JP2020055493A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2020055493A
JP2020055493A JP2018189107A JP2018189107A JP2020055493A JP 2020055493 A JP2020055493 A JP 2020055493A JP 2018189107 A JP2018189107 A JP 2018189107A JP 2018189107 A JP2018189107 A JP 2018189107A JP 2020055493 A JP2020055493 A JP 2020055493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
tire
maximum
land portion
chamfered portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018189107A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6780687B2 (ja
Inventor
春菜 水島
Haruna Mizushima
春菜 水島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2018189107A priority Critical patent/JP6780687B2/ja
Priority to CN201980010531.XA priority patent/CN111655516B/zh
Priority to PCT/JP2019/003194 priority patent/WO2019151333A1/ja
Priority to US16/966,421 priority patent/US11654725B2/en
Priority to US17/257,155 priority patent/US11945263B2/en
Priority to CN201980043237.9A priority patent/CN112334332B/zh
Priority to CN202211603099.5A priority patent/CN115723486A/zh
Priority to PCT/JP2019/005418 priority patent/WO2020008674A1/ja
Publication of JP2020055493A publication Critical patent/JP2020055493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6780687B2 publication Critical patent/JP6780687B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】ドライ操縦安定性能およびウェット操縦安定性能を提供すること。【解決手段】この空気入りタイヤでは、陸部32が、陸部32のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部321と、面取部321に対応して配置されたラグ溝および細溝323とを備える。また、面取部321が、陸部32のタイヤ接地端T側のエッジ部に形成されると共に、陸部32の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅Wcを拡幅する。また、ラグ溝が、一方の端部にて陸部32内で終端すると共に、他方の端部にて面取部321の長手方向の中央部に開口する。また、細溝323が、一方の端部にて陸部32のタイヤ赤道面側のエッジ部に開口すると共に他方の端部にて面取部321の最大幅位置3211の近傍で終端する。【選択図】図4

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、ドライ操縦安定性能およびウェット操縦安定性能を両立できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、サーキット走行だけではなく、市街地およびハイウェイの走行時にもスポーツ性能を向上すべき要請がある。このため、タイヤのドライ性能およびウェット性能を両立すべき課題がある。かかる課題に関する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1、2に記載される技術が知られている。
特許第4755709号公報 特許第5629283号公報
この発明は、ドライ操縦安定性能およびウェット操縦安定性能を両立できることを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、隣り合う前記周方向主溝に区画されて成る陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記陸部が、前記陸部のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部と、前記面取部に対応して配置されたラグ溝および細溝とを備え、前記面取部が、前記陸部の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅を拡幅し、前記ラグ溝が、一方の端部にて前記陸部内で終端すると共に、他方の端部にて前記面取部の長手方向の中央部に開口し、且つ、前記細溝が、一方の端部にて前記陸部のタイヤ赤道面側のエッジ部に開口すると共に、他方の端部にて前記面取部の最大幅位置の近傍で終端する、あるいは前記最大幅位置に接続することを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、面取部の中央部に開口する横溝が幅広なラグ溝であり、且つ、面取部の最大幅位置で終端あるいは開口する横溝が幅狭な細溝なので、次の利点がある。すなわち、(a)陸部に配置されたすべての溝が幅広な横溝である構成と比較して、陸部の剛性が確保されて、タイヤのドライ性能が確保される。また、(b)陸部に配置されたすべての溝が幅狭な細溝あるいはサイプである構成と比較して、陸部32の排水性が向上して、タイヤのウェット操縦安定性能が向上する。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、図2に記載した車幅方向内側領域のセカンド陸部およびショルダー陸部を示す拡大図である。 図4は、図3に記載したセカンド陸部を示す拡大平面図である。 図5は、図3に記載したセカンド陸部を示す断面図である。 図6は、図4に記載したセカンド陸部のラグ溝の変形例を示す説明図である。 図7は、図4に記載したセカンド陸部の細溝の変形例を示す説明図である。 図8は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
また、車幅方向内側および車幅方向外側が、タイヤを車両に装着したときの車幅方向に対する向きとして定義される。また、タイヤ赤道面を境界とする左右の領域が、車幅方向外側領域および車幅方向内側領域としてそれぞれ定義される。また、空気入りタイヤが、車両に対するタイヤ装着方向を示す装着方向表示部(図示省略)を備える。装着方向表示部は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって構成される。例えば、ECER30(欧州経済委員会規則第30条)が、車両装着状態にて車幅方向外側となるサイドウォール部に車両装着方向の表示部を設けることを義務付けている。
空気入りタイヤ10は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、スチールから成る1本あるいは複数本のビードワイヤを環状かつ多重に巻き廻して成り、ビード部に埋設されて左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数枚のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上90[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造)。ベルトカバー143は、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトカバーコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143は、例えば、1本あるいは複数本のベルトカバーコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成され得る。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、ビード部のリム嵌合面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、オールシーズン用タイヤのトレッドパターンを示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端であり、寸法記号TWは、タイヤ接地幅である。
図2に示すように、空気入りタイヤ10は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21〜23および周方向細溝24と、これらの周方向溝21〜24に区画された複数の陸部31〜35とをトレッド面に備える。
主溝とは、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、一般に3.0[mm]以上の溝幅および6.0[mm]以上の溝深さを有する。また、後述するラグ溝とは、タイヤ幅方向に延在する横溝であり、タイヤ接地時に開口して溝として機能する。また、後述するサイプとは、トレッド踏面に形成された切り込みであり、タイヤ接地時に閉塞する点でラグ溝と区別される。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を測定点として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を測定点として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図2の構成では、空気入りタイヤ10が、タイヤ赤道面CLを中心とする左右非対称なトレッドパターンを有している。また、タイヤ赤道面CLを境界とする車幅方向内側領域が2本の周方向主溝21、22を有し、車幅方向外側領域が1本の周方向主溝23と1本の周方向細溝24とを備えている。また、これらの周方向溝21、22;23、24が、タイヤ赤道面CLを中心として、左右対称に配置されている。また、これらの周方向溝21〜24により、5列の陸部31〜35が区画されている。また、1つの陸部33が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。
また、車幅方向内側領域の最外周方向主溝21あるいは車幅方向外側領域の周方向細溝24に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部31、35をショルダー陸部として定義する。ショルダー陸部31、35は、タイヤ幅方向の最も外側の陸部であり、タイヤ接地端T上に位置する。また、最外周方向主溝21あるいは周方向細溝24に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部32、34をセカンド陸部として定義する。したがって、セカンド陸部32、34は、最外周方向主溝21、24を挟んでショルダー陸部31、35に隣り合う。また、セカンド陸部32、34よりもタイヤ赤道面CL側にある陸部33をセンター陸部として定義する。
[車幅方向内側領域]
図3は、図2に記載した車幅方向内側領域のセカンド陸部およびショルダー陸部を示す拡大図である。
図2の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする車幅方向内側領域が、2本の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画されたショルダー陸部31、セカンド陸部32およびセンター陸部33とを備える。
また、2本の周方向主溝21、22が、一定の溝幅をもつストレート形状を有する。また、タイヤ赤道面CLから最外周方向主溝21の溝中心線までの距離Dmが、タイヤ接地幅TWに対して8[%]以上12[%]以下の範囲にある。また、タイヤ赤道面CLから他方の周方向主溝22の溝中心線までの距離Dnが、タイヤ接地幅TWに対して26[%]以上32[%]以下の範囲にある。
周方向主溝の溝中心線は、周方向主溝の溝幅の左右の測定点の中点を通りタイヤ周方向に平行な直線として定義される。
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、周方向主溝21、22の溝幅が5.0[mm]以上25.0[mm]以下の範囲にあり、溝深さが5.0[mm]以上12.0[mm]以下の範囲にある(図中の寸法記号省略)。
[内側ショルダー陸部]
図3に示すように、ショルダー陸部31は、ラグ溝311と、細溝312とを備える。ラグ溝311および細溝312は、一方の端部にてショルダー陸部31を貫通することなくショルダー陸部31内で終端し、タイヤ幅方向に延在してタイヤ接地端Tに交差する。このため、ショルダー陸部31の最外周方向主溝21側のエッジ部が、溝およびサイプの開口部をもたないプレーン構造を有し、タイヤ周方向に連続して延在している。これにより、タイヤの騒音性能が高められている。
また、ラグ溝311および細溝312とショルダー陸部31のエッジ部との距離D11が、ショルダー陸部31の接地幅Wb1に対して0.10≦D11/Wb1≦0.40の関係を有することが好ましく、0.15≦D11/Wb1≦0.25の関係を有することがより好ましい。
陸部の接地幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
また、ショルダー陸部31の接地幅Wb1が、タイヤ接地幅TWに対して0≦Wb1/TW≦0.30の関係を有することが好ましい。
また、図3の構成では、ラグ溝311および細溝312が、タイヤ周方向に湾曲した緩やかな円弧形状を有している。しかし、これに限らず、ラグ溝311および細溝312が直線形状を有し、また、タイヤ幅方向に略平行に延在しても良い(図示省略)。また、複数のラグ溝311および細溝312が、所定ピッチでタイヤ周方向に交互に配列される。しかし、これに限らず、複数の細溝312が隣り合うラグ溝311、311の間に配置されても良い(図示省略)。
[内側セカンド陸部]
図4および図5は、図3に記載したセカンド陸部を示す拡大平面図(図4)および断面図(図5)である。
図3に示すように、セカンド陸部32は、面取部321と、異なる溝幅をもつラグ溝322および細溝323(第一および第二の横溝)とを備える。
面取部321は、セカンド陸部32のタイヤ接地端T側(すなわち最外周方向主溝21側)のエッジ部に形成されて、セカンド陸部32の踏面と最外周方向主溝21の溝壁面とを平面あるいは曲面で接続する。また、面取部321は、セカンド陸部32の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅Wc(図4参照)を拡幅する形状を有する。また、複数の面取部321がタイヤ周方向に所定間隔で配列される。これらの面取部321が最外周方向主溝21の溝容積を拡大することにより、タイヤのウェット性能が高められる。
また、面取部321の最大幅Wcが、セカンド陸部32の最大幅Wb2に対して0.05≦Wc/Wb2≦0.30の関係を有することが好ましく、0.15≦Wc/Wb2≦0.25の関係を有することがより好ましい。
面取部の幅は、陸部のエッジ部から陸部の踏面における面取部の稜線までのタイヤ幅方向の距離として測定される。また、陸部のエッジ部は、周方向主溝の溝壁の延長線と陸部の踏面との交点として定義される。面取部の稜線は、面取部の壁面と陸部の踏面との境界線として定義される。
また、セカンド陸部34の接地幅Wb2が、ショルダー陸部35の接地幅Wb1に対して0.70≦Wb2/Wb1≦1.20の関係を有することが好ましく、0.90≦Wb2/Wb1≦1.00の関係を有することがより好ましい。これにより、周方向主溝21、22に区画された左右の陸部31、32の接地幅Wb1、Wb2が適正化される。
また、図4において、面取部321の最大幅位置3211から最小幅位置3212までのタイヤ周方向の最大長さLcが、面取部321のピッチ長Pc(図3参照)に対して0.60≦Lc/Pc≦1.00の関係を有することが好ましく、0.80≦Lc/Pc≦0.95の関係を有することがより好ましい。これにより、面取幅Wcの拡幅領域が適正に確保される。なお、タイヤ周方向に隣り合う面取部321、321は、上記した比Lc/Pcの条件を満たすことを前提として、相互に接続しても良いし、相互に離間しても良い。
また、図5において、面取部321の最大深さHcが、周方向主溝21の最大深さHg1に対して0.20≦Hc/Hg1≦0.70の関係を有することが好ましく、0.30≦Hc/Hg1≦0.50の関係を有することがより好ましい。
例えば、図4および図5の構成では、面取部321が最小幅位置3212を頂点とした三角錐形状を有している。また、図4に示すように、また、面取部321が、セカンド陸部32の踏面にて長尺部(符号3213および3214から成る部分)と短尺部(図中の符号省略)とを接続して成る三角形状を有し、その長尺部にて、面取部321の面取幅がタイヤ周方向の一方向に向かって徐々に増加している。また、図5に示すように、面取部321がC面取りであり、セカンド陸部32の踏面と最外周方向主溝21の溝壁面とを平面で接続している。しかし、これに限らず、面取部321がR面取りであり、セカンド陸部32の踏面と最外周方向主溝21の溝壁面とを曲面で接続しても良い。また、隣り合う面取部321、321が隙間を空けずに連なって配列されている。これにより、面取部321の稜線が、セカンド陸部32のエッジ部に沿ってタイヤ周方向に延在するジグザグ形状を有している。
ラグ溝322は、面取部321に対応して配置された第一の横溝であり、図3に示すように、一方の端部にてセカンド陸部32内で終端し、他方の端部にて面取部231の長手方向の中央部に開口して最外周方向主溝21に連通する。
また、図4において、ラグ溝322のタイヤ幅方向の延在長さD22が、セカンド陸部32の最大幅Wb2に対して0.20≦D22/Wb2≦0.80の関係を有することが好ましく、0.40≦D22/Wb2≦0.60の関係を有することがより好ましい。したがって、ラグ溝322が、セカンド陸部32の略中央部で終端することが好ましい。
ラグ溝の延在長さは、陸部の周方向主溝側のエッジ部からラグ溝の終端部までのタイヤ幅方向の距離として測定される。
また、ラグ溝322の最大溝幅W22が、面取部321の最大幅位置3211から最小幅位置3212までのタイヤ周方向の最大長さLcに対して0.03≦W22/Lc≦0.10の関係を有することが好ましく、0.04≦W22/Lc≦0.07の関係を有することがより好ましい。また、ラグ溝322の最大溝幅W22が、2.5[mm]≦W22≦6.5[mm]の範囲にあることが好ましい。
ラグ溝の最大溝幅は、陸部の踏面におけるラグ溝の最大幅として測定される。ラグ溝が後述するような面取りサイプである場合には、最大溝幅が面取部を含めた最大幅として測定される。
また、タイヤ周方向に対するラグ溝322の傾斜角θ22が、30[deg]≦θ22≦85[deg]の範囲にあることが好ましく、50[deg]≦θ22≦70[deg]の範囲にあることが好ましい。
ラグ溝の傾斜角は、ラグ溝の両端部を接続した仮想線とタイヤ周方向とのなす角として測定される。
また、面取部321の最大幅位置3211から面取部321に対するラグ溝322の開口位置までのタイヤ周方向の距離L22が、面取部321の最大幅位置3211から最小幅位置3212までのタイヤ周方向の最大長さLcに対して0.35≦L22/Lc≦0.65の関係を有することが好ましく、0.40≦L22/Lc≦0.60の関係を有することがより好ましい。したがって、ラグ溝322が、面取部321の長手方向の中央部に開口する。
また、図5において、ラグ溝322の最大溝深さH22が、周方向主溝21の最大深さHg1に対して0.40≦H22/Hg1≦0.85の関係を有することが好ましく、0.50≦H22/Hg1≦0.75の関係を有することがより好ましい。また、図5に示すように、ラグ溝322の最大溝深さH22が、面取部321の最大深さHcよりも大きく設定される。
例えば、図4および図5の構成では、ラグ溝322が、短尺な直線形状ないしは緩やかな円弧形状を有し、面取部321の長尺部3213の中央部に開口している。また、ラグ溝322の配置数が面取部321の配置数と同一であり、単一のラグ溝322が1つの面取部321に開口している。これにより、面取部321の長尺部3213が、ラグ溝322によりタイヤ周方向に分断されている。また、面取部321の長尺部3213の稜線に対するラグ溝322の傾斜角φ1が、35[deg]≦φ1≦80[deg]の範囲にある。
細溝323は、面取部321に対応して配置された第二の横溝であり、一方の端部にてセカンド陸部32のタイヤ赤道面CL側のエッジ部に開口し、他方の端部にて面取部321の最大幅位置3211の近傍で終端する。また、細溝323は、後述するように、他方の端部にて面取部321の最大幅位置3211に接続しても良い。
また、図4において、細溝323の最大溝幅W23が、ラグ溝322の最大溝幅W22に対して0<W23/W22≦0.80の関係を有することが好ましく、0<W23/W22≦0.50の関係を有することがより好ましい。したがって、細溝323の溝幅が、ラグ溝322の溝幅に対して十分に狭く設定される。
また、細溝323の最大溝幅W23が、0.4[mm]≦W23≦1.5[mm]の範囲にあることが好ましく、0.5[mm]≦W23≦1.0[mm]の範囲にあることがより好ましい。さらに、細溝323が、タイヤ接地時に閉塞するサイプであることが好ましい。
また、タイヤ周方向に対する細溝323の傾斜角θ23が、30[deg]≦θ23≦85[deg]の範囲にあることが好ましく、50[deg]≦θ23≦70[deg]の範囲にあることがより好ましい。
また、細溝323の最大溝深さH23が、周方向主溝21の最大深さHg1に対して0.20≦H23/Hg1≦0.70の関係を有することが好ましく、0.40≦H23/Hg1≦0.60の関係を有することがより好ましい。また、細溝323の最大溝深さH23が、ラグ溝322の最大溝深さH22よりも小さく設定される。
例えば、図4および図5の構成では、細溝323が、短尺な直線形状ないしは緩やかな円弧形状を有している。また、細溝323の配置数が面取部321の配置数と同一であり、単一の細溝323が1つの面取部321に対向して配置されている。また、面取部321の長尺部3213の稜線に対する細溝323の傾斜角φ2が、35[deg]≦φ2≦80[deg]の範囲にある。
また、図4に示すように、面取部321の最大幅位置3211の近傍で終端している。また、細溝323の終端部と面取部321の最大幅位置3211との距離Gsが、Ds≦1.5[mm]の範囲にある。かかる構成は、タイヤ加硫成形時にて、タイヤ成形金型(図示省略)における細溝323の成形ブレードと面取部321の成形ブレードとの間に微少な隙間を形成できるので、空気溜まりによる加硫故障を低減できる点で好ましい。距離Dsの下限は、特に限定がないが、0.3[mm]以上であれば、空気の流通経路が確保されて、上記した加硫故障の低減作用が確保される。
また、図4に示すように、セカンド陸部32のタイヤ赤道面CL側のエッジ部には、幅狭な細溝323のみが開口し、幅広な他の横溝が開口していない。これにより、セカンド陸部32のタイヤ赤道面CL側のエッジ部の剛性が確保されて、タイヤのドライ性能が高められている。
[変形例]
図6は、図4に記載したセカンド陸部のラグ溝の変形例を示す説明図である。同図は、ラグ溝322の溝深さ方向の断面図を示している。
図4の構成では、ラグ溝322がU字断面形状(図示省略)を有し、摩耗初期から中期まで略一定の溝幅を有している。しかし、これに限らず、ラグ溝322が、図6に示すような面取りサイプであっても良い。すなわち、ラグ溝322が、タイヤ接地時に閉塞する幅狭なサイプ部3221と、サイプ部3221の開口部に形成されて溝幅W22を拡幅する面取部3212とから構成されても良い。
図7は、図4に記載したセカンド陸部の細溝の変形例を示す説明図である。同図は、細溝323の他方の端部と面取部321の最大幅位置3211との位置関係を示している。
図4の構成では、上記のように、細溝323が面取部321に接続することなくセカンド陸部32の内部で終端している。また、細溝323の終端部と面取部321の最大幅位置3211との隙間(距離Gs)が適正に確保されている。しかし、これに限らず、図7に示すように、細溝323が面取部321の最大幅位置3211に接続しても良い。また、細溝323と面取部321との接続点が、面取部321の最大幅位置3211から2.5[mm]の距離の範囲内にあれば、細溝323が面取部321の最大幅位置3211に接続しているといえる。
[付加的事項]
図3に示すように、セカンド陸部32の面取部321およびラグ溝322が、ショルダー陸部31のラグ溝311に対してタイヤ周方向の略同位置に配置される。具体的には、タイヤ接地面内におけるショルダー陸部31のラグ溝311の全体が、セカンド陸部32の面取部321の長尺部3213の周方向長さLc(図4参照)の範囲内にある。これにより、タイヤの排水性が高められている。
また、図3に示すように、セカンド陸部32のラグ溝322の溝中心線とショルダー陸部31のラグ溝311の溝中心線とが相互に同一方向に傾斜し、また、タイヤ周方向に相互にオフセットして配置される。具体的には、ラグ溝311、322の溝中心線と最外周方向主溝21の溝中心線との交点P1、P2をそれぞれ定義するときに、これらの交点P1、P2のタイヤ周方向の距離Dpが、セカンド陸部32の面取部321のピッチ長Pcに対して0≦Dp/Pc≦0.50の範囲にあることが好ましく、0.10≦Dp/Pc≦0.40の範囲にあることがより好ましい。また、ショルダー陸部31のラグ溝311のピッチ数とセカンド陸部32のラグ溝322のピッチ数とが同一であり、20以上80以下の範囲にある。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ10は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、隣り合う周方向主溝21、22に区画されて成る陸部32とを備える(図3参照)。また、陸部32が、陸部32のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部321と、面取部321に対応して配置されたラグ溝322および細溝323とを備える(図4参照)。また、面取部321が、陸部32のタイヤ接地端T側のエッジ部に形成されると共に、陸部32の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅Wcを拡幅する。また、ラグ溝322が、一方の端部にて陸部32内で終端すると共に、他方の端部にて面取部321の長手方向の中央部に開口する。また、細溝323が、一方の端部にて陸部32のタイヤ赤道面CL側のエッジ部に開口すると共に他方の端部にて面取部321の最大幅位置3211の近傍で終端する(図4参照)、あるいは最大幅位置3211に接続する(図7参照)。
かかる構成では、(1)陸部32が、タイヤ接地端T側のエッジ部に形成された面取部321およびラグ溝322を備えるので、陸部32の排水性が向上して、タイヤのウェット操縦安定性能が向上する。また、(2)ラグ溝322が陸部32を貫通しないので、陸部32の剛性が確保されて、タイヤのドライ操縦安定性能が確保される。また、(3)ラグ溝322が面取部321の長手方向の中央部に開口するので、陸部32の排水性が向上して、タイヤのウェット操縦安定性能が向上する。
また、(4)面取部321の中央部に開口する横溝が幅広なラグ溝322であり、且つ、面取部321の最大幅位置3211で終端あるいは開口する横溝が幅狭な細溝323なので、次の利点がある。すなわち、(a)陸部32に配置されたすべての溝が幅広な横溝である構成(図示省略)と比較して、陸部32の剛性が確保されて、タイヤのドライ性能が確保される。また、(b)陸部32に配置されたすべての溝が幅狭な細溝あるいはサイプである構成(図示省略)と比較して、陸部32の排水性が向上して、タイヤのウェット操縦安定性能が向上する。また、(c)幅広なラグ溝が面取部の最大幅位置に開口すると共に幅狭な細溝あるいはサイプが面取部の中央部で終端あるいは開口する構成(図示省略)と比較して、ラグ溝322から面取部321への排水作用を確保しつつ面取部321の最大幅位置3211における陸部32の剛性を確保できるので、タイヤのドライ操縦安定性能とウェット操縦安定性能とを両立できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、面取部321の最大幅Wcが、陸部32の最大幅Wb2に対して0.05≦Wc/Wb2≦0.30の関係を有する(図4参照)。上記下限により、面取部321による排水性の向上作用が確保され、上記上限により、陸部32の剛性が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、面取部321の最大幅位置3211から最小幅位置3212までのタイヤ周方向の最大長さLc(図4参照)が、面取部321のピッチ長Pc(図3参照)に対して0.60≦Lc/Pc≦1.00の関係を有する。上記下限により、面取部321による排水性の向上作用が確保され、上記上限により、面取部321の平面形状が適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、面取部321が、陸部32の踏面にて長尺部と短尺部とを接続して成る三角形状を有する(図3参照)。これにより、面取部321による排水作用が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、ラグ溝322のタイヤ幅方向の延在長さD22が、陸部32の最大幅Wb2に対して0.20≦D22/Wb2≦0.80の関係を有する(図4参照)。上記下限により、ラグ溝322による排水性の向上作用が確保され、上記上限により、陸部32の剛性が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、ラグ溝322の最大溝幅W22が、面取部321の最大幅位置3211から最小幅位置3212までのタイヤ周方向の最大長さLcに対して0.03≦W22/Lc≦0.10の関係を有する(図4参照)。上記下限により、ラグ溝322による排水性の向上作用が確保され、上記上限により、陸部32の剛性が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、タイヤ周方向に対するラグ溝322の傾斜角θ22が、30[deg]≦θ22≦85[deg]の範囲にある(図4参照)。これにより、ラグ溝322の傾斜角θ22が適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、面取部321の最大幅位置3211から面取部321に対するラグ溝322の開口位置までのタイヤ周方向の距離L22が、面取部321の最大幅位置3211から最小幅位置3212までのタイヤ周方向の最大長さLcに対して0.35≦L22/Lc≦0.65の関係を有する(図4参照)。かかる構成では、ラグ溝322が面取部321の長手方向の中央部に開口するので、ラグ溝322と面取部321との組み合わせによる排水作用がさらに向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、タイヤ周方向に対する細溝323の傾斜角θ23が、30[deg]≦θ23≦85[deg]の範囲にある(図4参照)。これにより、細溝323の傾斜角θ23が適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、細溝323の最大溝幅W23が、ラグ溝322の最大溝幅W22に対して0<W23/W22≦0.80の関係を有する。かかる構成では、ラグ溝322および細溝323の溝幅比が適正化されるので、ラグ溝322による排水性の向上作用と細溝323による陸部剛性の補強作用とのバランスが適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、ラグ溝322の最大溝幅W22が、2.5[mm]≦W22≦6.5[mm]の範囲にある(図4参照)。上記下限により、ラグ溝322による排水性の向上作用が確保され、上記上限により、陸部32の剛性が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、細溝323の最大溝幅W23が、0.4[mm]≦W23≦1.5[mm]の範囲にある(図4参照)。上記下限により、細溝323による排水性の向上作用が確保され、上記上限により、陸部32の剛性が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、細溝323の他方の端部と面取部321の最大幅位置3211との距離Gs(図4および図7参照)が、Ds≦1.0[mm]の範囲にある。これにより、細溝323の延在長さが確保されて、細溝323による排水性の向上作用が確保される。
また、この空気入りタイヤ10では、細溝323の他方の端部が、面取部321の最大幅位置3211に対して離間して配置される(図4参照)。かかる構成では、タイヤ加硫成形時にて、タイヤ成形金型(図示省略)における細溝323の成形ブレードと面取部321の成形ブレードとの間に微少な隙間を形成できるので、空気溜まりによる加硫故障を低減できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ10では、陸部32のタイヤ赤道面CL側のエッジ部には、細溝323のみが開口し、幅広な他の横溝(例えば、ラグ溝322)が開口しない(図4参照)。これにより、陸部32のタイヤ赤道面CL側のエッジ部の剛性が確保されて、タイヤのドライ性能が高められる利点がある。
図8は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)ドライ操縦安定性能および(2)ウェット操縦安定性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ245/40R18 97Yの試験タイヤがリムサイズ18×8.5Jのリムに組み付けられ、この試験タイヤにJATMAの規定内圧および規定荷重が付与される。また、試験タイヤが、試験車両である乗用車の総輪に装着される。
(1)ドライ操縦安定性能に関する評価では、試験車両が平坦な周回路を有するドライ路面のテストコースを60[km/h]〜100[km/h]で走行する。そして、テストドライバーがレーチェンジ時およびコーナリング時における操舵性ならびに直進時における安定性について官能評価を行う。この評価は従来例2を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。また、評価が98以上であれば、ドライ性能が維持されているといえる。
(2)ウェット操縦安定性能に関する評価では、試験車両が雨天条件下で所定のテストコースを走行し、ラップタイムが計測される。そして、この測定結果に基づいて指数評価が行われる。この評価は、従来例2を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
実施例1〜14の試験タイヤは、図1〜図3の構成を備え、2本の周方向主溝21、22とショルダー陸部31およびセカンド陸部32とをタイヤ赤道面CLを境界とする車幅方向内側領域に備える。また、セカンド陸部32が、面取部321と、面取部321に対応して配置された第一および第二の横溝(幅広な非貫通ラグ溝322および幅狭な細溝323)を備える。また、図2において、トレッド幅TWが200[mm]であり、タイヤ接地端T側の周方向主溝21の距離Dmが60.0[mm]であり、タイヤ赤道面CL側の周方向主溝22の距離Dnが25.0[mm]である。また、周方向主溝21、22の溝幅が15.0[mm]であり、ショルダー陸部31の幅Wb1が36.0[mm]であり、セカンド陸部32の幅Wb2が27.0[mm]である。また、面取部321のピッチ長Pcが73[mm]であり、ピッチ数が30である。また、面取部321と細溝323の終端部との距離Gaが0[mm](図7参照)である。
従来例1、2および比較例の試験タイヤは、実施例1の試験タイヤと比較して車幅方向内側領域の構成が相異する。具体的に、従来例1は、実施例1の試験タイヤにおいて、面取部321の中央部に開口する第一の横溝(ラグ溝322)を備えておらず、面取部321の最大幅位置3211に開口する第二の横溝(幅狭な細溝323)に代えて、幅広な貫通ラグ溝を備える。従来例2は、実施例1の試験タイヤにおいて、面取部321の中央部に開口する第一の横溝(ラグ溝322)を備えておらず、面取部321の最大幅位置3211に開口する第二の横溝(幅狭な細溝323)のみを備える。
試験結果が示すように、実施例1〜14の試験タイヤでは、タイヤのドライ操縦安定性能およびウェット操縦安定性能が向上することが分かる。
10 空気入りタイヤ;11 ビードコア;12 ビードフィラー;13 カーカス層
;14 ベルト層;141、142 交差ベルト;143 ベルトカバー;15 トレッドゴム;16 サイドウォールゴム;17 リムクッションゴム;21〜23 周方向主溝;24 周方向細溝;31 内側領域のショルダー陸部;311 ラグ溝;312 細溝;32 内側領域のセカンド陸部;321 面取部;3211 最大幅位置;3212 最小幅位置;3213 長尺部;322 ラグ溝;3221 サイプ部;3222 面取部;323 細溝
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、隣り合う前記周方向主溝に区画されて成る陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記陸部が、前記陸部のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部と、前記面取部に対応して配置されたラグ溝および細溝とを備え、前記面取部が、前記陸部の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅を拡幅し、前記ラグ溝が、一方の端部にて前記陸部内で終端すると共に、他方の端部にて前記面取部の長手方向の中央部に開口し、且つ、前記細溝が、一方の端部にて前記陸部のタイヤ赤道面側のエッジ部に開口すると共に、他方の端部にて前記面取部の最大幅位置との間に微少な隙間を空けつつ前記面取部の最大幅位置の近傍で終端することを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、隣り合う前記周方向主溝に区画されて成る陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記陸部が、前記陸部のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部と、前記面取部に対応して配置されたラグ溝および細溝とを備え、前記面取部が、前記陸部の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅を拡幅し、前記ラグ溝が、一方の端部にて前記陸部内で終端すると共に、他方の端部にて前記面取部の長手方向の中央部に開口し、前記細溝が、一方の端部にて前記陸部のタイヤ赤道面側のエッジ部に開口すると共に、他方の端部にて前記面取部の最大幅位置の近傍で終端する、あるいは前記最大幅位置に接続する、且つ、前記陸部が、タイヤ周方向に隣り合う前記細溝の間に、前記陸部を分断する他の溝あるいはサイプを有さないことを特徴とする。
また、図4に示すように、面取部321の最大幅位置3211の近傍で終端している。また、細溝323の終端部と面取部321の最大幅位置3211との距離Gsが、Gs≦1.5[mm]の範囲にある。かかる構成は、タイヤ加硫成形時にて、タイヤ成形金型(図示省略)における細溝323の成形ブレードと面取部321の成形ブレードとの間に微少な隙間を形成できるので、空気溜まりによる加硫故障を低減できる点で好ましい。距離Gsの下限は、特に限定がないが、0.3[mm]以上であれば、空気の流通経路が確保されて、上記した加硫故障の低減作用が確保される。
また、この空気入りタイヤ10では、細溝323の他方の端部と面取部321の最大幅位置3211との距離Gs(図4および図7参照)が、Gs≦1.0[mm]の範囲にある。これにより、細溝323の延在長さが確保されて、細溝323による排水性の向上作用が確保される。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、隣り合う前記周方向主溝に区画されて成る陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記陸部が、前記陸部のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部と、前記面取部に対応して配置されたラグ溝および細溝とを備え、前記面取部が、前記陸部の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅を拡幅し、前記ラグ溝が、一方の端部にて前記陸部内で終端すると共に、他方の端部にて前記面取部の長手方向の中央部に開口し、前記細溝が、一方の端部にて前記陸部のタイヤ赤道面側のエッジ部に開口すると共に、他方の端部にて前記面取部の最大幅位置との間に微少な隙間を空けつつ前記面取部の最大幅位置の近傍で終端し、且つ、前記細溝の前記他方の端部と前記面取部の最大幅位置との距離Gsが、Ds≦1.5[mm]の範囲にあることを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、隣り合う前記周方向主溝に区画されて成るショルダー陸部およびセカンド陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記セカンド陸部が、前記セカンド陸部のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部と、前記面取部に対応して配置されたラグ溝および細溝とを備え、前記面取部が、前記セカンド陸部の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅を拡幅し、前記ラグ溝が、一方の端部にて前記セカンド陸部内で終端すると共に、他方の端部にて前記面取部の長手方向の中央部に開口し、前記細溝が、一方の端部にて前記セカンド陸部のタイヤ赤道面側のエッジ部に開口すると共に、他方の端部にて前記面取部の最大幅位置の近傍で終端する、あるいは前記最大幅位置に接続する、前記セカンド陸部が、タイヤ周方向に隣り合う前記細溝の間に、前記セカンド陸部を分断する他の溝を有さない、前記セカンド陸部の接地幅Wb2が、前記ショルダー陸部の接地幅Wb1に対して0.70≦Wb2/Wb1≦1.20の関係を有し、前記ショルダー陸部が、前記セカンド陸部の前記ラグ溝の溝中心線に対して同一方向に傾斜した溝中心線をもつラグ溝を備え、前記ショルダー陸部の前記ラグ溝の溝中心線および前記セカンド陸部の前記ラグ溝の溝中心線と、前記ショルダー陸部および前記セカンド陸部を区画する前記周方向主溝の溝中心線との交点P1、P2をそれぞれ定義し、且つ、交点P1、P2のタイヤ周方向の距離Dpが、前記セカンド陸部の前記面取部のピッチ長Pcに対して0.10≦Dp/Pc≦0.40の範囲にあることを特徴とする。

Claims (15)

  1. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、隣り合う前記周方向主溝に区画されて成る陸部とを備える空気入りタイヤであって、
    前記陸部が、前記陸部のタイヤ接地端側のエッジ部に形成された面取部と、前記面取部に対応して配置されたラグ溝および細溝とを備え、
    前記面取部が、前記陸部の踏面にてタイヤ周方向に向かって面取幅を拡幅し、
    前記ラグ溝が、一方の端部にて前記陸部内で終端すると共に、他方の端部にて前記面取部の長手方向の中央部に開口し、且つ、
    前記細溝が、一方の端部にて前記陸部のタイヤ赤道面側のエッジ部に開口すると共に、他方の端部にて前記面取部の最大幅位置の近傍で終端する、あるいは前記最大幅位置に接続することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記面取部の最大幅Wcが、前記陸部の最大幅Wb2に対して0.05≦Wc/Wb2≦0.30の関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記面取部の最大幅位置から最小幅位置までのタイヤ周方向の最大長さLcが、前記面取部のピッチ長Pcに対して0.60≦Lc/Pc≦1.00の関係を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記面取部が、前記陸部の踏面にて長尺部と短尺部とを接続して成る三角形状を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ラグ溝のタイヤ幅方向の延在長さD22が、前記陸部の最大幅Wb2に対して0.20≦D22/Wb2≦0.80の関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ラグ溝の最大溝幅W22が、前記面取部の最大幅位置から最小幅位置までのタイヤ周方向の最大長さLcに対して0.03≦W22/Lc≦0.10の関係を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤ周方向に対する前記ラグ溝の傾斜角θ22が、30[deg]≦θ22≦85[deg]の範囲にある請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記面取部の最大幅位置から前記面取部に対する前記ラグ溝の開口位置までのタイヤ周方向の距離L22が、前記面取部の最大幅位置から最小幅位置までのタイヤ周方向の最大長さLcに対して0.35≦L22/Lc≦0.65の関係を有する請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. タイヤ周方向に対する前記細溝の傾斜角θ23が、30[deg]≦θ23≦85[deg]の範囲にある請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記細溝の最大溝幅W23が、前記ラグ溝の最大溝幅W22に対して0<W23/W22≦0.80の関係を有する請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記ラグ溝の最大溝幅W22が、2.5[mm]≦W22≦6.5[mm]の範囲にある請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記細溝の最大溝幅W23が、0.4[mm]≦W23≦1.5[mm]の範囲にある請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記細溝の前記他方の端部と前記面取部の最大幅位置との距離Gsが、Ds≦1.0[mm]の範囲にある請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記細溝の前記他方の端部が、前記面取部の最大幅位置に対して離間して配置される請求項13に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記陸部のタイヤ赤道面側のエッジ部には、前記細溝のみが開口し、幅広な他の横溝が開口しない請求項1〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
JP2018189107A 2018-01-30 2018-10-04 空気入りタイヤ Active JP6780687B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018189107A JP6780687B2 (ja) 2018-10-04 2018-10-04 空気入りタイヤ
PCT/JP2019/003194 WO2019151333A1 (ja) 2018-01-30 2019-01-30 空気入りタイヤ
US16/966,421 US11654725B2 (en) 2018-01-30 2019-01-30 Pneumatic tire
CN201980010531.XA CN111655516B (zh) 2018-01-30 2019-01-30 充气轮胎
US17/257,155 US11945263B2 (en) 2018-07-03 2019-02-14 Pneumatic tire
CN201980043237.9A CN112334332B (zh) 2018-07-03 2019-02-14 充气轮胎
CN202211603099.5A CN115723486A (zh) 2018-07-03 2019-02-14 充气轮胎
PCT/JP2019/005418 WO2020008674A1 (ja) 2018-07-03 2019-02-14 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018189107A JP6780687B2 (ja) 2018-10-04 2018-10-04 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020055493A true JP2020055493A (ja) 2020-04-09
JP6780687B2 JP6780687B2 (ja) 2020-11-04

Family

ID=70106232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018189107A Active JP6780687B2 (ja) 2018-01-30 2018-10-04 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6780687B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020226017A1 (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2022107767A1 (ja) * 2020-11-20 2022-05-27 横浜ゴム株式会社 タイヤ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020226017A1 (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2020183175A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2022107767A1 (ja) * 2020-11-20 2022-05-27 横浜ゴム株式会社 タイヤ
JP2022082365A (ja) * 2020-11-20 2022-06-01 横浜ゴム株式会社 タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6780687B2 (ja) 2020-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016074256A (ja) 空気入りタイヤ
US11548321B2 (en) Pneumatic tire
WO2016117695A1 (ja) 空気入りタイヤ
US20210370723A1 (en) Pneumatic Tire
US11872848B2 (en) Pneumatic tire
US11590804B2 (en) Pneumatic tire
JP2020055493A (ja) 空気入りタイヤ
WO2020032276A1 (ja) 空気入りタイヤ
WO2020008674A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2020055356A (ja) 空気入りタイヤ
JP6521115B1 (ja) 空気入りタイヤ
CN111655516B (zh) 充气轮胎
WO2020032278A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6248374B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6683268B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2020006728A (ja) 空気入りタイヤ
JP2019194038A (ja) 空気入りタイヤ
WO2021100669A1 (ja) 空気入りタイヤ
US11884109B2 (en) Pneumatic tire
US11633988B2 (en) Pneumatic tire
JP6825252B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2019131020A (ja) 空気入りタイヤ
JP2018034616A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6780687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250