JP3865228B2 - 運転台昇降式荷役車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転台が昇降される構成の荷役車両に係り、特には無駄な電力消費を削減するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷物の積み下ろし作業等に用いられる荷役車両のうちには運転台が昇降可能とされたものがあり、倉庫内のラック等に保管されている荷物の多品種小出し作業、いわゆるピッキング作業に用いられるピッキングフォークリフトは、例えば図5に示すような全体構造となっている。すなわち、走行装置を有する車両本体1に左右一対のマスト2が立設され、このマスト2に沿って運転台3が昇降可能に設けられている。この運転台3には、調速用の走行レバー、昇降用の昇降レバー、操舵用のステアリングハンドル(いずれも図示省略)等が設けられ、また、運転台3の床部にはフォーク4が取り付けられている。尚、図5において、5は作業者、6は操舵輪を兼ねたドライブ輪、7はロード輪、8は保護ガードである。
【0003】
ところで、省エネ等の観点から、荷役車両のうちには運転操作が何も行われていない状態がある一定時間継続したときに自動的に電力供給を遮断する、いわゆるオートパワーオフ機能を備えたものが提供されている。このオートパワーオフ機能は、例えば図6に示すフローチャートの手順で実行される。尚、図6及び以下の説明において、符号Sはステップを意味する。
【0004】
キースイッチがオンされると(S1のYes)バッテリーからの電力供給が行われ(S2)、この状態で何ら運転操作が行われていない場合(S3のNo)には、非操作状態が所定時間T(例えば15分間)だけ継続しているか否かが判断される(S5)。非操作状態が所定時間Tだけ継続したとき(S5のYes)には、バッテリーからの電力供給が自動的に遮断される(S6)。尚、電力供給中、非操作状態が所定時間Tだけ継続するまでに運転操作が行われた場合(S3のYes)には、その操作に応じてモータが駆動制御されて(S4)、車両の走行や運転台3の昇降がなされる。
【0005】
このようなオートパワーオフ機能を備えておけば、例えば、作業者5が車両を離れて他の作業をしているような場合や作業者5がキースイッチをオフし忘れて車両を離れてしまった場合には、自動的に電力供給が遮断されるため、電力供給が継続されたまま車両が放置されることに伴なう無駄な電力消費が抑えられることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ピッキングフォークリフトのように運転台が昇降可能とされた荷役車両においても、このようなオートパワーオフ機能を備えることで、省エネ効果が得られることになる。しかしながら、運転台昇降式荷役車両に従来のオートパワーオフ機能をそのまま適用すると、次のような問題点がある。
【0007】
すなわち、ピッキングフォークリフトにあっては作業者5が自らピッキング作業を行うので、その作業内容によっては上記の所定時間T以上にわたってピッキング作業が継続することがある。ところが、従来のオートパワーオフ機能では、所定時間Tだけ操作入力が無い状態が継続したときには自動的に電力供給が遮断されるように構成しているために、ピッキング作業を終えて運転操作を再開する際には、作業者5がキースイッチを再度オンにし直す操作をせねばならず、余分な作業負担を強いることとなる。特に、省エネ効果を高めるために所定時間Tを比較的短く設定してある場合には、このような問題が顕著に現れるので、大きな作業効率の低下になりかねない。
【0008】
また、ピッキングフォークリフトにオートパワーオフ機能が備わっていることを認識している作業者であっても、長時間にわたるピッキング作業の直後に電力供給が遮断されていることに気付いた場合、それがオートパワーオフ機能によるものではなく何らかの故障によるものであると誤認してしまうことが考えられる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、オートパワーオフ機能による省エネ効果を確保する一方で、オートパワーオフ機能を備えることが作業者に余分な作業負担を強いることのない構成とした運転台昇降式荷役車両を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る運転台昇降式荷役車両は、作業者が搭乗する昇降可能な運転台の揚高を検出する揚高検出手段と、運転台に設けられた運転操作装置が操作されているか否かを検出する操作有無検出手段と、運転操作装置が操作されていない状態が所定時間継続したときに、運転台の揚高が予め設定された基準値を超えていれば車載バッテリーから車両に具備された各種電気機器への電力供給を継続させ、運転台の揚高が上記基準値以下であれば上記電力供給を自動的に遮断する電源遮断手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、運転操作装置が操作されていないことが検出されている状態が所定時間だけ継続したときに、運転台の揚高が高く予め設定された基準値を超えており、運転操作装置が操作されていなくとも作業者が車両から離れていないと考えられる状況下にあるときには、車載バッテリーから各種電気機器への電力供給は継続される。そのため、例えば作業者が高所でのピッキング作業を長時間行っていたためにオートパワーオフ機能で電力供給が遮断されてしまうということがなくなり、ピッキング作業を終えた作業者はそのまま運転操作等を行うことができる。一方、運転台の揚高が低く上記の基準値以下であり、作業者が車両から離れる可能性があると考えられる状況であれば、車載バッテリーから車両に具備された各種電気機器への電力供給が自動的に遮断されるので、これによって省エネを図ることができる。
【0012】
尚、請求項1に記載の発明における揚高検出手段としては、運転台と車両本体(或いは、運転台の昇降を案内するマスト)との相対的な位置関係から運転台の揚高を検出するものや、運転台と地面との相対的な位置関係から運転台の揚高を検出するもの、運転台を昇降させる昇降駆動装置の動作量(例えば昇降用油圧シリンダの伸縮量)により運転台の揚高を検出するもの等を用いることができる。また、請求項1に記載の発明における操作有無検出手段としては、作業者の操作に伴なう運転操作装置(例えば、レバーやハンドル)の動作を直接的に検出するものの他、運転操作装置の操作に基づいて制御される機器の動作(例えば、モータの回転動作やシリンダの伸縮動作)を検出することで間接的に運転操作装置の動作を検出するもの等を用いることができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、請求項2に記載の発明に係る運転台昇降式荷役車両は、作業者が搭乗する昇降可能な運転台の揚高を検出する揚高検出手段と、運転台に作業者が搭乗しているか否かを検出する作業者有無検出手段と、作業者が運転台に搭乗していない状態が所定時間継続したときに、運転台の揚高が予め設定された基準値を超えていれば車載バッテリーから車両に具備された各種電気機器への電力供給を継続させ、運転台の揚高が上記基準値以下であれば上記電力供給を自動的に遮断する電源遮断手段と、を備えることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、作業者有無検出手段により作業者が搭乗していないことが検出されている状態が所定時間だけ継続したときに、運転台の揚高が高く予め設定された基準値を超えており、作業者が運転台に搭乗していなくとも車両から遠く離れてはいないと考えられる状況下にあるときには、車載バッテリーから各種電気機器への電力供給は継続される。そのため、例えば作業者が運転台からパレット上へ移動して高所でのピッキング作業していたためにオートパワーオフ機能で電力供給が遮断されてしまうということがなくなり、ピッキング作業を終えた作業者はそのまま運転操作等を行うことができる。一方、運転台の揚高が低く上記の基準値以下であり、作業者が車両から離れる可能性があると考えられる状況であれば、車載バッテリーから車両に具備された各種電気機器への電力供給が自動的に遮断されるので、これによって省エネを図ることができる。
【0015】
尚、請求項2に記載の発明における揚高検出手段としては、運転台と車両本体との相対的な位置関係から運転台の揚高を検出するものや、運転台と地面との相対的な位置関係から運転台の揚高を検出するもの、運転台を昇降させる昇降駆動装置の動作量(例えば昇降用油圧シリンダの伸縮量)により運転台の揚高を検出するもの等を用いることができる。また、請求項2に記載の発明における作業者有無検出手段としては、運転台の床部に作用する荷重により作業者の有無を検出するものや、運転台上からの移動(降車を含む)に伴なって動作する可動部(例えば運転台に設けられた開閉式ガード)の動作を検出することで作業者の有無を検出するもの等を用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を昇降可能な運転台にフォークが具備されたピッキングフォークリフトに適用した場合の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態に係るピッキングフォークリフトの制御系の構成を示すブロック図、図2はこの実施の形態に係る制御手順を示すフローチャートである。尚、この実施の形態に係るピッキングフォークリフトの全体構造は、図5に示した従来技術と基本的に同じであることから全体構造については図5を参照することとし、従来の構成に対応する部分については同一の符号を付して説明する。
【0018】
この実施の形態に係るピッキングフォークリフトは、車両本体1に、走行装置(図示省略)と、油圧装置(図示省略)と、走行装置や油圧装置等の独立した動作や連携した動作を統括的に制御するためのコントローラ30が内蔵されている。ここで、走行装置は、主に走行モータと、ステアリングモータと、これら各モータの駆動回路と、操舵輪を兼ねたドライブ輪6とから成っている。一方、油圧装置は、主にオイルタンクと、ポンプと、ポンプ駆動用のモータ(以下、昇降モータと称す)と、流路切換及び流量調整用の電磁比例弁と、これらの駆動回路とから成っている。
【0019】
車両本体1の一端側には左右一対のマスト2が立設されており、これらのマスト2間には運転台3が昇降可能に設けられている。マスト2にはリフトシリンダ(図示省略)が備わっており、このリフトシリンダの伸縮動作に伴なって運転台3は昇降することになっている。また、車両本体1の一端側から延設された左右のストラドルアーム部にはそれぞれロード輪7が回転自在に設けられており、車両本体1は操舵輪を兼ねたドライブ輪6と一対のロード輪7とによって支持されている。
【0020】
運転台3には、ストラドルアーム部と同方向に延出された左右一対のフォーク4や、ピッキングフォークリフトを運転するための運転操作装置、作業者の転落を防止するための保護ガード8等が配備されている。ここで運転操作装置は、調速操作用の走行レバー、昇降操作用の昇降レバー、操舵操作用のステアリングハンドル(いずれも図示省略)を備えており、それぞれの操作量を検出するために各レバーやハンドルの軸支部にはポテンショメータが取付けられている。
【0021】
この実施の形態に係るピッキングフォークリフトの制御系は、図1に示すように構成されている。図1において、11は車体走行用の走行モータ、12は運転台昇降用の昇降モータ、13はパワーステアリング用のステアリングモータ、16は走行モータ11を駆動する走行駆動回路、17は昇降モータ12を駆動する昇降駆動回路、18はステアリングモータ13を駆動する操舵駆動回路である。また、21は走行レバーの操作量を検出する走行検出用ポテンショメータ、22は昇降レバーの操作量を検出する昇降検出用ポテンショメータ、23はステアリングハンドルの操作量を検出する操舵検出用ポテンショメータであり、これら各ポテンショメータ21,22,23が本発明における操作有無検出手段であり、検出される操作量がゼロであるときに各レバーやハンドルは操作されていないと判断することができる。
【0022】
図1において、25は運転台3の揚高を検出するためのマイクロスイッチである。この実施形態では本発明における揚高検出手段を、運転台3に取付けたドグと、マスト2の所定位置に取付けたマイクロスイッチ25とで構成しており、運転台3が所定揚高H以下にあるときに、ドグがマイクロスイッチ25を押圧してオンさせるようになっている。つまり、マイクロスイッチ25がオンとなっていれば、運転台3の揚高が所定揚高H以下であると判断することができる。ここで、所定揚高Hが本発明における基準値に相当する。尚、揚高検出手段としては、この他にも例えばリール式のポテンシヨメータやエンコーダ、あるいはマスト2に設けた磁気テープを運転台3に取り付けた磁気センサで検出する等の手段が適用可能である。
【0023】
また、図1において、26は上記の各駆動回路16,17,18等へ電力を供給するバッテリー、27はキースイッチ、28,29はそれぞれ電力供給経路の途中に設けられたリレー回路である。また、30は走行レバー等の操作に伴ない各ポテンショメータ21,22,23で検出される操作量に応じて各駆動回路16,17,18を制御するCPU等からなるコントローラである。
【0024】
次に、上記構成を有するピッキングフォークリフトにおけるコントローラ30による制御について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図2及び以下の説明において、符号Sはステップを意味する。
【0025】
キースイッチ27がオンされると(S11のYes)、各リレー回路28,29がオンとなり、各モータ11,12,13や各駆動回路16,17,18、コントローラ30等への電力供給が開始される(S12)。コントローラ30は、走行レバー、昇降レバー、ステアリングハンドルのいずれかの運転操作が行われているか否かを判断し(S13)、運転操作が行われていると判断された場合(S13のYes)には、各ポテンショメータ21,22,23で検出される操作量に応じて各駆動回路16,17,18を介して各モータ11,12,13を駆動制御する(S14)。このとき、各リレー回路28,29はオン状態が継続されており、電力供給中である。
【0026】
一方、S13において走行レバー、昇降レバー、ステアリングハンドルのいずれの運転操作も行われないと判断された場合(S13のNo)には、コントローラ30は、その非操作状態が所定時間T(例えば15分間)継続しているか否を判断する(S15)。つまり、コントローラ30は、S13において何ら運転操作が行われないと判断した時点で非操作状態の継続時間の計測を開始し、S15においてその計測した時間と所定時間との比較を行う。そして、未だ所定時間Tだけ継続していないと判断されれば(S15のNo)、リターンして非操作状態の継続時間の計測を続ける。
【0027】
これに対して、S15で所定時間Tだけ継続していると判断された場合(S15のYes)には、コントローラ30は、揚高検出手段25の検出出力を取り込み、運転台3の揚高が所定揚高H(例えば50cm)以下になっているか否かを判断する(S16)。
【0028】
このとき、運転台3の揚高が所定揚高Hを超えているとき(S16のNo)には、作業者5はピッキング作業を行なっている途中で、車両から離れていないと考えられるため、各リレー回路28,29はオンのままで、電力供給状態が継続される。
【0029】
一方、S16で運転台3の揚高が所定揚高H以下であるとき(S16のYes)には、作業者5はピッキング作業を行なっておらず車両から離れていると考えられるので、コントローラ30は、各リレー回路28,29をオフにして電力供給を遮断する(S17)。このように電力供給を遮断させる各リレー回路28,29及びコントローラ30が、本発明における電源遮断手段である。
【0030】
尚、オートパワーオフ機能により電力供給が遮断された後、再び電力供給を開始させるには、キースイッチ27を一旦オフにし再度オンすればよく、これにより各リレー回路28,29がオンするため、電力供給が再開される。また、運転台3の揚高が所定揚高Hを超えている状態であっても、作業者5がキースイッチ27をオフにしさえすれば電力供給は遮断されるので、オートパワーオフ機能に頼らず作業者5が意識的に電力供給を遮断して無駄な電力消費をなくすことができる。
【0031】
このように、この実施の形態では、運転台3の揚高が低く、かつ何ら運転操作も行われていない状況、つまり作業者5が車両から離れる可能性があると考えられる状況下では、オートパワーオフ機能により無駄な電力消費を抑えることができる。一方、何ら運転操作も行われていないても、運転台3の揚高が高くて作業者5が車両から離れていないと考えられる状況下では、オートパワーオフ機能により電力供給が遮断されることはないので、従来のように運転再開時に作業者5に電源を入れ直す等の余分な作業負担をかけることがない。
【0032】
また、運転台3に、ピッキング作業中の作業者5の足元を照明するようにランプが取り付けられる場合があるが、運転台3の揚高が高い状態でピッキング作業をしているときにオートパワーオフ機能により不意にランプが消灯されてしまうといったことも防止され、ピッキング作業に支障を来たすことがない。
【0033】
以下では、本発明の他の実施の形態について説明する。
図3はこの実施の形態に係る制御系の構成を示すブロック図、図4はこの実施の形態に係る制御手順を示すフローチャートである。尚、この実施の形態に係るピッキングフォークリフトの全体構造は、上記の実施の形態と基本的に同じであることから全体構造については説明を省略する。また、図3に示すこの実施の形態に係る制御系において、上記の実施の形態と共通する部分については同一の符号を付して説明する。
【0034】
この実施の形態に係るピッキングフォークリフトの制御系は、図3に示すように構成されている。すなわち、図1で示す上記の実施の形態での制御系に、さらに作業者有無検出手段としての圧力センサ32が追加されており、また、コントローラ30に代えて、各ポテンショメータ21,22,23で検出される操作量に応じて各駆動回路16,17,18を制御すると共に、揚高検出手段をなすマイクロスイッチ25及び圧力センサ32からの入力に基づいて各リレー回路28,29を制御する、CPU等からなるコントローラ31とされた構成となっている。
【0035】
圧力センサ32は運転台3の床部に内蔵されており、運転台3に作業者5が搭乗すると、その荷重に応じて検出信号を出力するようになっている。つまり、圧力センサ32により検出される荷重がゼロであるときに、運転台3に作業者5が搭乗していないと判断することができる。
【0036】
次に、このような構成を有するピッキングフォークリフトにおけるコントローラ31による制御について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。尚、符号Sはステップを意味する。
【0037】
キースイッチ27がオンされると(S21のYes)、各リレー回路28,29がオンとなり各モータ11,12,13や各駆動回路16,17,18、コントローラ31等への電力供給が開始される(S22)。コントローラ31は、作業者5が運転台3に搭乗しているか否かを判断し(S23)、搭乗していると判断された場合(S23のYes)には、各リレー回路28,29のオン状態を継続させて、引き続き電力供給を行わせる。
【0038】
一方、S22において作業者5が運転台3に搭乗していないと判断された場合(S23のNo)には、次に、コントローラ31は、その状態が所定時間T(例えば15分間)継続しているか否を判断する(S24)。つまり、コントローラ31は、S23において作業者5が運転台3に搭乗していないと判断した時点で非搭乗状態の継続時間の計測を開始し、S24においてその計測した時間と所定時間との比較を行う。そして、未だ所定時間Tだけ継続していないと判断されれば(S24のNo)、リターンして非操作状態の継続時間の計測を続ける。
【0039】
S24で所定時間Tだけ継続していると判断されると(S24のYes)、コントローラ31は、揚高検出手段25の検出出力を取り込み、運転台3の揚高が所定揚高H(例えば50cm)以下になっているか否かを判断する(S25)。
【0040】
このとき、運転台3の揚高が所定揚高Hを超えているとき(S25のNo)には、作業者5はピッキング作業を行なっている途中で、例えば作業のために運転台3からフォーク4に載置されたパレット上へ移動していると考えられるため、各リレー回路28,29はオンのままで、電力供給状態が継続される。
【0041】
一方、S25で運転台3の揚高が所定揚高H以下であると判断されるとき(S25のYes)には、作業者5はピッキング作業を行なっているわけでもなく運転台3に搭乗していない、つまり作業者5は車両から離れていると考えられるので、コントローラ31は、各リレー回路28,29をオフにして電力供給を遮断する(S26)。このように電力供給を遮断させる各リレー回路28,29及びコントローラ31が、本発明における電源遮断手段である。
【0042】
このように、この実施の形態では、運転台3の揚高が低く、かつ作業者5が運転台3に搭乗していない状況下では、オートパワーオフ機能により無駄な電力消費を抑えることができる。一方、作業者5が運転台3に搭乗していなくても、運転台3の揚高が高い状況下では、オートパワーオフ機能により電力供給が遮断されることはないので、従来のように運転再開時に作業者5に電源を入れ直す等の余分な作業負担をかけることがない。
【0043】
尚、本発明は、上記の実施の形態で説明した内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することができる。例えば、所定時間Tや揚高の基準値Hは上記の数値に限定されるものではないのは勿論であり、作業内容や作業環境に応じて適宜設定することができる。また、運転台昇降式荷役車両としても、ピッキングフォークリフトに限定されるものではなく、例えば、リーチ型フォークリフトやカウンタバランス型フォークリフトのマストにフォークを備えた運転台を昇降可能に装着したものに対しても、本発明を適用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、運転台の揚高が低くて作業者が車両から離れる可能性があると考えられる状況下では、オートパワーオフ機能による省エネ効果を得ることができる。一方、運転台の揚高が高くて作業者が車両から離れていないと考えられる状況下では、オートパワーオフ機能により電力供給が遮断されることはないので、運転再開時に作業者に余分な作業負担をかけることがない。しかも、足元照明用のランプ等も不意に消灯されてしまうことがないので、従来よりも更に一層安全性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るピッキングフォークリフトの制御系の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るオートパワーオフ機能の動作説明に供するフローチャートである。
【図3】 本発明の他の実施の形態に係るピッキングフォークリフトの制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態に係るオートパワーオフ機能の動作説明に供するフローチャートである。
【図5】 ピッキングフォークリフトの全体構造の概略を示す側面図である。
【図6】 従来のオートパワーオフ機能の動作説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
3 運転台
5 作業者
21 走行検出ポテンショメータ(操作有無検出手段)
22 昇降検出ポテンショメータ(操作有無検出手段)
23 操舵検出ポテンショメータ(操作有無検出手段)
25 マイクロスイッチ(揚高検出手段)
26 バッテリー
27 キースイッチ
28,29 リレー回路(電源遮断手段)
30,31 コントローラ(電源遮断手段)
32 圧力センサ(作業者有無検出手段)

Claims (2)

  1. 作業者が搭乗する昇降可能な運転台の揚高を検出する揚高検出手段と、運転台に設けられた運転操作装置が操作されているか否かを検出する操作有無検出手段と、運転操作装置が操作されていない状態が所定時間継続したときに、運転台の揚高が予め設定された基準値を超えていれば車載バッテリーから車両に具備された各種電気機器への電力供給を継続させ、運転台の揚高が上記基準値以下であれば上記電力供給を自動的に遮断する電源遮断手段と、を備えることを特徴とする運転台昇降式荷役車両。
  2. 作業者が搭乗する昇降可能な運転台の揚高を検出する揚高検出手段と、運転台に作業者が搭乗しているか否かを検出する作業者有無検出手段と、作業者が運転台に搭乗していない状態が所定時間継続したときに、運転台の揚高が予め設定された基準値を超えていれば車載バッテリーから車両に具備された各種電気機器への電力供給を継続させ、運転台の揚高が上記基準値以下であれば上記電力供給を自動的に遮断する電源遮断手段と、を備えることを特徴とする運転台昇降式荷役車両。
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