JP3868729B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ウィング部を備えた生理用ナプキンは、着用ショーツの股間部分の外面へウィング部を折り返し、ズレ止め用の粘着剤で固定して使用するが、使用後に着用ショーツから生理用ナプキンを取り外す際に、ウィング部にせん断力が働いて破断したり、ウィング部の一部が破れてズレ止め用の粘着剤と共に着用ショーツの表面に残ってしまう等、使用後の取り外しに支障を来たす場合があった。着用者によっては、ウィング部を折り返して固定したままの状態でナプキンを取り外すことがあり、この場合特に上記の如き支障が起こりやすくなっていた。
【0003】
この改善策として、ウィング部の着衣装着面に配設するズレ止め用の粘着剤の接着力を低くして、ウィング部の破断の発生を抑えることも考えられるが、ズレ止め用の粘着剤の接着力は、吸収性物品のズレ、ヨレ防止に大きく関わるため、必ずしも得策ではない。
一方、ウィング部自体の剛性を高めたものとして、実用新案登録第2553363号の生理用ナプキンが知られている。この生理用ナプキンは、ウィング部に補強層を形成してウィング部自体の剛性を高め、ウィング部の操作性を改善させたものである。
しかしながら、補強層を設けてウィング部の剛性を高めた部分は、装着感を損なうため、補強範囲が限られてしまい、前述のようにウィング部を固定したままの状態でナプキンを外す場合に最も負荷の斯かるウィングのショーツ巻き込み部分(ウィング延出基部とその近傍)を積極的に補強できない。従って、従来技術は、ウィング部の破断する問題を解決するには至っていない。
【0004】
従って、本発明は、柔軟で装着時に違和感がなく、使用後の取り外しの際におけるウィング部の破れ・裂けを防ぐことができる、吸収性物品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ウィング部の着衣装着面に配設するズレ止め用の粘着剤の接着力を充分な範囲に維持しつつ、該着衣装着面を形成するシートと、該シート上に積層されたウィング部を形成する他のシートとを、該該粘着剤の配設部位において所定の接合強度で接合することで、柔軟で装着時に違和感がなく使用後の取り外しの際におけるウィング部の破れ・裂けを防ぐことができる吸収性物品が得られることを知見した。
【0006】
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、着衣に固定されるウィング部を備えた吸収性物品において、前記ウィング部は少なくとも2枚のシートが積層されて形成されており、該ウィング部における着衣装着面を形成する裏面シートからなる第1のシートの表面の一部に100〜400cNの着衣との接着力を有するズレ止め用の粘着剤が配設され、さらに、該ウィング部を形成する不織布からなる第2のシートが、該粘着剤の配設部位に対応する部位において150cN以上の接合強度で該第1のシートにホットメルト接着剤で接合され且つ該部位以外の部位においては接着されておらず、前記ウィング部の外縁部がヒートシールで接着されており、前記第1のシートの引張強度が100〜800cNであり、前記第2のシートが密度0.09〜0.30g/cm 3 の不織布である吸収性物品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。
【0008】
本発明の吸収性物品は、着衣に固定されるウィング部を備えた吸収性物品において、着衣に固定されるウィング部を備えた吸収性物品において、前記ウィング部は少なくとも2枚のシートが積層されて形成されており、該ウィング部における着衣装着面を形成する第1のシートの表面に100〜400cNの着衣との接着力を有するズレ止め用の粘着剤が配設され、さらに、該ウィング部を形成する第2のシートが、該粘着剤の配設部位に対応する部位において150cN以上の接合強度で該第1のシートに接合されている。
【0009】
前記第1のシートと第2のシートとの接合強度は、次のようにして測定することができる。
先ず、第1のシートと第2のシートとの接合部分に対し、吸収性物品とした場合の物品幅方向で幅25mm、同長さ方向で長さ40mm以上の寸法で測定用サンプルを切り取る。この際、ウィング部のズレ止め用の粘着剤が配設されている部分を含めた領域で測定サンプルを切り取り、当該領域内にウィング部のズレ止め用の粘着剤以外で接合されている部分がある場合にはその部分を取り除いて上記寸法とする。次に、同長さ方向に沿った方向を測定方向とするため、予め測定サンプルの長さ方向の前端から15mmの長さで第1、第2のシートを剥離させてつかみしろを設けておく。そして、剥離試験機〔商品名 オートグラフ AGS50A (株)島津製作所製〕を用い、チャック間距離20mmをとって、前記つかみしろを剥離測定できるようにチャックで固定し、剥離速度300mm/分で剥離させた際の最大荷重を測定する。5つのサンプルについて同様の測定を行い、その平均値を求めた。
【0010】
本発明の吸収性物品は、着衣を巻き込んだ状態で吸収性物品を取り外した場合のウィング部の破断を防止する点において、吸収性物品の長手方向における前記ウィング部の引き裂き強度が、該ウィング部の延出基部及びその近傍において800cN以上であることが好ましく、900N以上であることがより好ましい。ここで、吸収性物品の長手方向におけるウィング部の引き裂き強度は、下記のように測定される強度である。
【0011】
〔ウィング部の引き裂き強度の測定方法〕
ウィング部の引き裂き強度は、次のようにして測定することができる。吸収性物におけるウィング部の付け根近傍(ウィング部の延出基部)にて、物品長さ方向沿って長さ20mmの切り込みを入れる。この切り込みにより得られた測定端部、すなわち吸収性物品の長さ方向の前端部とウィング部の物品長さ方向前端部を各々引き裂き可能なようにチャックに固定する。そして、引張試験機〔商品名オートグラフ AGS50A、(株)島津製作所製〕を用いて、チャック間距離30mmをとり、引き裂き速度500mm/分で引き裂いた際の最大荷重を測定する。5つのサンプルについて同様の測定を行い、その平均値を求めた。
【0012】
本発明の吸収性物品における、前記ウィング部の前記着衣装着面を形成する前記第1のシートは、吸収性物品と肌との間の湿度上昇を抑え、ムレ感を低減させる点において所定の透湿性を有していることが好ましい。該第1のシートが有する所定の透湿性(透湿度)は、0.3〜5g/cm2・24hrであることが好ましく、0.7〜3g/cm2・24hrであることがより好ましい。ここで、透湿度は、JIS Z0208に従い測定された透湿度(以下、透湿度というときはこの方法により測定されたものをいう。)である。
【0013】
本発明の吸収性物品において、ウィング部を形成する第1のシートは、裏面シートであることが好ましい。また、該第1のシートは、ウィング部の破断やシートの破れ防止、ウィング部の装着感やフィット性の点において、引張強度が100〜800cNであり、150〜600cNであることが好ましい。ここで引張強度は、下記の方法で測定された値である。
【0014】
〔引張強度の測定方法〕
第1のシートの引張強度は、次のようにして測定することができる。
第1のシートにおける吸収性物品とした場合の物品長手方向に相当する方向で長さ100mmを取り、該物品長手方向に対し直交する方向で幅10mmをとり、100mm×10mmの測定サンプルとする。測定サンプルの両端部片面にはつかみしろとして、ポリエステル粘着テープ〔商品名:セメダインラピー、セメダイン(株)製〕を貼り付ける(サンプル長手方向のつかみしろの間隔は50mmとする。)。そして、引張試験機〔商品名 オートグラフ AGS50A (株)島津製作所製〕を用い、チャック間距離50mmをとり、チャックで固定する。そして、引張速度300mm/分で引張った際の最大荷重を測定する。5つのサンプルについて同様の測定を行い、その平均値を求めた。
【0015】
前記第1のシートの好ましい例としては、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。
【0016】
本発明の吸収性物品における前記第2のシートは、ウィング部を2枚のシートで形成する場合には、例えば、後述の実施形態の生理用ナプキン1(図1参照)におけるように、表面シート2の長手方向の左右両側部から外方へ向けて延出させたシート5である。また、ウィング部を3枚のシートで形成する場合には、該第2のシートは、例えば、後述の実施形態の生理用ナプキン1’(図3参照)におけるように、表面シート2’及び裏面シート3’の長手方向の左右両側部から外方へ向けて延出させたシート5’である。
【0017】
本発明の吸収性物品における前記第2のシートは、第1のシートとの接着性の点において、密度が0.09〜0.30g/cm3の不織布である。このような密度の不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系の繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、又はポリエチレン/ポリエステル複合繊維等からなるスパンボンド不織布や、SMS不織布等が挙げられる。密度が0.9〜0.30g/cm3の不織布は、不織布表面に位置する繊維が密に集まっているため、不織布表面は、比較的平滑性を有する。故に、別基材と接着/一体化させる際に、とりわけホットメルト等の接着剤を塗布して接着させる際には、凹凸を有した表面よりも接着面積を効率よく確保することができるため、所望の塗工量で効果的に接着強度を高めることができる。また、第2のシートの密度は、ピーコックダイヤルゲージNo.25型〔有限会社 篠 製作所製〕を用い、30mm×30mm×1mm(縦×横×厚み)の2枚のアクリルプレート間に当該シートを挟んで厚みを測定し、計算により求めた。
上記第2のシートは、表面シートからの経血にじみ及び吸収体の経血の浸み出しを防止すべく、撥水処理を施すことが特に好ましい。また、図2に示すように、第2のシートにおける吸収体側の端部を内側に折り返し、二重にすることでより一層高い防漏効果を得ることができる。
【0018】
本発明の吸収性物品においては、前記第1のシートと第2のシートとの接合強度は、150cN以上、好ましくは200cN以上である。該接合強度が150cNに満たない場合は、本発明の目的とする比較的強度の低いウィング部基材(第1のシート)と第2のシートとの接合が弱く、ナプキンを脱着する際、該ウィング部基材の一部が破れたり、ショーツ(着衣)に残るといった支障を来すおそれがある。該第1のシートと第2のシートとの接合方法については、ホットメルト等の接着剤による接合やヒートシール等の接合方法が挙げられる。ウィング部の装着感や取り扱い性を考慮しながら接合強度を高める点では、ホットメルトによる接着方法が好ましい。特に、ホットメルトによる接合は、ホットメルト塗布量を増やすほど高い接合強度が得られる反面、例えば、ウィング形状にカットする部分からホットメルトがカッターに付着する等といった加工上のトラブルやホットメルトの表面へのしみ出し等の装着中のトラブルを引き起こすおそれがある。このため、所望のホットメルト塗布量で第1のシートと第2のシートとの接合強度を所定の範囲にすることで、このようなトラブルを抑えることができる。
【0019】
本発明の吸収性物品における前記粘着剤は、ナプキン使用時のよれ、ズレ防止及びナプキン脱着時の不具合を生じない点において、着衣との接着強度が100〜400cNであり、150〜300cNであることがより好ましく、150〜250cNであることが特に好ましい。ここで、前記ウィング部の粘着剤の着衣との接着強度は、綿(JIS染色堅ろう度試験用 JIS L0803、かなきん3号)を幅70mm、長さ70mmに切り取り、上述したウィング引き裂き強度測定と同様に、吸収性物品におけるウィング部を切り取り、ウィング部粘着剤を基布となる綿に張り付け、2kgのローラーで2往復圧着した後、粘着剤と綿基布の界面を吸収性物品の長手方向に対応する方向で剥離させ、テンシロン剥離試験器〔商品名:オートグラフ AGS50A (株)島津製作所製〕を用いて剥離速度300mm/分にて剥離させた際の最大点荷重を測定した平均値(サンプル数5)である。また、着衣とは、ショーツ、生理用ショーツ等である。
【0020】
本発明の吸収性物品においては、吸収体、該吸収体を裏面シートに固定する接着剤、裏面シートを着衣に固定するための粘着剤等は、吸収性物品において通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。
【0021】
次に、本発明の吸収性物品をさらに具体的に説明する。
図1は、上記本発明の吸収性物品を生理用ナプキン(以下、単にナプキンともいう)に適用した一実施形態を示したものである。同図において、符号1はナプキンを示している。
【0022】
同図に示すように、ナプキン1は、実質的に縦長の形状をしており、液透過性の表面シート2、液不透過性で且つ透湿性の第1のシート(裏面シート)3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている。
【0023】
ナプキン1は、表面シート2の幅方向両端部及び吸収体4の両側縁部を覆い、且つナプキン1の長手方向中央部において幅方向に延出する撥水性の第2のシート(撥水性のシート)5を備えている。シート5は、表面シート2の幅方向の両端部と重なる部分において2重に折り返されており、これにより防漏部が形成されている。
【0024】
ナプキン1は、その両側部に着衣に固定される一対のウィング部6を備えている。ウィング部6は、前記裏面シート3及びシート5がその延出部において接合されて形成されている。すなわち、ナプキン1は、本発明の吸収性物品における前記第1シートとして裏面シート3を、前記第2のシートとしてシート5を備えたものである。このウィング部6における着衣装着面、すなわち、裏面シート3の表面(下面)にはズレ止め用の粘着剤7が塗工されている。裏面シート3及びシート5は、この粘着剤7の配設部位に対応する部位60において、所定の接合強度でホットメルトによって接着(接合)されている。
【0025】
図2に示すように、裏面シート3の上面には、粘着剤8がスパイラル状に塗工されており、吸収体4は、この粘着剤8によって裏面シート3に固定されている。裏面シート3の下面における吸収体4の下方に位置する部分には、ズレ止め用の粘着剤9が所定間隔をおいて2列の帯状に塗工されている。
【0026】
また、裏面シート3及びシート5は、吸収体4を囲繞するようにその周縁部35aにおいてヒートシールにより接着され、また、ウィング部6を形成する部分においてその外縁部35bでヒートシールにより接着されている。
【0027】
図1及び図2に示すように、表面シート2の略中央部には、表面シート2と吸収体4とを接合する長さ方向中央部が括れた細長い環状の溝20がエンボス加工により形成されており、この溝20により、吸収体4への液の誘導及び装着状態に応じた形状を付与できるようになっている。この環状の溝20は、吸収体4において吸収した液の周囲への拡散を防止する機能も有している。また、表面シート2の両側部には、表面シート2、シート5及び吸収体4を接合する溝21、21がエンボス加工により形成されており、吸収された液が吸収体4内で拡散しても、これらの溝21,21により、吸収体4の両側部への液の拡がりが抑制されるようになっている。
【0028】
本実施形態のナプキン1は、ウィング部を備えた従来の生理用ナプキンと同様に、先ず裏面シート3を粘着剤9でショーツ等の着衣に固定し、次に着衣を包み込むようにウィング部6を折り曲げてウィング部6を粘着剤7で着衣に固定して用いることができる。この際、シート5が吸収体4の両側部及び両側部上面で接合されているので、ウィング部6をショーツに巻き込んだ際に、吸収体4の両側部はショーツクロッチの両サイドに確実に広く固定される。
【0029】
本実施形態のナプキン1は、ウィング部6が柔軟で装着時に違和感がなく、使用後の取り外しの際におけるウィング部の破れ・裂けを防ぐことができる。また、撥水性のシート5が吸収体4の両側部を覆うように配設されているため、吸収体4が多量の液を吸収した場合においても、吸収体4に保持された液が、ナプキン1の側部から漏れることがない。
【0030】
また、ナプキン1は、裏面シート3が透湿性を有しているため、吸収体4に吸収された液から発生する水蒸気が、吸収性物品の外に排出され、着装内の湿度の上昇が防止される。これにより、濡れ感、ムレ感を無くすことができ、快適な装着感が得られることはいうまでもない。
【0031】
図3は、本発明の他の実施形態の生理用ナプキン1’を示したものである。同図に示すナプキン1’の基本的な構成は、上述したナプキン1におけるものと同様であり、以下の説明では、ナプキン1とは異なる部分について特に説明し、ナプキン1と同様の部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。従って、特に説明しない部分については、ナプキン1に関して上記した説明が適宜適用される。
【0032】
図3に示す、ナプキン1’は、裏面シート3’が表面シート2’と同様の外形を有しており、表面シート2’及び裏面シート3’の両側部から外方へ向けてシート5’が延出され、ウィング部6’がこれら3枚のシートで形成されている以外は、上記ナプキン1と同様の構成である。ナプキン1’は、本発明の吸収性物品における前記第1シートとして裏面シート3’を、前記第2のシートとしてシート5’を備えたものである。
【0033】
表面シート2’、裏面シート3及びシート5’は、吸収体4を囲繞するようにその周縁部35a’においてヒートシールにより接着され、また、ウィング部6’を形成する部分においてその外縁部35b’でヒートシールにより接着されている。また、表面シート2’の両側部には、表面シート2’、シート5’及び吸収体4を接合する溝21’、21’がエンボス加工により形成されている。
【0034】
そして、このような構成を有している結果、ナプキン1’では、裏面シート3’及びシート5’は、ウィング部6’における裏面シート3’に配設された粘着剤7の配設部位に対応する部位60’において、所定の接合強度でホットメルトで接着(接合)されている。
【0035】
上記構成のナプキン1’によれば、上述したナプキン1と同様の効果を得ることができるほか、表面シート2’をウィング部6’まで延出させているため、ウィング部にも良好な肌触りと吸収性を得ることができる。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。
【0037】
本発明は、上記実施形態におけるような生理用ナプキンの他、パンティライナー、失禁パッド等にも適用することもできる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
下記構成部材からなり、図1及び2に示す形態を有するナプキンを作製し、その装着テストを下記のように行った。その結果を表1に示す。
ナプキンの製品全長さ:205mm
ウィング部を含めた製品全幅:155mm
表面シート2:商品名 ロリエやわらかメッシュデリケートスリム 花王(株)製と同様の表面シート
吸収体4:商品名 ロリエやわらかメッシュデリケートスリム 花王(株)製と同様の吸収体
第1のシート(裏面シート)3:ポリエチレンフィルムに無機フィラーとして炭酸カルシウムを添加し延伸して得られた透湿性フィルム(透湿度1.7g/cm3・hr、引張強度527cN)
第2のシート(シート)5:ポリエチレン/ポリエステル(鞘/芯)複合繊維よりなる坪量18g/m2のスパンボンド不織布(密度0.128g)
ウィング部ズレ止め用粘着剤:スチレン−ブタジエン共重合体からなるホットメルト(塗工量40g/cm2 塗工面積縦30mm×横15mm、着衣との接着強度180cN)
第1のシート3と第2のシート5との接合方法及び接合強度:スチレン−ブタジエン共重合体からなるホットメルトを塗工坪量5g/cm2、接合強度200cN
ウィング部引き裂き強度:980cN
【0039】
〔比較例1〕
シート5を下記の不織布とし、実施例1と同様のホットメルトでフラップ部における第1のシート3及び第2のシート5の接合強度を60cN、ウィング部引き裂き強度を720cNとした以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを作製した。
第2のシート(シート)5:ポリエチレン/ポリエステル(鞘/芯)複合繊維よりなる坪量22g/m2のヒートロール不織布(密度0.078g/cm3
【0040】
〔比較例2〕
ウィング部ズレ止め用粘着剤を下記のホットメルトとし、ズレ止め接着強度を40cNとした以外は、比較例1と同様にして生理用ナプキンを作製した。
ウィング部ズレ止め用粘着剤:スチレン−ブタジエン共重合体からなるホットメルト(塗工量20g/cm2、塗工面積縦30mm×横15mm、着衣との接着強度40cN)
【0041】
〔装着テスト及びその評価〕
実施例及び比較例のナプキンを女性に最低1時間以上装着してもらい、その後該ナプキンを取り外した際の状態を下記のように2段階評価した。
○:ナプキン装着中にウィング部が外れず、取り外しも良好。
×:ナプキン装着中にウィング部が外れるか若しくはナプキンを取り外す際にウィング部の破断したり、着衣に粘着剤が残ったりする不具合が生じた。
【0042】
【表1】
Figure 0003868729
【0043】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1のナプキン(本発明品)は、取り外しに際しウィング部が破断したり、着衣に粘着剤が残ったりすることがなく、装着時の違和感もないことが確認された。また、比較例1のナプキンは、ウィング部が破れ、着衣に粘着剤が残るものがあり、比較例のナプキンは、装着中にウィング部が外れる不具合を生じるものがあった。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ウィング部が柔軟で装着時に違和感がなく、使用後の取り外しの際におけるウィング部の破れ・裂けを防ぐことができる吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンを示す一部を破断した斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の吸収性物品の他の実施形態としての生理用ナプキンを示す断面図(図2に相当する図)である。
【符号の説明】
1、1’ 生理用ナプキン
2 表面シート
3、3’ 裏面シート(第1のシート)
4 吸収体
5 シート(第2のシート)
6、6’ ウィング部
7 粘着剤

Claims (3)

  1. 着衣に固定されるウィング部を備えた吸収性物品において、
    前記ウィング部は少なくとも2枚のシートが積層されて形成されており、該ウィング部における着衣装着面を形成する裏面シートからなる第1のシートの表面の一部に100〜400cNの着衣との接着力を有するズレ止め用の粘着剤が配設され、さらに、該ウィング部を形成する不織布からなる第2のシートが、該粘着剤の配設部位に対応する部位において150cN以上の接合強度で該第1のシートにホットメルト接着剤で接合され且つ該部位以外の部位においては接着されておらず、前記ウィング部の外縁部がヒートシールで接着されており、前記第1のシートの引張強度が100〜800cNであり、前記第2のシートが密度0.09〜0.30g/cm 3 の不織布である吸収性物品。
  2. 前記吸収性物品の長手方向における前記ウィング部の引き裂き強度が、該ウィング部の延出基部及びその近傍において800cN以上である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記第1のシートが透湿性を有する請求項1又は2に記載の吸収性物品。
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