JP3867532B2 - 車両管理装置、車両管理方法、車両管理プログラム、車両管理プログラムを記録した記録媒体、および監視システム - Google Patents
車両管理装置、車両管理方法、車両管理プログラム、車両管理プログラムを記録した記録媒体、および監視システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される車載監視装置を、端末装置からの入力に応じて動作させる車両管理装置を有する監視システムにおいて、特に、車載監視装置から送信される車両情報に応じて車載監視装置の動作を制御する車両管理装置、車両管理方法、車両管理プログラム、車両管理プログラムを記録した記録媒体、および監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車に搭載される車載監視装置を遠隔操作するシステムとして、車載監視装置の動作モードである監視モード(セキュリティーモード)を設定するリモコンとしての端末装置(例えば携帯電話)と、車載監視装置と端末装置との間の通信を仲立ちする車両管理装置とを用いた構成が知られている。
【0003】
このシステムでは、端末装置から入力されるID情報に基づいて利用者が正規のシステム利用者であることが車両管理装置にて確認された後、端末装置から入力される車載監視装置のセキュリティーモードの情報が車両管理装置に送信される。すると、車両管理装置は、上記セキュリティーモードに応じた動作を行うように、車載監視装置に動作指示を出し、車載監視装置がそのような動作を行うようになる。例えば、上記セキュリティーモードがONであれば、車載監視装置は、異常を検知したときにその情報を車両管理装置を介して端末装置に送信する。一方、上記セキュリティーモードがOFFであれば、車載監視装置は、異常検知を行わず、待機状態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のシステムでは、正規の利用者であれば、端末装置からの入力により、車両の現在位置等の車両環境に関係なく自由に車載監視装置を動作させることができる。
【0005】
しかし、例えば、車両が自宅駐車場にある場合とショッピングセンターの駐車場にある場合とのように、車両環境が大きく異なっている場合に、これらの両者に対して、何ら制限のない一律な条件で、端末装置からの入力により車載監視装置を動作させるようにすることは、システム運営上、問題がある。
【0006】
つまり、自宅駐車場は、利用者が車両を駐車するのによく利用する場所であるため、車両が自宅駐車場にある場合、利用者が車載監視装置を動作させるときの安全性は高いと言える。一方、ショッピングセンターの駐車場は、自宅駐車場ほど利用者の利用頻度は高くないため、車両がショッピングセンターの駐車場にある場合は、車両が自宅駐車場にある場合に比べて、上記の安全性は若干劣る。したがって、上記後者の場合においても、上記前者の場合と同一条件で車載監視装置を動作させると、システムを安全に運営できるか否かにおいて疑問が残る。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、車両環境に応じて車載監視装置の動作を制限することによって、安全なシステム運営を図ることができる車両管理装置、車両管理方法、車両管理プログラム、車両管理プログラムを記録した記録媒体、および監視システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両管理装置は、上記の課題を解決するために、車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる制御手段を備えた車両管理装置であって、上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を少なくとも1個記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記車両環境に関する条件の全てを満たしている場合に、上記車載監視装置を動作させることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る車両管理方法は、上記の課題を解決するために、車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる車両管理装置における車両管理方法であって、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が、上記車両管理装置の記憶手段に少なくとも1個記憶された、上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を全て満足している場合に、上記車載監視装置を動作させることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、記憶手段には、車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件が少なくとも1個記憶されている。例えば、“車両位置が自宅駐車場であれば車載監視装置を動作させることができる”とか、“現在日時が所定時間帯であれば車載監視装置を動作させることができる”といった条件が記憶手段に記憶されている。
【0011】
制御手段は、車載監視装置から送信される車両環境情報が、上記車両環境に関する条件の全てを満たしている場合に、端末装置からの入力に応じて車載監視装置を動作させる。これにより、上記車両環境情報が上記条件を満たしているか否かに応じて、つまり、車両環境に応じて、車載監視装置を動作させたり動作させなかったりすることができる。その結果、車両環境に応じた安全なシステム運営が可能となる。
【0012】
本発明に係る車両管理装置は、上記の課題を解決するために、上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる車両の位置条件を含んでいることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、車両位置に応じて、車載監視装置を動作させたり動作させなかったりすることができ、車両位置に応じた安全なシステム運営が可能となる。
【0014】
本発明に係る車両管理装置は、上記の課題を解決するために、上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる時期の条件を含んでいることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、車載監視装置を動作させようとする時期に応じて、その動作を行わせたり行わせなかったりすることができ、動作時期に応じた安全なシステム運営が可能となる。
【0016】
本発明に係る車両管理装置は、上記の課題を解決するために、上記記憶手段は、上記車載監視装置を動作させるためのパスワードをさらに記憶しており、上記制御手段は、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記条件の少なくとも1個を満たしていないときに、上記端末装置にパスワードの入力を要求し、端末装置にて入力されたパスワードと上記記憶手段に記憶されたパスワードとが一致した場合に、上記車載監視装置を動作させることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、車載監視装置から送信される車両環境情報が、記憶手段に記憶された上記車両環境に関する条件の少なくとも1個を満たしていないときには、制御手段が上記端末装置にパスワードの入力を要求する。そして、端末装置にて入力されたパスワードと上記記憶手段に記憶されたパスワードとが一致した場合には、制御手段は、上記端末装置からの入力に応じて車載監視装置を動作させることができると判断し、車載監視装置を動作させる。
【0018】
したがって、上記車両環境情報が上記条件を満たしていない場合には、上記のパスワード照合によって車載監視装置を動作させる一方、上記車両環境情報が上記条件を全て満たしている場合には、上記のパスワード照合なしで車載監視装置を動作させるという、車両環境に応じて異なる手法を採ることができる。その結果、車両環境に応じて安全なシステム運営を図ることができる。
【0019】
また、上記車両環境情報が上記条件を満たしていない場合でも、パスワードの一致を条件として車載監視装置を動作させることができるので、車載監視装置を動作させる端末装置の利用者の便宜をはかることができる。
【0020】
本発明に係る車両管理プログラムは、上記の課題を解決するために、車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる車両管理装置における車両管理プログラムであって、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が、上記車両管理装置の記憶手段に少なくとも1個記憶された、上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を全て満足している場合に、上記車載監視装置を動作させる手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、上記車両管理プログラムをコンピュータが実行することにより、本発明の車両管理装置および車両管理方法を実現することができる。
【0022】
本発明に係る車両管理プログラムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、上述の本発明の車両管理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、記録媒体に記録された本発明の車両管理プログラムをコンピュータが読み取って実行することにより、本発明の車両管理装置および車両管理方法を実現することができる。
【0024】
本発明に係る監視システムは、上記の課題を解決するために、上述した本発明の車両管理装置と、車両に搭載され、車両を監視すると共に、車両環境情報を上記車両管理装置に送信する車載監視装置と、上記車載監視装置を動作させるのに必要な情報を入力するための端末装置とを通信可能に接続してなることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、本発明の車両管理装置と、車載監視装置と、端末装置とで監視システムを構築することにより、車両環境に応じた安全なシステム運営が可能な監視システムを提供することができる。
【0026】
また、本発明に係る車両管理装置は、上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる気候の情報を含んでいる構成であってもよい。
【0027】
また、本発明に係る車両管理装置は、上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる車内または車外の温度の情報を含んでいる構成であってもよい。
【0028】
また、本発明に係る車両管理装置は、上記制御手段は、上記車両環境情報に車両の緊急情報が含まれている場合には、上記車両環境情報に含まれる上記緊急情報以外の情報が上記車両環境に関する条件と一致しているか否かにかかわらず、端末装置からの入力に応じて上記車載監視装置を動作させる構成であってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0030】
(1.システム構成)
図2は、本発明に係る監視システムの概略の構成を示している。本システムは、車載監視装置1と、車両管理装置2と、端末装置3とが、インターネットや公衆回線などの通信網4を介して互いに通信可能に接続されてなっている。まず、これらの各装置について簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0031】
車載監視装置1は、車両に搭載され、車両に異常(例えば盗難や車上荒らし)が発生していないかどうかなど、車両の状態を監視する一種の車載端末である。なお、上記した車両とは、乗用車、トラック、バス、オートバイ、自転車など、移動可能な乗物を包括する表現であるが、以下では、特に乗用車を想定して説明する。
【0032】
車載監視装置1は、端末装置3によって設定され、車両管理装置2に登録されたセキュリティーモード(監視モード)のON/OFF情報を受信して、設定されたセキュリティーモードに応じた動作を行う。
【0033】
なお、セキュリティーモードONは、車両の監視必要時に対応して設定されるモードであり、セキュリティーモードOFFは、車両の監視不要時に対応して設定されるモードである。
【0034】
したがって、例えば、セキュリティーモードがONに設定されているときにドアの開閉などがあった場合には、車載監視装置1は車両に異常があったと判断し、ホーンを鳴らしたり、ハザードランプを点滅させたりして不審者を威嚇すると共に、車両の異常情報や車両の現在の位置情報を車両管理装置2に送信する。一方、セキュリティーモードがOFFに設定されているときにドアの開閉などがあった場合には、車載監視装置1はそのようなドアの開閉を車両の異常とは見なさず、例えば車両の位置や速度の情報のみを車両管理装置2に送信する。
【0035】
車両管理装置2は、端末装置3にて設定されたセキュリティーモードを登録し、現在登録されているセキュリティーモードの情報を車載監視装置1に送信して、車載監視装置1をセキュリティーモードに応じて動作させる。
【0036】
また、車両管理装置2は、車載監視装置1からの情報を受信して、車両の状態を管理する機能も有している。例えば、車両管理装置2は、車載監視装置1から車両の異常情報を受信すると、車両の管理情報として、車両が異常である旨の電子メールを端末装置3に送信し、その車両の所有者へ知らせることになる。
【0037】
端末装置3は、携帯電話、携帯端末、PC(Personal Computer )などで構成されており、車両管理装置2からの上記電子メールを受信したり、車両管理装置2に現在の車両の状態(異常であるか否か)を確認したり、セキュリティーモードのON/OFFを設定するのに用いられる。なお、以下では、端末装置3を、簡易なWebブラウザを搭載した携帯電話で構成し、携帯電話会社に固有のサービスであって、通信網4に接続するための接続サービスを利用する場合を例に挙げて説明する。
【0038】
このようなシステムを構成することで、車両の所有者は、例えば家庭に居ながらでも、端末装置3にて自分の車両に異常があったかどうかを確認することができる。また、端末装置3を汎用性の高い携帯電話で構成することによって、誰でも簡単に本システムを利用することが可能となる。
【0039】
次に、本システムを構成する各装置の詳細な構成について、以下に説明する。
【0040】
(2.車載監視装置)
図3は、車載監視装置1の概略の構成を示している。同図に示すように、車載監視装置1は、センサ11と、入出力部12と、制御部13と、通信部14と、記憶部15と、計時部16とを備えている。
【0041】
センサ11は、車両の状態変化を検知するものであり、その検知信号を入出力部12に送る。車両の状態変化には、車両の異常の有無や、車両の走行状態(例えば速度、加速度、車両の位置)の変化などが含まれている。なお、センサ11の詳細については後述する。
【0042】
入出力部12は、センサ11から上記検知信号が入力されたときに、その検知信号に対応する信号を制御部13に出力する。なお、センサ11から入出力部12を介して制御部13に入力される信号を、以下では、単に、センサ11からの検知信号と呼ぶこともある。
【0043】
制御部13は、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、車両管理装置2にて登録されたセキュリティーモードのON/OFFに応じた動作を行う。
【0044】
例えば、車両管理装置2にてセキュリティーモードがONに設定され、その情報が車載監視装置1に送信されると、制御部13は、入出力部12から車両の異常を示す検知信号が入力されたときに、ハザードランプを点灯させたり、ホーンを鳴らすなどして、車両の盗難犯を威嚇すると共に、車両に異常があった旨の情報や車両の現在の位置情報を通信部14を介して車両管理装置2に送信する。また、制御部13は、車両管理装置2からのリクエストに応じて、センサ11が検知した情報を車両管理装置2に送信する機能も有している。
【0045】
一方、車両管理装置2にてセキュリティーモードがOFFに設定され、その情報が車載監視装置1に送信された場合には、制御部13は、入出力部12から検知信号が入力されても、その検知信号は車両の異常を示すものではないと判断する。その結果、制御部13は、上記のように盗難犯を威嚇したり、車両管理装置2に異常情報を送信することはしないが、車両の現在の位置情報や速度情報などの走行情報については車両管理装置2に送信する。
【0046】
通信部14は、制御部13の制御のもとで、車両管理装置2との間で情報を送受信するためのインターフェースを司っている。
【0047】
記憶部15は、車載監視装置1と車両管理装置2との間で通信不能になった場合に、車両管理装置2に送信すべき情報(例えばセンサ11からの検知信号)を記憶するものである。例えば、車載監視装置1を備えた車両が地下に入ることで車両管理装置2との間で通信不能になった場合には、通信可能となるまで、上記情報が記憶部15に記憶される。そして、通信可能となった時点で、制御部13の制御により、記憶部15に記憶されていた情報が一度に車両管理装置2に送信されることになる。また、記憶部15は、車載監視装置1における動作プログラムをも記憶している。
【0048】
計時部16は、現在の日時を計時するものである。これにより、制御部13は、例えば、センサ11にて次に示す各種情報を検知した日時や、各種情報を検知してからどのくらいの時間が経過したかを、計時部16での計時に基づいて把握することができる。
【0049】
次に、上記したセンサ11の詳細について以下に説明する。
【0050】
センサ11は、基本的には、車両に標準装備されているセンサ(以下、標準センサと記載する)と、オプションで装備されるセンサ(以下、オプションセンサ)との2種類に大別される。上記の標準センサは、さらに、侵入検知センサと走行検知センサとで構成され、上記のオプションセンサは、さらに、異常検知センサと位置検出センサとで構成されている。
【0051】
侵入検知センサは、各ドアやハッチの開閉、トランクの開閉などを検知することによって、人間の車両への侵入または車両に対する異常行為を検知する。各ドアやハッチの開閉時、トランクの開閉時には、ルームランプやフットランプ、トランクルームのランプが点灯または消灯するので、侵入検知センサは、各ランプの点灯/消灯を検知することで、各ドアやハッチの開閉またはトランクの開閉を検知することができる。
【0052】
走行検知センサは、車両が走行状態にあるか否かを検知するものであり、キーの回転、セルモータの始動、バッテリー電圧、ドアロックの有無、シフトレバーの位置、サイドブレーキの操作、ウインカーの点灯、ブレーキランプの点灯、シートベルトの着用の有無、車速パルスなどを検知する各種センサで構成される。制御部13は、この車速パルスに基づいて、ソフトウェア的に車両の速度を計算することができる。また、走行検知センサは、一般にL端子と呼ばれている端子からの出力に基づいてエンジンの始動および回転数を検知するセンサ、燃料の残量を検知するセンサ、エアバックが開いたかどうかを検知するセンサ、車両の走行中の加速度を検知するセンサなどをさらに含んでいる。
【0053】
走行検知センサは、基本的には、車両のインストルメントパネル内の警告灯により警告表示される情報や、デジタルメータで表示される情報については検知することが可能である。
【0054】
異常検知センサは、振動センサ、レーダーセンサ、音響センサ、傾斜センサ、圧力センサ、赤外線センサなどで構成されている。振動センサは、横を走る車両や風以外の異常な振動を検知するものであり、これによって、車内への侵入者や車両の破壊の有無を検知することができる。レーダーセンサは、車内および車外の一定速度以上で動く物体を検知するものであり、侵入者および接近者の有無を検知できる。
【0055】
音響センサは、特定の周波数帯の音を検知するものであり、これによって、鍵のこじ開け、窓の破壊、キーシリンダーの抜き取りの有無を検知できる。傾斜センサは、車両の傾きを検知するものであり、タイヤやホイールの盗難やレッカー移動の有無を検知できる。圧力センサは、シートやマットに加わる圧力を検知するものであり、車内への侵入者の有無を検知できる。赤外線センサは、赤外線の受光部への入射が阻止されるか否かによって、侵入者の有無を検知する。
【0056】
また、オプションセンサには、車内および車外を撮影するための車載カメラも含まれており、車内および車外の状況が通信部14を介して車両管理装置2に送信されるようになっている。
【0057】
異常検知の精度を向上させるためには、異常検知センサの種類や数を増やすことが望ましいが、これらの種類や数は、車両の所有者の要望やコストとの兼ね合いで決めればよい。
【0058】
位置検出センサは、例えばGPS(Global Positioning System )やPHS(Personal Handyphone System)を利用した既存の位置検出手段で構成されている。このような位置検出センサを備えていることにより、車両管理装置2は、位置検出センサからの位置情報に基づいて車両の現在の位置を常に把握することができ、例えば車両が盗難にあった場合でも、その位置情報に基づいて、車両を追跡することが可能となる。
【0059】
なお、本実施形態では、オプションセンサとしての上記各センサが全て車両に備えられているものとする。
【0060】
センサ11にて検知された情報や、計時部16にて計時された日時情報は、制御部13の制御によって車両管理装置2に送信される。なお、これらの情報は、全て車両環境に関する情報であるため、以下では、これらの情報を車両環境情報と称することにする。また、センサ11は、気候(雨、風量、異常気象など)を検知したり、温度(車内または車外の温度)を検知したり、緊急事態(水没、横転、車両異常など)か否かを検知できるセンサをさらに含んで構成されてもよい。
【0061】
したがって、上記した車両環境情報には、車両の位置情報、日時情報、気候情報、温度情報、緊急情報などの情報が少なくとも1個含まれていることになる。
【0062】
(3.車両管理装置)
図1は、車両管理装置2の概略の構成を示している。同図に示すように、車両管理装置2は、入力部21と、出力部22と、通信部23と、計時部24と、記憶部25と、制御部26とを備えている。入力部21、出力部22、計時部24、記憶部25、制御部26は、それぞれ入出力バス27を介して互いに接続されている。
【0063】
入力部21は、例えば、キーボードやマウスによって構成されており、車両管理装置2の操作者が各種情報を入力するのに用いられる。例えば、車両とその所有者との対応関係や、所有者の端末装置3のID情報などはこの入力部21を介して入力され、記憶部25に記憶されることになる。
【0064】
出力部22は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置やプリンタで構成されている。車載監視装置1からの受信情報や、端末装置3からの入力情報、記憶部25の記憶内容などは、この出力部22にて確認することができる。
【0065】
通信部23は、制御部26の制御のもとで、車両管理装置2と車載監視装置1および端末装置3との間で情報を送受信するためのインターフェースを司っている。これにより、車両管理装置2は、無線で最寄りの基地局から通信網4を介して車載監視装置1および端末装置3と情報の通信(例えばパケット通信)を行うことが可能となっている。計時部24は、現在時刻を計時するものである。
【0066】
記憶部25は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリで構成されており、入力部21から入力される情報の他に、端末装置3にて入力されるセキュリティーモード(ONかOFFか)を記憶(登録)したり、端末装置3のID情報(利用者のID情報)、および車載監視装置1を動作させるためのパスワードを記憶するようになっている。
【0067】
制御部26は、例えば、マイクロコンピュータによって構成され、車両管理装置2の各部の動作を制御すると共に、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を動作させる制御手段として機能している。より具体的には、制御部26は、例えば、端末装置3にて設定され、記憶部25に記憶されているセキュリティーモードのON/OFF情報に応じた動作を行うように車載監視装置1を制御する。また、制御部26は、車載監視装置1から送信される情報に基づいて、車両の異常の有無を判断し、判断した結果を端末装置3に送信する制御を行う。
【0068】
また、制御部26は、記憶部25に記憶された端末装置3のID情報と、実際に端末装置3から送信されるID情報(車載監視装置1を使用する利用者のID情報)とに基づいてID認証を行い、本システムの利用者が正規に登録された者であるか否かを確認する機能も有している。
【0069】
ここで、端末装置3のID情報としては、端末装置3を携帯電話で構成した場合は、各携帯電話の電話番号やメールアドレスがある。この場合、電話会社との契約で発信者番号通知サービスを受けることにより、車両管理装置2へのアクセスと同時に各携帯電話に固有のID情報も送信されることになる。一方、端末装置3をPCで構成した場合は、車両管理装置2へのアクセス時に、PC側から予め登録したID情報を入力することで、ID情報を送信することができる。なお、端末装置3を携帯電話で構成した場合でも、携帯電話にて別途、ID情報の入力を行うようにしてもよい。
【0070】
(4.端末装置)
図4は、端末装置3の概略の構成を示している。同図に示すように、端末装置3は、入力部31と、制御部32と、通信部33と、表示部34と、スピーカ35と、マイクロホン36と、記憶部37とを備えており、これらは入出力バス38を介して互いに接続されている。
【0071】
入力部31は、テンキーをはじめとするボタンやスイッチなどで構成されており、端末装置3の利用者(=車両の所有者)の操作に応じた信号を、入出力バス38を介して制御部32に供給する。セキュリティモードのON/OFFは、利用者がこの入力部31を操作することにより設定されることになる。
【0072】
制御部32は、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、入力部31からの入力内容に応じて各部の動作を制御する。通信部33は、制御部32の制御のもとで、端末装置3と車両管理装置2との間で情報を送受信するためのインターフェースを司っている。
【0073】
表示部34は、例えばLCDによって構成されており、入力部31による操作内容や各種メッセージを表示する。スピーカ35は、通話を行う相手側からの音声を出力する。マイクロホン36は、通話を行う相手に送信する利用者の音声を取り込む。記憶部37は、車両管理装置2から送信される情報(メッセージ)や、利用者が入力した情報を一時的に記憶する。
【0074】
なお、端末装置3をPCで構成した場合には、入力部31は、キーボードやマウスなどで構成され、表示部34は、LCDやCRTなどで構成される。
【0075】
(5.車両管理装置の記憶部および制御部)
次に、本発明の特徴部分である車両管理装置2の記憶部25および制御部26について、さらに詳細に説明する。
【0076】
記憶部25は、車載監視装置1を動作させることができる車両環境に関する条件を少なくとも1個記憶する記憶手段を構成している。上記条件は、例えば、入力部21からの入力により、予め記憶部25に記憶される。そして、制御部26は、車載監視装置1から送信される車両環境情報が上記車両環境に関する条件の全てを満たしている場合には、無条件で(例えばパスワードの入力要求なしに)車載監視装置1を動作させるようになっている。
【0077】
ここで、上記の車両環境に関する条件としては、車載監視装置1を動作させることができる車両の位置の情報がある。例えば、“車載監視装置1を動作させることができるのは、車両の位置が自宅駐車場、ショッピングセンターの駐車場の場合である”とか、“車両の位置が、端末装置3の利用者の自宅駐車場であれば、パスワードの入力要求なしで車載監視装置1を動作させることができる”という動作条件が、上記車両環境に関する条件として設定される。
【0078】
したがって、車載監視装置1から送信される車両環境情報が、車両位置が自宅駐車場であることを示す情報である場合は、制御部26は、上記車両環境情報が上記動作条件を満足していると判断して、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を無条件で動作させる。一方、上記車両環境情報が車両位置がショッピングセンターの駐車場であることを示す情報である場合には、上記車両環境情報が上記後者の動作条件を満足していないので、制御部26は、例えば、端末装置3に対してパスワードの入力要求を行う。そして、端末装置3にて入力されたパスワードが記憶部25に予め記憶されたパスワードと一致している場合には、制御部26は、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を動作させる。このように、車両位置に応じて処理を異ならせるのは以下の理由による。
【0079】
自宅駐車場は、利用者が車両を駐車するのに最もよく利用する場所であることから、車両が自宅駐車場にある場合には、利用者の車載監視装置1に対する操作の安全性が高い。したがって、パスワードの照合により、利用者が正規の利用者であるか否かを確認する必要性に乏しい。また、パスワードの照合には通常時間がかかるため、パスワードの照合という煩わしい処理を省略することが、利用者の利便性向上にもつながる。
【0080】
一方、ショッピングセンターの駐車場は、自宅駐車場に比べて利用者の使用頻度はあまり高くないので、利用者の車載監視装置1に対する操作の安全性は、車両が自宅駐車場にある場合よりも若干劣る。そこで、車両がショッピングセンターの駐車場にある場合には、パスワードの一致を車載監視装置1の車両環境に関する条件とすることで、利用者が正規の利用者である場合のみ、車載監視装置1を動作させて、上記安全性を確保するようにしている。
【0081】
なお、車載監視装置1を動作させることができる車両の位置条件は、上記の自宅駐車場、ショッピングセンターの駐車場に限定されるわけではない。この他にも、例えば、勤務先の駐車場、よく利用する店(例えばビデオレンタル店)の駐車場、レストランの駐車場、病院の駐車場、一般道路上、高速道路上、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)などを考えることができる。記憶部25に予め記憶される車両位置に関するこれらの情報を、以下では登録地とも称することにする。
【0082】
また、上記車両環境に関する条件としては、上記の車両の位置条件以外にも、例えば、車載監視装置1を動作させることができる時期の条件がある。例えば、“現在の日時が登録された時間帯であれば、パスワードの入力要求なしで車載監視装置1を動作させることができる”という動作条件が、上記車両環境に関する条件として設定される。なお、上記時間帯は、例えば、入力部21からの入力により、予め記憶部25に記憶(登録)される。
【0083】
したがって、車載監視装置1から送信される車両環境情報が現在時刻が登録された時間帯であることを示す情報である場合は、制御部26は、上記車両環境情報が上記動作条件を満足していると判断して、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を無条件で動作させる。一方、上記車両環境情報が現在時刻が登録された時間帯ではないことを示す情報である場合には、上記車両環境情報が上記動作条件を満足していないので、制御部26は、例えば、端末装置3に対してパスワードの入力要求を行う。そして、端末装置3にて入力されたパスワードが記憶部25に予め記憶されたパスワードと一致している場合には、制御部26は、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を動作させる。このように、現在日時が登録された時間帯か否かで処理を異ならせるのは、以下の理由による。
【0084】
例えば、利用者の車載監視装置1の使用頻度が高い時間帯があり、この時間帯が登録されているとすると、この時間帯で車載監視装置1を操作する場合は、利用者の車載監視装置1に対する操作の安全性が高く、逆に、上記時間帯以外で車載監視装置1を操作する場合は、利用者の車載監視装置1に対する操作の安全性が、上記前者の場合に比べて低いと言える。
【0085】
したがって、現在日時が登録された時間帯か否かで処理を異ならせることにより、車載監視装置1の操作に対する安全性が低い場合でも、その安全性を確保することができる。
【0086】
なお、上記時期条件として登録される時間帯としては、例えば深夜(例えば午後10時から午前4時)、早朝(例えば午前4時から午前7時)、出勤時間(例えば午前7時から午後10時)、平日、休日、曜日などを考えることができる。また、車両の行き先に対応して時間帯を登録することも可能である。例えば、ショッピングセンターについては、平日の午前10時から午後2時のように時間帯を登録してもよく、レストランや病院についても、適宜、時間帯を登録してもよい。
【0087】
さらに、上記車両環境に関する条件としては、車載監視装置1を動作させることができる気候の条件を考えることもできる。この場合、例えば、“現在、雨が降っていれば、パスワードの入力要求なしで車載監視装置1を動作させることができる”という動作条件が、上記車両環境に関する条件として設定される。なお、上記気候の条件を、例えば、風や異常気象について設定しておいてもよい。
【0088】
また、上記車両環境に関する条件として、車載監視装置1を動作させることができる、車内または車外の温度の条件を考えることもできる。この場合、例えば、“車内または車外の温度が30℃以上であれば、パスワードの入力要求なしで車載監視装置1を動作させることができる”という動作条件が上記車両環境に関する条件として設定される。
【0089】
車両環境に関する条件として、このような気候や温度についての動作条件を考えた場合、車両環境情報が上記条件を満足している場合には、制御部26は、パスワードの入力要求なしで車載監視装置1を迅速に動作させることができる。したがって、例えば雨が降っていて利用者が車両に即座に乗り込もうとするために、即座に監視モードやドアロックを解除したい場合や、車内が40℃以上であり、クーラーを予め作動させておきたい場合でも、迅速に対処することができる。
【0090】
また、制御部26は、車載監視装置1から送信される車両環境情報に車両の緊急情報(例えば急病による人物の車内へのとじ込み、水没、横転など)が含まれている場合には、上記車両環境情報に含まれる上記緊急情報以外の情報が上記車両環境に関する条件と一致しているか否かにかかわらず、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を動作させるようになっていてもよい。
【0091】
この場合、上記車両環境情報に含まれる上記緊急情報以外の情報と上記条件との一致を判断する手間がなくなり、しかも、上記のようなパスワードの照合をも行わないので、緊急時に迅速な対応が可能となる。例えば、端末装置3からドアロックの解錠指示を行うことにより、車載監視装置1がそのような解錠動作を迅速に行うので、車内の生存者を迅速に救出することが可能となる。
【0092】
(6.動作)
次に、本システムにおける動作について、図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、ここでは、車載監視装置1を動作させる形態としてセキュリティーモードの設定変更を行う場合について説明する。また、以下では、端末装置3が携帯電話であれば発信者番号通知サービスにより、PCであれば入力部31からの入力により、端末装置3のIDが車両管理装置2に送信され、車両管理装置2にてID認証が適正に行われるものとする。
【0093】
まず、利用者が端末装置3にて車載監視装置1の動作指示(セキュリティーモードの変更指示)を入力し、この動作指示を車両管理装置2が受信すると(S1)、車両管理装置2の制御部26は、車載監視装置1から送信される車両環境情報を確認する(S2)。
【0094】
なお、ここでは、説明の理解をしやすくするために、上記車両環境情報は、車両の位置情報と日時情報であるとする。また、車載監視装置1から車両管理装置2への車両環境情報の送信は、車載監視装置1が定期的(例えば1分おき)に行ってもよいし、車両管理装置2から車載監視装置1に対して車両環境情報の送信要求があった場合に行ってもよい。
【0095】
次に、制御部26は、上記車両環境情報が、記憶部25に記憶されている、車載監視装置1を動作させることができる車両環境に関する条件の全てを満たしているか否かを判断し、その判断結果に応じて車載監視装置1を動作させる。ここでは、上記条件として、▲1▼車載監視装置1を動作させることができる車両の位置が、自宅駐車場とショッピングセンターの駐車場である、▲2▼車両位置が自宅駐車場であれば、パスワード入力要求なしで車載監視装置1を動作させることができる、▲3▼現在日時が予め登録された時間帯であれば、パスワード入力要求なしで車載監視装置1を動作させることができる、という3つの動作条件が記憶部25に記憶されているものとする。なお、動作条件は、このうち1個だけであってもよい。
【0096】
まず、制御部26は、上記車両環境情報に含まれる車両の位置情報が、予め記憶部25に記憶された登録地(自宅駐車場またはショッピングセンターの駐車場)であるか否かを判断する(S3)。
【0097】
S3にて、上記車両の位置情報が登録地であると判断した場合(S3にてYes)、制御部26は、次に、この車両位置情報が利用者の自宅駐車場であるか否かを判断する(S4)。そして、S4にて、車両位置情報が自宅駐車場であると判断した場合は(S4にてYes)、制御部26は、次に、現在日時が、記憶部25に記憶された使用可能な時間帯であるか否かを判断する(S5)。
【0098】
S5にて、現在日時が上記時間帯を満足していれば(S5にてYes)、制御部26は、車載監視装置1から送信された車両環境情報が、記憶部25に記憶された車両環境に関する条件を全て満足していると判断し、端末装置3からの入力に応じてセキュリティーモードを変更し、記憶部25に記憶する(S6)。そして、制御部26は、セキュリティーモードの変更指示を車載監視装置1に送信し、車載監視装置1を、変更したセキュリティーモードに応じて動作させる(S7)。
【0099】
一方、S3にて、上記車両の位置情報が登録地でないと判断した場合(S3にてNo)、制御部26は、端末装置3にその旨の電子メールを送信し、利用者に注意を促す(S8)。その後、制御部26は、端末装置3に、車載監視装置1を動作させるためのパスワードの入力要求を行う(S9)。
【0100】
なお、S4にて、車両位置情報が自宅駐車場ではないと判断した場合(S4にてNo)、および、S5にて、現在日時が上記時間帯を満足していない場合(S5にてNo)についても、上記のS9に移行することになる。また、S4にてNo、S5にてNoの場合、S8と同様なメール送信を行うようにしてもよい。
【0101】
この入力要求を受けて、利用者が端末装置3にてパスワードを入力し、車両管理装置2に送信すると(S10)、制御部26は、上記入力されたパスワードと、記憶部25に予め記憶されているパスワードとが一致しているか否かを判断する(S11)。S11にて、両パスワードが一致している場合には、S6およびS7の過程を経て車載監視装置1を動作させる。一方、S11にて、両パスワードが一致していない場合には、制御部26は、当該利用者による車載監視装置1の使用を不許可と判断してセキュリティーモードの変更を拒否し(S12)、処理を終了する。
【0102】
以上のように、本システムでは、制御部26は、車載監視装置1から送信される車両環境情報が、記憶部25に記憶された車両環境に関する条件の全て(上記の例では▲1▼〜▲3▼の条件)を満たしている場合に、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を動作させる。これにより、上記車両環境情報が上記条件を満たしているか否かに応じて、つまり、車両環境に応じて、車載監視装置1を動作させたり動作させなかったりすることができる。その結果、車両環境に応じた安全なシステム運営が可能となる。
【0103】
また、車両環境によってはパスワードの照合を行い、利用者を確認することで、より安全なシステム運営が可能となる。また、上記車両環境情報が上記条件を全て満足する場合には、通常は時間のかかる上記パスワードの照合が省略されることになり、利用者がパスワードを入力する手間もなくなる。したがって、利用者の利便性を確実に向上させることができ、また、通信に要するコストを低減することもできる。
【0104】
また、車載監視装置1から送信される車両環境情報が、記憶部25に記憶されている動作条件を満足していなくても、パスワードの一致を条件として車載監視装置1を動作させることができるので、利用者の便宜をはかることができる。
【0105】
なお、利用者が車両を登録地以外の場所で使用するときには、パスワードの入力を要求する上記の処理は利用者にとって負担となるかも知れない。しかし、この場合には、最初の駐車位置で本人確認(パスワードの照合)を行った後は、一定期間、本人確認なしで車載監視装置1を動作させるようにすれば、そのような利用者の負担、ストレスを軽減することができる。
【0106】
また、自宅駐車場や勤務先の駐車場など、よく利用する場所に車両を駐車したときに、セキュリティーモードのONへの設定し忘れがあった場合には、車両管理装置2または車載監視装置1が自動的にキュリティーモードをONに変更することによって、車載監視装置1にセキュリティーモードONに対応する動作を行わせることも可能である。例えば、セキュリティーモードOFF時に車両のエンジン停止があった場合に、車両のエンジン停止からの時間が所定時間経過したか否かを判断することによって、セキュリティーモードの変更忘れであるか否かを判断することができる。この場合、利用者のヒューマンエラーをカバーして、車両の安全性を高めることができる。
【0107】
また、制御部26は、車両走行中の場合は、セキュリティーモードの変更を制限したり、追加のパスワードの入力を要求したりして、誤ってセキュリティーモードが変更されないように制御することもできる。
【0108】
また、以上では、車載監視装置1を動作させる場合として、セキュリティーモードのON/OFFを例に挙げたが、これに限定されるわけではない。例えば、ドアロックの施錠/解錠、窓の開閉、エンジンの始動/停止、ライト点灯/消灯など、制御部13の制御によって行うことができる動作については、全て、本発明を適用することができる。
【0109】
また、遠隔操作を行う場合、車両管理装置2の制御部26は、例えば、雨が観測された場合には、窓を開く動作を制限したり、異常に車内の温度が上がっている場合には、窓を少し開くような動作を行いやすくする制御を行ってもよい。
【0110】
(7.プログラムおよび記録媒体)
以上で説明した車両管理装置2での処理は、プログラムで実現することが可能である。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、記憶部25であってもよいし、車両管理装置2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0111】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0112】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0113】
また、本発明においては、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0114】
なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0115】
【発明の効果】
本発明に係る車両管理装置は、以上のように、車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる制御手段を備えた車両管理装置であって、上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を少なくとも1個記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記車両環境に関する条件の全てを満たしている場合に、上記車載監視装置を動作させる構成である。
【0116】
また、本発明に係る車両管理方法は、以上のように、車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる車両管理装置における車両管理方法であって、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が、上記車両管理装置の記憶手段に少なくとも1個記憶された、上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を全て満足している場合に、上記車載監視装置を動作させる構成である。
【0117】
それゆえ、制御手段は、車載監視装置から送信される車両環境情報が、記憶手段に記憶された、上記車両環境に関する条件の全てを満たしているか否かに応じて、つまり、車両環境に応じて、車載監視装置を動作させたり動作させなかったりすることができる。その結果、車両環境に応じた安全なシステム運営が可能となるという効果を奏する。
【0118】
本発明に係る車両管理装置は、以上のように、上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる車両の位置条件を含んでいる構成である。
【0119】
それゆえ、車両位置に応じて、車載監視装置を動作させたり動作させなかったりすることができ、車両位置に応じた安全なシステム運営が可能となるという効果を奏する。
【0120】
本発明に係る車両管理装置は、以上のように、上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる時期の条件を含んでいる構成である。
【0121】
それゆえ、車載監視装置を動作させようとする時期に応じて、その動作を行わせたり行わせなかったりすることができ、動作時期に応じた安全なシステム運営が可能となるという効果を奏する。
【0122】
本発明に係る車両管理装置は、以上のように、上記記憶手段は、上記車載監視装置を動作させるためのパスワードをさらに記憶しており、上記制御手段は、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記条件の少なくとも1個を満たしていないときに、上記端末装置にパスワードの入力を要求し、端末装置にて入力されたパスワードと上記記憶手段に記憶されたパスワードとが一致した場合に、上記車載監視装置を動作させる構成である。
【0123】
それゆえ、上記車両環境情報が上記条件を満たしていない場合には、パスワード照合によって車載監視装置を動作させる一方、上記車両環境情報が上記条件を全て満たしている場合には、上記のパスワード照合なしで車載監視装置を動作させるという、車両環境に応じて異なる手法を採ることができる。その結果、車両環境に応じて安全なシステム運営が可能なる。
【0124】
また、上記車両環境情報が上記条件を満たしていない場合でも、パスワードの一致を条件として車載監視装置を動作させることができるので、車載監視装置を動作させる端末装置の利用者の便宜をはかることができるという効果を併せて奏する。
【0125】
本発明に係る車両管理プログラムは、以上のように、車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる車両管理装置における車両管理プログラムであって、上記車載監視装置から送信される車両環境情報が、上記車両管理装置の記憶手段に少なくとも1個記憶された、上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を全て満足している場合に、上記車載監視装置を動作させる手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである構成である。
【0126】
それゆえ、上記車両管理プログラムをコンピュータが実行することにより、本発明の車両管理装置および車両管理方法を実現することができるという効果を奏する。
【0127】
本発明に係る車両管理プログラムを記録した記録媒体は、以上のように、上述の本発明の車両管理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなる構成である。
【0128】
それゆえ、記録媒体に記録された本発明の車両管理プログラムをコンピュータが読み取って実行することにより、本発明の車両管理装置および車両管理方法を実現することができるという効果を奏する。
【0129】
本発明に係る監視システムは、以上のように、上述した本発明の車両管理装置と、車両に搭載され、車両を監視すると共に、車両環境情報を上記車両管理装置に送信する車載監視装置と、上記車載監視装置を動作させるのに必要な情報を入力するための端末装置とを通信可能に接続してなる構成である。
【0130】
それゆえ、本発明の車両管理装置と、車載監視装置と、端末装置とで監視システムを構築することにより、車両環境に応じた安全なシステム運営が可能な監視システムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る監視システムを構成する車両管理装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】上記監視システムの概略の構成を示すブロック図である。
【図3】上記監視システムを構成する車載監視装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図4】上記監視システムを構成する端末装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図5】上記監視システムにおける動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車載監視装置
2 車両管理装置
3 端末装置
25 記憶部(記憶手段)
26 制御部(制御手段)
Claims (9)
- 車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる制御手段を備えた車両管理装置であって、
上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を少なくとも1個記憶するとともに、上記車載監視装置を動作させるためのパスワードを記憶する記憶手段を備え、
上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる時期の条件を含んでおり、
上記制御手段は、
上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記車両環境に関する条件の全てを満たしている場合、上記車載監視装置を動作させ、
上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記条件の少なくとも1個を満たしていない場合、上記端末装置にパスワードの入力を要求し、端末装置にて入力されたパスワードと上記記憶手段に記憶されたパスワードとが一致したときに、上記車載監視装置を動作させることを特徴とする車両管理装置。 - 上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる車両の位置条件を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の車両管理装置。
- 上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる気候の条件を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の車両管理装置。
- 上記車両環境に関する条件は、上記車載監視装置を動作させることができる、車内または車外の温度の条件を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両管理装置。
- 上記車載監視装置から送信される車両環境情報が車両の緊急情報を含む場合、
上記制御手段は、上記車両環境情報に含まれる上記緊急情報以外の情報が、上記車両環境に関する条件と一致しているか否かにかかわらず、上記端末装置からの入力に応じて上記車載監視装置を動作させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両管理装置。 - 車両に搭載される車載監視装置を端末装置からの入力に応じて動作させる車両管理装置における車両管理方法であって、
上記車載監視装置を動作させることができる時期の条件を含む、上記車載監視装置を動作させることができる車両環境に関する条件を少なくとも1個記憶するとともに、上記車載監視装置を動作させるためのパスワードを記憶しており、
上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記車両環境に関する条件の全てを満たしている場合、上記車載監視装置を動作させ、
上記車載監視装置から送信される車両環境情報が上記条件の少なくとも1個を満たしていない場合、上記端末装置にパスワードの入力を要求し、端末装置にて入力されたパスワードと上記記憶手段に記憶されたパスワードとが一致したときに、上記車載監視装置を動作させることを特徴とする車両管理方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載監視装置を動作させる車両管理装置における車両管理プログラムであって、
コンピュータを上記制御手段として機能させるための車両管理プログラム。 - 請求項7に記載の車両管理プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなる ことを特徴とする車両管理プログラムを記録した記録媒体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両管理装置と、
車両に搭載され、車両を監視すると共に、車両環境情報を上記車両管理装置に送信する車載監視装置と、
上記車載監視装置を動作させるのに必要な情報を入力するための端末装置とを通信可能に接続してなることを特徴とする監視システム。
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