JP3867298B2 - アップリケ付レース製品の製作方法並びにアップリケ付伸縮性生地製品の製作方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、衣類やカーテン等に使用されるレース製品に関し、詳しくはアップリケを付けた付加価値のあるレース製品及びその製作方法に関するものである。さらに、本発明は、アップリケを付けた伸縮性生地製品の製作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18は従来のレース製品の一例を部分的に示すもので、帯状のレース生地1に大小の模様部2,3が配設されている。図示例の模様部2,3はレース生地1の本体部分と同じ色の編み糸をかがってなる花柄の透かし模様であり、その透かし模様は、編み糸が密集する輪郭部4と、輪郭部4より内側の網状部5とから構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のレース製品によると、模様部2,3の透かし模様がレース生地1に融合して、模様部2,3の印象が弱くなることがあった。そこで、本発明の課題は、模様部にアップリケ片を重ねて刺繍縫いし、模様部を強調して、意匠性を改善できるアップリケ付レース製品を提供することにある。
【0004】
ところで、刺繍糸を模様部2,3の編み糸に確実に絡み合わせるためには、アップリケ片を編み糸が密集する輪郭部4に正確に合わせて縫い付ける必要がある。ところが、レース生地1は非常に伸縮しやすいため、刺繍ミシンの通常の刺繍枠に展張することは困難である。また、仮にレース生地1を刺繍枠に展張したとしても、模様部2,3を刺繍枠内の正規の位置に配することは困難であり、縫製時にレース生地1が伸縮変形することもある。このため、輪郭部4が針落下位置からずれて、目こぼれやしわ等が発生するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の別の課題は、アップリケ片をレース生地の模様部に美しい刺繍縫目で正確に重ね縫いすることができるアップリケ付レース製品の製作方法を提供することにある。
【0006】
また、前記レース生地1の伸縮の問題は、伸縮しやすい伸縮性生地(例えば、密度の粗いジョーゼットのような織物)にアップリケ片を縫い付ける場合にも同じようにいえる。そこで、本発明の別の課題は、アップリケ片を伸縮性生地の所定位置に美しい刺繍縫目で正確に重ね縫いすることができるアップリケ付伸縮性生地製品の製作方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のアップリケ付レース製品は、模様部を備えたレース生地に、模様部と略同大のアップリケ片を刺繍縫目により模様部に重ね縫いして構成される。
【0008】
本発明のアップリケ付レース製品の第1の製作方法は、模様部を備えた編み糸よりなる伸縮しやすいレース生地と、模様部と略同大のアップリケ片と、模様部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、刺繍ミシンとを用い、支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、模様部を針通孔の内側に位置させるようにしてレース生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、アップリケ片を模様部の上に重ねて配置して仮止めし、アップリケ片を刺繍縫目により模様部に重ね縫いし、その後、レース生地を支持板から剥離することを特徴とする。
【0009】
本発明のアップリケ付レース製品の第2の製作方法は、模様部を備えた編み糸よりなる伸縮しやすいレース生地と、模様部と略同大のアップリケ片と、模様部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、アップリケ片を着脱可能に保持する保持板と、刺繍ミシンとを用い、支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、模様部を針通孔の内側に位置させるようにしてレース生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、アップリケ片を保持板の下面に保持させ、該保持板の下面を支持板の上面に合わせることにより、アップリケ片を模様部の上に重ねて配置して仮止めし、該保持板を支持板から取り除いてから、アップリケ片を刺繍縫目により模様部に重ね縫いし、その後、レース生地を支持板から剥離することを特徴とする。
【0010】
前記第1又は第2のアップリケ付レース製品の製作方法において、次の手段をとることができる。
▲1▼ 刺繍ミシンの針落下位置から所定距離離れたミシンテーブル上にマークを設け、模様部をマークに合わせるようにしてレース生地を支持板に接着する。
▲2▼ アップリケ片を模様部の上に接着して仮止めする。
▲3▼ 第2の製作方法において、透明な保持板にアップリケ片より小さい位置決め孔を形成し、該位置決め孔を覆うようにアップリケ片を保持板の下面に保持させ、該保持板の下面を支持板の上面に合わせることにより、アップリケ片を模様部の上に重ねて配置し、位置決め孔を通して形成する仮縫目によりアップリケ片を模様部の上に仮止めする。
【0011】
本発明のアップリケ付伸縮性生地製品の第1の製作方法は、印部を描いた密度の粗いジョーゼットのような伸縮しやすい伸縮性生地と、印部と略同大のアップリケ片と、印部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、刺繍ミシンとを用い、支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、印部を針通孔の内側に位置させるようにして伸縮性生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、アップリケ片を印部の上に重ねて配置して仮止めし、アップリケ片を刺繍縫目により印部に重ね縫いし、その後、伸縮性生地を支持板から剥離することを特徴とする。
【0012】
本発明のアップリケ付伸縮性生地製品の第2の製作方法は、印部を描いた密度の粗いジョーゼットのような伸縮しやすい伸縮性生地と、印部と略同大のアップリケ片と、印部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、アップリケ片を着脱可能に保持する保持板と、刺繍ミシンとを用い、支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、印部を針通孔の内側に位置させるようにして伸縮性生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、アップリケ片を保持板の下面に保持させ、該保持板の下面を支持板の上面に合わせることにより、アップリケ片を印部の上に重ねて配置して仮止めし、該保持板を支持板から取り除いてから、アップリケ片を刺繍縫目により印部に重ね縫いし、その後、伸縮性生地を支持板から剥離することを特徴とする。
【0013】
前記第1又は第2のアップリケ付伸縮性生地製品の製作方法においても、前記アップリケ付レース製品の製作方法の場合と同様の手段▲1▼▲2▼▲3▼をとることができる。
【0014】
【作用】
本発明のアップリケ付レース製品によれば、模様部にアップリケ片が重ね縫いされるので、模様部がレース生地から浮き出して印象を強め、レース製品が全体としてアクセントに富んだ外観を呈する。特に、アップリケ片の色とレース生地の色とが異なる場合には、模様部がアップリケ片の色によって強調される。
【0015】
本発明のアップリケ付レース製品の第1の製作方法によれば、レース生地を支持板の上面に接着するとともに、アップリケ片を模様部の上に仮止めした状態で、アップリケ片を模様部に重ね縫いするので、模様部を支持板の上面の正規の位置に容易に配することができ、また、縫製時にレース生地が伸縮変形することもなく、アップリケ片が模様部に美しい刺繍縫目で正確に縫い付けられる。
【0016】
本発明のアップリケ付レース製品の第2の製作方法によれば、前記第1の製作方法による作用に加え、保持板を用いてアップリケ片を模様部の上に配置するので、その配置作業が正確かつ容易になり、複数のアップリケ片を同時に効率的に配置することも可能になる。
【0017】
さらに、前記第1又は第2の製作方法において、前記手段▲1▼〜▲3▼をとった場合には、それぞれ次の作用がある。
▲1▼ 前記手段▲1▼によれば、模様部を支持板の上面の正規の位置に配する作業がさらに正確かつ容易になる。
▲2▼ 前記手段▲2▼によれば、アップリケ片を模様部の上に仮止めする作業が容易になる。
▲3▼ 前記手段▲3▼によれば、アップリケ片を模様部に仮縫目により仮止めするので、接着剤が不要になり、接着剤の使用が好ましくないアップリケ片に適する。
【0018】
本発明のアップリケ付伸縮性生地製品の第1の製作方法によれば、伸縮性生地を支持板の上面に接着するとともに、アップリケ片を印部の上に仮止めした状態で、アップリケ片を印部に重ね縫いするので、印部を支持板の上面の正規の位置に容易に配することができ、また、縫製時に伸縮性生地が伸縮変形することもなく、アップリケ片が印部に美しい刺繍縫目で正確に縫い付けられる。
【0019】
本発明のアップリケ付伸縮性生地製品の第2の製作方法によれば、前記第1の製作方法による作用に加え、保持板を用いてアップリケ片を印部の上に配置するので、その配置作業が正確かつ容易になり、複数のアップリケ片を同時に効率的に配置することも可能になる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を具体化した一実施例を図面に基づいて説明する。本実施例のアップリケ付レース製品は、図18に示すレース生地1(従来のレース製品と同じもの)を素材として使用し、その模様部3にアップリケ片を刺繍縫いして製作される。帯状のレース生地1には大形の模様部2と小形の模様部3とが交互に所定の間隔をおいて配設されている。図示例の各模様部2,3はレース生地1の本体部分と同じ色の編み糸をかがってなる花柄の透かし模様であり、その透かし模様は、編み糸が密集する輪郭部4と、輪郭部4より内側の網状部5とから構成されている。
【0021】
図1及び図2は本実施例のアップリケ付レース製品を部分的に示している(図3は図2の裏面図である)。アップリケ付レース製品7は、レース生地1の小形の模様部3にそれと同大のアップリケ片8を重ね、サテンステッチ等の刺繍縫目9で縫い付けて構成されている。大形の模様部2には、その透かし模様を残すために、アップリケ片が縫い付けられていない。なお、アップリケ片8及び刺繍縫目9の色は、レース生地1の編み糸の色や、レース製品7の用途等を考慮して任意に選択することができる。
【0022】
上記のように構成された本実施例のアップリケ付レース製品7によれば、小形の模様部3にアップリケ片8が刺繍縫目9で重ね縫いされているので、模様部3がレース生地1から浮き出して印象を強め、レース製品7が全体としてアクセントに富んだ外観を呈することができる。特に、アップリケ片8の色とレース生地1の色とが異なる場合には、模様部3がアップリケ片8の色によって強調される。また、大形の模様部2にはアップリケ片が縫い付けられていないため、レース生地1に本来の透かし模様と新規なアップリケ片8とを混在させて、全体的にバランスのとれたデザインをレース製品7に付与することができる。
【0023】
次に、アップリケ付レース製品7の製作に使用する装置について説明する。図4は刺繍ミシンを部分的に示している。刺繍ミシン11のミシンテーブル12上には、可動枠13がX,Y方向に移動可能に設けられるとともに、針落下位置を形成する針孔14を備えた針板15が設けられ、針板15の上方には多数本の針16(図10に1本のみ図示)を装備した刺繍ヘッド17が配設されている。また、待機位置にある可動枠13の内側において、ミシンテーブル12上には型紙18が指示線19に合わせて貼着され、その型紙18には、針孔14から所定距離離れた位置に各模様部2、3と同形で同大のマーク20,21が模様部2、3と同じ間隔で設けられている。なお、型紙18を使用せず、マーク20,21をミシンテーブル12の表面に記入してもよい。
【0024】
図5〜図7は可動枠13に取り付けて使用される刺繍枠を示している。刺繍枠23は四角形に形成され、その4辺に固定した突片24において、磁石25により可動枠13に着脱可能に取り付けられる。刺繍枠23の内側には透明プラスチック板からなる支持板26が水平に固定されている。支持板26の一部には、刺繍ヘッド17に取り付けたカットメス27により、小形の模様部3よりも一回り大きな針通孔28が打ち抜き形成されるとともに、支持板26の上面には、レース生地1を着脱可能に接着するための接着剤29が塗布される。なお、接着剤29としては、レース生地1を繰り返して接着及び剥離でき、また、成分がレース生地1に残らない性質のものが好ましい。
【0025】
次に、上記のように構成された装置を用いてアップリケ付レース製品7を製作する第1の方法について説明する。
【0026】
まず、図3に示すように、予めレース生地1の各小形模様部3の上にアップリケ片8を手作業で重ねて配置し、接着剤で仮止めしておく。
【0027】
一方、図5に示すように、刺繍ミシン11の待機位置にある可動枠13に刺繍枠23を取り付け、支持板26をミシンテーブル12上の型紙18の上に重ねる。次に、図6に示すように、可動枠13を針孔14に向けて移動させてから、刺繍枠23を前後左右に駆動するとともに、刺繍ヘッド17に取り付けたカットメス27を上下に駆動して、支持板26に小形の模様部3よりも一回り大きな針通孔28を打ち抜く。そして、図7に示すように、可動枠13を待機位置に復帰し、針通孔28を型紙18の小形マーク21に整合させた状態で、支持板26の表面に接着剤29を塗布する。
【0028】
続いて、図8に示すように、支持板26を透かして大形の模様部2を型紙18のマーク20に合わせるとともに、小形の模様部3及びアップリケ片8をマーク21に合わせて、小形の模様部3及びアップリケ片8が針通孔28の内側に位置するようにし、レース生地1を接着剤29で支持板26に接着する。
【0029】
その後、図9に示すように、可動枠13を針孔14に向けて移動させ、アップリケ片8の縫製開始位置を針孔14に整合させる。この状態で、図10に示すように、針16を針通孔28及び針孔14に貫通させて上下に駆動し、アップリケ片8を刺繍縫目9により模様部3に重ねて縫い付ける。
【0030】
その後、レース生地1を支持板26から剥がして刺繍ミシン11の後方へ模様の1ピッチ分だけずらし、次の模様部2,3及びアップリケ片8をマーク20,21に合わせて、レース生地1を支持板26に接着し、そのアップリケ片8を模様部3に縫い付け、これを順次繰り返して、図1及び図2に示すようなアップリケ付レース製品7を完成する。
【0031】
このように、第1の製作方法によれば、アップリケ片8が配置されたレース生地1を支持板26に接着した状態で、アップリケ片8を模様部3に重ね縫いするので、模様部2,3を支持板26の上面の正規の位置に容易に配することができ、また、縫製時にレース生地1が伸縮変形することもなく、アップリケ片8を美しい刺繍縫目9で模様部3に正確に縫い付けることができる。特に本実施例では、模様部3及びアップリケ片8をマーク21に合わせるようにしてレース生地1を支持板26に接着するので、模様部3及びアップリケ片8を支持板26の上面の正規の位置に配する作業がさらに正確かつ容易になる。また、支持板26が透明であるから、大形の模様部2をマーク20に合わせて、レース生地1の歪み等を容易に修正することも可能である。
【0032】
次に、アップリケ付レース製品7を製作する第2の方法について説明する。第2の製作方法を実施する際には、第1の方法で使用した装置に加え、図11、図12及び図14に示す保持板31が使用される。保持板31は透明プラスチック板からなり、保持枠32の内側に水平に固定されている。保持枠32は刺繍枠23の内側に嵌合された状態で、突片33を介して可動枠13に支持される。保持板31の一部には、支持板26の場合と同様のカットメス27を用いて、アップリケ片8よりも一回り小さな位置決め孔34が打ち抜き形成されるとともに、その位置決め孔34の周辺部において、保持板31裏面にはアップリケ片8を着脱可能に接着保持するための接着剤35が塗布される。
【0033】
この第2の製作方法においては、まず、図12に示すように、予めアップリケ片8で位置決め孔34を覆うように、アップリケ片8を接着剤35で保持板31の下面に保持しておく(図12では保持板31の下面が上を向いている。)。
【0034】
一方、図13に示すように、支持板26を刺繍ミシン11の可動枠13に取り付ける。次に、既製品のレース生地1を、その模様部3が針通孔28の内側に位置するようにして、支持板26の上面に接着剤29で着脱可能に接着する。このとき、図14に示すように、模様部3を型紙18のマーク21に合わせて、レース生地1を支持板26に接着する。
【0035】
続いて、図12の保持枠32を上下反転させ、これを図15に示すように刺繍枠23に嵌合して、保持板31の下面を支持板26の上面に合わせることにより、アップリケ片8を模様部3に重ねて配置する。この状態で、可動枠13を針落下位置に移動させ、針16で位置決め孔34を通して形成する仮縫目36(例えば歩きステッチ)によりアップリケ片8をレース生地1に仮止めする。
【0036】
その後、図16及び図17に示すように、保持板31を支持板26から取り除いてから、第1の製作方法と同様に、アップリケ片8を刺繍縫目9により模様部3に重ねて縫い付ける。
【0037】
この第2の製作方法によれば、第1の製作方法による作用及び効果に加え、保持板31を用いてアップリケ片8をレース生地1の模様部3の上に配置するので、その配置作業が正確かつ容易になり、複数のアップリケ片8を同時に効率的に配置することもできる。また、透明な保持板31を使用しているため、その保持板31を透かしてアップリケ片8の配置位置を確認できる。また、アップリケ片8を模様部3に仮縫目36により仮止めするので、接着剤が不要になり、接着剤の使用が好ましくないアップリケ片に適する。
【0038】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものはでなく、例えば次に例示するように、適宜変更して具体化することも可能である。
(1)レース生地1の大小の模様部2,3にそれぞれアップリケ片8を縫い付けること。
(2)第1及び第2の製作方法において、同一形状の針通孔を備えた2枚の支持板を用い、各支持板の間にレース生地を挟んで接着すること。
(3)第2の製作方法において、アップリケ片を接着剤で模様部に仮止めすること。
【0039】
(4)前記レース生地をレース生地以外の伸縮しやすい伸縮性生地(例えば、密度の粗いジョーゼットのような織物)に置き換えるとともに、前記模様部に代えて伸縮性生地にプリント等により描いた印部(一般的にはアップリケ片の輪郭線形状)とすれば、本発明のアップリケ付伸縮性生地製品の製作方法を具体化できる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は3の発明によれば、レース生地又は伸縮性生地を支持板に接着した状態で、アップリケ片を模様部又は印部に重ね縫いするので、模様部又は印部を支持板の上面の正規の位置に容易に配することができ、また、縫製時にレース生地又は伸縮性生地が伸縮変形することもなく、アップリケ片を美しい刺繍縫目で模様部又は印部に正確に縫い付けることができる。
【0041】
上記効果に加え、請求項2又は4の発明によれば、保持板を用いてアップリケ片を模様部又は印部の上に配置するので、その配置作業が正確かつ容易になり、複数のアップリケ片を同時に効率的に配置することも可能になる。また、アップリケ片を模様部又は印部に仮縫目により仮止めするので、接着剤が不要になり、接着剤の使用が好ましくないアップリケ片に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すアップリケ付レース製品の平面図である。
【図2】同製品の裏面図である。
【図3】本発明による第1の製作方法の実施例においてレース生地にアップリケ片を配置する工程を示す平面図である。
【図4】刺繍ミシンを部分的に示す平面図である。
【図5】支持板を取り付ける工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図6】支持板に針通孔を形成する工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図7】支持板に接着剤を塗布する工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図8】支持板にレース生地を接着する工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図9】アップリケ片を縫い付ける工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図10】アップリケ片を縫い付ける工程を示す刺繍ミシンの断面図である。
【図11】本発明による第2の製作方法の実施例で使用する保持板の裏面図である。
【図12】アップリケ片を保持する工程を示す保持板の裏面図である。
【図13】支持板にレース生地を接着する工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図14】支持板にレース生地を接着する工程を示す刺繍ミシンの断面図である。
【図15】支持板に保持板を接合する工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図16】支持板から保持板を取り除く工程を示す刺繍ミシンの断面図である。
【図17】アップリケ片を仮止めする工程を示す刺繍ミシンの平面図である。
【図18】従来のレース製品を示す平面図である。
【符号の説明】
1 レース生地
3 模様部
7 アップリケ付レース製品
8 アップリケ片
9 刺繍縫目
11 刺繍ミシン
12 ミシンテーブル
13 可動枠
14 針孔
16 針
21 マーク
26 支持板
28 針通孔
31 保持板
34 位置決め孔
36 仮縫目
Claims (4)
- 模様部を備えた編み糸よりなる伸縮しやすいレース生地と、模様部と略同大のアップリケ片と、模様部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、刺繍ミシンとを用い、
支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、
模様部を針通孔の内側に位置させるようにしてレース生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、
アップリケ片を模様部の上に重ねて配置して仮止めし、
アップリケ片を刺繍縫目により模様部に重ね縫いし、
その後、レース生地を支持板から剥離することを特徴とするアップリケ付レース製品の製作方法。 - 模様部を備えた編み糸よりなる伸縮しやすいレース生地と、模様部と略同大のアップリケ片と、模様部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、アップリケ片を着脱可能に保持する保持板と、刺繍ミシンとを用い、
支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、
模様部を針通孔の内側に位置させるようにしてレース生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、
透明な保持板にアップリケ片より小さい位置決め孔を形成し、該位置決め孔を覆うようにアップリケ片を保持板の下面に保持させ、
該保持板の下面を支持板の上面に合わせることにより、アップリケ片を模様部の上に重ねて配置し、位置決め孔を通して形成する仮縫目によりアップリケ片を模様部の上に仮止めし、
該保持板を支持板から取り除いてから、アップリケ片を刺繍縫目により模様部に重ね縫いし、
その後、レース生地を支持板から剥離することを特徴とするアップリケ付レース製品の製作方法。 - 印部を描いた密度の粗いジョーゼットのような伸縮しやすい伸縮性生地と、印部と略同大のアップリケ片と、印部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、刺繍ミシンとを用い、
支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、
印部を針通孔の内側に位置させるようにして伸縮性生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、
アップリケ片を印部の上に重ねて配置して仮止めし、
アップリケ片を刺繍縫目により印部に重ね縫いし、
その後、伸縮性生地を支持板から剥離することを特徴とするアップリケ付伸縮性生地製品の製作方法。 - 印部を描いた密度の粗いジョーゼットのような伸縮しやすい伸縮性生地と、印部と略同大のアップリケ片と、印部より一回り大きな略相似形をなす針通孔を備えた支持板と、アップリケ片を着脱可能に保持する保持板と、刺繍ミシンとを用い、
支持板を刺繍ミシンの可動枠に取り付け、
印部を針通孔の内側に位置させるようにして伸縮性生地を支持板の上面に該上面に塗布された接着剤により剥離可能に接着するとともに、
透明な保持板にアップリケ片より小さい位置決め孔を形成し、該位置決め孔を覆うようにアップリケ片を保持板の下面に保持させ、
該保持板の下面を支持板の上面に合わせることにより、アップリケ片を模様部の上に重ねて配置し、位置決め孔を通して形成する仮縫目によりアップリケ片を模様部の上に仮止めし、
該保持板を支持板から取り除いてから、アップリケ片を刺繍縫目により印部に重ね縫いし、
その後、伸縮性生地を支持板から剥離することを特徴とするアップリケ付伸縮性生地製品の製作方法。
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