JP3865911B2 - シート背もたれ傾き調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車,その他の設備におけるリクライニングシートのシート背もたれ傾き調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のマニュアル式のリクライニングシートにおいて、その背もたれ傾き調整装置は、ラチェット機構を利用したものが主流となっている。この他に、遊星ギヤ式のものも一部で用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ラチェット機構を利用したものでは、背もたれ角度は段階的にしか調整できず、使用性が悪い。また、背もたれを倒したり、戻したりするときに、ラチェットの不完全噛み合い時に異常な音を発することがある。遊星ギヤ式のものは、無段階で調整できるが、ワンタッチでの操作ができないうえに構造が複雑でコスト高になるという問題点がある。さらに、従来のこの種の背もたれ傾き調整装置は、一般に、倒し過ぎたり、あるいは起こし過ぎたりした場合に、再度レバー操作等を行ってから戻し動作をしなくてはならず、操作性が悪いという問題点がある。
【0004】
この発明は、無段階で希望の角度に傾き調整でき、また倒し方向と起こし方向の調整が同時に自由にできて、操作性も良く、簡単な構成のシート背もたれ傾き調整装置を提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、滑らかな操作性が得られるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明のシート背もたれ傾き調整装置は、クラッチを構成するする内輪および外輪のいずれか一方をシート固定フレームに、他方を背もたれ固定フレームに固定したものであり、前記クラッチは、互いに正逆に回転可能な前記内輪および外輪と、常時はこれら内外輪間の正逆両方向の回転を摩擦接触でロックするロック手段と、所定の外力が加わることで正逆両方向に回転可能な状態に前記ロック手段のロックを解除するロック解除手段と、前記外力を与える操作部材とを備えるものとする。
この構成によると、内輪と外輪とは、常時はロック手段で互いの相対回転が不能なように回転がロックされており、すなわち回転が阻止されており、ロック解除手段に操作部材で所定の外力を加えることで、前記ロック手段のロックが解除され、内輪と外輪との正逆両方向の回転が可能となる。そのため、ロック解除状態で、背もたれを倒れ方向と起こし方向のいずれにも自由に調整することができる。また、摩擦接触で回転ロックするものであるため、無段階で傾き調整することができる。
【0006】
上記構成において、ロック手段およびロック解除手段は、次の構成とする。すなわち、ロック手段は、内輪の外径面および外輪の内径面のいずれか一方に設けた円周軌道面と、前記内輪の外径面および外輪の内径面の他方に設けられて前記円周軌道面と対面する複数のカム面と、これら円周軌道面と各カム面の間に介在された複数の転動体とで構成する。前記カム面は、中央部が深く円周方向の両側が浅くなるように形成されて前記転動体が中央位置からいずれかの方向へ偏ることで前記転動体と摩擦接触して内外輪の相対回転をロックするものとする。ロック解除手段は、前記各転動体を位置規制状態に保持するポケットの形成された保持器と、所定の外力が加わることで、前記転動体が前記カム面の中央位置となるように保持器を前記カム面の形成側輪に固定する案内手段とを備えるものとする。
この構成の場合、常時は、内輪と外輪との間に、いずれかの方向の相対回転が若干生じると、この回転に伴って転動体がカム面を中央位置から浅い位置に移動し、カム面と円周軌道面とに摩擦接触して内外輪間のそれ以上の相対回転を阻止する。相対回転が前記と逆方向に生じた場合は、転動体がカム面の中央位置から前記と逆方向に偏った位置に移動し、それ以上の内外輪の相対回転を阻止する。そのため、背もたれは調整された角度に保持される。保持器に操作手段で所定の外力を与えると、保持器は案内手段で案内されて若干移動し、その保持している転動体をカム面の最も深い中央位置に位置させる。そのため、両方向の回転のロックが同時に解除される。このように、転動体を介してロックを行うため、滑らかな操作性が得られる。
【0007】
また、この構成において、前記案内手段は、前記内輪および外輪のうちの前記カム面の形成側輪および前記保持器のいずれか一方に設けられた保持器固定溝と他方に設けられた係合突部とでなるものとする。これら保持器固定溝と係合突部とは、前記外力の非付与状態で互いに緩み状態に噛み合い、かつ前記外力の付与状態で密に噛み合うものとする。前記内輪および外輪のうちの円周軌道面形成側輪と保持器との間には摩擦力を与える弾性体を設ける。
この構成の場合、常時は、保持器固定溝と係合突部とが緩み状態に噛み合っており、この緩み範囲で保持器とカム面側輪との相対回転が可能となる。そのため、保持器で転動体をカム面の中央位置に保持する機能は生じず、前記のように転動体の摩擦接触で内外輪間の両方向の相対回転がロックされる。保持器に所定の外力を与えると、保持器固定溝と係合突部とが密に噛み合い、保持器はカム面側輪に拘束されて、その保持している転動体をカム面の中央位置に保持する。そのため、内外輪間の両方向の相対回転が可能となる。弾性体は、ロック解除後に外力を除いて再度ロック状態とするときに、転動体がカム面の浅い位置に移動するように、円周軌道面側輪の回転による保持器の連れ回りを生じさせるものであり、これにより確実にロックを生じさせる。
【0008】
さらに、この構成において、前記シート固定フレームに前記内輪を固定し、前記背もたれ固定フレームに外輪を固定し、前記内輪と同芯位置で前記シート固定フレームに設けられた主軸に前記操作部材を回転可能に取付け、保持器固定溝および係合突部は互いに軸方向に噛み合うものとし、操作部材と前記保持器とに、操作部材の回転に伴って前記外力となる軸方向力を前記保持器に作用させる操作用カム面を各々設ける。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。図2において、シート固定フレーム31は図1のシート33に、背もたれ固定フレーム32は背もたれ34に各々固定される。この状態で、クラッチ30の操作部材16のレバー16aを引き上げて背もたれ34を倒し、その位置でレバー16aを戻すと、背もたれ34はその位置で固定される。なお、背もたれ34は、ばね部材35で、常時起き上がる方向に付勢されている。ばね部材35は、コイルばねの形状で図示してあるが、実際にはぜんまいばねが背もたれ固定フレームの回転中心すなわち本クラッチの近傍に使用されることが多い。シート固定フレーム31および背もたれ固定フレーム32は、いずれもアーム状の板材からなる。
【0011】
図3において、各部の構成を説明する。クラッチ30は、主に、内輪1、外輪2、転動体3、保持器4、弾性体5、戻しばね21、および操作部材16で構成される。シート固定フレーム31には、主軸41が溶接で片持ち状に固定されている。内輪1は、一端に内鍔1aを有する円筒状に形成され、その内鍔1aに設けられた中心の孔で主軸41に嵌合し、半径方向に位置決めされている。また、内輪1はシート固定フレーム31に対して、内鍔1aを貫通するリベット等の固定具36または溶接等で固定されている。
内輪1の外径面には、周方向複数箇所にカム面6が設けられ、これとは別に直径が若干小さな円周面部分1bが内鍔1a側の端縁に設けられ、この円周面部分1bに隣接する段面とシート固定フレーム1との間で構成される円周溝に、外輪2の内鍔2aを、隙間が生じる状態に挟み込み、滑り軸受からなるラジアルおよびアキシャル軸受部分40を構成している。
外輪2は、この軸受部分40での支持により、内輪1とシート固定フレーム31に対して半径および軸方向共に位置が規制され、回転方向のみ自由度がある。外輪2は、内鍔2aと反対側の端部に外鍔2bを有しており、この外鍔2bを利用して背もたれ固定フレーム32に溶接によって固定されている。
操作部材16は、一部にレバー16a(図2)を有する板状の部材からなり、中心部の孔で前記主軸41に回転自在に嵌合し、保持器4と対面するように、主軸41に止め輪37で軸方向に位置決めされている。また、操作部材16の保持器4側への移動を制限するために、スリーブ状のスペーサ38が内輪1の内鍔1aと操作部材16との間で主軸41の外周に設けられている。
【0012】
クラッチ30としての機能を生じる部分の構成を説明する。内輪1は、図4に示すように、外径面の周方向複数箇所にカム面6が設けられている。各カム面6は等間隔で設けられている。これらカム面6は、円周方向の中央部が深くかつ両側に次第に浅くなるように形成されたものであり、概ねV字状の断面形状とされている。このカム面6は、図5(A)のように直線状であっても、同図(B)のように凹円弧状などの曲面状であっても良い。カム面6のV字状の開き角度αは、例えば155°〜175°に設定されている。カム面6は、内輪1の軸方向の全長に設けられているが、軸方向の一部に設けたものであっても良い。
内輪1の片側(前記内鍔1aとは反対側)の幅面には、保持器固定溝7が円周方向の複数箇所に設けられている。例えば、保持器固定溝7はカム面6と交互に設けられている。保持器固定溝7は、溝幅の中心部が深くなる断面形状のものであり、この例では概ねV字状の断面形状とされている。V字状の傾斜は、カム面6に比べて急勾配としてある。なお、内輪1は、この例では円筒状としたが、軸であっても良い。すなわち、前記主軸41等の軸に直接にカム面6や保持器固定溝7が加工されていても良い。
【0013】
図3に示すように、外輪2は、その内径面部分を、ころからなる転動体3が転走可能なように、円筒面状の円周軌道面2aとしてある。外輪2の円周軌道面2aと、内輪1のカム面6と、転動体3とで、内輪1と外輪2との正逆両方向の相対回転を阻止するロック手段12が構成される。
【0014】
保持器4は、図6に示すように円筒状に形成され、円周方向の複数箇所に、転動体3を保持するポケット8が内外径に貫通して形成され、かつ内輪1の各保持器固定溝7と噛み合う係合突部9と、ばね固定用ピン10とが各々周方向複数箇所に設けられている。ポケット8の保持器円周方向の幅は、転動体3との間に微小な隙間が生じる程度の幅、または負の隙間となる幅とする。保持器4の材質は合成樹脂製としてある。係合突部9は、保持器4の内径面に突設された内鍔19の内面に設けられ、三角形の山形とされている。ばね固定用ピン10は、保持器4における係合突部9のある幅面と反対側の幅面に設けられている。保持器4の係合突部9と、内輪1の保持器固定溝7とで、案内手段14が構成される。また、この案内手段14と保持器4とで、ロック解除手段13が構成される。
【0015】
図6(B)は、保持器4に弾性体5を取付けた状態を示す。弾性体5は、リング状の側板5aと、この側板から放射状に延びるアーム状の複数のばね片5bとからなる板ばねで構成される。ばね片5bは、側板5aから斜め外径側に延びて先端部分が軸方向と略平行となるように折り曲げられており、その先端部分が外輪2の内径面に押し付け状態に接触する。弾性体5は、保持器4に設けられたばね固定用ピン10を側板5aの孔に挿通し、加締ることで保持器4に固定されている。弾性体5の固定は、加締による他に、溶着やねじ止め、あるいは鋲止め、または接着でも良い。
【0016】
弾性体5は、外輪2の回転に対して保持器4が一定の摩擦力を保持して連れ回る機能が得られれば良いのであるから、ばね部材の他にゴム等の弾性体を用いても良い。例えば、保持器4の外径面に設けた円周溝にOリング等からなるリング状の弾性体(図示せず)を埋め込んでも良い。また、このような弾性体を設ける代わりに、保持器4を多角形にするか、保持器4の外径面に突部を設けるなどして、保持器4の周方向の複数箇所が外輪2の内径面に当たり、保持器4自体の弾性で外輪2に対して連れ回りが生じる程度の一定の摩擦力が得られるようにしても良い。
【0017】
操作部材16は、保持器4の幅面と対向する面の周方向複数箇所(図示では4か所)に、操作部材16の回転に伴って径方向力を保持器4に作用させる操作用カム面17を設けてある。また、これら操作用カム面17に各々接する複数の操作用カム面18を、保持器4の幅面に形成してある。これら操作用カム面17,18は、緩い勾配のV字状の山形としてある。隣合う操作用カム面17間の部分は、平坦面部17aとされている。なお、この操作用カム面17,18の緩い勾配のV字状の山形は両方にある必要はなく、片方のみを部分的な凸部としても良い。
図3(B)に示すように、前記の戻しばね21は、保持器4を操作部材16側へ戻す弾性復元力を与えるものであり、保持器4と外輪2の内鍔2aとの間に介在させてある。戻しばね21には、皿ばねまたは板ばね等のばね部材が用いられる。
また、同図に示す操作部材16と図1のシート33との間には、図2に示すようにレバー16aを下方に戻す方向に付勢するレバー戻しばね22が設けられている。
【0018】
上記構成の動作を説明する。レバー16aが中立位置となっているとき、この例ではレバー16aが水平近くに下がっているときは、保持器4の幅面の操作用カム面18と操作部材16aの操作用カム面17とが、その凸部と凹部とで対向しているので、保持器4は軸方向の外力を受けず、自然状態となっている。この状態では、クラッチは回転ロック機能があり、背もたれ34は前にも後ろにも、つまり起し側にも倒れ側にも動くことはできない。
すなわち、保持器4は、内輪1に設けられた保持器固定溝7に係合突部9で緩い噛み合い状態となっており、その隙間の範囲で保持器4は内輪1に対して自由に回転位相が変わる。このため、外輪2が正逆いずれかの方向に僅かでも回転すると、保持器4が外輪2に対して連れ回りを生じ、この保持器4の移動により転動体3はカム面3の中央から偏った浅い位置となり、内外輪1,2間の回転をロックする。
【0019】
次に、レバー16aを所定角度(例えば略45°)引き上げると、操作部材16の操作用カム面17と保持器4の操作用カム面18とが凸部同志で対面し、保持器4は操作部材16で軸方向に押される。これにより、保持器4の係合突部9が内輪1の保持器固定溝7に密に嵌合し、この嵌合に伴う案内作用で、保持器4と内輪1の回転位相が一致させられる。そのため、保持器4のポケット8に保持された転動体3はカム面6の中央に位置し、その位置が保持されることになり、転動体3の摩擦接触が解消されて、回転ロック機能が失われる。
したがって、背もたれ34は、いずれの方向にも自由に動くことができる。この場合に、背もたれ34を倒すときは、人の背中の力で、背もたれ34が起き上がるときは、ばね部材35の復元力による。
背もたれ34の位置が決まった後、レバー16aを元の下方位置に戻すと、回転ロック機能が回復して、背もたれ34は固定される。
【0020】
このシート背もたれ傾き調整装置によれば、このように、背もたれ34は任意の角度で固定することができる。また、従来のラチェット式のものと異なり、不完全噛み合い等による異音の発生がない。このように、このシート背もたれ傾き調整装置は、従来品にない操作感触と高級感を得ることができる。
【0021】
図7ないし図9は、この発明の他の実施形態を示す。この例は、保持器4に径方向の外力を与えることで、回転ロック状態とロック解除状態とを切り替えるようにしたものである。この例は、保持器4と内輪1の一部で構成される案内手段14Aの構成、および操作部材16Aと保持器4との関係を変えたことを除いて、図1ないし図6の例と同じ構造である。ただし、保持器4は、弾性変形可能な材質とする。
この例では、内輪1の側縁における外径面に保持器4の係合突部9Aと噛み合う保持器固定溝7Aを設ける。保持器4は、内径面に係合突部9Aを設ける。保持器固定溝7AはV溝状とし、係合突部9AはこのV溝状の保持器固定溝7Aに対応した三角形状の山形としてある。これら保持器固定溝7Aおよび係合突部9Aにより、案内手段14Aが構成される。内輪1のカム面6の形状は図1の例と同じである。
また、操作部材16Aは、保持器4の外周に位置する鍔状のリング部16bを有し、このリング部16bの内径面の周方向複数箇所(図示では4か所)に、操作部材16Aの回転に伴って径方向力を保持器4に作用させる操作用カム面17Aを設けてある。操作用カム面17Aは、リング部16bの内径面となる円の一部の弦となる直線に形成してある。また、これら操作用カム面17Aに各々接する複数の操作用カム面18Aを、保持器4の外径面に円弧状断面の突部によって形成してある。
【0022】
この構成の場合、操作部材16Aを回転させると、操作用係合面17A,18Aの係合により、保持器4が弾性変形して内輪1の保持器固定溝7Aに保持器4の係合突部9Aが噛み合い(図8(B))、保持器4の位置が規制される。これより回転ロックが解除される。操作部材16Aをもとの角度に戻すと、回転ロック状態となる。図9(B)は各々外輪2が時計方向に回転しかけた場合、および反時計方向に回転しかけたときの回転ロック状態を各々示す。
【0023】
図10,図11は、参考提案例を示す。この例は、図1の例において、転動体3およびカム面6を設けた代わりに、スプラグ3Aを設けたものである。スプラグ3Aは略T字状の側面形状のものであり、その基端を、内輪1の外径面に設けた円弧状断面の支点溝6Aに揺動自在に嵌合させてある。図11(B),(C)に示すように、スプラグ3Aは、正逆の任意方向に傾くことで、内外輪1,2間の相対回転をロックする。保持器4は、スプラグ3Aの脚片部を嵌合するポケット8Aを有しており、図3の例と同じ構成の保持器固定溝7および係合突部9からなる案内手段14で、内輪1と同位相に拘束可能とされる。その他の構成は図1〜図6の例と同じである。
この構成の場合も、内輪1と外輪2とは、常時はスプラグ3Aで互いの相対回転が不能なように回転がロックされており、操作部材16を操作することで、内輪1と外輪2との正逆両方向の回転が可能となる。そのため、ロック解除状態で、背もたれ34を倒れ方向と起こし方向のいずれにも自由に調整することができる。
【0024】
【発明の効果】
この発明のシート背もたれ傾き調整装置は、シート固定フレームと背もたれ固定フレームの間に設けるクラッチの構成を、互いに正逆に回転可能な前記内輪および外輪と、常時はこれら内外輪間の正逆両方向の回転を摩擦接触でロックするロック手段と、所定の外力が加わることで正逆両方向に回転可能な状態に前記ロック手段のロックを解除するロック解除手段と、前記外力を与える操作部材とを備えるものとしため、無段階で希望の角度に傾き調整でき、また倒し方向と起こし方向の調整が同時に自由にできて、操作性も良く、構造も簡単で安価なものとできる。
特に、ロック手段にカム面と転動体を用いるため、滑らかな操作が可能で、滑らかな操作性と高級感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるシート背もたれ傾き調整装置を設置したシートの側面図である。
【図2】同シート背もたれ傾き調整装置の側面図である。
【図3】同シート背もたれ傾き調整装置の部分切欠破断正面図、(B)は同図(A)のIII-111 線断面図である。
【図4】同クラッチの内輪の斜視図である。
【図5】同内輪のカム面の各種の例を示す拡大断面図である。
【図6】(A)は同クラッチの保持器と操作部材の斜視図、(B)は同保持器に弾性体を取付けた状態の斜視図である。
【図7】この発明の他の実施形態にかかるシート背もたれ傾き調整装置の部分破断正面図である。
【図8】その作用説明図である。
【図9】他の動作状態の作用説明図である。
【図10】 参考提案例にかかるシート背もたれ傾き調整装置の分破断正面図である。
【図11】その作用説明図である。
【符号の説明】
1…内輪
2…外輪
3…転動体
3A…スプラグ
4…保持器
5…弾性体
6…カム面
7…保持器固定溝
9…係合突部
12…ロック手段
13…ロック解除手段
14…案内手段
16…操作部材
16a…レバー
16A…操作部材
17,18…操作用カム面
17A,18A…操作用カム面
21…戻しばね
30…クラッチ
31…シート固定フレーム
32…背もたれ固定フレーム
33…シート
34…背もたれ
41…主軸
Claims (1)
- クラッチを構成するする内輪および外輪のいずれか一方をシート固定フレームに、他方を背もたれ固定フレームに固定し、前記クラッチは、互いに正逆に回転可能な前記内輪および外輪と、常時はこれら内外輪間の正逆両方向の回転を摩擦接触でロックするロック手段と、所定の外力が加わることで正逆両方向に回転可能な状態に前記ロック手段のロックを解除するロック解除手段と、前記外力を与える操作部材とを備え、前記ロック手段は、前記内輪の外径面および外輪の内径面のいずれか一方に設けた円周軌道面と、前記内輪の外径面および外輪の内径面の他方に設けられて前記円周軌道面と対面する複数のカム面と、これら円周軌道面と各カム面の間に介在された複数の転動体とを備え、前記カム面は中央部が深く円周方向の両側が浅くなるように形成されて前記転動体が中央位置からいずれかの方向へ偏ることで前記転動体と摩擦接触して内外輪の相対回転をロックするものとし、前記ロック解除手段は、前記各転動体を位置規制状態に保持するポケットの形成された保持器と、所定の外力が加わることで、前記転動体が前記カム面の中央位置となるように前記保持器を前記カム面の形成側輪に固定する案内手段とを備えるものとし、前記案内手段が、前記内輪および外輪のうちの前記カム面の形成側輪および前記保持器のいずれか一方に設けられた保持器固定溝と他方に設けられた係合突部とでなり、これら保持器固定溝と係合突部とは、前記外力の非付与状態で互いに緩み状態に噛み合い、かつ前記外力の付与状態で密に噛み合うものとし、前記内輪および外輪のうちの円周軌道面形成側輪と保持器との間に摩擦力を与える弾性体を設け、前記シート固定フレームに前記内輪を固定し、前記背もたれ固定フレームに外輪を固定し、前記内輪と同芯位置で前記シート固定フレームに設けられた主軸に前記操作部材を回転可能に取付け、保持器固定溝および係合突部は互いに軸方向に噛み合うものとし、操作部材と前記保持器とに、操作部材の回転に伴って前記外力となる軸方向力を前記保持器に作用させる操作用カム面を各々設けたシート背もたれ傾き調整装置。
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