JP3868885B2 - Ccd撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光素子から得られた映像信号を高速に読み出すことが可能な多チャネルシリアル転送部を有するCCD(Charge coupled device )撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なCCD撮像装置には、複数の受光素子がマトリクス状に配置されてなる受光部と、受光部の各受光素子によって被写体からの入射光に応じて蓄積した信号電荷を転送する転送部と、転送された信号電荷に応じて生成した信号を増幅し、映像信号として出力するゲインアンプが含まれている。受光素子は、例えばフォトダイオード、MOSイメージセンサなどによって構成され、転送部はCCDによって構成されている。
【0003】
転送部には、受光素子の蓄積電荷を上記マトリクスの列方向、例えば、画面上の垂直方向に転送する垂直転送部と、垂直転送部から転送されてくる電荷をマトリクスの行方向、例えば、画面上の水平方向に転送し、上記ゲインアンプに出力する水平転送部とを有する。垂直転送部により、垂直方向に1画素ずつ電荷の転送が行われる。このため、垂直転送部によって行われる一回の垂直転送で画面上1ライン分の映像信号が水平転送部に転送される。
【0004】
垂直転送部での電荷の転送では、1ライン分の画素に対応する信号電荷が並列で転送されるが、水平転送部での電荷の転送では、1ライン分の画素に対応する電荷がシリアルに転送される。このため、垂直転送は、パラレル転送部とも呼ばれ、水平転送部は、シリアル転送部とも呼ばれている。シリアル転送部では、垂直転送部における垂直転送の間で、1ライン分の画素に対応する電荷をすべてゲインアンプに出力しなければならないので、垂直転送部に較べてより高速な転送が要求される。ここで、例えば垂直転送部の転送クロック信号の周波数をfV とし、また1ラインの画素数をmとすると、シリアル転送部の転送クロック信号の周波数fH がmfV 以上でなければならない。
【0005】
高速な撮像を行う場合、単位時間あたり撮像されるフレーム数が増加するので、垂直転送クロック信号及び水平転送クロック信号の周波数が増加する。特に、上述したように水平転送クロック信号の周波数は、垂直転送クロック信号の周波数よりも高いので、CCDの最大転送可能な速度を超えて、電荷を完全に転送できなくなるほか、映像信号を増幅して出力するための増幅回路の周波数帯域を超えて映像信号に歪みが発生することがある。
【0006】
これらの問題を解決するために、高速なCCD撮像装置では、シリアル転送部が並列に配置されている2本または2本以上のCCDからなるいわゆるマルチチャネル転送方式が提案されている。これによって、シリアル転送部では、各チャネルのCCDは通常のシリアル転送周期の2倍またはそれ以上の時間で1ライン分の画素信号を転送すればよく、シリアル転送用クロック信号の周波数を低くすることができる。逆に、シリアル転送部の各チャネルの転送用クロック信号周波数を通常のままで、撮像可能なフレーム周波数をチャネルの本数分だけ高くできるので、高速な撮影を実現可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した複数本のCCDを並列に配置したシリアル転送部を有するCCD撮像装置では、チャネルごとにゲインアンプが設けられ、各チャネルのCCDによって転送される信号がそのチャネルのゲインアンプによって増幅されて出力される。
マルチチャネルのシリアル転送において、各チャネルに設けられたゲインアンプの特性が同一である必要があるが、実際には何らかの原因でゲインアンプの特性にバラツキが存在する。ゲインアンプの特性のバラツキは、利得及び/またはオフセットの相違として現れる。
【0008】
このように、マルチチャネルのシリアル転送部において、チャネル間のゲインアンプの特性の差はそのまま画像信号のバラツキとなってしまうため、CCD撮像装置の画質の劣化を引き起こすおそれがある。
【0009】
従来、シリアル転送を行う各チャネルのゲインアンプの特性を調整し、バラツキを補正していた。しかし、すべてのチャネルのゲインアンプの特性のバラツキを一致するように補正するためには、ゲインアンプの温度特性の把握や周囲の環境などの変動要素を取り入れて逐一補正を行う必要があり、これまでのCCD撮像装置では、このような補正を実時間で行うことはできなかった。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マルチチャネルのシリアル転送を行う転送部において、各チャネルのゲインアンプの利得特性を補正し、チャネル間のバラツキを抑制でき、温度などの外部環境の変化による影響を抑制可能なCCD撮像装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るCCD撮像装置は、入射光量に応じた電荷を蓄積するための複数のフォトダイオードが行列状に配置された受光部と、垂直転送パルスに応じて上記受光部の各フォトダイオードに蓄積された電荷を垂直方向に並列に転送するための垂直転送部と、遮光されたフォトダイオードを含み、所定の白基準電位の印加によって当該フォトダイオードに蓄積される電荷に応じた白基準電荷を発生する白基準発生部と、遮光されたフォトダイオードを含み、当該フォトダイオードに蓄積される電荷に応じた黒基準電荷を発生する黒基準発生部と、上記垂直転送部から転送された1ライン分の電荷と、上記白基準発生部が発生した白基準電荷と、上記黒基準発生部が発生した黒基準電荷とを各々が受け取り、当該受け取った電荷を水平転送パルスに応じて各々が水平方向に転送する複数の水平転送部と、
上記複数の水平転送部からそれぞれ転送される電荷に応じた信号を増幅して出力する複数の増幅器と、上記複数の増幅器の各々から出力される白基準信号及び黒基準信号に基づいて、上記複数の増幅器の間におけるオフセット及び利得のばらつきを補正する補正回路とを有する。
【0012】
上記補正回路は、上記複数の増幅器中の1の増幅器から出力される白基準信号と他の増幅器から出力される白基準信号とを比較するとともに、当該1の増幅器から出力される黒基準信号と当該他の増幅器から出力される黒基準信号とを比較する比較回路と、上記比較回路の比較結果に応じたオフセット及び利得に基づいて上記他の増幅器から出力される信号を増幅して出力する補正用増幅器とを有しても良い。
【0013】
上記補正回路は、上記増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる画像信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換回路と、上記増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる上記白基準信号及び上記黒基準信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換回路と、上記第1のA/D変換回路から出力されるディジタル画像信号と上記第2のA/D変換回路から出力されるディジタル基準信号とを入力し、上記ディジタル基準信号に基づいて上記ディジタル画像信号に演算処理を施して上記増幅器のオフセット及び利得を補正したディジタル画像信号を出力する演算回路とを有しても良い。
【0014】
上記補正回路は、上記増幅器から出力される信号を増幅して出力する可変利得増幅器と、上記可変利得増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる画像信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換回路と、上記可変利得増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる上記白基準信号及び上記黒基準信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換回路と、上記第2のA/D変換回路から出力されるディジタル基準信号と所定の基準値とに基づいて上記増幅器のオフセット及び利得を補正するための制御信号を生成する演算回路と、上記演算回路から出力される上記制御信号をアナログ信号に変換して利得制御信号として上記可変利得増幅器に出力するD/A変換回路とを有しても良い。
【0015】
好適には、上記第2のA/D変換回路の分解能は、上記第1のA/D変換回路の分解能よりも高い。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るCCD撮像装置の基本的な構成を示すブロック図である。図示のように、本発明のCCD撮像装置は、撮像部10、水平転送部20、白基準発生部40及び補正回路50によって構成されている。また、以下の説明において、水平転送部をシリアル転送部ともいう。
【0017】
撮像部10は、行列状に配置されている複数の受光素子からなる受光部と、各受光素子に蓄積した信号電荷を画面の垂直方向に転送する垂直転送部を含む。図1では、受光素子及び垂直転送部を図示していない。
【0018】
受光素子は、フォトダイオードまたはMOS型イメージセンサなどによって構成されている。受光部において、複数の受光素子が行列状に配置されて、各受光素子は入射光の光量に応じて信号電荷を蓄積するので、この信号電荷が映像信号の一ピクセル(画素)に対応する画素信号となる。
【0019】
受光部の各受光素子によって蓄積した信号電荷が所定のタイミングで垂直転送部によって、画面上の垂直方向に転送され、水平転送部20に出力される。
【0020】
水平転送部20は、図示のように、ゲインアンプ30、黒基準電荷蓄積部22、信号電荷蓄積部24及び白基準電荷蓄積部26を有している。
水平転送部20は、撮像部10の垂直転送部より転送されてくる信号電荷を水平方向に転送し、ゲインアンプ30を介して画像信号として出力する。
本発明のCCD撮像装置において、水平転送部20は高速撮像に対応するために複数のチャネルによって構成されている。図1の例では、2チャネルのシリアル転送部からなる水平転送部20を例示している。
【0021】
図1に示すように、水平転送部20は、2つの水平転送チャネル21−1,21−2を有している。それぞれの転送チャネルに対応して、ゲインアンプ30−1と30−2が設けられている。
図示のように、第1の水平転送チャネルに、黒基準電荷蓄積部22−1、信号電荷蓄積部24−1及び白基準電荷蓄積部26−1を有し、第2の水平転送チャネルには、黒基準電荷蓄積部22−2、信号電荷蓄積部24−2及び白基準電荷蓄積部26−2を有する。
【0022】
ゲインアンプ30−1は、第1の水平転送チャネル21−1によって出力される信号電荷に応じた信号を増幅し、ゲインアンプ30−2は第2の水平転送チャネル21−2によって出力される信号電荷に応じた信号を増幅する。
【0023】
白基準発生部40は、図1に示すように、撮像部10に並べて配置されている。白基準発生部40によって、白基準電荷が蓄積され、水平転送部20における白基準信号蓄積部26−1と26−2に出力される。そして、当該白基準電荷に応じて白基準信号が発生され、ゲインアンプによって増幅されて外部に出力される。この白基準発生部40は遮光されており、白基準電荷は電気的に生成される。
【0024】
なお、図1に示す白基準発生部40の他に、撮像部10には図示しない黒基準発生部も設けられている。当該黒基準発生部は、例えば、通常の受光素子と同じ受光素子を用いて構成され、ただし当該黒基準発生部では受光素子の表面に遮光性の材料が設けられているので、撮像時に黒基準発生部の受光素子に光が入射せず、当該受光素子から黒色に対応する信号電荷だけが出力される。
【0025】
補正回路50は、各チャネルのゲインアンプの利得特性のバラツキを補正し、それぞれのチャネルによって出力される映像信号の白レベル、黒レベル及び増幅率が一致するように補正を行う。
なお、図1では、便宜上1つの補正回路50のみを図示しているが、補正回路は一部のチャネルまたはすべてのチャネルにそれぞれ設けることができる。補正回路の構成及び動作に関して、後述する本発明のそれぞれの実施形態においてさらに詳しく説明する。
【0026】
上述したように、本発明のCCD撮像装置において、白基準発生部40及び図示しない黒基準発生部によって得られた白基準信号及び黒基準信号に基づき、各チャネルのゲインアンプのオフセット及び利得を補正することによって、チャネル間の映像信号の利得とオフセットを一致するように補正することができる。
【0027】
以下、図2を参照しつつ、本発明のCCD撮像装置における撮像部、垂直転送部、水平転送部及び白基準発生部の構成について詳しく説明する。
【0028】
図2には、撮像部の一部分10a、水平転送部の一部分20a及び白基準発生部40の構成を示している。撮像部1aは、図示のように行列状に配置されている複数の受光素子12、垂直転送電極14及び受光素子の間に配置されているラテラルオーバーフロードレイン(以下、LODと略して表記する)16を有している。
【0029】
撮像部10aにおいて、受光素子12は行列状に配置され、各受光素子12によって画面上の一画素に対応する信号電荷を蓄積し、蓄積した信号電荷に応じて一画素の画像信号が生成される。
撮像部10aは、例えば、p型基板に形成されているn型埋め込みチャネルに形成されている。
【0030】
LOD16は、隣り合う受光素子12の間のチャネルストップ(チャネル分離層)の位置に設けられている。LOD16は、図示のように環状に形成されているp型領域と、その中心に形成されているn+ 型領域からなるドレインを有している。なお、n+ 型ドレイン領域は、図示しない導電層に接続され、当該導電層に適宜バイアス電圧を印加することにより、LOD16の両側にある受光素子12の蓄積電荷の量を調整し、余剰の電荷をLOD16のドレイン部に掃き捨てることができる。
【0031】
このように、CCD撮像装置の撮像部10aにLOD16を設けることにより、受光素子12の余剰電荷を掃き捨てることができる。これによって、強い光の入射によって生じた過剰電荷が隣り合う受光素子に溢れることを防止でき、ブルーミングの発生を抑制することができる。
【0032】
また、LOD16のドレインに印加されるバイアス電圧によって、画像信号の白レベルが決まる。LOD16のドレインの電位に応じて、ドレインと受光素子12のポテンシャル井戸との間、p型領域に応じて形成されるバリアの高さが決まる。バリアの高さによって受光素子12のポテンシャル井戸に蓄積可能な最大電荷量が決められる。この最大電荷量が、入射光が白のときそれに応じて撮像した映像信号のレベルに対応する。このため、LOD16のドレインに印加する正の電圧により、画像信号の白レベルが決まる。
【0033】
撮像部10aにおいて、受光素子12の間に画面の水平方向に、垂直転送電極14が形成されている。
垂直転送電極14は、例えば基板の表面上に形成されているポリシリコン電極からなる。
図示のように、垂直転送電極14は、ペアになっている電極14aと14bからなる。電極14aと14bにそれぞれ所定の位相差をもつ垂直転送パルスφP1とφP2を印加することにより、転送ゲートの下に形成されるポテンシャル井戸の深さが時間的に変化する。これによって、受光素子12によって蓄積した信号電荷が図1に示す矢印の方向に転送される。
【0034】
垂直転送電極14の間に、受光素子12が形成されている。受光素子12は、例えばn型領域の表面に形成されている薄いp型層と、その下層部に形成されている高濃度のn+ 型領域を有している、いわゆる埋め込み型フォトダイオードである。
なお、受光素子12には、p型層の濃度に勾配を設けることによって、転送時にバリア部とウェル部に対応する領域が形成され、信号電荷の転送方向を制御することができる。
【0035】
以下、上述した構成を有する撮像部10aにおける撮像時の動作について説明する。
撮像するとき、電荷蓄積期間中に受光素子12に信号電荷が蓄積され、垂直転送期間中に各受光素子12の蓄積電荷が水平転送部20aに向かって転送される。
【0036】
電荷蓄積時、入射光が各受光素子12に入射され、これに応じて各受光素子のn+ 型領域に入射光の光量に対応した信号電荷が蓄積される。そして、電荷蓄積が終了した後、垂直転送が行われる。
【0037】
垂直転送時、垂直転送電極14を形成する電極14aと14bに所定の位相差をもつ垂直転送パルスφP1とφP2が印加される。これによって、垂直転送電極14aと14bの下部領域に転送パルスの電圧に応じてポテンシャル井戸が形成されるので、受光素子12によって蓄積した信号電荷がポテンシャル井戸に蓄積される。垂直転送電極14aと14bに印加される転送パルスの位相を適宜制御することによって、各受光素子12によって蓄積した信号電荷が図1に示す矢印方向に転送され、水平転送部20aに送られる。
【0038】
なお、撮像部10aは上述した構成のほか、垂直転送電極14の下部領域において、n型埋め込みチャネルにバリア部と、ウェル部を図1に示す矢印方向に順次形成することもできる。これによって、電荷転送時に垂直転送電極14に単相の転送パルスを印加することにより、図示の矢印方向に電荷転送が行われる。
【0039】
次に、図2を参照しつつ、水平転送部20aについて説明する。
水平転送部20aは、水平転送チャネル領域の表面に形成されている水平転送電極23を有している。水平転送チャネル領域は、垂直転送電極とチャネルストップによって囲まれた領域であり、例えば、p型基板上に形成されたn型チャネル領域からなる。
【0040】
本発明のCCD撮像装置において、水平転送部20aは、複数のチャネルからなるマルチチャネルCCDからなる。図1では、2つのチャネル21−1と21−2を例示している。2つのチャネルの間、基板の表面上に垂直方向に信号電荷を転送させるHH転送ゲート25が設けられている。当該HH転送ゲート25は、チャネル21−1に転送された信号電荷をさらにチャネル21−2に転送するための転送ゲートである。
【0041】
なお、当該HH転送ゲート25は、撮像部10aにおける垂直転送電極14とほぼ同じ構成を有してもよく、例えば、図示のように、HH転送ゲート25は転送ゲート25aと25bからなり、転送ゲート25aと25bにそれぞれ垂直転送パルスφP1とφP2を印加することにより、水平転送部20aのチャネル21−1からチャネル21−2に信号電荷が転送される。
【0042】
水平転送電極23は、図示のように並列に配置されている電極23aと23bによって形成されている。電極23aと23bには、所定の位相差をもつ水平転送パルス信号φS1とφS2が印加される。これによって、チャネル21−1と21−2においてそれぞれ信号電荷が図示の矢印方向に転送される。
なお、水平転送パルスは、垂直転送パルスに較べて高速なので、水平転送部20aでは信号電荷が高速に転送される。
【0043】
上述した構成を有する水平転送部20aにおいて、撮像部10aから転送されてくる信号電荷が2つのチャネル21−1と21−2にそれぞれ入力される。即ち、撮像部10aによって撮像した1画面において、2ライン分の画素に対応する信号電荷が水平転送部20aに転送される。水平転送電極23に水平転送パルスを印加することによって、2つのチャネル21−1と21−2に転送されてきた2ライン分の信号電荷が図示しないゲインアンプ30に転送される。
【0044】
このように、本発明のCCD撮像装置において、水平転送部20aにおいて、マルチチャネルのCCDを設けることによって、通常の単チャネル水平転送部を持つCCD撮像装置に較べて、実質的な信号電荷の水平転送が高速に行える。
【0045】
次に、白基準発生部40について説明する。
白基準発生部40は、図2に示すように、撮像部10aに隣接して形成されている。白基準発生部40は、白基準電位注入ドレイン41、白基準注入ゲート42、白基準フォトダイオード(白基準PD)43、白基準調整用ラテラルオーバーフロードレイン(白基準調整用LOD)44及び白基準電荷蓄積部45を有している。
【0046】
白基準電位注入ドレイン41は、所定の白基準電位に保持されている。なお、当該白基準電位は、例えば、電源電圧を分圧する分圧抵抗によって生成される。白基準電位注入ドレイン41に印加される白基準電位は、白基準注入ゲート42に印加されるパルス信号に応じたタイミングで、白基準フォトダイオード43に印加される。
【0047】
白基準フォトダイオード43は、白基準電位注入ドレイン41から印加された白基準電位に応じて電荷を蓄積し、当該蓄積電荷が白基準電荷蓄積部45に転送され、そこで蓄積の電荷量が白基準調整用LOD44によって調整された後、水平転送部20aに転送される。
【0048】
白基準調整用LOD44は、白基準フォトダイオード43によって蓄積した白基準電荷の量を調整するために設けられている。白基準調整用LOD44のドレイン領域に印加する電圧を適宜制御することにより、白基準電荷を一定の量に調整することができ、余剰の電荷は白基準調整用LOD44のドレイン領域に吐き捨てられる。
なお、白基準調整用LOD44は、撮像部10aのLOD16と共用することもできる。
【0049】
白基準注入ゲート42には、パルス信号φP3が印加される。当該パルスを印加することによって、白基準電位注入ドレイン41に蓄積した電荷が白基準フォトダイオード43に転送され、白基準フォトダイオード43に蓄積される。白基準フォトダイオード43に蓄積した電荷が白基準電荷蓄積部45に転送され、白基準電荷蓄積部45において、蓄積電荷の量が白基準調整用LOD44によって調整されるので、水平転送部20aの白基準電荷蓄積部26−1と26−2に転送される電荷の量は、撮像部10aによって撮像した映像信号の白レベルに等しくなる。
【0050】
白基準電荷蓄積部45は、白基準フォトダイオード43から転送される白基準電荷を蓄積する。図2に示すように、当該白基準電荷蓄積部45に隣り合って白基準調整用LOD44が設けられている。このため、白基準電荷が所定の量調整され、余剰の電荷が白基準調整用LOD44のドレイン領域に掃き捨てられる。これによって、白基準電荷を所望の量に制御することができるので、これに基づいて生成される白基準信号を常に所望の信号レベルに保つことができる。
【0051】
図2に示すように、撮像部10aの垂直転送電極14の一部分、例えば、水平転送部20aの近くに配置されている垂直転送電極14が引き延ばされ、白基準発生部40の領域に突き出るように形成されている。このため、撮像部10aで行われる垂直転送に伴って白基準発生部40によって生成された白基準電荷が水平転送部20aの白基準電荷蓄積部26−1及び26−2に転送される。
【0052】
図3に白基準信号注入における白基準発生部40のポテンシャルの概念図を示す。白基準を飽和出力とする場合、白基準電位注入ドレイン41に印加する白基準電位として、オーバーフロードレイン領域に印加する電位よりも低い電位を垂直転送パルスに同期して印加すると、垂直転送パルス毎に一定の白基準信号を注入することができる。注入された白基準信号は、垂直転送パルスに応じて信号電荷と共に水平転送部20aに転送される。この白基準信号のレベルはオーバーフロードレイン44のレベルで決定されるので、注入レベルをコントロールすることができる。
【0053】
水平転送部20aによって、白基準電荷がシリアル転送され、ゲインアンプに送られる。そして、白基準電荷に応じて出力される白基準信号が補正回路50に取り込まれ、これに応じて補正回路50は各チャネルに補正信号を出力し、各チャネルゲインアンプのオフセット及び利得を制御する。
【0054】
図4は、本発明のCCD撮像装置において、垂直転送パルスφP1,φP2及び白基準発生部40の転送パルスφP3の波形を示す波形図である。また、図4は、水平転送部20aの水平転送電極に印加される水平転送パルスφS1,φS2及び出力信号の波形を示す波形図である。以下、撮像部10aにおける垂直転送動作及び水平転送部20aにおける水平転送動作について説明する。
【0055】
図4に示すように、垂直転送パルスφP1とφP2は、所定の位相差をもつ2相のパルス信号である。また、白基準発生部40に供給される転送パルスφP3は、垂直転送パルスφP1とφP2がアクティブ状態、例えば、ハイレベルに保持されている間、ローレベルに保持されている負のパルス信号である。
【0056】
垂直転送パルスφP1とφP2は、図4に示すように、所定の位相差を有する。このため、垂直転送パルスφP1を図1に示す垂直転送電極14aに、垂直転送パルスφP2を垂直転送電極14bにそれぞれ印加することによって、垂直転送電極14aと14bの下部の埋め込みチャネルにおいて、深さが時間的に変化するポテンシャル井戸が形成される。これによって、受光素子12によって蓄積した信号電荷が垂直転送パルスの印加に伴って、図2に示す矢印方向に転送される。
【0057】
また、撮像部10aにおいて、垂直転送パルスφP1とφP2が印加され、信号電荷の転送が行われている間、転送パルスφP3がローレベルに保持されている。一方、垂直転送が行われていないとき、即ち垂直転送パルスφP1とφP2がローレベルにあるとき、転送パルスφP3がハイレベルに保持される。このとき白基準電位注入ドレイン41に印加される白基準電位が白基準フォトダイオード43に印加される。これに応じて、白基準フォトダイオード43に白基準電荷が蓄積される。
【0058】
そして、垂直転送パルスφP1とφP2が印加されると、白基準フォトダイオード43によって蓄積した白基準電荷が白基準電荷蓄積領域45に転送される。白基準電荷蓄積領域45に蓄積された電荷の量が白基準調整用LOD44によって調整され、余剰の電荷が白基準調整用LOD44のドレイン領域に掃き捨てられる。
そして、次の垂直転送パルスφP1とφP2が印加されると、白基準電荷蓄積領域45の電荷が水平転送部20aの白基準電荷蓄積部26−1に転送され、さらにもう一回の転送により白基準電荷蓄積部26−2に転送される。
【0059】
次に、図5を参照しつつ、水平転送部20aにおける信号電荷の転送を説明する。
水平転送パルスφS1とφS2は、それぞれ水平転送電極23の電極23aと23bに印加される。これによって、水平転送部20aの各チャネルにおいて信号電荷が順次転送され、ゲインアンプに出力される。
【0060】
図5(c)は、ゲインアンプから出力される信号の波形を示している。図示のように、水平転送部20における水平転送の結果、白基準電荷、黒基準電荷及び信号電荷がそれぞれ出力されるので、ゲインアンプによってこれらの電荷に対応した信号が出力される。図5(c)に示すように、信号電荷に応じて白基準信号、黒基準信号及び画像信号がそれぞれ得られる。
【0061】
次に、本発明のCCD撮像装置において、チャネル間のゲインアンプの利得及びオフセットの補正について、具体的な実施形態を用いて説明する。
【0062】
第1実施形態
図6は本発明に係るCCD撮像装置の第1の実施形態を示す回路図である。
なお、図6では、本実施形態のCCD撮像装置における補正回路の部分を中心に示しており、撮像部、垂直または水平転送部については、図1及び図2に示す構成と同じであるため、図6及び以降の各実施形態において、撮像部、垂直または水平転送部の詳細については省略する。
【0063】
図6に示すように、本実施形態のCCD撮像装置は、撮像部10、水平転送部20及び補正回路によって構成されている。
図示のように、本実施形態のCCD撮像装置において、補正回路は、水平転送部20のチャネルCH1以外の各チャネルに設けられている。なお、図6では、チャネルCH2に設けられている補正回路50−2のみを示している。チャネルCH2以降の各チャネルの補正回路は、図示の補正回路50−2とほぼ同じ構成を有する。
【0064】
図6に示すように、水平転送部20は、N(N≧2、Nは整数)本のチャネルCH1,CH2,…,CHNを有している。
チャネルCH1の出力信号は、そのまま出力信号SCH1 として出力され、チャネルCH2〜CHNの出力信号は、それぞれ補正回路50−2〜50−Nによって補正され、補正後の信号SCH2 〜SCHN が出力される。
【0065】
なお、本実施形態において、水平転送部20の各チャネルの出力信号は、例えば、利得の補正などを行わないゲインアンプによる出力信号である。各チャネルのゲインアンプの利得特性のバラツキによって、各チャネルの出力信号の間にバラツキが存在する。各チャネルに設けられている補正回路は、それぞれのチャネルの出力信号とチャネルCH1の出力信号の白基準信号とを比較し、当該比較結果に応じて、各チャネルの出力信号のオフセット及び利得を制御し、各チャネルの出力信号間のバラツキを抑制する。
【0066】
以下、チャネルCH2の出力信号を補正する補正回路50−2についてその構成及び動作を説明する。他の各補正回路は、ここで説明する補正回路50−2と同じ構成を有するので、それらについて説明を省略する。
【0067】
補正回路50−2は、基準信号比較回路52と、補正用アンプ54とを有している。
基準信号比較回路52は、水平転送部20から出力されるチャネルCH2の出力信号にある白基準信号と、チャネルCH1の出力信号の白基準信号とを比較し、また、チャネルCH2の出力信号にある黒基準信号と、チャネルCH1の出力信号の黒基準信号とを比較する。比較の結果に応じて、補正用アンプ54のオフセット及び利得を制御する制御信号を出力する。
【0068】
補正用アンプ54は、基準信号比較回路52からの制御信号に応じて、チャネルCH2から出力される画像信号のオフセット及び利得を制御する。チャネルCH2の出力信号は、補正用アンプ54によって、オフセットが調整され、さらに所定の利得で振幅が調整される。その結果、図5に示していないゲインアンプの利得特性のバラツキによって発生するチャネルCH1とCH2の出力信号間のバラツキが補正され、利得特性がほぼ一致する出力信号が得られる。
【0069】
上述した補正回路50−2とほぼ同じ構成の補正回路がチャネルCH1を除く各チャネルの出力側に設けられているので、これらの補正回路によって、チャネルCH1を基準に、各チャネルの出力信号の利得特性のバラツキが補正される。これによって、水平転送部20のすべてのチャネルの出力信号が同じ利得特性に基づいた出力信号となり、チャネル間の利得特性のバラツキによる影響が抑制され、マルチチャネルの水平転送部20によって、高速の信号出力を実現しながら、チャネル間のバラツキによる影響を抑制することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、マルチチャネルの水平転送部を用いたCCD撮像装置において、一のチャネルの出力信号を基準に他の各チャネルの出力信号のオフセット及び利得を補正することによって、チャネル間のバラツキを抑制でき、各チャネルの出力ゲインアンプの利得特性のバラツキによる影響を抑制することができる。
【0071】
第2実施形態
図7は本発明に係るCCD撮像装置の第2の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態のCCD撮像装置は、撮像部10、水平転送部20及び補正回路50a−1〜50a−Nによって構成されている。
【0072】
本実施形態のCCD撮像装置において、撮像部10及び水平転送部20は、前述した本発明のCCD撮像装置の他の実施形態の撮像部、水平転送部と同じ構成を有するので、ここではそれらの詳細については省略する。
【0073】
図7では、チャネルCH1の出力側に設けられている補正回路50a−1の構成のみを示している。その他の各チャネルに設けられている補正回路は、上記補正回路50a−1と同じ構成を有している。
【0074】
図7に示すように、補正回路50a−1は、アンプ501、画像信号用A/D502、基準信号読み取り用A/D503及び演算器504を有している。
【0075】
アンプ501は、チャネルCH1の出力信号を所定の利得で増幅し、増幅出力を画像信号用A/D502及び基準信号読み取り用A/D503に出力する。
本実施形態のCCD撮像装置において、各チャネルに設けられている補正回路のアンプ501は、固定の利得またはプログラマブルな利得を有する。アンプ501の利得がプログラマブルな場合、図7に示すように外部から入力される利得設定指示信号GPMに従って、アンプ501の利得が設定される。
【0076】
画像信号用A/D502は、チャネルCH1の出力信号のうち、画像信号に対してA/D変換を行い、例えば、4ビットの画像データを出力する。
基準信号読み取り用A/D503は、チャネルCH1の出力信号のうち、白基準信号及び黒基準信号をA/D変換し、白基準データと黒基準データを出力する。なお、白基準信号及び黒基準信号のA/D変換は、画像信号のA/D変換より精度が要求されるので、基準信号読み取り用A/D503は、画像信号用A/D502より出力信号のビット数が多い。
【0077】
演算器504は、基準信号読み取り用A/D503から入力される黒基準データ及び白基準データに基づき、画像信号用A/D502から出力される画像データを補正し、補正後の画像データDCH1 を出力する。
【0078】
図8は、本実施形態のCCD撮像装置における画像データの補正を示すグラフである。図8において、横軸は入射される光量を示し、縦軸は入射光量に応じて補正前及び補正後の画像データを示している。なお、この例において、画像データは4ビットとする。
【0079】
入射光量は、図8のグラフにおける横軸の黒と白の間の任意の値を取る。理想的な場合、黒の信号レベルに対して、画素データ「0000」を出力し、そして白レベルに対して、画素データ「1111」を出力することが望まれる。しかし、実際には各チャネルのゲインアンプの利得特性のバラツキによって、図8に示すように、出力される画像データにオフセットがついており、さらに利得も理想的な状況とは異なる。また、各チャネルのゲインアンプの利得特性にバラツキが存在するため、同じ入射光量でもチャネルごとに異なる画像データが出力されてしまう。
【0080】
本実施形態のCCD撮像装置において、チャネルごとに設けられている補正回路50a−1〜50a−Nにより、画像データに対して補正を行い、チャネル間のゲインアンプの利得特性のバラツキを補正する。各補正回路において、演算器504は、基準信号読み取り用A/D503から出力される白基準信号及び黒基準信号に対応する画像データに基づき、画像信号用A/D502から出力される画像データを補正する。
【0081】
以下、演算器504における補正処理についてさらに詳しく説明する。
ここで、画像信号用A/D502から出力される画像データが入射光量に対して線型であると仮定する。これによって、補正を線型式によって実現できる。補正用式として、例えば次式を用いることができる。
【0082】
【数1】
y=ax+b …(1)
【0083】
式(1)において、yは補正後の画像データの値、xは補正前の画像データの値であり、さらに、aとbは補正用の係数である。
【0084】
基準信号読み取り用A/D503によって、白基準信号に対するA/D変換の結果xw 及び黒基準信号に対するA/D変換の結果xb がそれぞれ得られる。そして、白基準信号に対して、所望の画像データ、例えば「1111」を補正後の値yw として、黒基準信号に対して、所望の画像データ、例えば「0000」を補正後の値yb とすると、(xb ,yb )及び(xw ,yw )のペアを式(1)に代入すると、補正用係数aとbを計算することができる。
【0085】
演算器504は、水平転送部20によって一回のシリアル転送が行われたとき、出力される白基準データ及び黒基準データに基づき、上述した演算処理によって補正用係数aとbを算出する。そして、算出した補正用係数を用いて、式(1)によって、画像信号用A/D502から出力されたすべての画像データに対して、補正演算を行い、補正後の画像データを出力する。
【0086】
上述した補正処理は、チャネルごとに設けられている補正回路によって行われる結果、各チャネルのゲインアンプの利得特性のバラツキが抑制され、各チャネルにほぼ均一の利得特性による画像データが得られる。
【0087】
第3実施形態
図9は本発明に係るCCD撮像装置の第3の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態のCCD撮像装置は、撮像部10、水平転送部20及び補正回路50b−1〜50b−Nによって構成されている。
【0088】
本実施形態のCCD撮像装置において、撮像部10及び水平転送部20は、前述した本発明のCCD撮像装置の他の実施形態の撮像部、水平転送部と同じ構成を有するので、ここではそれらの詳細については省略する。
【0089】
図9において、チャネルCH1の出力側に設けられている補正回路50b−1の構成のみを示している。その他の各チャネルに設けられている補正回路は、補正回路50b−1と同じ構成を有している。
【0090】
補正回路50b−1は、図9に示すように、利得可変アンプ510、画像信号用A/D511、基準信号読み取り用A/D512、演算器513及び基準信号用D/A514によって構成されている。
以下、本実施形態のCCD撮像装置における補正回路の各部分について説明する。
【0091】
利得可変アンプ510は、基準信号用D/A514から出力される利得制御信号GCTによって利得が制御される。そして、制御された利得で水平転送部20のチャネルCH1の出力信号を増幅して、画像信号用A/D511及び基準信号読み取り用A/D512に出力する。
【0092】
画像信号用A/D511は、可変利得アンプ510の出力信号のうち、画像信号に対してA/D変換を行い、所定のビット数をもつの画像データを出力する。
基準信号読み取り用A/D512は、チャネルCH1の出力信号のうち、白基準信号及び黒基準信号をA/D変換し、白基準データと黒基準データを出力する。なお、白基準信号及び黒基準信号のA/D変換は、画像信号のA/D変換より精度が要求されるので、基準信号読み取り用A/D512は、画像信号用A/D511より出力信号のビット数が多い。
【0093】
演算器513は、基準信号読み取り用A/D512から出力される白基準データ及び黒基準データ、並びに外部から入力される基準データRFDに応じて、利得可変アンプ510の利得を制御する利得制御データを出力する。なお、基準データRFDは、例えば、白基準信号に対応する所望の白基準データ及び黒基準信号に対応する所望の黒基準データからなる。
【0094】
基準信号用D/A514は、演算器513からの利得制御データをアナログ信号に変換し、変換出力を利得制御信号GCTとして、利得可変アンプ510に出力する。
【0095】
次に、本実施形態のCCD撮像装置における補正回路50b−1の動作について説明する。
水平転送部20のチャネルCH1からの出力信号が利得可変アンプ510によって、利得制御信号GCTに応じて制御された利得及びオフセットをもって増幅され、その出力が画像信号用A/D511及び基準信号読み取り用A/D512に出力される。
【0096】
画像信号用A/D511において、利得可変アンプ510から出力にされる画像信号をA/D変換し、変換結果をチャネルCH1の画像データDCH1 として出力する。
一方、基準信号読み取り用A/D512において、利得可変アンプ510から出力にされる白基準信号及び黒基準信号をA/D変換し、変換結果の白基準データ及び黒基準データを演算器513に出力する。
【0097】
演算器513において、基準信号読み取り用A/D512からの白基準データ及び黒基準データ、さらに外部から入力される基準デーRFDに基づき、利得可変アンプ511の利得及びオフセットを制御する利得制御データが算出され、基準信号用D/A514に出力される。
【0098】
基準信号用D/A514によって、演算器513からの利得制御データがアナログ信号に変換され、利得制御信号GCTとして利得可変アンプ510に出力される。
【0099】
補正回路50b−1において、上述したフィードバック処理によって、利得可変アンプ510の利得及びオフセットが制御される。その結果、利得可変アンプ510から出力される画像信号が所望のオフセット及び利得特性による画像信号となり、画像信号用A/D511によって変換の結果、所望の利得特性による画像データが得られる。
【0100】
チャネルCH2〜CHNの各チャネルに設けられている補正回路50b−2〜50b−Nによって、上述した補正回路50b−1と同じように補正処理が行なわれる結果、各チャネルのゲインアンプの利得特性のバラツキが抑制され、各チャネルからほぼ均一の利得特性による画像データが得られる。
【0101】
なお、本実施形態のCCD撮像装置の各チャネルに用いられる補正回路50b−1〜50b−Nにおいて、基準信号読み取り用A/D512には、高い精度が要求されるので、画像信号用A/D511よりビット数の多いA/Dを用いることが望まれる。白基準信号及び黒基準信号は、水平転送部20のおける一回のシリアル転送においてそれぞれ一回ずつ行われるので、画像信号用A/D511より低速のA/D変換器を使用することができる。このため、タイミング制御により安価なA/D変換器を使用できる。さらに、白基準データの精度を上げるために、平均加算を行うなどもできる。
【0102】
図10は、本実施形態における補正回路の信号読み出しのタイミングを示すタイミングチャートである。図示のように、画像信号の読み出しの間で基準信号の読み出しが行われる。即ち、各チャネルの出力信号における白基準信号及び黒基準信号が基準信号読み取り用A/D512によって取り込まれ、白基準データ及び黒基準データが変換される。このように、基準信号の読み出しが画像信号の読み出しの間で行われるので、低速で高精度のA/D変換器を使用可能である。
【0103】
以上説明したように、本実施形態によれば、水平転送部20の各チャネルの出力信号に対して、利得可変アンプ510によって増幅した結果が画像信号用A/D511に出力されて画像データに変換され、さらに基準信号読み取り用A/D512に出力されて白基準データ及び黒基準データが変換される。これらの基準データ及び外部から入力される基準データRFDに基づき、演算器513により利得制御データが算出され、基準信号用D/A514によって利得制御信号GCTに変換され、可変利得アンプ510に出力される。このため、各チャネルの出力信号に対して利得及びオフセットのバラツキを補正することができ、各チャネルからほぼ均一の利得特性による画像データが得られる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のCCD撮像装置によれば、多チャネルの水平転送部の各チャネルの出力信号に対して、補正回路によって利得及びオフセットの特性を補正することにより、各チャネル間の利得特性のバラツキを抑制できる。このため、水平転送部の多チャネル化による画質の劣化を回避することができ、画質を維持しながら高速な画像データ読み出しを実現できる。
また、本発明のCCD撮像装置によれば、シリアル転送ごとに白基準信号と黒基準信号を出力し、これに基づき各チャネルの利得特性を補正することによって、実時間で利得特性の補正を実現でき、温度変化などの環境変化によるアンプ特性の変動にも対処できる。また、半導体素子の経時的な特性変化に対しても、自動的に補正を行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCCD撮像装置を示す構成図である。
【図2】本発明に係るCCD撮像装置の撮像部、垂直転送部及び水平転送部の構成を示す構成図である。
【図3】白基準信号注入における白基準発生部40のポテンシャルの概念図を示す図である。
【図4】垂直転送パルスの波形を示す波形図である。
【図5】水平転送パルス及びそれに基づく出力信号の波形を示す波形図である。
【図6】本発明に係るCCD撮像装置の第1の実施形態を示す構成図である。
【図7】本発明に係るCCD撮像装置の第2の実施形態を示す構成図である。
【図8】本発明に係るCCD撮像装置の第2の実施形態の画像データの出力特性を示すグラフである。
【図9】本発明に係るCCD撮像装置の第3の実施形態を示す構成図である。
【図10】本発明に係るCCD撮像装置の第3の実施形態における信号の読み出しを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…撮像部、
20…水平転送部、
50…補正回路、
50−2,50a−1〜50a−N,50b−1〜50b−N…補正回路。
Claims (5)
- 入射光量に応じた電荷を蓄積するための複数のフォトダイオードが行列状に配置された受光部と、
垂直転送パルスに応じて上記受光部の各フォトダイオードに蓄積された電荷を垂直方向に並列に転送するための垂直転送部と、
遮光されたフォトダイオードを含み、所定の白基準電位の印加によって当該フォトダイオードに蓄積される電荷に応じた白基準電荷を発生する白基準発生部と、
遮光されたフォトダイオードを含み、当該フォトダイオードに蓄積される電荷に応じた黒基準電荷を発生する黒基準発生部と、
上記垂直転送部から転送された1ライン分の電荷と、上記白基準発生部が発生した白基準電荷と、上記黒基準発生部が発生した黒基準電荷とを各々が受け取り、当該受け取った電荷を水平転送パルスに応じて各々が水平方向に転送する複数の水平転送部と、
上記複数の水平転送部からそれぞれ転送される電荷に応じた信号を増幅して出力する複数の増幅器と、
上記複数の増幅器の各々から出力される白基準信号及び黒基準信号に基づいて、上記複数の増幅器の間におけるオフセット及び利得のばらつきを補正する補正回路と
を有するCCD撮像装置。 - 上記補正回路は、
上記複数の増幅器中の1の増幅器から出力される白基準信号と他の増幅器から出力される白基準信号とを比較するとともに、当該1の増幅器から出力される黒基準信号と当該他の増幅器から出力される黒基準信号とを比較する比較回路と、
上記比較回路の比較結果に応じたオフセット及び利得に基づいて上記他の増幅器から出力される信号を増幅して出力する補正用増幅器と
を有する
請求項1記載のCCD撮像装置。 - 上記補正回路は、
上記増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる画像信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換回路と、
上記増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる上記白基準信号及び上記黒基準信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換回路と、
上記第1のA/D変換回路から出力されるディジタル画像信号と上記第2のA/D変換回路から出力されるディジタル基準信号とを入力し、上記ディジタル基準信号に基づいて上記ディジタル画像信号に演算処理を施して上記増幅器のオフセット及び利得を補正したディジタル画像信号を出力する演算回路と
を有する
請求項1記載のCCD撮像装置。 - 上記補正回路は、
上記増幅器から出力される信号を増幅して出力する可変利得増幅器と、
上記可変利得増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる画像信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換回路と、
上記可変利得増幅器から出力される信号の1ライン中に含まれる上記白基準信号及び上記黒基準信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換回路と、
上記第2のA/D変換回路から出力されるディジタル基準信号と所定の基準値とに基づいて上記増幅器のオフセット及び利得を補正するための制御信号を生成する演算回路と、
上記演算回路から出力される上記制御信号をアナログ信号に変換して利得制御信号として上記可変利得増幅器に出力するD/A変換回路と
を有する
請求項1記載のCCD撮像装置。 - 上記第2のA/D変換回路の分解能が上記第1のA/D変換回路の分解能よりも高い請求項3又は4記載のCCD撮像装置。
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