JP3865871B2 - 研磨ロールのブリスターパック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は研磨ロールのブリスターパックに関する。さらに詳しくは、研磨ロール等を収納した状態で研磨テープの切断が可能であるため取扱いが簡便であるとともに、切断部に金属製のブレードを用いていないため安全な切断作業が可能な研磨ロールのブリスターパックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から商品の包装形態の一つとして、立体効果、陳列効果、中身の良好な視認性などの観点から、商品の上から真空または圧空成形を施した塩ビシート等と台紙との貼り合わせからなるブリスターパックが普及している。このようなブリスターパックには、積み重ねタイプと吊り下げタイプがあり、商品の種類によって使い分けられているが、スーパーストアやDIYショップなどでは、最近、陳列効率の観点から上方に吊り下げ穴をもつ吊り下げタイプが数多く見られるようになっている。
一方、粘着剤付研磨テープの包装には従来ポリエチレンフィルム等の袋が用いられてきたが、このポリエチレンフィルム等の袋では、粘着剤付研磨テープとポリエチレンフィルム等の袋が擦り合い、砥粒の脱粒や、ポリエチレンフィルム等の袋の破れが生じ粘着剤付研磨テープの商品価値が著しく減少するといった問題があり、この問題を解決するために蓋体部と基体部がヒンジ部を介して連結され、該ヒンジ部を軸として前記蓋体部と基体部とを開閉可能としたプラスチックの中空匣体であるブリスターケースが開示されている(実公平3−5569号公報)。
しかし、ここに開示されたブリスターケースでは、研磨ロールを切断するためには、カッターまたは鋏等の工具を用いなければならず、作業現場ではその取扱いが必ずしも簡便ではなかった。
また、その取扱いをより簡易にするために、ブリスターケースに収納された粘着剤付研磨ロールをそのまま金属製のブレードを有する専用ディスペンサーに装填して切断することも可能であるが、金属製のブレードを有するため雑然とした作業現場では、必ずしも安全ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、中身の視認性が良好で立体効果があり、かつ陳列効果があるブリスターパックであって、パッケージされたままテープの切断が可能であるためその取扱いが簡便で、かつ金属製のブレードを有しないためより安全なブリスターパックを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明によれば、下記を要旨とする研磨ロールのブリスターパックが提供される。
【0005】
[1]:筒状芯体に、裏面に粘着剤を付した、筒状芯体の幅より狭いテープ幅の研磨テープを巻回した研磨ロールと、この研磨ロールを収納するとともに、この研磨ロールのテープ先端を連続して引出し、かつ所定の長さに切断することが可能なブリスターパックとを備えた研磨ロールのブリスターパックにおいて、ブリスターパックが、研磨ロールの円筒芯体の両端部を回転可能に支承する支持部と、この支持部と一体的に形成され、研磨テープの切断部位の近傍を仮固定する位置決め部を有するブリスター台と、このブリスター台およびその支持部に支承された研磨ロールの外形形状に対応した外形形状を有し、これらを被覆するように重ね合わされるとともに、ブリスター台の位置決め部の設置位置に対応して形成される押圧部と、その位置決め部から外方に研磨テープを取出し可能な切欠き部と、研磨テープを切断することが可能な切断部とを有するブリスターパック本体と、を備えたことを特徴とする研磨ロールのブリスターパック。
【0006】
[2]:前記ブリスターパック本体の押圧部が、内側に突出した突起を有するとともに、前記ブリスター台の位置決め部が、その上部に一以上の突起または突条を有する[1]記載の研磨ロールのブリスターパック。
【0007】
[3]:前記ブリスター台の支持部の上部が、V字形の溝部を有するとともに、V字形の溝部の両斜面のそれぞれが一以上の突起または突条を有する[1]または[2]記載の研磨ロールのブリスターパック。
【0008】
[4]:前記ブリスターパックの下面に台紙を備えた[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨ロールのブリスターパック。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は本発明に用いられるブリスターパックの一実施形態を模式的に示す説明図である。
図2は、本発明に用いられる研磨ロールの一実施形態を模式的に示す説明図である。
【0010】
本発明の研磨ロールのブリスターパックは、図1に示すブリスターパック10(ブリスター台20とこのブリスター台20をその上方から被覆するように重ね合わせるブリスターパック本体30とから大要構成される)の中に図2に示す研磨ロール40が収納された状態で構成される。またこのブリスターパック10は、その中に収納された研磨ロール40のテープ先端43を連続して引出しかつ所定の長さに切断することが可能なように構成されている。
以下、本発明の研磨ロールのブリスターパックを各構成要素ごとに具体的に説明する。
【0011】
1.ブリスターパック
本発明に用いられるブリスターパック10は、図1に示すようにブリスター台20とブリスターパック本体30とから大要構成されている。なお、ブリスター台20とブリスターパック本体30とは一体または別体のいずれで形成されていてもよい。
【0012】
(1)ブリスター台
図1に示すようにブリスター台20は、図2に示す研磨ロール40の筒状芯体41の両端部を回転可能に支承する支持部21,21’およびブリスターパック本体30の切欠き部32から引き出された研磨テープ42の切断部位の近傍を仮固定する位置決め部22,22’を有している。
【0013】
▲1▼支持部
支持部21,21’は、その上で研磨ロールの筒状芯体の両端部が低摩擦で円滑に回転できるようにすることが好ましい。例えば、図1に示すようにV字形の溝部23,23’を形成することにより研磨ロールの筒状芯体との線接触を可能とし、かつこのV字形の溝部23,23’の両斜面にそれぞれ一以上の突起または突条24,24’を設けることにより研磨ロールの筒状芯体との点接触を可能とする。
なお、図1では筒状芯体の回転方向に延伸する突条24,24’を用いた場合を示している。
【0014】
▲2▼位置決め部
i)設置目的
位置決め部22,22’は研磨テープの裏面に付与された粘着剤によってその場所で研磨テープを仮固定し、研磨テープの切断部位を確保するとともに切断を確実かつ容易にするために用いられる。
【0015】
ii)設置位置
この位置決め部22,22’は後述するブリスターパック本体30の押圧部31,31’に対応した位置に設置される。この押圧部31,31’と位置決め部22,22’との間に研磨テープを挟持し、2ケ所の押圧部31,31’を押圧することにより研磨テープは位置決め部22,22’上に仮固定される。
【0016】
iii )形状
粘着剤の粘着性の強さにもよるが、研磨テープの切断部位を確保でき、研磨テープが位置決め部22,22’から容易に剥離できる程度の大きさであって、ブリスターパック本体30上から指で押圧することができる面積と高さがあればよい。この場合、次の切断作業を円滑に行うためには、確実な仮固定をする必要がある一方、切断後、仮固定された研磨テープを軽い引張り力で引き出すため、また切断したテープ片を使用する場合に粘着力を弱めないようにするためには、容易に剥離しうる仮固定でなければならないという二律背反の要求を満足させる必要がある。
【0017】
iv)突起または突条
粘着性の強い粘着剤を用いた研磨テープを用いる場合等には、上述の二律背反の要求を満足させるため、図1に示すように、位置決め部22,22’には、一以上の突起または突条25,25’を形成し、接触面積を減少させることが好ましい。突起または突条の高さは、指の押圧力によって変形しない高さであればよい。また、この突起または突条の高さを左右で変えることが好ましい。切断回数の増加に伴ないブリスターパック本体30の切欠き部32,(切断部33)の両端がその中央部よりも摩耗して切れ味が悪くなるからである。
なお、図1では突条25,25’を用いた場合を示している。
【0018】
v)位置決め部と支持部との一体形成
位置決め部22,22’は支持部21,21’と一体的に形成することが好ましい。
別体で形成すると、構成が複雑になる。また、一体で形成すると、研磨テープ片を切断した後、支持部と位置決め部の双方でよりしっかりとテープの巻き戻しを防止することができる。
【0019】
(2)ブリスターパック本体
▲1▼外形形状
図1に示すように、本発明に用いられるブリスターパック本体30は、前記ブリスター台20およびその支持部21,21’に支承された研磨ロールの外形形状に対応した外形形状を有し、これらを上方から被覆するように重ね合わされる。
【0020】
▲2▼押圧部
このブリスターパック本体30には、前記ブリスター台20の位置決め部22,22’の設置位置に対応して押圧部31,31’が形成されている。図1において符号A,A’で押圧方向を示している。この押圧部31,31’には有効な押圧を可能とするため内側に突出した突起(図示せず)を形成することが好ましい。
【0021】
▲3▼切欠き部
ブリスターパック本体には、押圧部31,31’および位置決め部22,22’から外方に研磨テープを取出し可能な切欠き部32が設けられている。
切欠き部32はブリスターパック本体30の側壁面でその端縁から下がった位置に底面と平行な略四角形に切欠いて形成することが好ましい。その設置位置は、端縁から約0〜7mm下がった位置であることが好ましく、約2〜4mm下がった位置がさらに好ましい。端縁から約7mmを超えて下がった位置であると、切欠き部の腰が弱くなりカッターの幅に相当する部分の強度がなく、研磨テープの切断が困難となるからである。また、切欠き部32の大きさは、研磨テープを引出し可能な横幅とテープの先端を指で摘んで連続して引出すことが可能な縦幅があればよい。
この切欠き部32の上端(切断部33)と位置決め部22とで形成される間隙は、研磨テープの厚さにもよるが、約1〜5mmとすることが好ましい。1mm未満であるとテープが走行しにくく、5mmを超えるとブリスターパック本体30が変形するおそれがある。
【0022】
▲4▼切断部
切断部33は、たとえば、切欠き部32と接するブリスターパック本体の上端縁を兼用することができる。
【0023】
▲5▼切断方法
以下、研磨テープの切断方法の好適例を示す。
研磨テープの切断方法は、
i)切欠き部32から研磨テープを指で掴んで所定の長さだけ引き出す。
ii)位置決め部22,22’に研磨テープを仮固定し、切断部位を確保する。
iii )押圧部31,31’をAおよびA’方向から研磨テープを挟持した状態で押圧する。
iv)片手で押圧部31,31’を押圧しながら、他の片方の手でi)で引き出した研磨テープを、その切断部33に接している部分を支点にして上方に引き上げる。
v)切断後、研磨テープは位置決め部22,22’に仮固定されるためブリスターパック本体30の中に巻き戻ってしまうことが防止される。
【0024】
▲6▼折り曲げ部
また、必要に応じてブリスターパック本体30の上辺を除いた三辺には後述する台紙11を挿入するための折り曲げ部を設けることが好ましい。
【0025】
(3)ブリスターパックの材料および寸法
ブリスターパック本体30とブリスター台20とを一体に成形する場合のみならず別体で成形する場合であっても、同一の材料と同一の基準で作製するのが好ましい。
▲1▼材料
(i)種類
商品を透視できる透明さ、商品の重量を支持できる機械的強度および商品を傷めない程度の硬度があればよい。たとえば、ポリ塩化ビニール、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
(ii)厚さの範囲
商品の重量を支持でき、商品を傷めずかつ加工しやすい程度の厚さであればよい。たとえば、約0.3mm〜約0.8mmが好ましく、約0.4mm〜約0.6mmがさらに好ましい。0.3mm未満であるとパックが変形したり、商品の重量を支持できず、0.8mmを超えると加工が困難となる。
【0026】
▲2▼成型法…たとえば真空成形法、圧空成形法を挙げることができる。
【0027】
▲3▼本体寸法…研磨テープが収納でき、テープの先端を連続して引き出すことが可能であれば任意の寸法が可能である。
【0028】
2.研磨ロール
図2に示すように、本発明に用いられる研磨ロール40としては、筒状芯体41に、裏面に粘着剤を付した筒状芯体41の幅よりも狭いテープ幅の研磨テープ42を巻回したものであれば特に制限はない。また用いられる粘着剤の種類等についても特に制限はない。
【0029】
3.台紙
図1に示すように、本発明においては、必要に応じて台紙11をブリスターパック本体30の折り曲げ部34に挿入して、ブリスターパック本体30と台紙11との間に研磨ロール40とブリスター台20とを封入してもよい。なお、ブリスターパック30の折り曲げ部34の幅を広くして台紙11の使用を省略してもよい。また台紙の上部には、吊り下げ穴12を設けることが商品展示の便宜上好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
ポリ塩化ビニールを材料に選定し、真空成形法で厚さ0.5mmに成形したブリスターパック本体と、同様に支持部と位置決め手段とを一体的に成形したブリスター台とを用意し、ブリスターパック本体の側壁面の上部から2mm下方に粘着剤付き研磨テープが通過可能な横幅で、かつ手で引き出し可能な長さを有する逆台形状の切欠き部を設け、粘着剤付き研磨ロールを前記ブリスター台の支持部に装填し、装填した前記ブリスター台にブリスターパック本体を上方から被覆するように重ね合わせて研磨ロールのブリスターパックを作製した。
このブリスターパック本体の切欠き部から前記粘着剤付き研磨テープを引き出し、所定の長さで位置決め部に図1に示すA,A’のように押圧して切断部位を確保し、このブリスターパック本体の切欠き部である切断部を支点に前記粘着剤付き研磨テープの先端を上方に引いて切断した。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の研磨ロールのブリスターパックは、下記のような効果を発揮する。
(1)パッケージされている(中身の研磨ロールが視認でき、かつ残存量を目視することができる)状態でテープの切断が可能である。
(2)切断手段に金属製のブレードを使用することがなく、ブリスターパック本体の、切欠き部に接する上端部から切断部を形成しているため安全である。
(3)テープ片の切断後にテープの巻き戻りがなく、引き出して切断することを連続して行うことが可能である。
(4)研磨ロールを支承する支持部がブリスター台に一体的に形成されているため、従来のブリスターパックと比べて違和感がない形状とすることができ商品としての見映えがよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるブリスターパック(ブリスター台およびブリスターパック本体)の一実施形態を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明に用いられる研磨ロールの一実施形態を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 ブリスターパック
20 ブリスター台
21,21’ 支持部
22,22’ 位置決め部
23,23’ V字形溝部
24,24’ 突起または突条
25,25’ 突起または突条
30 ブリスターパック本体
31,31’ 押圧部
32 切欠き部
33 切断部
40 研磨ロール
41 筒状芯体
42 研磨テープ
Claims (4)
- 筒状芯体に、裏面に粘着剤を付した、筒状芯体の幅より狭いテープ幅の研磨テープを巻回した研磨ロールと、この研磨ロールを収納するとともに、この研磨ロールのテープ先端を連続して引出し、かつ所定の長さに切断することが可能なブリスターパックとを備えた研磨ロールのブリスターパックにおいて、
ブリスターパックが、研磨ロールの円筒芯体の両端部を回転可能に支承する支持部と、この支持部と一体的に形成され、研磨テープの切断部位の近傍を仮固定する位置決め部を有するブリスター台と、
このブリスター台およびその支持部に支承された研磨ロールの外形形状に対応した外形形状を有し、これらを被覆するように重ね合わされるとともに、ブリスター台の位置決め部の設置位置に対応して形成される押圧部と、その位置決め部から外方に研磨テープを取出し可能な切欠き部と、研磨テープを切断することが可能な切断部とを有するブリスターパック本体と、
を備えたことを特徴とする研磨ロールのブリスターパック。 - 前記ブリスターパック本体の押圧部が、内側に突出した突起を有するとともに、前記ブリスター台の位置決め部が、その上部に一以上の突起または突条を有する請求項1記載の研磨ロールのブリスターパック。
- 前記ブリスター台の支持部の上部が、V字形の溝部を有するとともに、V字形の溝部の両斜面のそれぞれが一以上の突起または突条を有する請求項1または2記載の研磨ロールのブリスターパック。
- 前記ブリスターパックの下面に台紙を備えた請求項1〜3のいずれか1項記載の研磨ロールのブリスターパック。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16822097A JP3865871B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 研磨ロールのブリスターパック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16822097A JP3865871B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 研磨ロールのブリスターパック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1111491A JPH1111491A (ja) | 1999-01-19 |
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Family
ID=15864022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16822097A Expired - Lifetime JP3865871B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 研磨ロールのブリスターパック |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3865871B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-25 JP JP16822097A patent/JP3865871B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH1111491A (ja) | 1999-01-19 |
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