JP3990148B2 - 処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばLCDや半導体デバイスの製造プロセスでは,例えば基板(LCD基板,半導体基板)表面にレジスト膜等の膜を形成する膜形成処理,基板に所定のパターンを露光する露光処理,基板を加熱,冷却処理する熱処理等が行われる。これらの処理は,通常複数の各種処理装置が集約された処理システムと,当該処理システムに隣接した露光装置で行われる。
【0003】
ところで,上記した露光処理時には,適切な位置に所定のパターンを露光するために,基板の厳格なアライメントが行われる。このアライメントは,通常予め基板の所定位置にアライメントマークを形成しておき,当該アライメントマークの位置を位置検出用のレーザ光を用いて検出し,当該検出位置に基づいて基板を移動させることにより行われる。このような位置検出用のレーザ光を用いたアライメントは,高精度な位置合わせを行うことができる。
【0004】
しかし,基板の製造プロセスでは,露光処理前に,上記膜形成処理の行われる膜形成装置において,基板上にポリイミド樹脂等の絶縁膜や反射防止膜が形成される場合がある。そして,露光処理の際に,この膜の形成された基板をアライメントしようとすると,位置検出用のレーザ光が当該膜に吸収され,アライメントマークを検出できず,適切なアライメントが行われなくなる。
【0005】
かかる弊害を防止するために,アライメントを行う前にアライメントマーク上の膜を除去する処理が必要であり,この膜除去処理を行うために,例えば特開平10―113779号に記載されているような加工用のレーザ光をアライメントマーク上の膜に照射し,当該アライメントマーク上の膜のみを除去する膜除去装置が提案されている。このような膜除去装置は,従来より膜形成処理が行われる処理システム外に別途設けられており,必要な場合に適宜作業員や搬送ロボットが当該膜除去装置まで基板を搬送し,膜の除去処理の終わった基板を再び処理システム内に戻すようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,このように作業員等により離れた場所にその都度基板を搬送すると,搬送中の基板に不純物が付着する恐れがあり好ましくない。また,搬送中に基板を落とし,破損させる可能性もある。さらに,かかる基板の搬送には,一定の時間がかかるので,スループットの観点からも好ましくない。
【0007】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,基板の膜の除去が行われる装置への搬送を,連続的により迅速かつ確実に行えるような処理システムを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,基板を処理する処理システムであって,このシステムに対して基板を搬入出するための搬入出部と,前記搬入出部から搬送された基板上に第1の膜を形成する第1の膜形成装置及び前記基板上の第1の膜上に第2の膜を形成する第2の膜形成装置を備えた処理部と,前記基板上の所定位置のアライメントマーク上の膜を除去する膜除去部と,を有し,前記処理部には,前記第1の膜形成装置,前記第2の膜形成装置及び膜除去部間で基板を搬送できる搬送機構が設けられ,前記膜除去部は,基板を保持する基板保持部と,当該基板保持部に保持された基板の前記所定位置に加工用のレーザ光を照射するレーザ光源と,基板に対して液体を噴出するノズルと,前記ノズルから基板上に噴出され前記所定位置を通過した前記液体を回収する回収機構と,基板上に気体を噴出する気体噴出部と,を有し,前記膜除去部における膜の除去は,前記第1の膜形成装置における第1の膜の形成と第2の膜形成装置における第2の膜の形成との間に行われ,前記膜除去部では,前記アライメントマーク上の第1の膜が除去されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば,前記膜除去部と,前記第1の膜形成装置及び第2の膜形成装置間の基板の搬送が,搬送機構により迅速かつ確実に行われる。2つの膜形成装置を備えるので,一のシステム内で種類の異なる膜を形成することができる。これにより,基板に異なる種類の膜を形成する場合に,基板を他のシステムに搬送する必要がないので,搬送による基板の汚染が低減される。また,処理時間の短縮化が図られる。また,この発明によれば,基板上に液体を噴出して基板表面上に液体の流れを形成した状態で,基板にレーザー光を照射し,当該基板上の液体を直ちに回収することができる。したがって,レーザ光の照射により前記所定位置から剥離した膜の成分や分解異物は,前記液体の流れに取り込まれ,液体と共に回収される。この結果,剥離した膜の成分が基板に再付着することが防止でき,基板の汚染を防止できる。さらに,基板上に気体を噴出し,基板上に残存した液体を吹き飛ばすことができるので,基板の乾燥処理を省略又は簡略化することができる。なお,前記第1の膜は,反射防止膜であり,前記第2の膜は,レジスト膜であってもよい。
【0012】
前記処理部には,基板を熱処理する熱処理装置が設けられ,前記搬送機構は,前記熱処理装置に対して基板を搬送自在であってもよい。かかる場合,膜形成後の加熱,冷却処理等を同じシステム内で行うことができる。なお,熱処理装置には,加熱処理装置,冷却処理装置等が含まれる。
【0013】
前記処理システムは,前記処理部とシステム外の露光装置との間で基板を搬送する搬送装置を備えたインターフェイス部を有していてもよい。これにより,システム内の基板を露光装置に迅速に搬送できる。したがって,露光処理を含む基板処理を連続して行うことができ,基板の処理時間を短縮することができる。
【0015】
前記膜除去部は,前記基板上に噴出された液体を前記所定位置に案内する案内部材を有していてもよい。かかる場合,案内部材により基板上に噴出された液体が前記所定位置に案内されるので,効率よく分解された膜を除去することができる。また,噴出される液体の消費量を低減することもでき,コストの低減が図られる。
【0016】
少なくとも前記案内部材の一部は,前記レーザ光を透過する透明体で形成されていてもよい。これにより,案内部材がレーザ光を遮ることなく,前記基板の所定位置にレーザ光を適切に照射することができる。
【0017】
前記膜除去部は,前記基板保持部に保持された基板の外縁部の裏面に対して気体を吹き出す吹き出し口を有していてもよい。基板上に液体が流れている時に,基板の外縁部の裏面に気体を吹き付けることができるので,基板の外縁部から落下する液体が基板の裏面に回り込むことを防止できる。それ故,パーティクルの原因となる基板の裏面の汚染が防止される。また,基板の裏面洗浄を行わなくてよいので,その分基板の処理工程を簡略化することができる。
【0019】
前記膜除去部は,基板を保持する基板保持部と,当該基板保持部に保持された基板の前記所定位置に加工用のレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置付近の流体を吸引し,排出する吸引排出部材と,を有するようにしてもよい。この発明によれば,レーザ光により分解され前記所定位置付近に浮遊した膜の成分を,吸引排出部材により吸引し,排出することができる。したがって,当該分解された膜の成分が基板に再付着することが防止され,基板の汚染が防止される。
【0025】
前記処理部は,前記膜除去部に搬入される前の基板を待機させる待機部を備えていてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかるウェハWの処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,処理システム1の正面図であり,図3は,処理システム1の背面図である。
【0027】
処理システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりする搬入出部としてのカセットステーション2と,ウェハWに対して熱処理や膜形成処理等の所定の処理を枚葉式に施す処理部としての処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられ,処理ステーション3でウェハW上に形成された膜の一部を除去する膜除去部としての膜除去装置4とを一体に接続した構成を有している。
【0028】
カセットステーション2では,載置部となるカセット載置台10上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体11が搬送路12に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0029】
ウェハ搬送体11は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体11は後述するように処理ステーション3側の第2の処理装置群G2に属するエクステンション装置43に対してもアクセスできるように構成されている。
【0030】
処理ステーション3では,所定の処理を施す各種処理装置が多段に配置されて複数の処理装置群を構成している。この処理システム1においては,2つの処理装置群G1,G2が配置されており,例えば第1の処理装置群G1は,処理システム1の正面側に配置され,第2の処理装置群G2は,処理ステーション3のカセットステーション2側に配置されている。また,処理ステーション3には,複数のウェハWを多段に収容できるバッファカセットBが設けられている。バッファカセットBは,例えば処理ステーション3の背面側に配置されている。バッファカセットBは,ウェハWの外縁部を支持することによって各段にウェハWを載置し,収容する。
【0031】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すようにウェハW上に膜としての反射防止膜を形成する膜形成装置及び第1の膜形成装置としての反射防止膜形成装置20と,ウェハW上に膜としてのレジスト膜を形成する第2の膜形成装置としてのレジスト塗布装置21とが下から順に2段に配置されている。反射防止膜は,露光時に光が基板に反射することを防止し,定在波効果によりレジストパターンが変形することを軽減するための膜である。なお,第1の処理装置群G1の数は,任意に選択可能であり,複数設けられていてもよい。
【0032】
反射防止膜形成装置20は,スピンコーティング方式でウェハWの表面全面に反射防止膜を形成するものであり,例えば図4に示すように,ケーシング20a内にウェハWを吸着させ回転させるスピンチャック30と,当該スピンチャック30に保持されたウェハW上に反射防止膜となる処理液を供給するノズル31と,ウェハW上から飛散する処理液を受け止め回収するカップ32とを有している。
【0033】
ケーシング20aの側面には,ウェハWを搬入出するための搬送口33が設けられている。また,この搬送口33には,搬送口33を所定のタイミングで開閉するシャッタ34が取り付けられている。
【0034】
レジスト塗布装置21は,例えば反射防止膜形成装置20と同様の構成を有している(説明省略)。なお,レジスト塗布装置21でウェハWに供給される処理液は,レジスト液である。
【0035】
一方,第2の処理装置群G2では,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理するクーリング装置40,41,42,ウェハWの受け渡しを行う受け渡し部であるエクステンション装置43,ウェハWを加熱処理する加熱処理装置44,45,46が下から順に例えば7段に積み重ねられている。なお,本実施の形態における熱処理装置は,クーリング装置40〜42及び加熱処理装置44〜46である。これらの熱処理は,各熱処理装置において,例えば所定温度に調節されたプレート上にウェハWを載置することにより行われる。なお,熱処理装置は,加熱処理するためのプレートと冷却処理するためのプレートとの双方を備えた加熱冷却装置であってもよい。
【0036】
処理ステーション3には,第1の処理装置群G1の各処理装置,第2の処理装置群G2の各処理装置,バッファカセットB及び後述する膜除去装置4との間でウェハWを搬送する搬送機構としての主搬送装置50が設けられている。
【0037】
主搬送装置50は,例えば図5に示すように略筒状のケース51を有し,当該ケース51内に3本の搬送アーム52,53,54を備えている。3本の搬送アーム52〜54は,垂直方向に3段に並べられて設けられている。ケース51は,側面に開口部51aを有しており,当該開口部51aから各搬送アーム52〜54が出入りできるようになっている。例えば上側2本の搬送アーム52,53は,先端が略3/4円環状の略C型に形成されており,当該C型部分でウェハWの外縁部を支持してウェハWを搬送できる。また,最も下に位置する搬送アーム54は,例えば先端部がフォーク状の略U字型に形成されており,当該U字型部分でウェハWの裏面を支持してウェハWを搬送できる。これにより,例えばウェハWの外縁部を支持するバッファカセットBにもウェハWを搬送できる。搬送アーム54のU字型部分は,例えば後述する膜除去装置4のチャック60が貫通できるように形成されており,当該チャック60との間でもウェハWの受け渡しを行うことができる。したがって,搬送アーム54は,バッファカセットBや膜除去装置4等に対してウェハWを搬送できる。
【0038】
搬送アーム52〜54は,円筒状のケース51内の搬送基台55上に設けられ,図示しないモータに連結された駆動部56によって搬送基台55上を開口部51aの方向に移動できるようになっている。搬送基台55は,例えば垂直方向に設けられた図示しないZ軸ベルトに連結されており,搬送基台55は,昇降可能である。これにより,搬送アーム52〜54は,上下方向に移動できる。また,ケース51の下部には,ケース51全体を所定角度に回転させるサーボモータ等を備えた駆動部58が設けられている。これにより,搬送アーム52は,水平方向の所定方向(θ方向)に向きを変えることができる。以上の構成により,搬送アーム52〜54は,一定の搬送範囲内を3次元移動可能である。そして,上記第1の処理装置群G1の各処理装置,第2の処理装置群G2の各処理装置及び膜除去装置4は,各搬送アーム52〜54の搬送範囲内に配置されており,搬送アーム52〜54は,当該各処理装置に対してウェハWを搬送できる。
【0039】
膜除去装置4は,例えば図6に示すようにケーシング4aを有し,当該ケーシング4a内には,ウェハWを保持する基板保持部としてのチャック60,当該チャック60に保持されたウェハWを収容する収容体としてのカップ61,スピンチャック60及びカップ61を水平方向に移動させる移動機構としてのX―Yステージ62,ウェハW上に形成された膜を除去するためにレーザ光を照射するレーザ装置63,ウェハW上に液体を噴出するノズル64,ウェハW上を流れる液体を案内する案内部材65及びウェハW上のレーザ光が照射される部分を通過した液体を回収する回収ノズル66等を備えている。
【0040】
チャック60は,例えば上面が水平に形成されている。当該チャック60の上面には,ウェハWを吸引するための図示しない吸引口が設けられている。これにより,ウェハWは,チャック60上に水平に吸着保持される。また,チャック60には,例えば図7に示すようにチャック60を高速回転させるためのモータやチャック60を上下動させるためのシリンダ等を備えた駆動部70が設けられている。これにより,ウェハWを高速回転させ,ウェハWに付着した液体を振り切り乾燥させることができる。また,ウェハWをカップ61の上端部より高く上昇させて,チャック60と主搬送装置50との間でウェハWの受け渡しを行うことができる。
【0041】
チャック60には,超音波振動子71が取り付けられており,チャック60自体を振動させて,ノズル64からウェハW上に噴出された液体に超音波振動を伝播することができる。これにより,ウェハW上を流れる液体中に取り込まれた膜の成分がウェハWに再付着することを防止できる。
【0042】
カップ61は,上面が開口した略円筒状に,チャック60を囲むように形成されている。カップ61の下部には,カップ61内の液体や気体を排出する排出口72が設けられている。ウェハW上からこぼれ落ちたり,飛散した液体は,カップ61で受け止められて排出口72から排出される。
【0043】
カップ61内であって,ウェハWの下方には,ウェハWの外縁部の裏面に気体を吹き出すための吹き出し口73が複数設けられている。吹き出し口73は,図8に示すように同一円周上に等間隔で設けられている。吹き出し口73には,例えば図示しない気体供給装置から所定のタイミング,圧力で気体が供給される。このようにウェハWの外縁部の裏面に気体を噴出することによって,ウェハW上面を流れた液体が,裏面側に回り込みことを抑制できる。なお,噴出される気体には,不活性気体,窒素ガス,エア等を用いるとよい。
【0044】
カップ61全体は,例えば図6に示すように下面が閉口した略円筒状の支持容器74により支持されている。チャック60は,当該支持容器74内に収容されている。
【0045】
X−Yステージ62は,例えば上下に配置された2枚のプレートを備えている。上側の第1プレート75上には,例えば図1及び図6に示すようなY方向に延びるレール76が形成されている。支持容器74は,レール76上に設けられており,モータ等の駆動部77によりレール76上をY方向に移動できる。
【0046】
一方,下側の第2プレート78上には,図1及び図6に示すようなX方向に延びるレール79が設けられている。第1プレート75は,このレール79上に載置されており,モータ等の駆動部80によりレール79上をX方向に移動できる。かかる構成により,第1プレート75上の支持容器74は,X方向,Y方向にも移動できる。したがって,支持容器体74は,カップ61やチャック60と共にX―Y平面の任意の位置に移動できる。
【0047】
また,X−Yステージ62の駆動部77及び駆動部80の駆動は,制御部81により制御されている。すなわち,カップ61やチャック60の移動先は,制御部81により設定,制御できる。したがって,チャック60に保持されたウェハWを,レーザ装置63下方のレーザ照射位置まで移動させ,ウェハW上の所望の膜除去位置にレーザ光を照射することができる。
【0048】
レーザ装置63は,例えばケーシング4aの上面に固定して設けられている。レーザ装置63は,例えばレーザ光の光源としてのレーザ発振器82と,ウェハWの位置を検出するための位置検出部材としてのCCDカメラ83を備えている。レーザ発振器82は,鉛直下方向に向けてレーザ光を発射できるように取り付けられている。したがって,レーザ発振器82の水平面内のX―Y座標は,レーザ照射位置のX−Y座標と一致する。なお,レーザ発振器82には,例えばYAGレーザ,エキシマレーザ等の加工用レーザが用いられる。また,レーザ光が,所定の俯角方向に発光されるようになっていてもよい。
【0049】
CCDカメラ83は,例えばレーザ照射位置の影像を,レーザ発振器82と同光軸上に設けられたハーフミラーRで反射させて撮像することができる。すなわち,CCDカメラ83は,レーザ発振器82から見たレーザ照射位置の影像を撮像することができる。CCDカメラ83で撮像されたウェハWの撮像データは,例えば制御部81に出力される。制御部81では,当該撮像データに基づきウェハWの現在の位置を認識し,当該現在位置と予め定められている最適位置とを比較し,当該現在位置と最適位置とがずれている場合には,X―Yステージ62の駆動部77及び80に命令を出して,ウェハWの位置を適切な位置に修正することができる。すなわち,ウェハW上の膜除去位置がレーザ照射位置になるように厳密な位置修正を行うことができる。
【0050】
ノズル64,案内部材65及び回収ノズル66は,例えばX方向に移動できる保持アーム85に取り付けられている。保持アーム85は,例えば図1に示すようなX方向に延びるレール86上に設けられ,モータ等の駆動部87によりレール86上をX方向に移動できる。また,駆動部87には,保持アーム85を昇降させるシリンダ等が設けられており,保持アーム85は,上下動して案内部材65等の高さを調整することができる。
【0051】
ノズル64は,例えば図7に示すようにY方向負方向側(図7の左方向)の斜め下方向に向けられて保持アーム85に取り付けられている。ノズル64は,図示しない液体供給源に接続されている。そして当該液体供給源の液体,例えば純水が所定のタイミング,所定の圧力でノズル64に供給され,ノズル64からウェハW上に純水が噴出される。
【0052】
案内部材65は,例えば図9に示すように略直方体形状を有し,下面にノズル64からの純水を誘導する誘導溝90が形成されている。誘導溝90は,Y方向に直線状に形成され,当該誘導溝90は,例えばウェハW上の膜除去位置よりも広い横幅を有している。案内部材65は,ノズル64のY方向負方向側であって,ノズル64から噴出された純水が誘導溝90に流れ込む位置に取り付けられる。そして,この案内部材65をウェハ表面に近接させ,誘導溝90を膜除去位置上に配置することにより,ノズル64から噴出されたウェハW上を流れる純水を膜除去位置に案内し,当該純水をウェハWのY方向負方向側に流すことができる。
【0053】
案内部材65は,保持アーム85によってレーザ発振器82のレーザ照射位置と同じY座標の位置に保持されている。すなわち,保持アーム85をX方向に移動させることにより,案内部材65をレーザ照射位置まで移動させることができる。案内部材65には,例えば石英ガラス等の透明体が用いられ,上方のレーザ発振器82から発射されたレーザ光を減衰,反射させずに透過することができる。
【0054】
回収ノズル66は,図7に示すように回収管95により回収タンク96に連通接続されており,さらにこの回収タンク96は,吸引管97により吸引機構,例えばエジェクタ98に連通接続されている。
【0055】
回収ノズル66は,例えば図10に示すように略直方体形状を有し,回収ノズル66の先端部には,吸引口66aがスリット状に形成されている。この吸引口66aは,少なくとも案内部材65の誘導溝90の横幅よりも長く形成されている。回収ノズル66は,例えば保持アーム85により,案内部材65の下流側(Y方向負方向側)に設けられている。また,回収ノズル66は,案内部材65がウェハWに近接配置された時に,回収ノズル66の先端部がウェハWに近接するように保持アーム85に保持されている。そして,この吸引口66aのある先端部は,例えば図7に示すように案内部材65側が高くなるように傾斜しており,案内部材65からの純水を回収し易いようになっている。
【0056】
回収タンク96には,回収した純水が一旦貯留される。回収タンク96の下面には,ドレイン管99が設けられており,回収した純水を適宜排出できる。一方,吸引管97は,回収タンク96の上面に開口している。エジェクタ98の吸引により,回収ノズル66に吸引力が与えられ,さらに回収タンク96内の純水から混入されていたエアが抽出され,当該エアを吸引管97から排気できる。この結果,回収した純水は,気液が分離されてから排出される。なお,ドレイン管99から排出された純水を再びノズル64から噴出される純水に再利用してもよい。また,本発明の回収機構は,例えば回収ノズル66,回収管95,回収タンク96,吸引管97,エジェクタ98及びドレイン管99で構成される。また,吸引機構としてエジェクタの代わりに真空ポンプが用いられてもよい。
【0057】
ケーシング4a上には,図6に示すように気体供給装置としての気体供給ユニット100が設けられている。気体供給ユニット100は,ケーシング4a内に一様な気体を供給し,ケーシング4a内にダウンフローを形成できる。気体供給ユニット100には,ULPAフィルタ等のフィルタ(図示せず)が備えられ,気体供給ユニット100は,気体内に含まれる不純物を除去してからケーシング4a内に気体を供給する。また,ケーシング4aの下部には,排気用のファン101が設けられ,ケーシング4a内の雰囲気は,積極的に排気される。
【0058】
ケーシング4aには,主搬送装置50からのウェハWを搬入出させるための搬入出口102が設けられている。この搬入出口102には,シャッタ103が設けられ,搬入出口102を開閉できる。これにより,ケーシング4a内の雰囲気が処理ステーション3側に漏れることを抑制できる。
【0059】
また,搬入出口102側のケーシング4aの上面には,ケーシング4a内に搬入されたウェハWのノッチ位置検出し,ウェハWのアライメントを行うためのプリアライメント用センサ104が設けられている。プリアライメント用センサ104の検出結果は,例えば制御部81に出力できる。制御部81は,当該検出結果に基づいて駆動部70を制御し,ウェハWを所定の角度に合わせることができる。
【0060】
次に,以上のように構成された処理システム1の作用について説明する。先ず,ウェハ搬送体11によりカセットCから未処理のウェハWが1枚取り出され,第2の処理装置群G2に属するエクステンション装置43に搬送される。次いで,ウェハWは主搬送装置50の搬送アーム52に保持され,当該搬送アーム52によって第1の処理装置群G1の反射防止膜形成装置20に搬送される。このとき,ウェハWは,搬送口33から搬入され,ウェハWの搬送が終了するとシャッタ34が閉じられる。
【0061】
反射防止膜形成装置20内に搬送されたウェハWは,図4に示すようにスピンチャック30に受け渡され,保持される。そしてノズル31からウェハWの中心付近に反射防止膜となる所定量の処理液が供給され,その後ウェハWが回転される。この回転により,ウェハW上の処理液が拡散され,ウェハW表面に所定膜厚の反射防止膜が形成される。
【0062】
反射防止膜が形成されると,ウェハWは,再び主搬送装置50の保持アーム52に受け渡され,第2の処理装置群G2の加熱処理装置44に搬送される。加熱処理装置44に搬送されたウェハWは,所定時間加熱され,反射防止膜中の溶剤が蒸発されてウェハWが乾燥される。この加熱処理が終了すると,ウェハWは,主搬送装置50によってクーリング装置40に搬送され,例えば常温,例えば23℃に冷却される。
【0063】
冷却処理の終了したウェハWは,フォーク型の搬送アーム54に保持され,前のウェハが膜除去装置4内にある場合には,一旦バッファカセットBに搬送される。そして,前のウェハが膜除去装置4から搬出された後に,搬送アーム54によって膜除去装置4に搬送される。また,膜除去装置4が空いている場合には,例えば搬送アーム54によってクーリング装置40から直接膜除去装置4に搬送される。
【0064】
このとき,膜除去装置4では,気体供給ユニット100とファン101が稼動しており,ケーシング4a内に清浄な気体によるダウンフローが形成されている。膜除去装置4内に搬入されたウェハWは,搬入出口102の近傍でカップ61の上部から突出した状態で待機していたチャック60に受け渡される。そして,チャック60が下降し,ウェハWがカップ61内に収容される。また,チャック60にウェハWを受け渡し終えた搬送アーム54は,ケーシング4a内から退避し,搬送アーム54が退避し終わると,シャッタ103が閉じられる。
【0065】
一方,ウェハWがカップ61内に収容されると,先ず,プリアライメント用センサ104によりウェハWのノッチ位置が検出される。このノッチ位置の検出結果を基にウェハWが回転され,ウェハWが所定の角度に向くように合わせられる。続いてX−Yステージ62が駆動し,図7に示すようにウェハWがレーザ装置63の下方のレーザ照射位置まで移動される。このとき,予め設定されたウェハW上の膜除去位置P,例えばウェハW上のアライメントマークの位置がレーザ照射位置になるように移動される。その後,CCDカメラ83によりウェハWが撮影され,その撮像データが制御部81に出力される。制御部81は,当該撮像データに基づきウェハWの位置の修正値を算出し,当該修正値に基にウェハWの位置の微調整を行う。
【0066】
ウェハWの膜除去位置Pがレーザ照射位置に正確に位置されると,保持アーム85が図示しない待機部からレール86上を移動し,案内部材65がレーザ照射位置,すなわち膜除去位置P上に配置される。このとき,ノズル64と回収ノズル66も案内部材65の両隣に配置される。次いで,ノズル64からウェハW上に純水が噴出される。噴出された純水は,図11に示すように案内部材65の誘導溝90内に流れ込み,膜除去位置Pを通過して,回収ノズル66に回収される。回収ノズル66で回収できなかった純水は,ウェハWの端部から落下し,カップ61により回収される。このとき,例えば超音波振動子71が稼動し,ウェハW上を流れる液体に超音波振動が印可される。また,吹き出し口73から気体,例えば窒素ガスが噴出され,ウェハWの端部の裏面に当該窒素ガスが吹き付けられる。これにより,ウェハWの端部まで達した純水がウェハWの裏面に回り込むことなく,カップ61内に落下する。
【0067】
続いて,上方のレーザ発振器82からレーザ光が発射され,当該レーザ光は案内部材65を通過してウェハW上の膜除去位置Pに照射される。レーザ光が膜除去位置Pに照射されると,その部分の反射防止膜が分解し,剥離して液体の流れに取り込まれる。流れに取り込まれた反射防止膜の分解物は,回収ノズル66により回収される。
【0068】
こうして膜除去位置Pの反射防止膜が除去されると,レーザ光の照射が停止される。その後ノズル64からの純水の噴出が停止される。純水の噴出が停止されると,保持アーム85は,再び待機部に戻され,チャック60は,高速で回転される。これにより,ウェハWが振り切り乾燥される。
【0069】
ウェハWの振り切り乾燥が終了すると,X−Yステージ62が駆動し,カップ61が搬入出口102近傍の搬入出位置まで戻される。その後シャッタ103が開放され,例えば搬送アーム52がケーシング4a内に進入して,チャック60から搬送アーム52にウェハWが受け渡される。
【0070】
ウェハWを受け取った搬送アーム52は,ケーシング4aから退避し,第2の処理装置群G2の加熱処理装置45にウェハWを搬送する。ここで,十分に熱せられ乾燥されたウェハWは,次にクーリング装置41に搬送され,例えば常温まで冷却される。常温に冷却されたウェハWは,再び主搬送装置50の搬送アーム52に保持され,第1の処理装置群G1のレジスト塗布装置21に搬送される。
【0071】
レジスト塗布装置21に搬送されたウェハWは,反射防止膜と同じ要領でスピンコーティング法により塗布処理される。すなわち,ウェハWの中心部にレジスト液が供給され,当該ウェハWを回転させ,レジスト液を拡散させることにより,ウェハW表面にレジスト膜が形成される。
【0072】
レジスト膜が形成されたウェハWは,加熱処理装置46に搬送され,レジスト膜中の溶剤が乾燥された後,クーリング装置42に搬送され,例えば常温まで冷却される。そして,冷却処理の終了したウェハWは,主搬送装置50によってエクステンション装置43に搬送され,その後ウェハ搬送体11によってカセットCに戻されて,一連のウェハW処理が終了する。
【0073】
以上の実施の形態によれば,処理ステーション3に隣接して膜除去装置4を設け,その間のウェハWの搬送を主搬送装置50によりできるようにしたので,反射防止膜の形成されたウェハWを迅速かつ適切に膜除去装置4に搬送できる。したがって,搬送中にウェハWが汚染されたり,破損したりすることが無く,ウェハWの品質を向上させることができる。また,作業員が搬送する場合に比べて搬送時間が短縮されるので,処理全体のスループットを向上できる。
【0074】
処理ステーション3内にクーリング装置40〜42,加熱処理装置44〜46の熱処理装置を備えたので,膜除去処理前後の熱処理も同じシステム内で迅速に行うことができる。また,処理ステーション3内にレジスト塗布装置21を設けたので,レジスト膜の形成処理も同じシステム内で行うことができる。
【0075】
また,膜除去装置4内に,純水を噴出するノズル64と,噴出された純水を回収する回収ノズル66を設けたので,レーザ光によって分解,剥離した反射防止膜の粒子を当該純水の流れに取り込み,回収することができる。これにより,分解した反射防止膜の粒子がウェハW上に残存し,ウェハWに再付着することが防止できる。したがって,膜除去時のウェハWの汚染が防止される。
【0076】
ノズル64から噴出された純水を膜除去位置Pに案内する案内部材65を備えたので,噴出された純水が効率よく膜除去位置Pに供給され,発生する反射防止膜の粒子を効果的に排斥することができる。また,純水の消費量も低減することができ,コストダウンが図られる。なお,ウェハW上に噴出される液体は,純水に限られず,二酸化炭素,酸素又は窒素等の気体を混入した純水,イオン水,オゾン水及び過酸化水素水等の他の液体であってもよい。
【0077】
案内部材65には,透明体が用いられるので,案内部材65を膜除去位置P上に配置した状態でレーザ光を照射することができる。これにより,案内部材65によって純水を膜除去位置Pに誘導することが可能となる。
【0078】
液体の供給時に,吹き出し口73により,ウェハWの端部の裏面に窒素ガスを吹き付けるようにしたので,ウェハW上の純水が裏面に回り込んで,ウェハWの裏面を汚染することが抑制できる。これにより,ウェハWの裏面の洗浄が不要となり,ウェハWの全体の処理時間が短縮できる。
【0079】
膜除去装置4にチャック61を移動させるX−Yステージ62を備えたので,ウェハWの搬入位置と膜除去位置が異なる場合にも,適切にウェハWを移動させることができる。また,CCDカメラ83によりウェハWの位置修正を行えるようにしたので,膜除去位置Pをレーザ照射位置に正確に合わせることができる。
【0080】
チャック60の外方にカップ61を備えたので,回収ノズル66に回収されずウェハWから落下した純水が回収され,膜除去装置4内が汚染することを防止できる。
【0081】
気体供給ユニット100によりケーシング4a内に清浄な気体のダウンフローを形成するようにしたので,ケーシング4a内を清浄雰囲気に維持し,ウェハWや各種駆動部から発生するパーティクルを排気し,ウェハWが処理中に汚染されることを防止できる。
【0082】
処理ステーション3に待機部としてのバッファカセットBを備えたので,比較的処理時間のかかる膜除去処理を同じシステム内で行うことができる。また,主搬送装置50にウェハWの外縁部でない裏面を保持できる搬送アーム54を備えたので,ウェハWの外縁部を支持するバッファカセットBに対してウェハWを搬送することができる。なお,主搬送装置50の有する搬送アームの数は,任意に選択でき,複数であっても単数であってもよい。
【0083】
以上の実施の形態では,純水で濡れたウェハWを回転させることによって振り切り乾燥させていたが,ウェハWに気体を噴出させて,純水を除去するようにしてもよい。例えば膜除去装置4のケーシング4aの上面に,気体噴出部としてのエアナイフユニット105が設けられる。エアナイフユニット105は,図12に示すようにX−Yステージ62によるウェハWの移動範囲内に配置される。エアナイフユニット105は,例えばウェハWの直径よりも長いスリット状の噴出口を有し,下方のウェハWにカーテン状のエアを噴出できる。そして,膜除去後ウェハW上の純水を除去する際には,エアナイフユニット105からエアを噴出させた状態で,X―Yステージ62を駆動させ,ウェハWをカーテン状のエアの下を通過させる。こうすることにより,ウェハW上に残存した純水が吹き飛ばされ,ウェハWが乾燥される。
【0084】
上述のエアの噴出工程は,ウェハWを回転させながら行うようにしてもよい。また,上述のエアの噴出工程は,チャック60に取り付けられた超音波振動子71を振動させながら行うようにしてもよい。さらに,上述のエアの噴出工程は,ウェハWを回転させ,超音波振動子71を振動させながら行うようにしてもよい。
【0085】
以上の実施の形態では,ウェハW上に純水等の液体を流して剥離した反射防止膜を除去していたが,膜除去位置P付近に存在する流体を吸引し,排出することにより剥離した反射防止膜を排除するようにしてもよい。
【0086】
図13は,かかる一例を示すものであり,膜除去装置110には,膜除去位置P付近の雰囲気等の流体を吸引し,排出するための吸引排出部材111が設けられている。吸引排出部材111は,例えば略円柱状に形成され,その内部には,略密閉空間を形成する中空部112が形成されている。吸引排出部材111の下面には,下方に存在する流体を中空部112内に吸引する吸引口113が設けられている。吸引排出部材111の側面には,中空部112内に吸引した流体を排出するための排出管114が接続されている。排出管114は,例えば負圧発生手段であるエジェクタ115に連通されており,所定の圧力,所定のタイミングで中空部112内の流体を吸引することができる。したがって,吸引排出部材111の下方の流体を,吸引口113から吸引し,中空部112を通過させ,排出管114から排気できるようになっている。
【0087】
吸引排出部材111の側面の下部には,膜除去位置P付近にエア,酸素ガス等の気体と,純水等の液体とを選択的に供給できる流体供給部116が設けられている。流体供給部116は,吸引口113を中心とする同一円周上に複数設けられる。各流体供給部116は,流体供給部116の供給口116aが吸引口113側に向くように傾けて設けられている。これにより,各流体供給部116は,吸引排出部材111とウェハWとの隙間に所定の流体を供給できる。各流体供給部116は,例えば供給管117により気体,例えば酸素ガスの供給源(図示しない)と,液体,例えば純水の供給源に連通接続されている。供給管117には,例えば三方弁118が設けられており,この三方弁118により酸素ガスと純水の供給を適宜切り替えることができる。
【0088】
吸引排出部材111の上部,すなわち中空部112の上面は,石英ガラス等の透明体Mで形成されている。吸引口113は,中空部112を挟んだ当該透明体Mの下方に配置されており,上方から照射されたレーザ光が,透明体M,中空部112及び吸引口113を通過し,下方のウェハWに照射できるようになっている。
【0089】
吸引排出部材111は,例えば保持アーム85により保持され,吸引口113をウェハW上の膜除去位置P上に配置することができる。また,吸引排出部材111の高さを調節し,吸引口113とウェハWとの距離を最適な距離,例えば10〜50μm程度にすることができる。
【0090】
そして,膜除去時には,吸引排出部材111が膜除去位置P上まで移動する。流体供給部116から例えば膜除去位置P付近に純水が供給され,吸引口113から当該純水が吸引される。吸引口113から吸引された純水は,中空部112を通り,排出管114を通じて排出される。このように流体供給部116→膜除去位置P→吸引口113→排出管114の順に流れる純水の流れを形成した状態で,レーザ発振器82からレーザ光が発射され,透明体M,吸引口113を通過したレーザ光は膜除去位置Pに照射される。この照射によって剥離した反射防止膜は,純水の流れに取り込まれ,吸引排出部材111を通じて排出される。レーザ光の照射が終了すると,所定時間純水の供給,排出が継続され,その後停止される。
【0091】
かかる例によれば,レーザ光によりウェハWから剥離した反射防止膜が直ちに吸引口113から吸引され,排出される。それ故,剥離した反射防止膜がウェハWに再付着することが防止でき,ウェハWの汚染を防ぐことができる。吸引排出部材111の上面を透明体Mとし,吸引排出部材111内を中空部112としたので,吸引排出部材111を膜除去位置Pの真上に配置した状態でレーザ光を照射できる。したがって,吸引口113を膜除去位置Pにより近づけた状態で吸引できる。特に,ウェハWから剥離する反射防止膜の粒子は,上方に浮遊することが実験等により確認されているので,その効果は大きい。なお,この例では,流体供給部116から純水を供給していたが,酸素ガス等の気体を供給してもよい。かかる場合も膜除去位置Pを通過し,吸引口113から吸引される気流が形成されるので,ウェハWから剥離した反射防止膜を迅速かつ確実に除去することができる。
【0092】
以上の実施の形態では,反射防止膜を形成した後,膜の除去処理を行い,その後レジスト膜を形成するようにしていたが,レシピによっては,反射防止膜を形成後,レジスト膜を形成し,その後膜除去処理を行ってもよい。かかる場合,反射防止膜形成装置20で反射防止膜の形成されたウェハWは,加熱,冷却された後,レジスト塗布装置21に搬送され,ウェハW上にレジスト膜が形成される。その後ウェハWは,加熱,冷却され,その後膜除去装置4に搬送される。膜除去装置4において膜除去処理の行われたウェハWは,加熱,冷却処理され,エクステンション装置43からカセットステーション2に戻される。
【0093】
また,以上の実施の形態で記載した処理システム1には,処理ステーション3にレジスト塗布装置21を設けたが,レジスト塗布装置21が無くてもよい。この場合,ウェハW上に反射防止膜が形成され,その後膜除去位置Pの膜が除去された後,ウェハWがエクステンション装置43からカセットステーション2に戻される。
【0094】
さらに,以上の実施の形態で記載したシステムは,処理ステーションと露光装置との間でウェハWを搬送する搬送装置を有するインターフェイス部を備えるようにしてもよい。
【0095】
図14は,かかる一例を示すものであり,処理システム120の処理ステーション121の背面側(図14の上方側)には,膜除去装置122が設けられている。なお,膜除去装置122は,例えば上述の膜除去装置4と同様の構成を有するものである。処理ステーション121を挟んだ両側にカセットステーション123とインターフェイス部124とが設けられている。また,このシステム外には,インターフェイス部124に隣接して露光装置125が設けられている。
【0096】
処理ステーション121には,主搬送装置126のインターフェイス部124側に,第3の処理装置群G3が設けられる。第3の処理装置群G3には,ウェハWをインターフェース部124側に受け渡すための受け渡し部としてのエクステンション装置130が備えられている。また,主搬送装置126の正面側に第4の処理装置群G4が設けられる。第4の処理装置群G4には,例えば現像処理装置131が2段に重ねられて設けられる。なお,前記実施の形態と同様に第1の処理装置群G1には,反射防止膜形成装置20とレジスト塗布装置21とが設けられ,第2の処理装置群G2には,クーリング装置40〜42,エクステンション装置43,加熱処理装置44〜46が設けられている。
【0097】
主搬送装置126は,第1の処理装置群G1,第2の処理装置群G2に加え,膜除去装置112,第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4に対してウェハWを搬送できるように配置される。なお,第3の処理装置G3には,エクステンション装置130に加え,ウェハWのレシピに合わせてクーリング装置や加熱処理装置等の他の処理装置が設けられていてもよい。
【0098】
インターフェイス部124には,搬送装置としてのウェハ搬送体132が設けられている。このウェハ搬送体132は,例えばX方向(図14中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第3の処理装置群G3のエクステンション装置130と露光装置125に対してアクセスして,それぞれにウェハWを搬送できる。
【0099】
そして,ウェハWの処理の際には,ウェハWがカセットステーション123からエクステンション装置43を介して主搬送装置126に受け渡され,主搬送装置126は,ウェハWを反射防止膜形成装置20に搬送する。ウェハW上に反射防止膜が形成されると,ウェハWは,加熱,冷却処理された後,主搬送装置126により膜除去装置122に搬送される。そして,前記実施の形態で記載した膜除去処理が終了したウェハWは,加熱,冷却処理され,レジスト塗布装置21に搬送される。レジスト塗布装置21においてレジスト塗布処理が終了したウェハWは,加熱,冷却処理された後,第3の処理装置群G3のエクステンション装置130に搬送され,ウェハ搬送体132により露光装置125に搬送される。露光装置125で露光処理の終了したウェハWは,再びウェハ搬送体132によりエクステンション装置130に戻される。エクステンション装置130に戻されたウェハWは,加熱,冷却処理された後,現像処理装置131に搬送される。現像処理装置131においてウェハWの現像処理が行われた後,ウェハWは,再度加熱,冷却処理され,主搬送装置126によって第2の処理装置群G2のエクステンション装置43に搬送される。その後,ウェハWは,ウェハ搬送体11によりカセットステーション123のカセットCに戻され,ウェハWの一連の処理が終了する。
【0100】
このように,処理ステーション121と露光装置125間のウェハWを搬送するインターフェイス部124を備えることによって,反射防止膜形成→膜除去処理→レジスト膜形成→露光処理→現像処理という一連のウェハ処理を一の処理システム内で行うことができる。したがって,処理中に作業員等がウェハWを搬送することがないので,搬送中にウェハWを汚染させたり,破損させたりすることを防止できる。また,ウェハWの搬送時間等が短縮できるので,ウェハWの全体の処理時間も短縮できる。
【0101】
なお,かかる実施の形態では,膜除去装置122を処理ステーション121の背面側に配置したが,主搬送装置126がアクセス可能な位置であれば,他の側面に設けてもよい。インターフェイス部124も同様に処理ステーション121の他の側面に設けてもよい。また,処理ステーション121内には,膜除去装置112の搬送前にウェハWを一旦待機させておくバッファカセットを設けてもよい。
【0102】
以上の実施の形態は,反射防止膜を除去するものであったが,本発明は,例えば反射防止膜とレジスト膜を同時に除去する場合にも適用できる。また,本発明は,他の膜を除去する場合にも適用できる。なお,上述した膜除去処理以外の処理の内容や順番は,ウェハのレシピに合わせて自由に変更できる。また,基板は,ウェハに限られず,LCD基板,フォトマスク用のマスクレチクル基板等の他の基板であってもよい。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば,基板の汚染を防止し基板の品質を向上させることができる。また,搬送時間を短縮しスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる処理システムの構成の概略を示す横断面の説明図である。
【図2】図1の処理システムの正面図である。
【図3】図1の処理システムの背面図である。
【図4】反射防止膜形成装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。
【図5】主搬送装置の構成を示す斜視図である。
【図6】膜除去装置の構成を示す縦断面の説明図である。
【図7】膜除去装置のカップ内の構成を示す縦断面の説明図である。
【図8】カップ内の吹き出し口の配置を示すカップの平面図である。
【図9】案内部材の斜視図である。
【図10】回収ノズルの斜視図である。
【図11】ウェハ上を純水が流れ,案内部材を通過する様子を示すウェハ周辺の縦断面の説明図である。
【図12】膜除去装置にエアナイフユニットを設けた場合の処理システムの構成を示す横断面の説明図である。
【図13】吸引排出部材を備えた膜除去装置の内部の構成を示す縦断面の説明図である。
【図14】インターフェイス部を備えた処理システムの構成例を示す縦断面の説明図である。
【符号の説明】
1 処理システム
2 カセットステーション
3 処理ステーション
4 膜除去装置
20 反射防止膜形成装置
50 主搬送装置
P 膜除去位置
W ウェハ
Claims (9)
- 基板を処理する処理システムであって,
このシステムに対して基板を搬入出するための搬入出部と,
前記搬入出部から搬送された基板上に第1の膜を形成する第1の膜形成装置及び前記基板上の第1の膜上に第2の膜を形成する第2の膜形成装置を備えた処理部と,
前記基板上の所定位置のアライメントマーク上の膜を除去する膜除去部と,を有し,
前記処理部には,前記第1の膜形成装置,前記第2の膜形成装置及び膜除去部間で基板を搬送できる搬送機構が設けられ,
前記膜除去部は,基板を保持する基板保持部と,当該基板保持部に保持された基板の前記所定位置に加工用のレーザ光を照射するレーザ光源と,基板に対して液体を噴出するノズルと,前記ノズルから基板上に噴出され前記所定位置を通過した前記液体を回収する回収機構と,基板上に気体を噴出する気体噴出部と,を有し,
前記膜除去部における膜の除去は,前記第1の膜形成装置における第1の膜の形成と第2の膜形成装置における第2の膜の形成との間に行われ,前記膜除去部では,前記アライメントマーク上の第1の膜が除去されることを特徴とする,処理システム。 - 前記膜除去部は,前記基板上に噴出された液体を前記所定位置に案内する案内部材を有することを特徴とする,請求項1に記載の処理システム。
- 少なくとも前記案内部材の一部は,前記レーザ光を透過する透明体で形成されていることを特徴とする,請求項2に記載の処理システム。
- 前記膜除去部は,前記基板保持部に保持された基板の外縁部の裏面に対して気体を吹き出す吹き出し口を有することを特徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載の処理システム。
- 基板を処理する処理システムであって,
このシステムに対して基板を搬入出するための搬入出部と,
前記搬入出部から搬送された基板上に第1の膜を形成する第1の膜形成装置及び前記基板上の第1の膜上に第2の膜を形成する第2の膜形成装置を備えた処理部と,
前記基板上の所定位置のアライメントマーク上の膜を除去する膜除去部と,を有し,
前記処理部には,前記第1の膜形成装置,前記第2の膜形成装置及び膜除去部間で基板を搬送できる搬送機構が設けられ,
前記膜除去部は,基板を保持する基板保持部と,当該基板保持部に保持された基板の前記所定位置に加工用のレーザ光を照射するレーザ光源と,前記基板の所定位置付近の流体を吸引し,排出する吸引排出部材と,を有し,
前記膜除去部における膜の除去は,前記第1の膜形成装置における第1の膜の形成と第2の膜形成装置における第2の膜の形成との間に行われ,前記膜除去部では,前記アライメントマーク上の第1の膜が除去されることを特徴とする,処理システム。 - 前記第1の膜は,反射防止膜であり,前記第2の膜は,レジスト膜であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の処理システム。
- 前記処理部には,基板を熱処理する熱処理装置が設けられ,
前記搬送機構は,前記熱処理装置に対して基板を搬送自在であることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の処理システム。 - 前記処理部とシステム外の露光装置との間で基板を搬送する搬送装置を備えたインターフェイス部を有することを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載の処理システム。
- 前記処理部は,前記膜除去部に搬入される前の基板を待機させる待機部を備えていることを特徴とする,請求項1〜8のいずれかに記載の処理システム。
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