JP3867363B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラなどにおける手ブレなどによる像ブレを補正するレンズ鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮影者の手ブレなどにより、撮影時にカメラが振動することによって生ずる像ブレを補正するブレ補正装置が知られている。このブレ補正装置は、手ブレなどによるカメラの振動を検出し、ブレ検出信号を出力するブレ検出部と、撮影光学系の少なくとも一部を構成し、撮影光軸(以下、光軸という)と直交する面内においてレンズ鏡筒に対して浮動的に移動し、この光軸を変化させて像面のブレを補正するブレ補正光学系と、このブレ補正光学系のレンズ鏡筒に対する相対的な位置を検出し、位置検出信号を出力する位置検出部と、この位置検出信号をフィードバックすることによりブレ検出信号を修正し、ブレ補正に必要な光軸変更のための補正量を演算する演算部と、この補正量に応じてブレ補正光学系を駆動制御する駆動部などからなる。
【0003】
図3は、従来のブレ補正装置のブロック図である。図4は、従来のブレ補正装置における位置検出部を示す断面図である。
なお、以下では、カメラに搭載されたブレ補正装置に位置検出装置を適用した例を挙げて説明する。
ブレ補正装置1は、撮影レンズの一部又は撮影レンズ全体を光軸と直交する面内において移動させることによって光軸を変化させ、撮影時におけるカメラの手ブレなどにより生ずる像面のブレを補正する装置である。このブレ補正装置1は、図3に示すように、ブレ検出回路30と、CPU3と、モータ駆動回路13と、モータ14a,14bと、ブレ補正レンズ10と、位置検出装置20a,20bと、位置検出処理回路15などからなる。
【0004】
ブレ検出回路30は、カメラの手ブレなどによる振動を検出し、ブレ情報をCPU3に出力する回路である。ブレ検出回路30は、例えば、2つの角速度センサなどを用いることによって、それぞれx方向、y方向の手ブレなどにより生じた角速度を検出する。
【0005】
CPU3は、ブレ検出回路30から出力されたブレ情報及び位置検出処理回路15から出力された現在位置情報に基づいて、ブレ補正量を演算するワンチップマイクロコンピュータである。CPU3は、モータ14a,14bを駆動するために、このブレ補正量に応じた駆動信号をモータ駆動回路13に出力する。
【0006】
モータ14a,14bは、ブレ補正レンズ10を駆動するためのモータである。モータ14a,14bは、モータ駆動回路13からの出力信号に基づいて、ブレ補正レンズ10を駆動する。
【0007】
ブレ補正レンズ10は、図4に示すように、光軸Iと直交する面内(図中xy方向)を二次元的に移動することによってブレを補正し、撮影光学系の一部を構成するレンズ又は撮影レンズ全体を構成するレンズである。
【0008】
ブレ補正レンズ枠11は、ブレ補正レンズ10を保持するための枠である。ブレ補正レンズ枠11は、その内周部において、ブレ補正レンズ10の外周部を固定するとともに、スリット板52を一体的に取り付けている。ブレ補正レンズ10は、発光ダイオード(以下、LEDという)51からスリット板52に投光された光が、1次元のPSD54により受光されることによって、その移動位置が検出される。
【0009】
位置検出処理回路15は、図3に示すように、位置検出装置20a,20bから出力された位置検出情報に基づいて、ブレ補正レンズ10の現在の位置を現在位置情報としてCPU3に出力する回路である。
【0010】
位置検出装置20a,20bは、ブレ補正レンズ10のx軸方向、y軸方向の位置を検出し、位置検出処理回路15に位置検出情報を出力する装置である。この位置検出装置20a,20bは、x軸方向とy軸方向のそれぞれの軸について、1つづつ設置されており、ブレ補正レンズ10のxy平面内における位置を検出する。なお、位置検出装置20a,20bは、いずれも同一構造であり、位置検出装置20aを図4にしたがって説明する。
【0011】
位置検出装置20aは、天板21aに取り付けられ、光を投光する発光ダイオード(以下、LEDという)51と、固定部材21bに取り付けられ、スポット状の光の位置を検出する一次元の位置検出素子(Position Sensitive Device:半導体位置検出素子)(以下、PSDという)54と、ブレ補正レンズ枠11に取り付けられ、y軸方向に長孔(スリット孔)52aが形成されたスリット板52などからなる。
【0012】
スリット板52は、シャープなスポット状の光を作り出す光束限定部材としての役割と、ブレ補正レンズ10のような移動する物体に追従して、PSD54への光の入射位置を変化させる役割とを担う部材である。スリット板52は、LED51とPSD54との間に配置されており、PSD54と平行な位置関係を維持しつつ、ブレ補正レンズ10と一体となってx軸方向(図中A方向)に所定の範囲内で移動する。
【0013】
PSD54は、受光面54a上におけるスポット状の光の位置を検出するものであり、受光面54aに投影される光の像は、なるべくシャープであることが望ましい。PSD54とLED51との位置関係は、位置検出時においては固定であり一定距離を保っている。
【0014】
この位置検出装置は、x軸方向に移動するスリット板52のスリット孔52aを介して、PSD54の受光面54aにLED51から光を投光している。通常、1次元PSD54は、図4に示すように、2つの信号I1,I2を出力する。位置検出装置は、この出力値を演算することによって、PSD54に入射する光束のx軸方向における重心位置を検出しており、この重心位置に基づいて、ブレ補正レンズ10の位置を検出している。CPU3は、位置検出装置が検出したブレ補正レンズ10の位置と演算したブレ補正量とに基づいて、ブレ補正レンズ10を駆動制御し、このブレ補正レンズ10がブレを補正する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以下に、従来の位置検出装置におけるLED51とPSD54との相対的な位置と、PSD54に入射する光束の検出位置との関係を説明する。
図5は、従来のブレ補正装置における位置検出部においてLEDとPSDの相対的な位置関係を変えたときにPSDに入射する光束の重心位置の変化を模式的に示す図である。
図5において、距離D1L (D1S )は、A点(B点)に位置づけられているLED51と受光面54aとの間の長さである。図5に示すように、距離D1L は、距離D1S よりも大きい。また、光束LL (LS )は、A点(B点)に位置づけられているLED51から出射し、スリット孔52aを通過して、受光面54aに入射する光束である。O点は、PSD54の検出方向の中心位置である。スリット孔位置xは、O点からスリット孔52aの中心位置が移動した距離(移動量)である。検出位置PL (PS )は、O点からPSD54の受光面54a上における光束LL (LS )の重心までの距離である。仮想垂線Nは、スリット板52(受光面54a)に垂直であって、スリット孔52aの中心に立てた直線でる。入射角度αL (αS )は、LED51がA点(B点)に位置づけられているときに、スリット孔52aの中心に入射する光束(入射光線)と仮想垂線Nとがなす角度である。
【0016】
図5に示すように、検出位置PL と検出位置PS とは一致せず、スリット孔位置xと検出位置PL ,PS も一致しない。特に、LED51とPSD54との位置関係がより近いときには、入射角度αS は、入射角度αL よりも大きくなり、検出位置PS とスリット孔位置xとの誤差は、顕著である。このような位置検出装置によってスリット孔位置xを求めようとすると、実際のスリット孔位置xと検出位置PL ,PS とは一致しない。そして、スリット孔位置xと検出位置PL ,PS との誤差は、スリット板52の移動量に比例して大きくなり、スリット孔位置xが大きいほど、また、LED51とPSD54との距離が短いほど大きくなる。
【0017】
図6は、従来のブレ補正装置における位置検出部においてスリット孔位置に対する入射光の重心位置を示すグラフである。
図6において、横軸は、スリット孔位置xであり、縦軸は、PSD54の出力信号に基づいて、PSD54に入射した光束の重心位置を演算した結果である。実線PL は、図5に示すA点にLED51が位置づけられたときの演算結果であり、実線PS は、B点にLED51が位置づけられたときの演算結果である。なお、原点Oは、PSD54の検出方向の中心位置であり、破線は、スリット孔52aの中心位置を表している。
【0018】
図6に示すように、PSD54の出力による各検出位置PL ,PS とスリット孔位置xとは一致していない。そして、PSD54の中心に対するスリット孔位置xが大きいほど、また、LED51とPSD54との距離が短いほど、スリット孔位置xと各検出位置PL ,PS との誤差が大きいのがわかる。
【0019】
また、スリット孔位置xと各検出位置PL ,PS との間の誤差は、スリットの移動量に比例して大きくなり、スリット孔位置xがある範囲よりも大きくなると、入射光がPSD54の受光面54aから外れてしまう。このために、スリット孔位置xがこの範囲をオーバーすると、図6に示すように、スリット板52の動きに対するPSD54の出力による位置演算結果が比例せずに歪んでしまう。つまり、PSD54による検出位置PL ,PS がスリット板52の動きに対して比例関係にある範囲が狭まり、位置検出が可能な範囲は、スリット孔位置xが小さい場合(移動量が小さい場合)に限られてしまう。この範囲は、PSD54とスリット板52との距離が短いほど狭まる傾向にある。このように、スリット板52を用いた位置検出装置では、位置検出が可能なスリット板52の有効ストロークは、PSD54とLED51との距離が小さいほど小さくなってしまうという問題があった。
【0020】
さらに、LED51をPSD54に位置的に近づけたときには、従来の位置検出装置は、光源の発光プロフィールの影響を多分に受けるなど、結果的に位置演算結果のリニアリティー低下を招いてしまう。このように、LED51とPSD54の相対位置関係を小さくしたときには、スリット板52の有効ストロークが短かくなり、かつ、PSD54による検出位置PL ,PS と実際のブレ補正レンズ10の位置との誤差が大きくなっていた。その結果、ブレ補正レンズ10の位置検出精度が低下し、ブレ補正を正確に行えないという問題があった。
【0021】
一方、このような問題点は、LED51とスリット板52の距離を大きくすることによって軽減することができる。しかし、LED51とスリット板52の距離を大きくすると、位置検出装置が大型化し、ブレ補正ユニットの大型化を招き、結果としてカメラが大型化してしまうという問題があった。コンパクト化が強く要求されるカメラにおいては、LED51とPSD54の距離は、小型化のために設計上少しでも小さくする必要がある。特に、光学系を保持する鏡筒が沈胴するタイプのカメラにおいては、ブレ補正時に設けなければならないLED51とPSD54との間のスペースは、鏡筒が沈胴したときに、カメラの小型化を図るための制約となっていた。
【0022】
本発明の課題は、ブレ補正を正確に行うことができ、かつ、カメラの小型化を図ることができるレンズ鏡筒を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
すなわち、請求項1の発明は、ブレを補正するブレ補正光学系(10)と、光を投光する発光部(51)と、前記発光部からの光を受光し、この受光位置(PL ,PS )を検出することによって、前記ブレ補正光学系の位置を検出する光位置検出部(54)と、前記発光部と前記光位置検出部のうちの一方が保持され、撮影時に突出し、非撮影時に引き込む移動筒(5)と、前記発光部と前記光位置検出部のうちの他方が保持された固定部(16)と、前記撮影時に前記移動筒を突出させて、前記発光部と前記光位置検出部との距離を長くする距離可変部(5a)を備えることを特徴とするレンズ鏡筒である。
【0024】
請求項2の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記発光部と前記光位置検出部との間に配置され、かつ、前記ブレ補正光学系に設けられ、前記発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部(52a)を有する遮光部材(52)を備え、前記距離可変部は、前記移動筒の突出動作により、前記光透過部に立てた仮想垂線(N)とこの光通過部に入射する入射光線(LL ,LS )とのなす角度(αL ,αS )を小さくすることを特徴とするレンズ鏡筒である。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒において、前記距離可変部は、前記移動筒の引き込み動作により、前記発光部と前記光位置検出部との距離を短くすることを特徴とするレンズ鏡筒である。
【0026】
請求項4の発明は、請求項3に記載のレンズ鏡筒において、前記移動筒が最も引き込んだときに、鏡筒全体が最も短くなることを特徴としているレンズ鏡筒である。
【0027】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記距離可変部は、前記移動筒の沈胴動作により、前記発光部と前記光位置検出部との距離を可変することを特徴とするレンズ鏡筒である。
【0028】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記移動筒は、最も引き込んだ位置から撮影可能位置まで突出し、この撮影可能位置からズーミング動作することを特徴としているレンズ鏡筒である。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るブレ補正装置を搭載したカメラを示す断面図であり、図1(A)は、沈胴状態から移動筒が繰り出した状態を示す断面図であり、図1(B)は、撮影準備状態から移動筒が繰り込んだ状態を示す断面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るブレ補正装置を搭載したレンズ鏡筒を示す断面図である。
なお、以下の説明において、図3から図5までに示した部材と同一の部材は、同一の番号を付して説明し、その部材の詳細な説明については省略する。
【0033】
本発明の第1実施形態に係るブレ補正装置12は、スリット孔52aを介して受光面54a上に光を投光するLED51と、受光面54a上における光の位置を検出するPSD54と、ブレ補正レンズ10と、このブレ補正レンズ10を保持するブレ補正レンズ枠11と、光軸Iと直交する図中y軸方向にこのブレ補正レンズ10を駆動するモータ14bと、このブレ補正レンズ枠11に取り付けられたスリット板52などからなるユニット化された装置である。なお、モータ14bは、ブレ補正レンズ10を図中y方向に駆動し、PSD54は、ブレ補正レンズ10のy軸方向の位置を検出するが、ブレ補正レンズ10をx軸方向に駆動するモータと、x軸方向における位置を検出するPSDは、図示を省略する。
【0034】
本発明の第1実施形態に係るブレ補正装置12を搭載したカメラは、カメラボディ2と、このカメラボディ2に一体的に取り付けられた固定筒4とからなり、第1撮影レンズ6を保持する移動筒5が沈胴動作をする機能を備えたカメラである。
【0035】
固定筒4は、光軸I方向に移動筒5を移動自在に支持する部材である。固定筒4は、その内周部において移動筒5の外周部を移動自在に支持している。固定筒4は、撮影時及び非撮影時のいずれにおいても移動しない。
【0036】
移動筒5は、光軸I方向にのみ移動して繰り出し及び繰り込み動作をするとともに、ブレ補正レンズ10を含む撮影光学系を保持する部材である。移動筒5の内周部には、ホルダ7が取り付けられ固定されている。
【0037】
駆動機構部5aは、固定筒4と移動筒5との間に設けられており、固定筒4に対して移動筒5を光軸I方向に駆動するための機構である。この駆動機構部5aは、例えば、カム溝と、このカム溝に移動自在に嵌め込まれたピンとからなるカム機構や、雄ヘリコイドねじ部と、この雄ヘリコイドねじ部に噛み合う雌ヘリコイドねじ部などからなる機構である。
【0038】
ホルダ7は、第1撮影レンズ6を固定するための枠部材である。ホルダ7の内周部には、第1撮影レンズ6の外周部が嵌め込まれ固定されている。ホルダ7は、図2に示すように、ブレ補正レンズ10と対向する側の面にLED51を取り付けている。
【0039】
基板16は、モータ14b、PSD54などを保持する円環状の部材である。基板16は、図2に示すように、取付部材16aを介して固定筒4の内周部に取り付けられている。
【0040】
つぎに、本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒の動作を繰り出し動作と繰り込み動作とに分けて説明する。
(繰り出し動作)
図1(B)に示す沈胴状態から図中a方向に、駆動機構部5aによって移動筒5が繰り出す。移動筒5は、この移動筒5に固定したホルダー7とともに繰り出し動作を行うために、LED51は、移動筒5の繰り出し動作に追従して光軸I方向に移動する。固定筒4は、基板16を介してPSD54を固定しているために、LED51は、移動筒5の繰り出し動作とともにPSD54から遠ざかる。このために、図1(A)に示す撮影状態又は撮影準備状態においては、図5に示すように、PSD54とLED51の相対距離が長くなり、入射角度αL が0度に近づき小さくなる。その結果、スリット孔位置xと検出位置PL との誤差が小さくなり、ブレ補正レンズ10の位置検出精度が向上して、精度のよいブレ補正が可能となる。
【0041】
(繰り込み動作)
図1(A)に示す撮影状態又は撮影準備状態から図中b方向に、駆動機構部5aによって移動筒5が繰り込む。LED51は、移動筒5の繰り込み動作に追従して光軸I方向に移動し、PSD54に近づく。その結果、図1(B)に示す沈胴状態(非撮影状態)であるときには、PSD54とLED51の相対距離が短くなる。特に、移動筒5が最も繰り込んだ状態にあるときには、PSD54とLED51の距離が最小になり、レンズ鏡筒全体の長さが最も短くなり、カメラのコンパクト化を図ることができる。
【0042】
本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒は、ブレ補正時又はブレ補正を要求している時(撮影動作時又は撮影準備動作時)には、図1(A)に示すように、移動筒5が繰り出して固定筒4から突出している。この状態では、PSD54とLED51の相対距離が長くなっているために、この相対距離を適当に保つことによって、ブレ補正レンズ10の位置検出を高精度に行って、正確にブレを補正することができる。一方、非撮影時には、ブレ補正を要求していないために、PSD54とLED51の相対距離を、ブレ補正を高精度に行うために長くする必要がない。このために、PSD54とLED51の距離が不要となり、図1(B)に示すように、固定筒4内に移動筒5が引き込む。その結果、PSD54とLED51との間の不要なスペースを縮小することができ、撮影光学系をコンパクトに固定筒4内に収納してカメラの小型化を図ることができる。
【0043】
(他の実施形態)
以上説明した実施形態に限定されることはなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒は、沈胴状態から繰り出した移動筒5がこの繰り出し位置からさらにズーミング動作する構造であってもよい。この場合に、移動筒5は、図1(A)に示すように、最も繰り込んだ位置(沈胴位置)から撮影可能位置(ワイド端)まで突出し、ズーミング動作によりワイド端からテレ端までさらに突出する。その結果、図1(A)に示すように、PSD54とLED51の相対距離が十分に長い状態から、この相対距離がさらに長くなるように、移動筒5がズーミング動作するために、変倍撮影時におけるブレ補正を高精度に行うことができる。また、撮影光学系の少なくとも一部を構成するブレ補正レンズ10及び/又はそれ以外のレンズは、ズーミング動作によって移動筒5とともに光軸I方向に移動してもよく、LED51とPSD54との距離を可変する構造のレンズ鏡筒であってもよい。
【0044】
PSD54は、固定筒4側に取り付けられており、移動筒5の沈胴動作に連動して、LED51の位置を変えているが、これに限定するものではない。PSD54に比べてLED51が軽量で小型なときには、LED51を移動筒5側に取り付けて、移動筒5の駆動を低負荷で行うことができるが、例えば、移動筒5側にPSD54を取り付けて、固定筒4側にLED51を取り付けてもよい。また、例えば、カム機構などによって、LED51とPSD54が互いに光軸I方向に移動可能であってもよい。さらに、ブレ補正レンズ10とスリット板52とが沈胴動作に連動して、光軸I方向に移動してもよい。
【0045】
本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒は、カメラボディ1と固定筒4とが一体のいわゆるコンパクトカメラを例に挙げて説明したが、固定筒4及び移動筒5がカメラボディ1に着脱自在の交換レンズであってもよい。また、LED51とPSD54との距離が離れているほど、ブレ補正レンズ10の位置検出の精度を上げることができるが、この距離は十分な精度がだせる程度であればよい。さらに、スリット孔52aは、光を通過することができれば開口部を形成していない透過部などでもよく、PSD54は、2次元PSDであってもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、撮影時には、ブレ補正光学系の位置を高精度に検出してブレを正確に補正することができ、非撮影時には、発光部と光位置検出部との間の不要なスペースを縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブレ補正装置を搭載したカメラを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレ補正装置を搭載したレンズ鏡筒を示す断面図である。
【図3】従来のブレ補正装置のブロック図である。
【図4】従来のブレ補正装置における位置検出部を示す断面図である。
【図5】従来のブレ補正装置における位置検出部においてLEDとPSDの相対的な位置関係を変えたときにPSDに入射する光束の重心位置の変化を模式的に示す図である。
【図6】従来のブレ補正装置における位置検出部においてスリット孔位置に対する入射光の重心位置を示すグラフである。
【符号の説明】
1,12 ブレ補正装置
2 カメラボディ
4 固定筒
5 移動筒
5a 駆動機構部
10 ブレ補正レンズ
11 ブレ補正レンズ枠
16 基板
20a,20b 位置検出部
51 LED
52 スリット板
52a スリット孔
54 PSD
I 光軸
LL ,LS 光束
N 仮想垂線
PL ,PS 検出位置
x スリット孔位置
αL ,αS 入射角度
Claims (6)
- ブレを補正するブレ補正光学系と、
光を投光する発光部と、
前記発光部からの光を受光し、この受光位置を検出することによって、前記ブレ補正光学系の位置を検出する光位置検出部と、
前記発光部と前記光位置検出部のうちの一方が保持され、撮影時に突出し、非撮影時に引き込む移動筒と、
前記発光部と前記光位置検出部のうちの他方が保持された固定部と、
前記撮影時に前記移動筒を突出させて、前記発光部と前記光位置検出部との距離を長くする距離可変部を備えること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記発光部と前記光位置検出部との間に配置され、かつ、前記ブレ補正光学系に設けられ、前記発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部を有する遮光部材を備え、
前記距離可変部は、前記移動筒の突出動作により、前記光通過部に立てた仮想垂線とこの光通過部に入射する入射光線とのなす角度を小さくすること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒において、
前記距離可変部は、前記移動筒の引き込み動作により、前記発光部と前記光位置検出部との距離を短くすること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項3に記載のレンズ鏡筒において、
前記移動筒が最も引き込んだときに、鏡筒全体が最も短くなること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
前記距離可変部は、前記移動筒の沈胴動作により、前記発光部と前記光位置検出部との距離を可変すること、
を特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
前記移動筒は、最も引き込んだ位置から撮影可能位置まで突出し、この撮影可能位置からズーミング動作すること、
を特徴とするレンズ鏡筒。
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