JP3867900B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法では感光体に常法により静電潜像を形成し、乾式トナーで現像後、トナー画像をコピー用紙上に転写し、ついで熱定着(通常、熱ローラーを使用)してコピーを得ている。この方法で用いられる乾式トナーは周知の様にバインダー樹脂及び着色剤を主成分とし、これに必要に応じて帯電制御剤、オフセット防止剤等の添加物を含有させたものである。
【0003】
ここでバインダー樹脂としては、トナー用として要求される特性、即ち透明性、絶縁性、耐水性、流動性(粉体として)、機械的強度、光沢、熱可塑性、粉砕性等の点からポリスチレン、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が一般に使用され、中でもスチレン系樹脂が粉砕性、耐水性及び流動性に優れている事から、広く使用されている。
【0004】
しかし、スチレン系樹脂含有トナーで得られたコピーを保存するために、塩化ビニル系樹脂シート製書類ホルダー中に入れておくと、コピーの画像面がシートと密着状態で放置されるため、シート、即ち塩化ビニル系樹脂に含まれる可塑剤が定着トナー画像に転移してこれを可塑化し、シート側に溶着せしめ、その結果、コピーをシートから離すと、コピーからトナー画像が一部または全部剥離し、またシートも汚れてしまうという欠点があつた。この様な欠点はポリエステル樹脂含有トナーにも見られる。
【0005】
以上の様な塩化ビニル系樹脂シートへの転移防止策として特開平7−77832号公報ではエポキシ樹脂を原材料として合成したポリオール樹脂を使用する提案がなされている。
【0006】
このようなポリオール樹脂は、原材料としてエポキシ樹脂およびビスフェノールAを用いており、エポキシ樹脂のエポキシ基とビスフェノールAの活性水素部分とを反応させて樹脂合成を行なっている。エポキシ樹脂のエポキシ基は化学的に非常に活性であり、生化学的には皮膚刺激等の毒性があると考えられるため、ポリオール樹脂合成の際には、活性水素のモル数をエポキシ基のモル数よりも多くして、エポキシ基が全て反応してエポキシ基が残らないようなポリオール樹脂としている。
【0007】
しかしながら、活性水素は若干残るため、原材料として使用しているビススフェノールAの一部が未反応のままポリオール樹脂中に残存している。
ビスフェノールAは近年環境ホルモンとして疑われており、トナーの安全性の面から問題となる可能性が考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は次に記載するとおりである。
1)環境ホルモンとして疑われている残存ビスフェノールAのトナー中の量を、重量濃度で1000μg/g以下に抑え、安全性の高いトナーを提供すること。
2)コピーの定着画像面を塩化ビニル系樹脂シートに密着させても、シートへのトナー画像の転移のない電子写真用トナーを提供すること。
3)カラー再現性が優れ、かつ光沢が安定したムラのでない電子写真用トナーを提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明の態様は次のとおりである。
【0010】
(1)少なくとも着色剤及びバインダー樹脂を主成分とする電子写真用トナーにおいて、バインダー樹脂として、
(1)エポキシ樹脂と、
(2)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する1価フェノール類と、
(3)エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する2価フェノール類及び多価フェノール類のうちの少なくとも一方の化合物と、
を反応させてなる軟化点が109℃以下であるポリオール樹脂を用い、トナー中に存在する未反応のビスフェノールAの重量濃度が1000μg/g以下で、エポキシ当量が20,000以上であることを特徴とする電子写真用トナー。
【0011】
(2)前記(3)エポキシ基と反応する活性水素2個以上有する化合物として、少なくともビスフェノールAを用いたポリオール樹脂を用いることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真用トナー。
【0015】
)前記ポリオール樹脂が(1)エポキシ樹脂として、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルで、かつ下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも含むポリオール樹脂であることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真用トナー。
【0016】
【化2】
Figure 0003867900
【0017】
)前記(1)エポキシ樹脂として、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真用トナー。
【0018】
)前記(3)エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する化合物として、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物と多価カルボン酸とを反応させた化合物を少なくとも用いることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真用トナー。
【0019】
)前記2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物と多価カルボン酸とを反応させた化合物が、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることを特徴とする上記()に記載の電子写真用トナー。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる▲1▼エポキシ樹脂は、エポキシ結合を2個以上持っているものであれば全て使用できる。一般的には、下記一般式(2)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂が代表的なものであり、これは化学工業的にも安価で入手し易く、化学的にも安定している。本発明ではこのようなビスフェノールA等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られるエポキシ樹脂を一部使用すると安価でよい。
【0021】
【化3】
Figure 0003867900
【0022】
本発明において用いるポリオール樹脂は、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に有する化合物を原料として用い、この化合物とエポキシ樹脂とを、直鎖状または網目状の分子構造を形成するようにして合成される。すなわち、ポリオール樹脂を直鎖状または網目上の分子構造を有するものとするために▲3▼エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する化合物を原料として用いて、分子を大きくしている。また、ポリオール樹脂を合成する際に、分子量を適当な大きさにするために、▲2▼エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物を用いて、樹脂分子の末端をキャッピングして、樹脂分子が大きくなるのを防いでいる。
【0023】
本発明において用いる(2)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類がある。1価フェノール類としては以下のものが例示される。フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジンなどが挙げられる。
【0024】
本発明で用いる(3)エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する化合物としては、2価フェノール類、多価フェノール類が挙げられる。
2価フェノールとしてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また、多価フェノール類としてはオルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示される。
【0025】
ビスフェノールAを使用するとコスト的に、またトナー樹脂の耐薬品性が向上し、塩化ビニル系樹脂シートへの転移防止が完全となる。
【0026】
本発明においては、トナーの安全性の面から、近年環境ホルモンとして疑われている残存するビスフェノールAの量をトナー中において1000μg/g以下とする。以下に、残存するビスフェノールA量を少なくする方法について述べる。
【0027】
エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する化合物として、上記で例示したビスフェノールA以外の化合物を使用すれば、ビスフェノールAは残存しなくなる。しかしながら、耐薬品性を考えると、ポリオール樹脂としてはなるべくであれば、ビスフェノールAを骨格としたものを用いることが好ましい。
【0028】
そして、ビスフェノールAを骨格として、かつ、残存するビスフェノールAをなしたポリオール樹脂を作る方法としては下記の方法を用いることが好ましい。すなわち、エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する化合物として、下記一般式(3)の化合物を使用する。
【0029】
【化4】
Figure 0003867900
【0030】
上記化合物は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとを適切な割合で反応させることにより、残存するビスフェノールAのないものとして得ることが出来る。従来、この方法によると樹脂の粘性が高くなるため、ビスフェノールA単体で使用するよりも溶媒量が多くなりコストアップするので、この方法は用いられてこなかった。しかし安全性を考え、更に耐薬品性も備えることを考慮すると、この方法を用いることが最も好ましい。
【0031】
また、ビスフェノールAを使用して、残存するビスフェノールAの量を1000μg/g以下とすることも可能である。これは、エポキシ樹脂のエポキシ基の量とエポキシ基と反応する活性水素の量を精度よく、同量にすることにより達成できる。
【0032】
エポキシ基の量をエポキシ基と反応する活性水素の量よりも多くすれば、活性水素を持つビスフェノールAは当然、単独では残存しなくなるが、エポキシ基が樹脂中に残ってしまうこととなる。そして、このエポキシ基は化学的に活性であり、皮膚刺激性等の毒性が考えられるため、従来はエポキシ基と反応する活性水素の量を、エポキシ基の量に対して、多くしていたため、エポキシ基は残らなくなるが、活性水素を持つビスフェノールAなどの化合物が若干残存するようになる。
【0033】
本発明では、エポキシ樹脂のエポキシ基の量とエポキシ基と反応する活性水素の量とを精度よく、同量にすることにより、ポリオール樹脂中のエポキシ基をなくし、残存するビスフェノールAの量を1000μg/g以下とすることが達成できる。また、その他に注意すべき事項としては、原材料を精度高く計量すること並びに反応残がないように十分に攪拌を行うと共に反応するに十分な時間をとること等が挙げられる。
【0034】
また、原材料のエポキシ基の量のばらつき、原材料の純度、計量誤差等により、エポキシ基の量が活性水素量に対して若干多くなってしまう場合のことを考慮に入れる必要がある。具体的には、十分な反応時間と反応時に十分な温度を与えることにより、エポキシ基と活性水素が反応して出来たアルコール性OH基とエポキシ基が反応する。このため、十分な反応時間と温度を与えることにより、エポキシ基がポリオール樹脂に残ることはなくなる。
【0035】
次にトナー中に単独で残存するビスフェノールA濃度の測定方法を示す。
本発明の極性溶媒可溶成分重量濃度は、例えば以下で示す高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により求めることができる。他にガスクロマトグラフィーにより求める方法もあるが、精度の点でHPLCの方が好ましい。
【0036】
試料はトナーや樹脂が可溶な溶媒(例えばテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム等)に溶解後、該溶液にメタノール等の極性溶媒(例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、アセトニトリル、水やそれらの混合液等)を加えることにより沈殿を生成させて極性溶媒不溶分を除去し、極性溶媒可溶分を抽出する。抽出成分をHPLCにより分離定性の後、標準試料を用いて定量する。
【0037】
詳細な例は以下で示すが、極性溶媒可溶分を精度良く分析できる手法であれば以下の装置、条件に限定されない。
Figure 0003867900
【0038】
4)試料調製の手順
▲1▼100ml三角フラスコに試料1gを精秤する。
▲2▼THF30mlを加え溶解する。
▲3▼完全に溶解したら、メタノール50mlを加えて沈殿を生成させる。
▲4▼5A濾紙で濾過後、溶媒を除去する。
▲5▼アセトニトリル5ml及び蒸留水を5mlで定容とする。
▲6▼上記溶液をフィルターで濾過し、HPLC試料とする。
▲7▼標準試料も同様にして調製を行う。
【0039】
本発明において用いるポリオール樹脂は、エポキシ樹脂を原材料として用いているが、エポキシ基は化学的に非常に活性であり、生化学的には皮膚刺激等の毒性が考えられるため、エポキシ基を有していない。すなわち、本発明におけるポリオール樹脂とは、エポキシ骨格を有するが末端エポキシを実質的に有さないポリオール樹脂をいう。
【0040】
エポキシ基の量を表すのに、エポキシ当量というものが使われている。エポキシ当量とは、エポキシ基1個あたりの当量(g/eqiv.)で、平均分子量を1分子あたりのエポキシ基の数で割った値である。エポキシ当量は、JIS K7236の4.2に示される指示薬滴定法により求める。但し、エポキシ当量の検出限界は20,000程度であり、20,000以上であれば、ほぼエポキシ基が存在しないと考えられる。
【0041】
本発明において用いるエポキシ樹脂は、好ましくはビスフェノールA等のビスフェノールとエピクロロヒドリンとを結合して得られたものである。エポキシ樹脂は安定した定着特性や光沢を得るために、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であることが好ましい。更に低分子量成分が20〜50wt%、高分子量成分が5〜40wt%であることが好ましい。
【0042】
低分子量成分が多すぎたり分子量360よりさらに低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性が悪化する可能性がある。また、高分子量成分が多すぎたり分子量10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不足したり、さらには定着性が悪化する可能性がある。
【0043】
本発明において用いるポリオール樹脂に、好ましくはビスフェノールA等のビスフェノールにアルキレンオキサイドを付加した材料をその構成物質の一つとして用いると、トナー樹脂に適度な可撓性が得られ、紙への定着性、およびコピー定着画像のカール防止等の効果をもたらす。
【0044】
本発明において、ビスフェノールにアルキレンオキサイドを付加した材料を導入する方法としては、次の2つの方法がある。
【0045】
第一の方法は、前記本願発明の態様(7)で述べたように、ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物をエピクロロヒドリンを用いて、エポキシ化したものを使用する方法である。エポキシ樹脂としてポリオール樹脂合成に用いる。
具体的には、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物を例示することができる。また、得られた付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。特に下記一般式(1)で表わされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【0046】
【化5】
Figure 0003867900
【0047】
また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることが好ましい。この含有量が少ないと、トナー樹脂自体に可撓性がなく、カールが増したり、紙との接着不良などの不具合が生じる。またn+mが7以上であったり量が多すぎると、コピー定着画像面の塩化ビニル系シートへの画像転移が起こり易くなったり、光沢が出すぎたり、さらには保存性が悪化する可能性がある。
【0048】
第2の方法としては、前記発明の態様(8)で述べたように、ビスフェノールAなどの2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物に多価カルボン酸をエステル結合させた化合物をエポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する化合物として用いる方法である。特に下記一般式(4)で表わされる化合物が好ましい。
【0049】
【化6】
Figure 0003867900
【0050】
多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸が例示される。
【0051】
また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物と多価カルボン酸とを反応させた化合物は10〜40wt%含まれていることが好ましい。この含有量が少ないと、トナー樹脂自体に可撓性がなく、カールが増したり、紙との接着不良などの不具合が生じ、またn+mが7以上であったり量が多すぎると、コピー定着画像面の塩化ビニル系シートへの画像転移が起こり易くなったり、光沢が出すぎたり、さらには保存性が悪化する可能性がある。
【0052】
得られた樹脂のTgは各々50℃〜75℃であることが好ましく、55℃〜70℃であることがより好ましい。Tgが低いとトナーボトルや現像器内で凝集物が発生しやすく、凝集物が現像されて転写時に凝集物部分の画像が白く抜ける現象が起きやすい傾向がある。逆にTgが高いと十分な画像光沢が得にくいという問題を生ずる傾向がある。
【0053】
次に本発明のトナーに用いられるその他の材料について説明する。
本発明のトナーには、トナーに離型性を付与するいわゆる離型剤を用いても良い。用いられる離型剤の軟化点は70〜100℃が好ましい。軟化点が70℃よりも低いと保存安定性に問題があり、逆に軟化点が100℃より高いと定着が不十分になるのみでなく、カラー画像としては光沢が低くなるなど貧弱なものとなりやすいからである。
【0054】
具体的な離型剤としては、低分子量のポリエチレンやポリプロピレン、それらの共重合体等の合成ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバワックス等の植物ワックス、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等の動物ワックス、モンタンワックスやオゾケライト等の鉱物ワックス、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステル等の油脂ワックスなどがあげられる。ワックスを化学構造の点からみると、炭化水素系のワックス、エステル系のワックス、アミド系のワックス等が知られているが、本発明においてはエステル系のワックスが、保存性や画像品質、定着温度幅等を評価すると好適である。
【0055】
離型剤の量はトナー全体に対して1〜6重量部が好適である。
6重量部より多いと保存安定性等に問題が生じたり、画像表面が荒れたり、光沢が低くなったりしやすく、また、1重量部より少なくても画像表面が荒れやすく光沢が低くなるなどカラー画像としては貧弱なものとなりやすい。
【0056】
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物である。
着色剤の使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0057】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等が使用できる。
【0058】
またその他の添加物としては、例えばシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニュウムなど)、金属酸化物(酸化チタン、酸化アルミニュウム、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。特に、疎水化されたシリカ、チタニア、アルミナ微粒子が好適である。
【0059】
シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HDK H 1303VP(以上、クラリアント社製)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上、日本アエロジル社製)を挙げることができる。
【0060】
また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル社製)やSTT−30、STT−65C−S(以上、チタン工業社製)、TAF−140(富士チタン工業社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B(以上、テイカ社製)等がある。
【0061】
特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本エアロジル社製)やルチル型としてMT−100S、MT−100T、MT150A、MT150AFM、MT−150AI(以上、テイカ社製)やSTT−30A、STT−65S−S(以上、チタン工業社製)、TAF−500T、TAF−1500T(以上、富士チタン工業社製)、MT−100S、MT−100T(以上、テイカ社製)、IT−S(石原産業社製)等を挙げることができる。
【0062】
疎水化処理されたシリカ微粒子およびチタニア微粒子、アルミナ微粒子は、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。また、添加物として脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等)、金属酸化物(アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、フルオロポリマー等を併せて含有してもよい。
【0063】
以上のような材料からなる本発明のトナーは以下に示すキャリアと共に2成分系現像剤として使用しても、トナー単独で1成分系現像剤として使用してもよい。
【0064】
2成分系現像剤として使用される場合、使われるキャリアとしては鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、従来と同様である。なおこれらキャリアは樹脂を被覆したものでもよい。この場合使用される樹脂は公知のものでよいが、例として、アクリル樹脂、ポリ弗化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
いずれにしてもトナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー2.5〜8.0重量部程度が適当である。
【0065】
本発明の樹脂の軟化点、Tgを測定する方法としては、次の方法を用いる。
まず、軟化点を測定する装置として、メトラ社の全自動滴点装置FP5/FP53を使用し、以下の手順で測定する。
【0066】
▲1▼ 粉砕試料を溶融つぼに入れて20分放置した後、試料カップ(滴下口径 6.35mm)のカップのふちまで試料を注ぎ込み、常温になるまで冷却してカートリッジにセットする。
▲2▼ FP−5コントロールユニットに所定の昇温速度(1℃/min)測定開始温度(予期軟化温度の15℃以下に設定する)をセットする。
▲3▼ FP−53加熱炉にカートリッジを装着し、30秒放置後、スタートレバーを押し下げ、測定を開始する(以後の測定は自動的に行なわれる)。
▲4▼ 測定が終了したら、カートリッジをはずす。
▲5▼ 軟化点(℃)を、以下のように計算する。
FP−5の結果表示パネルAの値+補正値
注)得られた結果に上記の補正値を加えれば、デュラン水銀法の結果と対応する。
注)結果表示パネルAの値と測定開始温度(パネルB、Cの値)の差が15℃以上でない時は試験をやりなおす。
【0067】
次に、Tgを測定する装置として、セイコー電子製DSC−200を使用、以下の手順で測定する。
▲1▼ 試料を粉砕し、重量10±1mgをアルミ製試料容器に計り取り、その上からアルミ蓋をクリンプする。
▲2▼ 窒素雰囲気中でDSC法によりガラス転移点(Tg)を測定する。
【0068】
分析条件
試料を、室温から昇温速度20℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、降温速度50℃/minで0℃まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気(20cc/min)で再度150℃まで昇温速度20℃/minで加熱してDSC測定を行う。Tgは、解析ソフト〔Tgジョブ〕を用いてピーク立ち上がり温度を読み取る。
また、エポキシ当量はJIS K7236の4.2に示される指示薬滴定法によった。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。なお、以下の「部」は全て「重量部」である。
まず、実施例において用いるポリオール樹脂の合成例について述べる。
【0070】
(合成例1)
撹拌装置、温度計、N2導入口及び冷却管を備えたセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約1000)1000g、テレフタル酸50g、安息香酸10g、キシレン300gを加えた。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点108℃、Tg61℃のポリオール樹脂約1kgを得た(以下「樹脂1」という)。
残存ビスフェノールA量0μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0071】
(合成例2)
撹拌装置、温度計、N2導入口及び冷却管を備えたセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)562g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)104g、ビスフェノールA325g、p−クミルフェノール80g、キシレン300gを加えた。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点107℃、Tg58℃のポリオール樹脂約1kgを得た(以下「樹脂2」という)。
残存ビスフェノールA量830μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0072】
(合成例3)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約1000)500g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約50000)404g、ビスフェノールA103g、p−クミルフェノール59g、キシレン300gをセパラブルフラスコに仕込んだ。
2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点109℃、Tg58℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下「樹脂3」という)。
残存ビスフェノールA量280μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0073】
(合成例4)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)302g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約3000)100g、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加物のジグリシジル化物〔前記一般式(3)においてn+m:約5.9〕336.0g、ビスフェノールA210g、p−クミルフェノール100g、キシレン300gをセパラブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点109℃、Tg58℃のポリオール樹脂約1kgを得た(以下「樹脂4」という)。
残存ビスフェノールA量950μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0074】
(合成例5)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)310g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約6500)303g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前記一般式(3)においてn+m:約2.0〕300g、フマル酸130g、ステアリン酸50g、キシレン300gをセパラブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点114℃、Tg60℃のポリオール樹脂1kgを得た(以下「樹脂5」という)。
残存ビスフェノールA量0μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0075】
(合成例6)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)398g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約6500)403g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物と無水フタル酸縮合の2価の酸199g、ビスフェノールA50g、p−クミルフェノール51g、キシレン300gをセパラブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点112℃、Tg59℃のポリオール樹脂約1kgを得た(以下「樹脂6」という)。
残存ビスフェノールA620量0μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0076】
(合成例7)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)160g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約3000)170g、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前記一般式(3)においてn+m:約2.1〕170g、一般式(2)のビスフェノールAの化合物(数平均分子量:約800)380g、p−クミルフェノール200g、キシレン300gをセパラブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点118℃、Tg62℃のポリオール樹脂約1kgを得た(以下樹脂7という)。
残存ビスフェノールA量0μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0077】
(合成例8)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約1000)1000g、テレフタル酸40g、安息香酸10g、キシレン300gを加えた。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点108℃、Tg61℃のポリオール樹脂 約1kgを得た(以下「樹脂8」という)。
残存ビスフェノールA量0μg/g、エポキシ当量9,380であった。
【0078】
(合成例9)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)390g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約6500)403g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物と無水フタル酸縮合の2価の酸199g、ビスフェノールA50g、p−クミルフェノール51g、キシレン300gをセパラブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点112℃、Tg59℃のポリオール樹脂約1kgを得た(以下「樹脂9」という)。
残存ビスフェノールA量8850μg/g、エポキシ当量20,000以上であった。
【0079】
(合成例10)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)435g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約6500)403g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物と無水フタル酸縮合の2価の酸199g、ビスフェノールA50g、p−クミルフェノール51g、キシレン300gをセパラブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温して減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点112℃、Tg59℃のポリオール樹脂約1kgを得た(以下「樹脂10」という)。
残存ビスフェノールA量120μg/g、エポキシ当量9,800であった。
【0080】
参考例1]
トナー処方
合成例1の樹脂 100部
シアン顔料(銅フタロシアニン) 4部
オリエント化学工業社製E−84 2部
上記材料の混合物を熱ロールミルで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕した後、エアージェット粉砕機で微粉砕し得られた微粉末を分級して平均粒径約7μmの母体トナーを作った。
次に得られた母体トナー100部に対し、疎水性シリカHDK2000H(クラリアントジャパン製)0.8部を混合し、トナーを得た。
【0081】
[実施例1〜、参考例2〜4
参考例1において、樹脂を合成例2〜7の樹脂に変更した以外は、参考例1と同一の処方、同一の方法で実施例1〜、参考例2〜4のトナーを得た。
【0082】
[比較例1〜3]
参考例1において、樹脂を合成例8〜10の樹脂に変更した以外は、参考例1と同一の処方、同一の方法で比較例1〜3のトナーを得た。
【0083】
[比較例4]
参考例1において樹脂をポリエステル樹脂に変更した以外は、参考例1と同一の処方、同一方法で比較例4のトナーを得た。前記ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、テレフタル酸、フマル酸を60:40:25:75のモル比で縮重合させて得た樹脂で、軟化点107℃、Tg59℃である。
【0084】
〈評価結果〉
実施例1〜のトナー、参考例1〜4、比較例1〜4のトナーについて、残存ビスフェノールA量、エポキシ当量を測定した。
実施例1〜のトナー、参考例1〜4、比較例1〜4のトナーをリコー製カラー複写機Imagio Color2800に入れ、画像出しをおこなった。その画像を塩化ビニールシートと密着させて50℃/1週間保存し、塩化ビニールシートへのトナー付着を評価した。
【0085】
表1に評価結果を示す。
評価ランクの内容は次の通りである。
◎ :全く問題なし
○ :問題なし
△ :若干問題あるが許容レベル
× :問題あり
【0086】
【表1】
Figure 0003867900
【0087】
上記表1に示された結果から明らかなように、本件発明の実施例のトナーは、比較例のトナーに比して、残存ビスフェノールAの量が少なく、エポキシ当量が大きく、また、塩化ビニールシートへのトナー移りも少ないという特徴を有している。
【0088】
【効果】
本発明の電子写真用トナーを用いることにより、残存するビスフェノールA量、残存するエポキシ基が少ないトナーが得られ、安全性の高いトナーがえられる。また、得られる複写画像が塩ビマット等に付着しないトナーを得ることができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも着色剤及びバインダー樹脂を主成分とする電子写真用トナーにおいて、バインダー樹脂として、
    (1)エポキシ樹脂と、
    (2)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する1価フェノール類と、
    (3)エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する2価フェノール類及び多価フェノール類のうちの少なくとも一方の化合物と、
    を反応させてなる軟化点が109℃以下であるポリオール樹脂を用い、トナー中に存在する未反応のビスフェノールAの重量濃度が1000μg/g以下で、エポキシ当量が20,000以上であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記(3)エポキシ基と反応する活性水素2個以上有する化合物として、少なくともビスフェノールAを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記ポリオール樹脂が(1)エポキシ樹脂として、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルで、かつ下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも含むポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
    Figure 0003867900
  4. 前記(1)エポキシ樹脂として、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記(3)エポキシ基と反応する活性水素を2個以上有する化合物として、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物と多価カルボン酸とを反応させた化合物を少なくとも用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  6. 前記2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物と多価カルボン酸とを反応させた化合物が、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることを特徴とする請求項に記載の電子写真用トナー。
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