JP3866564B2 - エンジンのキック作動検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動2輪車用エンジン等に設けられるエンジン始動用のキック装置に対する作動検査装置に関する。なお、本願においてはエンジン始動のために回転させるキック軸の回転方向を正転といい、反対方向への回転を逆転という。
【0002】
【従来の技術】
エンジン組立ライン上で自動2輪車用エンジンに設けられるキック装置の作動検査を行う場合には、キック軸にキックアームを取付け、これを手で押し下げることにより、作動不良、戻り不良等を感応的に検査・判断していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記手動による検査の場合、例えばある車種に搭載される400ccエンジンであれば33kgfの力が必要となり、作業者に高負荷を強いるものであった。しかも、大きな力をキック軸へ加えるので、エンジンの浮き上がりを防止する必要があり、組立ライン上の作業に熟練が必要である。そのうえ、判定は作業者の感応によるため、バラツキが生じたり、特殊なこつが必要になるため、エンジンのキック作動検査を自動化して熟練作業に依存せずかつ検査結果を定量的に判定することが望まれていた。本願発明は係る要請を実現するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明は、エンジン始動用に設けられたキック軸へワンウェイクラッチを介して回転駆動手段及びトルク検出手段を取付け、さらに前記キック軸の回転角度検出手段を設け、前記回転駆動手段を所定角度正転させてキック軸の正転時における作動を検査した後、前記回転駆動手段を逆転させて前記回転角度検出手段により前記キック軸の戻り角度を検出して前記キック軸の戻り時における作動を検査するように構成するとともに、
前記回転駆動手段にエンジンに支持される逆転防止のための反力アームを備え
たことを特徴とする。
【0005】
このとき、前記反力アームにクッション材からなる反力カバーを設けてもよい。
【0006】
【発明の効果】
本願発明によれば、キック軸にワンウェイクラッチを介して回転駆動手段を接続し、これを所定角度正転させる。このとき、回転駆動手段を介して負荷されるピーク(最大)トルクと回転角度を検出することにより、作動不良や組立不良を判定できる。その後、回転駆動手段を逆転させると、この逆回転はワンウェイクラッチによりキック軸側へ伝達されないから、キック軸に設けられているリターン用のキックスプリングが正常の場合にはキック軸がキックスプリングの復元力で戻り方向へ逆回転して元の位置まで戻り、異常であればキック軸が逆転しないか戻りが不十分になるので、この戻り角度を回転角度検出手段で検出することにより戻り不良を判定できる。
【0007】
したがって、エンジンのキック作動検査を人手によらず自動化でき、その結果、作業者の負荷を軽減するとともにライン上での検査も容易になる。また、熟練を不要にでき、かつ検査結果を定量的に判定できるので判定内容のバラツキを無くして平準化できる。
【0008】
そのうえ、回転駆動手段に反力アームを取付け、これをエンジンに支持させることにより、回転駆動手段によりキック軸を回転駆動するときに受ける反力を吸収させることができる。このとき、反力アームに反力カバーを取付けることにより、エンジン側の損傷を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図1は検査時において概略表示のキック作動検査アシスト装置(回転駆動手段に相当する)を装着したエンジンの側面図、図2はその状態をエンジンの背面側(図1のA矢示方向)から示す図、図3はキック作動検査装置全体のシステム図、図4は図2と同一方向から示すキック作動検査アシスト装置の詳細図、図5はキック作動検査アシスト装置要部の拡大図、図6はキック作動検査装置の作動フロー図である。
【0010】
まず、図1,図2において、本実施例に係る自動2輪車エンジン1は、4サイクル単気筒空冷式であり、シリンダ部2には多数の空冷フィン3が設けられている。クランクケース4の後部にはエンジン始動用のキック軸5が設けられ(図2)、先端をクランクケース4の側面に露出させてキックアーム6(図1)を接続するようになっており、回転されたキック軸5はキックスプリング7(図2)により元の位置へ戻されるようになっている。エンジン1は搬送パレット8を介して組立ライン9上に支持されている。
【0011】
キック作動検査時においては、キックアーム6に代えてキック軸5にキック作動検査アシスト装置10が取付けられる。図1,図2に示すキック作動検査アシスト装置10は概略的なものであり、その詳細は図4及び図5に示すが、このキック作動検査アシスト装置10はキック軸5を正転・逆転するものであり、正転時にキック軸5からキック作動検査アシスト装置10へ加えられる反力を解消するための反力アーム11が設けられている。反力アーム11は
略直角に屈曲するアーム状部材であり、その一端をキック作動検査アシスト装置10へ連結し、他端をシリンダ部2へ当接するシリンダ当接部11aをなすとともに、このシリンダ当接部11aの周囲はゴム等適当なクッション材料からなる反力カバー12で被覆されている。
【0012】
図4及び図5に示すように、キック作動検査アシスト装置10は、棒状の本体部13と、その先端部に設けられた出力部14と、回転検出手段をなすエンコーダ15と、起動スイッチ16等を備えている。本体部13には公知の回転駆動装置が適用可能であり、本実施例では、サーボモータ駆動によるナット・ボルト用締結装置であるACサーボナットランナーを用いる。出力部14はアタッチメント17を介してキック軸5へ連結される。起動スイッチ16は検査開始時に本体部13を回転起動させるためのスイッチである。
【0013】
図4のB矢示方向図を一部切欠いて示す図5に明らかなように、出力部14は本体部13の回転出力が伝達されるハウジング20と、この正転時における回転がワンウェイクラッチ21を介して伝達されるクラッチインナ22とを備え、クラッチインナ22と同軸で出力部14の外方へ突出する角軸状の出力軸23へアタッチメント17を着脱自在に嵌合できるようになっている。
【0014】
さらに、クラッチインナ22のハウジング20から外部へ突出する部分には、プーリー24が設けられ、ベルト25を介してエンコーダ15のプーリー26へ巻き掛けられている。エンコーダ15はベルト25を介してプーリー26がプーリー24と同期回転することによりクラッチインナ22さらにはこれと一体であるキック軸5の回転角度を検出可能になっている。
【0015】
アタッチメント17は丸棒状であり、一端に出力軸23が嵌合する角穴27を備え、他端にキック軸5が嵌合して結合するスプライン溝28が形成される。アタッチメント17はスプライン溝28部分の穴径を種々に変更したものを予め複数用意しておけば、これを変更することにより、機種変更によりキック軸5のサイズが変化してもキック作動検査アシスト装置10側を異なる機種間で共通使用可能になっている。
【0016】
図3はキック作動検査装置全体を概略表示するものであり、制御盤30,操作盤31,ナットランナーコントローラ32,リミットスイッチ33等で構成される。制御盤30はコード34で電源へ接続するとともに、キック作動検査装置全体へ電源を供給し、かつナットランナーコントローラ32へ本体部13の作動を指令し、本体部13から検出したピークトルク及びエンコーダ15が検出した回転角度の各情報を取得することにより、キック作動不良、戻り不良並びに組立不良等の異常有無を判断して操作盤31のランプ35にて検査結果を視覚表示する。
【0017】
ナットランナーコントローラ32は制御盤30の指令を受けて、本体部13を所定角度(本実施例では120°)の正転及び所定時間(本実施例では1.5秒)の逆転させる。
【0018】
リミットスイッチ33は搬送パレット8に載置されたワークであるエンジン1が組立ライン9上の所定位置にあることを検出し、所定位置にセットされていないときには、制御盤30によりキック作動検査を停止する。
【0019】
次に、図6により、本実施例におけるキック作動検査手順を説明する。まず、エンジン1を所定位置にセットして、キック作動検査アシスト装置10の出力軸23をキック軸5へアタッチメント17を介して連結した状態で、起動スイッチ16をオンすると(S・1)、キック作動検査が開始され、制御盤30はエンコーダ15を0点にリセットし(S・2)、続いてナットランナーコントローラ32を介して本体部13を正転させてクラッチインナ22を120°回転させる(S・3)。
【0020】
このときクラッチインナ22は、ワンウェイクラッチ21を介してハウジング20へ接続されているため、本体部13の正転駆動力はクラッチインナ22へ伝達され、アタッチメント17を介してキック軸5を正転させる。
そこで制御盤30は、この正転時におけるピークトルクを本体部13からナットランナーコントローラ32のトルクモニタリングにより検知し、キック作動時のロック、重い、負荷無し等を判定する。かつ、エンコーダ15から回転角度を検知することにより、予め定められた値と比較して正常か異常かを判定する(S・4)。
【0021】
異常の場合は、操作盤31のランプ35を点灯させる(S・9)。ランプ35はトルク異常、角度異常の別をトルク異常ランプ、角度異常ランプでそれぞれ表示するようになっており、これにより不良内容を視認でき確実かつ容易に確認できる。
【0022】
S・4にて、正常と判定されれば、引き続き本体部13を1.5秒間逆転させ(S・5)キック戻り確認を行う、その後回転を停止させる(S・6)。本体部13の逆転によるハウジング20の逆転はワンウェイクラッチ21によりクラッチインナ22へ伝達されないから、ハウジング20は空転する。したがってキック軸5はフリーとなり、キックスプリング7によるキック軸5の戻りが正常であれば、キックスプリング7により逆転し、アタッチメント17を介してクラッチインナ22を逆転させる。
【0023】
したがって、この逆転はクラッチインナ22と一体のプーリー24及びベルト25を介してプーリー26へ伝達されるので、エンコーダ15にて戻り角度を検出できる。そこで制御盤30はエンコーダ15によりこの戻り角度を検出して、0点まで戻ったか否かにより戻り不良を判定する(S・7)。実際にはエンコーダ15の分解能を考慮して戻り角度が0点から所定の許容範囲内にあるか否かで判定する。
【0024】
判定が異常であれば、操作盤31のランプ35のうち戻りNGランプを点灯させて戻り異常を視認させる(S・11)。その後、S・10のリセットを経てS・1へ戻る。また、正常であれば、キック作動検査を終了し(S・8)、S・10を経てS・1へ戻る。
【0025】
なお、S・4及びS・7において正常判定の際、これを操作盤31のランプ35へ点灯表示させることを任意に可能である。
【0026】
このように、本実施例によれば、キック軸5にワンウェイクラッチ21を介してキック作動検査アシスト装置10の本体部13を接続し、さらにキック軸5の回転角度検出用としてエンコーダ15を設けたので、本体部13を正転及び逆転させることにより、キック装置の戻り不良を含む作動不良や組立不良を検査できる。
【0027】
したがって、エンジンのキック作動検査を人手によらず自動化でき、その結果、作業者の負荷を軽減するとともに組立ライン9上での検査も容易になる。また、熟練を不要にでき、かつ検査結果を定量的に判定できるので判定内容のバラツキを無くして平準化できる。
【00028】
そのうえ、本体部13に反力アーム11を取付け、これをエンジン1のシリンダ部2へ支持させることにより、本体部13によりキック軸5を回転駆動するときに受ける反力を吸収させることができる。このとき、反力アーム11に反力カバー12を取付けることにより、シリンダ部2側の損傷を防止でき、特に空冷エンジンとして冷却フィン3が存在してもこれを損傷しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キック作動検査時におけるエンジンの側面図
【図2】上記エンジンを背面側から示す図
【図3】キック作動検査装置全体のシステム図
【図4】図2と同一方向から示すキック作動検査アシスト装置の詳細図
【図5】キック作動検査アシスト装置の要部拡大図
【図6】キック作動検査装置の作動フロー図
【符号の説明】
1:自動2輪車エンジン、5:キック軸、6:キックアーム、7:キックスプリング、10:キック作動検査アシスト装置、11:反力アーム、12:反力カバー、13:本体部、14:出力部、15:エンコーダ、16:起動スイッチ、17:アタッチメント、20:ハウジング、21:ワンウェイクラッチ、22:クラッチインナ、24:プーリー、25:ベルト、26:プーリー、30:制御盤、31:操作盤、32:ナットランナーコントローラ
Claims (2)
- エンジン始動用に設けられたキック軸へワンウェイクラッチを介して回転駆動手段及びトルク検出手段を取付け、さらに前記キック軸の回転角度検出手段を設け、前記回転駆動手段を所定角度正転させてキック軸の正転時における作動を検査した後、前記回転駆動手段を逆転させて前記回転角度検出手段により前記キック軸の戻り角度を検出して前記キック軸の戻り時における作動を検査するように構成するとともに、
前記回転駆動手段にエンジンに支持される逆転防止のための反力アームを備えたことを特徴とするエンジンのキック作動検査装置。 - 前記反力アームにクッション材からなる反力カバーを設けたことを特徴とする請求項1のエンジンのキック作動検査装置。
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