JP3869051B2 - 空気入りラジアルタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りラジアルタイヤの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りラジアルタイヤの製造方法とタイヤ及びタイヤ装着方法、より詳細には上記製造方法により製造したタイヤ及びこのタイヤの車両への装着方法に関し、特にラジアルタイヤに顕著に発生するコニシティフォース(Conisity Force、COFと略記する)の向き及び大きさを正確に制御し得る空気入りラジアルタイヤの製造方法と、この製造方法に従いCOF発生方向とCOFの大きさとを制御したラジアルタイヤと、このラジアルタイヤを、それに不可避的に作用する荷重変動に基づく高速走行時における車両のすわり安定感及び挙動の落着きを向上させ得るように車両へ装着する装着方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りラジアルタイヤ(以下タイヤといえばこの種のタイヤのこと)、それも特に高速走行の機会が多い乗用車用タイヤの各種運動性能のうちユニフォーミティ性能、換言すればノンユニフォーミティ特性は単に振動乗り心地性に影響を及ぼすのみに止まらず、しばしば操縦安定性の良否を左右する大きな要因となることは良く知られた事実である。
【0003】
このノンユニフォーミティは、荷重を負荷したタイヤを転がり半径一定状態で直進、転動させたとき、荷重の変動成分としてのラジアルフォースバリエイション(RFV)、横力の変動成分としてのラテラルフォースバリエイション(LFV)、横力の直流成分としてのラテラルフォースデビエイション(LFD)などが知られている。
【0004】
これらのうちLFDは2種類に分類され、その1種類はタイヤ上に座標をとった場合、コーナリング試験機でいえばドラムの正逆回転の何れの回転でも同方向の横力が発生する種類のLFDで、この種の横力がコニシティフォース(以下COFと略記する)と呼ばれている。
【0005】
このCOFはあたかもキャンバースラストが発生したときと同様に、しかも一般には何れの向きに発生するかはランダムで走行中の車両を旋回させようとする横力として働くので、COF特性は高速で走行する車両、主として乗用車の操縦安定性に大きな影響を及ぼし、このためユニフォーミティ性能のなかで最も重要な特性である。
【0006】
それにもかかわらず、現在のところCOFをゼロにとは言わず、ゼロに近い値に抑え込むことができない。このことはとりもなおさずCOFの的確な制御方法が存在しないということであり、それと言うのはCOFが主としてタイヤ赤道面に対するベルトの幅中央の「ずれ」により生じ、この「ずれ」発生は生産上不可避的に発生するバラツキであり、今日の進んだ品質管理手法を駆使しても或る値の偏差(±σ)をもつのは止むを得ない。この「ずれ」のCOFに及ぼす影響度合いは、例えば乗用車用空気入りラジアルタイヤでサイズが185/70SR14の場合、2層のスチールコード交差層になるベルトの幅中央線がタイヤ赤道面から僅か1mm偏ったときCOFは約3kgf に及ぶ程大きい。
【0007】
上記のようなタイヤを車両に装着したとき、たまたま、例えば前輪に装着した左右タイヤのCOFが同じ右向きに発生しては車両の直進走行性が損なわれる。
【0008】
そこでCOFの発生は是認することを前提とし、車両装着前のタイヤのCOFの向きと大きさとを測定するか、予め意図的にCOFを或る向きとして製造するかして、少なくとも前輪の左右にはCOFの向きを逆にしてタイヤを装着し、互いのCOFを相殺することで車両の直進走行安定性を改善することを、例えば特開平3−239607号公報は開示している。この装着方法を図6に簡略図解した平面の説明図として示す。
【0009】
しかし上述したタイヤ装着方法は、図6に示すように、前輪の左右タイヤに発生するCOFを車両の内側に向けると、トゥイン設定によりタイヤから発生する(コーナリングパワー)×(トゥイン角度)=横力(Fy)にCOFが加算され、例えば左右何れか一方のタイヤに走行路面の長周期の凹凸などに因る荷重変動が生じると、横力及びCOFには荷重変動に基づく変動分が(Fy)+(COF)に加算又は減算される。結局のところ左右タイヤに生じる(Fy)+(COF)が大きく異なる結果、高速走行における操縦安定性、細分すると車両の安定感及び挙動の落着き、ハンドルの微小応答性及び手応え感などの性能が劣化するとういう問題がある。このことはトゥアウト設定の場合も同じである。
【0010】
そこで本出願人はこの問題の有利な解決を目的とし、すでに特願平8−21120号に係わる明細書にて、タイヤの負荷荷重の変動に基づくCOFの変動量に対し、トゥ設定角度と上記負荷荷重の変動に起因するコーナリングパワーの変動量との積を減算し、減算値の絶対値が負荷荷重の変動量の1.2%以下となるように四輪車両の前後左右にタイヤを装着する方法を提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
それにしても、乗用車用タイヤのように生産量が極めて多量にのぼるタイヤの1本毎につきCOFを測定するのは生産性の点で劣ることは明らかである一方、未加硫タイヤ成形時にベルト部材の張合せ位置を意図的に「ずらす」せば、「ずらし」量の平均値に3倍以上の偏差σ(3σ)が加減され、過大なCOFをもつタイヤが混在するのは不可避であり、とてもCOF制御と呼べる方法ではなく、しかも心出し、心合せを旨とする成形作業の基本動作にそぐわず、これもまた実用性に欠ける。
【0012】
そこでこの発明のうち請求項1、2に記載した発明は、従来の未加硫タイヤの各部材を張合せる成形方法を基本で踏襲し、しかも確実に高精度で幅方向に所定量だけベルトを偏らせ、意図する方向に意図する大きさのCOFを発生させ得る空気入りラジアルタイヤの製造方法を提供することを目的とする
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的その一を達成するためこの発明の請求項1に記載した発明は、加硫成形によりタイヤのトレッドゴムに踏面円周に沿って延びる複数本の直状溝を形成する複数個の直状リブを内周面に備える金型に、加硫の際に金型の各リブと係合させる複数本の凹部を予め表面全周にわたり形成したトレッドゴム素材を備える未加硫タイヤを収容して、加硫成形するにあたり、
上記トレッドゴム素材の凹部は、その両壁面の一方を緩斜面とし、他方を急斜面として形成し、各凹部と金型の各リブとを互いに係合させるとき、金型の各リブの先端部を先ず凹部の傾斜面に当てるとともに、該凹部と係合するリブが形成するトレッドゴムの溝に対し、より小さな幅方向凹面積及びより浅い底部のうち少なくとも何れか一方の諸元を有するものとし、
各凹部と各リブとはそれぞれ互いの係合位置にて、各凹部の最深底部と各リブの最先端部とを同じトレッド幅方向にオフセットさせ、このオフセット状態にて未加硫タイヤを内部から加圧して金型に押圧し、各リブをトレッドゴム素材中に埋没させ、
これにより各凹部に進入する各リブで、トレッド幅方向の何れか一方にトレッドゴム素材を、その内側表面に貼合せたベルト素材とともに強制流動させることを特徴とする空気入りラジアルタイヤの製造方法である。
【0014】
ここにリブが形成するトレッドゴムの溝とは加硫成形後の溝を指し、トレッドゴム素材凹部の幅方向凹面積とは、金型に収容する前の未加硫タイヤにおけるトレッドゴム素材の凹部に直交する平面による断面にあらわれる凹輪郭と、凹輪郭の外側両端をそれらに連なる線の内挿線とで囲まれる面積を指す。そしてトレッドゴムの溝の同様幅方向面積に比し凹部の幅方向凹面積はより小さいこと、トレッドゴムの溝深さに比し凹部深さはより浅いことの何れか一方を満たすか又は両者を同時に満たすことが必要である。
【0015】
またトレッドゴム素材の各凹部の最深底部と金型の各リブの最先端部と同じトレッド幅方向にオフセットさせるときのオフセットとは、凹部の最深底部が幅を有するときはその中央位置とリブの最先端部との間の片寄りを指し、同様にリブの最先端部が幅を有するときはその中央位置と凹部の最深底部との間の片寄りを指し、また凹部の最深底部とリブの最先端部とが共に幅を有するときはそれぞれの中央位置相互間の片寄りを指すものとする。
【0016】
上述のオフセット状態にて未加硫タイヤをその内部加圧により金型に押圧すれば、各凹部に進入する各リブはトレッドゴム素材をトレッド幅方向の何れか一方に強制的に流動させ、同時にこのゴム流動はトレッドゴム素材の内側表面に張合せたベルト素材を同じ方向に移動させる働きを行う。
【0017】
上記のトレッドゴム素材の強制流動、すなわちベルト素材移動を有利に実施させるため、トレッドゴム素材の各凹部は、その両壁面の一方を緩斜面とし、他方を急斜面として形成し、上記各凹部と金型の各リブとを互いに係合させるとき、金型の各リブの先端部を先ず凹部の緩斜面に当てる。なお金型の直状リブに直交する断面形状は半径方向中央軸線に関し対称であっても、また非対称であっても、この断面形状に合わせて凹部幅、両壁面の緩斜面及び急斜面の形状を適宜選択すればよい。
【0018】
それで請求項2に記載した発明のように、トレッドゴム素材の凹部緩斜面の傾斜角度は、未加硫タイヤを金型に押圧するとき、金型のタイヤ形成面を幅方向に2分する平面と直交する平面に対し10〜45°の範囲内にあり、急斜面の傾斜角度は同直交平面に対し30〜90°の範囲内にあることが上記リブ断面形状との兼ね合いで実際上有利に適合する。
【0019】
この発明では、トレッドゴムに複数本の直状溝を有するトレッド部と、その両側に連なるサイドウオール部及びビード部とからなり、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該カーカスとトレッドゴムとの間でトレッド部を強化するベルトとを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、
請求項1又は2に記載した製造方法に従い、金型の各リブによるトレッドゴム素材のトレッド幅方向への強制流動により該素材の下に位置するベルト素材をゴム素材の流動方向と同じ向きに移動させて未加硫タイヤに加硫成形を施し、
これにより加硫成形終了後のタイヤにおけるベルトを、その幅中央を連ねる線がタイヤ赤道面に関しオフセット配置することができる。
【0020】
既に先に述べたように、未加硫タイヤ状態において、トレッドゴム素材をトレッド幅方向の何れか一方に強制的に流動させれば、このゴム流動の伴いトレッドゴム素材の内側表面に張合せたベルト素材はラジアルカーカス素材に対し同時に同じ方向に所定量移動するので、加硫成形後の空気入りラジアルタイヤにおけるベルトはタイヤ赤道面から所定量オフセットした配置になり、その結果所定方向に所定量のCOFを発生させることができる。
【0021】
実用上有用な所定量のCOFを発生させるためには、請求項1又は2に記載した製造方法に従い、金型リブの断面形状と、トレッドゴム素材凹部の断面形状と、そして凹部とリブとの間のオフセット量とを制御することにより、加硫成形後タイヤのベルトの幅中央を連ねる線のタイヤ赤道面からのオフセット量を1〜5mmの範囲内に収めるのが望ましい。
【0022】
上記のようにオフセット量に幅をもたせるのは、タイヤ種(タイヤサイズ)により、タイヤ構造、特にベルト構造により同じオフセット量でも発生するCOFが異なるためであり、しかも後述するタイヤ装着車種により適合するCOFレベルが異なることに対し対応可能とさせるためである。
【0023】
この発明は、トレッドゴムに複数本の直状溝を有するトレッド部と、その両側に連なるサイドウオール部及びビード部とからなり、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該カーカスとトレッドゴムとの間でトレッド部を強化するベルトとを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、
請求項1又は2に記載した製造方法に従い、金型の各リブによるトレッドゴム素材のトレッド幅方向への強制流動により該素材の下に位置するベルト素材をゴム素材の流動方向と同じ向きに移動させて未加硫タイヤに加硫成形を施し、
これにより加硫成形終了後のタイヤにおけるベルトを、その幅中央を連ねる線がタイヤ赤道面に関しオフセット配置した場合、また、実用上有用な所定量のCOFを発生させるために、請求項1又は2に記載した製造方法に従い、金型リブの断面形状と、トレッドゴム素材凹部の断面形状と、そして凹部とリブとの間のオフセット量とを制御することにより、加硫成形後タイヤのベルトの幅中央を連ねる線のタイヤ赤道面からのオフセット量を1〜5 mm の範囲内に収めた場合に、かかるタイヤは四輪車両の前後左右のそれぞれの位置に装着する姿勢が、ベルトの幅中央線のタイヤ赤道面からのオフセット側を、車両に付すトゥ設定がトゥインのときは外側とする一方、トゥアウトのときは内側として装着することができきる。なおオフセット側は外観で、例えばトレッドパターンやセリアルなどで識別する。
【0024】
次に、回転方向指定の構成を有するタイヤは車両への装着姿勢で外側及び内側となる側を予め定めた上で、車両に付すトゥ設定がトゥインのときはベルトの幅中央線のタイヤ赤道面からのオフセット側を装着外側とし、車両に付すトゥ設定がトゥアウトのときは、オフセット側を装着内側としてタイヤを装着する。
【0025】
車両への装着姿勢で外側及び内側となる側を予め定めたトレッドパターンを含む非対称構成を有するタイヤは、車両に付すトゥ設定がトゥインのとき、ベルトの幅中央線のタイヤ赤道面からのオフセット側を装着外側とし、車両に付すトゥ設定がトゥアウトのときは、ベルトの幅中央線のタイヤ赤道面からのオフセット側を装着内側として装着する。
【0026】
上述した装着方法の何れかを用いれば、先に述べた本出願による特願平8−21120号に係わる明細書に記載した、「タイヤの負荷荷重の変動に基づくCOFの変動量に対し、トゥ設定角度と、負荷荷重変動に起因するコーナリングパワの変動量との積を減算し、その減算値の絶対値が負荷荷重の変動量の1.2%以下とする」ことを実現させることが可能となる。
【0027】
この発明は、走行踏面のうねりなどの長周期の凹凸などにより、一本もしくは複数本のいずれのタイヤに荷重変動が生じても、それによる横力の変動は殆ど生じることなく、その結果車両の直進走行安定性、ハンドルの微小応答性、手応え感などを顕著に向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の請求項1、2に記載した発明の実施の形態の一例を図1、図2に基づいて詳細に説明する。
図1は、未加硫タイヤ及び加硫金型それぞれを線図で示す部分断面図であり、図2は、図1に示す要部拡大図である。
【0029】
図1において、符号1は成形が完了した未加硫タイヤであり、未加硫タイヤ1はトレッドゴム素材2と、ベルト素材の2層以上(図示例は2層)のコード交差層素材3と、1プライ以上(図示例は1プライ)のラジアルカーカス素材4と、サイドウォールゴム素材5と、そしてインナーライナゴム素材6とを有し、図示は省略したがラジアルカーカス素材4は一対のビードコア素材間にわたり延びてビードコアの周りをタイヤ内側から外側に巻上げた折返しを有する。トレッドゴム素材2には予め表面2t全周にわたり円周に沿って延びる(以降、円周方向と略記する)複数本(図示例は2本)の直状凹部7、8を形成するものとする。なお符号2tはトレッドゴム素材2の外側表面で、加硫成形後には踏面となる。
【0030】
符号10は加硫成形用金型であり、金型10は従来型の二つ割り合せモールドも可とするが、現在乗用車用〜トラック−バス用空気入りラジアルタイヤに専ら多用されている割りモールド(いわゆるセグメントモールド)が好適に適合し、図示の金型10は後者の割りモールドである。
【0031】
金型10の内側表面11はタイヤの外側表面を形成するための輪郭形状を有し、特に加硫後タイヤのウエット路面走行時の良好な排水性に大きく寄与する直状溝をトレッドゴムに形成するためのリブ12、13を内周面11sに複数個(図示例は2個)備える。上記踏面の直状溝はタイヤの踏面円周に沿って延びるもので、従ってリブ12、13も同様に金型10の内周面11sの円周に沿って延びる配置になる。これらリブ12、13は金型10の内側表面11を幅方向に2分する平面E、すなわちタイヤで言えば赤道面と同じ平面の両側に位置し、勿論これらリブ12、13の他にもトレッドゴムに溝を形成するリブが存在するが、これらの図示は省略した。
【0032】
図1に示す金型10は未加硫タイヤ1を収容して、加硫成形を開始する直前のありさまを示し、加硫成形開始時にはトレッドゴム素材2の凹部7と金型10のリブ12とが、凹部8とリブ13とがそれぞれ係合する。以降は図2も合せ参照して、係合するとき、凹部7、8の幅方向凹面積A7 、A8 とリブ12、13部分の図示断面積A12、A13との関係及び凹部7、8の底部深さD7 、D8 とリブ12、13の高さH12、H13との関係は下記の条件を満たすものとする。ただし面積A7 、A8 、A12、A13は図2に示すように凹部7、8の外側表面2t及び内周面11sそれぞれの断面にあらわれた内挿線(二点鎖線で示す)で囲まれた面積であり、底部深さD7 、D8 は最深底部7Bm、8Bmから上記内挿線までの深さであり、高さH12、H13も最先端部12e、13eから上記内挿線までの高さである。
【0033】
ここに面積A7 、A8 は面積A12、A13より小さい関係を有すること、又は
底部深さD7 、D8 は高さH12、H13より小さな値である関係を満たすことの何れかであることが必要であり、もしくは両者の関係を同時に満たすことが必要である。
【0034】
さらに図1、2に示す未加硫タイヤ1は金型10のリブ12、13と係合直前に位置しているが、この状態を保持してリブ12、13と凹部7、8とが係合するものとしたとき、凹部7、8の最深底部7Bm、8Bmとリブ12、13の最先端部12e、13eとは同じトレッド幅方向(矢印X方向)に距離dだけオフセットさせるものとする。図示例の凹部7、8の二点鎖線を含む断面形状はほぼ三角形状をなすが、下記するようにこれにこだわる必要はない。
【0035】
このオフセット距離dを定めるに際し、図示のリブ12、13の最先端部12e、13eのように或る幅を有するときは、その幅中央を通る内周面11sの法線L12、L13と、図で点に近い状態の最深底部7Bm、8Bmを通るトレッドゴム素材2の外側表面2tの法線L7 、L8 とのそれぞれの相互間距離dを用い、図示を省略したが最深底部7Bm、8Bmがリブ12、13の最先端部12e、13eと同様に幅を有するときは(例えば二点鎖線部分を底辺とする台形状の断面形状の場合)、その幅中央を通る法線L7 、L8 を基準とする。
【0036】
このオフセット距離dを保持した状態で、未加硫タイヤを既知の方法に従い高内圧ガス、例えば10〜20kgf/cm2 の蒸気を充てんした加硫ブラダーにより加圧して金型10に押圧し、リブ12、13をトレッドゴム素材2中に埋没させる。これにより凹部7、8に進入するリブ12、13が未加硫のトレッドゴム素材2を矢印X方向に強制流動させる。このゴム素材流動はその直下にあるベルト素材3をも同じ方向に強制移動させる作用を有する。
【0037】
凹部7、8の両壁面は図示のように一方を緩斜面W7 p 、W8 p 、他方を急斜面W7 q 、W8 q とするのが良く、リブ12、13が凹部7、8と互いに係合するとき、リブ12、13の最先端部12e、13eが先に緩斜面W7 p 、W8 p に当る方法を採用するのが好適である。これは未加硫タイヤ1を金型10に押圧するとき、トレッドゴム素材2が順調かつ円滑に矢印X方向に流動し易くなるからである。
【0038】
また実際上、金型10の内側表面11を幅方向に2分する平面Eと直交する平面Fに対する緩斜面W7 p 、W8 p の傾斜角度α(度)及び急斜面W7 q 、W8 q の傾斜角度β(度)につき、角度αは10〜45°の範囲内に設定し、角度βは30〜90°の範囲内に設定するのが望ましい。ここに角度αが10°未満ではトレッドゴム素材2の流動量が少なくなり過ぎ、角度αが45°を超えると凹部7、8の底部深さD7 、D8 がリブ12、13の高さH12、H13を超え、トレッドゴム素材の加硫に支障を来すので望ましくない。何れにしても壁面W7 p 、W7 q 及び壁面W8 p 、W8 q の傾斜角度の関係は常にα<βを満たすのが良い。この関係の下でトレッドゴム素材2は円滑に流動する。
【0039】
図3は、図1、2に基づいて説明した未加硫タイヤ1を金型10により加硫成形したラジアルタイヤの回転軸心を含む平面による線図的断面である。
【0040】
図3において、空気入りラジアルタイヤ21は、トレッド部21tと、その両側に連なる一対のサイドウォール部21s及び一対のビード部21bとからなり、これら各部21t、21s、21bをビード部21b内の埋設したビードコア29相互間にわたり1プライ以上(図示例は1プライ)のラジアルカーカス24にて補強する。該カーカス24のプライは有機繊維コード、例えばポリエステルコードのラジアル配列になる。トレッドゴム22とラジアルカーカス24の外周との間にベルト23を配置し、トレッド部21tを強化する。
【0041】
ベルト23は2層以上(図示例は2層)のコード交差層からなり、少なくとも隣接する2層(図示例は2層)のコードはタイヤ赤道面(以下赤道面と略す)Eを挟む交差配列になり、ここでいうコード交差とはこのことを指す。これらコードの赤道面Eに対する傾斜角度は10〜30°の範囲内にある。ベルト23のコードには通常スチールコードを適用するが、特別な場合は強度、弾性率及び剛性の点でスチールコードに近い性質をもつケブラー(芳香族ポリアミド繊維)コードを好適に使用し得る。ベルト23のコード交差層の幅関係は図示例では内側コード層の幅が外側コード層より広幅であるが、この逆とすることも可とする。
【0042】
またベルト23は、図示を省略したが上記コード交差層の全幅全外周面を掩い該層の両端部を超える幅を有するキャップ層を備えることができる。このキャップ層は赤道面Eと平行もしくは平行に近いコード配列になるコード層で、この発明におけるキャップ層は1本以上のコードを螺旋巻回したコード層とするのが有利である。このキャップ層のコードには高熱収縮率特性を有する有機繊維コード、例えば6,6−ナイロンコード、6−ナイロンコードが一般的であり、特に高速使用の場合上記ケブラーのような有機繊維コードの使用も有効である。このキャップ層を備えるタイヤは特に高速耐久性と高速操縦安定性とが格段に向上するので高速使用に好適である。
【0043】
またベルト23は、コード交差層の両端部をそれぞれ上記キャップ層と同様な螺旋巻回コード層で覆う狭幅のレイヤも備えることができる。コード材料はキャップ層のそれと同じでよい。この場合も高速耐久性と高速操縦安定性とのそれぞれの性能向上に寄与する。図1、図2を参照して、先の説明ではこれらキャップ層及びレイヤを備えるベルト素材3に触れなかったが、キャップ層及びレイヤを含めたベルト素材3はトレッドゴム素材2の流動につれ所定方向(矢印X方向)に所定量だけ移動することができる。
【0044】
図3を参照して、図1、2に示した金型10の内周面11sはトレッド部21tの踏面21tを形成し、そしてリブ12、13は、同図に示した凹部7、8との連係動作にてトレッドゴム22における周方向溝27、28を形成するとき、同時にベルト3を赤道面Eから図で左側に偏り量δだけオフセットさせている。よって赤道面Eからベルト23の2層の端縁までの距離a、b、c、dにつき、内側コード層はd>c、外側コード層ではb>aそれぞれの関係を満たすものである。
【0045】
上記偏り量(以下オフセット量という)δを定める基準平面Ebはベルト23の幅中央を連ねる線、すなわち図示例では最大幅をもつ内側コード層の幅中央を連ねる線を通る赤道面Eに平行な平面である。通常は内外コード層間の赤道面Eからの偏り量に殆ど差がないので上記定義で実際上支障は生じないので、上記距離a、bを用い、(b−a)=δとする。
【0046】
オフセット量δは、図1、2を参照して先に詳述した金型10のリブ12、13の断面形状と、凹部7、8の断面形状及び加硫成形時のリブ12、13と凹部7、8との間のオフセット距離dとを主たる対象として制御するのを基本とし、これにベルト23の構成、未加硫トレッドゴム素材2の粘性、剪断抵抗特性などを加味して特定することができる。そしてオフセットが何れの側に存在するかをタイヤに、例えばサイドウォール部21sに表示するのは勿論である。
【0047】
オフセット量δとCOFの大きさとの関係はタイヤ構造、主としてベルト23の構造及び構成により変化するため、またタイヤ装着車種によりCOFの適正値が異なるため、少なくとも乗用車の使途に供するタイヤに関し、オフセット量δは1〜5mmの範囲内が適合する。
【0048】
図4は、先に述べたタイヤ21をトゥイン設定の四輪車両の前後左右に装着した平面の説明図であり、図5はタイヤ21をトゥアウト設定の四輪車両の前後左右に装着した平面の説明図である。各図では説明の便宜上先に述べたベルト23の外側コード層を現して、多数本の斜め実線によるコードにて示す。
【0049】
図4に示すトゥイン設定四輪車両では、ベルト23の幅中央線、この場合は外側コード層における平面Eb上の線の赤道面Eからのオフセット側を外側として、先に定義したベルト23の幅中央を連ねる線を含む平面Ebがオフセット量δ=(b−a)/2だけ赤道面Eより外側となるようにして各タイヤ21を前後左右に装着したものである。COFは矢印で示すようにa<bの関係をもつオフセット側(赤道面Eから見て平面Eb側)に向け、すなわち装着姿勢で外側に向け発生する。このトゥイン設定で直進走行するタイヤ21に発生する横力Fy(トゥイン角度×コーナリングパワ)は図6に示す場合と同様に装着姿勢内側に向け発生する。
【0050】
一方図5に示すトゥアウト設定四輪車両では、オフセット側の平面Ebが赤道面Eより内側に位置するようにタイヤ21を装着する。そのときCOFは上記と逆方向の装着姿勢内側に向け発生し、トゥアウト設定で直進走行するタイヤに生じる横力Fyは装着姿勢外側に向け発生する。
【0051】
ここで車両の前後左右に装着したタイヤ21の負荷荷重Wの変動量をΔW、コーナリングパワの変動量をΔCPとし、トゥ設定角度をトゥインにつき前輪はθFI、後輪はθRI、トゥアウトにつき前輪はθFO、後輪はθROとしたとき、
(1)トゥイン設定四輪車両では、
トゥ設定角度と、負荷荷重変動量ΔWに起因するコーナリングパワの変動量ΔCPとの積は、トゥイン設定四輪車両にて、
【数1】
Figure 0003869051
トゥアウト設定四輪車両にて、
【数2】
Figure 0003869051
となる。
【0052】
一方タイヤの負荷荷重変動に基づくCOFの変動量は、
【数3】
Figure 0003869051
であり、(ΔCOF/ΔW)で表される比はCOFの値にほぼ比例することを実験により確かめている上、比(ΔCP/ΔW)も特定することができ、かつCOFとFyとが互いに逆向きであることから、結局、
(1)トゥイン設定四輪車両における、
【数4】
Figure 0003869051
の要件を満たすことができ、
(2)トゥアウト設定四輪車両における、
【数5】
Figure 0003869051
の要件を満たすことができる。
【0053】
以上述べたタイヤ21の装着方法はタイヤ全般に共通するが、回転方向を指定する必要がある構成を有するタイヤ21の場合は、車両への装着姿勢で外側及び内側となる側を予め定めた上で、トゥイン設定四輪車両では、オフセット側の平面Ebが赤道面Eより外側に位置するようにタイヤ21を装着し、トゥアウト設定四輪車両では、オフセット側の平面Ebが赤道面Eより内側に位置するようにタイヤ21を装着すればよい。
【0054】
また車両への装着姿勢で外側及び内側となる側を予め定めたトレッドパターンを含む非対称構成を有するタイヤ21は、上記同様にトゥイン設定四輪車両では、オフセット側の平面Ebが赤道面Eより外側に位置するようにタイヤ21を装着し、トゥアウト設定四輪車両では、オフセット側の平面Ebが赤道面Eより内側に位置するようにタイヤ21を装着する。
【0055】
以上述べたタイヤ21の装着方法により、直進走行する車両に装着した一本もしくは複数本の何れのタイヤ21に負荷荷重変動が生じても、それに起因する横向き力の変動が殆ど生じることがなく、その結果高速走行中の車両の直進安定性、ハンドルの微小応答性及び手応え感などの性能が顕著に向上する。
【0056】
【実施例】
乗用車用ラジアルタイヤ21で、サイズが195/65R14であり、実施例1〜4の構成は基本的に図3に従い、ラジアルカーカス24(ラジアルカーカス素材4)は1000D/2のポリエステルコードの2プライからなり、ベルト23(ベルト素材3)は2層の1×5×0.23mm構造のスチールコード交差層と、この交差層の両側端部を掩う各1層の6,6−ナイロンコードのレイヤとからなる。トレッド部21tの踏面22tには赤道面Eを挟む両側近傍に周方向直状溝27、28を備える。
【0057】
上記タイヤ21を加硫成形する金型10は割りモールドであり、その赤道面E近傍の両側に周方向直状溝27、28を形成するための周方向リブ12、13を備え、これに対し未加硫タイヤ1のトレッドゴム素材2には図1に示す先太り周方向凹部7、8を予め形成し、これら凹部7、8とリブ12、13との係合に際し、リブ12、13の最先端部12e、13eと、凹部7、8の最深底部7Bm、8Bmを通るトレッドゴム素材2の外側表面2tの法線L7 、L8 とのそれぞれのオフセット距離dは後に掲げる表1に示した。なお数値の前に付した+(プラス)は図1に示すオフセットの向きをあらわす。
【0058】
リブ12、13の高さH12、H13はそれぞれ7.8mmであり、これに対し凹部7、8の底部深さD7 、D8 をそれぞれ3.5mmとした。凹部7、8のトレッドゴム素材2の外側表面2tの開口幅と、緩斜面W7 p 、W8 p の傾斜角度α(度)及び急斜面W7 q 、W8 q の傾斜角度β(度)とは比較例を含め表1に示した。
【0059】
また加硫成形終了後の各タイヤ4本宛につき、内圧2.0kgf/cm2 、負荷荷重400kgの試験条件下で、目標とするCOF(kgf)の値と実際のCOF(kgf)の値とを測定し、その平均値を求めて目標値と対比し、併せてCOF(kgf) 測定後のタイヤを解剖し、平面Ebの赤道面Eからのオフセット量δ(mm)を測定し、これらの結果を表1に示した。なお数値の前に付した+(プラス)は図3に示すオフセットδの向きを、−(マイナス)はその逆向きをあらわす。
【0060】
【表1】
Figure 0003869051
【0061】
表1に記載したように、実施例1〜4の実測COF(kgf) は目標値とほぼ一致し、しかも表の記載は省略したが実測COF(kgf) の平均値からの偏りは±1.0kgf 内に収まっていて、この偏りは実用上十分な範囲内であることが確かめられた。
【0062】
さらに予めトレッドゴム素材に凹部を設けない従来例1、2のタイヤも製造し、従来例1のタイヤ、実施例1の回転方向無指定のタイヤ21及び比較例タイヤの3例の供試タイヤにつき、また従来例2のタイヤ、実施例3の回転方向指定のタイヤ21及び比較例タイヤの3例の供試タイヤにつき、それぞれ二つに分けた実車テストによるフィーリングテストを実施した。車両の前輪トゥイン設定角度は0.05°、後輪トゥイン設定角度は0.1°であり、前輪荷重約400kg、後輪荷重約300kgである。タイヤの内圧は2.0kgf/cm2 とした。
【0063】
前者の3例のタイヤ4本のCOF(kgf) 平均値は、
従来例1が−1.3kgf 、実施例1が+3.2kgf 、比較例が−6.2kgf であり、
後者の3例のタイヤ4本のCOF(kgf) 平均値は、
従来例2が−0.3kgf 、実施例3が+4.5kgf 、比較例が−3.9kgf であった。なお±の符号+が図4に示すCOFの矢印の向きであり、符号−はその逆向きをあらわす。
【0064】
フィーリング評価項目はタイヤ挙動の落着き性とすわり安定性及び微小応答性とし、これら性能に対する評価はゼロ点を標準とするプラス(+)、マイナス(−)の評点付けを実施した。+点で値が大きいほど優れた性能を示すことをあらわし、その結果は、前者3例では、従来例1を基準として、実施例1が+2点、比較例が−2点であった。後者3例では従来例1を基準として、実施例3が+3点、比較例が−2点であった。
【0065】
【発明の効果】
この発明によれば、従来の未加硫タイヤの各部材を張合せる成形方法を基本で踏襲し、しかも確実に高精度で幅方向に所定量だけベルトを偏らせ、意図する方向に意図する大きさのCOFを発生させ得る空気入りラジアルタイヤの製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるタイヤの製造方法の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す断面図の一部拡大説明図である。
【図3】図1、2に示す製造方法により製造した一例タイヤの断面図である。
【図4】この発明によるタイヤのトゥイン設定車両への装着方法の一例を示す説明図である。
【図5】この発明によるタイヤのトゥアウト設定車両への装着方法の一例を示す説明図である。
【図6】従来タイヤのトゥイン設定車両への装着方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 未加硫タイヤ
2 トレッドゴム素材
3 ベルト素材
4 ラジアルカーカス素材
5 サイドウォールゴム素材
6 インナーライナゴム素材
7、8 凹部
7Bm、8Bm 凹部最深底部
10 金型
11 金型の内側表面
11s 金型内周面
12、13 リブ
12e、13e リブ最先端部
7 、A8 凹部の幅方向凹面積
12、A13 リブ断面積
7 、D8 凹部の底部深さ
12、H13 リブの高さ
7 p 、W8 p リブ壁面の緩斜面
7 q 、W8 q リブ壁面の急斜面
d オフセット距離
α 緩斜面の傾斜角度
β 急斜面の傾斜角度
E 金型内側表面の幅方向2分平面、タイヤ赤道面
21 空気入りラジアルタイヤ
21b ビード部
21s サイドウォール部
21t トレッド部
22 トレッドゴム
22t 踏面
23 ベルト
24 ラジアルカーカス
25 サイドウォールゴム
26 インナーライナゴム
27、28 周方向直状溝
30 ビードコア
δ オフセット量
Eb ベルト幅中心
COF コニシティフォース
Fy 横力

Claims (2)

  1. 加硫成形によりタイヤのトレッドゴムに踏面円周に沿って延びる複数本の直状溝を形成する複数個の直状リブを内周面に備える金型に、加硫の際に金型の各リブと係合させる複数本の凹部を予め表面全周にわたり形成したトレッドゴム素材を備える未加硫タイヤを収容して、加硫成形するにあたり、
    上記トレッドゴム素材の凹部は、その両壁面の一方を緩斜面とし、他方を急斜面として形成し、各凹部と金型の各リブとを互いに係合させるとき、金型の各リブの先端部を先ず凹部の傾斜面に当てるとともに、該凹部と係合するリブが形成するトレッドゴムの溝に対し、より小さな幅方向凹面積及びより浅い底部のうち少なくとも何れか一方の諸元を有するものとし、
    各凹部と各リブとはそれぞれ互いの係合位置にて、各凹部の最深底部と各リブの最先端部とを同じトレッド幅方向にオフセットさせ、このオフセット状態にて未加硫タイヤを内部から加圧して金型に押圧し、各リブをトレッドゴム素材中に埋没させ、
    これにより各凹部に進入する各リブで、トレッド幅方向の何れか一方にトレッドゴム素材を、その内側表面に貼合せたベルト素材とともに強制流動させることを特徴とする空気入りラジアルタイヤの製造方法。
  2. トレッドゴム素材の凹部緩斜面の傾斜角度は、未加硫タイヤを金型に押圧するとき、金型のタイヤ形成面を幅方向に2分する平面と直交する平面に対し10〜45°の範囲内にあり、急斜面の傾斜角度は同直交平面に対し30〜90°の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載した製造方法。
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