が発生しレーザ光が当該気泡により拡散されないので,塗布膜Rの分解を適切に行うことができる。
【0071】
ノズル4に振動子17を取付け,純水に超音波振動を与えたので,塗布膜Rやレーザ光の照射で発生した分解異物の純水自体の剥離,除去作用を向上させることができる。なお,純水に超音波振動を与えずに,単に純水のみを噴出するようにしてもよい。また,噴出される液体は,純水に限られず,二酸化炭素,酸素又は窒素等の気体を混入した純水,イオン水,オゾン水及び過酸化水素水等の他の液体であってもよい。なお,ウェハWの帯電を防止するため,噴出される液体は,pH4〜6に調節されていることが好ましい。
【0072】
上述の実施の形態で記載した回収ノズル25の先端部は,傾斜していたが,例えば図8に示すように回収ノズル30の先端部がウェハWと平行になるように形成されていてもよい。かかる場合,回収ノズル25とウェハWとの隙間に進入した純水をより確実に回収することができる。
【0073】
以上の実施の形態で記載したノズル4の噴出口を,図9に示すように塗布膜Rの除去される膜除去位置Pに向けて設けるようにしてもよい。かかる場合,ノズル4において振動の付加された純水が,直接アライメントマークT上の塗布膜Rに衝突し,純水による塗布膜Rの剥離,除去作用をさらに向上させることができる。なお,この例の案内部材5には,ノズル4から噴出された純水の流れを妨げないような傾斜部5aを設けるようにしてもよい。
【0074】
振動子17は,図10に示すように案内部材5側に取り付けるようにしてもよい。また,図11に示すようにチャック2に取り付けるようにしてもよい。これらの場合にも,ウェハW上を流れる純水に振動が伝達され,純水による塗布膜Rの剥離,除去作用を向上させることができる。
【0075】
前記実施の形態で記載した回収ノズル25の代わりに,図12に示すように純水の流れの膜除去位置Pよりも下流側に整流板40を設けるようにしてもよい。整流板40は,例えば100〜200μm程度の薄い平板状に形成され,案内部材5の下流側から,ウェハWと案内部材5との間に挿入される。整流板40は,整流板40の上流側の先端部と膜除去位置Pとの距離dが例えば10〜100μm程度になるように配置され,整流板40の下流側の端部は,ウェハWの端部まで達するように形成される。整流板40の上流側の先端部は,下側が突出したテーパ形状に形成される。整流板40は,ウェハWと接触しない程度に例えばウェハWとの距離eが10〜50μm程度になるようにウェハWに近接して配置される。整流板40は,例えば案内部材5に取り付けられた保持アーム18によって支持され,案内部材5と一体的に移動される。この例によれば,ノズル4から噴出され,膜除去位置Pを通過した純水が整流板40の上側に誘導され,ウェハWから離隔される。それ故,剥離された塗布膜RがウェハWから離され,剥離後の塗布膜RがウェハWに再付着することが抑制できる。なお,整流板40上に回収ノズル25を設け,ウェハWから隔離された純水を回収するようにしてもよい。この場合,整流板40は,ウェハWの端部まで延びている必要はなく,回収ノズル25の位置まであれば足りる。
【0076】
上記ノズル4に加え,ノズル4の両側にノズル4と同じ方向に向けられた2つのサブノズルを設けるようにしてもよい。図13に示すようにノズル4の両隣には,例えば流体,例えばノズル4の液体と同じ純水を噴出するサブノズル50,51が設けられる。サブノズル50,51は,ノズル4と同じX方向正方向に向けられ,例えば保持アーム18に取り付けられる。サブノズル50,51相互間の距離は,例えば案内部材5の横幅程度に調整される。そして,ノズル4から純水が噴出された時にサブノズル50及び51から純水が噴出される。これにより,ノズル4からの純水を挟み込むような流れが形成され,ノズル4からの純水の流れが案内部材5を通過してからウェハW上に広がることを抑制できる。したがって,塗布膜Rを巻き上げ汚染された純水を直線的に効率よくウェハW外に排出することができる。なお,サブノズル50,51から噴出される流体は,純水に限られず,イオン水等の他の液体であってもよく,また,液体に限られず,例えば不活性ガス,窒素ガス,酸素ガス等の気体であってもよい。
【0077】
また,ノズル4に代えて,図14に示すように案内部材60の側面から,互いに対向するように液体を噴出するノズル61,62を備えるようにしてもよい。この場合,例えばノズル61,62が,Y方向に沿った直線状で,かつ各ノズル61,62から噴出された液体が膜除去位置Pで衝突するように配置される。案内部材60は,例えば衝突した液体をX方向に流すような誘導溝63を備える。この例によっても,膜除去位置Pで剥離した塗布膜Rが液体と共に適切に排出される。なお,この例で,案内部材60から排出される液体を回収する回収機構を備えるようにしてもよい。
【0078】
前記実施の形態では,ノズル4から純水を噴出し,案内部材5を通過させて,当該純水をウェハW上から回収することによって膜除去位置Pの塗布膜Rを除去していたが,これらの塗布膜Rの除去作業を図15,図16に示すような膜除去ブロック70を用いて行ってもよい。
【0079】
膜除去ブロック70は,略直方体形状を有し,その下面の中央部には,ウェハWの上面を覆い膜除去空間Sを形成する逆凹形の凹部71が設けられている。膜除去ブロック70は,膜除去空間Sに純水等の液体を供給する供給管72と,膜除去空間Sの液体を吸引して排液する排液管73とを有している。供給管72及び排液管73は,例えば凹部71と同じ幅を有し,凹部71への開口部がスリット状に形成されている。供給管72は,例えば上記実施の形態で記載した液体供給管13により供給源14に連通接続されており,所定のタイミングで所定流量の純水を膜除去空間S内に供給できる。排液管73は,例えばエジェクタ等の負圧発生手段や真空ポンプ等の真空発生装置等に接続され,所定の圧力で膜除去空間S内を吸引し排液することができる。
【0080】
膜除去ブロック70の中央部であって,凹部71の上部は,図15に示すように透明体Mで形成されており,上方のレーザ発振器3からのレーザ光を凹部71の形成する膜除去空間S内に透過できるようになっている。
【0081】
膜除去ブロック70は,例えば上述した保持アーム18と同様な機能を有する保持アーム75に保持されている。これにより,保持アーム75は,膜除去ブロック70の凹部71をウェハW上の膜除去位置Pに対向するように配置し,さらに膜除去ブロック70をウェハWの表面に近接することができる。すなわち,ウェハW上の膜除去位置P上に,凹部71とウェハWの表面とで形成される略密閉空間の膜除去空間Sを形成することができる。なお,ウェハWと膜除去ブロック70の下面との隙間fを,膜除去空間S内の純水が漏れないように100〜300μm程度にするとよい。
【0082】
そして,膜除去位置Pの塗布膜Rを除去する際には,膜除去位置P上に形成された膜除去空間S内に,供給管72から例えば純水が供給される。それと共に膜除去空間Sの純水が,排液管73から吸引されることで排液される。これにより,供給管72→塗布膜除去空間S→排液管73の順路で流れる純水の流れが形成される。また,このとき,膜除去空間Sから純水が溢れないように,膜除去空間S内に供給される純水の供給量と排液される純水の排液量が等しくなるように制御される。その後,上記実施の形態と同様にレーザ発振器3から膜除去位置Pにレーザ光が照射され,塗布膜Rが剥離される。そして,剥離された塗布膜Rは,純水に取り込まれ,純水と共に排液管73から排出される。
【0083】
この例によれば,膜除去空間Sに局所的に純水等の液体を供給するので,使用される液体の消費量を低減できる。また,塗布膜Rを取り込んで汚染された純水が,ウェハW表面上に広がることがないので,ウェハW上の汚染を抑制できる。
【0084】
なお,膜除去ブロック70には,図17に示すように膜除去ブロック70とウェハWとの隙間fに純水等の液体を供給する供給管としてのサブ供給管80を設けるようにしてもよい。例えばサブ供給管80は,例えば凹部71の四方に複数設けられる。そして,供給管72から膜除去空間Sに純水が供給されているときに,各サブ供給管80から隙間fに例えば純水が供給され,隙間fに純水が滞留される。この滞留した純水が,膜除去空間Sを流れる純水の堤防的な役割を果たし,膜除去空間Sの純水が,前記隙間fを通じてウェハW上の他の部分に漏れることが防止できる。したがって,膜除去空間Sを通過し汚れた純水がウェハW上の他の部分に接触することが防止できる。
【0085】
以上の実施の形態では,ウェハW上に純水等の液体を流して剥離した塗布膜Rを排出していたが,レーザ光により剥離した塗布膜Rを吸引し排気することによって,当該塗布膜Rを排出するようにしてもよい。
【0086】
図18は,かかる一例を示すものであり,膜除去装置90には,膜除去位置P付近の雰囲気を吸引し,排出できる吸引排出部材91が設けられる。吸引排出部材91は,例えば略円柱状に形成され,その内部は,略密閉空間を形成する中空部92になっている。吸引排出部材91の下面には,下方の雰囲気を中空部92内に吸引する吸引口93が設けられている。吸引排出部材91の側面には,中空部92内の雰囲気を排気するための排出管94が接続されている。排出管94は,図示しない吸引装置に連通されており,所定の圧力,所定のタイミングで中空部92内を吸引することができる。すなわち中空部92下部の吸引口93から,吸引排出部材91下方の雰囲気を吸引し,中空部92を通過させ,排出管94から排気できるようになっている。
【0087】
吸引排出部材91の上部,すなわち中空部92の上面は,石英ガラス等の透明体Mで形成されている。吸引口93は,中空部92を挟んだ当該透明体Mの下方に配置されており,上方から照射されたレーザ光が,透明体M,中空部92及び吸引口93を通過し,下方のウェハWに照射できるようになっている。
【0088】
吸引排出部材91は,例えば前記実施の形態で記載した保持アーム18と同様の機能を有する保持アーム95によって保持され,吸引口93をウェハW上の膜除去位置P上に位置させることができる。また,吸引排出部材91の高さを調節し,吸引口93とウェハWとの距離を最適な距離,例えば10〜50μm程度にすることができる。
【0089】
そして,膜除去時には,吸引排出部材91を膜除去位置P上まで移動させ,吸引口93から膜除去位置P付近の雰囲気を吸引する。吸引口93から吸引された当該雰囲気は,中空部92を通り,排出管94を通じて排気される。膜除去位置P付近の雰囲気を排気している状態で,レーザ発振器3からレーザ光が発射され,透明体M,吸引口93を通過したレーザ光が膜除去位置Pに照射される。この照射によって剥離した塗布膜Rは,周辺雰囲気と共に吸引口93から排気される。レーザ光の照射が終了すると,所定時間排気が継続され,その後停止される。
【0090】
かかる例によれば,レーザ光によりウェハWから剥離した塗布膜Rが吸引口93から吸引され,排気される。それ故,剥離した塗布膜RがウェハWに再付着することが防止でき,ウェハWの汚染を防ぐことができる。吸引排出部材91の上面を透明体Mとし,吸引排出部材91内に中空部92があるので,吸引排出部材91を膜除去位置Pの真上に配置した状態でレーザ光を照射できる。したがって,吸引口93を膜除去位置Pにより近づけた状態で吸引できる。特に,塗布膜Rから剥離した粒子は,上方に舞い上がることが実験等により確認されているので,その効果は大きい。
【0091】
なお,図19に示すように吸引排出部材91の側面の下部には,膜除去位置P付近にエア,酸素ガス等の気体と,純水等の液体とを選択的に供給できる流体供給部100が設けられていてもよい。流体供給部100は,例えば図20に示すように吸引口93を中心とする同一円周上に複数設けられる。各流体供給部100の供給口100aは,図19に示すように吸引排出部材91の中心方向に向けて傾けて設けられ,吸引排出部材91とウェハWとの隙間に所定の流体を供給できるようになっている。各流体供給部100は,例えば供給管101により気体,例えば酸素ガスの供給源(図示しない)と,液体,例えば純水の供給源に連通接続されている。供給管101には,例えば三方弁102が設けられており,この三方弁102により酸素ガスと純水の供給を適宜切り替えることができる。一方,排出管94には,例えば負圧発生手段としてのエジェクタ103が接続され,排出管94に印可される負圧を調節することによって吸引口93の吸引力を調節できる。
【0092】
そして,膜除去時に,各流体供給部100から膜除去位置P付近に酸素ガス又は純水を供給する。酸素ガスを供給した場合には,図19に示すように流体供給部100から噴出された酸素ガスが膜除去位置Pに到達し,当該酸素ガスが除去された塗布膜Rと共に吸引口93から吸引され,中空部92を通って排出管94から排出される。この結果,膜除去位置P付近の排気がスムーズに行われ,例えば膜除去装置90内が徐々に負圧になって吸引排出部材91の吸引圧力が低下するようなことが抑制できる。また,純水を供給した場合には,図21に示すように吸引排出部材91とウェハWとの間に純水の薄膜が形成され,この薄膜と共に剥離した塗布膜Rが吸引口93から吸引される。そして,中空部92内に吸引された純水は,排出管94から排出される。このとき,エジェクタ103の圧力を調節することにより,吸引口93からの吸引量を調節して吸引排出部材91とウェハWとの隙間の純水の量を調節するようにしてもよい。
【0093】
なお,かかる一例で,酸素ガス等の気体のみを膜除去位置P付近に供給できるようにしてもよいし,純水等の液体のみを供給できるようにしてもよい。
【0094】
前記実施の形態では,例えば吸引排出部材91等により,剥離した塗布膜RのウェハWへの再付着を抑制していたが,例えば図22,23に示すような膜除去部材110を用いて再付着を抑制してもよい。
【0095】
膜除去部材110は,本体111と,膜除去位置Pに対して所定方向,例えばX方向負方向側から液体を供給できる第1のノズル112と,第1のノズル112の両側に配置され,平面から見て前記第1のノズル112と鋭角θ,例えば5°〜45°をなす方向から膜除去位置Pに液体を供給できる2つの第2のノズル113,114とで主要部が構成されている。
【0096】
本体111は,例えば略逆円錐形状を有しており,円錐の先端部,すなわち本体111の下部には,水平面が形成されている。本体111は,透明体であり,レーザ光を透過できる。本体111は,例えば前記保持アーム18等の同様の構成を有する保持アーム115に保持されており,水平方向と上下方向に移動自在である。
【0097】
本体111には,第2のノズル113,114が内蔵されている。第2のノズル113,114は,図23に示すように例えば平面から見て本体111の中心部を通るX方向のX軸に対して左右対称の位置に設けられている。また第2のノズル113,114は,本体111の中心部方向に向いた俯角方向に傾けて設けられている。第2のノズル113,114の供給口は,本体111の底面に開口し,例えば直径2mm程度に形成されている。なお,第2のノズル113,114は,それぞれ液体供給装置(図示しない)に連通接続されており,所定のタイミングで所定の流速で液体を噴出することができる。
【0098】
第1のノズル112は,例えば支持棒116によって本体111に支持され,X軸上で,かつX方向正方向側に向けて取り付けられている。第1のノズル112は,その先端部が本体111の垂直方向の中心軸から所定距離g,例えば0.01mm〜0.05mm程度の距離に位置するように支持されている。第1のノズル112は,例えば水平面に対して5°〜45°程度の俯角方向に向けて設けられている。なお,第1のノズル112は,それぞれ液体供給装置(図示しない)に連通接続されており,所定のタイミングで所定の流速で液体を噴出することができる。
【0099】
膜除去時には,本体111の中心部が,膜除去位置P上に位置するように,本体111がウェハWに近接配置される。そして,第1のノズル112から,例えば20m/s以上の流速の液体,例えば純水が噴出される。これによって,近距離から膜除去位置Pに純水が供給され,図24に示すようなX軸上をX方向正方向に直進する純水の流れ(第1の流れ)が形成される。一方,第2のノズル113,114からも第1のノズル112からの純水より遅い,例えば1m/s程度の速度で純水が噴出される。これによって,前記第1の流れの両脇に,当該第1の流れよりも遅い純水の流れ(第2の流れ)が形成される。この例によれば,第1の流れが第2の流れよりも速いので,第1の流れと第2の流れ間に圧力差が生じ,第2の流れから第1の流れの方向に向かう力が働く。この結果,膜除去位置Pにレーザ光が照射され,塗布膜Rが剥離すると,第2の流れに挟まれた第1の流れに乗ってウェハW上から除去される。したがって,剥離した塗布膜Rが,ウェハW表面上に拡散することがなく,ウェハWに再付着することが抑制される。
【0100】
なお,上記一例における本体111の形状は任意に選択できる。また,少なくとも膜除去位置Pを通過した第1の流れの液体を回収する回収機構を備えるようにしてもよい。
【0101】
また,ウェハWに剥離した塗布液R等が再付着することを抑制する手段として,例えば図25に示すようなマスク部材120を用いるようにしてもよい。
【0102】
かかる例では,例えばウェハW上に純水等の液体を供給するノズル121とウェハWとの間に,マスク部材120が配置される。マスク部材120は,全体がウェハWより半径の大きい略円盤形状で,マスク部材120の上面120aは,中心部が低くなるように傾斜している。マスク部材120の中心部には,例えば直径0.5mm程度の貫通孔122が設けられている。マスク部材120の下面120bは,水平面になっている。マスク部材120は,例えば前記保持アーム18と同様の機能を有する保持アーム(図示しない)に保持されており,水平方向と上下方向に移動自在である。
【0103】
マスク部材120の貫通孔122の上方には,流体を上方から抑えるガイドするガイド部材123が配置されている。ガイド部材123は,例えば石英ガラス等の透明体である。このガイド部材123は,例えば略立方体形状を有している。ガイド部材123は,例えば上下動自在な保持アーム(図示しない)に保持されており,例えばマスク部材120の上面120aとの距離を所定距離,例えば0.05mm〜0.3mm程度に調節できる。
【0104】
そして,膜除去時には,マスク部材120とガイド部材123が膜除去位置P上に移動され,マスク部材120の下面120bとウェハW表面との距離fが例えば10μm〜100μmになるように,マスク部材120がウェハWに近接される。このとき,貫通孔122が膜除去位置Pに対向する位置になるようにマスク部材120の位置が調節される。そして,ノズル121からマスク部材120上に液体,例えば純水が噴出され,噴出された純水は,上面120aを下り貫通孔122を通過して,反対側の上面120aを上がってマスク部材120上から,例えばカップ7内に排出される。この状態で膜除去位置Pにレーザ光が照射され,塗布膜Rが剥離すると,当該剥離した塗布膜Rは,マスク部材120上の純水の流れに取り込まれ,ウェハW上から排出される。この結果,一旦取り除かれた塗布膜Rが,ウェハWに再付着することが抑制される。
【0105】
なお,マスク部材120の形状は,円盤形状限られず,他の形状,例えば方盤形状であってもよい。また,マスク部材120の上面120aは,傾斜していなくても水平面であってもよい。
【0106】
次に,図26〜36を参照して,ウェハW表面上に近接して配置可能で,ウェハWから剥離した塗布膜Rを除去するための種々の膜除去ユニットについて説明する。図26に示すように,膜除去ユニット130の中央部には,レーザ発振器131からのレーザ光132の光路を妨げないように,吸引促進室としての下室133と,排出室としての上室134が形成されている。下室133と上室134は,略円筒形状を有し,上下方向で同軸上に形成されている。上室134には,排気管135を介して図示しない真空ポンプが連通している。上室134の底面には,第1の吸引口136が形成され,この第1の吸引口136によって上室134は,下室133に連通している。下室133の底面には,膜除去ユニット130の下面に開口する第2の吸引口137がが形成されている。第1の吸引口136と第2の吸引口137は,レーザ光132の光軸132aに沿って上下方向に並設されている。第2の吸引口137は,レーザ照射領域である膜除去位置Pから塗布膜Rと流体を吸引する機能を有する。第1の吸引口136は,第2の吸引口137を通過した塗布膜Rと流体をさらに強力に吸引する機能を有する。なお,膜除去ユニット130の上部には,透明ガラスなどの透明部材138がはめ込まれている。
【0107】
図27に示すように下室133の周壁139には,膜除去ユニット130の外側と下室133内とを連通する第3の吸引口140が,複数,例えば4つ開口している。第3の吸引口140は,光軸132a(下室133の中心軸)を外れる向き(ほぼ接線方向)に形成されており,膜除去ユニット130の外側の気体,例えば空気を下室133内に吸引導入し,下室133内に上昇旋回流を形成する。第3の吸引口140は,下室133の大きさに応じて数と径が最適に選択される。例えば下室133の内径d1が25mmの場合は,第3の吸引口140の径を2mmとし,その数を2つとすることが好ましい。なお,膜除去ユニット130を昇降する機構(図示せず)を制御することによって,膜除去ユニット130(第2の吸引口137)と塗布膜Rとの間隔は,例えば50〜1000μmの範囲で任意に調整できる。
【0108】
かかる膜除去ユニット130によれば,下室133内の中心(光軸132a)付近に旋回流が形成されるので,ウェハWから剥離し第2の吸引口137から吸引された塗布膜Rが,下室133の中心付近の旋回流に巻き込まれながら,上室134側に吸引される。したがって,ウェハW上から剥離した塗布膜Rが,周囲に飛散することなく適正に除去される。
【0109】
次に,図28に示す膜除去ユニット150内には,中央部に排出室151が形成されている。排出室151の内周面には,真空ポンプ(図示せず)に通じる排気管152が連通している。排出室151の底部は,下方に行くにつれ内径が小さくなるようなテーパ形状に形成されており,排出室151の最下端部には,膜除去ユニット150の下面に開口する吸引口153が形成されている。吸引口153は,レーザ光132の光軸132a上に形成されている。なお,膜除去ユニット150の上部には,透明ガラスなどの透明部材138がはめ込まれている。膜除去ユニット150の下部であって,排出室151の外周には,下面が開口したガスパージ室154が取り付けられている。ガスパージ室154は,吸引口153を取り囲むように設けられ,ガスパージ室154には,酸素ガス供給源(図示せず)に連通する酸素ガスの給気口155が形成されている。例えば図29に示すように給気口155は,ガスパージ室154の上面の同一円周上であって等間隔でない3箇所に形成されている。このガスパージ室154によって,吸引口153の周辺雰囲気を酸素ガス雰囲気に維持することができる。
【0110】
なお,膜除去ユニット150(吸引口153)と塗布膜Rとの間隔は,例えば膜除去ユニット150を上下動させる機構(図示せず)によって,50〜1000μmの範囲で任意に調整されている。また,例えば酸素ガス供給源(図示せず)と真空ポンプ(図示せず)の動作を制御することによって,酸素ガスの供給量が吸引排気量よりも多くなるように調整し,吸引口153の周辺雰囲気が常時酸素ガスの雰囲気に維持されている。
【0111】
このような膜除去ユニット150を用いた場合,3箇所の給気口155から供給された酸素ガスは,ガスパージ室154内で旋回し,旋回しながらレーザ照射領域である膜除去位置Pを通って吸引口153から吸引される。したがって,ウェハWから剥離した塗布膜Rは,この旋回流に乗ってより強い力で吸引除去される。また,レーザ照射領域に十分な酸素が供給されるので,レーザ光132よる塗布膜Rの燃焼が促進されて,塗布膜Rの剥離効果が向上される。
【0112】
次に,図30に示す膜除去ユニット160内には,中央部に略円筒状の排出室161が形成されている。排出室161の内周面には,真空ポンプ(図示せず)に通じる排気管162が連通している。排出室160の下面は,平板163に覆われており,平板163の中央部には,膜除去ユニット160の下面に開口する吸引口164が形成されている。平板163は,複数のボルト165によって膜除去ユニット160の下端部に着脱可能に取り付けられている。なお,平板163の材質には,セラミックスなどの絶縁材料が用いられている。吸引口164は,レーザ光132の光軸132a上に形成され,膜除去ユニット160の上部には,透明ガラスなどの透明部材138がはめ込まれている。
【0113】
図31に示すように膜除去ユニット160には,膜除去ユニット160の外側から排出室161内に貫通する,例えば2対の正負の電極166a,166b,167a,167bが設けられている。正負の電極166a,166b及び167a,167bは,それぞれ互いに向き合うように配置され,それぞれの先端が吸引口164に近接するように配置されている。例えば電極166a,167aは,高圧電源168に接続され,数kVの正の電圧を印加できる。電極166b,167bは,電源169に接続され,数kVの負の電圧を印加できる。
【0114】
なお,膜除去ユニット160(吸引口164)と塗布膜Rとの間隔は,例えば膜除去ユニット160を上下動させる機構(図示せず)によって,50〜1000μmの範囲で任意に調整されている。
【0115】
この膜除去ユニット160を用いて塗布膜Rの除去を行う場合,電極166a,167a又は電極166b,167bに対し,剥離時に帯電している塗布膜Rと異極性の電圧を印加する。ウェハWから剥離した塗布膜Rは,吸引口164の近傍にある電極166a,166b,167a,167bに引き寄せられ,吸引口164から好適に吸引される。この結果,気流による吸引力だけでは完全に防ぎきれなかった塗布膜RのウェハWへの再付着を防止することができる。また,電極166a,116b,167a,167bに付着した塗布膜Rは,吸引による上昇気流が存在するので,ウェハW上に落下する恐れはない。
【0116】
次に,図32〜34に示す膜除去ユニット180は,中央部に断面が略円錐台形状(すり鉢形状)の排出室181を備えており,排出室181の内周面には,図34に示すように真空ポンプ(図示せず)に通じる排出管182と,流体供給源(図示せず)に通じる供給管183とが連通している。排出室181の下面には,膜除去ユニット180の下面に開口する吸引口184が形成されている。吸引口184は,レーザ光132の光軸132a上に形成されている。膜除去ユニット180の上部には,透明ガラスなどの透明部材138がはめ込まれている。
【0117】
膜除去ユニット180内であって,排出室181の外方には,排出室181の周りを囲む環状の補助流体室185が形成されている。補助流体室185は,膜除去ユニット180の下面に環状に開口している。補助流体室185には,例えば図33に示すように流体供給源(図示せず)に通じる供給口186が連通している。膜除去ユニット180には,膜除去ユニット180の外側から補助流体室185を貫通して排出室181に通じる,複数例えば2本のニードル187が設けられている。ニードル187は,内部流路を有し,流体を流通できる。ニードル187は,互いに向き合う位置に配置され,ニードル187の先端部が,吸引口184に近接するように配置されている。なお,ニードル187の先端部の位置は,レーザ光132の光路と干渉しない範囲で可能な限りレーザ照射領域である膜除去位置Pに近接させることが望ましい。ニードル187の内部流路は,図示しない流体供給源に連通している。また,膜除去ユニット180(吸引口184)と塗布膜Rとの間隔は,例えば膜除去ユニット180を上下動させる機構(図示せず)によって,50〜1000μmの範囲で任意に調整される。
【0118】
そして,膜除去時には,供給管183から排出室181内に流体が流量Q1で供給され,排出管182からは,排出室181内の流体が流量Q1より多い流量Q2で排出される。これにより,排出室181内には,負圧が発生する。補助流体室185からは,ウェハW表面の膜除去位置Pに流体が供給される。補助流体室185から供給された流体は,排出室181内の負圧によって,膜除去位置Pに対向する吸引口184から排出室181内に吸引される。こうして,膜除去位置P付近に上昇流が形成され,レーザ照射によってウェハWから剥離した塗布膜Rがこの上昇流に乗って吸引除去される。一方,ニードル187からは,レーザ照射の直前と直後のタイミングで極短時間ずつ流体が供給される。すなわち,レーザ照射直前0.5秒のタイミングで例えば0.1〜0.3秒間だけ流体を噴出させ,また,レーザ照射直後0.5秒のタイミングで例えば0.1〜0.3秒間だけ流体を噴出させる。ニードル187から流体を噴出させると,図34に示すように排出室181内を旋回する上昇渦流188が形成される。この上昇渦流188は,排出室181内から排出管182に通じる流体の排出を促進させる。なお,使用されるニードル187は,片方一本だけであっても,2本同時であってもよい。また,ニードル187から噴出される流体は,排出室181内に供給される流体と同じものとし,液体,例えば純水であってもよいし,気体,例えば空気,酸素ガスであってもよい。
【0119】
この膜除去ユニット180を用いた場合,排出室181内に上昇流が形成され,ニードル187からの噴出により上昇渦流188が形成されるので,レーザ照射部KによりウェハWから剥離した塗布膜Rは,当該上昇渦流188に乗って円滑に除去される。特に,レーザ照射部Kの真横に飛散しようとする塗布膜Rは,ニードル187の局所流体噴出と上昇旋回流との相乗効果により効果的に吸引排除される。
【0120】
上記膜厚除去ユニット180において,例えば図35,36に示すように膜厚除去ユニット180の下端面であって,排出室181と補助流体室185とを仕切る隔壁に,複数箇所,例えば2箇所のスリット190を形成してもよい。スリット190は,例えば補助流体室185から排出室181に,光軸132aから外れた方向に向けて形成されている。かかる場合,補助流体室185から供給された流体は,スリット190を通って光軸132aから外れた方向に供給され,吸引口184付近に強い旋回流が形成される。このように膜除去位置Pのある吸引口184付近により強い旋回流が形成されるので,ウェハWから剥離した塗布膜Rがより効果的に除去される。また,排出室181内に供給される流体が気体であって,補助流体室185から供給される流体が酸素ガスの場合には,スリット190を通って十分な量の酸素ガスがレーザ照射領域に供給されるので,レーザ光132よる塗布膜Rの燃焼が促進されて,塗布膜Rの剥離効果が向上される。
【0121】
以上の実施の形態は,ウェハWのアライメントマークT上の膜除去位置P,つまりレーザ照射領域の塗布膜Rを除去するものであったが,本発明は,他の用途でウェハ上の膜を除去する場合にも適用できる。また,基板は,ウェハに限られず,LCD基板,フォトマスク用のマスクレチクル基板等の他の基板であってもよい。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば,基板上の膜を除去しても基板が汚染されないので,基板を清浄な状態に保つことができ,その後の処理によって高品質な基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる膜除去装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図2】案内部材の斜視図である。
【図3】膜除去装置の内部の構成を示す側面図である。
【図4】回収ノズルの構成を示す斜視図である。
【図5】膜の除去されるウェハの斜視図である。
【図6】図4のウェハの縦断面の説明図である。
【図7】ウェハ上から膜の除去される様子を示すウェハの縦断面の説明図である。
【図8】回収ノズルの他の構成例を示す縦断面の説明図である。
【図9】ノズルを膜除去位置に向けて設けた場合の膜除去装置の内部の構成を示す側面図である。
【図10】振動子を案内部材に設けた場合の膜除去装置の内部の構成を示す側面図である。
【図11】振動子をチャックに設けた場合の膜除去装置の内部の構成を示す側面図である。
【図12】整流板を設けた場合の膜除去装置の内部の構成を示す側面図である。
【図13】ノズルの両側に設けるサブノズルの配置例を示す説明図である。
【図14】互いに対向して設けられたノズルの配置例を示す説明図である。
【図15】膜除去ブロックを備えた膜除去装置の内部の構成を示す縦断面の説明図である。
【図16】膜除去ブロックの斜視図である。
【図17】サブ供給管を有する膜除去ブロックを備えた膜除去装置の内部の構成を示す縦断面の説明図である。
【図18】吸引排出部材を備えた膜除去装置の内部の構成を示す縦断面の説明図である。
【図19】流体供給管を有する吸引排出部材を備えた膜除去装置の内部の構成を示す縦断面の説明図である。
【図20】図19の吸引排出部材を下方から見た場合の説明図である。
【図21】純水が通流した吸引排出部材内の様子を示す説明図である。
【図22】膜除去部材の構成を示す縦断面の説明図である。
【図23】図22の膜除去部材の平面図である。
【図24】第1のノズルと第2のノズルから噴出される純水の流れを示す説明図である。
【図25】マスク部材を備えた膜除去装置の内部構成を示す縦断面の説明図である。
【図26】膜除去ユニットの縦断面の説明図である。
【図27】図26の膜除去ユニットをA−A線で切断した横断面図である。
【図28】ガスパージ室を備えた膜除去ユニットの縦断面の説明図である。
【図29】図28の膜除去ユニットの平面図である。
【図30】電極を備えた膜除去ユニットの縦断面の説明図である。
【図31】図30の膜除去ユニットをB−B線で切断した横断面図である。
【図32】ニードルを備えた膜除去ユニットの平面図である。
【図33】図32の膜除去ユニットをC−C線で切断した断面図である。
【図34】図32の膜除去ユニットをD―D線で切断した断面図である。
【図35】スリットを備えた膜除去ユニットの下面図である。
【図36】図35の膜除去ユニットをE−E線で切断した断面図である。
【符号の説明】
1 膜除去装置
2 チャック
3 レーザ発振器
4 ノズル
5 案内部材
6 回収機構
12 案内溝
25 回収ノズル
P 膜除去位置
W ウェハ

Claims (36)

  1. 基板にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板上に液体を噴出するノズルと,
    前記ノズルから基板上に噴出され前記所定位置を通過した前記液体を基板上で回収する回収機構と,を備えることを特徴とする,膜除去装置。
  2. 前記ノズルから噴出された液体が前記基板上の前記所定位置を通過するように案内する案内部材を備えることを特徴とする,請求項1に記載の膜除去装置。
  3. 前記案内部材は,略直方体形状を有し,前記基板の所定位置上に基板に近接して配置可能であり,
    当該案内部材の下面には,前記液体を案内するための溝が形成されていることを特徴とする,請求項2に記載の膜除去装置。
  4. 前記案内部材は,前記レーザ光源からのレーザ光が透過する透明体であることを特徴とする,請求項2又は3のいずれかに記載の膜除去装置。
  5. 前記ノズルには,振動子が取り付けられていることを特徴とする,請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の膜除去装置。
  6. 前記ノズルの噴出口は,前記基板の所定位置に向けられていることを特徴とする,請求項5に記載の膜除去装置。
  7. 前記案内部材には,振動子が取り付けられていることを特徴とする,請求項2,3又は4のいずれかに記載の膜除去装置。
  8. 前記基板保持部には,振動子が取り付けられていることを特徴とする,請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の膜除去装置。
  9. 基板にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板上に液体を噴出するノズルと,
    前記ノズルから噴出された液体が前記基板上の前記所定位置を通過するように案内する案内部材と,を備え,
    前記基板上であって,前記ノズルから噴出された液体の前記基板の所定位置より下流側には,当該液体の流れを基板から離隔するための整流板が設けられていることを特徴とする,膜除去装置。
  10. 基板にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板上に液体を噴出するノズルと,
    前記ノズルから噴出された液体が前記基板上の前記所定位置を通過するように案内する案内部材と,
    前記ノズルからの液体の流れの両側に,当該流れと同方向の流れを形成するために流体を噴出するサブノズルと,を備えることを特徴とする,膜除去装置。
  11. 前記サブノズルから噴出する流体は,純水であることを特徴とする,請求項10に記載の膜除去装置。
  12. 前記サブノズルから噴出する流体は,気体であることを特徴とする,請求項10に記載の膜除去装置。
  13. 前記ノズルから基板上に噴出され前記所定位置を通過した前記液体を基板上で回収する回収機構を備えることを特徴とする,請求項9,10,11又は12のいずれかに記載の膜除去装置。
  14. 基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置に近接して配置可能で,前記所定位置上に膜除去空間を形成できる膜除去ブロックと,を備え,
    前記膜除去ブロックは,前記膜除去空間に液体を供給する供給管と,前記膜除去空間の液体を排液する排液管とを備え,
    少なくとも前記膜除去ブロックの一部は,前記レーザ光源からのレーザ光が前記所定位置まで透過する透明体であることを特徴とする,膜除去装置。
  15. 前記膜除去ブロックには,前記膜除去空間の外方であって前記膜除去ブロックと前記基板との隙間に液体を供給する供給管が設けられていることを特徴とする,請求項14に記載の膜除去装置。
  16. 基板上にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置に相互に対向する方向から液体を噴出するノズルと,
    前記ノズルから噴出され,前記所定位置を通過した液体を所定方向に案内する案内部材と,を備えることを特徴とする,膜除去装置。
  17. 基板上にレーザ光を照射して,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置付近に流体を供給する流体供給部と,
    前記基板の所定位置付近の流体を吸引し,排出する吸引排出部材と,を備え,
    前記液体供給部は,気体と液体を選択的に切り替えて供給できることを特徴とする,膜除去装置。
  18. 前記吸引排出部材は,中空部と,当該中空部内に前記所定位置付近の流体を吸引する吸引口と,前記中空部内から前記流体を排出する排出管と,を備え,
    前記吸引口は,前記吸引排出部材の中空部の下面に設けられ,
    前記吸引排出部材の中空部の上面は,前記レーザ光を透過する透明体で形成され,
    前記レーザ光が,前記透明体,前記中空部及び前記吸引口を通過して,前記所定位置に照射されることを特徴とする,請求項17に記載の膜除去装置。
  19. 前記流体供給部は,前記所定位置を中心とする同一円周上に複数設けられていることを特徴とする,請求項17又は18のいずれかに記載の膜除去装置。
  20. 基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置に近接して配置可能で,前記所定位置から剥離された膜を除去するための膜除去部材と,を備え,
    前記膜除去部材は,
    前記所定位置に近接して配置可能で,当該所定位置に対して所定方向から液体を噴出する第1のノズルと,
    前記第1のノズルの両側に設けられ,前記所定位置に対して前記所定方向と鋭角をなす方向から液体を噴出する第2のノズルと,を備え,
    前記第1のノズルからの液体は,前記第2のノズルからの液体よりも速い速度で噴出可能であり,
    少なくとも前記膜除去部材の一部は,前記レーザ光源からのレーザ光が前記所定位置まで透過する透明体であることを特徴とする,膜除去装置。
  21. 基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板上の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    基板に向けて液体を噴出するノズルと,
    前記ノズルと基板との間に配置可能で,前記ノズルから噴出された液体が表面を伝って流れるマスク部材と,を備え,
    前記マスク部材には,前記液体の流れの一部を前記所定位置に接触させるための貫通孔が設けられていることを特徴とする,膜除去装置。
  22. 前記マスク部材は,平板状に形成されており,
    前記マスク部材の下面は,水平に形成され,
    前記マスク部材の上面は,前記貫通孔の位置が最も低くなるように傾斜していることを特徴とする,請求項21に記載の膜除去装置。
  23. 前記マスク部材は,平面から見て円形状に形成されており,
    前記貫通孔は,前記円形状の中心部に設けられていることを特徴とする,請求項21又は22のいずれかに記載の膜除去装置。
  24. 前記マスク部材上の前記貫通孔に対向する位置に配置可能で,前記マスク部材上の液体の流れを上方側で規制するガイド部材を備え,
    前記ガイド部材は,上下動自在で,かつ前記レーザ光源からのレーザ光が前記所定位置まで透過する透明体であることを特徴とする,請求項21,21又は23のいずれかに記載の膜除去装置。
  25. レーザ光の照射により,基板上の所定位置の膜を除去する膜除去方法であって,
    前記基板上の所定位置に液体を流し,当該液体を回収しながら,前記基板の所定位置にレーザ光を照射することを特徴とする,膜除去方法。
  26. 基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,
    前記膜除去ユニットは,
    膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の気体が前記剥離した膜と共に吸入される排出室と,
    前記排出室の内周面に連通し,排出室内の気体を排気するための排気管と,
    前記排出室の下面に開口した第1の吸引口と,
    前記第1の吸引口を介して前記排出室と連通し,前記排出室への前記気体及び剥離した膜の吸入を促進させるための吸引促進室と,
    前記第1の吸引口と同軸上の前記吸引促進室の下面に開口し,前記所定位置付近の気体と前記剥離した膜を吸引するための第2の吸引口と,
    前記吸引促進室の周壁に吸引促進室の中心軸を外れる方向に向けて開口し,膜除去ユニットの外気を吸引促進室内に吸引するための複数の第3の吸引口と,を有することを特徴とする,膜除去装置。
  27. 基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,
    前記膜除去ユニットは,
    膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の気体が前記剥離した膜と共に吸入される排出室と,
    前記排出室の内周面に連通し,排出室内の気体を排気するための排気管と,
    前記排出室の下面に開口し,前記流体と剥離した膜を吸引するための吸引口と,
    前記排出室の外周に取り付けられ,前記吸引口の周囲を取り囲み基板に対向する下面が開口し,前記吸引口の周辺の雰囲気を所定の気体の雰囲気に維持するためのガスパージ室と,を有することを特徴とする,膜除去装置。
  28. 前記所定の気体は,酸素ガスであることを特徴とする,請求項27に記載の膜除去装置。
  29. 前記ガスパージ室は,前記吸引口の周りに環状に形成され,
    前記ガスパージ室に所定の気体を供給するための給気口は,前記ガスパージ室の上部に複数開口していることを特徴とする,請求項27又は28のいずれかに記載の膜除去装置。
  30. 前記ガスパージ室に供給される気体の供給量は,前記排気管から排気される排気量よりも多くなるように調整されていることを特徴とする,請求項27,28又は29のいずれかに記載の膜除去装置。
  31. 基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,
    前記膜除去ユニットは,
    膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の気体が前記剥離した膜と共に吸入される排出室と,
    前記排出室の内周面に連通し,排出室内の気体を排気するための排気管と,
    前記排出室の下面に開口し,前記流体と剥離した膜を吸引するための吸引口と,
    前記吸引口に近接して配置された少なくとも一対の正負の電極と,を有することを特徴とする,膜除去装置。
  32. 基板上にレーザ光を照射して,基板の所定位置の膜を除去する膜除去装置であって,
    基板を保持する基板保持部と,
    前記基板保持部に保持された基板の所定位置に対してレーザ光を照射するレーザ光源と,
    前記基板の所定位置に近接して配置可能で,レーザ光の照射により基板から剥離した膜を除去するための膜除去ユニットと,を備え,
    前記膜除去ユニットは,
    膜除去ユニットの本体の中央部に設けられ,前記基板の所定位置付近の流体が前記剥離 した膜と共に吸入される排出室と,
    前記排出室の内周面に連通し,排出室内の流体を排出するための排出管と,
    前記排出室の内周面に連通し,排出室内に流体を供給するための供給管と,
    前記排出室の下面に開口し,前記流体と剥離した膜を吸引するための吸引口と,
    前記基板の所定位置に向けて流体を噴出するためのニードルと,
    前記吸引口の周囲に形成され,前記吸引口から吸引される流体を補充するための補助流体室と,を有することを特徴とする,膜除去装置。
  33. 前記補助流体室と前記吸引口とを仕切る隔壁に,流体の通るスリットが形成されていることを特徴とする,請求項32に記載の膜除去装置。
  34. 前記スリットは,前記吸引口の軸から外れる方向に向けて形成されていることを特徴とする,請求項33に記載の膜除去装置。
  35. 前記排出室の上部には,前記レーザ光源からのレーザ光が透過する透明体が取り付けられており,
    前記レーザ光は,前記透明体及び排出室を通過して前記基板の所定位置に照射されることを特徴とする,請求項26〜34のいずれかに記載の膜除去装置。
  36. 前記膜除去ユニットと前記基板の膜との間隔は,50〜1000μmの範囲内になるように調整されていることを特徴とする,請求項26〜35のいずれかに記載の膜除去装置。
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