JP3865993B2 - 繰り出し容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繰り出し容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
口紅等の棒状化粧品を収納し、使用時にキャップを外した筒状の容器体から棒状化粧品の先端を繰り出して使用する繰り出し容器が一般に知られている。
【0003】
これらは例えば、下端部を把持部として構成するとともに、把持部上方の筒壁に割り溝を縦設させた主筒と、主筒の少なくとも割り溝縦設部分外周を被覆して回動可能に嵌合させるとともに、内面に螺条溝を穿設させた回動筒と、主筒内に上下動可能に嵌合させるとともに、外面より突出させたピンの先端を割り溝を介して螺条溝に係合させ、且つ、棒状化粧品の下端部を固定させる化粧品固定筒とを備え、回動筒に対する主筒の回動により化粧品固定筒が上下動する如く構成したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来品では使用中に化粧品固定筒が下がってしまうことがあり、また、保管,運搬中に外力により化粧品固定筒が上昇して棒状化粧品先端がキャップ裏面に衝突するといった不都合を生じる虞があった。
【0005】
本発明はこの様な点を考慮してなされたもので、保管,運搬等の不使用時には化粧品を固定する中皿の外力による上昇を防止でき、ひいては化粧品のキャップ裏面への衝突を防止し、使用時には中皿を任意位置に確実に係止して、棒状化粧品を押圧した程度では引っ込むことがなく、使い勝手の良い繰り出し容器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の繰り出し容器は、上記課題を解決するため、周壁上端より下方へ押上板嵌合用の帯状窓孔6を穿設した外筒2と、外筒2内周に下部を嵌合させて上部を上方へ起立するとともに、窓孔6両側背後位置に一対の案内切り溝9を縦設し、且つ、案内切り溝間の周壁裏面に多数の係止凹部10を縦列して設けた内筒3と、内筒3内周下部に摺動上昇可能に嵌合させた環状摺動部12を周壁8外周より突設するとともに、底壁14下面周縁より垂設した円筒状の袴筒15前部下端より一対の切り溝16を形成して揺動板部17を画成し、且つ、揺動板部17前面に突設した係合突起18を係止凹部10の一つと係合させてなる中皿4と、窓孔6に前方への抜け出しを防止して押し込み可能且つ上昇可能に嵌合させた押上板20の裏面両側より後方へ、案内切り溝9を介して揺動板部17を押し込み可能に貫通し、その先端を袴筒15内周面に当接係止した一対の弾性腕22を突設した押上部材5とを備え、押上板20の押し込みにより揺動板部17が後方へ押圧されて係止凹部10と係合突起18との係合が解除するとともに、該状態での押上部材5の押し上げにより中皿4が上昇する如く構成したことを特徴とする繰り出し容器として構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0008】
図1に示す如く、本発明の繰り出し容器1は、外筒2と、内筒3と、中皿4と、押上部材5とを備えている。
【0009】
外筒2は、上端面を開口した筒状をなし、周壁上端より押上板嵌合用の帯状窓孔6を穿設している。図示例では、底壁7周縁部より周壁8を立設した上端開口の有底円筒状をなし、周壁8の前部上端より下方へ正面視縦長矩形状の窓孔6を穿設している。外筒2の形状は、図示例の如き円筒状に限らず、角筒状、楕円筒状等種々の形態を採用できる。
【0010】
内筒3は、外筒2内周に下部を嵌合させて上部を上方へ起立するとともに、窓孔6両側背後位置に一対の案内切り溝9を縦設している。内筒3の形状は、外筒2の形状に合わせて種々選択することができる。
【0011】
また、各案内切り溝9は、押上部材5の後述する弾性腕を挿通させて、押上部材5の上下動を案内し或いは弾性腕の押し込みを可能ならしめるためのもので、図示例では窓孔6縁部位置から外筒2重複位置に至る横幅を備えている。また、その高さは、中皿4を内筒3の最上昇位置まで上昇させるにたる高さに穿設すると良い。図示例では周壁下端より上下方向中間部所定位置まで案内切り溝9を穿設しているが必ずしも下端より穿設する必要はなく、弾性腕の突設位置に合わせて穿設すれば良い。
【0012】
また、案内切り溝9間の周壁裏面には中皿4を任意位置で係止するための多数の係止凹部10を縦列して設けている。係止凹部10の形態は種々採用できるが、図示例では、多数の突起を縦列突設して、各突起の間を係止凹部として構成している。但し、これに限られず、単なる凹部を縦列して凹設したものであっても良い。
【0013】
中皿4は、その内部に棒状化粧品の基端部を嵌合させて上下動させることにより棒状化粧品を内筒より出し入れするためのもので、内筒3内周下部に摺動上昇可能に嵌合させた環状摺動部12を周壁13外周より突設するとともに、底壁14下面周縁より垂設した円筒状の袴筒15前部下端より一対の切り溝16を形成して揺動板部17を画成し、また、揺動板部17前面に突設した係合突起18を係止凹部10の一つと係合させている。また、袴筒15下部の揺動板部17両側所定位置には、各切り溝16と連通させ、押上部材5の後述弾性腕を挿通嵌合させる貫通孔19を穿設している。尚、図示例の環状摺動部は周壁13上端縁外周より突設した上向きスカート状をなしているが、これに限られず、例えば周壁13外周に突周設した縦断面半球状をなす摺動部等その他の形態も可能である。但し、各係止凹部10が本実施例の如き突起間に設けたものの場合には、最上部の突起上方を摺動する如く構成する。
【0014】
押上部材5は、中皿4を上下動させるためのもので、窓孔6に前方への抜け出しを防止して押し込み可能且つ上昇可能に嵌合させた押上板20を備えている。押上板20は、窓孔に略ピッタリ嵌合する面積を有し、背後の内筒3との間に押し込みが可能な隙間21を設けている。また、押上板20裏面両側より後方へそれぞれ一対の弾性腕22を突設している。各弾性腕22は、案内切り溝9を介して揺動板部17を押し込み可能に貫通し、その先端を袴筒15内周面に当接係止している。
【0015】
図示例では、案内切り溝9内で周方向に屈折した後、前記貫通孔19を介して袴筒15内へ延び、その先端をそれぞれ袴筒15後部内周面に当接している。そして、屈折部分の前面が外筒2の窓孔縁部裏面に当接して外方への抜け出しを防止し、また、弾性腕22と外筒2との当接と、弾性腕22先端部の袴筒15内面との当接とでガタ付きを防止している。また、屈折部分の後方を揺動板部17前面縁部に当接させて、押上板20の押し込みにより揺動板部17が後方へ押圧され、その結果、係合突起18の係止凹部10との係合が解除する如く構成している。尚、図中23はキャップを示し、内筒3上部外周に嵌合させた周壁上端より頂壁を延設した下端面開口の筒状をなし、周壁内周下部に周設した係止凹部を、内筒外周に突周設した係止突条に係止させて着脱可能に嵌合させている。
【0016】
上記の如く構成した繰り出し容器1を使用する場合について説明すると、図1の状態からキャップ23を外した後押上板20を押し込むと、各弾性腕22が後方へ押し込まれ、この際、各弾性腕22の屈折部分裏面により揺動板部17が後方へ弾性変形させられて係止凹部10から係合突起18が外れる。この際、各弾性腕は、図2に示す如く、その先端が袴筒15内周面に沿って摺動し、弾性変形する。次いで、その状態から押上板20を押し上げると中皿4が上昇し、棒状化粧品が内筒3上端開口から突出する。棒状化粧品の突出状況に合わせた任意の位置で押し上げをやめ、押上板20の押圧を解除すると、揺動板部17の弾性復元力と、各弾性腕22の弾性復元力とにより押上板20が押し戻され、係合突起18が同レベルの係止凹部10と係合し、中皿4の押し下げを防止する。
【0017】
使用後は再び押上板20を押圧して係合突起18と係止凹部10との係合を解除し、その状態から押上板20を押し下げれば中皿4が下降して棒状化粧品が内筒3内に収納され、次いで押上板20の押圧を解除すれば、同様に係合突起18が同レベルの係止凹部10に係合される。
尚、上記各部材は合成樹脂等により形成すると良い。
【0018】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明の繰り出し容器は、既述構成としたことにより、押上板20を押し込んだ後押し上げれば簡単に棒状化粧品を繰り出すことかでき、また、その状態から押上板20を押し下げれば元の状態に簡単に戻すことができるため、片手での操作を行える便利がある。
【0019】
また、不使用時には化粧品を固定する中皿4の外力による上昇を防止でき、ひいては化粧品のキャップ裏面への衝突を防止する。更に、使用時には中皿4を任意位置に確実に係止して棒状化粧品を押圧した程度では引っ込むことが無く使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】同実施例の弾性腕部分の横断面図である。
【図3】同実施例の正面図である。
【図4】同実施例の内筒を示す斜視図である。
【図5】同実施例の中皿を示す斜視図である。
【図6】同実施例の押上部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
2…外筒,3…内筒,4…中皿,5…押上部材,6…窓孔,7…底壁,
9…案内切り溝,10…係止凹部,12…環状摺動部,15…袴筒,16…切り溝,
17…揺動板部,18…係合突起,20…押上板,22…弾性腕

Claims (1)

  1. 周壁上端より下方へ押上板嵌合用の帯状窓孔6を穿設した外筒2と、外筒2内周に下部を嵌合させて上部を上方へ起立するとともに、窓孔6両側背後位置に一対の案内切り溝9を縦設し、且つ、案内切り溝間の周壁裏面に多数の係止凹部10を縦列して設けた内筒3と、内筒3内周下部に摺動上昇可能に嵌合させた環状摺動部12を周壁8外周より突設するとともに、底壁14下面周縁より垂設した円筒状の袴筒15前部下端より一対の切り溝16を形成して揺動板部17を画成し、且つ、揺動板部17前面に突設した係合突起18を係止凹部10の一つと係合させてなる中皿4と、窓孔6に前方への抜け出しを防止して押し込み可能且つ上昇可能に嵌合させた押上板20の裏面両側より後方へ、案内切り溝9を介して揺動板部17を押し込み可能に貫通し、その先端を袴筒15内周面に当接係止した一対の弾性腕22を突設した押上部材5とを備え、押上板20の押し込みにより揺動板部17が後方へ押圧されて係止凹部10と係合突起18との係合が解除するとともに、該状態での押上部材5の押し上げにより中皿4が上昇する如く構成したことを特徴とする繰り出し容器。
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