JP3855701B2 - センタ装置、センタ装置の制御プログラム、センタ装置の制御プログラムを記録した記録媒体、および動作制御システム - Google Patents

センタ装置、センタ装置の制御プログラム、センタ装置の制御プログラムを記録した記録媒体、および動作制御システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末装置(例えば携帯電話)から入力されるID情報に応じて外部装置(例えば車両に搭載される車載監視装置)の動作を制御するセンタ装置、外部装置に対する動作制御プログラム、外部装置に対する動作制御プログラムを記録した記録媒体、および動作制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車に搭載される外部装置(例えば車載監視装置)を遠隔操作するシステムとして、車載監視装置の動作モードである監視モード(セキュリティーモード)を設定するリモコンとしての携帯電話と、車載監視装置と携帯電話との通信を仲立ちするセンタ装置とを用いた構成が知られている。
【0003】
このシステムでは、まず、携帯電話にてシステムの利用者のID情報が入力されると共に、このID情報がセンタ装置に送信される。そして、センタ装置にて、ID情報の入力者が正規のシステム利用者であるか否かが判断される。正規のシステム利用者であると判断された場合には、次に、端末装置にて、車載監視装置のセキュリティーモードが入力されると共に、このセキュリティーモードの情報がセンタ装置に送信される。すると、センタ装置は、上記セキュリティーモードに応じた動作を行うように、車載監視装置に動作指示を出し、車載監視装置がそのような動作を行うようになる。例えば、上記セキュリティーモードがONであれば、車載監視装置は、異常を検知したときにその情報をセンタ装置を介して端末装置に送信する。一方、上記セキュリティーモードがOFFであれば、車載監視装置は、異常検知を行わず、待機状態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のシステムでは、ID情報の入力により正規のシステム利用者であると判明すれば、そのような利用者は車載監視装置をどのように使用することもできる。つまり、正規のシステム利用者であれば、使用時間や使用回数にとらわれず、車載監視装置を自由に使用することができる。しかし、このことは、逆に、利用者によっては車載監視装置の使用時間や使用回数を制限したい場合でも、そのような制限ができないことを意味する。その結果、利用者に応じたシステム運営ができず、システムの利便性が低下するという問題が生ずる。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、端末装置の利用者が入力するID情報をもとにして、外部装置の使用を利用者に応じて制限することができ、これによって、システムの利便性を向上させることができるセンタ装置、外部装置に対する動作制御プログラム、外部装置に対する動作制御プログラムを記録した記録媒体、および動作制御システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、端末装置の利用者のID情報と、上記外部装置の使用の許可を判断するための使用可能情報との対応関係、および、外部装置を使用する利用者の使用履歴を記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、端末装置から入力される利用者のID情報に対応する使用可能情報を把握すると共に、上記使用可能情報に基づいて利用者の上記外部装置の使用の適否を判断し、その判断結果に基づいて上記外部装置を動作させ、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせることを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、記憶手段には、端末装置の利用者の識別情報であるID情報と、外部装置の使用可能情報との対応関係が記憶されている。ここで、上記使用可能情報としては、例えば、利用者が外部装置を使用できる者に該当しているか否かの情報、利用者が外部装置を使用できる時間に関する情報、利用者が外部装置を使用できる回数に関する情報などがある。
【0008】
そして、端末装置から利用者のID情報が入力されると、制御手段は、上記ID情報に対応する使用可能情報を上記記憶手段から把握すると共に、上記使用可能情報に基づいて利用者の上記外部装置の使用の適否を判断し、その判断結果に基づいて上記外部装置を動作させる。
【0009】
例えば、上記使用可能情報をもとに、利用者が外部装置を使用できるものに該当している場合は、制御手段は、上記利用者の外部装置の使用を適切と判断し、利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる。一方、利用者が外部装置を使用できるものに該当していない場合、制御手段は、上記利用者の外部装置の使用を不適切と判断し、上記利用者の入力によっては外部装置を動作させない。
【0010】
このような制御手段の制御により、利用者によっては外部装置を使用させたり、使用させなかったりすることができ、利用者に応じて外部装置の使用を制限することができる。その結果、本発明のセンタ装置を用いて、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることできる。
【0011】
上記の構成によれば、記憶手段には、外部装置を使用する利用者の使用履歴が記憶されている。上記使用履歴としては、例えば、何月何日の何時から何時まで、どのID情報を持つ利用者が上記外部装置を使用した、という情報を考えることができる。
【0012】
上記構成では、(動作順によっては)同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作(既に完結している相反する2つの動作)のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合、制御手段は、記憶手段に記憶された上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせる。これにより、同一の利用者からの動作指示があった場合のみ、これらの動作指示に基づいて相反する2つの動作を完結させることができる。つまり、現在、既に外部装置を使用している利用者の意志に反して、他の利用者からの動作指示によって外部装置が動作するという不都合な事態が生じることがない。
【0013】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる者に該当するか否かの情報を含んでいることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、制御手段が、端末装置から入力される利用者のID情報に対応して、記憶手段から使用可能情報として利用者が外部装置を使用できる者に該当するか否かの情報を把握する。これにより、制御手段は、上記使用可能情報に基づいて利用者の外部装置の使用の適否を確実に判断することができる。その結果、個々の利用者に応じて外部装置の使用を確実に制限することができ、システムの利便性を向上できる本発明の効果を確実なものとすることができる。
【0015】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる時間の情報を含んでいることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、制御手段が、端末装置から入力される利用者のID情報に対応して、記憶手段から使用可能情報として利用者が外部装置を使用できる時間の情報を把握する。これにより、制御手段は、例えば、上記時間内では、利用者の外部装置の使用を適切と判断する一方、上記時間外では、利用者の外部装置の使用を不適切と判断することができる。したがって、制御手段は、このような外部装置を使用可能な時間情報に基づいて、利用者の外部装置の使用の適否を確実に判断することができる。その結果、個々の利用者に応じて外部装置の使用を確実に制限することができ、システムの利便性を向上できる本発明の効果を確実なものとすることができる。
【0017】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる回数の情報を含んでいることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、制御手段が、端末装置から入力される利用者のID情報に対応して、記憶手段から使用可能情報として利用者が外部装置を使用できる回数の情報を把握する。これにより、制御手段は、例えば、使用回数が上記回数に達していなければ、利用者の外部装置の使用を適切と判断する一方、使用回数が上記回数に達していれば、利用者の外部装置の使用を不適切と判断することができる。したがって、制御手段は、このような外部装置の使用可能な回数情報に基づいて、利用者の外部装置の使用の適否を確実に判断することができる。その結果、個々の利用者に応じて外部装置の使用を確実に制限することができ、システムの利便性を向上できる本発明の効果を確実なものとすることができる。
【0019】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、複数の利用者ごとにグループを構成した場合に、同じグループ内の利用者のID情報に対応する上記使用可能情報は、同一条件で設定されていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、同じグループに属する利用者については、使用可能情報が同一条件で設定されていることにより、外部装置の使用を平等にすることができる。また、外部装置の使用をグループ単位で管理することもできる。
【0021】
上記記憶手段は、さらに、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶するものであり、上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させることが好ましい。
【0022】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶し、外部装置を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させ、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせることを特徴としている。
【0023】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、記憶手段には、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位が、端末装置の利用者の識別情報であるID情報と対応付けられて記憶されている。例えば、外部装置の使用に際して、第1のID情報を持つ利用者は、優先順位が1番であり、第2のID情報を持つ利用者は、優先順位が2番であり、第3のID情報を持つ利用者は優先順位が3番である、・・・といった情報が記憶手段に記憶されている。
【0025】
そして、端末装置から異なる利用者のID情報が連続して入力されると、制御手段は、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる。例えば、第3のID情報と第2のID情報とが連続して入力された場合には、制御手段は、第2のID情報を持つ利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる。
【0026】
このようなID情報の優先順位に基づく制御手段の制御により、利用者によっては外部装置を使用させたり、使用させなかったりすることができ、利用者に応じて外部装置の使用を制限することができる。その結果、本発明のセンタ装置を用いて、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることできる。
【0027】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、上記制御手段は、現在、外部装置を使用している利用者および利用者の外部装置の使用状況に関する情報を、上記外部装置の所有者または管理者が持つ端末装置に送信することを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、制御手段の制御により、現在、外部装置を使用している利用者および利用者の外部装置の使用状況(例えば使用手順、使用時間、使用回数)に関する情報が、上記外部装置の所有者または管理者が持つ端末装置に送信される。これにより、外部装置の所有者または管理者は、外部装置の使用状況を上記端末装置を介して把握することができる。その結果、外部装置のメンテナンスの時期を容易に把握することができる。
【0029】
本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、上記記憶手段は、外部装置を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶するものであり、上記制御手段は、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、記憶手段には、外部装置を使用する利用者の使用履歴が記憶されている。上記使用履歴としては、例えば、何月何日の何時から何時まで、どのID情報を持つ利用者が上記外部装置を使用した、という情報を考えることができる。
【0031】
ここで、例えば、上記外部装置が車の窓の開閉を行う駆動装置であるとする。このとき、窓を開ける動作と窓を閉める動作とは、互いに相反する2つの動作となる。また、ある利用者が窓を開ける動作を上記駆動装置に対して指示した場合、次に窓を閉める動作は、この利用者からの動作指示に基づいて行われるのが一般的であり、かつ、必要である。上記利用者が上記駆動装置を使用しているからである。逆に、ある利用者が窓を閉める動作を上記駆動装置に対して指示した場合、次に窓を開ける動作は、どの利用者からの動作指示に基づいて行われてもよい。窓を閉める動作によって窓の開閉という動作が一旦完結しているからである。したがって、上記前者の順序で行われる2つの動作は、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作であると言える。
【0032】
上記構成では、(動作順によっては)同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作(既に完結している相反する2つの動作)のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合、制御手段は、記憶手段に記憶された上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせる。これにより、同一の利用者からの動作指示があった場合のみ、これらの動作指示に基づいて相反する2つの動作を完結させることができる。つまり、現在、既に外部装置を使用している利用者の意志に反して、他の利用者からの動作指示によって外部装置が動作するという不都合な事態が生じることがない。
【0033】
本発明に係る、外部装置に対する動作制御プログラムは、上記の課題を解決するために、端末装置の利用者のID情報と、外部装置の使用の許可を判断するための使用可能情報との対応関係を記憶する記憶手段から、端末装置から入力される利用者のID情報に対応する使用可能情報を把握すると共に、上記使用可能情報に基づいて利用者の上記外部装置の使用の適否を判断し、その判断結果に基づいて上記外部装置を動作させる手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、上記動作制御プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明のセンタ装置を実現することができる。
【0035】
本発明に係る、外部装置に対する動作制御プログラムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記した本発明の外部装置に対する動作制御プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、記録媒体に記録された、本発明の動作制御プログラムをコンピュータが読み取って実行することにより、上述した本発明のセンタ装置を実現することができる。
【0037】
本発明に係る動作制御システムは、上記の課題を解決するために、上述した本発明のセンタ装置と、上記センタ装置によって動作が制御される外部装置と、上記外部装置を動作させるのに必要な情報を入力するための端末装置とを通信可能に接続してなることを特徴としている。
【0038】
上述した本発明のセンタ装置によれば、利用者に応じて外部装置の使用を制限することができるので、このセンタ装置と外部装置と端末装置とで動作制御システムを構築すれば、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることができる。
【0039】
なお、本発明に係るセンタ装置は、以下の構成であってもよい。
【0040】
すなわち、上記記憶手段は、外部装置を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶するものであり、上記制御手段は、上記使用履歴の内容とは異なる内容で利用者が外部装置を使用した場合に、上記利用者の端末装置に警告を出力させる構成であってもよい。
【0041】
使用履歴の内容(例えば、使用時間帯、使用場所、使用手順など)とは異なる内容で利用者が外部装置を使用した場合、この利用者が正規の利用者ではないことが疑える。また、この場合は、利用者のID情報の漏洩も疑うことができる。一方、正規の利用者であっても、使用履歴の内容とは異なるような使用をする場合もあり得る。
【0042】
したがって、このような場合に、制御手段が上記利用者の端末装置に警告を出力させることにより、上記利用者が正規の利用者であるか否かを確認して、外部装置の不正使用があった場合には、その防止を図ることができる。
【0043】
また、上記記憶手段は、外部装置を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶するものであり、上記制御手段は、上記使用履歴に基づいて、外部装置の使用に対する課金処理を行う構成であってもよい。この場合、外部装置の使用に応じて課金されるので、利用者が納得してシステムを利用することができる。
【0044】
また、上記制御手段は、上記外部装置との通信が不可能な場合には、所定時間ごとに上記外部装置に対する通信を試みて、上記外部装置を動作させる構成であってもよい。これにより、外部装置を動作させるべく、利用者が端末装置にて何度も動作指示を入力する必要がなくなり、そのような手間を省くことができる。
【0045】
また、上記端末装置は、携帯電話で構成されており、上記ID情報は、上記携帯電話の電話番号であってもよい。この場合、上記ID情報を容易に実現することができる。
【0046】
また、上記端末装置は、携帯電話で構成されており、上記ID情報は、上記携帯電話から入力される利用者の声を識別するための情報であってもよい。この場合、利用者の声を利用して個々の利用者を識別することができる。
【0047】
また、上記端末装置は、カメラ付き携帯電話で構成されており、上記ID情報は、上記カメラにて撮影される利用者の画像または利用者に固有のマークを識別するための情報であってもよい。この場合、利用者の画像やマークを利用して個々の利用者を識別することができる。
【0048】
また、本発明に係る、センタ装置の制御プログラムは、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を利用者のID情報と対応付けて記憶する記憶手段から、各ID情報に対応する上記異なる利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであってもよい。上記センタ装置の制御プログラムをコンピュータが実行することにより、本発明のセンタ装置を実現することができる。
【0049】
そして、本発明に係る、センタ装置の制御プログラムを記録した記録媒体は、上述した本発明に係るセンタ装置の制御プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなる構成であってもよい。上記記録媒体に記録された上記センタ装置の制御プログラムをコンピュータが読み取って実行することにより、本発明のセンタ装置を実現することができる。
【0050】
また、本発明に係るセンタ装置は、上記の課題を解決するために、端末装置からの入力に応じて外部装置(例えば車両に搭載される車載監視装置)を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、上記制御手段は、上記外部装置が異常(例えば上記車両の盗難)を検出したときに、(例えばホーンの鳴動など)上記外部装置を動作させるためのID情報を所定の端末装置に送信し、上記端末装置から上記ID情報が入力された場合に、上記外部装置を動作させる構成であってもよい。なお、上記所定の端末装置とは、上記外部装置を動作させることを希望する利用者の端末装置を考えることができる。
【0051】
上記の構成によれば、制御手段の制御により、センタ装置からID情報が送信された所定の端末装置を利用する利用者のみが、上記ID情報の入力により、異常を検知した外部装置を動作させることができる。つまり、利用者によっては上記外部装置の使用が制限される。これにより、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることできる。
【0052】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0053】
(1.システム構成)
図2は、本発明に係る動作制御システムの一例である車両管理システムの概略の構成を示している。本システムは、車載監視装置1(外部装置)と、車両管理装置2(センタ装置)と、端末装置3とが、インターネットや公衆回線などの通信網4を介して互いに通信可能に接続されてなっている。まず、これらの各装置について簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0054】
車載監視装置1は、車両に搭載され、車両に異常(例えば盗難や車上荒らし)が発生していないかどうかなど、車両の状態を監視する一種の車載端末である。なお、上記した車両とは、乗用車、トラック、バス、オートバイ、自転車など、移動可能な乗物を包括する表現であるが、以下では、特に乗用車(以下では、単に車と記載する)を想定して説明する。
【0055】
車載監視装置1は、端末装置3によって設定され、車両管理装置2に登録されたセキュリティーモード(監視モード)のON/OFF情報を受信して、設定されたセキュリティーモードに応じた動作を行う。
【0056】
なお、セキュリティーモードONは、車の監視必要時に対応して設定されるモードであり、セキュリティーモードOFFは、車の監視不要時に対応して設定されるモードである。
【0057】
したがって、例えば、セキュリティーモードがONに設定されているときにドアの開閉などがあった場合には、車載監視装置1は車に異常があったと判断し、ホーンを鳴らしたり、ハザードランプを点滅させたりして不審者を威嚇すると共に、車の異常情報や車の現在の位置情報を車両管理装置2に送信する。一方、セキュリティーモードがOFFに設定されているときにドアの開閉などがあった場合には、車載監視装置1はそのようなドアの開閉を車の異常とは見なさず、例えば車の位置や速度の情報のみを車両管理装置2に送信する。
【0058】
車両管理装置2は、端末装置3にて設定されたセキュリティーモードを登録し、現在登録されているセキュリティーモードの情報を車載監視装置1に送信して、車載監視装置1をセキュリティーモードに応じて動作させる。
【0059】
また、車両管理装置2は、車載監視装置1からの情報を受信して、車の状態を管理する機能も有している。例えば、車両管理装置2は、車載監視装置1から車の異常情報を受信すると、車の管理情報として、車が異常である旨の電子メールを端末装置3に送信し、その車の所有者へ知らせることになる。
【0060】
端末装置3は、携帯電話、携帯端末、PC(Personal Computer )などで構成されており、車両管理装置2からの上記電子メールを受信したり、車両管理装置2に現在の車の状態(異常であるか否か)を確認したり、セキュリティーモードのON/OFFを設定するのに用いられる。なお、以下では、端末装置3を、簡易なWebブラウザを搭載した携帯電話で構成し、携帯電話会社に固有のサービスであって、通信網4に接続するための接続サービスを利用する場合を例に挙げて説明する。
【0061】
このようなシステムを構成することで、車の所有者は、例えば家庭に居ながらでも、端末装置3にて自分の車に異常があったかどうかを確認することができる。また、端末装置3を汎用性の高い携帯電話で構成することによって、誰でも簡単に本システムを利用することが可能となる。
【0062】
次に、本システムを構成する各装置の詳細な構成について、以下に説明する。
【0063】
(2.車載監視装置)
図3は、車載監視装置1の概略の構成を示している。同図に示すように、車載監視装置1は、センサ11と、入出力部12と、制御部13と、通信部14と、記憶部15とを備えている。
【0064】
センサ11は、車の状態変化を検知するものであり、その検知信号を入出力部12に送る。車の状態変化には、車の異常の有無や、車の走行状態(例えば速度、加速度、車の位置)の変化などが含まれている。なお、センサ11の詳細については後述する。
【0065】
入出力部12は、センサ11から上記検知信号が入力されたときに、その検知信号に対応する信号を制御部13に出力する。なお、センサ11から入出力部12を介して制御部13に入力される信号を、以下では、単に、センサ11からの検知信号と呼ぶこともある。
【0066】
制御部13は、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、車両管理装置2にて登録されたセキュリティーモードのON/OFFに応じた動作を行う。
【0067】
例えば、車両管理装置2にてセキュリティーモードがONに設定され、その情報が車載監視装置1に送信されると、制御部13は、入出力部12から車の異常を示す検知信号が入力されたときに、ハザードランプを点灯させたり、ホーンを鳴らすなどして、車の盗難犯を威嚇すると共に、車に異常があった旨の情報や車の現在の位置情報を通信部14を介して車両管理装置2に送信する。また、制御部13は、車両管理装置2からのリクエストに応じて、センサ11が検知した情報を車両管理装置2に送信する機能も有している。
【0068】
一方、車両管理装置2にてセキュリティーモードがOFFに設定され、その情報が車載監視装置1に送信された場合には、制御部13は、入出力部12から検知信号が入力されても、その検知信号は車の異常を示すものではないと判断する。その結果、制御部13は、上記のように盗難犯を威嚇したり、車両管理装置2に異常情報を送信することはしないが、車の現在の位置情報や速度情報などの走行情報については車両管理装置2に送信する。
【0069】
通信部14は、制御部13の制御のもとで、車両管理装置2との間で情報を送受信するためのインターフェースを司っている。
【0070】
記憶部15は、車載監視装置1と車両管理装置2との間で通信不能になった場合に、車両管理装置2に送信すべき情報(例えばセンサ11からの検知信号)を記憶するものである。例えば、車載監視装置1を備えた車が地下に入ることで車両管理装置2との間で通信不能になった場合には、通信可能となるまで、上記情報が記憶部15に記憶される。そして、通信可能となった時点で、制御部13の制御により、記憶部15に記憶されていた情報が一度に車両管理装置2に送信されることになる。また、記憶部15は、車載監視装置1における動作プログラムをも記憶している。
【0071】
次に、上記したセンサ11の詳細について以下に説明する。
【0072】
センサ11は、基本的には、車に標準装備されているセンサ(以下、標準センサと記載する)と、オプションで装備されるセンサ(以下、オプションセンサ)との2種類に大別される。上記の標準センサは、さらに、侵入検知センサと走行検知センサとで構成され、上記のオプションセンサは、さらに、異常検知センサと位置検出センサとで構成されている。
【0073】
侵入検知センサは、各ドアやハッチの開閉、トランクの開閉などを検知することによって、人間の車への侵入または車に対する異常行為を検知する。各ドアやハッチの開閉時、トランクの開閉時には、ルームランプやフットランプ、トランクルームのランプが点灯または消灯するので、侵入検知センサは、各ランプの点灯/消灯を検知することで、各ドアやハッチの開閉またはトランクの開閉を検知することができる。
【0074】
走行検知センサは、車が走行状態にあるか否かを検知するものであり、キーの回転、セルモータの始動、バッテリー電圧、ドアロックの有無、シフトレバーの位置、サイドブレーキの操作、ウインカーの点灯、ブレーキランプの点灯、シートベルトの着用の有無、車速パルスなどを検知する各種センサで構成される。制御部13は、この車速パルスに基づいて、ソフトウェア的に車の速度を計算することができる。また、走行検知センサは、一般にL端子と呼ばれている端子からの出力に基づいてエンジンの始動および回転数を検知するセンサ、燃料の残量を検知するセンサ、エアバックが開いたかどうかを検知するセンサ、車の走行中の加速度を検知するセンサなどをさらに含んでいる。
【0075】
走行検知センサは、基本的には、車のインストルメントパネル内の警告灯により警告表示される情報や、デジタルメータで表示される情報については検知することが可能である。
【0076】
異常検知センサは、振動センサ、レーダーセンサ、音響センサ、傾斜センサ、圧力センサ、赤外線センサなどで構成されている。振動センサは、横を走る車や風以外の異常な振動を検知するものであり、これによって、車内への侵入者や車の破壊の有無を検知することができる。レーダーセンサは、車内および車外の一定速度以上で動く物体を検知するものであり、侵入者および接近者の有無を検知できる。
【0077】
音響センサは、特定の周波数帯の音を検知するものであり、これによって、鍵のこじ開け、窓の破壊、キーシリンダーの抜き取りの有無を検知できる。傾斜センサは、車の傾きを検知するものであり、タイヤやホイールの盗難やレッカー移動の有無を検知できる。圧力センサは、シートやマットに加わる圧力を検知するものであり、車内への侵入者の有無を検知できる。赤外線センサは、赤外線の受光部への入射が阻止されるか否かによって、侵入者の有無を検知する。
【0078】
また、オプションセンサには、車内および車外を撮影するための車載カメラも含まれており、車内および車外の状況が通信部14を介して車両管理装置2に送信されるようになっている。
【0079】
異常検知の精度を向上させるためには、異常検知センサの種類や数を増やすことが望ましいが、これらの種類や数は、車の所有者の要望やコストとの兼ね合いで決めればよい。
【0080】
位置検出センサは、例えばGPS(Global Positioning System )やPHS(Personal Handyphone System)を利用した既存の位置検出手段で構成されている。このような位置検出センサを備えていることにより、車両管理装置2は、位置検出センサからの位置情報に基づいて車の現在の位置を常に把握することができ、例えば車が盗難にあった場合でも、その位置情報に基づいて、車を追跡することが可能となる。
【0081】
なお、本実施形態では、オプションセンサとしての上記各センサが全て車に備えられているものとする。
【0082】
(3.車両管理装置)
図1は、車両管理装置2の概略の構成を示している。同図に示すように、車両管理装置2は、入力部21と、出力部22と、通信部23と、計時部24と、記憶部25と、制御部26とを備えている。入力部21、出力部22、計時部24、記憶部25、制御部26は、それぞれ入出力バス27を介して互いに接続されている。
【0083】
入力部21は、例えば、キーボードやマウスによって構成されており、車両管理装置2の操作者が各種情報を入力するのに用いられる。例えば、車とその所有者との対応関係や、所有者の端末装置3のID情報などはこの入力部21を介して入力され、記憶部25に記憶されることになる。
【0084】
出力部22は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置やプリンタで構成されている。車載監視装置1からの受信情報や、端末装置3からの入力情報、記憶部25の記憶内容などは、この出力部22にて確認することができる。
【0085】
通信部23は、制御部26の制御のもとで、車両管理装置2と車載監視装置1および端末装置3との間で情報を送受信するためのインターフェースを司っている。これにより、車両管理装置2は、無線で最寄りの基地局から通信網4を介して車載監視装置1および端末装置3と情報の通信(例えばパケット通信)を行うことが可能となっている。計時部24は、現在時刻を計時するものである。
【0086】
記憶部25は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリで構成されており、入力部21から入力される情報の他に、端末装置3にて入力されるセキュリティーモード(ONかOFFか)を記憶(登録)するようになっている。
【0087】
また、記憶部25は、端末装置3の利用者のID情報と、外部装置としての車載監視装置1の使用の許可を判断するための使用可能情報との対応関係を記憶する記憶手段を構成している。
【0088】
ここで、上記の使用可能情報としては、例えば、端末装置3の利用者が車載監視装置1を使用できる者に該当するか否かの情報がある。例えば、"ID情報が『001』の利用者は、車載監視装置1を使用できる"とか、"ID情報が『002』の利用者は、車載監視装置1を使用できない"といった情報が、予め記憶部25に記憶されていることになる。
【0089】
また、上記以外にも、使用可能情報としては、例えば、端末装置3の利用者が車載監視装置1を使用できる時間の情報がある。例えば、"ID情報が『001』の利用者は、車載監視装置1を13時から14時まで使用できる"とか、"ID情報が『002』の利用者は、車載監視装置1を14時から15時まで使用できる"といった情報が、予め記憶部25に記憶されていることになる。
【0090】
さらに、上記使用可能情報として、例えば、端末装置3の利用者が車載監視装置1を使用できる回数の情報がある。例えば、"ID情報が『001』の利用者は、車載監視装置1をあと10回使用できる"とか、"ID情報が『002』の利用者は、車載監視装置1をあと3回使用できる"といった情報が、予め記憶部25に記憶されていることになる。
【0091】
つまり、記憶部25に記憶されている使用可能情報には、上記した使用可能利用者、使用可能時間、使用可能回数に関する情報のうち、少なくとも1個が含まれている。
【0092】
このように、記憶部25が、利用者のID情報と対応付けて車載監視装置1の使用可能情報を記憶していることにより、後述する制御部26は、上記使用可能情報に基づいて、利用者が車載監視装置1の使用に適した者であるか否かを判断することができる。その結果、利用者や使用時間、使用回数によっては、車載監視装置1を使用させたり、使用させなかったりすることができ、利用者に応じて車載監視装置1の使用を制限することができる。
【0093】
ここで、1グループが複数の利用者からなる複数のグループを考えた場合に、同じグループ内の利用者のID情報に対応する使用可能情報は、同一内容で設定されていてもよい。これにより、同じグループに属する利用者は、平等な条件で車載監視装置1を使用することができ、また、車載監視装置1の使用をグループ単位で管理することもできる。
【0094】
制御部26は、例えば、マイクロコンピュータによって構成され、車両管理装置2の各部の動作を制御すると共に、端末装置3からの入力に応じて車載監視装置1を動作させる制御手段として機能している。より具体的には、制御部26は、例えば、端末装置3にて設定され、記憶部25に記憶されているセキュリティーモードのON/OFF情報に応じた動作を行うように車載監視装置1を制御する。また、制御部26は、車載監視装置1から送信される情報に基づいて、車の異常の有無を判断し、判断した結果を端末装置3に送信する制御を行う。
【0095】
また、制御部26は、記憶部25に記憶された端末装置3のID情報と、実際に端末装置3から送信されるID情報(車載監視装置1を使用する利用者のID情報)とに基づいてID認証を行い、本システムの利用者が正規に登録された者であるか否かを確認する機能も有している。
【0096】
ここで、端末装置3のID情報としては、端末装置3を携帯電話で構成した場合は、各携帯電話の電話番号やメールアドレスがある。この場合、電話会社との契約で発信者番号通知サービスを受けることにより、車両管理装置2へのアクセスと同時に各携帯電話に固有のID情報も送信されることになる。
【0097】
ID情報を携帯電話の電話番号やメールアドレスとすれば、制御部26は、端末装置3(携帯電話)の利用者を確実に認識することができ、また、記憶部25でも、ID情報と対応付けられる使用可能情報および後述する利用者の優先順位を容易に管理することができる。
【0098】
また、端末装置3を携帯電話で構成した場合、ID情報は、携帯電話から入力される利用者の声を識別するための情報であってもよい。さらに、端末装置3を、カメラ付き携帯電話で構成した場合は、ID情報は、上記カメラにて撮影される利用者の画像(例えば顔の画像)または利用者ごとに固有のマークを識別するための情報であってもよい。この場合でも、ID情報を電話番号とした場合と同様の効果を得ることができる。
【0099】
一方、端末装置3をPCで構成した場合は、車両管理装置2へのアクセス時に、PC側から予め登録したID情報を入力することで、ID情報を送信することができる。なお、端末装置3を携帯電話で構成した場合でも、携帯電話にて別途、ID情報の入力を行うようにしてもよい。
【0100】
また、制御部26は、記憶部25に記憶された、端末装置3から入力される利用者のID情報に対応する使用可能情報を把握すると共に、上記使用可能情報に基づいて利用者の車載監視装置1の使用の適否を判断し、その判断結果に基づいて車載監視装置1を動作させる。この点が、本発明の最も大きな特徴となっている。
【0101】
例えば、上記使用可能情報として、"ID情報が『001』の利用者は、12時から15時まで車載監視装置1をあと3回使用することができる"という情報が記憶部25に記憶されていたとする。この場合、制御部26は、端末装置3からID情報『001』が入力されると、このID情報に対応する上記使用可能情報を把握する。そして、計時部24での計時(現在時刻)が12時から15時の間であれば、制御部26は、上記使用可能情報に基づいて、利用者は車載監視装置1の使用に適していると判断して、利用者による端末装置3からの入力(例えばセキュリティーモードの変更指示)に応じて車載監視装置1を動作させる。
【0102】
一方、現在時刻が12時から15時の間でなければ、制御部26は、上記使用可能情報に基づいて、利用者は車載監視装置1の使用に不適切であると判断して、端末装置3からの入力があっても、車載監視装置1に動作指示を与えない。
【0103】
このように、記憶部25に記憶された使用可能情報に基づく制御部26の制御により、利用者に応じて車載監視装置1の使用を制限することができる。
【0104】
また、制御部26は、現在、車載監視装置1を使用している利用者および利用者の車載監視装置1の使用状況に関する情報を、上記車載監視装置1の所有者(車載監視装置1が搭載された車の所有者)またはその管理者が持つ端末装置3に送信するようになっている。より具体的には、制御部26は、例えば、現在、車載監視装置1を操作している人間が誰であり、どのような手順で操作したか、使用時間はいつか、使用回数は何回目か、などの情報を電子メールや独自のWebページにて上記端末装置3に提供する。これにより、車の所有者等は、車載監視装置1の使用状況を端末装置3を介して把握することができ、車載監視装置1のメンテナンスの時期を容易に把握することができる。また、使用状況の変化に基づいて異常を知ることもできる。
【0105】
(4.端末装置)
図4は、端末装置3の概略の構成を示している。同図に示すように、端末装置3は、入力部31と、制御部32と、通信部33と、表示部34と、スピーカ35と、マイクロホン36と、記憶部37とを備えており、これらは入出力バス38を介して互いに接続されている。
【0106】
入力部31は、テンキーをはじめとするボタンやスイッチなどで構成されており、端末装置3の利用者(=車の所有者)の操作に応じた信号を、入出力バス38を介して制御部32に供給する。セキュリティモードのON/OFFは、利用者がこの入力部31を操作することにより設定されることになる。
【0107】
制御部32は、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、入力部31からの入力内容に応じて各部の動作を制御する。通信部33は、制御部32の制御のもとで、端末装置3と車両管理装置2との間で情報を送受信するためのインターフェースを司っている。
【0108】
表示部34は、例えばLCDによって構成されており、入力部31による操作内容や各種メッセージを表示する。スピーカ35は、通話を行う相手側からの音声を出力する。マイクロホン36は、通話を行う相手に送信する利用者の音声を取り込む。記憶部37は、車両管理装置2から送信される情報(メッセージ)や、利用者が入力した情報を一時的に記憶する。
【0109】
なお、端末装置3をPCで構成した場合には、入力部31は、キーボードやマウスなどで構成され、表示部34は、LCDやCRTなどで構成される。
【0110】
(5.動作)
次に、本システムにおける動作について、図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、ここでは、車載監視装置1の使用として、セキュリティーモードの設定変更を行う場合について説明する。
【0111】
まず、端末装置3(携帯電話)の利用者は、車両管理装置2にアクセスする(S1)。このとき、発信者番号通知サービスを受けていれば、上記アクセス時に端末装置3の電話番号またはメールアドレスがID情報として車両管理装置2に送信される。なお、そのようなサービスを受けていなければ、端末装置3の利用
者が別途ID情報を端末装置3にて入力し、車両管理装置2に送信すればよい。
【0112】
次に、車両管理装置2では、制御部26により、記憶部25に予め記憶されているID情報と端末装置3の利用者のID情報とに基づいてID認証が行われ、利用者が正規の利用者であるか否かが判断される(S2)。なお、ID認証の結果、利用者が正規の利用者でないと判断された場合には、以降の処理は行われず、制御部26により、端末装置3にその旨が通知される。
【0113】
ID認証の結果、利用者が正規の利用者であると判断された場合には、制御部26により、端末装置3にその旨が通知され、それを受けて、利用者は、端末装置3にて、車載監視装置1の動作指示(セキュリティーモードの変更指示)を入力する(S3)。すると、車両管理装置2では、制御部26により、先の利用者のID情報に対応する使用可能情報(使用可能な利用者、使用可能時間、使用可能回数などの情報)を記憶部25から読み出し、上述したような手法で、上記使用可能情報に基づいて、利用者の車載監視装置1の使用の適否を判断する(S4)。
【0114】
S4での判断の結果、使用が不可能である、すなわち、利用者が車載監視装置1の使用に適していない場合は(S5にてNo)、車両管理装置2は、S3での動作指示を車載監視装置1に与えず、車載監視装置1の使用を中止する(S6)。すなわち、上記の利用者によっては、車載監視装置1のセキュリティーモードは変更されない。
【0115】
一方、S4での判断の結果、使用が可能である、すなわち、利用者が車載監視装置1の使用に適している場合は(S5にてYes)、車両管理装置2の制御部26は、S3にて入力された動作指示を車載監視装置1に出力する(S7)。これにより、車載監視装置1は、上記動作指示を受信したという情報を確認の意味で車両管理装置2に送信し、上記動作指示に基づいて、セキュリティーモードを変更すると共に、変更したセキュリティーモードに応じた動作を実行することになる(S8)。
【0116】
以上のように、本システムでは、利用者のID情報と対応付けて車載監視装置1の使用可能情報を車両管理装置2の記憶部25に記憶させ、制御部26により、上記使用可能情報に基づいて、利用者が車載監視装置1の使用に適した者であるか否かを判断している。したがって、このような判断に基づいて、利用者や使用時間、使用回数によっては、車載監視装置1を使用させたり、使用させなかったりすることができ、利用者に応じて車載監視装置1の使用を制限することができる。つまり、車載監視装置1の使用に関して利用者ごとに差別化を図ることにより、利用者に応じたシステム運営を行うことができ、システムとしての利便性を向上させることできる。
【0117】
また、本システムにおいて、個々の利用者のID情報と対応付けて個々の外部装置の使用可能情報を記憶部25に記憶させる構成とすることにより、個々の外部装置の使用を個々の利用者ごとに確実に管理することができる。したがって、外部装置と利用者とが1対1対応であっても、1対多対応であっても、多対1対応であっても、多対多対応であっても、全て本システムで管理することができる。
【0118】
また、外部装置の使用可能情報として、外部装置の使用可能時間を個々の利用者ごとにずらして設定しておくことにより、時間に応じて外部装置の使用者を異ならせることができる。これにより、外部装置の使用に関してスケジューリングを行うことができる。その結果、例えば、社有車やレンタカーの貸し出し業務などを自動化することができ、省力化を推進することができる。
【0119】
ところで、S7にて、車両管理装置2が車載監視装置1に動作指示を出したものの、何らかの原因で、車載監視装置1が上記動作指示を受信できない場合もある。例えば、車載監視装置1を搭載した車が地下に入ったりして車両管理装置2と車載監視装置1との間が通信不通になった場合がそうである。この場合、車両管理装置2は、車載監視装置1からの受信確認の情報を受信することができない。
【0120】
そこで、このように車載監視装置1との通信が不可能な場合には、制御部26は、所定時間ごとに車載監視装置1に対する通信を試みて、車載監視装置1を動作させるようになっている。より具体的には、制御部26は、上記受信確認の情報を受信するまで、上記動作指示を所定時間ごとに車載監視装置1に送信し、何度もリトライを行う。なお、このとき、制御部26は、記憶部25に記憶されている使用可能情報に基づいて車載監視装置1の使用状況(例えば他人による使用)を把握し、リトライの集中を避けるようにしてもよい。
【0121】
制御部26がこのようなリトライ機能を持つことにより、利用者が端末装置3にて動作指示を何度も入力する必要がなくなり、制御部26が責任を持って車載監視装置1の動作を行わせることになる。
【0122】
以上では、記憶部25が、車載監視装置1の使用可能情報を記憶する場合について説明したが、例えば、端末装置3の利用者の車載監視装置1の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶するようになっていてもよい。この場合、例えば、"車載監視装置1の使用優先順位は、優先度の高いほうから順に、ID情報が『001』の利用者、ID情報が『002』の利用者…である"という情報が、記憶部25に記憶される。
【0123】
これにより、制御部26は、上記優先順位に基づいて、車載監視装置1を動作させることが可能となる。例えば、ID情報が『001』の利用者のほうがID情報が『002』の利用者よりも車載監視装置1の使用優先度が高い場合、ID情報が『001』の利用者が車載監視装置1のセキュリティモードをONすれば、その後、ID情報が『002』の利用者がセキュリティーモードのOFFへの変更指示を端末装置3から入力しても、制御部26はそのモード変更を無効と判断し、車載監視装置1をセキュリティーモードONのまま動作させることになる。
【0124】
したがって、この場合は、制御部26は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置3から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて車載監視装置1を動作させる制御手段を構成していると言うことができる。
【0125】
また、以上では、記憶部25に記憶される使用可能情報として、使用可能な利用者、使用可能時間、使用可能回数に関する情報を例に挙げたが、これ以外にも、特定の命令(例えばセキュリティーモードのON/OFF)に対して使用可能か否かの情報、ネットワークによる使用が可能か否かの情報などが含まれていてもよい。
【0126】
また、以上では、外部装置の使用の形態として、車載監視装置1に対するセキュリティーモードのON/OFFの変更指示としたが、これに限定されるわけではない。外部装置を例えば車に搭載される駆動装置とし、上記駆動装置に対するロック、アンロック、窓の開閉、エンジン始動(暖気運転)、夜間でのライト点灯、などの指示が外部装置の使用形態であっても、本発明を適用することが可能である。
【0127】
また、以上では、外部装置として、車に搭載される車載監視装置1を例に挙げたが、これに限定されるわけではない。テレビ、ビデオ、エアコンなど、リモコンもしくは携帯端末からの動作指示によって動作する機器であれば、本発明を適用することができる。
【0128】
(6.履歴管理について)
次に、本システムにおける履歴管理について説明する。
【0129】
車両管理装置2の記憶部25は、外部装置としての車載監視装置1を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶するようになっている。これにより、制御部26はこの使用履歴に基づいた処理を行うことが可能となっている。以下、このような処理の例について説明する。
【0130】
例えば、ある利用者が車載監視装置1のセキュリティーモードをOFFして、車を運転している場合、他の利用者によって同じ車載監視装置1のセキュリティーモードが勝手にONされると、車載監視装置1によって、車を運転しているものが不審者として検知される不都合な事態が生じる。このような場合には、セキュリティーモードをOFFした利用者がだけが、セキュリティーモードをONすることを可能にさせるシステムを構築する必要がある。
【0131】
そこで、本システムでは、制御部26は、動作順によっては同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置3からの利用者の入力に応じて外部装置としての車載監視装置1に行わせた場合に、記憶部25に記憶された使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記車載監視装置1に行わせるようになっている。この場合の処理について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0132】
まず、端末装置3(携帯電話)の利用者は、車両管理装置2にアクセスする(S11)。このとき、発信者番号通知サービスにより、上記アクセス時に端末装置3の電話番号またはメールアドレスがID情報として車両管理装置2に送信されているものとする。
【0133】
次に、車両管理装置2では、制御部26により、ID認証が行われ(S12)、利用者が正規の利用者でないと判断された場合には、以降の処理は行われず、制御部26により、端末装置3にその旨が通知される。
【0134】
一方、ID認証の結果、利用者が正規の利用者であると判断された場合には、制御部26により、端末装置3にその旨が通知され、それを受けて、利用者は、端末装置3にて、車載監視装置1の動作指示(セキュリティーモードの変更指示)を入力する(S13)。すると、車両管理装置2では、制御部26が上記動作指示を確認すると共に、上記動作指示を利用者のID情報に対応させて使用履歴として保存する(S14)。
【0135】
次に、車両管理装置2では、制御部26により、先の利用者のID情報に対応する使用可能情報を記憶部25から読み出し、上述したような手法で、上記使用可能情報に基づいて、利用者の車載監視装置1の使用の適否を判断する(S15)。
【0136】
S15での判断の結果、使用が不可能である、すなわち、利用者が車載監視装置1の使用に適していない場合は(S16にてNo)、車両管理装置2は、S13での動作指示を車載監視装置1に与えず、車載監視装置1の使用を中止する(S17)。すなわち、上記の利用者によっては、車載監視装置1のセキュリティーモードは変更されない。
【0137】
一方、S15での判断の結果、使用が可能である、すなわち、利用者が車載監視装置1の使用に適している場合は(S16にてYes)、次に、車両管理装置
2の制御部26は、使用履歴の確認が必要であるか否かを判断する(S18)。
【0138】
例えば、セキュリティーモードが既にONされており、次に、セキュリティーモードをOFFする場合は、誰がOFFしてもよいため、使用履歴の確認は不要である。つまり、セキュリティーモードON/OFFは、相反する2つの動作ではあるが、ONからOFFへの動作順は、同一利用者からの動作指示が必要な動作順ではない。
【0139】
したがって、この場合は、制御部26は、使用履歴の確認は不要と判断し、S13にて入力された動作指示を車載監視装置1に出力する(S19)。これにより、車載監視装置1は、上記動作指示を受信したという情報を確認の意味で車両管理装置2に送信し、上記動作指示に基づいて、セキュリティーモードをOFFに変更すると共に、変更したセキュリティーモードOFFに応じた動作を実行することになる(S20)。
【0140】
一方、セキュリティーモードが既にOFFされている場合には、上述したように、利用者が車を運転している可能性が高い。したがって、セキュリティーモードOFFからONへの動作順は、同一利用者からの動作指示が必要な動作順であると言える。この場合は、制御部26は、使用履歴の確認が必要と判断し、使用履歴の確認を行う(S21)。その結果、使用履歴に残っている、先にセキュリティーモードをOFFした利用者と、セキュリティーモードのONを指示した利用者とが、同一人物(ID情報が同一)の場合であれば(S22にてYes)、制御部26は、上述のS19以降の動作を行う。一方、同一人物でなければ(S22にてNo)、S17に移行し、車載監視装置1の使用を中止する。
【0141】
このように、本システムでは、例えばセキュリティーモードのOFFからONのような、同一人物からの動作指示が必要な動作順で車載監視装置1を動作させる場合に、制御部26が、使用履歴に基づいて、上記相反する動作の両方が同一人物からの入力指示に基づくものであるか否かを判断し、同一人物からの入力指示に基づくものである場合のみ、車載監視装置1を動作させる。したがって、現在、既に車載監視装置1を使用している利用者の意志に反して車載監視装置1が動作するのを確実に回避することができる。
【0142】
なお、動作順によっては同一人物からの動作指示が必要な相反する2つの動作とは、上記のセキュリティーモードのOFFとON以外にも、例えば、窓の開閉、エンジンの始動と停止、ロックとアンロックなどがある。
【0143】
なお、相反する動作の両方を同一人物からの入力に対して行うことのみを目的とするならば、図6のS15およびS16の工程を省略してもよい。
【0144】
ところで、各利用者に対応して外部装置の使用履歴を記憶部25に記憶させることにより、例えば、過去の使用履歴に基づいて、現在、一定の操作手順から大きく外れて外部装置を使用しているか否かを判断することも可能となる。制御部26は、上記使用履歴に基づいて外部装置の使用の仕方があやしいと判断した場合には、本人認証の手順を繰り返して自動確認を行うようにしてもよい。
【0145】
また、操作手順だけではなく、外部装置を使用した時間や場所も管理し、特定の範囲内に収まる手順の繰り返しを自動的に使用履歴として記憶部25に記憶させ、その手順から離れている場合には、利用者の端末装置3に警告を出力させるようにしてもよい。
【0146】
つまり、制御部26は、記憶部25に記憶されている使用履歴の内容とは異なる内容で利用者が外部装置を使用した場合に、上記利用者の端末装置3に警告を出力させる構成であってもよい。
【0147】
また、記憶部25に使用履歴を記憶させることにより、制御部26は、この使用履歴に基づいて例えば課金処理を行うことも可能となる。例えば、外部装置の種類に応じた使用基本料金や、外部装置の単位時間あたりの使用料金などを予め設定しておけば、制御部26は、外部装置の使用回数も考慮して、利用者の外部装置の使用形態に応じた課金処理を行うことが可能である。
【0148】
また、外部装置の使用履歴を管理することにより、制御部26は、外部装置の点検、燃料補給、バッテリー交換等のメンテナンスの時期を容易に把握することが可能となる。したがって、制御部26は、必要に応じて、車両管理装置2の操作者や端末装置3の利用者に外部装置のメンテナンスを促すことができる。
【0149】
(7.車両管理装置の他の動作例)
以下、車両管理装置2の他の動作例について説明する。
【0150】
車両の盗難が車載監視装置1にて検知され、その情報が車両管理装置2を介して警備会社または警察等に送信された後、警備会社担当者または警察官に対して現場急行の要請があった場合を考える。この場合、警備会社担当者(警備員)または警察官は、車両追跡手段(例えば車載監視装置1の位置検出センサ)からの情報を利用して、盗難車の位置を地図上で確認しながら現場に急行し、やがて、盗難車を発見し、確認する。
【0151】
このとき、盗難車両の特定にあたり、現場急行者が自分の端末装置3から遠隔操作により上記盗難車両のホーンを鳴動させることが有効である。
【0152】
そこで、車両管理装置2の制御部26は、現場急行者の端末装置3に対して、ホーンを鳴動させるためのID情報を付与する。このID情報は、盗難車両の位置情報を取得して位置を確認する操作や、盗難車両のホーンを鳴動させる操作のみ行うことが可能なIDである。
【0153】
もし、現場急行者の端末装置3の確認が例えば携帯電話番号を用いて行える場合は、車両管理装置2は、一定時間内のみ、上記現場急行者が所有する特定の端末装置3から操作可能なID情報を発行することができる。
【0154】
さらに、本ID情報は、車両の盗難が発生しているという特殊な状況のときのみ有効であるので、事件が解決した場合は、その効力を失う。このようなID情報の設定を行うことにより、本人や車両管理装置2からの遠隔操作ではなく、特殊な状況での関係者に対してID情報を与えることが可能となり、車両発見時などに対しては多大な効力を発揮する。
【0155】
上記構成により、車両管理装置2からID情報が送信された、特定の端末装置3を利用する現場急行者のみが、上記端末装置3での上記ID情報の入力により、車載監視装置1を動作させて例えばホーンを鳴動させることができる。これにより、現場急行者は盗難車両を容易に見つけ出すことが可能となる。
【0156】
また、上記ID情報が送信された端末装置3の利用者(現場急行者)のみが、車載監視装置1を動作させることができることから、上記利用者以外は、上記車載監視装置1の使用が制限される。これにより、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることできる。
【0157】
なお、ID情報を付与する許可を与える主体としては、例えば、車両の所有者、車両管理装置2の管理者、連携している警備会社、警察などを考えることができる。また、ID情報が付与される者としては、上記のように、(現場へ急行した)警備員や警察官(正確にはこれらのものが所有する端末装置3)などを考えることができる。
【0158】
また、車両の所有者から間接的な許可IDを発行するようにしてもよいし、車両管理装置2が自動的に許可IDを発行するようにしてもよい。
【0159】
(8.プログラムおよび記録媒体)
以上で説明した車両管理装置2での処理は、プログラムで実現することが可能である。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、記憶部25であってもよいし、車両管理装置2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0160】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0161】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0162】
また、本発明においては、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0163】
なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
【0164】
【発明の効果】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、端末装置の利用者のID情報と、上記外部装置の使用の許可を判断するための使用可能情報との対応関係、および、外部装置を使用する利用者の使用履歴を記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、端末装置から入力される利用者のID情報に対応する使用可能情報を把握すると共に、上記使用可能情報に基づいて利用者の上記外部装置の使用の適否を判断し、その判断結果に基づいて上記外部装置を動作させ、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせる構成である。
【0165】
それゆえ、上記制御手段の制御により、利用者によっては外部装置を使用させたり、使用させなかったりすることができ、利用者に応じて外部装置の使用を制限することができる。その結果、本発明のセンタ装置を用いて、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることできるという効果を奏する。さらに、同一の利用者からの動作指示があった場合のみ、これらの動作指示に基づいて相反する2つの動作を完結させることができる。つまり、現在、既に外部装置を使用している利用者の意志に反して、他の利用者からの動作指示によって外部装置が動作するという不都合な事態が生じることがないという効果を奏する。
【0166】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる者に該当するか否かの情報を含んでいる構成である。
【0167】
それゆえ、制御手段は、上記使用可能情報に基づいて利用者の外部装置の使用の適否を確実に判断することができる。その結果、個々の利用者に応じて外部装置の使用を確実に制限することができ、システムの利便性を向上できる本発明の効果を確実なものとすることができるという効果を奏する。
【0168】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる時間の情報を含んでいる構成である。
【0169】
それゆえ、制御手段は、利用者が外部装置を使用できる時間情報に基づいて、利用者の外部装置の使用の適否を確実に判断することができる。その結果、個々の利用者に応じて外部装置の使用を確実に制限することができ、システムの利便性を向上できる本発明の効果を確実なものとすることができるという効果を奏する。
【0170】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる回数の情報を含んでいる構成である。
【0171】
それゆえ、制御手段は、利用者が外部装置を使用できる回数情報に基づいて、利用者の外部装置の使用の適否を確実に判断することができる。その結果、個々の利用者に応じて外部装置の使用を確実に制限することができ、システムの利便性を向上できる本発明の効果を確実なものとすることができるという効果を奏する。
【0172】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、複数の利用者ごとにグループを構成した場合に、同じグループ内の利用者のID情報に対応する上記使用可能情報は、同一条件で設定されている構成である。
【0173】
それゆえ、同じグループに属する利用者については、使用可能情報が同一条件で設定されていることにより、外部装置の使用を平等にすることができる。また、外部装置の使用をグループ単位で管理することもできるという効果を併せて奏する。
【0174】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、上記記憶手段は、さらに、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶するものであり、上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる構成である。
【0175】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶し、外部装置を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させ、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせる構成である。
【0176】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶する記憶手段を備え、上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる構成である。
【0177】
それゆえ、ID情報の優先順位に基づく制御手段の制御により、利用者によっては外部装置を使用させたり、使用させなかったりすることができ、利用者に応じて外部装置の使用を制限することができる。その結果、本発明のセンタ装置を用いて、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることできるという効果を奏する。
【0178】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、上記制御手段は、現在、外部装置を使用している利用者および利用者の外部装置の使用状況に関する情報を、上記外部装置の所有者または管理者が持つ端末装置に送信する構成である。
【0179】
それゆえ、外部装置の所有者または管理者は、外部装置の使用状況を上記端末装置を介して把握することができ、外部装置のメンテナンスの時期を容易に把握することができるという効果を奏する。
【0180】
本発明に係るセンタ装置は、以上のように、上記記憶手段は、外部装置を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶するものであり、上記制御手段は、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせる構成である。
【0181】
それゆえ、同一の利用者からの動作指示があった場合のみ、これらの動作指示に基づいて相反する2つの動作を完結させることができる。つまり、現在、既に外部装置を使用している利用者の意志に反して、他の利用者からの動作指示によって外部装置が動作するという不都合な事態が生じることがないという効果を奏する。
【0182】
本発明に係る、センタ装置の制御プログラムは、以上のように、端末装置の利用者のID情報と、外部装置の使用の許可を判断するための使用可能情報との対応関係を記憶する記憶手段から、端末装置から入力される利用者のID情報に対応する使用可能情報を把握すると共に、上記使用可能情報に基づいて利用者の上記外部装置の使用の適否を判断し、その判断結果に基づいて上記外部装置を動作させる手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである構成である。
【0183】
それゆえ、上記プログラムをコンピュータが実行することにより、上述した本発明のセンタ装置を実現することができるという効果を奏する。
【0184】
本発明に係る、センタ装置の制御プログラムを記録した記録媒体は、以上のように、上記した本発明のセンタ装置の制御プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなる構成である。
【0185】
それゆえ、記録媒体に記録された、本発明の動作制御プログラムをコンピュータが読み取って実行することにより、上述した本発明のセンタ装置を実現することができるという効果を奏する。
【0186】
本発明に係る動作制御システムは、以上のように、上述した本発明のセンタ装置と、上記センタ装置によって動作が制御される外部装置と、上記外部装置を動作させるのに必要な情報を入力するための端末装置とを通信可能に接続してなる構成である。
【0187】
それゆえ、上述した本発明のセンタ装置によれば、利用者に応じて外部装置の使用を制限することができるので、このセンタ装置と外部装置と端末装置とで動作制御システムを構築すれば、個々の利用者に応じたシステム運営が可能となり、システムとしての利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る外部装置に対する動作制御システムを構成する車両管理装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】 上記動作制御システムの概略の構成を示すブロック図である。
【図3】 上記動作制御システムを構成する車載監視装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図4】 上記動作制御システムを構成する端末装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図5】 上記動作制御システムにおける動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】 上記動作制御システムにおける動作の流れの他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車載監視装置(外部装置)
2 車両管理装置(センタ装置)
3 端末装置
25 記憶部(記憶手段)
26 制御部(制御手段)

Claims (11)

  1. 端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、
    端末装置の利用者のID情報と、上記外部装置の使用の許可を判断するための使用可能情報との対応関係、および、外部装置を使用する利用者の使用履歴を記憶する記憶手段を備え、
    上記制御手段は、端末装置から入力される利用者のID情報に対応する使用可能情報を把握すると共に、上記使用可能情報に基づいて利用者の上記外部装置の使用の適否を判断し、その判断結果に基づいて上記外部装置を動作させ、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせることを特徴とするセンタ装置。
  2. 上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる者に該当するか否かの情報を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のセンタ装置。
  3. 上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる時間の情報を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載のセンタ装置。
  4. 上記使用可能情報は、利用者が上記外部装置を使用できる回数の情報を含んでいることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のセンタ装置。
  5. 複数の利用者ごとにグループを構成した場合に、同じグループ内の利用者のID情報に対応する上記使用可能情報は、同一条件で設定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のセンタ装置。
  6. 上記記憶手段は、さらに、端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶するものであり
    上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のセンタ装置。
  7. 端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させる制御手段を備えたセンタ装置であって、
    端末装置の利用者の外部装置の使用に関する優先順位を、利用者のID情報と対応付けて記憶し、外部装置を使用する利用者の使用履歴をさらに記憶する記憶手段を備え、
    上記制御手段は、異なる利用者のID情報が連続して端末装置から入力された場合に、各ID情報に対応する利用者の優先順位を把握すると共に、優先順位のより高い利用者の端末装置からの入力に応じて外部装置を動作させ、同一利用者からの動作指示が必要な相反する2つの動作のうち、一方の動作を端末装置からの利用者の入力に応じて外部装置に行わせた場合に、上記使用履歴に基づいて上記利用者を把握すると共に、上記利用者の入力に応じてのみ、他方の動作を上記外部装置に行わせることを特徴とするセンタ装置。
  8. 上記制御手段は、現在、外部装置を使用している利用者および利用者の外部装置の使用 状況に関する情報を、上記外部装置の所有者または管理者が持つ端末装置に送信することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のセンタ装置。
  9. コンピュータを、請求項1ないし8のいずれかに記載のセンタ装置の制御手段として機能させるためのセンタ装置の制御プログラム。
  10. 請求項9に記載の制御プログラムをコンピュータにて読み取り可能に記録してなることを特徴とする制御プログラムを記録した記録媒体。
  11. 請求項1ないし8のいずれかに記載のセンタ装置と、
    上記センタ装置によって動作が制御される外部装置と、
    上記外部装置を動作させるのに必要な情報を入力するための端末装置とを通信可能に接続してなることを特徴とする動作制御システム。
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