JP3868154B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,FAX,プリンタ等に適用され、電子写真方式の画像形成部とインクジェット方式の画像形成部とを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の技術としては、特開平7−295344号公報記載の画像形成装置がある。この公報によれば、電子写真方式の画像形成手段Iとインクジェット方式の画像形成手段IIとを有し、電子写真方式の画像形成手段Iに対して記録材の搬送方向下流側にインクジェット方式の画像形成手段IIが配設された構成が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記した従来技術においては、インクジェット方式の画像形成手段IIが、定着手段より用紙搬送方向下流側に配置されているため、定着手段を通過した後の用紙の熱によってインクが固着する等の不具合が発生するおそれがある。ここで、用紙の熱による影響を防止するために、定着手段と転写手段との間にインクジェット方式の画像形成手段を配置することが考えられるが、その場合には、転写ローラと感光体間のグリップ力が弱いので用紙を正確に送ることが困難であるため、用紙の線速制御性が低下し、画像形成が難しくなる。
【0004】
本発明は、このような問題を解決し、電子写真方式の画像形成部とインクジェット方式の画像形成部とを有する画像形成装置において、定着通過後の用紙の熱で、インクが固着する等の不具合を防止するとともに、インクジェット方式の画像形成部に対して安定した用紙の搬送を可能にした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、電子写真方式によって画像形成を行う第1画像形成部と、インクジェット方式によって画像形成を行う第2画像形成部と、用紙を収納しかつ給紙する給紙部とを有し、前記第2画像形成部が、前記給紙部からの用紙を一定間隔で搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段によって搬送される用紙に対してインクを吐出してインクを用紙に付着させる記録手段と、この記録手段を通過した用紙を前記第1画像形成部側に用紙を送り出す第2搬送手段とを備え、前記給紙部から給紙された用紙が前記第2画像形成部を通りさらに前記第1画像形成部を通るように、用紙の搬送経路を設定した画像形成装置であって、前記第2画像形成部の前記記録手段による記録位置から、前記第1画像形成部の画像転写部にタイミングを取りながら用紙を送り出すレジストローラ対のニップ部までの長さを、はがきサイズよりも大きく設定したことを特徴とする。このように構成したことにより、熱が加わった用紙がインクジェット方式の画像形成部に搬送されないために、インクジェット方式の画像形成部を、給紙部と転写部の間に配置することにより、インクジェット方式の画像形成部が、定着より下流の配置された時、定着通過後の転写紙の熱で、インクが固着する等の不具合の発生が防止でき、また、インクジェット方式の画像形成部における用紙搬送性が維持され、さらに、インクジェット方式の画像形成部によるはがき印字の際に、はがきの先端がレジストローラに到達しないために、はがきの搬送時にレジストローラによる搬送の影響を受けない
【0007】
また本発明は、前記記録手段による記録位置から、前記第1画像形成部の画像転写位置までの間における搬送経路に在る搬送手段の中の少なくとも1つの搬送手段に加熱手段を設けたことを特徴とする。このように構成したことにより、インクジェット方式の画像形成部による画像記録後の用紙のインクを乾燥させてから電子写真方式の画像形成部に用紙を送ることが可能になる。
【0009】
また本発明は、前記記録手段を、用紙の両面に対向させて配置したことを特徴とする。このように構成したことにより、インクジェット方式の画像形成部によって両面印字が可能となる。もしくは、一方の面をインクジェット方式の画像形成部によって印字して他方の面を電子写真方式の画像形成部によって印字すること、さらにはインクジェット方式の画像形成部による画像に電子写真方式の画像形成部による画像を重ね合わせることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施形態における画像形成装置の内部構成を示す説明図であり、Aは電子写真方式による画像形成部、Bはインクジェット方式による画像形成部、Cは給紙部を示し、本実施形態の画像形成装置は画像形成部A,画像形成部B,給紙部Cの3部に大別できる。
【0012】
まず、画像形成部Aの構成について説明する。図1において、1は感光体、2は帯電ローラ、3は書き込みユニット、4は現像ローラ、5は転写ローラ、6はクリーニングブレード、7は定着器を示し、この定着器7はヒートローラ7aとこのヒートローラ7aに当接する加圧ローラ7bとから構成される。また、8はレジストローラ対、9は排紙ローラ対を示す。感光体1の表面には、回転方向に、帯電ローラ2、現像ローラ4、転写ローラ5、クリーニングブレード6が順に当接するように配設されている。
【0013】
帯電ローラ2により感光体1が帯電され、書き込みユニット3によって、画像部にあたる領域が光照射され、照射部分の電位が0V近傍に低下することによって感光体1の表面に静電潜像が形成される。次に、感光体1が回転して静電潜像は現像ローラ4を通過する際にトナーが静電潜像に付着して可視像(トナー像)化され、このトナー像が、次の転写ローラ5を通過する際に、レジストローラ対8から送られてくる用紙に転写される。ここで、感光体1に残った転写残トナーは、クリーニングブレード6により掻き落とされる。また、トナー像が転写された用紙は定着器7を通過する際に加圧/加熱されることによって、トナー像が用紙に定着され、排紙ローラ対9によって外部に排出される。以上が、画像形成部Aによる作像工程である。
【0014】
次に、モノクロまたはカラーのインクジェット方式の画像形成部Bについて説明する。図1において、1点鎖線の部分が画像形成部Bを示し、10は第1インクジェットユニット(以下、第1IJユニットと称する)、11は第1IJユニット10に対向する位置に配置された第2インクジェットユニット(以下、第2IJユニットと称する)、12は一定の間隔でIJユニット10,11に用紙を搬送する搬送ローラ対、13はIJユニット10,11を通過した用紙をレジストローラ対8側に搬送する搬送ローラ対を示す。
【0015】
画像形成部Bは装置本体に対して着脱可能なユニット体として構成されている。また、第1IJユニット10または第2IJユニット11の画像形成位置からレジストローラ対8のニップ部までの長さは、はがきサイズ(はがきの長辺)よりも長くなるように設定されている。
【0016】
搬送ローラ対12によって搬送される用紙の上面に対して第1IJユニット10が画像形成を行い、下面に対して第2IJユニット11が画像形成を行う。第1IJユニット10または第2IJユニット11の少なくとも何れか一方によって画像形成された用紙は、レジストローラ対8を通過し、さらに転写ローラ5,定着器7を通過して、排紙ローラ対9によって外部に排出される。
【0017】
ここで、搬送ローラ対12,13によって送られる用紙の線速をV1とし、レジストローラ対8から感光体1に送られる用紙の線速をV2とした時、V1>V2となるように速度制御されている。この場合、搬送ローラ対13とレジストローラ対8との間に用紙のたるみが生ずるために、このたるみを吸収するバッファ部20が設けられている。これにより、用紙の、IJユニット10,11の部位における用紙送り速度と、電子写真方式の画像形成部Aの用紙送り速度との干渉を防止し、各々が独立した線速で画像形成ができるようになるため、良好な画像が得られる。
【0018】
次に、給紙部Cについて説明する。図1において、14は、装置本体の下部に着脱可能に設けられ、用紙を収納する給紙カセット、15は給紙カセット14の用紙を一枚ずつ送り出す給紙コロ、16は給紙コロ14によって給紙された用紙を搬送ローラ対12側に搬送する搬送ローラ対、17は装置本体の側部に取り付けられた手差し給紙トレイ、18は手差し給紙トレイ17に載置された用紙を一枚ずつ搬送ローラ対12側に送り出す給紙コロを示す。
【0019】
給紙カセット14または手差し給紙トレイ17の用紙は、最初に画像形成部Bを通過し、さらに画像形成部Aを通過して外部に送り出される。
【0020】
図示しない外部装置から画像形成装置にスタート信号が送られると、給紙コロ15が作動して、用紙が給紙カセット14より送り出され、搬送ローラ対16でさらに先へ送られる。そして、用紙は、搬送ローラ対12のニップ部で先端が一旦揃えられた後に搬送ローラ対12で先送りされ、IJユニット10またはIJユニット11の少なくとも何れか一方によって用紙面に画像が形成される。この時、IJユニット10,11の動きに連動する形で、用紙送り速度が制御される。搬送ローラ対13に対しても同様の駆動制御がなされる。
【0021】
この用紙が、ここには図示されないセンサによってレジストローラ対8手前で先端部が検知され、停止状態のレジストローラ対8のニップ部へ到達するが、到達後においてもさらにレジストローラ対8の停止状態を継続して、用紙にある程度のたるみを形成させた後、画像形成部Aの感光体1上のトナー像の先端と、用紙先端とが一致するようにタイミングを推し量って、レジストローラ対8を回転させて用紙を送り出す。この時、IJユニット10,11の部位における用紙送り速度をV1、画像形成部Aの速度をV2とした時に、V1>V2としているので、仮に1枚の用紙の先後端部が同時に画像形成部A,Bの画像記録部に位置している場合においても、バッファ部20において用紙が撓むようになるため、搬送ローラ12,13間、およびレジストローラ対8から感光体1と転写ローラ5とのニップ部までの間において互いの線速の影響を受けることなく、良好な画像形成が可能になる。そして、転写ローラ5によってトナー像が転写された用紙は、さらに先へ送られ定着器7でトナーが用紙へ加熱、融着され、排紙ローラ対9によってコピーとして、排出される。
【0022】
ここで、画像形成部Aのみによる画像形成の場合は、先の速度V2は、V2=V1としてもなんら問題はなく、さらに速度V2は、速度V1より大きい値に設定して、画像作成効率を大きく向上させることも可能である。また、画像形成部Bによる画像形成のみの時も、V1=V2とすることにより、画像作成効率を上げることが可能になる。
【0023】
このように本実施形態の装置によれば、給紙カセット14または手差し給紙トレイ17と電子写真方式による画像形成部Aとの間にインクジェット方式による画像形成部Bを設けたことにより、画像形成部Bに熱を有する用紙が搬送されないため、従来、定着以降に配置したことによる用紙の熱の影響によってIJユニット10,11が悪影響を受けることが防止される。さらに、搬送ローラ対12を用紙搬送の目的にのみ使用するため、用紙の線速制御性が落ちることがなく、用紙の熱による影響を防止するために、定着−転写間に画像形成部Bを配置する必要がなくなる。
【0024】
さらに、IJユニット10,11の記録位置からレジストローラ8のニップ部までの距離を、はがきサイズより長くなるように設定することにより、IJユニット10,11によるはがきへの印字の際、先の電子写真方式の画像形成部Aに用紙を送る際の線速の影響を受けないようになる。さらに、第2IJユニット11は、用紙搬送経路の下側(用紙下面側)に配置されている。これにより、両面コピーが、一つの搬送経路しか持たない機構でも可能となり、従来のように、両面コピー用搬送トレイを追加する必要が無い。
【0025】
また、画像形成部Bが1つにユニット化され、この部分の着脱を可能にしたことによりサプライ(インク)の交換性を著しく向上させることができる。
【0026】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明の構成は上述のものに限るものではない。例えば、搬送ローラ対13またはレジストローラ対8を構成するローラの少なくとも1つのローラにヒータを装着し、ローラを温めておく構成とすることも可能であり、これにより、画像形成部Bによって形成された画像を乾燥させてから、画像形成部Aに送ることが可能となり、その結果、次工程への悪影響(インクの付着)を及ぼさないようにすることが可能となる。
【0027】
さらに、電子写真方式の画像形成部Aを一体ケースに納められているユニット体として構成することにより、交換時において一括交換を可能にすることができる。
【0028】
なお、手差し給紙トレイ17に、高画質対応のインクジェット専用用紙(例えばはがき)を収納し、画像形成部Aを使用せずにIJユニット10,11により印字する時に、転写ローラへのバイアス印加およびヒートローラ7aの加熱を解除することにより、画像形成部Bによって印字された用紙に対してトナーが付着することや熱が加わることが防止されるため、高品質画像を得ることが可能になる。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したように構成された本発明によれば、従来のように、熱が加わった用紙がインクジェット方式の画像形成部に搬送されないために、インクジェット方式の画像形成手段を、給紙部と転写部の間に配置することにより、インクジェット方式の画像形成手段が、定着より下流の配置された時、定着通過後の転写紙の熱で、インクが固着する等の不具合の発生が防止でき、また、インクジェット方式の画像形成部における用紙搬送性が維持され、さらに、インクジェット方式の画像形成部によるはがき印字の際に、はがきの先端がレジストローラに到達しないために、はがきの搬送時にレジストローラによる搬送の影響を受けないようにすることができる。
【0031】
また、インクジェット方式の画像形成部による画像記録後の用紙のインクを乾燥させてから電子写真方式の画像形成部に用紙を送ることが可能になる。
【0033】
また、インクジェット方式の画像形成部によって両面印字が可能となる。もしくは、一方の面をインクジェット方式の画像形成部によって印字して他方の面を電子写真方式の画像形成部によって印字すること、さらにはインクジェット方式の画像形成部による画像に電子写真方式の画像形成部による画像を重ね合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における画像形成装置の内部構成を示す説明図
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電ローラ
3 書き込みユニット
4 現像ローラ
5 転写ローラ
6 クリーニングブレード
7 定着器
7a ヒートローラ
7b 加圧ローラ
8 レジストローラ対
9 排紙ローラ対
10 第1インクジェットユニット(第1IJユニット)
11 第2インクジェットユニット(第2IJユニット)
12,13,16 搬送ローラ対
14 給紙カセット
15 給紙コロ
17 手差し給紙トレイ
18 手差し給紙コロ

Claims (3)

  1. 電子写真方式によって画像形成を行う第1画像形成部と、インクジェット方式によって画像形成を行う第2画像形成部と、用紙を収納しかつ給紙する給紙部とを有し、前記第2画像形成部が、前記給紙部からの用紙を一定間隔で搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段によって搬送される用紙に対してインクを吐出してインクを用紙に付着させる記録手段と、この記録手段を通過した用紙を前記第1画像形成部側に用紙を送り出す第2搬送手段とを備え、前記給紙部から給紙された用紙が前記第2画像形成部を通りさらに前記第1画像形成部を通るように、用紙の搬送経路を設定した画像形成装置であって、
    前記第2画像形成部の前記記録手段による記録位置から、前記第1画像形成部の画像転写部にタイミングを取りながら用紙を送り出すレジストローラ対のニップ部までの長さを、はがきサイズよりも大きく設定したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記記録手段による記録位置から、前記第1画像形成部の画像転写位置までの間における搬送経路に在る搬送手段の中の少なくとも1つの搬送手段に加熱手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記記録手段を用紙の両面に対向させて配置したことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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